JP2630159B2 - エンボス化粧シートの製造方法 - Google Patents
エンボス化粧シートの製造方法Info
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Description
様を有するエンボス化粧シートの製造方法に関し、木質
系ボード類や無機系ボード類、鋼板等の表面に接着剤で
貼り合わせて化粧板として用いるエンボス化粧シートの
製造方法に関する。
ボス化粧シートとしては、塩化ビニール樹脂シートがも
っとも一般的であった。しかし近年焼却時に塩素が発生
する等の理由により、塩化ビニール樹脂を使用しないエ
ンボス化粧シートが要望されている。しかしながら塩化
ビニール樹脂のもつ適度な柔軟性や、エンボス適性、耐
摩耗性、表面硬度、耐薬品性、耐汚染性等のバランスの
とれた性質を満たすものはなかった。
時または直後にエンボス加工する方法については、当社
出願になる特公昭57−27814号公報により、既に
公知であるが、基材として塩化ビニール樹脂シートを使
用する点と、ポリエステル樹脂を単層で押出す点で本方
法の目的にそぐわなかった。また包装材料の分野では複
数種類の樹脂を同時に押出して、基材シートに積層し様
々な機能を持たせることが一般的に行われているが、用
途が包装材料であるため、主として耐久性の面で本発明
の目的である化粧シートに使用できるものではなかっ
た。
題を解決するためになされたものであり、その課題とす
るところは、塩化ビニール樹脂以外の材料を用いて塩化
ビニール樹脂のもつ特性を上回る性質をもったエンボス
化粧シートを製造する方法に関し、特にエンボスの再現
性、耐久性耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、耐候性、柔軟
性等にすぐれたエンボス化粧シートの製造方法を提供す
ることにある。
するために、基材シートの表面に、任意の印刷模様を施
した後、その上に溶融した2層以上の層よりなる透明熱
可塑性樹脂層を、多層押出機を用いて同時に押出して積
層し、同時にエンボス加工を行うことを特徴とするエン
ボス化粧シートの製造方法を提供するものであり、ま
た、基材シートの表面に印刷模様を施した後、接着剤を
塗布してから、前記透明熱可塑性樹脂層を押出して積層
することを特徴とすし、透明熱可塑性透明樹脂層が中間
層、表面保護層の2層よりなるか、中間層、接着層、表
面保護層の3層よりなることを特徴とするものであり、
ここでの中間層が熱可塑性アクリル樹脂または熱可塑性
アクリル樹脂にポリふっ化ビニリデン樹脂を添加した混
合物であり、表面保護層がポリふっ化ビニリデン樹脂ま
たはポリふっ化ビニリデン樹脂に熱可塑性アクリル樹脂
を添加した混合物であることや、中間層がポリオレフィ
ン系エラストマー樹脂であり、表面保護層がポリウレタ
ン系エラストマー樹脂であることや、中間層が軟質アク
リル樹脂であり、表面保護層が硬質アクリル樹脂である
ことや、中間層がポリプロピレン樹脂であり、表面保護
層がポリエチレンテレフタレート樹脂であることや、中
間層がポリプロピレン樹脂であり、表面保護層がオレフ
ィン系エラストマー樹脂であることなどを特徴とするも
のである。
る。本発明は図1に示すように、エンボスロール3と加
圧ロール4との間に基材シート1aと溶融した透明熱可
塑性樹脂層2とを挿入し、接着、冷却固化、エンボスを
同時に行う。一体化したシートはエンボスロールの外周
に添って移動し、剥離ロール5によって剥離され、エン
ボス化粧シート6となる。
はいずれも内部に冷却機構を備え、溶融した樹脂の温度
を下げて固化させる効果をもつ。通常はエンボスロール
を金属製、他のロールは表面をゴムとするのが一般的で
ある。冷却効果の大半はエンボスロールが担うため、エ
ンボスロールの直径によって、生産速度が決定される。
直径が大きければ大きい程速度は上げられるが、エンボ
スロールの製作コストも増大するので、製造原価を最小
にするためにエンボスロールの直径、生産能率、押出し
機の能力を総合的に検討しなければならない。
エンボスロールと剥離ロール5との間に挿入してもよ
い。この方法は、基材の厚さが薄くて、耐熱性に乏しい
場合であって、接着剤の併用等で接着性が十分確保され
る場合には、有効な方法である。
例を図2に示す。本発明における基材シート7として
は、塩化ビニール樹脂以外の種々の材質が可能である
が、無公害性、価格、性能、着色の容易さ等の点から考
慮すると、充填剤と着色顔料を添加したポリオレフィン
系材料が好適に使用できる。
することにより印刷層8が設けられ、またさらに接着剤
9を塗布することも好ましくおこなわれる。接着剤とし
ては以下に示す透明熱可塑性樹脂の組合わせに応じてウ
レタン系、アクリル系、ポリエステル系等の中から任意
に選択する。
しては、塩化ビニール樹脂以外であって、種々検討した
結果、2種類以上の特性の異なる樹脂を同時に押出すこ
とにより、種々の特性を得られることが分った。樹脂の
組合わせは、目的とする特性によりいろいろな組合わせ
が可能である。
ないし3層までが一般的である。4層以上でも技術的に
はもちろん可能であるが、押出し機の構造が複雑にな
り、作業が煩雑になる欠点が大きくなる。
に目的に適したものの例を表1に示す。なお基材シート
はいずれもポリオレフィン系樹脂を使用するものとす
る。
デン(以下PVDFと略す)を使用し、中間層としてア
クリル樹脂を使用した場合の例である。この組合わせ
は、表面のPVDF層で耐候性、耐汚染性、耐傷性等を
もたせ、中間のアクリル樹脂層で耐光性、透明性(深
み)等をもたせたものであり、通常の内装用途だけでな
く屋外の耐候性を要求される場所にも使用できる。接着
層として、PVDFとアクリルの混合物を使用すると2
層の接着力が確保できる。このようにして出来た化粧シ
ートは、折曲げ性、熱成型性も良好なものとなる。
ル混合樹脂(PVDFを多くする)を、中間層としてア
クリル/PVDF混合樹脂(アクリルを多くする)を使
用した場合であり、この場合には接着層を省略できる。
性能面でNo.1と大きな差は無い。
マーを使用した場合であり、独特の風合いと、しなやか
さが特徴となる。表面保護層の特徴を活かすため、中間
層としてオレフィン系エラストマーを使用するとコスト
的に有利である。
層を、中間層として軟質アクリルを使用した場合であ
り、耐汚染性、耐候性等にすぐれ、表面の透明感が非常
に良好となる。接着層は必要ない。
フタレート(PET)樹脂を、中間層としてポリプロピ
レン樹脂を使用した場合であり、表面の固さ、耐汚染
性、耐薬品性、耐溶剤性等に優れコスト的にも有利なも
のとなる。接着層としては両者に接着する特殊な接着性
樹脂を使用する。
ストマーを、中間層としてポリプロピレン樹脂を使用し
た場合であり、接着層は不要であり、コスト的に有利な
ものとなる。性能的には耐候性が若干劣るが、屋内用途
には十分使用できる。
述べたが、これらはあくまでも例であって特に限定され
るものではない。これ以外にも様々な組合わせが可能で
ある。
の特性の異なる樹脂を同時に押出すことにより、塩化ビ
ニール樹脂で得ていたような柔軟性、耐汚染性、耐薬品
性、耐候性、表面に耐傷性、透明感を主体とする意匠性
等の特性を得ることができる。また、基材シートの表面
に予め接着剤を塗布しておくことによって、溶融した透
明熱可塑性樹脂層との接着性を改善できる。また、透明
熱可塑性樹脂の構成は、表面保護層がシート表面の性能
を表し、中間層が層の主要部分となって、その他の物性
を担うものであり、また、さらに接着層が前記2層の接
着性を強化する目的で加えられる。
用いたのでは同時に満足させることが困難であるが、2
種類以上の樹脂を用いることにより同時に、比較的容易
に達成できる。
時にエンボスをかけることによって再現性に優れたエン
ボスが得られることとなる。
填シート(タツノ化学(株)製「タフパー」)を用い、
この表面にグラビア印刷法により木目模様を印刷した。
この上にウレタン樹脂系接着剤を塗布し、温風乾燥後、
表1のNo.1の組合わせになる透明熱可塑性樹脂を多軸エ
クストルーダーよりTダイにて押出し、直ちに道管エン
ボス版とゴムロールでニップしてエンボスとラミネート
を同時に行った。各層の厚さを表面保護層10μm、接
着層10μm、中間層40μmとしたところ、得られた
化粧シートは適度の柔軟性を備え、表面の耐傷性や、汚
染性に優れ、耐候性にも優れているばかりでなくエンボ
スの再現性が極めて良好であり商品価値の高いものであ
った。各層間の接着強度の点でも特に問題は無かった。
のNo.2の組合わせになる透明熱可塑性樹脂を使用した。
接着層は必要なかった。各層の厚さを表面保護層10μ
m、中間層40μmとしたところ、実施例1に比較して
やや表面の耐性が低かったが、塩化ビニール樹脂シート
との比較で劣る点は見られなかった。
のNo.3の組合わせになる透明熱可塑性樹脂を使用した。
基材シート上に塗布する接着剤は不要であった。各層の
厚さを表面保護層10μm、接着層10μm、中間層4
0μmとしたところ、得られた製品は柔軟性に富み、軟
質塩ビ化粧材の代替として使用可能であった。
のNo.4の組合わせになる透明熱可塑性樹脂を使用した。
接着層は不要であった。各層の厚さを表面保護層10μ
m、中間層40μmとしたところ、得られた製品は表面
の透明樹脂層の透明性が良好であり、深みを感じさせる
意匠的にすぐれたものであった。性能的には表面の耐傷
性と柔軟性のバランスも良く、コスト的にも実施例1、
2と比較して安価であった。但し耐溶剤性については、
実施例1、2と比較してやや劣るものであった。
のNo.5の組合わせになる透明熱可塑性樹脂を使用した。
基材シート上に塗布する接着剤は不要であった。各層の
厚さを表面保護層10μm、接着層10μm、中間層4
0μmとしたところ、得られた製品は表面の耐傷性、耐
薬品性、耐汚染性等に優れていた。また材料コストが安
価で済んだ。
のNo.6の組合わせになる透明熱可塑性樹脂を使用した。
各層の厚さを表面保護層10μm、中間層40μmとし
たところ、得られた製品は表層の透明感や耐候性には若
干欠けるものの屋内の内装材には十分使用可能であっ
た。またこの組合わせによると、接着層も基材上に塗布
する接着剤も不要であり、最も低コストで生産できた。
れるエンボス化粧シートは、透明熱可塑性樹脂を多層に
押出すにあたり、各層の材質、厚さ等を選択することに
より、目的とする特性に応じた品質設計が可能であり、
塩化ビニール樹脂のように可塑剤の種類、量、その他添
加剤の配合等の組合わせにより様々な特性を引出せる樹
脂シートを代替するのに都合が良い。
エンボスロールに圧着するため、エンボス形状の再現性
が極めて良好である。また樹脂は必然的に急速に冷却さ
れるためPVDFのような結晶化によって白濁しやすい
樹脂も透明性を保持することができる。
出してシート化するから一旦フィルムに成型したものを
再度加熱して貼り合わせ、エンボスをかけるよりもエネ
ルギーのロスも少なくコスト的にも有利である。
る。
造を示す説明図である。
Claims (9)
- 【請求項1】基材シートの表面に、任意の印刷模様を施
した後、その上に溶融した2層以上の層よりなる透明熱
可塑性樹脂層を、多層押出機を用いて同時に押出して積
層し、同時にエンボス加工を行うことを特徴とするエン
ボス化粧シートの製造方法。 - 【請求項2】基材シートの表面に印刷模様を施した後、
接着剤を塗布してから、前記透明熱可塑性樹脂層を押出
して積層することを特徴とする請求項1に記載のエンボ
ス化粧シートの製造方法。 - 【請求項3】前記透明熱可塑性樹脂層が中間層、表面保
護層の2層よりなることを特徴とする請求項1又は請求
項2に記載のエンボス化粧シートの製造方法。 - 【請求項4】前記透明熱可塑性樹脂層が中間層、接着
層、表面保護層の3層よりなることを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載のエンボス化粧シートの製造方
法。 - 【請求項5】前記中間層が熱可塑性アクリル樹脂または
熱可塑性アクリル樹脂にポリふっ化ビニリデン樹脂を添
加した混合物であり、前記表面保護層がポリふっ化ビニ
リデン樹脂またはポリふっ化ビニリデン樹脂に熱可塑性
アクリル樹脂を添加した混合物であることを特徴とする
請求項3又は請求項4に記載のエンボス化粧シートの製
造方法。 - 【請求項6】前記中間層がポリオレフィン系エラストマ
ー樹脂であり、前記表面保護層がポリウレタン系エラス
トマー樹脂であることを特徴とする請求項3又は請求項
4に記載のエンボス化粧シートの製造方法。 - 【請求項7】前記中間層が軟質アクリル樹脂であり、前
記表面保護層が硬質アクリル樹脂であることを特徴とす
る請求項3又は請求項4に記載のエンボス化粧シートの
製造方法。 - 【請求項8】前記中間層がポリプロピレン樹脂であり、
前記表面保護層がポリエチレンテレフタレート樹脂であ
ることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のエン
ボス化粧シートの製造方法。 - 【請求項9】前記中間層がポリプロピレン樹脂であり、
前記表面保護層がオレフィン系エラストマー樹脂である
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のエンボ
ス化粧シートの製造方法。
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