JP3678339B2 - 耐アルカリ性に優れた化粧板積層用印刷樹脂フィルム、その樹脂フィルムを積層した化粧板、及びその化粧板を用いたユニットバス - Google Patents

耐アルカリ性に優れた化粧板積層用印刷樹脂フィルム、その樹脂フィルムを積層した化粧板、及びその化粧板を用いたユニットバス Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧板積層用印刷樹脂フィルムおよびその樹脂フィルムを積層した化粧板に関し、特にユニットバスなど、表面に生成した黴を除去するためにアルカリ性の黴除去剤が付着しても、樹脂フィルムに亀裂を生じたり剥離したりすることがない、耐アルカリ性に優れた化粧板積層用印刷樹脂フィルム、その樹脂フィルムを積層した化粧板、及びその化粧板を用いたユニットバスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金属板などの基板に樹脂フィルムを積層した化粧板は、各種家具類や建築内装材等に広く使用されてきた。建築内装材用の樹脂フィルム積層化粧板の中でも高温多湿の浴室などに使用されるユニットバス用の化粧板は、一般の内装材として表面の美観に加え、耐水性を有していることが求められる。
このような化粧板において、樹脂フィルムと下地の基板との密着性が不良であると、その部分から水や水蒸気が侵入して、長期間の間には下地の基板を腐食して積層した樹脂フィルムが剥離する。
また、化粧板に美観を与える観点から、樹脂フィルムにエンボス加工を施して樹脂フィルムに一定深さのエンボス模様を形成させて立体感を付与するために、優れたエンボス加工性を有していることも求められる。
【0003】
以上のような観点から、内装材として下記に示すような化粧板が使用されている。すなわち
(1)基材となる樹脂層に通常の方法を用いて印刷を施し、印刷層の表面保護のために、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等のコート層を設けた化粧フィルム、
(2)基材となる樹脂層に印刷を施した後、透明な二軸延伸ポリエステルフィルムを接着剤層を介して積層した化粧フィルム、
(3)ポリ塩化ビニルフィルムの上に通常の方法を用いて印刷を施した後、透明なポリ塩化ビニルフィルムや二軸延伸ポリエステルフィルムを積層した化粧フィルム、
などの化粧フィルムを、接着剤を介して亜鉛めっき鋼板などの基板に積層したものが知られている。
【0004】
しかしながら、上記(1)の化粧フィルムを積層した化粧板は、化粧フィルムの強度が不十分であるため、折り曲げ加工などを施す場合、加工時に化粧フィルムが割れたり、折り曲げ部のインキが剥離し易いという問題があり、折り曲げ加工などを施す用途には適していない。また、(2)の化粧フィルムを積層した化粧板は、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性には優れているが、表面フィルムの柔軟性に乏しく、軟化温度が高いためエンボス加工を施した場合、エンボスが入り難い。さらに、(3)の化粧フィルムを積層した化粧板は、ポリ塩化ビニルフィルムが用いられているため、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性が劣り、また焼却して廃棄処理する際に、塩化水素ガスのような有毒ガスおよびそれに起因する有害物質が発生して環境を汚染したり、焼却する際に焼却炉を傷めたりするおそれがあるなどの問題を抱えている。
さらに、高温多湿の浴室内では黴が発生しやすく、特にユニットバスの側壁、天井など、水滴が付着して長時間蒸発せずに残存する箇所において黴発生が著しく、これらの部分に黴除去剤をスプレー等で付着させ、黴を除去することが行われている。しかるにこの黴除去剤はアルカリ性の水溶液であることが多く、特に化粧板を折り曲げ加工を施した部分に黴除去剤が付着したまま長時間経時すると、樹脂の耐水性が劣化して樹脂フィルムが剥離したり、基板が金属板である場合は金属板が腐食するなどの問題を生じやすい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂フィルムを用いた高鮮映性化粧シートの表面樹脂層にも用いられている二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの加工性を確保することを課題とする。
また、特にユニットバスなどに適用した場合に、表面にアルカリ性の黴除去剤が付着し長期間経時しても、樹脂フィルムに亀裂を生じたり剥離したりすることがない、耐アルカリ性を確保することを課題とする。
また、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムやポリオレフィン樹脂フィルムを用いた化粧シートと同等以上の印刷鮮映性を有する意匠性に優れた絵柄模様を有し、環境適性に優れ、耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性、さらには、加工性にも優れた化粧板積層用印刷樹脂フィルム、その樹脂フィルムを積層した化粧板、及びそのその化粧板を用いたユニットバスを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、
面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に印刷層、基材樹脂層、接着樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする。
請求項2に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、
面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に基材樹脂層、印刷層、着色樹脂層、接着樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする。
請求項3に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に印刷層、基材樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする。
請求項4に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に基材樹脂層、印刷層、着色樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする。
【0007】
請求項5に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記印刷層が、絵柄印刷層である上層と、前記基材樹脂層全面を隠蔽し、かつ前記絵柄印刷層の印刷下地色を付与するベタ印刷層である下層とからなることを特徴とする。
請求項6に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記印刷層が、絵柄印刷層またはベタ印刷層からなることを特徴とする。
請求項7に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特徴とする。
請求項8に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることを特徴とする。
請求項9に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜6のいずれかにおいて、前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが変性ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムであることを特徴とする。
請求項10に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項9において、前記変性ポリエチレンテレフタレートは、酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなることを特徴とする。
請求項11に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記基材樹脂層がポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
請求項12に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項2または4において、前記着色樹脂層が着色顔料を混練したポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
請求項13に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項11または12において、前記ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートからなることを特徴とする。
請求項14に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1〜13のいずれかにおいて、前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの上にさらに艶調整層を設けたことを特徴とする。
請求項15に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項13において、前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV値)が1.0〜2.0であることを特徴とする。
請求項16に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1又は2において、前記接着樹脂層が変性ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする。
請求項17に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項16において、前記変性ポリエチレンテレフタレートは、酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなることを特徴とする。
請求項18に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1又は2において、前記接着樹脂層が、樹脂成分中にアイオノマーを含有した樹脂からなることを特徴とする。
請求項19に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項2又は4において、前記着色樹脂層が、樹脂成分中にアイオノマーを含有した樹脂からなることを特徴とする。
請求項20に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項1又は3において、前記最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが、接着剤を介して前記印刷層と接するようにして積層されてなることを特徴とする。
請求項21に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、請求項2又は4において、前記最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが、接着剤を介して前記基材樹脂層と接するようにして積層されてなることを特徴とする。
【0008】
請求項22に記載の化粧板は、樹脂フィルムを積層する基板の少なくとも片面に、請求項1〜21のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを積層したものであることを特徴とする。
請求項23に記載の化粧板は、請求項22において、前記基板と前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの間に接着剤層を介して積層したものであることを特徴とする。
請求項24に記載の化粧板は、請求項22又は23において、前記基板に積層した後の前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数が0.040 〜0.175 であることを特徴とする。
請求項25に記載の化粧板は、請求項22又は23において、前記基板に積層した後の前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数が0.160 〜0.175 であることを特徴とする。
請求項26に記載の化粧板は、請求項22〜25のいずれかにおいて、前記基板が金属板であることを特徴とする。
【0009】
請求項27に記載のユニットバスは、請求項22〜26のいずれかに記載の化粧板を用いてなるものであることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の発明者等は、高温多湿で黴が発生しやすく、アルカリ性の黴除去剤が使用される、耐水性に加えて耐アルカリ性も要求されるユニットバスに用いられる化粧板について鋭意検討した結果、最表層として、面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(Tm−50)℃〜(Tm−5)℃なる温度範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを用いることにより、耐水性に加えて耐アルカリ性にも優れた化粧板が得られることを見いだした。
さらに、焼却時に有毒ガスおよびそれに起因する有害物質が発生して環境を汚染するおそれがあるポリ塩化ビニル樹脂フィルムに替わる、高鮮映性および意匠性に優れた絵柄模様を有し、かつ耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性に優れた化粧板に積層する印刷可能な樹脂フィルムについて鋭意検討した結果、積層される接着剤層、着色樹脂層ならびに印刷下地となる基材樹脂層としてポリエステル樹脂フィルム、特に接着剤層として酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなる変性ポリエチレンテレフタレートフィルム、また基材樹脂層として樹脂の固有粘度が1.0〜2.0のポリブチレンテレフタレートフィルムを用い、それに絵柄印刷層またはベタ印刷層、もしくは絵柄印刷層とベタ印刷層を形成し、さらに上記の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムからなる最表層を下から順次積層することにより、上記の要求特性を満足する化粧板に積層する樹脂フィルムが得られることを見出した。また、基材樹脂層にエンボス加工を施してエンボス凹部を形成した後、ワイピング法を用いてエンボス凹部にインキを充填してなるワイピング印刷層を設けてもよい。
そして、これらの化粧板積層用印刷樹脂フィルムを、積層した後の最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数が0.040〜0.175、または0.160〜0.175となるように金属板等の基板に積層することにより、耐水性および耐アルカリ性に優れた化粧板が得られることを見いだした。
【0011】
以下に本発明についてその内容を説明する。
図1〜7に本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの例を断面図で示す。図8および図9に本発明の化粧板の例を断面図で示す。図中の各符号はそれぞれ次のものを指す。すなわち、1は化粧板積層用印刷樹脂フィルム、2は基板、3は接着樹脂層、4は着色樹脂層、5は印刷層、5aは絵柄印刷層、5bはベタ印刷層、6は基材樹脂層、7はワイピング印刷用エンボス凹部、8はワイピング印刷層、9は二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム、10は化粧板、11は接着剤層、12は艶調整層を表している。
本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図1および2に示すように、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9の裏面全面に絵柄印刷層5aとベタ印刷層5bが設けられ、その下面に基材樹脂層6が積層されており(図2)、さらに基材樹脂層6の下面に選択的に接着樹脂層3が積層されている(図1)。
また、本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図3〜6に示すように、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9の下面に選択的に直接(図3、5)、または接着剤層を介して(図4、図6)基材樹脂層6が積層され、その下面に接着樹脂層3が積層されているるか、またはその上面に選択的にエンボス加工により形成されたエンボス凹部7に、ワイピングインキが充填されたワイピング印刷層8が設けられた基材樹脂層6が積層され、その下面に絵柄印刷層5aが施された着色樹脂層4が積層されており、さらに着色樹脂層5の下面に接着樹脂層3が積層されている(図3、4)。
さらに、本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図1、2に示すように、印刷樹脂層5として絵柄印刷層5aとベタ印刷層5bの両方が設けられていてもよいし、図5および図6に示すように、絵柄印刷層5aとベタ印刷層5bのどちらか一方が設けられていてもよい。
またさらに、本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図7に示すように、上記の用に構成された多層フィルムの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9の上面に、選択的に艶調整層12を設けてもよい。
【0012】
図8は、図2に示した化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を、直接基板2に積層した化粧板10を示す。
図9は、図2に示した化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を、接着剤層11を介して基板2に積層した化粧板10を示す。
さらに、本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、図示しないがその上面に凹凸を付与するために表面をエンボス加工したエンボスロールを用いて、エンボス加工を施したり、鏡面仕上げとするために、鏡面ロールを用いてロールプレスしてもよい。
【0013】
本発明の基材樹脂層6および着色樹脂層4に用いる樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、特に1.0〜2.0の固有粘度(IV値)を有するPBT、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、酸成分であるテレフタル酸の好ましくは2〜20モル%をイソフタル酸で置換してなる変性ポリブチレンテレフタレート(変性PBT)、PBTと変性PBTを好ましい混合比PBT/変性PBT(重量%)が95/5〜40/60でブレンドしてなるブレンド樹脂、PBTとポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましい混合比PBT/PET(重量%)が98/2〜50/50でブレンドしてなるブレンド樹脂、PBTとポリカーボネート(PC)を好ましい混合比PBT/PC(重量%)が95/5〜30/70でブレンドしてなるブレンド樹脂、PBTとPTTを好ましい混合比PBT/PTT(重量%)が95/5〜40/60でブレンドしてなるブレンド樹脂が好ましい。これらの樹脂の固有粘度は、製膜性の面から 1.5以下、耐水経時性(耐水劣化性)の面から 1.2以上であることが好ましい。また、着色樹脂層4は上記の樹脂に押出機を用いて製膜する際に着色顔料を混練することにより得られるが、着色樹脂層4と同様に、基材樹脂層6も押出機を用いて製膜する際に、樹脂中に着色顔料を混練して着色基材樹脂層としてもよい。
【0014】
絵柄印刷層5aは、例えば、木目、石目、天然皮革の表面柄、布目、抽象柄などの模様を表現した印刷層であり、ベタ印刷層5bは基材樹脂層7または着色樹脂層4の全面を隠蔽し絵柄印刷層5aの印刷下地色を与える印刷層であると共に、基材樹脂層6と二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9との熱接着性を付与する層でもある。印刷層5aおよび5bを形成するインキのビヒクルとしては、例えばニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリエステルウレタン樹脂などの公知のものが使用できるが、なかでも密着性及び熱接着性の両観点からニトロセルロース−アルキド樹脂系インキが好ましい。
【0015】
また、基材樹脂層6に選択的にエンボス加工を施してエンボス凹部7を形成した後、ワイピング印刷法を用いてエンボス凹部7にインキを充填してなるワイピング印刷層8を設ける場合、エンボス凹部7に充填されるワイピングインキとしては、塗料もしくはインキが用いられる。
例えば、天然樹脂またはその変成樹脂類、セルロース誘導体類、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等の合成樹脂類をビヒクルの構成材料とし、ビヒクル中に着色顔料、体質顔料等を添加して成る塗料もしくはインキが用いられる。使用されるビヒクルとしてはウレタン2液硬化型のものが好適に用いられる。ワイピング印刷法としては、ドクターブレード法、ロールコート法など、従来から使用されているワイピング印刷法のいずれによっても良い。
【0016】
二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9しては、可塑剤及びハロゲン属元素等を含まないポリエステル樹脂からなることを特徴とし、特に透明なポリエチレンテレフタレート、またはポリエチレンナフタレート、もしくは酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなる変性ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムであることが好ましい。本発明に用いる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムは、高温多湿のユニットバスの側壁、天井など、水滴が付着して長時間蒸発せずに残存する、黴発生が生じやすい箇所の材料としてに使用されることを前提とするが、これらの用途においては、黴発生部にアルカリ性の水溶液である黴除去剤をスプレー等で付着させ、黴を除去することが行われる。このアルカリ性の水溶液である黴除去剤が特に化粧板に折り曲げ加工を施した部分に付着したまま長時間経時すると、樹脂の耐水性が劣化して樹脂フィルムが剥離したり、基板が金属板である場合は金属板が腐食するなどの問題を生じやすい。そのため、本発明に用いる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムは、基板に積層した後も加工性に加えて十分な耐アルカリ性を有していることが不可欠である。そのためには基板に積層した後も二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが十分な二軸配向性を有していることが不可欠である。そのため、本発明に用いる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムは、他の各樹脂層に積層する以前に0.080〜0.170の面配向係数の2軸配向度を有し、各樹脂層に積層されて化粧板積層用印刷樹脂フィルムの最上層となった後、またはさらに、化粧板積層用印刷樹脂フィルムが基板に積層されて化粧板の最上層となった後も、積層以前に近い面配向係数の2軸配向度を有していなくてはならない。面配向係数が 0.080未満の場合は、付着した水滴がpH7近傍の中性であっても耐水性に乏しく、好ましくない。面配向係数が0.170 を超えるフィルムを製膜することは極めて困難である。
【0017】
さらに、本発明に用いる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムは、他の各樹脂層に積層されたり、各樹脂層が積層された化粧板積層用印刷樹脂フィルムが基板に積層される際の加熱により、上記の2軸配向度ができるだけ失われないようにするため、フィルム製膜時の熱固定温度が(Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲にあることが好ましい。熱固定温度が(Tm−50)℃未満の場合は、各樹脂層や基板に積層する際の加熱で配向が失われやすく好ましくない。(Tm−5)℃を超えるフィルムを安定して製膜することは極めて困難である。
【0018】
また、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムと基材樹脂層の厚み比が1:10未満では、印刷柄の深みがなくなる上にフィルムの積層時にしわが入りやすいなどの問題が生じ、一方、6:10を超えると基板への積層時に二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの収縮応力が大きくなり、好ましくない。
さらに、この最表層となる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの表面にもエンボス加工を施してエンボス凹部を形成して、化粧板積層用印刷樹脂フィルム全体に立体感を付与したり、または鏡面ロールを用いてロールプレスし、鏡面仕上げとしてもよい。
【0019】
さらに、最表層となる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの表面に艶調整層を設けることにより、意匠性をさらに向上させた化粧板積層用印刷樹脂フィルムとすることも可能である。この艶調整層は無色透明であっても、艶消しの透明であってもよく、化粧板積層用印刷樹脂フィルムの表面の光沢度を調整するとともに、表面保護層としても機能する。艶調整層は適宜のビヒクルを用いた塗料を塗布することにより、形成させることができる。ビヒクルとしては、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂の1種、または2種以上の混合樹脂を用いることができる。艶調整層を形成する塗料には、通常適量の艶消し剤を分散させて所望の光沢度を付与しているが、艶消し剤としては、マイカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、珪藻土、珪砂、シラスバルーンなどが用いられる。上記の塗料の塗布方法としては、グラビアコート、ロールコート、エアナイフコートなど、公知の塗布方法を用いることができる。
【0020】
図中3で示す接着樹脂層に用いる樹脂としては、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体などの共重合ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。この共重合ポリエステル樹脂を構成する材料の例としては、上記の他に、以下の組成を有する共重合ポリエステル樹脂などが好適に用いられる。すなわち、樹脂を形成するソフトセグメントとして、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、あるいはポリε−カプロラクトン、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸などのHOOC−[CH2]n−COOHの分子構造を有する脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族および/または脂環族ジオールからなる脂肪族ポリエステルなどが好適に用いられる。
【0021】
また、樹脂を構成するハードセグメントとしては、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート、シクロへキサンジメチレンテレフタレート、シクロへキサンジメチレンシクロへキサンジカルボキシレート、ブチレン2,6ナフタレンジカルボキシレートなどの芳香族および/または脂環族エステルユニットから選ばれた少なくとも1つから構成されていることが好ましい。
【0022】
さらに、アルコール成分として、1,4ブタンジオール残基を含有していることが耐溶剤性の点で好ましく、共重合ポリエステルを形成する全アルコール成分に占める1,4ブタンジオール残基が40モル%以上、65モル%以下であることが好ましい。
【0023】
化粧板積層用印刷樹脂フィルム1と基板2とのより強い密着力が要求される場合には、請求項1〜4のいずれかに記載した樹脂層の構成に応じて、接着樹脂層3、基材樹脂層6、着色樹脂層4のいずれかの、基板2と接触する樹脂層の樹脂成分の一部をアイオノマーで置換させることが好ましい。この場合、アイオノマーは樹脂中に1〜50重量%含有させることが好ましい。
【0024】
本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1の最表層として用いる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9において、重要な要因である二軸延伸フィルムの熱固定温度および融点は、示差走査熱量計(DSC)を使用し、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの試料約5mgをセミミクロン天秤で精秤し、窒素ガスを流しつつ、20℃/分の昇温速度で昇温させていき昇温曲線を描き、昇温曲線における吸熱ピークから求めることができる。低温側の吸熱ピークが熱固定温度、高温側の吸熱ピークが融点を表す。
【0025】
図2に示す本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、次のようにして作成することができる。すなわち、単層フィルムとして製膜した基材樹脂層6の上面に、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9の下面に設けた絵柄印刷層5aとベタ印刷層5bからなる印刷層5を重ね合わせ、基材樹脂層6と二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9を重ね合せたまま1対の熱ロール間に通して挟み付けて加熱圧着して積層し、一枚の積層フィルムを製造する。加熱しながら加圧することにより、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9のベタ印刷層5bの面を基材樹脂層6に融着して一枚の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を作るものである。
【0026】
また、図1に示すように、化粧板積層用印刷樹脂フィルム1は、共押出しにより2層フィルムとして製膜した接着樹脂層3と基材樹脂層6の積層フィルムの基材樹脂層6側の上面に、絵柄印刷層5aとベタ印刷層5bからなる印刷層5を設け、図1に示したのと同様にして、接着樹脂層3と基材樹脂層6の共押出し積層フィルムの印刷層5が二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9と接するようにして重ね合せ、1対の熱ロール間に通して挟み付けて加熱圧着して積層し、一枚の積層フィルムを製造したものであってもよい。
【0027】
また、樹脂に顔料を混練した着色樹脂層4を押出しにより単層フィルムとして製膜し、この着色樹脂層4の上に絵柄印刷層5a(図6)またはベタ印刷層5b(図5)を施し、その上に基材樹脂層6を重ね合せたまま1対の熱ロール間に通して挟み付けて加熱圧着して積層し、1枚の予備積層フィルムを製造する。さらに、予備積層フィルム上に直接(図5)または接着剤層11を介して(図6)二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9を重ね合せたまま1対の熱ロール間に通して挟み付けて加熱圧着して積層することによって化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を得ることができる。
【0028】
また、図3および4に示すように、接着樹脂層3と樹脂に顔料を混練した着色樹脂層4を共押出しにより2層フィルムとして製膜し、この着色樹脂層4の上に絵柄印刷層5aを施し、その上に基材樹脂層6を重ね合せたまま1対の熱ロール間に通して挟み付けて加熱圧着して積層し、1枚の予備積層フィルムを製造する。この際に、前記の熱ロールとしてエンボスロールを使用することにより、積層と基材樹脂層6のエンボス加工を同時に実施することが可能で、基材樹脂層6の表面にワイピング印刷用エンボス凹部7を形成し、ワイピングインキを充填してワイピング印刷層8を設けることにより、高意匠性の絵柄模様を付与することができる。さらに、予備積層フィルム上に直接(図3)または接着剤層11を介して(図4)、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9を積層することによって、化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を得ることができる。
【0029】
そして、着色樹脂層4および基材樹脂層6が寸法安定性に優れるため、張力や熱に起因する伸縮変動を抑えることが可能となり、印刷柄とエンボス柄が同調した、高意匠性を有するエンボス化粧フィルムとすることができる。
さらに、図7に示すように、上記のいずれかの様にして構成された化粧板積層用印刷樹脂フィルム1の最表層の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム9の上層に艶調整層12を設けることにより、意匠性をさらに向上させた化粧板積層用印刷樹脂フィルムとすることも可能である。
【0030】
またはさらに、この最表層となる二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの表面にもエンボス加工を施してエンボス凹部を形成して、化粧板積層用印刷樹脂フィルム全体に立体感を付与したり、または鏡面ロールを用いてロールプレスし、鏡面仕上げとしてもよい。
以上のようにして、本発明に用いる化粧板積層用印刷樹脂フィルムが製造されるが、上記の積層作業やエンボス加工などの工程は、従来のポリ塩化ビニル樹脂フィルムにおけるのと同じ装置で作業することが可能である。
【0031】
次いで、上記の方法によって得られた化粧板積層用印刷樹脂フィルム1を、直接または接着剤層11を介在させて基板2と貼合わせることにより、図8または図9に示すような化粧板10が得られる。基板2としては、例えば、鋼板、アルミニウム合金板、亜鉛や亜鉛−アルミニウム合金、亜鉛−コバルト−モリブデン合金などの亜鉛合金をめっきした亜鉛めっき鋼板などの金属板が用いられる。
【0032】
上記の様にして基板に積層された後の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数は、用途によって異なるが、0.040 〜 0.175の範囲にあることが好ましい。特に耐アルカリ性が要求される用途においては0.160〜0.175の範囲にあることが好ましい。基板に積層された後にこの好適な面配向係数とするためには、積層する前の二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数、熱固定温度、および積層時の加熱条件を適宜選択する必要がある。二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの配向結晶は、フィルム製膜時の熱固定温度以上に加熱すると非晶化し接着性が向上するが、面配向係数は急激に低下し、それに伴って耐水性は急激に劣化する。したがって、下層となる基材層などの層との加熱積層、または基材層のエンボス加工を兼ねて加熱積層する場合、下層の樹脂層との良好な接着性やエンボス加工性を得るのに必要とされる加熱温度以上の温度で熱固定した二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを用いることが好ましい。
【0033】
また、熱固定温度以下の温度で加熱すると結晶化が進行して、積層前よりも面配向係数が若干増大することがあることがある。この効果は特に厳しい耐アルカリ性が要求されるような用途においては有効であるが、長時間加熱すると結晶が粗大化してフィルムが脆化するので、必要以上の長時間加熱は避けるべきである。
さらに、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの熱固定温度が低く、加熱により面配向係数が容易に低下する場合は、二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムと下層の樹脂層との間に接着剤層11を介して、低温で加熱して接着することにより、面配向係数の低下を抑制することができる。
【0034】
上記の化粧板積層用印刷樹脂フィルム1と基板2の貼合わせに選択的に用いられる接着剤層11の接着剤としては、一般的な接着剤、例えば、酢酸ビニル樹脂系、エチレン−ビニルアセテート樹脂系、尿素樹脂系、ウレタン樹脂系などのエマルジョン型接着剤が、火気に対して安全で、臭気もなく、価格的にも安価なため好ましく用いられる。
【0035】
【実施例】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1〜9及び比較例1〜2)
表1に示す面配向係数、および製膜の際の熱固定温度を有する、厚さ25μmの透明二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET―BO、融点(Tm):257℃)、透明二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN―BO、融点: 269℃)、または酸性分が95モル%のテレフタル酸と5モル%のイソフタル酸からなる変性ポリエチレンテレフタレートの透明二軸延伸フィルム(変性PET―BO、融点: 246℃)のいずれか片面に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、絵柄印刷層および着色ベタ印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷したものと、表2に示す固有粘度を有する市販のポリブチレンテレフタレート(PBT、融点:225℃)を用いて押出製膜機により作成した厚さ70μmの単層の未延伸フィルム(実施例1、実施例3、実施例4、実施例6、実施例8、実施例9、比較例1)を基材樹脂層として、または上記のPBTとイソフタル酸12モル%を共重合した市販の変性ポリエチレンテレフタレート(変性PET)を用いて押出製膜機により共押し出しして作成した厚さ70μm(PBT60μm、変性PET10μm)からなる、PBTを基材樹脂層とし、変性PETを接着樹脂層とする二層の未延伸フィルム(実施例2、実施例5、実施例7、比較例2)を、印刷層とPBT基材樹脂層が接するように重ねて、圧着用ロールの加熱温度:120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ロールのニップ圧:2.45MPaの条件で両フィルムを加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作成した。
次に、厚さ0.5mm の電気亜鉛合金めっき鋼板にポリエステル系接着剤を5g/m の塗布量で塗布し、上記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを電気亜鉛合金めっき鋼板に、表1に示す加熱温度、接着圧力:1.47MPa、圧着時間:5秒の条件で加熱圧着し、化粧板を得た。このようにして得られた化粧板の最表層の透明二軸配向フィルムの面配向係数を表1に示す。なお、表1において、PETはポリエチレンテレフタレートを、PET*はポリエチレンテレフタレートに艶調整層をコーティングを、PENはポリエチレンナフタレートを、変性PETはイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートを、PBTはポリブチレンテレフタレートを、変性PBTはイソフタル酸共重合ポリブチレンテレフタレートを、PTTはポリトリメチレンテレフタレートを、PBT/IはPBTとアイオノマーのブレンド樹脂をそれぞれ示す。
【0036】
(実施例10)
イソフタル酸12.5モル%を共重合した市販の変性ポリブチレンテレフタレート樹脂(変性PBT)にクリーム色顔料20重量%を混練した着色樹脂を押出製膜機により作成した厚さ30μmの未延伸着色フィルムの片面に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、絵柄印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷したものと、基材樹脂層として市販のポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を押出製膜機により作成した厚さ40μmの未延伸フィルムと、製膜の際の熱固定温度を240℃とし、片面に予めウレタン樹脂からなる接着剤を塗布した実施例6と同一の透明のPET―BOとを、基材樹脂層のPTTフィルムが着色フィルムの印刷面、および透明のPET―BOの接着剤塗布面とが接するように重ねて、圧着用ロールの加熱温度:120℃、樹脂フィルムの送り速度:20m/min、圧着用ロールのニップ圧:2.45MPaの条件で加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作成した。
次に、実施例6と同一の電気亜鉛合金めっき鋼板に、実施例6と同一の条件で前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱圧着し、化粧板を得た。
【0037】
(実施例11)
クリーム色顔料20重量%を混練して着色したPBTと、実施例2と同一の変性PETを押出製膜機により共押し出しして、厚さ70μm(着色PBT60μm、変性PET10μm)からなる二層の未延伸フィルムを作成し、着色フィルム面に実施例10と同一の絵柄印刷層を実施例10と同一の条件で印刷した。顔料を含有しない、実施例10の着色樹脂層に用いたのと同一の変性PBTを基材樹脂層とし、実施例7と同一の透明のPET―BOを用い、基材樹脂層の変性PBTフィルムが二層の未延伸フィルムの着色フィルム側の印刷面および透明のPET―BOと接するように重ねて、実施例12と同一の条件で加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作成した。
次に、実施例7と同一の電気亜鉛合金めっき鋼板に、実施例7と同一の条件で前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱圧着し、化粧板を得た。
【0038】
(実施例12)
市販のPTTにクリーム色顔料20重量%を混練した着色樹脂を用いて押出製膜機により作成した厚さ30μmの未延伸着色フィルムの片面に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、着色ベタ印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷した。また、基材樹脂層として実施例2と同一のPBTを押出製膜機により溶融させ、エンボス加工を施したキャスティングロール上に押し出して作成した厚さ40μmの未延伸フィルムのキャスティングロールと接触した面に、2液硬化型ウレタン系着色インキをロールコート法によって塗工した後、ドクターブレードでエンボス凹部以外の部分に付着している着色インキを除去し、未延伸フィルムの表面に形成されているエンボス凹部内に着色インキを充填、固化させ、片面に印刷を施した基材樹脂フィルムを作成した。次いで実施例3と同一の透明のPET―BOを準備し、着色フィルムの印刷面が基材樹脂フィルムの非印刷面側に接し、基材樹脂フィルムの印刷面が透明のPET―BOと接するように重ねて、実施例3の加熱圧着による積層条件と同条件にて加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作成した。
次に、実施例3と同一の電気亜鉛合金めっき鋼板に、実施例3と同一の条件で前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱圧着し、化粧板を得た。
【0039】
(実施例13)
実施例6と同一のPET―BOの片面に実施例6と同様にして絵柄印刷層および着色ベタ印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷したものと、実施例6と同一のPBTを基材樹脂層を、PET―BOの印刷層がPBTに接するように重ねて、実施例6の加熱圧着による積層条件と同条件にて加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製した。
さらに、このようにして作成した化粧板積層用印刷樹脂フィルムの表面に、2液硬化型ポリウレタン系艶調整用塗料(昭和インク製)をグラビアロールコートした。
次に、実施例6と同一の電気亜鉛合金めっき鋼板に、実施例6と同一の条件で前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱圧着し、化粧板を得た。
【0040】
(実施例14)
市販のPBTと市販のアイオノマーを90/10の混合比(重量%)でブレンドした樹脂にクリーム色顔料20重量%を混練して着色した樹脂を押出製膜機により押し出し、厚さ70μmの未延伸フィルムを作成し、その片面に、ニトロセルロース−アルキド系インキを用い、絵柄印刷層および着色ベタ印刷層をグラビア輪転機によりインラインにて印刷した。基材樹脂層として、実施例7と同一のPBTを押出製膜機により厚さ40μmの未延伸フィルムを作成した。次いで実施例7と同一の透明のPET―BOを準備し、着色フィルムの印刷面と透明のPET―BOの片面が基材樹脂フィルムのそれぞれ面に接するように重ねて、実施例7の加熱圧着による積層条件と同条件にて加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製した。
次に、実施例7と同一の電気亜鉛合金めっき鋼板に、実施例7と同一の条件で前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱圧着し、化粧板を得た。
【0041】
(実施例15)
実施例10と同一の変性PBTにクリーム色顔料20重量%を混練して着色した樹脂と、実施例14と同一のPBTとアイオノマーからなるブレンド樹脂を押出製膜機により共押し出しして、厚さ70(着色ブレンド樹脂60μm、PBT/アイオノマーブレンド樹脂10μm)からなる二層の未延伸フィルムを作成し、着色フィルム面に実施例10と同一の絵柄印刷層を実施例10と同一の条件で印刷した。基材樹脂層として、PBTを押出製膜機により厚さ40μmの未延伸フィルムを作成した。次いで実施例3と同一の透明のPET―BOを準備し、着色フィルムの印刷面と透明のPET―BOの片面が基材樹脂フィルムのそれぞれ面に接するように重ねて、実施例3の加熱圧着による積層条件と同条件にて加熱圧着して積層し、化粧板積層用印刷樹脂フィルムを作製した。
次に、実施例3と同一の電気亜鉛合金めっき鋼板に、実施例3と同一の条件で前記の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを加熱圧着し、化粧板を得た。
【0042】
(樹脂フィルムの特性評価)
実施例1〜15と比較例1〜2で作成した化粧板を、下記の特性について評価した。
(樹脂フィルムの加工性)
本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの加工性の良否は、実施例1〜15及び比較例1〜2で作成した、化粧フィルムを金属板に積層した化粧金属板に、JIS Z 2248(金属材料曲げ試験方法)に準拠して、0T曲げ加工を施し、曲げ加工部のフィルムの表面を肉眼観察し、下記の4段階の基準で評価した。
◎:折り曲げ部に割れは全く認められない。
○:折り曲げ部の先端にかすかな白色化が認められる。
△:折り曲げ部全体に白色化が認められる。
×:折り曲げ部にかなりの程度の割れが認められる。
上記の評点において、◎および○は使用上の問題はない。なお、この試験は10枚の試験片について実施した。
【0043】
(耐水劣化性)
本発明の化粧板を高温多湿の状態で長時間経時させた場合(例えばユニットバスの内装材として用いた場合など)を想定し、長時間水と接した場合の樹脂フィルムの耐水劣化性をデュポン衝撃試験法で評価した。
実施例1〜15及び比較例1〜2で作成した化粧板積層用印刷樹脂フィルムを、厚さ 0.5mmの電気亜鉛合金めっき鋼板に積層し試験片とした。この試験片を60mm×60mmの大きさに切り出し、38±2℃の温度に保持された脱塩水中に1カ月間浸漬した後室温で乾燥し、デュポン衝撃試験機を用い、JIS K 5400に準拠した条件(衝撃部の大きさ1/2inchφ、重さ1kg、落下高さ50cm)で衝撃を負荷した。衝撃を負荷した後の樹脂フィルムの状態を肉眼観察し、下記の5段階で評価した。
◎:樹脂フィルムに割れが認められない。
○:樹脂フィルムの一部に細かい割れが認められる。
△:樹脂フィルムのエンボス加工部全体に細かい割れが認められる。
×:樹脂フィルムのエンボス加工部全体に大きな割れが認められる。
××:樹脂フィルム全体に割れが著しい。
上記の評点において、◎および○は使用上の問題はない。なお、この試験は10枚の試験片について実施した。
【0044】
(耐アルカリ性)
本発明の化粧板がアルカリ性の黴除去剤と長時間接触した場合を想定した場合の樹脂フィルムの耐アルカリ性を下記の要領で評価した。
実施例1〜15及び比較例1〜2で作成した化粧板積層用印刷樹脂フィルムを、厚さ 0.5mmの電気亜鉛合金めっき鋼板に積層し試験片とした。この試験片を60mm×60mmの大きさに切り出し、90°折り曲げ加工を施した後、38±2℃の温度に保持された pH:12.5のカセイソーダ水溶液中に1週間浸漬した後室温で乾燥し、加工部を倍率50倍の光学顕微鏡により観察し、下記の5段階で評価した。
◎:樹脂フィルムに割れが認められない。
○:樹脂フィルムの一部に細かい割れが認められる。
△:樹脂フィルムのエンボス加工部全体に細かい割れが認められる。
×:樹脂フィルムのエンボス加工部全体に大きな割れが認められる。
××:樹脂フィルム全体に肉眼によっても割れが認められる。
上記の評点において、◎および○は使用上の問題はない。なお、この試験は10枚の試験片について実施した。
これらの樹脂フィルムの特性評価を表3に示す。
【0045】
【表1】
Figure 0003678339
【0046】
【表2】
Figure 0003678339
【0047】
【表3】
Figure 0003678339
【0048】
表3に示すように、本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは、加工性、および耐水劣化性に優れた特性を示す。そして基板に積層した後の最表層の二軸延伸フィルムの面配向係数の値が高いものは、優れた耐アルカリ性を示す。
【0049】
【発明の効果】
本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムは上記のように構成されており、特に、最表層として、面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(Tm−50)℃〜(Tm−5)℃なる温度範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを用いたものであり、耐水性に加えて耐アルカリ性にも優れた化粧板が得られる。
さらに、積層される接着樹脂層、着色樹脂層ならびに印刷下地となる基材樹脂層としてポリエステル樹脂フィルム、特に接着樹脂層として酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなる変性ポリエチレンテレフタレートフィルム、また基材樹脂層として樹脂の固有粘度が1.0〜2.0のポリブチレンテレフタレートフィルムを用い、それに絵柄印刷層またはベタ印刷層、もしくは絵柄印刷層とベタ印刷層を形成し、さらに上記の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムからなる最表層を下から順次積層したものであり、焼却時に有毒ガスおよびそれに起因する有害物質が発生して環境を汚染するおそれがあるポリ塩化ビニル樹脂フィルムに替わる、高鮮映性および意匠性に優れた絵柄模様を有し、かつ耐汚染性、耐溶剤性などの表面物性に優れた化粧板に積層する印刷可能な樹脂フィルムが得られる。また、基材樹脂層にエンボス加工を施してエンボス凹部を形成した後、ワイピング法を用いてエンボス凹部にインキを充填してなるワイピング印刷層を設けてもよい。
そして、これらの化粧板積層用印刷樹脂フィルムを、積層した後の最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数が0.040〜0.175、または0.160〜0.175となるように金属板等の基板に積層することにより、耐水性および耐アルカリ性に優れた化粧板が得られる。
またさらに、焼却廃棄する際に、塩化水素ガスのような有毒ガスの発生がないため、環境を汚染する心配もなく環境保全性においても優れており、黴が発生しやすいユニットバスをはじめ、冷蔵庫および冷蔵庫ドアの外装用板、カーテンレール、洗面ユニット、洗濯機、システムキッチン、間仕切り、壁パネル、室内ドア、室内収納庫、蛍光灯の反射板、オーディオビジュアル機器の外板、電子レンジの外板、オーブンの外板、ファンヒーターの外板、ストーブの外板、エアコンディショナーの外板などに好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。
【図5】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。
【図6】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。
【図7】本発明の化粧板積層用印刷樹脂フィルムの他の一例を示す断面図である。
【図8】本発明の化粧板の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の化粧板の他の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 化粧板積層用印刷樹脂フィルム
2 基板
3 接着樹脂層
4 着色樹脂層
5 印刷層
5a 絵柄印刷層
5b ベタ印刷層
6 基材樹脂層
7 ワイピング印刷用エンボス凹部
8 ワイピング印刷層
9 二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム
10 化粧板
11 接着剤層
12 艶調整層

Claims (27)

  1. 面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に印刷層、基材樹脂層、接着樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
    前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
    前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  2. 面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に基材樹脂層、印刷層、着色樹脂層、接着樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
    前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
    前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  3. 面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に印刷層、基材樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
    前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
    前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  4. 面配向係数が0.080〜0.170、延伸加工後の熱固定温度が(樹脂の融解温度Tm−50)℃〜(Tm−5)℃の範囲である透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムを最表層とし、その下層に基材樹脂層、印刷層、着色樹脂層を順次積層してなる化粧板積層用印刷樹脂フィルムであって、
    前記基材樹脂層がエンボス加工を施されており、
    前記印刷層が前記エンボス加工により形成されたエンボス凹部にインキが充填されてなるものであることを特徴とする化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  5. 前記印刷層が、絵柄印刷層である上層と、前記基材樹脂層全面を隠蔽し、
    かつ前記絵柄印刷層の印刷下地色を付与するベタ印刷層である下層とからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  6. 前記印刷層が、絵柄印刷層またはベタ印刷層からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  7. 前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  8. 前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  9. 前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが変性ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フィルムである、請求項1〜6のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  10. 前記変性ポリエチレンテレフタレートは、酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなることを特徴とする、請求項9に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  11. 前記基材樹脂層がポリエステル樹脂からなる、請求項1〜4のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  12. 前記着色樹脂層が着色顔料を混練したポリエステル樹脂からなる、請求項2または4に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  13. 前記ポリエステル樹脂がポリブチレンテレフタレートからなる、請求項11又は12に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  14. 前記二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの上にさらに艶調整層を設けた、請求項1〜13のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  15. 前記ポリブチレンテレフタレート樹脂の固有粘度(IV値)が1.0〜2.0であることを特徴とする、請求項13に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  16. 前記接着樹脂層が変性ポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  17. 前記変性ポリエチレンテレフタレートは、酸成分であるテレフタル酸の一部をイソフタル酸で置換してなることを特徴とする、請求項16に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  18. 前記接着樹脂層が、樹脂成分中にアイオノマーを含有した樹脂からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  19. 前記着色樹脂層が、樹脂成分中にアイオノマーを含有した樹脂からなることを特徴とする、請求項2又は4に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  20. 前記最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが、接着剤を介して前記印刷層と接するようにして積層されてなる、請求項1又は3に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  21. 前記最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムが、接着剤を介して前記基材樹脂層と接するようにして積層されてなる、請求項2又は4に記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルム。
  22. 樹脂フィルムを積層する基板の少なくとも片面に、請求項1〜21のいずれかに記載の化粧板積層用印刷樹脂フィルムを積層した化粧板。
  23. 前記基板と前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの間に接着剤層を介して積層した、請求項22に記載の化粧板。
  24. 前記基板に積層した後の前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数が0.040 〜0.175 である、請求項22又は23に記載の化粧板。
  25. 前記基板に積層した後の前記化粧板積層用印刷樹脂フィルムの最表層の透明な二軸延伸ポリエステル樹脂フィルムの面配向係数が0.160 〜0.175 である、請求項22又は23に記載の化粧板。
  26. 前記基板が金属板である、請求項22〜25のいずれかに記載の化粧板。
  27. 請求項22〜26のいずれかに記載の化粧板を用いてなるユニットバス。
JP33101899A 1999-11-22 1999-11-22 耐アルカリ性に優れた化粧板積層用印刷樹脂フィルム、その樹脂フィルムを積層した化粧板、及びその化粧板を用いたユニットバス Expired - Lifetime JP3678339B2 (ja)

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