JP6496999B2 - 太陽電池ダミーモジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールに関する。
太陽光発電は、近年、クリーンで、地球温暖化防止に役立つエネルギー源として非常に注目を集めており、既にかなりの普及が始まりつつある。この太陽光発電の代表として、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン等の半導体を使った太陽電池を挙げることができる。太陽電池は、半導体に太陽光が当たると電流を取り出せるという原理を実用化したものである。
一般的に太陽光発電用のモジュール、いわゆる太陽電池モジュールは、上記の半導体を用いた太陽電池素子(セル)と強度、剛性、耐湿等の外的要因からセルを保護することを目的としたガラスやポリカーボネート等の保護材及び樹脂封止材等から構成されている。
このような太陽電池モジュールにおいて使用される封止材として、従来の透明性を重視したものに加え、セル背面部材からの光の反射などによるセルの発電効率の向上を目的として白色に着色した封止材などが要求されてきた。さらに、近年では一般家庭用における太陽電池モジュールの普及が急速に進み、多様な色彩を有する家屋の屋根の意匠に対応した太陽電池モジュールや、前記太陽電池モジュールにおいてセルが封入されていないモジュールいわゆるダミーモジュール等が要求されている。このため、白色以外にもこれらの用途に適した黒色等に着色された封止材が必要とされている。
このような着色封止材に関し、例えば特許文献1には透明接着層と黒色層が特定の層厚比で積層されてなる接着性に優れるセル背面用の封止材及び該封止材を用いた太陽電池モジュールが開示されている。
特開2010−93120号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているような、透明接着層と黒色層を積層した積層体を太陽電池用の封止材として用いた場合、セルと封止材との接着性が優れる太陽電池モジュールを得ることが可能となるが、一方で得られたモジュールの受光面側の透明保護材を通して封止材層を見ると、干渉縞のような明暗模様が発生し、外観不良が生じるという不具合があった。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ある特定の構成を有する太陽電池ダミーモジュールが意匠性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(4)に関する。
(1)透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールであって、透明樹脂層が透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たすことを特徴とする太陽電池ダミーモジュール、
(2)前記透明保護材層と透明樹脂層との層間剥離強度が30N/10mm幅以上であることを特徴とする上記(1)に記載の太陽電池ダミーモジュール、
(3)上記(1)または(2)に記載の太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm(℃)に対しTm<T<Tm+20となるラミネート温度T(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程を有する、太陽電池ダミーモジュールの製造方法、及び
(4)上記(1)または(2)に記載の太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm(℃)に対しT<Tm+20となるラミネート温度T(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後に更に熱処理工程を有し、該熱処理工程時の温度T(℃)がT≧Tmである太陽電池ダミーモジュールの製造方法に関する。
本発明によれば、封止材と保護材との間へ別の材料層の追加をしなくても意匠性に優れた太陽電池ダミーモジュールが提供できる。
(a)本発明の太陽電池ダミーモジュールの製造工程の一例を示す断面概念図である。 (b)本発明の太陽電池ダミーモジュールの一例の断面概念図である。 (a)本発明の太陽電池ダミーモジュールの製造工程の一例を示す断面概念図である。 (b)本発明の太陽電池ダミーモジュールの一例の断面概念図である。 本発明の太陽電池ダミーモジュールの断面の一部を光学顕微鏡で観察した際の断面概念図である。 (a)厚みフレ測定用試験片を作製するための積層シートの断面を光学顕微鏡で観察した際の断面概念図である。 (b)厚みフレ測定用試験片の切断面を光学顕微鏡で観察した際の切断面概念図である。 厚みフレ測定の試験片用積層体の概念図である。 本発明の太陽電池ダミーモジュールと、太陽電池モジュールを施工した家屋の屋根の正面概念図である。
以下、本発明の実施形態としての、太陽電池ダミーモジュール及び太陽電池ダミーモジュールの製造方法について説明する。但し、本発明は以下に説明する実施形態に制限されるものではない。
なお、本明細書において、「太陽電池ダミーモジュール」とはセルが封入されていないこと以外は太陽電池モジュールと同様の構成を有する積層体を含むモジュールのことをいう。本太陽電池ダミーモジュールは、主に家屋の屋根において、太陽電池モジュールと併用して用いることにより、屋根の意匠性を向上させ、かつコストダウンを行うことができる。
また、「主成分」とは、本発明の太陽電池ダミーモジュールの各部材の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各部材を構成する樹脂組成物の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
本発明の太陽電池ダミーモジュールは、透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールであって、透明樹脂層が透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たすことを特徴とするものである。
<透明保護材層>
本発明の太陽電池ダミーモジュールの透明保護材層に用いられる透明保護材は、太陽光の透過性を有するものであれば特に限定されず、例えば、青板ガラス、白板ガラス、石英ガラス及びホウ珪酸ガラスなどの金属酸化物からなるガラス板を中心とした無機系保護材や、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アセタール系樹脂及びセルロース系樹脂等の公知の樹脂材料を主成分とする樹脂系保護材を挙げることができる。透明保護材としては、特にガラス板や、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂を主成分とする比較的耐熱性や流動開始温度が高い樹脂系保護材が、他の部材とラミネートする際に流動し難く、かつ透明性に優れるため好ましい。
これらの透明保護材の表面には、本発明に用いられる封止材やその他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理など公知の表面処理を施すことができる。
透明保護材の全光線透過率は85〜100%であるのが好ましい。
前記透明保護材は通常は板状またはシート状であり、その厚みは、特に限定されるものではないが、太陽電池ダミーモジュールに用いる場合においてモジュール剛性や耐衝撃性を考慮すると、透明保護材の厚みは通常500〜5000μmが好ましく、フレキシビリティが要求される場合は、20〜1000μmが好ましく、30〜500μmがより好ましい。
また、透明保護材の引張弾性率(JIS K 7127、温度:23℃)は0.5〜200GPaであるのが好ましい。
透明保護材は通常、太陽電池ダミーモジュールの受光面側保護材層(フロントシート層ともいう)として用いられる。
本発明の太陽電池ダミーモジュールは着色樹脂層側(背面側)に保護材層(背面側保護材層またはバックシート層ともいう)を有していてもよい。背面側保護材層に用いられる保護材は太陽光の透過性については特に限定されず、受光面側保護材として示した太陽光透過性の保護材に加え、スズ、アルミ及びステンレスなどの金属系の保護材などの太陽光非透過性の部材も使用することができる。これらの保護材の表面には、本発明に用いられる封止材やその他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理など公知の表面処理を施すことができる。
該背面側保護材層に用いられる保護材は通常シート状であり、その厚みは特に限定されるものではないが、耐湿性や耐衝撃性、軽量特性を考慮すると、通常、50μm以上、好ましくは、200μm以上である。上限について、特に限定されるものではないが、通常、3000μm程度である。フレキシブル性能を有するモジュール構成を考慮した場合は、該保護材の厚みは、通常、20μm以上、好ましくは30μm以上であり、上限について、特に限定されるものではないが、フレキシビリティを考慮すると、通常、1000μm程度であり、好ましくは、500μm程度である。該保護材の厚みは通常50〜3000μmが好ましく、フレキシビリティが要求される場合は、20〜1000μmが好ましく、30〜500μmがより好ましい。
<封止材層>
本発明の太陽電池ダミーモジュールの封止材層は、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層とを有しており、封止材層は、透明樹脂層が太陽電池ダミーモジュールの透明保護材層側になるように配されている(図1(b))。封止材層は更に着色樹脂層の背面側に透明樹脂層を有していてもよい(図2(b))。なお、透明樹脂層及び着色樹脂層は各々単層でも多層でもよい。この透明樹脂層、着色樹脂層を構成する樹脂は同一でも良く、また異なっていても構わないが、透明樹脂層と着色樹脂層をラミネートする際の成形性や層間における界面接着性等を考慮すると、同一の樹脂を含有していることが好ましい。
なお、本発明において、封止材層を構成する材料を封止材と言うことがある。
本発明の透明樹脂層はDSC測定における融点(Tm)を2つ以上持つことが好ましいが、特に限定されるものではない。透明樹脂層の最も高温側の融点Tm(℃)は、太陽電池ダミーモジュールの耐熱特性の観点より90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃である。また、透明樹脂層の最も低温側の融点Tm2(℃)は太陽電池ダミーモジュールの柔軟性の観点から40〜100℃が好ましく、更に好ましくは50〜90℃、より好ましくは55〜85℃である。また、本発明の透明樹脂層が単一の融点Tmを有する場合、Tmの範囲に関しては太陽電池ダミーモジュールの耐熱性と柔軟性の観点より40〜120℃が好ましく、更に好ましくは50〜110℃、より好ましくは55〜100℃である。該融点は透明樹脂層を構成する樹脂組成物の組成や樹脂の種類等により調整することができる。
本発明の太陽電池ダミーモジュールの透明樹脂層及び着色樹脂層を構成する樹脂組成物としては、特に限定されるものではないが、オレフィン系樹脂を主成分とし、更に必要に応じて添加剤及びその他の樹脂を含有したオレフィン系樹脂組成物が好適に用いられる。
該オレフィン系樹脂としては、具体的には下記の(A−1)〜(A−4)の各々に示されるオレフィン系重合体を主成分とするものが好適に用いられる。得られる封止材層の柔軟性、水蒸気バリア特性、フィッシュアイ(ゲル)の少なさ及び経済性などの観点から(A−1)や(A−2)に示されるものが好ましく、中でも低温特性や耐候性に優れる点で(A−1)に示されるものが特に好適に用いられる。
(A−1)
(A−1)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が例示される。
本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、共重合形式(ランダム、ブロックなど)は、特に制限されるものではないが、透明性や柔軟性などの観点からエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、エチレンと共重合するα−オレフィンの含有量は、特に制限されるものではないが、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体(A−1)中の全単量体単位に対して、炭素数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位が、通常、2〜40モル%、より好ましくは3〜30モル%、さらに好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより柔軟性等が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難いため好ましい。なお、前記単量体単位の種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
(A−1)は、α−オレフィン以外の単量体に基づく単量体単位を含有していてもよい。該単量体としては、例えば、環状オレフィン、ビニル芳香族化合物(スチレンなど)、ポリエン化合物等が挙げられる。該単量体単位の含有量は、(A−1)中の全単量体単位に対して、好ましくは20モル%以下であり、より好ましくは15モル%以下である。
また、(A−1)の立体構造、分岐、分岐度分布や分子量分布は、特に制限されるものではないが、例えば、長鎖分岐を有する共重合体は、一般に機械物性が良好であり、また、シートを成形する際の溶融張力(メルトテンション)が高くなりカレンダー成形性が向上するなどの利点がある。
(A−1)のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K 7210、温度:190℃、荷重:21.18N)が、0.5〜100g/10min程度、好ましくは1〜50g/10min、より好ましくは2〜50g/10min、さらに好ましくは3〜30g/10minである。
ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性や回り込み具合などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い値、具体的には0.5〜5g/10min程度が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量を増大させる観点からMFRは、1〜50g/10minが好ましく、2〜50g/10minがより好ましく、さらに好ましくは3〜30g/10minである。さらに、密着性や回り込み易さの観点からは、MFRは、好ましくは2〜50g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。
(A−1)の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒や、メタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。本発明においては、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い重合体が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
(A−1)の市販品としては、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「エンゲージ(Engage)」、「アフィニティー(Affinity)」、「インフューズ(Infuse)」、プライムポリマー(株)製の商品名「エボリューP」、エクソンモービル(株)製の商品名「エグザクト(Exact)」、三井化学(株)製の商品名「タフマーH(TAFMER H)」、「タフマーA(TAFMER A)」、「タフマーP(TAFMER P)」、LG化学(株)製の商品名「LUCENE」、日本ポリエチレン(株)製の商品名「カーネル(Karnel)」、(株)プライムポリマー製の商品名「エボリューP(Evolue P)」、「エボリューH(Evolue H)」、「ネオゼックス(NEOZEX)」等を例示することができる。
(A−2)
(A−2)は、プロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体あるいは、プロピレンの単独重合体である。但し、これらの共重合形式(ランダム、ブロックなど)、分岐、分岐度分布や立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体とすることができる。
共重合可能な他の単量体としては、エチレンや1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィン及びジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が例示される。
本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点からプロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレンや1−ブテンが好適に用いられる。また、柔軟性などの観点からプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられ、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などが挙げられる。プロピレンと共重合する単量体は1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、プロピレンと共重合可能な他の単量体の含有量は、特に制限されるものではないが、(A−2)中の全単量体単位に対して、プロピレンと共重合可能な他の単量体に基づく単量体単位が、通常、2〜40モル%、より好ましくは3〜30モル%、さらに好ましくは5〜25モル%である。該範囲内であれば、共重合成分により結晶性が低減されることにより柔軟性等が向上し、また、原料ペレットのブロッキングなどの不具合も起こり難いため好ましい。なお、プロピレンと共重合可能な他の単量体単位の種類と含有量は、周知の方法、例えば、核磁気共鳴(NMR)測定装置、その他の機器分析装置で定性定量分析することができる。
本発明に用いられる(A−2)のメルトフローレート(MFR)は、特に制限されるものではないが、通常、MFR(JIS K7210、温度:230℃、荷重:21.18N)が、0.5〜100g/10min程度、好ましくは2〜50g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。
ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性やセルを封止する時の密着性、回り込み具合などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い方、具体的には0.5〜5g/10min程度が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量を増大させる観点からMFRは、好ましくは2〜50g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。さらに、密着性や回り込み易さの観点からは、MFRは、好ましくは0.5〜50g/10min、より好ましくは1〜30g/10minである。
(A−2)の製造方法は、特に制限されるものではなく、公知のオレフィン重合用触媒を用いた公知の重合方法が採用できる。例えば、チーグラー・ナッタ型触媒に代表されるマルチサイト触媒やメタロセン系触媒やポストメタロセン系触媒に代表されるシングルサイト触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、気相重合法等、また、ラジカル開始剤を用いた塊状重合法等が挙げられる。本発明においては、重合後の造粒(ペレタイズ)のし易さや原料ペレットのブロッキング防止などの観点から低分子量成分が少なく分子量分布の狭い原料が重合できるシングルサイト触媒を用いた重合方法が好適である。
(A−2)の市販品としては、三井化学(株)製の商品名「タフマーXM(TAFMER XM)」、「ノティオ(NOTIO)」、住友化学(株)製の商品名「タフセレン(TAFFCELLEN)」、プライムポリマー(株)製の商品名「プライムTPO(PRIME TPO)」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「バーシファイ(VERSIFY)」、エクソンモービル(株)製の商品名「ビスタマックス(VISTAMAXX)」等を例示することができる。
(A−3)
(A−3)は、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと不飽和脂肪族カルボン酸の金属塩(好ましい金属はZn、Na、K、Li、Mg等である)との共重合体である。
市販品としては、三井化学(株)製の商品名「ハイミラン(HIMILAN)」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「アンプリファイIO(AMPLIFY IO)」等を例示することができる。
(A−4)
(A−4)は、エチレンと、酢酸ビニルエステル、不飽和脂肪族カルボン酸及び不飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1つの単量体との共重合体である。
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。ここで、該エステル成分としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの炭素数1〜8のアルキルエステルが挙げられる。本発明においては、上記2成分の共重合体に制限されることなく、さらに第3の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと不飽和脂肪族カルボン酸及び不飽和脂肪族カルボン酸エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。
ここで、エチレンと共重する前記単量体に基づく単量体単位の含有量は、特に制限されるものではないが(A−4)中の全単量体単位に対して、該単量体単位が、通常5〜35モル%である。
特に透明樹脂層及び着色樹脂層各々が、(A−1)に示されるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含有することが好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールの着色樹脂層は、顔料によって着色されているのが好ましい。顔料としては、例えば反射率の向上に有効な白色顔料や、意匠等を考慮した黒色顔料等があげられるが、樹脂組成物に均一に分散することができ、外観が所定の色となるものであれば特に限定されるものではない。
白色顔料の例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合せて用いることができるが、着色性が高い点で、二酸化チタンが好ましい。白色顔料の平均粒径は、0.01〜0.8μmが好ましく、更に0.01〜0.5μmが好ましい。
白色顔料の含有量は、着色樹脂層中0.01〜100質量%であることが好ましい。
黒色顔料としてはカーボンブラックや金属酸化物等を用いることができ、好ましくはカーボンブラックであり、中でもアセチレンブラック、オイルファーネスブラック、アントラセンブラック、ケッチェンブラック、ガスブラック、チャンネルブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラックのうちの1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を併用して用いてもよい。
黒色顔料の含有量は、着色樹脂層中0.01〜50質量%であることが好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールを構成する透明樹脂層及び/または着色樹脂層は、シラン化合物を含有することが好ましい。シラン化合物としては、アルコキシシランや、このアルコキシシランをオリゴマー化したシリコーン化合物、アルコキシシランと樹脂を重合することにより得られるシラン変性樹脂等が挙げられる。その中でも、工業的な入手し易さや経済性の観点から、アルコキシシランやシラン変性樹脂などが好適に用いられる。
上記のシラン化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
アルコキシシランとしては、ビニル基、アクリロキシ基またはメタクリロキシ基のような不飽和基、アミノ基またはエポキシ基等の有機官能基とともに、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基のような加水分解性基を有する化合物を挙げることができる。アルコキシシランの具体例としては、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を例示することができる。本発明においては、接着性が良好であり、黄変等の変色が少ないこと等からγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましく用いられる。これらアルコキシシランは、1種のみを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
該アルコキシシランの含有量は、封止材層を構成する各層において、該各層中0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。このような範囲であると、接着性を発揮するとともに、封止材層としての柔軟性、透明性、封止性や耐熱性などの特性を容易に調整できる。アルコキシシランは少なくとも透明樹脂層に含有されるのが好ましい。
本発明に用いられるシラン変性樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、ポリウレタン等の樹脂とアルコキシシランとの重合により得られる樹脂が挙げられ、その中でも、工業的な入手し易さや経済性の観点から、シラン変性オレフィン樹脂が好適に用いられる。
シラン変性オレフィン樹脂の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前述した(A−1)〜(A−4)の各々に示されるオレフィン系(共)重合体(その中で、特に(A−1)が好ましい)に、前述したアルコキシシラン(その中でもビニルシランが好ましい)及びラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
シラン変性樹脂の含有量は、特に限定するものではないが、封止材層を構成する各層において、該各層中、0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。このような範囲であると、接着性を発揮するとともに、封止材層としての柔軟性、透明性、封止性や耐熱性などの特性を容易に調整できる。シラン変性樹脂は少なくとも透明樹脂層に含有されるのが好ましい。
透明樹脂層及び着色樹脂層は、実質的に架橋していなくてもよいが、架橋剤及び架橋助剤が含有されていてもよい。特に(A−1)や(A−2)などにおいては、架橋剤及び架橋助剤を含有せずに用いることにより経済性や保存安定性などが良好となるため、好ましい。
好ましく用いられる架橋剤の具体例としては、例えば、有機過酸化物が挙げられる。例えば、オレフィン系樹脂等を架橋させる有機過酸化物の具体例としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、3−ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーキシベンゾエ−ト、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
架橋剤の含有量は、特に限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々0.01〜10質量%であることが好ましい。
架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステルの単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレート及びトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
架橋助剤の含有量は、特に限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々0.01〜10質量%であることが好ましい。
更に本発明の太陽電池ダミーモジュールを構成する透明樹脂層及び/または着色樹脂層には、必要に応じて、各種添加剤及び/またはその他の樹脂を含有させてもよい。このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤、光拡散剤、造核剤、難燃剤、変色防止剤が挙げられる。その他の樹脂としては、粘着付与樹脂、各種エラストマー等の樹脂が挙げられる。本発明においては、特に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐候安定剤から選ばれる少なくとも一種の添加剤が含有されていることが好ましい。
粘着付与樹脂としては、例えば、石油樹脂、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、ロジン系樹脂、及びそれらの水素添加誘導体等が挙げられる。具体的には、石油樹脂としては、例えば、シクロペンタジエンまたはその二量体を重合して得られる脂環式石油樹脂やC9成分を重合して得られる芳香族石油樹脂が例示でき、テルペン樹脂としては、例えば、β−ピネンからのテルペン樹脂やテルペン−フェノール樹脂が例示でき、クマロン−インデン樹脂としては、例えば、クマロン−インデン共重合体、クマロン−インデン−スチレン共重合体が例示でき、また、ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン樹脂、グリセリンやペンタエリスリトール等で変性したエステル化ロジン樹脂等が例示できる。
また、粘着付与樹脂は、主に分子量を調整することにより種々の軟化温度を有するものが得られるが、上述のポリオレフィン系重合体と混合した場合の相溶性、経時的なブリード性、色調または熱安定性等の観点から、軟化温度が好ましくは100〜150℃、より好ましくは120〜140℃の脂環式石油樹脂の水素添加誘導体を用いることが特に好ましい。また、粘着付与樹脂の含有量は、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
各種エラストマーとしては特に制限されるものではないが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等が挙げられる。中でも、透明性や耐加水分解性の観点から、スチレン系エラストマーが好ましい。スチレン系エラストマーとしては、SEBS(Styrene−Ethylene−Butylene−Styrene)、SEBC(Styrene−Ethylene−Butylene−Crystalline Block Copolymer)、HSBR(水添スチレンブタジエンラバー)等が上げられる。スチレンに基づく単量体単位の含有量については特に制限されるものではないが、耐候性の観点から、20モル%以下が好ましい。また、各種エラストマーの含有量は、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
酸化防止剤としては、特に限定されるものではなく、種々の市販品が使用できる。酸化防止剤としては、モノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系等のフェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の各種タイプのものを挙げることができる。
モノフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等を挙げることができる。
ビスフェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[{1,1−ジメチル−2−{β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル}2,4,9,10−テトラオキサスピロ]5,5−ウンデカン等を挙げることができる。
高分子型フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ビドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−{メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキスフェニル)プロピオネート}メタン、ビス{(3,3’−ビス−4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド}グルコールエステル、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン、トコフェロール(ビタミンE)等を挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート等を挙げることができる。
ホスファイト系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルホスファイト)、トリス(モノ及び/またはジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナスレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等を挙げることができる。
本発明においては、酸化防止の効果、熱安定性、経済性等の観点から、フェノール系及びホスファイト系の酸化防止剤が好ましく用いられ、両者を組み合わせて用いることが、含有量に対する酸化防止剤としての効果を高めることができるため、さらに好ましい。
酸化防止剤の含有量は、限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々通常0.1〜1.0質量%であることが好ましく、0.2〜0.5質量%であることがより好ましい。
紫外線吸収剤としては、種々の市販品が適用でき、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系等各種タイプのものを挙げることができる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロロベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、ヒドロキシフェニル置換ベンゾトリアゾール化合物であって、例えば、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−メチル−5−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等を挙げることができる。
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−[4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル]−5−(オクチルオキシ)フェノール、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−(ヘキシルオキシ)フェノール等を挙げることができる。
サリチル酸エステル系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレート等を挙げることができる。
紫外線吸収剤の含有量は、限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々通常0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。
耐候安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定化剤が好適に用いられる。ヒンダードアミン系光安定化剤は、紫外線吸収剤のようには紫外線を吸収しないが、紫外線吸収剤と併用することによって著しい相乗効果を有する。
ヒンダードアミン系光安定化剤としては、例えば、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ}]、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セパレート、2−(3,5−ジ−tert−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)等を挙げることができる。
ヒンダードアミン系光安定化剤の含有量は、限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々通常0.01〜0.5質量%であることが好ましく、0.05〜0.3質量%であることがより好ましい。
上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐候安定剤は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(太陽電池ダミーモジュール及びその製造方法)
本発明の太陽電池ダミーモジュールは、前述したように、透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有し、かつ透明樹脂層が透明保護材層側になるように封止材層が配されている。該太陽電池ダミーモジュールにおいて、透明樹脂層(封止材層が着色樹脂層の背面側にも透明樹脂層を有している場合は、透明保護材層側の透明樹脂層)の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)はRx−Ry<45μmである(図3)。より好ましくはRx−Ry<40μmであり、さらに好ましくはRx−Ry<35μmである。前記範囲を外れた場合、透明樹脂層が薄肉化された部分において、着色樹脂層と透明保護材層との距離が接近することにより暗部となり、透明樹脂層が厚肉化された部分が逆の現象により明部となる。最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)が前記関係式を満たすと透明保護材側からの外観において従来発生する明暗の縞模様が生じず、意匠性が大幅に向上する。
本発明の太陽電池ダミーモジュールにおける、透明樹脂層の最小厚み(Ry)は特に限定されるものではないが、透明樹脂層における厚みブレやピンホール、流動不良などによる接着性の不具合、部材等への廻り込み等を考慮した場合、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、40μm以上が更に好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールにおける、透明樹脂層の最大厚み(Rx)は特に限定されるものではないが、着色樹脂層の意匠の鮮明さやハンドリング性等の観点より1000μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、500μm以下が更に好ましい。
この透明樹脂層の最小厚み(Ry)及び最大厚み(Rx)は、太陽電池ダミーモジュール断面を、例えば光学顕微鏡や電子顕微鏡等を用いて任意の倍率により拡大して、測定することにより求められる(図3)。太陽電池ダミーモジュールにおいては、外観不良となる縞模様が全域に発生するが、なかでも、透明保護材と封止材のラミネート時の熱ムラなどによる樹脂の流動ムラが発生しやすい、太陽電池ダミーモジュールの中央部と端部付近がより明瞭に縞模様が発生することから、通常は、太陽電池ダミーモジュールの中央部または端部より10mm程度内側を測定することが好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールは、透明性や外観を損なわない範囲において封止材層に接する透明保護材層と、封止材層の透明樹脂層との層間接着性を更に向上するために、透明保護材層と透明樹脂層との間に、例えば、連続的または非連続的な易接着層やアンカー層など別の層を設けることができる。
本発明の太陽電池ダミーモジュールの製造方法は、特に限定されるものではないが、一例としては、透明保護材、封止材の順に重ねてラミネートすることにより(図1(a))、太陽電池ダミーモジュールを得ることができる(図1(b))。
なお、封止材は着色樹脂層と透明樹脂層の2層のみからなるものであってもよく(図1(a)、107)、着色樹脂層の両面側に透明樹脂層を有する多層構成であってもよい(図2(a)、207)。
上記太陽電池ダミーモジュールの製造方法においては、ラミネートのみで製造する場合や、ラミネート後に熱処理を施して製造する方法などがあり、いずれの製造方法でも構わないが、外観や接着性を考慮した場合、後者の製造方法が好ましい。
透明保護材と封止材をラミネートする際、ラミネート時の温度条件を調整することで透明樹脂層(封止材層が着色樹脂層の背面側にも透明樹脂層を有している場合は、透明保護材層側の透明樹脂層)の厚みフレを少なくし、Rx−Ry<45μmとすることができる。例えば、前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm(℃)に対しラミネート工程時の温度(ラミネート温度)T(℃)がTm<T<Tm+20であれば透明樹脂層の厚みフレの発生を抑制しながら高い接着性を得ることができるので好ましく、Tm<T<Tm+18であればより好ましく、Tm<T<Tm+15が更に好ましい。なお、本発明におけるラミネート工程時の温度とはラミネート工程中のプレス時における温度である。
透明樹脂層が多層の場合であっても、透明樹脂層全体としてのTmが上記関係式を満たすようにするのが好ましい。
ラミネート工程の時間は通常、予熱時間が10秒〜10分、加熱保持時間が1〜30分程度である。
また、本発明の太陽電池ダミーモジュールは、ラミネート工程後に熱処理工程を行って製造することにより、加工条件範囲を広げ、更に透明樹脂層の厚みフレを低減し、かつ透明保護材層と透明樹脂層との接着性をより良好にすることが可能となる。この観点より、熱処理工程を有する場合におけるラミネート工程時の温度条件としては、透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm(℃)に対しラミネート工程時の温度T(℃)がT<Tm+20であれば透明樹脂層の厚みフレを低減できるため好ましく、T<Tm+15であればより好ましく、T<Tmが更に好ましい。ラミネート工程時の圧力は、10〜100kPaであれば透明保護材層と封止材層が密着した状態となり、モジュール内部における気泡が発生しにくくなるため好ましく、30〜100kPaがより好ましく、50〜100kPaが更に好ましい。また、ラミネート後の熱処理工程時の温度T(℃)がT≧Tmであれば接着性が良好であるため好ましく、T≧Tm+5であればより好ましく、T≧Tm+10が更に好ましい。更に、透明樹脂層のDSC測定における最も低温側の融点Tmに対しラミネート工程時の温度T(℃)は、Tm<Tとすることでラミネート工程後における密着性を高くすることが可能である。また、密着性を良くすることにより熱処理工程前及び工程中における部材のズレや浮き、気泡発生等を抑制することが可能となる。ラミネート後の熱処理工程は、前記ラミネート工程時の圧力の100%以下の加圧条件範囲で実施することが好ましく、ラミネート工程時の圧力の50%以下の加圧条件範囲であることがより好ましい。熱処理工程の時間は通常、1〜60分である。
また、本発明の太陽電池ダミーモジュールは、背面側保護材(バックシート)を有していてもよく、その場合、上記した各部材のラミネート時に、背面保護材も一緒にラミネートすることが好ましい。
<封止材>
本発明の太陽電池ダミーモジュールを製造する際に用いられる前記封止材の形状は、限定されるものではないが、取り扱い性の観点からシート状であるのが好ましい。シート状の封止材の製膜方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサーまたはニーダーなどの溶融混合設備を有し、更にTダイを用いる押出キャスト法、カレンダー法やインフレーション法等を採用することができる。特に制限されるものではないが、本発明においては、ハンドリング性や生産性等の面から複数の押出機及びTダイを用いる共押出キャスト法が好適に用いられる。共押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね130〜300℃、好ましくは、150〜250℃である。樹脂に含有されるシラン化合物、着色顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐候安定剤等の各種含有剤は、予め樹脂とともにドライブレンドしてからホッパーに供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してペレットを作製してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。
シート状の封止材の厚みは特に限定されるものではないが、0.03〜1mmが好ましく、0.05〜0.7mmがより好ましく、0.1〜0.5mmが更に好ましい。
また、シート状で得られた封止材の表面及び/または裏面には、必要に応じて、シートを巻物とした場合のシート同士のブロッキング防止やラミネート工程でのハンドリング性やエア抜きのし易さ向上などの目的のため、エンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行ってもよい。
更に、各種被着体への接着性を向上させる目的で表面にコロナ処理やプラズマ処理及びプライマー処理などの各種表面処理を行うことができる。ここで、表面処理量の目安としては、ぬれ指数で40mN/m以上となることが好ましく、50mN/m以上となることがより好ましい。ぬれ指数の上限値は一般的に70mN/m程度である。
本発明の封止材の常温における柔軟性は、特に制限されるものではなく、適用される太陽電池ダミーモジュールの形状や厚み、設置場所などを考慮して適宜調整すればよい。動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E´)は1〜2000MPaであることが好ましい。太陽電池ダミーモジュールの耐衝撃性を考慮すると柔軟であることが好ましく、前記貯蔵弾性率(E´)が1〜200MPaであることがより好ましく、5〜100MPaであることがさらに好ましい。また、シート形状などで封止材を採取した場合のハンドリング性やシート表面同士のブロッキング防止、あるいは、太陽電池ダミーモジュールにおける軽量化などを考慮すると、1〜1000MPaであることが好ましく、5〜200MPaであることがより好ましい。該貯蔵弾性率(E´)は、粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hzで所定温度範囲を測定し、温度20℃における値を求めることで得られる。
(透明保護材層と封止材層との層間接着性)
本発明の太陽電池ダミーモジュールの透明保護材層と透明樹脂層との層間剥離強度は、30N/10mm幅以上であるのが好ましい。より好ましくは、50N/10mm幅以上である。ここで、層間剥離強度とは、太陽電池ダミーモジュールから10mm幅の積層体を短冊状に切り出して試験片とし、万能引張試験器(インテスコ社製、型式:200X)を用いて、180度において、テストスピード50mm/分により、試験片の透明保護材層と透明樹脂層の層間を剥離し、層間剥離強度の測定を行って得られたチャートにおける層間剥離強度の最大値である。
以下に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は何ら制限を受けるものではない。なお、本実施例における種々の物性等の測定及び評価は次のようにして行った。
(融点)
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)を求め、該温度を融点とした。
(層間剥離強度)
本発明における層間剥離試験は万能引張試験器(インテスコ社製、型式:200X)を用いて行った。各実施例及び比較例に記載されている太陽電池ダミーモジュールと同様の太陽電池ダミーモジュールを作製する際に、白板ガラスと封止材との間の一部に剥離シロとしてPETフィルム(三菱樹脂社製ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名フルオロージュ:RL)を挿入した上で、各実施例または比較例の条件において各層をラミネート及び必要により熱処理を行うことにより、白板ガラス/封止材/バックシートの構成でラミネートし、積層体(白板ガラス層/封止材層/バックシート層)を作製した。その後、該積層体を10mm幅の短冊状に切り出して試験片とし、180度において、テストスピード50mm/分により層間剥離試験(層間剥離強度の測定)を行った。層間剥離強度の測定結果よりチャートにおける最大値を読み取り、白板ガラス(透明保護材)と透明樹脂層との層間剥離強度とした。
(厚みフレ測定)
本発明における厚みフレ測定の試験片は、各実施例及び比較例に記載されている太陽電池ダミーモジュールと同様の太陽電池ダミーモジュールの作製において、白板ガラスと封止材との間に離形材としてPETフィルム(三菱樹脂社製ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名:フルオロージュRL)を挿入した上で、各実施例または比較例の条件において各層をラミネート及び必要により熱処理を行うことにより、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/PETフィルム層/封止材層/バックシート層)を作製した後(図4(a))、太陽電池ダミーモジュールから白板ガラス及びPETフィルムを取り除くことにより作製した封止材層とバックシート層からなる積層体から、5mm幅の短冊状試験片を積層体の端部から10mm内側の部分と中央から合計3箇所切り出し、試験片とした(図5)。各試験片について、切断面全域を光学顕微鏡(キーエンス製デジタルマイクロスコープ「VHX」)により100〜500倍の任意の倍率で観察し、該切断面全域における透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)より、Rx−Ryの値を求めた(図4(b))。各試験片におけるRx−Ryの値のうち、最大値をRx−Ry(厚みフレ)とし、表1に示した。
(外観評価)
本発明における外観評価は、各実施例及び比較例の太陽電池ダミーモジュールの白板ガラス側からの外観を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:白板ガラス側から確認した際に明暗の縞状模様が見られない。
×:白板ガラス側から確認した際に明暗の縞状模様が見られる。
以下に本発明における封止材の作製方法を記載する。
<封止材1>
封止材1は、透明樹脂層である(I)層及び(II)層が(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなる2種3層構成の積層体である。
(I)層には、エチレン−オクテンランダム共重合体(プライムポリマー社製、商品名:エボリューP 9018)(以下、(PE−1)と略する)を60質量部と、汎用LLDPE(TOTAL PETROCHEMICALS社製、商品名:LOTRENE Q2018)(以下、(PE−2)と略する)を20質量部と、シラン変性樹脂(三菱化学社製、リンクロンXLE815N)(以下、(PE−3)と略する)を20質量部の割合で混合した樹脂組成物を用い、(II)層にはPE−1を80質量部、PE−2を20質量部、カーボンブラックを2質量部の割合で混合した樹脂組成物を用い、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより(I)層/(II)層/(I)層の厚みがそれぞれ45μm/360μm/45μmの封止材1を得た。なお、(I)層はTm:119℃、Tm:80℃であった。
<封止材2>
PE−1を80質量部と、PE−2を20質量部、カーボンブラックを2質量部の割合で混合した樹脂組成物を、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより厚み450μmの着色樹脂層からなる封止材2(Tm:118℃、Tm:80℃)を得た。
<実施例1>
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度120℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
<実施例2>
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度130℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、得られた成形体を130℃で60分加熱し(熱処理工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
<実施例3>
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度100℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、得られた成形体を130℃で60分加熱し(熱処理工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
<比較例1>
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度150℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、得られた成形体を150℃で60分加熱し(加熱処理工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
<比較例2>
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度150℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
<参考例>
先に作製した封止材2(着色樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材2、バックシートの順に重ねた後、温度120℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、積層体(白板ガラス層/着色樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
表1
Figure 0006496999
表1の結果から明らかなように、本発明の太陽電池ダミーモジュールは、優れた外観を有する(実施例1〜3)。また、本発明の要件を満足しない構成では、外観が劣ることが確認された(比較例1及び2)。
本発明によれば、封止材と透明保護材との間に別の層を追加せずとも、意匠性に優れた太陽電池ダミーモジュールが提供できる。本発明の太陽電池ダミーモジュールは、太陽電池モジュールと併用して用いることにより、屋根の意匠性を向上させ、かつコストダウンを行うことができる。
101、201、301、401:透明保護材層
102、202、302、402:封止材層
103、203、303、403:バックシート層
104、204、204’、304、404:透明樹脂層
105、205、305、405:着色樹脂層
106、206:透明保護材
107、207:封止材
108、208:バックシート
409:PETフィルム
510:厚みフレ測定用試験片
611:家屋の屋根
612:太陽電池ダミーモジュール
613:太陽電池モジュール

Claims (3)

  1. 透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、
    前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm(℃)に対しTm<T<Tm+20となるラミネート温度T(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程を有
    前記透明樹脂層が前記透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ前記透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たし、
    前記透明樹脂層及び前記着色樹脂層が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含む、太陽電池ダミーモジュールの製造方法。
  2. 透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、
    前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm(℃)に対しT<Tm+20となるラミネート温度T(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後に更に熱処理工程を有し、該熱処理工程時の温度T(℃)がT≧Tmであり、
    前記透明樹脂層が前記透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ前記透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たし、
    前記透明樹脂層及び前記着色樹脂層が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含む、太陽電池ダミーモジュールの製造方法。
  3. 前記透明保護材層と透明樹脂層との層間剥離強度が30N/10mm幅以上である請求項1または請求項2に記載の太陽電池ダミーモジュールの製造方法。
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