JP6496999B2 - 太陽電池ダミーモジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールであって、透明樹脂層が透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たすことを特徴とする太陽電池ダミーモジュール、
(2)前記透明保護材層と透明樹脂層との層間剥離強度が30N/10mm幅以上であることを特徴とする上記(1)に記載の太陽電池ダミーモジュール、
(3)上記(1)または(2)に記載の太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm1(℃)に対しTm1<TA<Tm1+20となるラミネート温度TA(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程を有する、太陽電池ダミーモジュールの製造方法、及び
(4)上記(1)または(2)に記載の太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm1(℃)に対しTA<Tm1+20となるラミネート温度TA(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後に更に熱処理工程を有し、該熱処理工程時の温度TB(℃)がTB≧Tm1である太陽電池ダミーモジュールの製造方法に関する。
また、「主成分」とは、本発明の太陽電池ダミーモジュールの各部材の作用・効果を妨げない範囲で、他の成分を含むことを許容する趣旨である。さらに、この用語は、具体的な含有率を制限するものではないが、各部材を構成する樹脂組成物の構成成分全体の50質量%以上、好ましくは65質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であって100質量%以下の範囲を占める成分である。
本発明の太陽電池ダミーモジュールは、透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールであって、透明樹脂層が透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たすことを特徴とするものである。
<透明保護材層>
これらの透明保護材の表面には、本発明に用いられる封止材やその他の部材との接着性を向上させるためにプライマー処理やコロナ処理など公知の表面処理を施すことができる。
透明保護材の全光線透過率は85〜100%であるのが好ましい。
また、透明保護材の引張弾性率(JIS K 7127、温度:23℃)は0.5〜200GPaであるのが好ましい。
透明保護材は通常、太陽電池ダミーモジュールの受光面側保護材層(フロントシート層ともいう)として用いられる。
本発明の太陽電池ダミーモジュールの封止材層は、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層とを有しており、封止材層は、透明樹脂層が太陽電池ダミーモジュールの透明保護材層側になるように配されている(図1(b))。封止材層は更に着色樹脂層の背面側に透明樹脂層を有していてもよい(図2(b))。なお、透明樹脂層及び着色樹脂層は各々単層でも多層でもよい。この透明樹脂層、着色樹脂層を構成する樹脂は同一でも良く、また異なっていても構わないが、透明樹脂層と着色樹脂層をラミネートする際の成形性や層間における界面接着性等を考慮すると、同一の樹脂を含有していることが好ましい。
なお、本発明において、封止材層を構成する材料を封止材と言うことがある。
本発明の透明樹脂層はDSC測定における融点(Tm)を2つ以上持つことが好ましいが、特に限定されるものではない。透明樹脂層の最も高温側の融点Tm1(℃)は、太陽電池ダミーモジュールの耐熱特性の観点より90〜150℃であることが好ましく、更に好ましくは100〜140℃、より好ましくは110〜130℃である。また、透明樹脂層の最も低温側の融点Tm2(℃)は太陽電池ダミーモジュールの柔軟性の観点から40〜100℃が好ましく、更に好ましくは50〜90℃、より好ましくは55〜85℃である。また、本発明の透明樹脂層が単一の融点Tmを有する場合、Tmの範囲に関しては太陽電池ダミーモジュールの耐熱性と柔軟性の観点より40〜120℃が好ましく、更に好ましくは50〜110℃、より好ましくは55〜100℃である。該融点は透明樹脂層を構成する樹脂組成物の組成や樹脂の種類等により調整することができる。
(A−1)は、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体である。ここで、エチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、3−メチル−ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1等が例示される。
本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点からエチレンと共重合するα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−へキセン、1−オクテンが好適に用いられる。また、共重合形式(ランダム、ブロックなど)は、特に制限されるものではないが、透明性や柔軟性などの観点からエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。エチレンと共重合するα−オレフィンは1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、(A−1)の立体構造、分岐、分岐度分布や分子量分布は、特に制限されるものではないが、例えば、長鎖分岐を有する共重合体は、一般に機械物性が良好であり、また、シートを成形する際の溶融張力(メルトテンション)が高くなりカレンダー成形性が向上するなどの利点がある。
ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性や回り込み具合などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い値、具体的には0.5〜5g/10min程度が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量を増大させる観点からMFRは、1〜50g/10minが好ましく、2〜50g/10minがより好ましく、さらに好ましくは3〜30g/10minである。さらに、密着性や回り込み易さの観点からは、MFRは、好ましくは2〜50g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。
(A−2)は、プロピレンと該プロピレンと共重合可能な他の単量体との共重合体あるいは、プロピレンの単独重合体である。但し、これらの共重合形式(ランダム、ブロックなど)、分岐、分岐度分布や立体構造には特に制限がなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチックあるいはこれらの混在した構造の重合体とすることができる。
共重合可能な他の単量体としては、エチレンや1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン−1、1−オクテン等の炭素数4〜12のα−オレフィン及びジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、エチリデンノルボルネン等のジエン類等が例示される。
本発明においては、工業的な入手し易さや諸特性、経済性などの観点からプロピレンと共重合するα−オレフィンとしては、エチレンや1−ブテンが好適に用いられる。また、柔軟性などの観点からプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられ、プロピレン−ブテンランダム共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体やプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などが挙げられる。プロピレンと共重合する単量体は1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、MFRは、シートを成形する際の成形加工性やセルを封止する時の密着性、回り込み具合などを考慮して選択すればよい。例えば、シートをカレンダー成形する場合には、シートを成形ロールから引き剥がす際のハンドリング性からMFRは、比較的低い方、具体的には0.5〜5g/10min程度が好ましく、また、Tダイを用いて押出成形する場合には、押出負荷を低減させ押出量を増大させる観点からMFRは、好ましくは2〜50g/10min、より好ましくは3〜30g/10minである。さらに、密着性や回り込み易さの観点からは、MFRは、好ましくは0.5〜50g/10min、より好ましくは1〜30g/10minである。
(A−3)は、エチレン、プロピレン等のα−オレフィンと不飽和脂肪族カルボン酸の金属塩(好ましい金属はZn、Na、K、Li、Mg等である)との共重合体である。
市販品としては、三井化学(株)製の商品名「ハイミラン(HIMILAN)」、ダウ・ケミカル(株)製の商品名「アンプリファイIO(AMPLIFY IO)」等を例示することができる。
(A−4)は、エチレンと、酢酸ビニルエステル、不飽和脂肪族カルボン酸及び不飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステルより選ばれる少なくとも1つの単量体との共重合体である。
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。ここで、該エステル成分としては、メチル、エチル、プロピル、ブチルなどの炭素数1〜8のアルキルエステルが挙げられる。本発明においては、上記2成分の共重合体に制限されることなく、さらに第3の成分を加えた3成分以上の多元共重合体(例えば、エチレンと不飽和脂肪族カルボン酸及び不飽和脂肪族カルボン酸エステルより適宜選ばれる3元以上の共重合体等)であってもよい。
ここで、エチレンと共重する前記単量体に基づく単量体単位の含有量は、特に制限されるものではないが(A−4)中の全単量体単位に対して、該単量体単位が、通常5〜35モル%である。
特に透明樹脂層及び着色樹脂層各々が、(A−1)に示されるエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含有することが好ましい。
白色顔料の含有量は、着色樹脂層中0.01〜100質量%であることが好ましい。
黒色顔料の含有量は、着色樹脂層中0.01〜50質量%であることが好ましい。
上記のシラン化合物は、それぞれ単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
該アルコキシシランの含有量は、封止材層を構成する各層において、該各層中0.01〜30質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。このような範囲であると、接着性を発揮するとともに、封止材層としての柔軟性、透明性、封止性や耐熱性などの特性を容易に調整できる。アルコキシシランは少なくとも透明樹脂層に含有されるのが好ましい。
シラン変性オレフィン樹脂の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前述した(A−1)〜(A−4)の各々に示されるオレフィン系(共)重合体(その中で、特に(A−1)が好ましい)に、前述したアルコキシシラン(その中でもビニルシランが好ましい)及びラジカル発生剤を高温で溶融混合し、グラフト重合することにより得ることができる。
架橋剤の含有量は、特に限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々0.01〜10質量%であることが好ましい。
架橋助剤の含有量は、特に限定されるものではないが、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々0.01〜10質量%であることが好ましい。
また、粘着付与樹脂は、主に分子量を調整することにより種々の軟化温度を有するものが得られるが、上述のポリオレフィン系重合体と混合した場合の相溶性、経時的なブリード性、色調または熱安定性等の観点から、軟化温度が好ましくは100〜150℃、より好ましくは120〜140℃の脂環式石油樹脂の水素添加誘導体を用いることが特に好ましい。また、粘着付与樹脂の含有量は、透明樹脂層及び着色樹脂層中、各々20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールは、前述したように、透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有し、かつ透明樹脂層が透明保護材層側になるように封止材層が配されている。該太陽電池ダミーモジュールにおいて、透明樹脂層(封止材層が着色樹脂層の背面側にも透明樹脂層を有している場合は、透明保護材層側の透明樹脂層)の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)はRx−Ry<45μmである(図3)。より好ましくはRx−Ry<40μmであり、さらに好ましくはRx−Ry<35μmである。前記範囲を外れた場合、透明樹脂層が薄肉化された部分において、着色樹脂層と透明保護材層との距離が接近することにより暗部となり、透明樹脂層が厚肉化された部分が逆の現象により明部となる。最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)が前記関係式を満たすと透明保護材側からの外観において従来発生する明暗の縞模様が生じず、意匠性が大幅に向上する。
本発明の太陽電池ダミーモジュールにおける、透明樹脂層の最小厚み(Ry)は特に限定されるものではないが、透明樹脂層における厚みブレやピンホール、流動不良などによる接着性の不具合、部材等への廻り込み等を考慮した場合、5μm以上が好ましく、10μm以上がより好ましく、40μm以上が更に好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールにおける、透明樹脂層の最大厚み(Rx)は特に限定されるものではないが、着色樹脂層の意匠の鮮明さやハンドリング性等の観点より1000μm以下が好ましく、700μm以下がより好ましく、500μm以下が更に好ましい。
この透明樹脂層の最小厚み(Ry)及び最大厚み(Rx)は、太陽電池ダミーモジュール断面を、例えば光学顕微鏡や電子顕微鏡等を用いて任意の倍率により拡大して、測定することにより求められる(図3)。太陽電池ダミーモジュールにおいては、外観不良となる縞模様が全域に発生するが、なかでも、透明保護材と封止材のラミネート時の熱ムラなどによる樹脂の流動ムラが発生しやすい、太陽電池ダミーモジュールの中央部と端部付近がより明瞭に縞模様が発生することから、通常は、太陽電池ダミーモジュールの中央部または端部より10mm程度内側を測定することが好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールは、透明性や外観を損なわない範囲において封止材層に接する透明保護材層と、封止材層の透明樹脂層との層間接着性を更に向上するために、透明保護材層と透明樹脂層との間に、例えば、連続的または非連続的な易接着層やアンカー層など別の層を設けることができる。
なお、封止材は着色樹脂層と透明樹脂層の2層のみからなるものであってもよく(図1(a)、107)、着色樹脂層の両面側に透明樹脂層を有する多層構成であってもよい(図2(a)、207)。
透明樹脂層が多層の場合であっても、透明樹脂層全体としてのTm1が上記関係式を満たすようにするのが好ましい。
ラミネート工程の時間は通常、予熱時間が10秒〜10分、加熱保持時間が1〜30分程度である。
また、本発明の太陽電池ダミーモジュールは、背面側保護材(バックシート)を有していてもよく、その場合、上記した各部材のラミネート時に、背面保護材も一緒にラミネートすることが好ましい。
本発明の太陽電池ダミーモジュールを製造する際に用いられる前記封止材の形状は、限定されるものではないが、取り扱い性の観点からシート状であるのが好ましい。シート状の封止材の製膜方法としては、公知の方法、例えば単軸押出機、多軸押出機、バンバリーミキサーまたはニーダーなどの溶融混合設備を有し、更にTダイを用いる押出キャスト法、カレンダー法やインフレーション法等を採用することができる。特に制限されるものではないが、本発明においては、ハンドリング性や生産性等の面から複数の押出機及びTダイを用いる共押出キャスト法が好適に用いられる。共押出キャスト法での成形温度は、用いる樹脂組成物の流動特性や製膜性等によって適宜調整されるが、概ね130〜300℃、好ましくは、150〜250℃である。樹脂に含有されるシラン化合物、着色顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤及び耐候安定剤等の各種含有剤は、予め樹脂とともにドライブレンドしてからホッパーに供給してもよいし、予め全ての材料を溶融混合してペレットを作製してから供給してもよいし、添加剤のみを予め樹脂に濃縮したマスターバッチを作製し供給してもよい。
シート状の封止材の厚みは特に限定されるものではないが、0.03〜1mmが好ましく、0.05〜0.7mmがより好ましく、0.1〜0.5mmが更に好ましい。
また、シート状で得られた封止材の表面及び/または裏面には、必要に応じて、シートを巻物とした場合のシート同士のブロッキング防止やラミネート工程でのハンドリング性やエア抜きのし易さ向上などの目的のため、エンボス加工や種々の凹凸(円錐や角錐形状や半球形状など)加工を行ってもよい。
本発明の封止材の常温における柔軟性は、特に制限されるものではなく、適用される太陽電池ダミーモジュールの形状や厚み、設置場所などを考慮して適宜調整すればよい。動的粘弾性測定における振動周波数10Hz、温度20℃の貯蔵弾性率(E´)は1〜2000MPaであることが好ましい。太陽電池ダミーモジュールの耐衝撃性を考慮すると柔軟であることが好ましく、前記貯蔵弾性率(E´)が1〜200MPaであることがより好ましく、5〜100MPaであることがさらに好ましい。また、シート形状などで封止材を採取した場合のハンドリング性やシート表面同士のブロッキング防止、あるいは、太陽電池ダミーモジュールにおける軽量化などを考慮すると、1〜1000MPaであることが好ましく、5〜200MPaであることがより好ましい。該貯蔵弾性率(E´)は、粘弾性測定装置を用いて、振動周波数10Hzで所定温度範囲を測定し、温度20℃における値を求めることで得られる。
本発明の太陽電池ダミーモジュールの透明保護材層と透明樹脂層との層間剥離強度は、30N/10mm幅以上であるのが好ましい。より好ましくは、50N/10mm幅以上である。ここで、層間剥離強度とは、太陽電池ダミーモジュールから10mm幅の積層体を短冊状に切り出して試験片とし、万能引張試験器(インテスコ社製、型式:200X)を用いて、180度において、テストスピード50mm/分により、試験片の透明保護材層と透明樹脂層の層間を剥離し、層間剥離強度の測定を行って得られたチャートにおける層間剥離強度の最大値である。
(株)パーキンエルマー製の示差走査熱量計、商品名「Pyris1 DSC」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約10mgを加熱速度10℃/分で−40℃から200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、冷却速度10℃/分で−40℃まで降温し、再度、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから結晶融解ピーク温度(Tm)を求め、該温度を融点とした。
本発明における層間剥離試験は万能引張試験器(インテスコ社製、型式:200X)を用いて行った。各実施例及び比較例に記載されている太陽電池ダミーモジュールと同様の太陽電池ダミーモジュールを作製する際に、白板ガラスと封止材との間の一部に剥離シロとしてPETフィルム(三菱樹脂社製ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名フルオロージュ:RL)を挿入した上で、各実施例または比較例の条件において各層をラミネート及び必要により熱処理を行うことにより、白板ガラス/封止材/バックシートの構成でラミネートし、積層体(白板ガラス層/封止材層/バックシート層)を作製した。その後、該積層体を10mm幅の短冊状に切り出して試験片とし、180度において、テストスピード50mm/分により層間剥離試験(層間剥離強度の測定)を行った。層間剥離強度の測定結果よりチャートにおける最大値を読み取り、白板ガラス(透明保護材)と透明樹脂層との層間剥離強度とした。
本発明における厚みフレ測定の試験片は、各実施例及び比較例に記載されている太陽電池ダミーモジュールと同様の太陽電池ダミーモジュールの作製において、白板ガラスと封止材との間に離形材としてPETフィルム(三菱樹脂社製ポリエチレンテレフタレートフィルム、商品名:フルオロージュRL)を挿入した上で、各実施例または比較例の条件において各層をラミネート及び必要により熱処理を行うことにより、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/PETフィルム層/封止材層/バックシート層)を作製した後(図4(a))、太陽電池ダミーモジュールから白板ガラス及びPETフィルムを取り除くことにより作製した封止材層とバックシート層からなる積層体から、5mm幅の短冊状試験片を積層体の端部から10mm内側の部分と中央から合計3箇所切り出し、試験片とした(図5)。各試験片について、切断面全域を光学顕微鏡(キーエンス製デジタルマイクロスコープ「VHX」)により100〜500倍の任意の倍率で観察し、該切断面全域における透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)より、Rx−Ryの値を求めた(図4(b))。各試験片におけるRx−Ryの値のうち、最大値をRx−Ry(厚みフレ)とし、表1に示した。
本発明における外観評価は、各実施例及び比較例の太陽電池ダミーモジュールの白板ガラス側からの外観を目視により観察し、以下の基準で評価した。
○:白板ガラス側から確認した際に明暗の縞状模様が見られない。
×:白板ガラス側から確認した際に明暗の縞状模様が見られる。
封止材1は、透明樹脂層である(I)層及び(II)層が(I)層/(II)層/(I)層の順に積層されてなる2種3層構成の積層体である。
(I)層には、エチレン−オクテンランダム共重合体(プライムポリマー社製、商品名:エボリューP 9018)(以下、(PE−1)と略する)を60質量部と、汎用LLDPE(TOTAL PETROCHEMICALS社製、商品名:LOTRENE Q2018)(以下、(PE−2)と略する)を20質量部と、シラン変性樹脂(三菱化学社製、リンクロンXLE815N)(以下、(PE−3)と略する)を20質量部の割合で混合した樹脂組成物を用い、(II)層にはPE−1を80質量部、PE−2を20質量部、カーボンブラックを2質量部の割合で混合した樹脂組成物を用い、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより(I)層/(II)層/(I)層の厚みがそれぞれ45μm/360μm/45μmの封止材1を得た。なお、(I)層はTm1:119℃、Tm2:80℃であった。
PE−1を80質量部と、PE−2を20質量部、カーボンブラックを2質量部の割合で混合した樹脂組成物を、Tダイを備えた押出機を用いて設定温度200℃で溶融混練し、20℃のキャストロールで急冷製膜することにより厚み450μmの着色樹脂層からなる封止材2(Tm1:118℃、Tm2:80℃)を得た。
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度120℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度130℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、得られた成形体を130℃で60分加熱し(熱処理工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度100℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、得られた成形体を130℃で60分加熱し(熱処理工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度150℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、得られた成形体を150℃で60分加熱し(加熱処理工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
先に作製した封止材1(透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材1、バックシートの順に重ねた後、温度150℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、太陽電池ダミーモジュール(白板ガラス層/透明樹脂層/着色樹脂層/透明樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件等及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
先に作製した封止材2(着色樹脂層)を用い、透明保護材として白板ガラス(旭硝子社製商品名ソライト、縦150mm×横150mm、厚み3.2mm)を用い、バックシートとして「VTPE1」(TAIFLEX社製、厚み380μm)を用いて、白板ガラス、封止材2、バックシートの順に重ねた後、温度120℃、100kPaの条件下で予熱5分、加圧保持5分によりラミネート成形し(ラミネート工程)、積層体(白板ガラス層/着色樹脂層/バックシート層)を作製した。ラミネート条件及び作製された太陽電池ダミーモジュールの各種評価結果を表1に示した。
102、202、302、402:封止材層
103、203、303、403:バックシート層
104、204、204’、304、404:透明樹脂層
105、205、305、405:着色樹脂層
106、206:透明保護材
107、207:封止材
108、208:バックシート
409:PETフィルム
510:厚みフレ測定用試験片
611:家屋の屋根
612:太陽電池ダミーモジュール
613:太陽電池モジュール
Claims (3)
- 透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、
前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm1(℃)に対しTm1<TA<Tm1+20となるラミネート温度TA(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程を有し、
前記透明樹脂層が前記透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ前記透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たし、
前記透明樹脂層及び前記着色樹脂層が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含む、太陽電池ダミーモジュールの製造方法。 - 透明保護材層と、透明樹脂層と該透明樹脂層に少なくとも一部が接してなる着色樹脂層を有する封止材層とを有する太陽電池ダミーモジュールの製造方法であって、
前記透明樹脂層のDSC測定における最も高温側の融点Tm1(℃)に対しTA<Tm1+20となるラミネート温度TA(℃)で封止材と透明保護材とをラミネートするラミネート工程と、ラミネート工程の後に更に熱処理工程を有し、該熱処理工程時の温度TB(℃)がTB≧Tm1であり、
前記透明樹脂層が前記透明保護材層側になるように封止材層が配されており、かつ前記透明樹脂層の最大厚み(Rx)と最小厚み(Ry)がRx−Ry<45μmを満たし、
前記透明樹脂層及び前記着色樹脂層が、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体を含む、太陽電池ダミーモジュールの製造方法。 - 前記透明保護材層と透明樹脂層との層間剥離強度が30N/10mm幅以上である請求項1または請求項2に記載の太陽電池ダミーモジュールの製造方法。
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