JP2009094320A - 太陽電池モジュール用裏面充填材シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、白色層用透明樹脂および白色顔料を有する白色層と、上記白色層を挟持する接着層用透明樹脂を有する接着層とを有する太陽電池モジュール用裏面充填材シートであって、上記接着層用透明樹脂が、シラン変性透明樹脂であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面充填材シートを提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】図1
Description
太陽電池素子は単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製することが多いため太陽電池素子は物理的衝撃に弱く、また屋外に太陽電池を取り付けた場合に雨などからこれを保護する必要がある。また、太陽電池素子1枚では発生する電気出力が小さいため、複数の太陽電池素子を直並列に接続して、実用的な電気出力が取り出せるようにする必要がある。このため複数の太陽電池素子を接続し透明基板および充填材で封入して太陽電池モジュールを作製することが通常行われている。一般に太陽電池モジュールは、透明前面基板、前面充填材シート、太陽電池素子、裏面充填材シートおよび裏面保護シート等を順次積層し、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造される。
また、上記金属酸化物のなかには、吸湿した水と共に存在した場合において、アルコキシシリル基を縮合しシロキサン基を生成する縮合反応の触媒として作用するものもある。そのため、上記接着性がより不安定になる恐れがあった。
また、上記接着層に上記白色顔料が含まれていないため、上記接着層に含まれる接着層用透明樹脂が有するアルコキシシリル基が加水分解し、さらに縮合することによるシロキサン基の形成を抑えることができ、優れた接着性を長期間維持することができる。
また、上記重合用樹脂として、ポリエチレンを用いることにより、加熱時に、異臭の発生や、太陽電池モジュールを構成する電極等の腐食を生ずる恐れのある熱分解物を発生することがないからである。さらに、太陽電池モジュールを生産する際に、太陽電池素子等と共に真空ラミネーション法等により太陽電池モジュールの各構成材料を積層した後に、加熱・架橋する熱架橋工程が不要となるため、上記太陽電池モジュールを低コストで生産することができるからである。
また、上記太陽電池モジュール用裏面充填材シートが白色層を有し、太陽電池素子を透過した光を効率的に反射することができるため、優れた光電変換効率を有するものとすることができる。
以下、本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートおよび太陽電池モジュールについて詳細に説明する。
まず、本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートについて説明する。本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートは、白色層用透明樹脂および白色顔料を有する白色層と、上記白色層を挟持する接着層用透明樹脂を有する接着層とを有する太陽電池モジュール用裏面充填材シートであって、上記接着層用透明樹脂が、シラン変性透明樹脂であることを特徴とするものである。
また、上記接着層に上記白色顔料が含まれていないため、上記接着層に含まれる接着層用透明樹脂が有するアルコキシシリル基が加水分解し、さらに縮合することによるシロキサン基の形成を抑えることができ、優れた接着性を長期間維持することができる。
以下、このような太陽電池モジュール用裏面充填材シートの各構成について説明する。
本発明に用いられる白色層は、白色層用透明樹脂および白色顔料を有するものであり、太陽電池モジュールに用いた際に、太陽電池素子を透過した光を反射することができるものであれば特に限定されるものではない。以下、このような白色層について説明する。
本発明に用いられる白色層に含まれる白色層用透明樹脂は、後述する白色顔料と反応することなく、かつ後述する接着層と十分な強度で接着することができる透明樹脂であれば、特に限定されるものではない。
本発明においては、上記白色層用透明樹脂が、アルコキシシリル基を含まない透明樹脂である非シラン変性透明樹脂であることが好ましい。上記白色層用透明樹脂が、非シラン変性透明樹脂であることにより、本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートを低コストで生産することができるからである。
また、本発明においては、上記白色層用透明樹脂と、後述する接着層用透明樹脂とが、同種の樹脂であることが好ましい。本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートを低コストで生産することができ、さらに上記白色層と、上記接着層との接着性を優れたものとすることができるからである。
ここで、上記白色層用透明樹脂と、上記接着層用透明樹脂とが、同種の樹脂であることとは、上記白色層用透明樹脂、および上記接着層用透明樹脂が同一の種類のモノマーを重合させた主鎖を有する樹脂であることをいい、分子量、密度、架橋の有無等の同一まで要求するものではない。
なお、上記太陽電池モジュール用裏面充填材シートは、太陽電池素子と裏面保護シートとの間に配置されるものであるので、高い透明性を有したものでなくてもよい。
ここで、上記不飽和モノマーとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸エステル;(メタ)アクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和カルボン酸、および不飽和カルボン酸の塩を挙げることができ、さらに、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、ビニルアルコール等を用いても良い。上記不飽和カルボン酸の塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛などの多価金属の塩などを挙げることができる。
また、太陽電池モジュールを生産する際に、太陽電池素子等と共に真空ラミネーション法等により太陽電池モジュールの各構成材料を積層した後に、加熱・架橋する熱架橋工程が不要となるため、上記太陽電池モジュールを低コストで生産することができるからである。
なお、融点の測定方法としては、プラスチックの転移温度測定方法(JISK7121)に準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により行う。なお、その際、融点ピークが2つ以上存在する場合は高い温度の方を融点とする。
なお、メルトフローレートとしては、JIS K 7210:1999により得ることができる。本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートの成形性等に優れるからである。
本発明に用いられる白色層に含まれる白色顔料としては、上述した白色層用透明樹脂に均一に分散することができ、本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートを太陽電池モジュールに用いた場合に、上記太陽電池モジュールに含まれる太陽電池素子を透過した光を効率よく反射することができるものであれば特に限定されるものではない。
また、上記白色顔料として、酸化チタンを用いる場合においては、平均粒径が、0.1μm〜1.0μmの範囲内であることが好ましく、なかでも0.2μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より小さいと十分に光を反射することができないからであり、上記範囲より大きいと、上記白色層用透明樹脂中で均一に分散することが困難となるからである。
なお、上記粒径の測定法としては、レーザー法により測定した平均粒径の値とする。平均粒径とは、一般に粒子の粒度を示すために用いられるものであり、レーザー法とは、粒子を溶媒中に分散し、その分散溶媒にレーザー光線を当てて得られた散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法である。なお、上記平均粒径は、レーザー法による粒径測定機として、リーズ&ノースラップ(Leeds & Northrup)社製 粒度分析計 マイクロトラックUPA Model-9230を使用して測定した値である。
また、上記白色顔料として酸化チタンを用いる場合における含有量としては、上記白色層中において、0.3質量%〜3質量%の範囲内であることが好ましく、なかでも0.5質量%〜2質量%の範囲内であることが好ましい。上記範囲より少ないと、効率よく光を反射することができないからであり、上記範囲より多いと、反射効率は変わらず、生産時のコストが高くなるからである。
本発明に用いられる白色層は、上述した白色層用透明樹脂および白色顔料を有するものであれば特に限定されるものではなく、他の添加剤を含むものであっても良い。上記他の添加剤としては、光安定剤、紫外線吸収剤、または、熱安定剤を挙げることができる。
本発明に用いられる接着層は、シラン変性透明樹脂である接着層用透明樹脂を含むものであり、かつ酸化チタン等の白色顔料を含まないものである。上記接着層が上記白色顔料を含まないことによって、上記白色顔料が吸湿した水により、上記接着層が有するアルコキシシリル基が加水分解し、さらに縮合しシロキサン基となることを抑制することができ、上記太陽電池素子および裏面保護シートとの優れた接着性を長期間維持することができる。
本発明に用いられる接着層用透明樹脂は、シラン変性透明樹脂であり、アルコキシシリル基を含むものであれば特に限定されるものではないが、本発明においては、上記白色層用透明樹脂と、上記接着層用透明樹脂とが、同種の樹脂であることが好ましい。本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートを低コストで生産することができ、さらに上記白色層と、上記接着層との接着性を優れたものとすることができるからである。
また、太陽電池モジュールを生産する際に、太陽電池素子等と共に真空ラミネーション法等により太陽電池モジュールの各構成材料を積層した後に、加熱・架橋する熱架橋工程が不要となるため、上記太陽電池モジュールを低コストで生産することができるからである。
なお、融点の測定方法としては、上記「1.白色層」の「(1)白色層用透明樹脂」の項に記載したものと同様の方法を用いることができる。
なお、メルトマスフローレートの測定としては、上記「1.白色層」の「(1)白色層用透明樹脂」の項で記載したものと同様の方法を用いることができる。
本発明に用いられる接着層は、上記接着層用透明樹脂を含み、かつ白色顔料を含まないものであれば、特に限定されるものではなく、例えば添加用樹脂や、他の添加剤を含むものであっても良い。
ただし上記紫外線吸収剤としては金属錯塩系、超微粒子酸化チタンあるいは超微粒子酸化亜鉛等の無機系等を含まないものとする。上記無機系紫外線吸収剤は吸湿性を有するため、上記接着層の接着性が低下する恐れがあるからである。
なお、上記シラノール縮合触媒を実質的に含まないとは、具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレートといったシラノール縮合触媒が、上記接着層を構成する全樹脂100重量部に対して、0.05重量部以下である場合をいい、より好ましくは0.02重量部以下の範囲内であることが好ましく、なかでも0重量部であることが好ましい。
ここで、上記重合Si量は、上記樹脂シートの灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定容し、高周波プラズマ発光分析装置((株)島津製作所製 ICPS8100)を用いてICP発光分析法により重合Si量の定量を行うことにより測定した値である。
このようなゲル分率の測定方法としては、太陽電池モジュール用裏面充填材シートを白色層と、接着層とに剥離・分離し、次いで上記接着層を1g秤量し、80メッシュの金網袋に入れる。次いで、ソックスレー抽出器内に金網ごとサンプル投入し、キシレンを沸点下において還流させる。10時間連続抽出したのち、金網ごとサンプルごと取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の重量比較を行い残留不溶分の質量%を測定し、これをゲル分率とする方法が用いられる。
本発明の太陽電池モジュール用裏面充填材シートは、白色層用透明樹脂および白色顔料を有する白色層と、上記白色層を挟持する接着層用透明樹脂を有する接着層とを有するものであれば特に限定されるものではない。
なお、上記接着層の厚みとは、白色層の両面に積層された接着層の厚みを合計したものではなく、上記接着層1層当たりの厚みをいう。
次に、本発明の太陽電池モジュールについて説明する。本発明の太陽電池モジュールは、裏面保護シートと、上記裏面保護シート上に形成された、上記太陽電池モジュール用裏面充填材シートと、上記太陽電池モジュール用裏面充填材シート上に形成された、太陽電池素子と、上記太陽電池素子上に形成された前面充填材シートと、上記前面充填材シート上に形成された透明前面基板とを有することを特徴とするものである。
また、上記太陽電池モジュール用裏面充填材シートが白色層を有し、太陽電池素子を透過した光を効率的に反射することができるため、優れた光電変換効率を有するものとすることができる。
以下、本発明の太陽電池モジュールの各構成について説明する。
本発明に用いられる太陽電池モジュール用裏面充填材シートは、上述した太陽電池モジュール用裏面充填材シートである。
したがって、このような太陽電池モジュール用裏面充填材シートを用いることによって、後述する裏面保護シートおよび後述する太陽電池素子と、十分な密着強度で、かつ安定的に積層することができる。
また、上記太陽電池モジュール用裏面充填材シートが白色層を有し、太陽電池素子を透過した光を効率的に反射することができるため、優れた光電変換効率を有するものとすることができる。
なお、本発明に用いられる太陽電池モジュール用裏面充填材シートの詳細については、上記「A.太陽電池モジュール用裏面充填材シート」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
本発明に用いられる太陽電池素子としては、一般的な太陽電池素子を用いることができる。具体的には、単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子等の結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型あるいはタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電子素子、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe2)等のII−VI族化合物半導体太陽電子素子、有機太陽電池素子等を用いることができる。
本発明に用いられる裏面保護シートとしては、所望の耐熱性、耐光性、耐水性等の耐候性を有するものであれば特に限定されない。このような裏面保護シートとしては、例えば、絶縁性の樹脂フィルムや、金属板等が好適に用いられる。なかでも本発明においては上記絶縁性の樹脂フィルムを用いることが好ましい。
本発明に用いられる透明前面基板としては、太陽光の透過性を有する基板であれば特に限定されず、例えば、ガラス板、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂(各種のナイロン)、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、アセタ−ル系樹脂、セルロ−ス系樹脂等の各種の樹脂フィルムを用いることができる。
また、本発明に用いられる透明前面基板の厚みは、所望の強度を実現できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、12μm〜7000μmの範囲内が好ましく、特に25μm〜4000μmの範囲内が好ましい。
本発明に用いられる前面充填材シートとしては、太陽光に対する透過性を有し、かつ、上記透明前面基板および太陽電池素子に対して接着性を示すものであれば特に限定されない。このような前面充填材シートを構成する材料の具体例としては、フッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸、または、メタクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ−ル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、シリコ−ン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等の樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。なかでも本発明においては、上記樹脂のなかでも、フッ素系樹脂、シリコ−ン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂を用いることが好ましく、特にシリコーン系樹脂を用いることが好ましい。
なお、上記全光線透過率は、通常の方法により測定することができ、例えばカラーコンピュータにより測定することができる。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、太陽光の吸収性、補強、その他等の目的のもとに、さらに、他の層を任意に加えて積層することができるものである。このような他の層としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
本発明において透明前面基板、前面充填材シート、太陽電池素子、太陽電池モジュール用裏面充填材シート、および、裏面保護シートをこの順で積層した後、これらを加熱圧着する方法としては、上記各構成を密着できる方法であれば特に限定されず、一般的に公知の方法を用いることができる。このような方法としては、例えば、透明前面基板、前面充填材シート、太陽電池素子、太陽電池モジュール用裏面充填材シート、および、裏面保護シートをこの順で積層した後、これらを一体として、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を例示することができる。
(1)シラン変性透明樹脂の調製
密度が0.898g/cm3であり、190℃でのメルトマスフローレート(MFR)が2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(以下、M−LLDPEと称する)98重量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2重量部、およびラジカル開始剤としてジクミルパーオキサイド0.1重量部を混合し、200℃で加熱溶融攪拌し、シラン変性透明樹脂を得た。
M−LLDPE85重量部に対して、ヒンダードアミン系光安定剤2.5重量部、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤7.5重量部、リン系熱安定剤5重量部を混合して溶融・加工しペレット化することにより、添加剤マスターバッチを調製した。
M−LLDPE80重量部に対して、白色顔料として粒径0.25μmの酸化チタン微粒子20重量部を混合して溶融・加工しペレット化することにより白色顔料マスターバッチを調製した。
太陽電池モジュール用裏面充填材シートの作製においては、2種3層の層構成が可能なφ25mm押出機、300mm幅のTダイスを有するフィルム成型機を用いた。ホッパA内の樹脂が第1、第3層(外層)に、ホッパB内の樹脂が第2層(中間層)に供給されるものである。
白色顔料マスターバッチ作製時に、M−LLDPEに替えて、密度0.918g/cm3、融点106℃、MFRが22g/10分の高圧法低密度ポリエチレンを70重量部、白色顔料として粒径0.25μmの酸化チタン微粒子30重量部を混合した他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面充填材シートを作製した。
白色顔料マスターバッチ作製時に、M−LLDPEを90重量部、白色顔料として粒径0.21μmの酸化チタン微粒子10重量部を混合した他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面充填材シートを作製した。
白色顔料マスターバッチ作製時に、M−LLDPEを90重量部、白色顔料として粒径1μmの酸化亜鉛粒子10重量部を混合した他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面充填材シートを作製した。
第1、第3層の厚みがそれぞれ50μm、第2層の厚みが400μmとなるように製膜した他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面充填材シートを作製した。
第1、第3層の厚みがそれぞれ150μm、第2層の厚みが300μmとなるように製膜した他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面充填材シートを作製した。
実施例1で作製したシラン変性透明樹脂5重量部と、M−LLDPE95重量部と、添加剤マスターバッチ5重量部と、白色顔料マスターバッチ5重量部とを混合したものを、実施例1で用いたフィルム成型機のホッパA,ホッパBに投入し、押し出し温度230℃、引き取り速度3m/minの条件で厚さ400μmのシートを製膜し、太陽電池モジュール用裏面充填材シートを得た。なお、上記の製膜化は、支障なく実施することができた。
実施例1、比較例1で得た太陽電池モジュール用裏面充填材シートを、40℃、RH90%の環境下に保存し、保存前、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年経過後に、太陽電池モジュール製造用の真空ラミネーターにて、厚み3mmのガラス板と150℃で、15分間圧着し、JIS Z1707に従い15mm幅での剥離強度(単位:N/10mm)を測定した。測定結果を表1に示す。
2 … 接着層
3 … 太陽電池モジュール用裏面充填材シート
4 … 裏面保護シート
5 … 太陽電池素子
6 … 前面充填材シート
7 … 透明前面基板
10 … 太陽電池モジュール
Claims (6)
- 白色層用透明樹脂および白色顔料を有する白色層と、
前記白色層を挟持する接着層用透明樹脂を有する接着層とを有する太陽電池モジュール用裏面充填材シートであって、
前記接着層用透明樹脂が、シラン変性透明樹脂であることを特徴とする太陽電池モジュール用裏面充填材シート。 - 前記白色層用透明樹脂が、非シラン変性透明樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用裏面充填材シート。
- 前記白色層用透明樹脂と、前記接着層用透明樹脂とが、同種の樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール用裏面充填材シート。
- 前記シラン変性透明樹脂が、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用樹脂とを共重合してなるシラン変性共重合体であって、
前記重合用樹脂が、ポリエチレンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用裏面充填材シート。 - 前記白色顔料が、酸化チタンであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用裏面充填材シート。
- 裏面保護シートと、
前記裏面保護シート上に形成された、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用裏面充填材シートと、
前記太陽電池モジュール用裏面充填材シート上に形成された、太陽電池素子と、
前記太陽電池素子上に形成された前面充填材シートと、
前記前面充填材シート上に形成された透明前面基板とを有することを特徴とする太陽電池モジュール。
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