JP2014103369A - 封止材シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】太陽電池モジュールにおいて太陽電池セルの非受光面側に配置されるポリエチレン系樹脂製の封止材シートであって、記封止材シートは、白色顔料を4質量%以上10質量%以下含有し、かつ、白色顔料の含有量の異なる層からなる多層構成であり、JIS−K7209による吸水率が0.2%以下である。多層構成で太陽電池セルと密着する側にスキン層が配置されており、スキン層における白色顔料の含有量4%以下が好ましく、スキン層/内層/スキン層の2種3層構成であり、内層における白色顔料の含有量4%以上がより好ましい。
【選択図】図1
Description
前記封止材シートは、白色顔料を4質量%以上10質量%以下含有し、
前記封止材シートは、前記白色顔料の含有量の異なる層からなる多層構成であり、
JIS−K7209による吸水率が0.2%以下である封止材シート。
以下、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材シート層3、太陽電池素子4、背面封止材シート層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。
本発明においては、封止材シートとして、ポリエチレン系樹脂製の多層の封止材シートを用い、それぞれの層の吸水率を調整して、所定の分光反射率と吸水率を達成するものである。
本発明においては一般的なポリエチレンが使用できる。好ましくは密度が0.920g/cm3以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、より好ましくは0.900〜0.880g/cm3直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)が使用される。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な柔軟性と耐熱性を付与することができる。
本発明の封止材シートは多層構成である。多層構成としては特に限定されないが、2種2層や2種3層などが好ましく用いられ、なかでもスキン層/内層/スキン層の2種3層構成が好ましい。ここでいうスキン層とは、内層より厚さが薄い層を意味し、少なくとも太陽電池セルと密着する側にスキン層が配置されている。好ましい層比としては、スキン層と内層との層厚比は1:1.2〜1:10が好ましく、より好ましくは1:2〜1:7であり、特に好ましくは1:3〜1:6である。これらは従来公知の多層共押し出し法などにより成膜可能である。
封止材シート中には任意成分として架橋剤を適宜含有できる。架橋剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、または、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。架橋剤の含有量としては、組成物中に0.01質量%〜2質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜1.5質量%の範囲である。
本発明においては炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーを架橋助剤として用いてもよい。より好ましくは、多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基であるものが用いられる。これによって適度な架橋反応を促進させるために耐熱性を付与するとともに、本発明においてはこの架橋助剤が低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ柔軟性を付与する。
本発明においては、ラジカル重合開始剤となる上記の架橋助剤と、それをクエンチするラジカル吸収剤とを併用することにより、架橋の程度を調整してゲル分率を更に細かく調整することができる。このようなラジカル吸収剤としては、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系の耐候安定化等が例示できる。架橋温度付近でのラジカル吸収能力が高い、ヒンダードフェノール系のラジカル吸収剤が好ましい。ラジカル吸収剤の使用量は、組成物中に0.01質量%〜3質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部〜2.0質量部の範囲である。この範囲内であれば適度に架橋反応を抑制してゲル分率を調整できる。
封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の封止材組成物から作製された封止材に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、シランカップリング剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
上記の組成物を成膜して得られる本発明の封止材シートは、JIS−K7209による吸水率が0.2%以下である。また、厚さ300μmの波長400nm及び900nmにおける分光反射率が共に80%以上であり、波長400nmにおける分光反射率が好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
まず、下記のマスターバッチ及びコンパウンドペレットを作成した。
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cm3であり、190℃でのMFRが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm3、190℃でのMFRが1.8g/10分であるシラン変性透明樹脂を得た。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cm3のチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチを得た。
架橋剤コンパウンド樹脂:密度0.880g/cm3、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、架橋剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5質量部を含浸させコンパウンドペレットを得た。
白色顔料マスターバッチ:密度0.900g/cm3、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、平均粒径0.3μmの酸化チタン60質量部を混合してペレット化したマスターバッチを得た。
EVA(酢酸ビニル含量28%、三井デュポンポリケミカル製、商品名EVAFLEX/EV250グレード)の100質量部に対して、架橋剤(Lupersol101)1.5質量部、酸化防止剤(NAUGARD−P)0.2質量部、UV吸収剤(Tinuvin7709の0.1質量部とCyasorb UV−531の0.3質量部)を配合した組成物を用い、押出し温度80℃とした以外は上記と同様の成膜条件で厚さ300μmの単層の封止材シートを作製した。
更に白色顔料が3.8%となるように上記の酸化チタンを加えた以外は比較例1と同様にして厚さ300μmの単層の封止材シートを作製した。
実施例及び比較例の封止材シートについて、分光反射率、吸水率、ガラス密着率(初期の密着力を100とした場合の維持率%で表示)測定した結果を表1、表2に示す。
2 透明前面基板
3 前面封止材シート層
4 太陽電池素子
5 背面封止材シート層
6 裏面保護シート
Claims (4)
- 太陽電池モジュールにおいて太陽電池セルの非受光面側に配置されるポリエチレン系樹脂製の封止材シートであって、
前記封止材シートは、白色顔料を4質量%以上10質量%以下含有し、
前記封止材シートは、前記白色顔料の含有量の異なる層からなる多層構成であり、
JIS−K7209による吸水率が0.2%以下である封止材シート。 - 前記多層構成は、前記太陽電池セルと密着する側にスキン層が配置されており、前記スキン層における前記白色顔料の含有量が4%以下である請求項1記載の封止材シート。
- 前記封止材シートが、スキン層/内層/スキン層の2種3層構成であり、前記スキン層における前記白色顔料の含有量が4%以下であり、前記内層における前記白色顔料の含有量が4%以上である請求項1又は2に記載の封止材シート。
- 前記封止材シート300μmの波長400nm及び900nmにおける分光反射率が共に80%以上である請求項1から3のいずれかに記載の封止材シート。
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