JP6127594B2 - 太陽電池モジュール用の封止材組成物及び封止材 - Google Patents

太陽電池モジュール用の封止材組成物及び封止材 Download PDF

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Description

本発明は太陽電池モジュール用の封止材組成物及び封止材に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。一般に太陽電池モジュールは、透明前面基板と太陽電池素子と裏面保護シートとが、太陽電池モジュール用の封止材を介して積層された構成である。
太陽電池モジュール等を構成する各部材は、常時、強い紫外線、熱線、風雨等といった過酷な環境に曝されることになる。このため、太陽電池モジュールを構成する各部材は、これらの条件において、長期間に亘る耐久性を備える必要がある。
太陽電池モジュール用の封止材として、透明性、密着性等に優れるEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂としたものが従来広く用いられてきた。しかし、近年においては、EVA同等の透明性を有し、EVAに比して耐加水分解性等に優れるポリエチレン系樹脂をベース樹脂とした封止材の開発が進んでいる。
ベース樹脂としてポリエチレン系樹脂を採用する場合、シランカップリング剤の配合によってガラス等との密着性が向上できることが知られている。そして、更に密着性を改善するため、アルコキシシランをグラフト重合させた変性エチレン系樹脂を用いた封止材が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1の封止材は、架橋処理を行わないことを前提としているために、融点80℃以上の変性エチレン系樹脂を用いることが必須の構成となっている。このことは、実施例中のシラン変性エチレン−αオレフィン共重合体の実施例において180℃の高温で押出し成形を行っていることからも明らかである。
このように、ベース樹脂がポリエチレン系樹脂の場合、従来は、高温の押出し成形が必要となっていたので、架橋剤含有の組成物では成形中に架橋が進んでしまい成形ができなかった。又、ベース樹脂等の融点が高いので密度が高くなり、透明性が劣るという欠点があった。
そこで、ベース樹脂がポリエチレン系樹脂でありながら、低温で押出し可能であって、後架橋させることができ、その結果、透明性、密着性に優れ、且つ、耐久性にも優れる太陽電池モジュール用の封止材として、直鎖低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合した低密度、低融点のシラン変性ポリエチレン系樹脂と、架橋剤と、を含有する封止材組成物を用いた封止材が提案されている(特許文献2)。
特開2002−235048号公報 特開2012−234965号公報
ここで、特許文献2に記載の封止材において、低密度ポリエチレン等からなるベース樹脂に、エチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合してなるシラン変性ポリエチレン系樹脂は、ベース樹脂主鎖の架橋反応とエチレン性不飽和シラン化合物の反応が平行して起こるため、一般に、JIS7210に準じて測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値(本明細書における「MFR」とは、この値のことを言う。)が、ベース樹脂のMFRの1/20〜1/2程度の低MFRの樹脂が用いられている。つまり、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする封止材の製造においては、ベース樹脂たるポリエチレン系樹脂とは流動性の異なるシラン変性ポリエチレン系樹脂を、封止材組成物の機能性材料とすることとなっている。この場合、シラン変性ポリエチレン系樹脂のベース樹脂への未相溶に起因するブリードアウトの発生等、製膜時の加工適性が低下してしまうことが、新たな問題として認識されるに至った。更に加えて、この場合には、封止材の密着耐久性についても、問題が生じることも分かった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低密度ポリエチレンの備える透明性、耐加水分解性に加えて、製膜時の加工適性、密着耐久性においても優れた、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とした太陽電池用の封止材を提供することにある。
本発明者らは、太陽電池モジュール用の封止材の製造において、封止材組成物を構成するシラン変性ポリエチレン系樹脂として、従来、実際に用いられることはなかった、高MFRのシラン変性ポリエチレン系樹脂を用い、ベース樹脂と上記シラン変性ポリエチレン系樹脂との相対的な流動性の差異を、一定以下の範囲に限定することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 密度0.900g/cm以下の低密度ポリエチレンからなるベース樹脂と、直鎖低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合した密度0.900g/cm以下、融点80℃未満のシラン変性ポリエチレン系樹脂と、架橋剤と、を含有する太陽電池モジュール用の封止材組成物であって、前記シラン変性ポリエチレン系樹脂のJIS K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが、前記ベース樹脂の前記MFRの70%以上130%以下である太陽電池モジュール用の封止材組成物。
(2) 前記ベース樹脂の前記MFRが、20.0g/10min以上40.0g/10min以下である(1)に記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
(3) 前記シラン変性ポリエチレン系樹脂のSiCピークとCHピークのピーク強度比が、0.15以上0.85以下である(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
(4) 前記ベース樹脂に対する前記シラン変性ポリエチレン系樹脂の含有量比が、5質量%以上30質量%以下である(1)から(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
(5) 樹脂成分の合計100質量部に対して前記架橋剤を0.5質量部以上2.0質量部以下含有する(1)から(4)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物を100℃以下で溶融押出し成形する太陽電池モジュール用の封止材の製造方法。
(7)(1)から(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物で構成される密着強化層を備える太陽電池モジュール用の封止材。
(8) (7)に記載の太陽電池モジュール用の封止材と、ガラス基板と、が対向する態様で積層されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とした太陽電池モジュール用の封止材であって、透明性、密着性に加えて、製膜性、耐久性においても優れた、封止材を製造可能な封止材組成物、及びそれを用いた封止材を提供することができる。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。
以下、本発明の太陽電池モジュール用の封止材組成物、太陽電池モジュール用の封止材及び太陽電池モジュールの順に詳細に説明する。
<太陽電池モジュール用の封止材組成物>
まず、本発明の太陽電池モジュール用の封止材組成物(以下、単に「封止材組成物」とも言う)について説明する。封止材組成物は、溶融押出し成形して太陽電池モジュール用の封止材(以下、単に「封止材」とも言う)とするために使用される。封止材組成物は、低密度ポリエチレンからなるベース樹脂(以下、単に「ベース樹脂」とも言う)、直鎖低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合してなる、低密度、低融点のシラン変性ポリエチレン系樹脂(以下、単に「シラン変性ポリエチレン系樹脂」とも言う。)、及び、架橋剤を必須の構成要素とし、更に、その他のポリエチレン系樹脂を含んでいてもよい。以下、ベース樹脂、シラン変性ポリエチレン系樹脂、架橋剤及び、その他のポリエチレン系樹脂について説明する。
[ベース樹脂]
本発明の封止材組成物においてベース樹脂として用いる低密度ポリエチレン樹脂は、密度0.900g/cm以下、融点80℃未満であり、シラン未変性であり、オレフィンモノマーから構成されるものであることが好ましい。又、ベース樹脂は、下記に詳細を説明するシラン変性ポリエチレン系樹脂との融点差が20℃以内、より好ましくは10℃以内である。更に、ベース樹脂は、シラン変性ポリエチレン系樹脂の主鎖のポリエチレン系樹脂と同じ樹脂であることがより好ましい。尚、本明細書におけるベース樹脂とは、本発明の封止材組成物において、後に詳細を説明するシラン変性ポリエチレン系樹脂を除いた部分の主成分となるポリエチレン系樹脂全般のことを言うものであり、封止材組成物への添加用樹脂、或いは、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用するものも含む概念である。
ここで、ベース樹脂のMFRは、20.0g/10min以上40.0g/10min以下であることが好ましく、又、25.0g/10分以上35g/10分以下であることがより好ましい。ベース樹脂のMFRを、20.0g/10min以上40.0g/10min以下という高い値とすることにより、封止材に柔軟性が付与され、封止材とガラス等の透明前面基板との密着性等を高めることができる。ベース樹脂のMFRが20.0g/10min未満であると、粘度が高すぎて、成型時の発熱により成型時に架橋反応が起こり成型不可能となる。一方、ベース樹脂のMFRが40.0を超えると、モジュール作製時の封止材の膜厚変化が大きすぎ不具合が生じる。又、過酷な環境下に長時間晒される太陽電池モジュール用の封止材としての耐熱性を十分なものとすることが困難となる。
[シラン変性ポリエチレン系樹脂]
本発明の封止材組成物で使用されるシラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなる。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける封止材の他の部材への密着性を向上することができる。尚、本明細書におけるシラン変性ポリエチレン系樹脂とは、例えば、下記の製造方法によって製造することができるシラン変性ポリエチレン系樹脂のことを言い、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン樹脂の少なくとも一部が、エチレン性不飽和シラン化合物とグラフト重合してなる樹脂のことを示す概念である。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている通り、以下の方法で製造できる。例えば、α−オレフィンの1種ないし2種以上と、エチレン性不飽和シラン化合物の1種ないし2種以上と、必要ならば、その他の不飽和モノマ−の1種ないし2種以上とを、所望の反応容器を使用し、例えば、圧力500〜4000Kg/cm位、好ましくは、1000〜4000Kg/cm位、温度、100〜400℃位、好ましくは、150〜350℃位の条件下で、ラジカル重合開始剤、及び、必要ならば連鎖移動剤の存在下で、同時に、或いは、段階的にランダム共重合させ、更には、その共重合によって生成するランダム共重合体を構成するシラン化合物の部分を変性ないし縮合させて、シラン変性ポリエチレン系樹脂を製造することができる。
主鎖のポリエチレン系樹脂としては、エチレン−αオレフィン共重合体である直鎖低密度ポリエチレンを用い、好ましくはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることができる。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能であり封止材に対して柔軟性を付与できる。封止材に柔軟性が付与される結果、封止材とガラス等の透明前面基板との密着性を高めることができる。
メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しない。又、そればかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。したがって、本発明の封止材組成物からなる封止材が、透明前面基板と太陽電池素子との間に配置されても発電効率はほとんど低下しない。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、封止材に良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、封止材とガラス等の透明前面基板との密着性が更に高まる。
直鎖低密度ポリエチレンとグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂のMFRは、ベース樹脂のMFRの70%以上130%以下であればよく、75%以上115%以下であることが好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂の上記MFR比、上記範囲にある場合には、組成物の未相溶、及び、製造された封止材の耐久性の低下等の問題は生じない。これは、シラン変性ポリエチレン系樹脂の上記MFR比が70%未満であると、製造工程において、相溶しないシラン変性ポリエチレンがベース樹脂に対して島状に分布することになり、初期密着ムラが生じるとともに、界面剥離しやすくなり耐久性が乏しくなるためであると考えられる。一方、シラン変性ポリエチレン系樹脂の上記MFR比が130%を超えた場合には、上記同様にシラン変性ポリエチレンがベース樹脂に相溶しないため、ベース樹脂に対して点在する可能性があるとともに、モジュール作製の真空ラミネート時にシラン変性ポリエチレン系樹脂が選択的に流れ出してしまい初期密着不良が起こるものと考えられる。例えば、ベース樹脂のMFRが、上記説明した好ましい範囲内にある30g/10分である場合であれば、エチレン性不飽和シラン化合物のMFRは、21g/10分以上39g/10分以下であればよい。シラン変性ポリエチレン系樹脂のベース樹脂に対する相対的なMFR値をこの範囲に限定することによって、ベース樹脂とシラン変性ポリエチレン系樹脂との間の流動性の差異に起因する製膜時の加工適性低下の問題を回避した上で、密着性、耐久性においても優れた封止材とすることができる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂の密度は、0.870〜0.900g/cmの範囲内であり、好ましくは0.875〜0.890g/cmの範囲である。このように低密度の樹脂を使用することにより、従来のポリエチレン系樹脂からなる封止材よりも透明性を高めることが可能であり、又、太陽電池モジュールを構成する各部材、とりわけガラスからなる透明前面基板と封止材との密着性を顕著に高めることができる。
本発明の封止材組成物で使用されるシラン変性ポリエチレン系樹脂の融点は80℃未満である。従来は、融点が80℃未満であると封止材として耐熱性、耐久性を十分なものとすることが難しく、上記の特許文献2のように変性エチレン系樹脂として融点が80℃以上のものを用いることが一般的であった。しかし、本発明においては、シラン変性ポリエチレン系樹脂の融点を80℃未満とすることによって、100℃以下の溶融押出し成形を可能とし、これによって例えばEVA樹脂を用いる場合等と同様に、架橋剤を含む組成物系への適用を可能としたものである。
上記の密度及び融点は、主鎖のポリエチレン系樹脂の密度及び融点を調整することで適宜得ることができる。
本発明の封止材組成物に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂の含有量は、ベース樹脂に対する含有量比が5質量%以上30質量%以下であることが好ましい。本発明において、エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
又、本発明の封止材組成物に用いるシラン変性ポリエチレン系樹脂は、上述の通り、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)と、エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト共重合体である。エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト率は、ペレット化した測定対象の樹脂を平坦にカットし、日本分光FT/IR 610のATR法にて測定を行った。SiCのピークは、1090cm−1、CHのピークは1465cm−1を利用して強度比とした。本発明の封止材組成物は、このようにして算出したグラフト率、即ち、シラン変性ポリエチレン系樹脂のSiCピークとCHピークのピーク強度比(SiCピーク値/CHピーク値)が、0.15以上0.85以下であり、0.2以上0.65以下であることが好ましい。このように、エチレン性不飽和シラン化合物を、封止材シートとして成型する前の段階で予め、上記値程度にまでグラフト共重合させておくことには、封止材シートとして成型した後に不飽和シラン化合物をグラフト共重合する場合と比較して、架橋剤を減らせること、及び、耐久性を向上させること等のメリットがある。
[架橋剤]
架橋剤は公知のものが使用でき、特に限定されるものではなく、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
本発明の封止剤組成物は、100℃以下での溶融押出し成形が可能である。このため、上記架橋剤の中でも、1分間半減期温度が150℃以上のものが好ましく用いられる。
架橋剤の含有量としては、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.5質量部以上2.0質量部以下の含有量であることが好ましく、より好ましくは0.5質量部以上1.5質量部以下の範囲である。この範囲の架橋剤を添加することにより、本発明の封止材に用いる低密度のポリエチレン系樹脂にも十分な耐久性を付与することができる。
[架橋助剤]
本発明においては、好ましくは炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマー、より好ましくは多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基である架橋助剤を用いることができる。これによって適度な架橋反応を促進させて封止材とガラス等の透明前面基板との密着性を向上させているとともに、本発明においては、この架橋助剤が直鎖低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ透明性を維持する。これによって、封止材とガラス等の透明前面基板との密着性のみならず、透明性と低温柔軟性に優れる封止材を得ることができ、具体的には上記密着性とともにポリエチレン系樹脂であってもEVAと同程度の透明性や低温柔軟性を得ることができる。
具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。これらは単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
上記架橋助剤の中でも、上記密着性を有し、直鎖低密度ポリエチレンに対する相溶性が良好で、架橋によって結晶性を低下させ透明性を維持し、低温での柔軟性を付与する観点からTAICが好ましく使用できる。
架橋助剤の含有量は、封止材の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.01質量部以上3質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上2.0質量部以下の範囲である。この範囲内であれば適度な架橋反応を促進させてガラス等から構成されるガラス等の透明基板と封止材の密着性を向上させることができる。
[ラジカル吸収剤]
本発明の封止材組成物においては、ラジカル重合開始剤となる上記の架橋助剤と、それをクエンチするラジカル吸収剤とを併用することにより、架橋の程度を調整することができる。このようなラジカル吸収剤としては、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系の耐候安定化等が例示できる。架橋温度付近でのラジカル吸収能力が高い、ヒンダードフェノール系のラジカル吸収剤が好ましい。ラジカル吸収剤の含有量は、封止材の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.01質量部〜3質量部であることが好ましく、より好ましくは0.05質量部〜2.0質量部の範囲である。この範囲内であれば適度に架橋反応を抑制し、透明基板と封止材の密着性を向上させることができる。
[その他の成分]
封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の封止材組成物から作製された封止材に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材組成物に添加することにより、封止材に良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明に用いる直鎖低密度ポリエチレンでもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
尚、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。更に、本発明の封止材組成物に用いられる他の成分としては上記以外に接着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
<太陽電池モジュール用の封止材>
本発明の太陽電池モジュール用の封止材は、例えば、上記の条件を満たす封止材組成物を、従来公知の方法で成型加工して得られるものであり、シート状又はフィルム状としたものである。尚、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
封止材組成物のシート化は、通常の熱可塑性樹脂において用いられる成形法、即ち、射出成形、押出し成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。こうして、上記封止材組成物をシート化することにより、本発明の封止材として、封止材組成物をシート化してなる密着強化層を備える単層又は多層のシートである封止材が得られる。
封止材は、単層シートであってもよく、多層シートであってもよい。多層シートの場合、透明前面基板2との密着性を向上させるために、透明前面基板2との界面側に本発明の封止材組成物からなる密着強化層が配置されていればよい。このため、例えば封止材を2層構成として一方の層のみに密着強化層を配置してもよく、コア層を挟んで3層以上の構成として少なくとも一方の最外層に密着強化層を配置してもよい。
尚、本発明の封止材は、成形温度を90℃から100℃の低温域に限定することで未架橋のまま成形する。架橋処理は成形後に別途行うか、或いは、後述の太陽電池モジュールの製造時点で高温加熱して架橋を完了する。
又、上記の架橋完了後の単層の封止材及び多層の封止材の密着強化層のゲル分率は95%以下であることが好ましい。上述した通りに架橋剤、架橋助剤、及びその他の添加物の組成や添加量を好ましい範囲に調整することにより、ゲル分率が上記範囲となるように適度に架橋反応を抑制することできる。それにより、オレフィンの水蒸気バリアを有しつつ、且つ、EVA以上に低温領域での柔軟性を有し、高温での耐熱性も得ることができ、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とした封止材でありながら、低温領域での成形性にも優れたものとすることができる。
<太陽電池モジュール>
図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子4、背面封止材5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、前面封止材3及び/又は背面封止材5として、本発明の封止材を使用する。
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子4、背面封止材5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。そして、このとき、単層シートからなる前面封止材3とガラス基板が積層されるか、又は、多層シートからなる前面封止材3の上記密着強化層が、透明前面基板2の一例であるガラス基板と対向するように積層されることで、ガラス基板と封止材との密着性を向上できる。
このようにして得られる、本発明の太陽電池モジュールは、ガラス等から構成される透明基板と封止材の密着性に優れることが特徴である。即ち、本発明の太陽電池モジュールは、ガラス等から構成される透明基板と封止材との間の密着強度を向上させているため、強い紫外線、熱線、風雨等といった過酷な環境に曝される場合であっても、長期間に亘るきわめて高い耐久性を備えるものとなっている。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<封止材の製造>
表1及び下記に記載の通りの組成からなる封止材組成物を溶融し、常法Tダイ法により厚さ400μmとなるように成膜して実施例及び比較例の未架橋の封止材を得た。成膜の際の成形温度は90℃〜100℃とした。ただし、実施例3のみについては、成形温度は105℃とした。
ベース樹脂i
:エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm、MFRが30g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。融点58℃。ポリスチレン換算の数平均分子量55000。
ベース樹脂ii
:エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm、190℃でのメルトマスフローレート(MFR)が8g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン。融点62℃。ポリスチレン換算の数平均分子量77000。
シラン変性ポリエチレン系樹脂i(表1中でSi樹脂iと示す)
:ベース樹脂i100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、MFRが24g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂を得た。融点58℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂ii(表1中でSi樹脂iiと示す)
:ベース樹脂i100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.885g/cm、MFRが13g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂を得た。融点58℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂iii(表1中でSi樹脂iiiと示す)
:ベース樹脂ii100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、MFRが1g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂を得た。融点62℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂iv(表1中でSi樹脂ivと示す)
:ベース樹脂ii100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、MFRが4g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂を得た。融点62℃。
シラン変性ポリエチレン系樹脂v(表1中でSi樹脂vと示す)
:エチレンと1−ヘキセンとの共重合体であり、密度0.880g/cm、MFRが45g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(融点58℃。ポリスチレン換算の数平均分子量49000)100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、MFRが35g/10分であるシラン変性ポリエチレン系樹脂を得た。融点58℃。
架橋剤i
:t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(アルケマ吉富株式会社製、商品名「ルペロックスTBEC」)。1分間半減期温度166℃
架橋剤ii
:2,5−ジメチル−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(アルケマ吉富株式会社製、商品名:「ルペロックス101」)。1分間半減期温度177℃。
以上の材料を表1に記載の通りの組成で用いた。そして、上記材料の他、全ての実施例及び比較例に共通の材料として、以下の材料を、以下に記載の通りの組成で用いた。
架橋助剤
:(TAIC):トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製、商品名「タイク」)。各実施例及び比較例に0.8質量部添加。
UV吸収剤
:ケミプロ化成株式会社製、商品名KEMISORB12。各実施例及び比較例に0.25質量部添加。
耐候安定剤
:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Tinuvin770。各実施例及び比較例に0.2質量部添加。
酸化防止剤
:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irganox1076。各実施例及び比較例に0.05質量部添加。
シランカップリング剤
:信越化学工業株式会社製、商品名KBM1003。比較例4にのみ、0.5質量部添加。
上記の通り製造した実施例、比較例の各封止材組成物の状態における、ベース樹脂のMFRに対するシラン変性ポリエチレン系樹脂のMFRの比(%)を「MFR比(%)」として表1中に示した。
上記の通り製造した実施例、比較例の各封止材組成物の状態における、シラン変性ポリエチレン系樹脂のSiCピークとCHピークのピーク強度比(SiCピーク値/CHピーク値)を「ピーク強度比」として表1中に示した。尚、SiCピークとCHピークのピーク強度は、上述の測定方法と同様、ペレット化した測定対象の樹脂を平坦にカットし、日本分光FT/IR 610のATR法にて測定を行った。SiCのピークは、1090cm−1、CHのピークは1465cm−1を利用して強度比とした。
Figure 0006127594
<評価例1>
これらの実施例、比較例の各封止材について、下記の基準に基づいて、製膜適性を評価した。結果を表2に示す。
(製膜適性評価基準)
A:製膜時の目視による表面状態評価で問題未発生。
B:製膜時の目視による表面状態評価で微小のゲル物発生。
C:製膜時の目視による表面状態評価で樹脂同士の未相溶要因の多量のゲル物発生。
D:発熱発生
Figure 0006127594
<評価例2>
上記の実施例、比較例の未架橋の封止材を用いて、下記の通り、密着性評価用サンプルモジュールを作成して、下記の試験条件におけるガラス密着維持率を評価した。結果を表3に示す。
[ガラス密着維持率(%)の試験方法]
上記同様に評価用の封止材を作成した。ガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)に、実施例、比較例の各封止材を密着させて、150℃、18分で、真空加熱ラミネータ処理を行い評価用の封止材を得た。
剥離試験方法:ガラス基板上に密着している評価用サンプルモジュールの封止材を15mm幅にカットし、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行いガラス密着強度を測定した。
耐久試験方法:下記ダンプヒート(D.H.)試験前の密着強度を初期ガラス密着強度とし、D.H.試験後のガラス密着強度の初期剥離強度に対しての維持率を測定した。D.H.試験は、JIS C8917に準拠し、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下で評価用サンプルモジュールの耐久性試験を500時間行った。試験後の評価用サンプルモジュールについて密着性試験を実施した。
Figure 0006127594
表2、3に示す結果より、ベース樹脂とシラン変性ポリエチレン系樹脂のMFR比を、本発明独自の所定の範囲に限定した封止材組成物を用いた太陽電池モジュール用の封止材は、当該MFR比が所定範囲外にある封止材と比較して、製膜適性に優れ、且つ、十分に高い初期ガラス密着性及び、80%以上の優れたガラス密着維持率を有していることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材
4 太陽電池素子
5 背面封止材
6 裏面保護シート

Claims (7)

  1. 密度0.900g/cm以下の低密度ポリエチレンからなるベース樹脂と、直鎖低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合した密度0.900g/cm以下、融点80℃未満のシラン変性ポリエチレン系樹脂と、架橋剤と、を含有する太陽電池モジュール用の封止材組成物であって、
    前記ベース樹脂のJIS K6922−2により測定したMFRが、20.0g/10min以上40.0g/10min以下であり、
    前記シラン変性ポリエチレン系樹脂の前記MFRが、前記ベース樹脂の前記MFRの70%以上130%以下である太陽電池モジュール用の封止材組成物。
  2. 前記シラン変性ポリエチレン系樹脂のSiCピークとCH2ピークのピーク強度比が、0.15以上0.85以下である請求項1記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
  3. 前記ベース樹脂に対する前記シラン変性ポリエチレン系樹脂の含有量比が、5質量%以上30質量%以下である請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
  4. 樹脂成分の合計100質量部に対して前記架橋剤を0.5質量部以上2.0質量部以下含有する請求項1からのいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物を100℃以下で溶融押出し成形する太陽電池モジュール用の封止材の製造方法。
  6. 請求項1からのいずれかに記載の太陽電池モジュール用の封止材組成物で構成される密着強化層を備える太陽電池モジュール用の封止材。
  7. 請求項に記載の太陽電池モジュール用の封止材と、ガラス基板と、が対向する態様で積層されている太陽電池モジュール。
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