JP7006429B2 - 接着シート用変性ポリエチレン組成物及び接着シート - Google Patents
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Description
例えば、EVA中のエステル結合部位が劣化・分解して発生した遊離酸が、発電素子部を腐食・劣化させる懸念がある。
また特許文献1および2に記載の変性ポリエチレンの融点は100℃未満で耐熱性に劣るため、これらの変性ポリエチレンを接着シートとして太陽電池モジュールの封止材層に用いた場合に、高温時の熱変形などにより太陽電池モジュールの光電変換層がズレやすい。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]~[6]の通りである。
(A) JIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が10g/10分以上であるポリエチレン
(B) 示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度が100℃以上130℃以下で、JIS K6253によるA硬度が90以下であるポリエチレン
RSi(R’)3 …(1)
(式(1)中、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。)
(a)結晶溶解点のピークの1つが10℃以上40℃以下であるポリエチレン
本発明の接着シート用変性ポリエチレン組成物からなる接着シートは、太陽電池の他、屋外ディスプレイや有機ELなどの封止材としても有用であり、ガラス基材や光電変換層に対して長期に亘り剥離を生じることなく使用することができる。
本発明の接着シート用変性ポリオレフィン組成物(以下、「本発明の変性ポリエチレン組成物」と称す場合がある。)は、下記(A)成分及び(B)成分が不飽和シラン化合物によりそれぞれグラフト変性された変性ポリエチレン(以下、「本発明の変性ポリエチレン」と称す場合がある。)を含有する接着シート用変性ポリエチレン組成物であって、該変性ポリエチレン組成物よりなる厚さ2mmのシート成形品の全光線透過率が85%以上であることを特徴とする。
(A) JIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が10g/10分以上であるポリエチレン
(B) 示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度(以下、この温度を「溶融ピーク」と称す場合がある。)が100℃以上130℃以下で、JIS K6253によるA硬度(以下、単に「A硬度」と称す場合がある。)が90以下であるポリエチレン
本発明で用いる(A)成分のポリエチレンは、MFRが10g/10分以上の流動性に優れるものであるため、低温短時間での接着力の発現に機能する。
一方、本発明で用いる(B)成分のポリエチレンは、融点ピークが100℃以上で耐熱性に優れ、この(B)成分を用いることで、本発明の変性ポリエチレン組成物の耐熱性を良好なものとすることができる。
その一方で、(B)成分はA硬度が90以下であり、この(B)成分を用いることで、本発明の変性ポリエチレン組成物の柔軟性を高め、被着体への密着性を高めることができる。
よって、本発明によれば、このような(A)成分及び(B)成分のポリエチレンを不飽和シラン化合物でグラフト変性することで、低温、短時間接着でも十分な接着性を示し、耐熱性、接着力の耐久性にも優れた接着シート用変性ポリエチレン組成物とすることができる。
さらに優れた接着性については、低い熱エネルギーで溶融する組成を含むポリエチレンを原料としてシラン変性することによるものと考えられる。これは低温および短時間で溶融するシラン変性ポリエチレンが短時間で被着体表面に接触することによるものと考えられる。
前述の溶出温度の測定は以下の方法で行う。溶媒にポリエチレンを溶解しTREFカラムに注入し、一定の速度で降温しカラムに吸着させる。分岐のすくない高結晶成分が先に吸着し、分岐の多い低結晶成分が後に吸着される。その後、TREFカラムを昇温し、分岐の多い溶出温度の低い組成から溶出させる(以下、この溶出曲線のピーク温度を「結晶溶解点のピーク」と称することがある)。溶出温度の低い組成を含むと少ない温度で溶融でき、高接着力の発現に優れる。
本発明で用いる(A)成分及び(B)成分のポリエチレンとは、例えば、低・中密度ポリエチレン等のエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体;エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂等が挙げられる。更に上記重合体を単独で用いるのみならず、2種類以上の重合体をブレンドして用いることも可能である。
即ち、密着性、易溶解性、押出性等の観点から、(A)成分及び(B)成分のポリエチレンとしては、エチレン・α-オレフィン共重合体、或いはエチレン・α-オレフィン共重合体を含むポリエチレン組成物を用い、これを不飽和シラン化合物で変性して接着性を改善することが好ましい。
なお、(A)成分のポリエチレンも(B)成分のポリエチレンもそれぞれ1種のみを用いてもよく、モノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を用いてもよいが、後述の(A)成分及び(B)成分のポリエチレンの密度及びMFRは、2種以上のポリエチレンを混合して用いる場合は、ポリエチレン混合物としての密度及びMFRが該当する。
後述の(B)成分のポリエチレンの融点ピークやA硬度についても同様である。
本発明の接着シート用変性ポリオレフィン組成物に使用される(A)成分のポリエチレンは、JIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が10g/10分以上のポリエチレンである。
なお、(A)成分及び(B)成分のポリエチレンの密度のより詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
(A)成分のポリエチレンのMFRが上記下限以上であれば、その良流動性により低温短時間接着が可能となる。(A)成分のポリエチレンのMFRの上限は通常50g/10分以下である。
本発明の接着シート用変性ポリオレフィン組成物に使用される(B)成分のポリエチレンは、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度(融点ピーク)が100℃以上130℃以下で、JIS K6253によるA硬度が90以下のポリエチレンである。
(B)成分のポリエチレンは、融点ピークが100~130℃でA硬度が90以下のものであればよく、その構成単位には特に制限はなく、このような条件を満たす公知のポリエチレンが適宜用いられる。
なお、ポリエチレンの融点ピークは示差走査熱量計(DSC)により求められ、DSCにおける結晶部に由来するピークを測定することで求められる。より詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
(a)結晶溶解点のピーク(以下「CFC溶出温度ピーク」と称す場合がある。)の1つが10℃以上40℃以下であるポリエチレン
なお、このCFC溶出温度ピークについても、(B)成分のポリエチレンとして2種以上のポリエチレンを混合して用いる場合、ポリエチレン混合物として測定された値である。
ポリエチレンのCFC溶出温度ピークのより詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
本発明において、(A)成分のポリエチレンと(B)成分のポリエチレンとは、これらの合計100質量部に対して(A)成分のポリエチレンを50~95質量部、(B)成分のポリエチレンを5~50質量部となるように混合して用いることが好ましく、より好ましくは(A)成分のポリエチレンを60~90質量部、(B)成分のポリエチレンを10~40質量部であり、特に(A)成分のポリエチレンを70~80質量部、(B)成分のポリエチレンを20~30質量部となるように混合して用いることが好ましい。
(A)成分のポリエチレンを上記下限値以上、(B)成分のポリエチレンを上記上限値以下用いることで、透明性に優れるものとなり好ましい。また、(A)成分のポリエチレンを上記上限値以下、(B)成分のポリエチレンを上記下限値以上用いることで接着性に優れるものとなり好ましい。
(A)成分の(B)成分のポリエチレンのグラフト変性に用いる不飽和シラン化合物は特に制限されないが、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
RSi(R’)3 …(1)
(式(1)中、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。)
本発明の変性ポリエチレンは、(A)成分及び(B)成分のポリエチレンに上記の不飽和シラン化合物をグラフト変性することにより製造することができる。グラフト変性の方法には特に制限は無く、公知の手法に従って行うことができ、例えば、溶液変性、溶融変性、電子線や電離放射線の照射による固相変性、超臨界流体中での変性等が好適に用いられる。これらの中でも設備やコスト競争力に優れた溶融変性が好ましく、連続生産性に優れた押出機を用いた溶融混練変性が更に好ましい。溶融混練変性に用いられる装置としては、例えば単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー等が挙げられる。これらの中でも連続生産性に優れた単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機が好ましい。
なお、(A)成分と(B)成分のポリエチレンのグラフト変性は、各々のポリエチレンに対して行い、グラフト変性後にこれらを混合して本発明の変性ポリエチレン組成物としてもよいが、(A)成分のポリエチレンと(B)成分のポリエチレンとを混合し、ポリエチレン混合物に対してグラフト変性を行う方が効率的である。
本発明の変性ポリエチレン組成物には、本発明の変性ポリエチレンの他、樹脂組成物に常用されている配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。このような配合剤としては、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、防錆剤、粘度調整剤、及び顔料等を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2-ヒドロキシ-4-ノルマル-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系;フェニルサルチレート、p-オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系のものが用いられる。
紫外線吸収剤は、本発明の変性ポリエチレン100質量部に対して1.0~0.01質量部含有させるのが好ましい。
本発明の変性ポリエチレン組成物は、この変性ポリエチレン組成物よりなる厚さ2mmのシート成形品について測定した全光線透過率が85%以上であることを特徴とする。
本発明の変性ポリエチレン組成物は、接着シート、中でも太陽電池封止材に最適なものである。太陽電池の封止材には、高い接着性、耐久性、耐熱性、そして絶縁性が必要であるが、太陽電池の光電変換層の光吸収を妨げない観点から、上記の全光線透過率は85%以上であり、より好ましくは90%以上である。全光線透過率の測定方法は、例えば、JIS K7361-1によって測定できる。より詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例の項において示す。
本発明の変性ポリエチレン組成物は、これを押出成形して接着シートとすることができる。
本発明の変性ポリエチレン組成物を用いた本発明の接着シートの用途は特に限定されないが、太陽電池、有機EL、屋外ディスプレイなどの情報電子製品の光学封止シートとして好適に用いることができる。なお、これらの用途に適用される場合、前述の接着性封止シートとして用いることが好ましい。この接着性封止シートは、必要に応じて、他の材料との積層体として用いることもできる。本発明の接着シートよりなる接着性封止シートは、例えば光電変換層の上下に配置し、真空ラミネート成形により太陽電池の封止層として用いることができる。
ただし、本発明の接着シートの用途は何ら接着性封止シートの単体に限定されるものではなく、多層シートの接着層として用いることもできる。
本発明の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
<(A)成分>
PE-1:エンゲージ(登録商標)8401(ダウ・ケミカル社製、エチレン-オクテン共重合体、MFR:30g/10分(190℃、2.16kg荷重)、融点ピーク:80℃、密度:0.89g/cm3)
PE-2:インフューズ(登録商標)9900(ダウ・ケミカル社製、エチレン-オクテン共重合体、MFR:30g/10分(190℃、2.16kg荷重)、融点ピーク:110℃、A硬度:80、密度:0.87g/cm3)
PE-3:エンゲージ(登録商標)8200(ダウ・ケミカル社製、エチレン-オクテン共重合体、MFR:5g/10分(190℃、2.16kg荷重)、融点ピーク:60℃、密度:0.86g/cm3)
PE-4:タフマー(登録商標)A20090S(三井化学社製、エチレン-ブテン共重合体、MFR:20g/10分(190℃、2.16kg荷重)、融点ピーク:80℃、密度:0.89g/cm3)
各種物性、特性の測定・評価方法は以下の通りである。
(融点ピーク)
日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計、商品名「DSC6220」を用いて、JISK7121(2010)に準じて、試料約5mgを加熱速度100℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で3分間保持した後、冷却速度10℃/分で-10℃まで降温し、その後、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから補外結晶融解終了温度(℃)を算出し融点ピークとした。
JIS K7112(1999)A法に準拠して、射出成形した厚さ2mmのシートを長さ40mm、幅15mmに切り出した試験片を用い、水中置換法にて測定した。
試料60mgをo-ジクロロベンゼン(20ml)に加温溶解しCFC測定に供した。
CFC測定は以下の条件で行った。
装置:Polymer ChAR CFC-2
検出器:IR検出器
移動相:ODCB
流速:1.0mL/分
注入:400μL
カラム:TSKgel GMH6-HT(7.5mm I.D×30cmL×4)
カラム槽温度:135℃
溶解条件:60分/135℃
降温条件:135分/135℃→0℃
TREFカラム:ステンレスビーズ
溶出区分:32区分
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリエチレン換算(汎用較正曲線法)
較正曲線近式:3次式
単分散ポリスチレンを用いて作成した較正曲線を汎用較正曲線の概念を用いてポリエチレン換算に変換した。得られた溶出分別クロマトグラムから、昇温溶出分別(TREF)プロファイルを作成し、溶出溶解点のピークを評価した。
JIS K7210(1999)に準拠して、190℃、2.16kg荷重にて測定した。
(変性量)
シラン変性ポリエチレンを加熱燃焼させ灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定量し、高周波プラズマ発光分析装置(島津製作所社製ICPS7510)を用いてICI発光分析法によりグラフト変性により導入された不飽和シラン化合物量の定量を行った。
射出成形して得た厚さ2mmのシート成形品をJIS K7361およびK7136に準拠して、測定した。全光線透過率は高い方が良好である。ヘイズの値は低い方が良好である。
試験板としてガラス板(サイズ:10cm×6cm×1cm)を用い、試験片(変性ポリエチレンをプレス成形して得た厚さ500μmのシート成形品)を160℃のプレス(20kg/cm2)で2分間加熱することにより試験板に圧着した。試験環境23℃、50%RH、試験片(100mm×15mm×200μm)、引張試験機(AG-X、島津製作所社製)を用いて10mm/分の引張速度における90℃ピール接着力を測定した。なお、試験板は試験片を貼り付ける前にアセトンで洗浄した。
封止材の適合性として、全光線透過率が85%以上、ガラス接着力の評価で剥離せず試験片が破壊したものを良好「○」、それ以外のものを不良「×」とした。
<実施例1>
ポリエチレンとしてPE-1を70質量部およびPE-2を30質量部に用い、不飽和シラン化合物としてビニルトリメトキシシラン(VTMOS)2.0質量部と、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド(POX1)0.1量部をブレンダーにて攪拌した。その後、温度200℃に設定された二軸スクリュー押出機(池貝社製、PCM45)に投入し、ノズルより出てきたストランドを水槽にて冷却固化させた後にペレット状にカッティングして接着性変性ポリエチレン-Aを得た。得られた接着性変性ポリエチレン-Aについて評価を行った結果を表-1に示す。
ポリエチレンとしてPE-1を80質量部およびPE-2を20質量部を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、接着性変性ポリエチレン-Bを得た。
接着性変性ポリエチレン-Bについて評価を行った結果を表-1に示す。
ポリエチレンとしてPE-1を100質量部用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、接着性変性ポリエチレン-Cを得た。
接着性変性ポリエチレン-Cについて評価を行った結果を表-1に示す。
ポリエチレンとしてPE-3を100質量部用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、接着性変性ポリエチレン-Dを得た。
接着性変性ポリエチレン-Dについて評価を行った結果を表-1に示す。
ポリエチレンとしてPE-1を80質量部およびPE-4を20質量部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、接着性変性ポリエチレン-Eを得た。
接着性変性ポリエチレン-Eについて評価を行った結果を表-1に示す。
実施例1~2に示すように、本発明の変性ポリエチレンは、ガラス接着試験において、接着性が高く試験片が破断する良好な結果を示した。また、溶出温度が低く、接着時に少ない熱量で融解する成分を含むため、低温での接着力も高い。一方で、溶出温度が高いピークも検出されるため、高温での耐久性、耐熱性に優れることが分かる。更に実施例1~2は流動性に優れるため、樹脂圧が低いなど、優れた成形性を期待できる。
一方、比較例1、2,3では、試験片は破断せず、ガラス板と試験片の界面で剥離がおこり、ガラス接着力は低いものであった。また、初期の接着力が低く、融点ピークが低いため、耐久性、及び耐熱性にも劣るものである。
Claims (6)
- 下記(A)成分及び(B)成分が不飽和シラン化合物によりグラフト変性された変性ポリエチレンを含有する接着シート用変性ポリエチレン組成物であって、該接着シート用変性ポリエチレン組成物よりなる厚さ2mmのシート成形品の全光線透過率が85%以上である接着シート用変性ポリエチレン組成物。
(A) JIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が10g/10分以上であり、成分(A)の示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度が70℃以上80℃以下であるポリエチレン
(B) 示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度が100℃以上135℃以下で、JIS K6253によるA硬度が90以下であり、結晶溶解クロマトグラム(CFC)で測定されるポリエチレンの結晶成分が下記(a)の条件を満たすポリエチレン
(a)結晶溶解点のピークの1つが10℃以上40℃以下であるポリエチレン - 前記グラフト変性により前記変性ポリエチレンに導入された前記不飽和シラン化合物の量が、0.1~5質量%である、請求項1に記載の接着シート用変性ポリエチレン組成物。
- 前記不飽和シラン化合物が下記式(1)で表される化合物である、請求項1又は2に記載の接着シート用変性ポリエチレン組成物。
RSi(R’)3 …(1)
(式(1)中、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。) - 前記(B)成分のJIS K7210(1999)に準拠して190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)が5~50g/10分である、請求項1~3のいずれかに記載の接着シート用変性ポリエチレン組成物。
- 前記(B)成分のポリエチレンの密度が0.850~0.935g/cm3である、請求項1~4のいずれかに記載の接着シート用変性ポリオレフィン組成物。
- 請求項1~5のいずれかに記載の接着シート用変性ポリエチレン組成物を含むことを特徴とする接着シート。
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