JP2017135419A - 封止材シート - Google Patents

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Abstract

【課題】流動抑制性と凹凸追従性とを両立させる封止材シートを提供する。【解決手段】ポリエチレン系樹脂製の多層封止材シートであって、太陽電池素子と密着する側に配置される外層と、それ以外の内層とを備えており、内層樹脂の融点が、外層樹脂の融点より高い。内層樹脂のMFRは1.0g/10分以上5.0g/10分以下、外層樹脂のMFRは2.0g/10分以上10.0g/10分以下が好ましい。透明前面基板上に形成される薄膜太陽電池素子と、この封止材シートと、背面基板とを備える薄膜系太陽電池モジュールは、モジュール化工程後のトリミング工程が不要である。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用のポリエチレン系樹脂製の封止材シートに関し、更に詳しくは、薄膜系太陽電池モジュールに好適に用いられるトリミングレス封止材シートに関する。
太陽電池モジュール用の封止材シートの課題として、流動抑制によるいわゆる「はみ出し」の防止と、太陽電池素子等への凹凸追従性との両立があり、例えば下記の特許文献1においては、ポリエチレン系樹脂のせん断弾性率による調整が記載されている。
特開2003−49004号公報
特許文献1においても、はみだし防止や凹凸追従性の両立は不十分である。特に薄膜系太陽電池モジュールにおいては、ガラス基板上に形成された太陽電池素子と、ガラス等の背面基板が封止材シートを介して積層され、この際には封止材シートの周縁端部をモジュール化工程後にトリミングして取り除いていたが、このトリミング工程を不要とするトリミングレス封止材シートが要望されている。しかし、従来このトリミングレスを可能とする封止材シートは特許文献1の封止材シートでも得られていない。
本発明は以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、流動抑制性と凹凸追従性とを両立させてトリミングレスに対応可能な封止材シートを提供することにある。
本発明者らは、封止材シートを多層化し、層によって融点を調整することにより、上記のはみだし防止と凹凸追従性の両立を可能とすることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 太陽電池モジュール用のポリエチレン系樹脂製の封止材シートであって、前記封止材シートは2種3層の多層構成であり、両最表面の外層と、それ以外の内層とを備えており、前記内層を構成する内層樹脂の融点が、130℃以下であって、前記外層を構成する外層樹脂の融点より20℃以上高く、前記外層樹脂の融点が、60℃以上110℃以下である封止材シート。
(2) 前記内層樹脂の190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが1.0g/10分以上5.0g/10分以下であり、前記外層樹脂の190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが2.0g/10分以上10.0g/10分以下である(1)記載の封止材シート。
本発明によれば、はみだし防止と凹凸追従性の両立を可能とすること太陽電池モジュール用の封止材シートを提供できる。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。
<太陽電池モジュール>
以下、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光(図中矢印方向で標記)の受光面側から、ガラス等の透明前面基板2、薄膜の太陽電池素子4、封止材シート3、ガラス等の背面基板5が順に積層されている、いわゆる薄膜系太陽電池モジュールである。
太陽電池モジュール1は、上記の透明前面基板2の上にあらかじめ形成された太陽電池素子4と、封止材シート3と、背面基板5上と、を順次重ねて積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。封止材シート3が、本発明の封止材シートを構成する。
<封止材シート>
本発明においては、封止材シートとして、ポリエチレン系樹脂製の多層の封止材シートを用い、それぞれの層の融点を調整して、はみだし防止と凹凸追従性の両立を達成するものである。
封止材シートを構成する封止材シート組成物としては、以下のような密度が0.950g/cm以下の低密度ポリエチレンが好ましく用いられる。
[低密度ポリエチレン]
本発明においては密度が0.950g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、好ましくは直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いる。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である。
本発明においてはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンを用いることが好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能であり封止材に対して柔軟性を付与できる。柔軟性が付与される結果、封止材と透明前面基板との密着性、封止材と裏面保護シートとの密着性等の封止材と基材との密着性が高まる。
また、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の透明性に優れる。したがって、本発明の封止材組成物からなる封止材が透明前面基板と太陽電池素子との間に配置されても発電効率はほとんど低下しない。
直鎖低密度ポリエチレンのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、封止材に良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、封止材と基材との密着性が更に高まる。
低密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、JIS−K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFR(本明細書においては、以下、この測定条件による測定値をMFRという。)が0.5g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、2g/10分以上40g/10分以下であることがより好ましい。
本発明の封止材組成物には、更に、シラン変性ポリエチレン系樹脂を含有させてもよい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材の接着性を向上することができる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、かつ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
直鎖低密度ポリエチレンとグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、後述するその他のポリエチレン系樹脂を含む封止材組成物中の全樹脂成分の合計100質量部に対して、例えば、0.001〜15質量%位、好ましくは、0.01〜5質量%位、特に好ましくは、0.05〜2質量%位となるように適宜調整すればよい。本発明において、エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
本発明の封止材組成物には、更に、無水マレイン酸変性に代表されるような酸変性ポリエチレン系樹脂を含有させてもよい。酸変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、無水マレイン酸等を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト重合体は、接着力に寄与する酸の部分の極性が高く、太陽電池モジュールにおける金属部材への封止材シートの接着性を向上することができる。
酸変性ポリエチレン系樹脂の密度は好ましくは密度が0.900g/cm以下であり、より好ましくは密度が0.890g/cm以下であり、特に好ましくは、密度が0.870g/cm以上である。これにより、ブロッキングを抑えつつ、耐熱性及び金属への接着性を良好とすることができる。
酸変性ポリエチレン系樹脂の含有量は、全樹脂成分中の15質量%以上40質量%以下であることが好ましい。かかる範囲とすることにより、ブロッキングや酸性ガスの発生が抑えられ、耐熱性及び金属への接着性を良好とすることができる。
上記の酸変性ポリエチレン系樹脂の具体例としては、例えば、無水マレイン酸変性樹脂等を挙げることができる。具体的には、アドマーSF731(三井化学(株)製,密度0.880g/cm)、アドマーSF730(三井化学(株)製,密度0.880g/cm)等を挙げることができる。
封止材組成物に含まれる上記の密度が0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂の含有量は、組成物中で好ましくは10質量%以上99質量%以下、より好ましくは50質量%以上99%質量以下であり、更に好ましくは90質量%以上99%質量以下である。即ち、本発明の効果を損なわない範囲内であれば他の樹脂を含んでいてもよい。これらは、例えば添加用樹脂として用いてもよく、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用してもよい。
[多層構成と白色顔料]
本発明の封止材シートは多層構成である。多層構成としては特に限定されないが、2種2層や2種3層等が好ましく用いられ、なかでもスキン層/内層/スキン層の2種3層構成が好ましい。ここでいうスキン層とは、内層より厚さが薄い層を意味し、少なくとも太陽電池セルと密着する側にスキン層が配置されている。好ましい層比としては、スキン層と内層との層厚比は1:1.2〜1:10が好ましく、より好ましくは1:2〜1:7であり、特に好ましくは1:3〜1:5である。これらは従来公知の多層共押し出し法等により成膜可能である。
本発明においては、封止材シートの内層樹脂の融点が外層樹脂の融点より高い。好ましくは内層樹脂の融点範囲が60℃以上130℃以下であり、外層樹脂の融点範囲が60℃以上110℃以下であり、好ましい融点差である、外層樹脂の融点−内層樹脂の融点は20℃以上の範囲が好ましい。この差が20℃以下の場合、特にラミネート温度が高い場合に、はみ出しの点から好ましくなく、ラミネート温度が低い場合には、埋まり込みの点で好ましくない。
内層樹脂のMFR(以下、190℃、荷重2.16kgにおけるMFRで単位g/10分である)は、1以上5以下であり、外層樹脂のMFRは2以上10以下である。このMFRは、樹脂単独であってもよいが、フィラー含有によりMFRを上記範囲内に調整したものであってもよい。
[架橋剤]
封止材シート中には任意成分として架橋剤を適宜含有できる。架橋剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。架橋剤の含有量としては、組成物中に0.01質量%〜2質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量%〜1.5質量%の範囲である。
[架橋助剤]
本発明においては炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーを架橋助剤として用いてもよい。より好ましくは、多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基であるものが用いられる。これによって適度な架橋反応を促進させるとともに、本発明においてはこの架橋助剤が低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ透明性を維持する。
具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。これらは単独でもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
上記のなかでも、低密度ポリエチレンに対する相溶性が良好で、架橋によって結晶性を低下させ透明性を維持し、低温での柔軟性を付与する観点からTAICが好ましく使用できる。
架橋助剤の使用量は、組成物中に0.01質量%〜3質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部〜2.0質量部の範囲である。この範囲内であれば適度な架橋反応を促進させてゲル分率を80%以下とすることができる。
[ラジカル吸収剤]
本発明においては、ラジカル重合開始剤となる上記の架橋助剤と、それをクエンチするラジカル吸収剤とを併用することにより、架橋の程度を調整してゲル分率を更に細かく調整することができる。このようなラジカル吸収剤としては、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系の耐候安定化等が例示できる。架橋温度付近でのラジカル吸収能力が高い、ヒンダードフェノール系のラジカル吸収剤が好ましい。ラジカル吸収剤の使用量は、組成物中に0.01質量%〜3質量%含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部〜2.0質量部の範囲である。この範囲内であれば適度に架橋反応を抑制してゲル分率を調整できる。
[その他の成分]
封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の封止材組成物から作製された封止材に耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、シランカップリング剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001〜5質量%の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材組成物に添加することにより、封止材に良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明に用いる低密度ポリエチレンでもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
なお、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも2種以上を組み合わせて用いることもできる。
更に、本発明の封止材組成物に用いられる他の成分としては上記以外に、接着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤等を挙げることができる。
<太陽電池モジュール>
太陽電池モジュール1は、透明前面基板2上にあらかじめ形成された太陽電池素子4、上記の封止材シート3、背面基板5、を順次重ねて積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる(モジュール化工程)。このとき、本発明においては、はみ出しを防止できるので、これをトリミングレス封止材シートとして用いることができる。具体的には、透明前面基板上に形成される薄膜太陽電池素子と、透明前面基板上の前記薄膜太陽電池素子側に配置される封止材シートと、封止材シート上に配置される背面基板と、を一体化する際に、透明前面基板と封止材シートと背面基板とが、いずれも同一形状の同一サイズで積層配置することができる。
モジュール化工程においては、内層樹脂の融点が、モジュール化の際の加熱温度−40℃以上+20℃以下、好ましくは−10℃以上0℃以下である。外層樹脂の融点は、モジュール化の際の加熱温度−10℃以下、好ましくは−60℃以上−40℃以下となるようにあらかじめ設計されている。これにより、内層で流動化を抑制してはみ出しを防止し、外層で太陽電池素子等への凹凸追従性を付与できる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の封止材組成物は以下の通りであり、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで、2種3層(層比1:5:1)の総厚300μmの封止材シートを作製した。
ベースポリエチレン樹脂:表1記載の融点とMFRを有するメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を組成物中に70質量%含有。
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cmであり、190℃でのMFRが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、190℃でのMFRが1.8g/10分であるシラン変性透明樹脂を組成物中に29.7質量%含有。
ベンゾフェノール系紫外線吸収剤を組成物中に0.1質量%含有。
ヒンダードアミン系光安定化剤を組成物中に0.1質量%含有。
リン系熱安定化剤を組成物中に0.1質量%含有。
<評価例1>
実施例及び比較例の封止材シートについて、「埋り込み」「はみ出しを」下記の評価基準で評価した結果を表1に示す。
150mm□×3.2mm厚みの青板ガラスの表面上に、厚み90μm×幅5mm×長さ100mm配線2本を中央で重なるように十字に配置し、その上に148mm□の封止材をガラスより1mmになるように内側に重ね、更に3.2mm厚みの青板ガラスを重ねて、真空ラミネータを用いて真空時間4分、プレス時間6分でラミネートを行った。冷却後、配線間に気泡がのこったものを埋まりこみ×、残っていないものを○とした。またガラスよりはみ出た封止材がはみ出したものを×、はみださなかったものを○とした
Figure 2017135419
表1より、本発明の封止材シートは、はみだし防止と凹凸追従性の両立を可能とすることが理解できる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 封止材シート
4 太陽電池素子
5 背面基板

Claims (2)

  1. 太陽電池モジュール用のポリエチレン系樹脂製の封止材シートであって、
    前記封止材シートは2種3層の多層構成であり、両最表面の外層と、それ以外の内層とを備えており、
    前記内層を構成する内層樹脂の融点が、130℃以下であって、前記外層を構成する外層樹脂の融点より20℃以上高く、前記外層樹脂の融点が、60℃以上110℃以下である封止材シート。
  2. 前記内層樹脂の190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが1.0g/10分以上5.0g/10分以下であり、
    前記外層樹脂の190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが2.0g/10分以上10.0g/10分以下である請求項1記載の封止材シート。
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