JP2015070071A - 太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電離放射線の照射による架橋処理を行った太陽電池モジュール用のポリエチレン系封止材シートであって、耐熱性、密着性、モールディング特性を兼ね備える封止材シートを高い生産性の下で提供すること。
【解決手段】密度0.870g/cm以上0.970g/cm以下である中間層用のポリエチレン樹脂を溶融成形してなる中間層と、前記中間層用のポリエチレン樹脂よりも、MFRが大きい最外層用のポリエチレン樹脂を溶融形成してなる最外層と、を積層して未架橋の多層シートを成形するシート化工程と、前記未架橋の多層シートに電離放射線の照射によって架橋処理を行う架橋工程と、を含んでなり、前記最外層用のポリエチレン樹脂は、互いにMFRが異なる二種のポリエチレン樹脂を混合したものであることを特徴とする太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法による。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法に関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。一般に太陽電池モジュールは、ガラス等からなる透明前面基板と太陽電池素子と裏面保護シートとが、封止材シートを介して積層された構成である。
太陽電池素子には、単結晶シリコン基板や多結晶シリコン基板を用いて作製する結晶シリコン太陽電池の他、アモルファスシリコンや微結晶シリコンをガラス等の基板上に1μm程度若しくはそれ以下の極薄のシリコン膜を成形して作成する薄膜系太陽電池素子がある。薄膜系太陽電池素子には、上記シリコンの代わりに、カルコパイライト系の化合物等を用いる化合物系の太陽電池もある。いずれの太陽電池素子も、物理的衝撃に弱く、又、長期間に渡る屋外での使用が想定されるため、それらの太陽電池素子を含む太陽電池モジュールには、高い耐候性、耐久性が求められる。
太陽電池モジュール用の封止材シートとして、透明性、密着性等に優れるEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂としたものが従来広く用いられてきた。しかし、近年においては、EVA同等の透明性を有し、EVAに比して耐加水分解性等に優れるポリエチレン系樹脂をベース樹脂とした封止材シートの開発が進んでいる。
例えば、ベース樹脂がポリエチレン系樹脂でありながら、低温で押出し可能であって、後架橋させることができ、その結果、透明性、密着性に優れ、且つ、耐久性にも優れる太陽電池モジュール用の封止材シートとして、直鎖低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合した低密度、低融点のシラン変性ポリエチレン系樹脂と、架橋剤と、を含有する封止材組成物を用いた封止材シートが提案されている(特許文献1参照)。
但し、低密度のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とした上記の封止材シートは、低密度であることに起因して、モジュール化後の耐熱性において未だ改善の余地があった。そのため、低密度のポリエチレン系樹脂を加熱処理によって架橋することにより、封止材シートの耐熱性を向上させることが行われている。このような、低密度ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、更に架橋剤を含む封止材組成物からなる封止材シートは、モジュール化までのいずれかの工程における加熱による架橋処理が必須であった。
一方で、特許文献2及び3には、ポリエチレン系樹脂等に電離放射線を照射して架橋させることにより、長時間の熱キュア工程を省き、耐熱性を付与する技術が開示されている。
特許文献1に記載の封止材シートは、熱架橋処理の実施に伴う製造条件の限定が太陽電池モジュールの生産性向上を困難にしているという問題があった。
特許文献2や3のように、電離放射線を照射して架橋処理を行う封止材シートの製造方法によれば、モジュール化時等における熱架橋処理の温度条件からは解放されることによりある程度の生産性の向上は望める。しかしながら、長期にわたる高温下での使用に耐えうる十分な耐熱性を備えさせるために必要十分な程度の架橋処理を行おうとすると、モジュール化の際の他部材の凹凸への追従性(以下、「モールディング特性」と言う)が低下する。
上記の加熱或いは電離放射線の照射によるいずれの架橋処理においても、架橋進行度の微細な調整は極めて難しく、架橋進行度を最適範囲に微調整するためには、架橋剤の添加量、加熱温度や、或いは、電離放射線の照射量等についての厳密な調整と管理が必要となり、この負担が生産性を高める上で障害になっているのが現況であった。
中でも、特に、近年需要拡大傾向にある薄膜系太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールにおいては、耐熱性やモールディング特性等の上記諸物性が、極めて高い水準で要求される。ところが、特許文献1〜3に開示されているいずれの製造方法よっても、上記物性の要求水準を満たしつつ、高い生産性で封止材シートを生産することは極めて困難であった。この問題は、あらゆる太陽電池モジュールに共通の解決課題ではあったが、とりわけ、上記の薄膜系太陽電池素子を備える太陽電池モジュールにおいて深刻な問題となっていた。
特開2002−235048号公報 特開2009−249556号公報 特開2011−77357号公報
本発明は、以上の状況に鑑みてなされたものであり、耐加水分解性等に優れるポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、電離放射線の照射による架橋処理を行った封止材シートであって、太陽電池モジュール用の封止材シートに要求される、耐熱性、モールディング特性、透明性等の諸物性を、高水準で兼ね備える太陽電池モジュール用の封止材シートを高い生産性の下で提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、電離放射線の照射による架橋処理を伴う太陽電池用の封止材シートの製造において、MFRの異なる二種の低密度ポリエチレン系樹脂を、多層の封止材シートの各層毎の専用の材料として適切に使い分け、更には、そのようなMFRの調整手段として、MFRが異なる二種のポリエチレン樹脂の混合によって実現する手段を選択することにより、単に所望のMFRを有する樹脂を選択する従来手段による場合よりも、透明性に優れる封止材シートを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 密度0.870g/cm以上0.970g/cm以下である中間層用のポリエチレン樹脂を溶融成形してなる中間層と、前記中間層用のポリエチレン樹脂よりも、JIS K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRが大きい最外層用のポリエチレン樹脂を溶融形成してなる最外層と、を積層して未架橋の多層シートを成形するシート化工程と、前記未架橋の多層シートに電離放射線の照射によって架橋処理を行う架橋工程と、を含んでなり、前記最外層用のポリエチレン樹脂は、互いにMFRが異なる二種のポリエチレン樹脂を混合したものであることを特徴とする太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法。
(2) 前記二種のポリエチレン樹脂の混合比が、2:8〜8:2の範囲である(1)に記載の封止材シートの製造方法。
(3) 前記中間層のMFRが、0.1g/10min以上4g/10min以下であって、前記最外層のMFRが、前記中間層のMFRの100%よりも大きく800%以下である(1)又は(2)に記載の封止材シートの製造方法。
(4) 前記中間層用のポリエチレン樹脂が、前記最外層用のポリエチレン樹脂よりも、赤外吸収スペクトル法による2000炭素当たりの全二重結合数が多い樹脂であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。
(5) 前記中間層用の封止材組成物及び/又は前記最外層用の封止材組成物は、0.02質量%以上0.5質量%未満の架橋剤を含有する(1)から(4)のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。
(6) 前記中間層用の封止材組成物及び/又は前記最外層用の封止材組成物は、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有する(1)から(5)のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の製造方法で製造された封止材シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、前記封止材シートの前記最外層が前記太陽電池素子の金属電極と対面するように配置されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、耐加水分解性等に優れるポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、電離放射線の照射による架橋処理を行った封止材シートであって、太陽電池モジュール用の封止材シートに要求される、耐熱性、モールディング特性、透明性等の諸物性を、高水準で兼ね備える太陽電池モジュール用の封止材シートを高い生産性の下で提供することができる。
本発明の封止材シートの層構成の一例を示す断面模式図である。 本発明の封止材シートと、薄膜系太陽電池素子を用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面模式図である。
以下、先ずは、本発明の太陽電池モジュール用の封止材シートの製造に好ましく用いることができる封止材組成物(以下、単に「封止材組成物」とも言う)、太陽電池モジュール用の封止材シート(以下、単に「封止材シート」とも言う)とその製造方法について説明し、その後、本発明の封止材シートを用いた太陽電池モジュールとその製造方法について順次説明する。
<封止材組成物>
電離放射線による架橋処理を行う本発明の封止材シートの製造方法においては、多層の封止材シートの中間層及び最外層を成形するために、それぞれの層を成形するための専用材料として好適に用いることができるMFRの異なる封止材組成物を使い分ける。具体的には、最外層用の封止材組成物のベース樹脂として、JIS K6922−2により測定した190℃、荷重2.16kgにおける「MFR」が、中間層用封止材組成物のベース樹脂のMFRよりも大きな樹脂を用いる。そして、この最外層用の封止材組成物のベース樹脂は、上記高MFR範囲へのMFRの調整を、MFRの高い単独樹脂の選択によらずに、敢えて、MFRの異なる二種のポリエチレン樹脂を混合することによって行う点に本発明の特徴がある。尚、本明細書における「MFR」とは、全て上記規定による「MFR」のことを言うものとする。
尚、上記MFRの条件に加えて、本発明の封止材シートの製造方法に用いる封止材組成物については、それぞれの樹脂内に残存する全二重結合数が、それぞれ特定の異なる範囲にある複数種のポリエチレン系樹脂を、上記各層を成形するための専用材料として使い分けることがより好ましい。
ここで、本明細書における「全二重結合数」とは、シート状態の封止材組成物のシート密度d(g/cm)とシート厚みt(cm)と赤外吸収スペクトルの吸収バンドの吸光度Aとから、下記式により求めた値である。尚、赤外吸収スペクトルの吸収バンドの吸光度Aの測定については、Thermo Scientific製 NICOLET6700によって行った。
末端ビニル基数=0.231/(d×t)×A(910cm−1
ビニリデン基数=0.271/(d×t)×A(888cm−1
トランスビニレン基数=0.328/(d×t)×A(965cm−1
全二重結合数=末端ビニル基数+ビニリデン基数+トランスビニレン基数上記方法による2000炭素当たりの全二重結合数のことを言うものとする。
[中間層用の封止材組成物]
中間層を成形するための中間層用の封止材組成物は、多層の封止剤シートの中間層を成形するために用いる封止材組成物である。尚、本明細書において、多層の封止材シートとは、封止材シートの少なくともいずれか一方の最表面側に成形される層である最外層と、最外層以外の層である中間層と、からなる2層以上の複数層構造を有する封止材シートのことを言う。中間層とは、最外層以外の層のことを言い、単層構造であってもよく、或いは、中間層それ自体が複数の層からなる多層構造を有するものであってもよい。
中間層用の封止材組成物のベース樹脂としては、MFRが、最外層用の封止材組成物のベース樹脂のMFRよりも相対的に小さいポリエチレン系の樹脂を用いる。これにより封止材シートの耐熱性を好ましい範囲に保持することができる。
中間層用の封止材組成物のベース樹脂としては、組成物段階で残存する全二重結合数が、相対的に最外層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数よりも多いポリエチレン系の樹脂を用いることが好ましい。又、中間層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数は、0.5個以上4.0個以下であることが好ましく、1.0個以上4.0個以下であることがより好ましい。
中間層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数を、最外層用の封止材組成物のベース樹脂のそれとの組合せにおいて、相対的に上記範囲に限定することによって、電離放射線の照射による架橋を十分に進行させて封止材シートの耐熱性を十分に向上させることができる。一方、このように中間層の架橋を十分に進行させたとしても、後述する通り、最外層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数を中間層用の封止材組成物のベース樹脂のそれとは異なる範囲に限定することにより、最外層の架橋進行が中間層とは異なる態様で抑制されることになり、この結果、封止材シート全体として好ましいモールディング特性を保持することもできる。尚、中間層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数が0.5個未満であると、封止材シートの耐熱性が、十分に向上しない。又、4.0個を超えると、過剰な架橋の進行により、モールディング特性や密着性が低下するため好ましくない。
中間層用の封止材組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を好ましく用いることができる。中でも、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であるLLDPEは、シート加工性を維持しつつ封止材シートに良好な柔軟性を備えさせることができる。
中間層用の封止材組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、0.870以上0.970g/cm以下、好ましくは、0.870以上0.930g/cm以下である。この中間層用の封止材組成物のベース樹脂の密度は、最外層用の封止材組成物のベース樹脂と、同じであるか、或いは、最外層用の封止材組成物のベース樹脂よりも高密度であることが好ましい。中間層用の封止材組成物のベース樹脂の密度を上記範囲とすることにより、封止材シートとして必要とされるラミネート時の流動性や太陽電池素子の保護性能を保持しながら、封止材に十分な耐熱性を付与することができる。
中間層用の封止材組成物に含まれる上記ベース樹脂の含有量は、組成物中の全樹脂成分の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部以上99質量部以下、より好ましくは50質量部以上99質量部以下であり、更に好ましくは90質量部以上99質量部以下である。組成物段階での残存二重結合数が上記範囲となる限りにおいて、他の樹脂を含んでいてもよい。これらは、例えば添加用樹脂として用いてもよく、後述のその他の成分をマスターバッチ化するために使用してもよい。尚、本明細書において全樹脂成分という場合は、上記の他の樹脂を含む。
[最外層用の封止材組成物]
最外層用の封止材組成物は、本発明の多層の封止材シートの少なくとも一方の最外面、好ましくは両方の最外面に成形される最外層を成形するために用いる封止材組成物である。
最外層用の封止材組成物のベース樹脂としては、MFRが、中間層用の封止材組成物のベース樹脂のMFRよりも相対的に大きいポリエチレン系の樹脂を用いる。これにより封止材シートのモールディング特性や密着性を好ましい範囲に保持することができる。
そして、最外層用の封止材組成物のMFRの上記範囲内への調整を、上述の通り、MFRの異なる二種のポリエチレン樹脂の混合によって行う点に本発明の特徴がある。例えば、中間層のMFRが3.0g/10minであり、外層のMFRをこれよりも相対的に大きい10.0g/10minに調整したいとき、単に、MFRが10.0g/10minである単一の樹脂を選択するのではなく、敢えて、中間層用のMFRが5.0g/10minの低MFRの組成物と、MFRが20.0g/10minの高MFRの組成物を適量比で混合することによって、所望のMFR(10.0g/10min)を有する組成物をブレンドする例を具体例として挙げることができる。尚、後に実施例において示す通り、このように、二種のポリエチレン樹脂の混合によって所定のMFR値となるように調整したブレンドタイプの封止材組成物を用いることにより、同等のMFR値を有する単体タイプの封止材組成物を用いた場合よりも、封止材シートの透明性を向上できることが分かっている。
最外層用の封止材組成物を構成する二種のポリエチレン樹脂の混合比については、2:8〜8:2の範囲であることが好ましく、3:7〜7:3であることがより好ましい。
又、最外層用の封止材組成物のベース樹脂としては、組成物段階で残存する全二重結合数が、中間層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数よりも相対的に少ないポリエチレン系の樹脂を用いることが好ましい。又、最外層用の封止材組成物のベース樹脂であるポリエチレン系樹脂の全二重結合数は、0個以上1.0個以下であることが好ましく、0個以上0.5個以下であることがより好ましい。
最外層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数を、中間層用の封止材組成物のベース樹脂のそれとの組合せにおいて、相対的に上記範囲に限定することによって、電離放射線の照射による架橋を適切に抑制して封止材シートのモールディング特性を好ましい態様に保持することができる。一方、このように最外層の架橋を抑制したとしても、上記に詳述した通り、中間層用の封止材組成物のベース樹脂の全二重結合数を最外層用の封止材組成物のそれとは異なる範囲に限定することにより、中間層の架橋進行を最外層とは異なる態様で促進することができ、この結果、封止材シート全体として好ましい耐熱性を保持することができる。尚、最外層用の封止材組成物の全二重結合数が0.5個を超えると、架橋の進行により、モールディング特性や密着性が低下するため好ましくない。
最外層用の封止材組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂としては、中間層用の封止材組成物のベース樹脂と同様、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)を適宜好ましく用いることができる。但し、上述の通り、当該樹脂の全二重結合数については、中間層用の封止材組成物とは異なる範囲に樹脂中に残存する全二重結合数が限定された樹脂を用いる。中でも、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものであるM−LLDPEは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一であるため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが容易に可能であり、封止材シートの最外層に対して好ましい柔軟性を付与できる。その結果、太陽電池モジュールにおいて封止材シートと積層される他部材との密着性を高めることができる。
最外層用の封止材組成物のベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、0.870以上0.900g/cm以下、好ましくは、0.870以上0.900g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする。この最外層用の封止材組成物のベース樹脂の密度は、中間層用の封止材組成物のベース樹脂と、同じであるか、或いは、中間層用の封止材組成物のベース樹脂よりも低密度であることが好ましい。最外層用の封止材組成物のベース樹脂の密度を上記範囲とすることにより、封止材シートとして必要とされるラミネート時の流動性や太陽電池素子の保護性能を保持しながら、封止材に十分なモールディング特性を付与することができる。又、上記密度を0.900g/cm以下とすることにより、特に厚さが150μm以下程度であってセル割れのリスクが高い薄膜系の太陽電池素子と積層して用いる場合であっても、十分な保護性能を発揮してセル割れのリスクを十分に低減することができる。
最外層用の封止材組成物に含まれる上記ベース樹脂の含有量は、上述の中間層用の封止材組成物の場合と同一量比である。そして、最外層用の封止材組成物のMFRが、中間層用の封止材組成物のMFRよりも大きくなるという条件範囲内において、他の樹脂を含んでいてもよい。
(シラン変性ポリエチレン系樹脂)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、シラン変性ポリエチレン系樹脂を含有させることができる。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への封止材シートの接着性を向上することができる。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
LLDPE等とグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、封止材組成物中の全樹脂成分の合計100質量部に対して、例えば、0.001〜15質量部、好ましくは、0.01〜5質量部、特に好ましくは、0.05〜2質量部となるように適宜調整すればよい。本発明において、エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
(架橋剤)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、架橋剤を含有させることができる。架橋剤は公知のものが使用でき特に限定されず、例えば公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス‐3,5,5‐トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o‐メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4‐ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t‐ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシ‐2‐エチルヘキサノエート、t‐ブチルパーオキシピバレート、t‐ブチルパーオキシオクトエート、t‐ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t‐ブチルパーオキシベンゾエート、ジ‐t‐ブチルパーオキシフタレート、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン‐3、t‐ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、又は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレート、ジクミルパーオキサイド、といったシラノール縮合触媒等を挙げることができる。
架橋剤の含有量としては、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0質量部以上0.5質量部以下の含有量であることが好ましく、より好ましくは0.02質量部以上0.5質量部以下の範囲である。0.02質量部以上の架橋剤を添加することにより、本発明の封止材シートに用いるポリエチレン系樹脂により好ましい耐熱性を付与することができる。一方、架橋剤の添加量が2.0質量部を超えると、架橋工程における架橋の進行が過剰となり、モールディング特性が不十分となり好ましくない。
(架橋助剤)
本発明においては架橋助剤として、炭素−炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマーを用いることができる。架橋助剤としてより好ましくは、多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基であるものが用いられる。このような架橋助剤の添加により、低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ、低温柔軟性に優れる架橋済みの封止材シートを得ることができる。
具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。これらは単独でもよく、二種以上を組み合わせてもよい。
上記のなかでも、ガラス面との密着性向上の効果が特に高く、又、低密度ポリエチレンに対する相溶性が良好で、耐熱性の向上が期待できるトリシクロデカンジメタノールジアクリレートを特に好ましく使用できる。架橋助剤の含有量としては、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して、0.01質量部以上3質量部以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上2.0質量部以下の範囲である。
(密着性向上剤)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、いずれについても、適宜、密着性向上剤を添加することにより、更に、他基材との密着耐久性を高めることができる。密着性向上剤としては、公知のシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤は特に限定されないが、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシ系シランカップリング剤等を好ましく用いることができる。尚、これらは単独で又は二種以上を混合して使用することもできる。
密着性向上剤として、シランカップリング剤を添加する場合、その含有量は、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下であり、上限は好ましくは5.0質量部以下、以下である。シランカップリング剤の含有量が上記範囲にあり、且つ、封止材組成物を構成するポリオレフィン系の樹脂に適量のエチレン性不飽和シラン化合物の含量されているときには、密着性がより好ましい範囲へと向上する。尚、この範囲を超えると、製膜性が低下したり、又、シランカップリング剤が経時により凝集固化し封止材シートの表面で粉化する、所謂ブリードアウトが発生する場合があり好ましくない。
(ラジカル吸収剤)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物において、ラジカル重合開始剤となる上記の架橋助剤と、それをクエンチするラジカル吸収剤とを併用することにより、架橋の程度を更に微細に調整することができる。このようなラジカル吸収剤としては、ヒンダードフェノール系等の酸化防止剤や、ヒンダードアミン系の耐候安定化等が例示できる。架橋温度付近でのラジカル吸収能力が高い、ヒンダードフェノール系のラジカル吸収剤が好ましい。ラジカル吸収剤の使用量は、封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.01質量部以上3質量部以下含まれることが好ましく、より好ましくは0.05質量部以上〜2.0質量部以下の範囲である。
(その他の成分)
中間層用及び最外層用の各封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、本発明の封止材シートに耐候性を付与するための耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれの封止材組成物の全樹脂成分の合計100質量部に対して0.001以上5質量部以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材シートに対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
耐候性マスターバッチとは、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び上記の酸化防止剤等をポリエチレン等の樹脂に分散させたものであり、これを封止材組成物に添加することにより、封止材シートに良好な耐候性を付与することができる。耐候性マスターバッチは、適宜作製して使用してもよいし、市販品を使用してもよい。耐候性マスターバッチに使用される樹脂としては、本発明にベース樹脂として用いるポリエチレン系樹脂でもよく、上記のその他の樹脂であってもよい。
尚、これらの光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤及び酸化防止剤は、それぞれ1種単独でも二種以上を組み合わせて用いることもできる。
<封止材シート>
本発明の封止材シートは、MFRに着目してその組合せを最適化した上記の中間層用の封止材組成物及び最外層用の封止材組成物を用いることと、特に最外層用の封止材組成物のMFRの調整を、MFRの異なる二種のポリエチレン樹脂のブレンドによって行うことを特徴とする製造方法によって得られるものである。その構成としては、相対的に低MFRの中間層と、中間層のいずれか一方、好ましくは両方の最外面に配置される相対的に高MFRの最外層と、を含む複数の層によって構成される多層の封止材である。以下、本発明の好ましい一実施形態として、図1を参照しながら、単層である中間層の上下に各1層計2層の最外層を含む3層構造の封止材シート1について説明する。但し、本発明はこの実施形態に限られるものではない。
封止材シート1は、中間層11を有し、中間層11の両面に最外層12が配置されている。但し、例えば、中間層の片面のみに最外層が配置されている2層構造の封止材シートや、中間層が多層構造を有し当該中間層内にその他の機能層が配置されている封止材シートであっても、本発明の構成要件を備える中間層と最外層を備え、且つ、本発明のその他の構成要件を備える封止材シートである限り本発明の範囲内である。
中間層11は、封止材シート1において、基板層として主たる部分を構成する層である。中間層11は、架橋を十分に進行させることにより十分な耐熱性が付与されており、これにより、太陽電池モジュールの耐久性を向上させることができる。
最外層12は、封止材シート1の最外面に配置され、表面材料として従たる部分を構成する層である。最外層12は、架橋を適切に抑制することにより好ましい柔軟性が付与されており、これにより、太陽電池モジュールとしての一体化工程時におけるモールディング特性や基材密着性を向上させることができる。
封止材シート1は、このようにそれぞれ異なる優位な物性を備える樹脂シートを積層して多層シート化したものである。架橋済の極めて高い水蒸気バリア性を有するポリエチレン系樹脂によるものであり、且つ、耐熱性とモールディング特性のバランスにおいて、極めて優れた太陽電池モジュール用の封止材シートである。
中間層11の両面に最外層12が積層された封止材シート1の総厚さは100μm以上1000μm以下であることが好ましく、200μm以上600μm以下であることがより好ましい。100μm未満であると充分に衝撃を緩和することができず、1000μmを超えてもそれ以上の効果が得られず不経済であるので好ましくない。又、本発明の封止材シートは、外層に柔軟性を、内層に耐熱性を持たせる事で、ラミネート工程中の流れ出しや膜厚変化を抑えたものであるため、500μm以下程度に薄膜化した場合においても十分に好ましいモールディング性と耐熱性、太陽電池素子の保護性能を備えるものとすることができる。
封止材シート1における各層の厚さの比率については、最外層12:中間層11:最外層12とn厚さ比が、1:2:1〜1:30:1の範囲であることが好ましい。各層の厚さ比をこの範囲とすることによって、封止材シート1の耐熱性とモールディング特性を良好な範囲に保持することができる。
<封止材シートの製造方法>
[シート化工程]
上記においてそれぞれその詳細を説明した中間層用及び最外層用の各組成物の溶融成形は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、即ち、射出成形、押出成形、中空成形、圧縮成形、回転成形等の各種成形法により行われる。多層シートとしての成形方法としては、一例として、二種以上の溶融混練押出機による共押出により成形する方法が挙げられる。
成形時の成形温度の下限は封止材組成物の融点を超える温度であればよい。成形温度の上限は使用する架橋剤の1分間半減期温度に応じて、製膜中に架橋が開始しない温度、即ち、封止材組成物のゲル分率を0%に維持できる温度であればよい。ここで、本発明の封止材シートの製造方法においては、封止材組成物中において架橋剤が必須ではなく、架橋剤を添加する場合であってもその含有量は0.5質量%未満に限定されている。このため、通常の低密度ポリエチレン樹脂の成形温度、例えば、120℃程度の加熱条件下では、ゲル分率の変化は現れず、樹脂の物性に実質的な影響を与えるような架橋は進行しない。加えて、先に説明した通り、モジュール化工程での加熱条件の制約から解法されて、従来よりも1分間半減期温度の高い架橋剤を使用することもできる。よって、成形温度を従来よりも高温に設定しても、封止材組成物のゲル分率を0%に維持することができる。製膜中の封止材組成物のゲル分率を0%に維持する本発明の製造方法によれば、製膜時に押出機等にかかる負荷を低減し、封止材シートの生産性を高めることが可能である。
[架橋工程]
上記のシート化工程後の未架橋の封止材シートに対して、電離放射線による架橋処理を施す架橋工程を、シート化工程の終了後、且つ、封止材シートを他の部材と一体化する太陽電池モジュール一体化工程の開始前に行う。この架橋処理によってゲル分率が2%以上80%以下となる封止材シートとする。架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。
電離放射線の照射による架橋処理については、個別の架橋条件は特に限定されない。本発明の封止材シートの製造方法は、従来方法とは異なり、基本的に、照射条件の微調整にはよらずに、組成物の側の物性の限定により架橋の進行度を最適化する方法であるためである。大凡の具体的な照射量の目安としては、架橋処理後の中間層のゲル分率が、10%程度以上の範囲となるように適宜設定すればよい。具体的には、電子線(EB)、α線、β線、γ線、中性子線等の電離放射線によって行うことができるが、なかでも電子線を用いることが好ましい。電子線照射における加速電圧は、被照射体であるシート厚みによって決まり、厚いシートほど大きな加速電圧を必要とする。例えば、0.5mm厚みのシートでは100kV以上、好ましくは200kV以上で照射する。加速電圧がこれより低いと、中間層の架橋が十分に進行しない。照射線量は5kGy〜500kGy、好ましくは5〜200kGyの範囲である。照射線量が5kGyより小さいと中間層の架橋が十分に進行せず、又500kGyを超えると、発生する熱による封止材シートの変形や着色等が懸念されるようになる。尚、電離放射線の照射は、中間層の架橋を上述の程度に十分に進行させうる条件であれば、片面側から或いは両面側からの照射いずれであってもよい。又、照射は大気雰囲気下でもよく窒素雰囲気下であってもよい。
ここで、ゲル分率(%)とは、封止材シート0.1gを樹脂メッシュに入れ、60℃トルエンにて4時間抽出したのち、樹脂メッシュごと取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い、残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率としたものである。
本発明の製造方法によれば、上記の通り中間層の架橋の進行度を最適化する照射条件を設定することにより、当該照射条件の下で、最外層の架橋の進行度の適切な抑制も同時に実現できる。このため架橋条件の管理が容易であり、複雑且つ煩雑な架橋条件の管理からの解放による生産性の向上が可能である。又、照射条件の設定については、必ずしも上記ゲル分率によるものに限られない。例えば、サンプル封止材シートの架橋後の熱収縮率を初期段階で測定して、結果を初期照射条件にフィードバックし、その後は、同一の条件で照射を継続する等の方法であってもよい。
尚、この架橋処理はシート化工程に続いて連続的にインラインで行われてもよく、オフラインで行われてもよい。又、架橋処理が一般的な加熱処理である場合は、一般的に、架橋剤の含有量として封止材シートの全成分100質量部に対して0.5質量部以上1.5質量部以下が必要とされているが、本願発明の封止材シートにおいては、架橋剤の含有量が0であってもよく、含有する場合であっても0.5質量部未満であることが好ましい。これにより、封止材組成物のシート化工程における封止材組成物のゲル化による生産性低下のリスクが低減できる。尚、このようにして得られた本発明の封止材シートは架橋処理が施されているために、再度のアニール処理等は不要であり、このままモジュール化工程で使用できる。
<太陽電池モジュール>
次に、本発明の太陽電池モジュールの好ましい一実施形態について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の一実施形態である薄膜系太陽電池素子を備える太陽電池モジュール10について、その層構成の一例を示す断面図である。太陽電池モジュール10は、入射光の受光面側から、ガラス等からなる透明前面基板2、透明前面基板2上に成形された薄膜系太陽電池素子3、封止材シート1、及び裏面保護シート4が順に積層されている。
尚、本発明の封止材シートが中間層11と片面側の最外層に配置される1層の最外層12との2層からなる封止材シートである場合には、当該最外層12の露出する面を薄膜系太陽電池素子3と密着する層として、上記同様に積層する。
太陽電池モジュール10は、封止材シート1を使用することにより、太陽電池モジュールとしての耐熱性とモジュール化時のモールディング特性がバランスよく改善されたものである。例えば、薄膜系太陽電池素子3には図2に示す通り金属電極31が凸出した形状となっていることが一般的であるが、本発明の封止材シート1の優れたモールディング特性によれば、このような凹凸にも十分に追従して封止材シート1と薄膜系太陽電池素子3及び透明前面基板2とを高い密着性の下に一体化することができる。
又、本発明の太陽電池モジュールの層構成は、上記実施形態によるものに限られない。本発明の封止材シート1は、ガラスと金属の両方に対して密着性を有するため、その特性を生かして、ガラス基材と金属性の太陽電池モジュールを含む様々な構成の太陽電池モジュールに汎用的に使用することができる。例えば、太陽電池モジュールにおいて、封止材シート1の一方の面が金属面と対向し、もう一方の面がガラス層と対向する構成となる場合においても、本発明の封止材シートを好適に用いることができる。
又、本発明の太陽電池モジュールは、例えば、従来広く普及している太陽電池素子の上下両面に封止材シートが配置される構成であってもよい。この場合、本発明の封止材シートは、上記両面のいずれにも積層して用いることができる。但し、本発明の封止材シートは、特にモールディング特性、即ち、対向する基材の凹凸への追従性に極めて優れた封止材シートであるため、太陽電池素子の電極と対向する下面(非受光面側)への配置がとりわけ有効である。
更に、本発明の太陽電池モジュールの好ましい他の実施形態として、集電シートと、本発明の封止材シートと、が一体化されている構成を含む太陽電池モジュールを挙げることができる。集電シートとは、一般にはバックコンタクト型の太陽電池素子からの集電を目的として配置される太陽電池モジュールの構成部材であり、樹脂基材の表面に集電用の導電性の回路が形成されているものである。この集電シートの回路及び太陽電池素子上に積層する封止材シートには、衝撃緩衝機能や、更には絶縁機能まで求められるため、集電シート上の凹凸形状に対するモールディング特性については、特段に高い水準の物性が要求される。上述の通り、本発明の封止材シートは、極めて良好なモールディング特性を有するものであるため、上記構成を含む太陽電池モジュールにおいても、極めて好ましく用いることができる。
太陽電池モジュール10は、例えば、薄膜系太陽電池素子3を形成した透明前面基板2、封止材シート1、及び裏面保護シート4からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
本発明の太陽電池モジュール10の製造時における上記の加熱圧着処理は、当該加熱圧着処理を行っている間の封止材シート1の樹脂温度が50℃以上100℃以下となるような加熱条件で行うことができる。例えば、従来のEVA封止材シートを用いる場合には一般に140℃を超える加熱が必須である。又、一般的なポリエチレン系の封止材シートは架橋速度が遅いため、これを用いた場合に、例えば140℃以下の温度でラミネート処理を行うと、長時間の加熱が必要となり、ラミネート処理中の膜厚変化が大きくなったり、或いは、一体化後の再度の熱キュアが必要になる等の不都合があった。本発明の太陽電池モジュール10は、上記加熱条件の範囲においても、太陽電池モジュールの製造を好ましい態様で実施することができる。モジュール化時の一体化工程における加熱条件をこのような低温度範囲とできることにより、太陽電池モジュールの生産性と品質の安定性を高めることができる。
尚、本発明の太陽電池モジュール10において、封止材シート1以外の部材である透明前面基板2、薄膜系太陽電池素子3及び裏面保護シート4は、従来公知の材料を特に制限なく使用することができる。又、本発明の太陽電池モジュール10は、上記部材以外の部材を含んでもよい。尚、本発明の封止材シートは薄膜系太陽電池素子を備える太陽電池モジュール10に限らず、その他の全ての太陽電池モジュールに好ましく適用することができる。
尚、上記の封止材シートの樹脂温度は、加熱時の封止材シートの上面部に温度センサー熱電対を貼付し、温湿度データロガーを用いて測定することが可能であり、本発明における樹脂温度とは、例えば、そのようにして測定した封止材シートの樹脂温度のことを言うものとする。
以上、実施形態を示して本発明を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において、適宜変更を加えて実施することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<太陽電池モジュール用の封止材シートの製造>
以下において説明する封止材組成物原料を下記表1の割合(質量部)で混合し、それぞれ実施例、比較例の封止材シートの中間層用の封止材組成物及び最外層用の封止材組成物とした。それぞれの封止材組成物をφ30mm押出し機、200mm幅のTダイを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで中間層用及び最外層用とするための各樹脂シートを作製し、これらの各樹脂シートを積層して、中間層と両最外層を備える実施例及び比較例1〜2の3層構造の封止材シートを製造した。実施例、比較例の各封止材シートの厚さは、いずれも、総厚さ600μmとした。実施例及び比較例の3層構造の封止材シートの各層の厚さの比については、いずれの封止材シートについても最外層:中間層:最外層の厚さ比が、1:4:1となるようにした。
封止材用の各樹脂シートを成形するための封止材組成物原料としては、以下の原料を使用した。
中間層用ベース樹脂(表中にて「中間」と表記、以下同様):密度0.880g/cm、融点60℃であり、190℃でのMFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
最外層用ベース樹脂1(表中にて「外層A」と表記、以下同様):密度0.880g/cm、融点60℃であり、190℃でのMFRが3.5g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
最外層用ベース樹脂2(「外層B」):密度0.885g/cm、融点66℃であり、190℃でのMFRが19.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
最外層用ベース樹脂3(「外層C」):密度0.885g/cm、融点66℃であり、190℃でのMFRが11.1g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)。
シラン変性ポリエチレン系樹脂(「S」):密度0.880g/cm、MFRが20g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。密度0.880g/cm、MFR13.0g/10分。融点60℃。
耐候剤マスターバッチ1(「中間層用MB1」):ベース樹脂:100質量部。KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UA吸収剤):0.6質量部。CHIMASORB202(UV吸収剤):0.07質量部。トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(架橋助剤):2.14質量部。)
耐候剤マスターバッチ2([中間層用MB2」):ベース樹脂:100重量部。トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(架橋助剤):2.04質量部。
耐候剤マスターバッチ3(「最外層用MB」):ベース樹脂:100質量部。KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UV吸収剤):0.6質量部。CHIMASORB202(UV吸収剤):0.07質量部。)
尚、耐候剤マスターバッチ1、2は、全ての実施例、比較例の内層用の組成物にそれぞれ10質量部ずつ添加した。又、耐候剤マスターバッチ3は、全ての実施例、比較例の外層用の組成物にそれぞれ10質量部ずつ添加した。
尚、最外層用ベース樹脂について、AとBを混合して使用した場合の混合後のMFR、及び、それぞれのベース樹脂のMFRを表1中に併せて示した。
又、実施例2〜3及び比較例1〜3の中間層の組成については、全て実施例1と同一とした。
Figure 2015070071
実施例3と比較例1の各封止材組成物のベース樹脂由来の2000炭素当たりの全二重結合数及び末端ビニル基数を下記式により求めた。2000炭素当たりの全二重結合数は、密度d(g/cm)とシート厚みt(μm)と赤外吸収スペクトルの吸収バンドの吸光度Aとから求めた。赤外吸収スペクトルの吸収バンドの吸光度Aの測定については、Thermo Scientific製 NICOLET6700によって行った。結果は、表2に示す。
末端ビニル基数=0.231/(d×t)×A(910cm−1)
ビニリデン基数=0.271/(d×t)×A(888cm−1)
トランスビニレン基数=0.328/(d×t)×A(965cm−1)
全二重結合数=末端ビニル基数+ビニリデン基数+トランスビニレン基数
Figure 2015070071
次に、実施例、比較例の全ての上記成形後の未架橋の封止材シートに対して、それぞれ電子線照射装置(岩崎電気株式会社製、製品名EC250/15/180L)を用いて、加速電圧250kV、照射強度65kGyで両面照射して計130kGyを照射し、架橋済の封止材シートを作製し、これを実施例、比較例の封止材シートとした。
<評価例1:耐熱性>
耐熱クリープ試験を行った。シボ加工を施した大判のガラス板に5×7.5cmに切り出した実施例、比較例の封止材シートを2枚重ね置き、その上から5×7.5のシボガラスを重ね置き、150℃、10分で真空加熱ラミネータ処理を行い評価用試料を作成した。この後、大判ガラスを垂直に置き、150℃で12時間放置し、放置後の5×7.5のシボガラスの移動距離(mm)を測定し、評価した。評価は以下の基準で行った。
(評価基準) A:0.00mm
B:0.00mm超え1.0mm未満
C:1.0mm以上
評価結果を「耐熱性」として表3中に記す。
<評価例2:初期密着性>
実施例、比較例の各封止材シートをガラス基板(白板フロート半強化ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)に密着させて、150℃、12分で真空加熱ラミネータ処理を行い評価用試料を作成した。そして、上記の評価用試料において、ガラス基板上に密着している封止材シートを15mm幅にカットし、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い、ガラス密着強度を測定し、評価した。評価は以下の基準で行った。
A:30N/15mm以上
B:25N/15mm以上30N/15mm未満
C:20N/15mm以上25N/15mm未満
D:20N/15mm未満
評価結果を「密着性」として表3中に記す。
<評価例3:モールディング特性>
上記の耐熱クリープ試験に用いたものと同様のガラス基板上に、疑似的な太陽電池素子を想定した厚さ200μm、150mm×150mmのアルミ板を静置し、更に、そのアルミ板上にリード線(250μm径)を配置し、更にその上から、150mm×150mmにカットした実施例、比較例の各封止材シートを、積層したものを、上記耐熱クリープ試験と同じ熱ラミネート条件により、真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について太陽電池モジュール評価用サンプルを得た。これらの太陽電池モジュール評価用サンプルについて、目視観察により、下記の評価基準により、モールディング特性を評価した。
(評価基準) A:封止材シートが対面する基材面の凹凸に完全に追従。
C:封止材シートの一部が対面する基材面の凹凸に完全に追従せず、ラミネート不良部分が発生。
評価結果を「モールディング特性」として表3中に記す。
<評価例4:製膜製>
実施例、比較例の封止材シートにつき、それぞれのシート断面を顕微鏡で観察することで層比の測定を行いその結果に基づいて製膜性を評価した。評価は以下の基準で行った。
(評価基準)
A:設計段階で意図した通りの層比である1:4:1となっているエリアが製膜シートの全幅の90%以上
B:同層比である1:4:1となっているエリアが製膜シートの全幅の80%以上90%未満
C:同層比である1:4:1となっているエリアが製膜シートの全幅の80%以下
<評価例5:透明性>
実施例、比較例の封止材シートにつき、JISK7136に沿って、「株式会社村上色彩研究所 ヘーズ・透過率系HM150」にてHAZE値を測定した。樹脂温度を150℃にまで加熱した封止材シートを−3℃/minという条件で冷却した場合の値をヘーズ値とした。
(評価基準) A: 3.0以下
C: 3.0以上
評価結果を「透明性」として表3中に記す。
Figure 2015070071
表1〜3より、本発明の製造方法によって製造された実施例の封止材シートは、耐熱性、密着性、モールディング特性、製膜製、及び透明性を高い水準で兼ね備えるものであることが分かる。又、比較例2の結果より、最外層のMFRが同等であっても、単独樹脂からなる組成物を用いた場合よりも、MFRの異なる2種の樹脂を混合した組成物を用いた場合の方が、封止材シートの透明性において優位な効果を奏しうることが分かる。
1 封止材シート
11 中間層
12 最外層
2 透明前面基板
3 薄膜系太陽電池素子
31 金属電極
4 裏面保護シート
10 太陽電池モジュール

Claims (7)

  1. 密度0.870g/cm以上0.970g/cm以下である中間層用のポリエチレン樹脂を溶融成形してなる中間層と、前記中間層用のポリエチレン樹脂よりも、MFRが大きい最外層用のポリエチレン樹脂を溶融形成してなる最外層と、を積層して未架橋の多層シートを成形するシート化工程と、
    前記未架橋の多層シートに電離放射線の照射によって架橋処理を行う架橋工程と、を含んでなり、
    前記最外層用のポリエチレン樹脂は、互いにMFRが異なる二種のポリエチレン樹脂を混合したものであることを特徴とする太陽電池モジュール用の封止材シートの製造方法。
  2. 前記二種のポリエチレン樹脂の混合比が、2:8〜8:2の範囲である請求項1に記載の封止材シートの製造方法。
  3. 前記中間層のMFRが、0.1g/10min以上4g/10min以下であって、
    前記最外層のMFRが、前記中間層のMFRの100%よりも大きく800%以下である請求項1又は2に記載の封止材シートの製造方法。
  4. 前記中間層用のポリエチレン樹脂が、前記最外層用のポリエチレン樹脂よりも、赤外吸収スペクトル法による2000炭素当たりの全二重結合数が多い樹脂であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。
  5. 前記中間層用の封止材組成物及び/又は前記最外層用の封止材組成物は、0.02質量%以上0.5質量%未満の架橋剤を含有する請求項1から4のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。
  6. 前記中間層用の封止材組成物及び/又は前記最外層用の封止材組成物は、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるシラン変性ポリエチレン系樹脂を含有する請求項1から5のいずれかに記載の封止材シートの製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法で製造された封止材シートと、太陽電池素子と、を備える太陽電池モジュールであって、
    前記封止材シートの前記最外層が前記太陽電池素子の金属電極と対面するように配置されている太陽電池モジュール。
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