JP2018110161A - 太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの薄型化と製造コスト低減に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであって、太陽電池モジュールとしての一体化時に優れた密着耐久性を発揮することにより、太陽電池モジュールの長期信頼性の向上に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートを提供すること。
【解決手段】封止材層1と裏面保護層2とが積層されてなる、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート10において、封止材層1を多層構造とし、少なくともコア層11及び第1スキン層12は、シラン変性ポリエチレンを含有し、第1スキン層12は、コア層11よりも前記シラン変性ポリエチレンの含有量比が大きく、第2スキン層13は、シラン変性ポリエチレンを含有しないか、或いは、シラン変性ポリエチレンをコア層11よりも小さい含有量比で含有する、封止材一体型裏面保護シート10とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いてなる太陽電池モジュールに関する。
従来、太陽電池モジュールの層構成は、図4に示す太陽電池モジュール100Aの層構成が一般的である。即ち、受光面側から、透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、非受光面側封止材シート6及び裏面保護シート7が順に積層された構成である。
太陽電池モジュールを構成する上記の各部材のうち、封止材シートとしては、透明性や施工性、製造コスト他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)かなる樹脂シートが汎用的に用いられていた。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。このため、EVA樹脂の代わりに、近年においては、ポリオレフィン系の樹脂を使用した太陽電池モジュール用の封止材シートが提案されており、その需要が拡大している。
一方で、太陽電池モジュールの最外層に保護層として配置される裏面保護シートとしては、フッ素系樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂を用いた樹脂シートが広く用いられている。又、更には、これらのバリア性を有する樹脂シート等の各部材をドライラミネート法等によって積層した多層シートが用いられている。
そして、近年においては、太陽電池モジュールに対する意匠上の要請による薄型化や、製造工程の簡略化による生産性向上を目的として、上記の封止材シートと裏面保護シートとが、予め一体品として形成されている、封止材一体型裏面保護シートの開発も進んでいる(特許文献1参照)。
この封止材一体型裏面保護シートは、例えば図3における封止材一体型裏面保護シート10のように、太陽電池モジュール100において、太陽電池モジュールの非受光面側に配置されて用いられ、太陽電池モジュールの薄型化や生産性の向上に寄与する。
一方、封止材一体型裏面保護シート10(図2参照)を構成する封止材層1は、太陽電池素子3及び封止材一体型裏面保護シート10を構成する裏面保護層2に対面する態様で積層されており、この封止材層1には、両部材との間の密着性と過酷な環境での長期使用に耐えうる密着耐久性が求められる。
そこで、このような封止材層1を構成するポリエチレン系の封止材シートの金属やガラスに対する密着性を向上させるために、ベース樹脂に一定量のシラン変性ポリエチレンを含有させることが広く行われている。
一方、封止材一体型裏面保護シートの封止材層を構成するポリエチレン系の封止材シートと、裏面保護層を形成するポリエステル系の裏面保護シートとの間の十分な密着性を担保するためには、封止材シートの裏面保護シート側の表面にコロナ処理を行うことが必須である。しかし、封止材シートの各層に上記のようにシラン変性ポリエチレンが含有されている場合、コロナ処理によって水が発生し、封止材シートの密着耐久性を低下させてしまうという問題があった。
特開2012−84842号公報
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、太陽電池モジュールの薄型化と製造コスト低減に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであって、封止材一体型裏面保護シートの各層間における密着耐久性、及び、太陽電池モジュールとしての一体化時における太陽電池素子の電極等、金属製の部材を含む他の構成部材との間における密着耐久性とのいずれについても優れたものであることにより、太陽電池モジュールの長期信頼性を向上させる封止材一体型裏面保護シートを提供することを課題とする。
本発明者らは、封止材一体型裏面保護シートを構成する封止材層を第1スキン層−コア層−第2スキンの3層構造とし、コア層には耐熱性を向上させるために高融点成分としてポリプロピレンを添加し、密着性成分たるシラン変性ポリエチレンについては、封止材層側の最表面の層とする第1スキン層にのみ添加し、更には、コア層と第2スキン層とのベース樹脂の密度を同密度に揃える層構成とすることにより、上記課題を解決できることに想到し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする封止材層とポリエステル系樹脂をベース樹脂とする裏面保護層とが積層されてなる、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、前記封止材層は、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするコア層と、前記コア層のベース樹脂よりも密度が低いポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、前記封止材一体型裏面保護シートにおける前記封止材層側の最表面に配置されている第1スキン層と、前記コア層のベース樹脂と密度が等しいポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、前記裏面保護層との界面側に配置されている第2スキン層と、を含んでなる多層構造を有し、前記コア層は、該コア層の全樹脂成分中に5質量%以上40質量%以下のポリプロピレンを含有し、前記第1スキン層は、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合したシラン変性ポリエチレンを含有し、前記コア層及び前記第2スキン層は、前記シラン変性ポリエチレンを含有しない、封止材一体型裏面保護シート。
(2) 前記第1スキン層の全樹脂成分中の重合シラン量が、300ppm以上2000ppm以下である、(1)に記載の封止材一体型裏面保護シート。
(3) 前記コア層は白色顔料を含有し、前記第1スキン層及び第2スキン層は白色顔料を含まない、(1)又は(2)に記載の封止材一体型裏面保護シート。
(4) 前記裏面保護層が、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている(1)から(3)のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シート。
(5) (1)から(4)のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シートが、太陽電池素子の非受光面側に前記第1スキン層が対面する態様で、積層されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、太陽電池モジュールの薄型化と製造コスト低減に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであって、封止材一体型裏面保護シートの各層間における密着耐久性、及び、太陽電池モジュールとしての一体化時における太陽電池素子の電極等、金属製の部材を含む他の構成部材との間における密着耐久性とのいずれについても優れたものであることにより、太陽電池モジュールの長期信頼性を向上させる封止材一体型裏面保護シートを提供することができる。
本発明の封止材一体型裏面保護シートを構成する封止材層の層構成の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の封止材一体型裏面保護シートの層構成の他の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の封止材一体型裏面保護シートを用いてなる太陽電池モジュールの層構成の概略を模式的に示す断面図である。 従来の一般的な太陽電池モジュールの層構成の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の封止材一体型裏面保護シート、及び、それを用いた太陽電池モジュールの詳細について説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<封止材一体型裏面保護シート>
図2に示す通り、本発明の太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シート10は、主として太陽電池素子を太陽電池モジュール外部からの衝撃から保護する機能を果たす封止材層1と、主として太陽電池モジュール外部からの水分等の侵入を阻止するバリア性を有する裏面保護層2とが、積層一体化されてなる多層シートである。封止材層1と裏面保護層2はいずれも各種の樹脂シート等により構成されるが、それぞれ求められる機能が異なるため、通常はそれぞれ異なる材料樹脂により構成される。そしてこれらの異なる樹脂からなる各樹脂層は、通常、接着剤を用いたドライラミネート法によって積層一体化される。
そして、太陽電池モジュールとしての一体化工程に先駆けて予め一体化された封止材一体型裏面保護シート10は、図3に示すように、太陽電池モジュール100において、太陽電池素子3の非受光面側に積層されて太陽電池モジュールを構成する。又、封止材一体型裏面保護シート10は、太陽電池モジュール100において、封止材層1を太陽電池素子3の非受光面側に対面させる態様で配置される。
封止材一体型裏面保護シート10の厚さは、以下に詳細を説明する封止材層1、裏面保護層2を含む総厚さが、250μm以上500μm以下であることが好ましい。
[封止材層]
図1に示す通り、封止材一体型裏面保護シート10を構成する封止材層1は、コア層11とコア層11の両面に配置される第1スキン層12及び第2スキン層13とを含んでなる多層構造を有する。
図2に示す通り、第1スキン層12は、封止材一体型裏面保護シート10における封止材層1の側の最表面に配置される。一方、第2スキン層13は、封止材一体型裏面保護シート10における裏面保護層2と封止材層1との界面側に配置される。
封止材一体型裏面保護シート10の封止材層1を、以下に説明するそれぞれ各層用に最適化した樹脂組成物を用いて形成することにより、太陽電池モジュールの封止材層に求められる耐熱性や柔軟性等の一般的な要求物性を保持したまま、封止材一体型裏面保護シート10としての各層間の密着耐久性や、太陽電池モジュール100としての一体化時における他の構成部材との間の密着耐久性を向上させて、太陽電池モジュールの長期信頼性の向上に寄与することができる。
封止材層1のコア層と第1スキン層12及び第2スキン層13は、それぞれ所定の密度範囲にあるポリエチレンをベース樹脂とする封止材組成物によって形成される。
コア層11は、密度0.890g/cm以上0.930g/cm以下、より好ましくは、密度0.900g/cm以上0.920g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするコア層用の封止材組成物によって形成される。
第1スキン層12は、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満、より好ましくは、密度0.890g/cm以上0.900g/cm以下であって、尚且つ、コア層用の封止材組成物のベース樹脂よりも密度の低いポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする第1スキン層用の封止材組成物によって形成される。
第2スキン層13は、密度0.890g/cm以上0.930g/cm以下、より好ましくは、密度0.900g/cm以上0.920g/cm以下であって、尚且つ、コア層用の封止材組成物のベース樹脂と同密度のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする第2スキン層用の封止材組成物によって形成される。
封止材層1各層の密度を上記範囲に調整することにより、耐熱性、柔軟性、及び密着耐久性をバランスよく兼ね備える多層の封止材層とすることができる。
又、封止材層1は、第1スキン層12に、シラン変性ポリエチレン、即ち、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合した密着性樹脂成分を含有する。一方で、封止材層1は、コア層11及び第2スキン層13には、シラン変性ポリエチレンを含有しない。つまり、封止材層1は、スキン/コア/スキンの3層構造において、一方のスキン層(第1スキン層12)のみにシラン変性ポリエチレンが偏在する構成とされている。
ここで、多層の樹脂シートにおいて、特に密着性の強化が必要な層が一方の表面層に特定されている場合には、当該一方の表面層のみにシラン変性ポリエチレンを偏在させる対応が考えられる。しかし、スキン/コア/スキンの3層構成の多層シートにおいて、一方のスキン層にのみ多量のシラン変性ポリエチレンが含有される層構成とした場合には、層間での層強度差が拡大して、層強度が弱い側の層内部における凝集破壊が発生しやすくなってしまうことが本発明者らの研究によって明らかになっている。これは、層強度が弱い層が強い層によって強く引っ張られてしまうため、弱い層の内部にて凝集破壊が起こりやすくなってしまうためであると考えられる。
そこで、封止材一体型裏面保護シート10の封止材層1においては、いずれもシラン変性ポリエチレンを含有しない、コア層11のベース樹脂と、第2スキン層のベース樹脂の密度を、同一の密度に最適化調整した。このような本発明特有の層構成によって、封止材層1においては、第1スキン層12に密着成分を偏在させて、太陽電池モジュールを構成する他の積層部材に対する密着耐久性を十分に向上させる一方で、同時にコア層11と第2スキン層との間の密着性も適切に向上させて、上述した各層間の層強度差の拡大に起因する凝集破壊の発生が適切に抑制されている。このようにして、封止材一体型裏面保護シート10は、ガラスや金属製の他の積層部材との間の密着耐久性と、封止材一体型裏面保護シート10自体の層間の密着耐久性とを高い水準で両立させている。
封止材層1においては、太陽電池素子3との密着耐久性が求められる第1スキン層12に適量のシラン変性ポリエチレンを偏在させることにより、第1スキン層12の対面する部材に対する密着性と密着耐久性を極めて好ましい程度にまで向上させることができる。
又、通常、コロナ処理が必須である裏面保護層側の界面に接する第2スキン層13には、シラン変性ポリエチレンを含有させないことで、当該界面におけるコロナ処理の影響で生じる水の発生を防いで、当該界面における第2スキン層13と裏面保護層2との密着耐久性の低下を回避することもできる。封止材一体型裏面保護シート10においては、当該界面を形成する第2スキン層13又はこれと対面する裏面保護層2の表面の少なくともいずれかにコロナ処理が施されている。コロナ処理とは、樹脂基材にコロナ放電を照射させることでその表面に極性基を導入して密着性能を向上させる方法である。
封止材層1の第1スキン層12を形成する第1スキン層用の封止材組成物中における重合シラン量は、300ppm以上2000ppm以下、好ましくは、300ppm以上1500ppm以下、より好ましくは、300ppm以上1000ppm以下である。
尚、封止材層1のコア層11と第1スキン層12及び第2スキン層13を形成する封止材組成物は、それぞれ所定の融点範囲にあるポリエチレンをベース樹脂とすることが好ましい。コア層用の封止材組成物は、融点100℃以上115℃以下の低密度ポリエチレンをベース樹脂とすることが好ましい。第1スキン層用の封止材組成物は、融点80℃以上100℃未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とすることが好ましい。又、上記融点範囲内において、コア層11と第1スキン層12を形成する封止材組成物のベース樹脂の融点の差が20℃以下の範囲となるように樹脂組成を調整することが更に好ましい。第2スキン層用の封止材組成物は、融点100℃以上115℃以下であってコア層用の封止材組成物のベース樹脂と同融点の低密度ポリエチレンをベース樹脂とすることが好ましい。
各層の融点範囲を上記範囲に調整することにより、封止材一体型裏面保護シート10の加熱加工時に封止材層1の各層間の収縮応力の差異に起因して起こるシワの発生を低減して、太陽電池モジュール100の生産性や品質安定性の向上に寄与することができる。
尚、本明細書において、封止材層の各層等を構成する樹脂の融点とは、示差走査熱量測定(DSC)により測定して得ることができる樹脂の融点のことを言う。DSC曲線の谷のピークが複数存在する場合は、そのうちのピーク面積が最も大きいピークが示す融点のことを、当該樹脂の融点と言うものとする。
封止材層1の厚さは、200μm以上400μm以下であることが好ましく、250μm以上350μm以下の範囲であることがより好ましい。厚さが200μm以上であれば、十分に上記の耐熱性他、諸々の要求物性を保持することができる。尚、第1スキン層12及び第2スキン層13がコア層11の両面に積層されてなる三層構造の封止材層1における、各層の厚さ比は、スキン:コア:スキンの厚さ比において、1:3:1〜1:30:1の範囲であることが好ましい。
[コア層]
コア層11は、封止材層1に、主として、耐熱性や適度な剛性を付与する機能を有する。コア層11は、低密度ポリエチレンをベース樹脂とするコア層用の封止材組成物からなる。そして、コア層11には、後述の第1スキン層12と異なり、シラン変性ポリエチレンは含有されない。そしてコア層用の封止材組成物は、所定の含有量比の範囲内でポリプロピレンを含有する。
コア層11の厚さは、一例として、100μm以上240μm以下が挙げられ、特に限定されない。コア層11の厚さが100μm以上であることにより、封止材層1に、良好な寸法安定性を付与することがでる。又、コア層11の厚さが240μm以下であることにより、封止材層1に、ラミネート加工時のシート搬送適性を付与することができる。
(コア層用の封止材組成物)
コア層11を形成するコア層用の封止材組成物は、密度0.910g/cm以上0.950g/cm以下の低密度ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする。この低密度ポリエチレン系樹脂のコア層用の封止材組成物の全樹脂成分中における含有量比は、60質量%以上95質量%以下であればよく、好ましくは75質量%以上85質量%以下である。そして、このベース樹脂の融点は上述の通り100℃以上115℃以下の範囲とすることが好ましい。尚、本発明に用いる樹脂組成物中の各樹脂の含有量比は、例えば、DSC(示差走査熱量測定)やIR(赤外分光法)で検出されるピーク比等から分析することができる。
コア層用の封止材組成物は、全樹脂成分中の含有量比において、ポリプロピレンを、5質量%以上40質量%以下含有する。低密度ポリエチレンをベース樹脂とするコア層11に適量のポリプロピレンを添加することにより、優れた耐熱性及び優れた寸法安定性を付与する層とすることができる。
コア層用の封止材組成物に上記の所定量範囲で含有させるポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン(ホモPP)樹脂を用いることがより好ましい。ホモPPは、ポリプロピレン単体のみからなる重合体であり結晶性が高いため、ブロックPPやランダムPPと比較して、更に高い剛性を有する。これをコア層用の封止材組成物への添加樹脂として用いることにより、封止材層1の寸法安定性を更に高めることができる。又、ホモPPの230℃におけるMFRは、5g/10分以上125g/10分以下であることが好ましい。上記MFRが5g/10分未満であると、分子量が大きくなり剛性が高くなりすぎて、封止材層1の好ましい十分な柔軟性が第1スキン層12及び第2スキン層13の物性によっても担保できなくなる。又、上記MFRが125g/10分を超えると、加熱時の流動性が十分に抑制されず、封止材層1に、上記のように耐熱性及び寸法安定性を十分に付与することが出来ない。尚、本明細書における「MFR」とは、他に特段の断りのない限り、JIS7210に準じて測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値(但し、ポリプロピレン樹脂のMFRについては、同、230℃、荷重2.16kgにおけるMFRの値)のことを言うものとする。
但し、ポリプロピレンは、上記のいずれの構造体であっても、ベース樹脂とする低密度ポリエチレンよりも遙かに高い剛性を有する。よって、例えば、上記の適切な添加量範囲を超えて、40質量%を超えるポリプロピレンをコア層用の封止材組成物に添加した場合には、コア層11においてポリプロピレンの物性が過剰に優位となり、封止材層1全体としての好ましい柔軟性が第1スキン層12及び第2スキン層13の物性によっても担保できなくなる。そこで、ポリプロピレンをコア層用の封止材組成物においても上記範囲内で限定的に添加することが好ましい。上記含有量範囲、即ち、全樹脂成分中の含有量比において5質量%以上40質量%以下の範囲で、コア層11にポリプロピレンを混合することにより、封止材シートを400μm以下の薄型のシートとした場合においても良好な耐熱性を封止材層1に備えさせることができる。
尚、上記において説明した、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする封止材組成物の全樹脂成分中におけるポリプロピレンの含有量比は、当該封止材組成物からなる封止材の測定によってもこれを算出し特定することが可能である。測定・算出方法の一例としては、透過マクロ法により測定(使用する測定機器として、例えば、日本分光社製「FT/IR−600」等)して得たIRのピーク強度比から算出する方法を挙げることができる。
[第1スキン層]
第1スキン層12は、太陽電池モジュール100において、太陽電池素子3の非受光面側の表面及び受光面側封止材シート4との密着面となる。第1スキン層12は、主として、太陽電池モジュール100を構成する他の部材との間の密着耐久性の向上に寄与する層であり、併せて、太陽電池モジュールとしての一体化時における他の構成部材の凹凸への追従性(以下「モールディング特性」と言う)の向上に寄与する層である。
(第1スキン層用の封止材組成物)
第1スキン層12を形成する第1スキン層用の封止材組成物は、密度0.880g/cm以上0.910g/cm未満の低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。この低密度ポリエチレン系樹脂の第1スキン層用の封止材組成物の全樹脂成分中における含有量比は80質量%以上100質量%以下であればよく、好ましくは98質量%以上100質量%以下である。そして、このベース樹脂の融点は上述の通り融点80℃以上100℃未満の範囲であることが好ましい。
第1スキン層用の封止材組成物は、後述のコア層用の封止材組成物と異なり、ポリプロピレンを実質的に含有せず、コア層用の封止材組成物のベース樹脂よりも密度が低い低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。尚、本発明における「ポリプロピレンは実質的に含有しない」とは、例えば、コア層に添加された樹脂由来のポリプロピレンが、スキン層に極微量含浸していて、これが検出されたとしても、本発明の技術思想上、「ポリプロピレンは実質的に含有しない」ものとみなすという意味である。上記の極微量とは、例えばスキン層中の含有量比で、0.1質量%未満が目安である。
第1スキン層用の封止材組成物には、シラン変性ポリエチレンが、所定の割合で含有されている。シラン変性ポリエチレンは、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、封止材層1の密着性を更に向上させることができる。
第1スキン層用の封止材組成物におけるエチレン性不飽和シラン化合物量は、第1スキン層の前記封止材組成物中における重合シラン量が、300ppm以上2000ppm以下、好ましくは、300ppm以上1500ppm以下、より好ましくは、300ppm以上1000ppm以下である。エチレン性不飽和シラン化合物の量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、例えば、エチレン性不飽和シラン化合物量が2000ppmを超えるような場合には、含量が過度となり、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。尚、封止材各層における重合シラン量は、例えば、ICP発光分析等で各層中の元素を定量することによって、樹脂成分中の存在量を特定することができる。
シラン変性ポリエチレンは、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュール用の封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造しうる。
直鎖低密度ポリエチレンとグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
[第2スキン層]
第2スキン層13は、封止材一体型裏面保護シート10を形成する際に封止材層1と裏面保護層2との密着面となる。
(第2スキン層用の封止材組成物)
第2スキン層13を形成する第2スキン層用の封止材組成物は、密度0.910g/cm以上0.950g/cm以下であって、コア層用の封止材組成物のベース樹脂と同密度の低密度ポリエチレンをベース樹脂とする。この低密度ポリエチレン系樹脂のスキン層用の封止材組成物の全樹脂成分中における含有量比は80質量%以上100質量%以下であればよく、好ましくは98質量%以上100質量%以下である。そして、このベース樹脂の融点もコア層用の封止材組成物のベース樹脂と同温度であることが好ましい。
第2スキン層用の封止材組成物は、コア層用の封止材組成物と異なり、ポリプロピレンを実質的に含有しない。又、第2スキン層用の封止材組成物は、第1スキン層用の封止材組成物と異なり、シラン変性ポリエチレンを実質的に含有しない。
(その他の成分)
コア層用の封止材組成物、第1スキン層用の封止材組成物、及び、第2スキン層用の封止材組成物には、いずれも、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、封止材層1に、耐候性を付与するための各種の耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材層1に、長期に亘る安定した機械強度の向上や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
[裏面保護層]
封止材一体型裏面保護シート10を構成する裏面保護層2は、バリア性を備える樹脂からなる単層の樹脂層として形成することができる。或いは、封止材一体型裏面保護シート10を構成する裏面保護層2は、単層の樹脂層とその他の層とが積層されて構成される、バリア性を有する多層構造の層としても形成することもできる。
裏面保護層2を形成する材料樹脂としては、従来、太陽電池モジュール用の裏面保護シートとして用いられてきた各種の樹脂を用いることができる。裏面保護層2を形成する樹脂シートとしては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂を用いることができる。これらの中でも、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の物性及び経済性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を好ましく用いることができる。尚、上記ポリエチレンテレフタレート(PET)の融点は260℃程度であり、その他のポリエステル系樹脂についても融点は220℃〜280℃程度の範囲にある。いずれも封止材層1を形成するオレフィン系樹脂よりは十分に高い融点であり、一般的な太陽電池モジュールの製造時の加熱温度(150℃以下)によっては溶融しない高融点の樹脂である。
裏面保護層2が多層構造である場合の層構成については、機械強度や水蒸気バリア性向上、及び経済性への配慮という観点から、封止材層と対向する内層側の層をPETで形成し、最外層側に露出する外層側の層22を耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート(耐加水分解性PET)で形成し、これらの各層を接着剤層を介して一体化した構成を特に好ましい層構成の具体例として挙げることができる。
裏面保護層2の厚さは、特に限定されないが、裏面保護層2に要求される水蒸気のバリア性等の物性を維持することできる範囲で、封止材一体型裏面保護シート10に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。裏面保護層2の厚さは、25μm以上300μm以下であることが好ましく、25μm以上250μm以下であることがより好ましい。裏面保護層2の厚さが25μm以上であることにより、封止材一体型裏面保護シート10に好ましい耐久性、耐候性を付与することができる。
又、上述の通り、裏面保護層2における封止材層との界面側の表面には密着性を向上するための表面処理としてコロナ処理が行われていてもよい。
[封止材一体型裏面保護シートの製造方法]
本発明の封止材一体型裏面保護シートの製造方法について説明する。封止材一体型裏面保護シート10は、裏面保護層2を形成する裏面保護シートを形成する「裏面保護シート形成工程」と、封止材層1を形成する封止材シートを形成する「封止材シート形成工程」と、裏面保護層シートに封止材シートを積層して一体化する「一体化工程」と、を経ることによって製造することができる。
(裏面保護シート形成工程)
裏面保護層シートは、上記において説明したPET等の樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜することにより形成することができる。尚、裏面保護層2は、本発明の効果を害さない範囲で、上記樹脂材料の他に顔料等のその他の添加物を含むシートからなるものであってもよい。
(封止材シート形成工程)
封止材層シートは、上述のスキン層用の封止材組成物とコア層用の封止材組成物とを、公知の共押出し法により一体成形して多層シート化することにより形成することができる。
(一体化工程)
封止材層1を構成する封止材シートと、裏面保護層2を構成する裏面保護シートと、及び必要に応じて同様の方法によって形成したその他の層を形成するシートとを適宜積層して、更に一体化することにより、本発明の封止材一体型裏面保護シート10を得ることができる。各シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。尚、この一体化工程は、押出しコートラミネート法や、その応用形態であるサンドイッチラミネート法によることもできる。
<太陽電池モジュール>
本発明の封止材一体型裏面保護シート10を用いた太陽電池モジュール100の基本構成について、図3を参照しながら説明する。太陽電池モジュール100は、非受光面側から、封止材一体型裏面保護シート10、太陽電池素子3、受光面側封止材シート4、受光面側の最外層に配置される透明前面基板5が順に積層された構成である。封止材一体型裏面保護シート10は、封止材層1が太陽電池素子3の非受光面側と対面する態様で配置される。
太陽電池モジュール100に用いる太陽電池素子3としては、例えば、アモルファスシリコン型、結晶シリコン型、CdTe型、CIS型、GaAs型、その他、特に限定なく従来公知の様々な太陽電池素子を用いることができる。
太陽電池素子3の受光面側の表面を覆って配置される受光面側封止材シート4は、上記の通り、主として太陽電池素子3を外部衝撃から保護する機能を発揮する樹脂シートである。又、受光面側封止材シート4は太陽光線を高い透過率で透過させるために透明なシートであることが求められる。この受光面側封止材シート4を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができる。
透明前面基板5は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板5は、又、太陽電池モジュール100の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
[太陽電池モジュールの製造方法]
太陽電池モジュール100は、例えば、上記の透明前面基板5、受光面側封止材シート4、太陽電池素子3、及び封止材一体型裏面保護シート10からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃〜180℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール100を製造することができる。
以上、実施形態を示して本発明を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において、適宜変更を加えて実施することができる。
以下、実施例をもって本発明を更に具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<封止材シートの製造>
下記の材料を用いて、上記(封止材シート形成工程)の欄に記載の製造方法により、実施例、比較例の封止材一体型裏面保護シートの封止材層を構成する封止材シートを作成した。
下記の材料をそれぞれ表1の組成(質量部)で混合したものを、それぞれの実施例、比較例の封止材シートのコア層用及びスキン層用の封止材組成物として使い分けた。そして、これらの封止材組成物を、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するシート成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minでシート成型し、それらをスキン/コア/スキンの3層構成の封止材シートとした。各封止材シートの総厚さと各層の厚さは、いずれの封止材シートについても、各スキン層50μm、コア層200μm、層厚さ300μmとした。
封止材シートの材料として以下の原材料を使用した。
直鎖状低密度ポリエチレン1(LLDPE、表中「PE1」と表記):密度0.898g/cm、融点90℃の樹脂を、低密度のベース樹脂として用いた。
低密度ポリエチレン2(表中「PE2」と表記):密度0.919g/cm、融点105℃の樹脂を、高密度のベース樹脂として用いた
シラン変性ポリエチレン(表中「PESi」と表記):密度0.900g/cm、MFR1.1g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部と、を混合し、200℃で溶融、混練して得た、密度0.900g/cmのシラン変性ポリエチレンを、ベース樹脂に添加する密着成分として用いた。
ポリプロピレン(PP、表中「PP」と表記):ホモポリプロピレン、密度0.900g/cm、融点155℃、MFR8.5g/10分(230℃)の樹脂を、ベース樹脂に添加する耐熱成分として用いた。
耐候安定剤:BASF株式会社製、商品名Tinuvin622SF。全ての実施例、比較例のコア層及びスキン層用の各封止材組成物に、いずれも0.2質量部添加。
酸化防止剤:チバ・ジャパン株式会社製、商品名Irganox1076。全ての実施例、比較例のコア層及びスキン層用の各封止材組成物に、いずれも0.05質量部添加。
上記実施例、比較例の各封止材シートの各層におけるポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量(質量部)については、「Siグラフト量」として、表2に示した。
<封止材一体型裏面保護シートの製造>
上記各実施例、比較例の封止材シートと、表面にコロナ処理を施したPETフィルム(帝人デュポン社製、「Melinex S」、厚さ125μm)と、を、従来公知のドライラミネート法で積層して各実施例、比較例の封止材一体型裏面保護シートを得た。但し比較例5については、上記PETフィルムにコロナ処理を行わずに積層した。
<評価例1:第1スキン層の金属密着性評価>
[金属密着性試験]
15mm幅にカットした実施例、比較例の封止材一体型裏面保護シートの封止材層を、第1スキン層を銅箔(75mm×50mm×0.035mm)上に密着させて、下記真空加熱ラミネート条件(a)〜(d)で、真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について金属密着性評価用サンプルを得た。これらの各金属密着性評価用サンプルについて、下記の測定方法により密着強度を測定して金属密着性を評価した。測定は、上記の金属密着性評価用サンプルにおいて、銅箔上に密着している封止材シートを、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行った。結果は「金属密着製」として表1に示す。評価基準は以下の通りとした。
(真空加熱ラミネート条件) (a)真空引き:6.0分
(b)加圧(0kPa〜70kPa):1.5分
(c)圧力保持(70kPa):10.0分
(d)温度165℃
(評価基準) A:15.0N/15mm以上
B:10.0N/15mm以上15.0N/15mm未満
C:10.0N/15mm未満
<評価例2:第2スキン層の接着性評価>
15mm幅にカットした実施例、比較例の封止材シートの第2スキン層を上記の裏面保護層用のPETフィルム(75mm×50mm×0.035mm)上に向けて、アクリル系接着剤によるドライラミネーションによる接着を試みた。コロナ処理を行わなかった比較例5のみが、実用に耐えるレベルでの接着が不能であった。
<評価例3:封止材層の耐久性評価>
[耐久性試験]
本発明の封止材シートの耐光性を評価するために、評価例1で用いた封止材一体型裏面保護シート各試料について、JIS C8917に準拠し、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下で「ダンプヒート試験」を行い、封止材層と裏面保護層の間に目視で視認可能な剥離が生じるまでの時間により耐久性を評価した。結果は「耐久性」として表1に示す。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準) A:2000時間経過後に剥離発生せず
B:上記剥離発生までの時間が1000時間以上2000時間未満
C:上記剥離発生までの時間が1000時間未満
<評価例4:封止材一体型裏面保護シートのカール変形抑制の評価>
[加熱変形試験]
本発明の封止材シートのカール変形抑制を評価するために、評価例1で用いた封止材一体型裏面保護シート各試料を16cm角に切り出した試験片の中央部に13cm角で対角線上に切り込みを入れ、60℃Cオーブンで24時間保管し、取り出し後の切り込み先端の高さを計測することにより封止材一体型裏面保護シートのカール変形抑制の優劣を評価した。結果は「カール抑制」として表1に示す。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準) A:切り込みの高さが27mm未満
B:切り込みの高さが27mm以上31mm未満
C:切り込みの高さが31mm以上
Figure 2018110161
表1より、本発明の封止材一体型裏面保護シートは、太陽電池モジュールの薄型化と製造コスト低減に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであって、生産性、品質安定性に優れ、太陽電池モジュールとしての一体化時に優れた密着耐久性を発揮することにより、太陽電池モジュールの長期信頼性の向上に寄与しうる封止材一体型裏面保護シートであることが分る。
1 封止材層
11 コア層
12 第1スキン層
13 第2スキン層
2、7 裏面保護層
3 太陽電池素子
4 受光面側封止材シート
5 透明前面基板
6 非受光面側封止材シート
10 封止材一体型裏面保護シート
100、100A 太陽電池モジュール

Claims (5)

  1. ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする封止材層とポリエステル系樹脂をベース樹脂とする裏面保護層とが積層されてなる、太陽電池モジュール用の封止材一体型裏面保護シートであって、
    前記封止材層は、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とするコア層と、
    前記コア層のベース樹脂よりも密度が低いポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、前記封止材一体型裏面保護シートにおける封止材層側の最表面に配置されている第1スキン層と、
    前記コア層のベース樹脂と密度が等しいポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、前記裏面保護層との界面側に配置されている第2スキン層と、を含んでなる多層構造を有し、
    前記コア層は、該コア層の全樹脂成分中に5質量%以上40質量%以下のポリプロピレンを含有し、
    前記第1スキン層は、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合したシラン変性ポリエチレンを含有し、
    前記コア層及び前記第2スキン層は、前記シラン変性ポリエチレンを含有しない、封止材一体型裏面保護シート。
  2. 前記第1スキン層の全樹脂成分中の重合シラン量が、300ppm以上2000ppm以下である、請求項1に記載の封止材一体型裏面保護シート。
  3. 前記コア層は白色顔料を含有し、前記第1スキン層及び第2スキン層は白色顔料を含まない、請求項1又は2に記載の封止材一体型裏面保護シート。
  4. 前記裏面保護層が、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解性ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている請求項1から3のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シート。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の封止材一体型裏面保護シートが、太陽電池素子の非受光面側に前記第1スキン層が対面する態様で、積層されている太陽電池モジュール。
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