JP6405847B2 - ガラス密着シート - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス密着シートに関する。本明細書において、「ガラス密着シート」とは、水蒸気バリア性等の所望のバリア性を有する樹脂シートであって、尚且つ、ガラス面との界面に配置された場合において当該ガラス面との間において優れた密着性を有する樹脂シートのことを言う。このガラス密着シートの好ましい使用用途の一例としては、太陽電池モジュールにおいて非受光面側の最外層に積層される裏面保護シートが挙げられる。
上記で例示した太陽電池モジュール用の裏面保護シートには、モジュール内への水分の侵入を防止するための高い水蒸気バリア性が求められる。そして、この裏面保護シートとして、従来、ポリエチレン系やフッ素系等の樹脂シートが用いられている。なかでも、安価で加工性に優れ、又、燃焼した際に有毒ガスが出ないことから、ポリエチレンテレフタレート(PET)シートを利用した裏面保護シートが広く用いられてきた。
従来、一般的な太陽電池モジュールにおいては、裏面保護シートは、太陽電池素子の非受光面側に配置されるエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)等からなる封止材シートと対面する位置に積層されることが一般的であった。このため、裏面保護シートには、通常、そのようなオレフィン系樹脂等との間における高い密着性が求められていた。
上記のようなオレフィン系樹脂からなる封止材シートとの密着性を高めた裏面保護シートとして、PET等からなる基材層に、封止材との間の密着性を向上させるための密着強化層として、耐加水分解性に優れ、且つ、熱融着性を示すポリプロピレン樹脂を最外層に配置した裏面保護シート(特許文献1、2参照)が開示されている。
特開平2007−150084号公報 特開平2007−19059号公報
しかしながら、近年においては、様々な層構成の太陽電池モジュールの開発と普及が進展しており、例えば、図4に示すように、CIGS系太陽電池等の薄膜系の太陽電池素子3をセルガラス2上に蒸着したタイプの太陽電池モジュール(太陽電池モジュール10)も開発されている。このようなタイプの太陽電池モジュールにおいては、裏面保護シート1が、セルガラス2のガラス面に対面する態様で積層される層構成となり、裏面保護シートとガラスとの高い密着性が求められる。
上記の通り、樹脂シートとの間における密着性を付与された保護シートは様々な種類のものが研究開発されている。しかし、図4に示す太陽電池モジュール10のような層構成のモジュールにおいて、ガラス面との間で、十分に高い密着性を有する保護シートは未だ存在せず、PET等からなる水蒸気バリア性の高い基材層を有するバリアシートであって、優れたガラス密着性をも兼ね備えた樹脂シートの開発が待たれているというのが現状である。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、水蒸気バリア性に優れ、尚且つ、ガラス面との間においても高い密着性を有する、ガラス密着シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、樹脂シートの基材層上に、シラン変性樹脂を含んでなるポリエチレン系樹脂からなる密着スキン層を形成し、更に、その密着スキン層を形成するポリエチレン系樹脂の複素粘度を最適化することにより、水蒸気バリア性とガラス密着性を兼ね備えた樹脂シートを得られることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 基材層と、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする密着スキン層組成物からなる密着スキン層と、を含んでなる多層シートであって、前記密着スキン層組成物は、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合したシラン変性ポリエチレン系樹脂を含んでなり、前記密着スキン層は、140℃における複素粘度が、1.0E+4Pa・S以上5.0E+6Pa・S以下である、ガラス密着シート。
(2) 前記密着スキン層組成物中のポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量が、0.1質量部以上1.0質量部以下である(1)に記載のガラス密着シート。
(3) 前記密着スキン層と前記基材層との間に、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする密着コア層組成物からなる密着コア層が積層されていて、前記密着スキン層と前記密着コア層の積層体である密着強化層の140℃における複素粘度が、5.0E+5Pa・S以上1.0E+8Pa・S以下である、(1)又は(2)に記載のガラス密着シート。
(4) 前記密着コア層が、有色の無機フィラーを含有する(1)から(3)のいずれかに記載のガラス密着シート。
(5) 前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている(1)から(4)のいずれかに記載のガラス密着シート。
(6) (1)から(5)のいずれかに記載のガラス密着シートが、前記密着スキン層とガラス面とが対面する態様で積層されている太陽電池モジュール。
本発明によれば、水蒸気バリア性とガラス密着性を兼ね備えるガラス密着シートを提供することができる。又、このガラス密着シートは、例えば、CIGS系太陽電池等を搭載した太陽電池モジュールにおいて、ガラス面と対面する位置に積層する裏面保護シートとして用いることにより、水蒸気バリア性や耐久性に優れた太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明のガラス密着シートの層構成の一例を示す断面の模式図である。 本発明のガラス密着シートにおける密着強化層の層構成の一例を示す断面の部分拡大模式図である。 本発明のガラス密着シートにおける密着強化層の層構成の他の一例を示す断面の部分拡大模式図である。 本発明のガラス密着シートを用いた太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面の模式図である。
以下、本発明のガラス密着シート、及び、それを裏面保護シートとして用いた太陽電池モジュールの詳細について説明する。本発明は以下に記載される実施形態に限定されるものではない。
<太陽電池モジュールの基本構成>
先ず、本発明のガラス密着シートを好適に用いることができる太陽電池モジュール10の基本構成について図4を用いて説明する。図4に示すように、太陽電池モジュール10は、非受光面側から、本発明のガラス密着シート1、セルガラス2、セルガラス2の表面に形成された薄膜系の太陽電池素子3、太陽電池素子3を覆って配置された受光面側封止材シート4、受光面側の最外層に配置された透明前面基板5が順に積層された構成である。
ガラス密着シート1は、ガラス面との密着性に特に優れるものである。よって、図4に示すように、ガラス面と対面する位置に裏面側の保護シートが配置される構成の太陽電池モジュール10において、そのような裏面保護シートとして、特に好ましく用いることができる。高い水蒸気バリア性とガラス面との高い密着性を備える本発明のガラス密着シートの詳細については別途後述する。
図4の太陽電池モジュール10に用いられている太陽電池素子3は、CIGS系の太陽電池素子である。この太陽電池素子3は、通常、セルガラス2の表面に蒸着されて太陽電池モジュールに搭載される。従来の一般的な結晶シリコン系の太陽電池素子を搭載した太陽電池モジュールの場合には、当該太陽電池素子を挟んでその両側にオレフィン系樹脂等からなる封止材シートが積層される構成が一般的であった。しかし、太陽電池モジュール10のような層構成のモジュールにおいては、太陽電池素子3の非受光面側にはセルガラス2が配置されている。この構成のモジュールの場合には、上記の従来構造のモジュールと異なり、層構成を極力簡易化し、経済性及び水分の進入経路を減らして水蒸気バリア性を最大化させる観点から、太陽電池素子の非受光面側には封止材シートを配せず、太陽電池モジュールの水蒸気バリア性を担保する裏面保護シートが、セルガラス3の裏面側に直接積層される層構成とすることが好ましい。本発明のガラス密着シート1は、このような層構成の太陽電池モジュール10において、裏面側の保護シートとして、極めて好ましく用いることができるものである。
受光面側封止材シート4は、太陽電池モジュール10内において、主には太陽電池素子3を外部衝撃から保護するために太陽電池素子3の表面を覆って配置される樹脂シートである。受光面側封止材シート4を形成する樹脂基材としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)、アイオノマー、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂を適宜用いることができる。
透明前面基板5は、一般にガラス製の基板である。透明前面基板5は、又、太陽電池モジュール10の耐候性、耐衝撃性、耐久性を維持しつつ、且つ、太陽光線を高い透過率で透過させるものであればその他の部材であってもよい。
<ガラス密着シート>
図1に示す通り、ガラス密着シート1は、基材層11上に、密着スキン層122が積層されている多層構造の樹脂シートである。図2に示すように、密着スキン層122は、密着コア層121を介して基材層11に積層されていることが好ましい。本明細書においては、以下、密着コア層121と密着スキン層122とを合わせてなる図2の多層構造の部分12Aのことを密着強化層とも言う。
密着強化層は、例えば、図2に示す密着強化層12Aのように、密着コア層121における一方の面に密着スキン層122が積層される層構成であってもよい。図2は、このような層構成を有する密着強化層12Aを有するガラス密着シート1Aの層構成を模式的に示す断面図である。
或いは、密着強化層は、例えば、図3に示す密着強化層12Bのように、密着コア層121の両面に密着スキン層122が積層される層構成であってもよい。図3は、このような層構成を有する密着強化層12Bを有するガラス密着シート1Bの層構成を模式的に示す断面図である。
又、本発明のガラス密着シートにおいて、密着コア層121は必ずしも必須の構成用件ではない。密着スキン層122が、密着コア層121を介さずに、直接、基材層11上に積層されている層構成(図1)であってもよい。
本発明のガラス密着シートにおける、基材層11と、密着強化層12との一体化は、接着剤層(図示せず)を介して行われるドライラミネート法によることが好ましい。但し、所望の密着性や耐久性を保持できる手段であれば、従来公知の他の手段による一体化であってもよい。例えば、基材層11の表面上に押し出し機で密着強化層となる樹脂組成物を直接押し出して密着強化層を形成する押出しコートラミネート法や、その応用形態であるサンドイッチラミネート法によっても基材層11と、密着強化層12とを一体化してガラス密着シート1を製造することができる。
ガラス密着シート1の厚さは、特に限定されないが、10μm〜500μmの範囲が一般的な例として挙げられる。
[基材層]
基材層11は、ガラス密着シート1の基材として配置される樹脂層である。基材層11の材料としては、下記の樹脂材料をシート状に成型したものを用いることができる。例えば、ポリエチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを、基材層11の材料として用いることができる。これらの中でも、絶縁性能、機械強度、コスト、透明性等の物性及び経済性の観点からポリエチレンテレフタレート(PET)を、基材層11の材料として好ましく用いることができる。又、機械強度や水蒸気バリア性向上の更なる向上の観点から、上記PETの他に更に耐加水分解性PETを最外層に積層した多層シートを、基材層11の材料として、特に好ましく用いることができる。
基材層11の厚さは、特に限定されない。上記の通り一般に10〜500μmの範囲にあるガラス密着シート1の総厚さを考慮して適宜決定すればよい。基材層11の厚さもこれに合わせて、38〜250μmであることが好ましい。基材層11の厚さが38μm以上であることにより、ガラス密着シート1に好ましい耐久性、耐候性を付与することができ、基材層11の厚さが250μm以下であることにより、ラミネート加工時のシート搬送適性を付与することができる。
尚、基材層11は、更に密着スキン層122の形成面とは反対側の面に、耐候層(図示せず)を更に積層したものも好ましく用いることができる。耐候層は、耐候性、耐熱性、耐光性等に優れたものを使用する。耐候層を形成する基材としては、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニル・エステル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(四フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のフッ素系樹脂等の樹脂シート、或いは、アルミニウムシート等が好ましく例示される。又、耐候層は、フッ素コート、シリカ蒸着等による表面加工、或いは、電離放射線硬化性樹脂の形成又は積層によって基材層表面に耐候性コーティング層を形成したものであってもよい。更に、上記の耐候性を有する樹脂シート等を所定の厚さや加工によって必要な強度をもたせるようにしたものを、基材層として用いることもできる。
[密着スキン層]
密着スキン層122は、ガラス密着シート1の一方の最外層に配置される層である。又、密着スキン層122は、太陽電池モジュール10において、セルガラス2との密着面となり、ガラス密着シート1とセルガラス2との密着性を向上させる機能を発揮する層である。又、上述の通り、密着スキン層122は、基材層11の表面に直接積層されていてもよいし、或いは、密着コア層121のいずれか一の面若しくは両面に密着スキン層122が形成されている多層構造の密着強化層12として基材層11の表面に積層されていてもよい。
密着スキン層122の厚さは、ガラス密着シート1に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、単層の密着スキン層122が基材層11に積層される層構成の場合、密着スキン層122の好ましい厚さとしては、3μm以上150μm以下が挙げられる。密着スキン層122の厚さが3μm以上であることにより、ガラス密着シート1にセルガラス2背面封止材層5との間の十分な密着性を付与することができる。又、例えば、密着スキン層122が密着コア層121の両面に積層されて三層構造の密着強化層12を構成する場合においては、密着コア層121と密着スキン層122とを合わせた密着強化層12の総厚さは、30μm以上250μm以下の範囲であることが好ましく、それらの厚さ比は、スキン:コア:スキンの厚さ比が、1:3:1〜1:30:1の範囲であることが好ましい。
ガラス密着シート1は、バリア性に優れる基材層11に複素粘度を所定の範囲に調整した密着スキン層122を積層することにより、優れたバリア性とガラス密着性を兼ね備えるものとしたことを特徴とする。
密着スキン層122の複素粘度は、140℃における複素粘度が、1.0E+4Pa・S以上5.0E+6Pa・S以下であり、好ましくは、1.0E+4Pa・S以上1.0E+6Pa・S以下、より好ましくは5.0E+4Pa・S以上5.0E+5Pa・S以下である。140℃以上における複素粘度を、1.0E+4Pa・S以上とすることにより、熱ラミネート処理等の加熱加工工程時における膜圧変化等が抑制され、同複素粘度を5.0E+6Pa・S以下とすることにより、ガラス密着性を十分に高いものとすることができる。
ここで、複素粘度(Pa・s)とは、回転型レオメーター(Anton Paar製 MCR301)を用いて、パラレルプレートジオメトリー(直径8mm)、応力0.5N、歪み5%、角速度0.1(1/s)、昇温速度5℃/minの条件において測定し、これを複素粘度としたものである。
又、密着スキン層122のMFRは、190℃、荷重2.16kg、において1.0g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、3g/10分以上20g/10分以下であることが更に好ましい。MFRが1g/10分以上であることにより、ガラス密着シート1を密着性に優れた樹脂シートとすることができる。又、MFRが30g/10分以下であることにより、加熱時におけるガラス密着シート1の不要な膜厚変化を抑制して品質安定性を向上させることができる。
尚、本明細書中におけるMFRとは、特に断りのない限り、全て以下の方法により得られた値である。
MFR(g/10min):JIS K7210に準拠して測定。具体的には、ヒーターで加熱された円筒容器内で合成樹脂を、190℃で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した。試験機械は押出し形プラストメータを用い、押出し荷重については2.16kgとした。
(密着スキン層組成物)
密着スキン層122は、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする密着スキン層組成物からなる。この密着スキン層組成物は、シラン変性ポリエチレンが所定の割合で含有されている。ここで、シラン変性ポリエチレンとは、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物がグラフト重合してなる樹脂である。又、密着スキン層組成物のベース樹脂であるポリエチレン系樹脂は、融点100℃未満の低密度ポリエチレン樹脂と融点125℃以上の高密度ポリエチレン樹脂とが、本発明独自の所定の割合で含有されている混合樹脂である。
密着スキン層122を形成する密着スキン層組成物は、全樹脂成分中の含有量比において、相対的に密度の低い、融点100℃未満の低密度ポリエチレン樹脂を25質量%以上65質量%以下、好ましくは40質量%以上60質量%以下含有する。そして、同含有量比において、相対的に密度の高い、融点125℃以上の高密度ポリエチレン樹脂を、30質量%以上80質量%以下、好ましくは40質量%以上70質量%以下含有する。以下、上記の融点100℃未満の低密度ポリエチレン樹脂のことを「密着成分」又、上記の融点125℃以上の高密度ポリエチレン樹脂のことを「耐熱成分」とも言う。即ち、密着スキン層122は、密着成分と耐熱成分を上記の所定割合でそれぞれ含有してなる密着スキン層組成物からなる密着性強化層である。
密着スキン層組成物の密着成分としては、融点100℃未満の低密度ポリエチレン(LDPE)を用いることができる。又、より好ましくは、エチレンとα−オレフィンとの共重合体であり、融点が上記範囲にある直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)を用いることができる。密着成分の種類、融点、及び含有量比を上述した組成範囲とすることにより、密着スキン層122を有するガラス密着シート1に、好ましい柔軟性を付与することができる。尚、又、密着スキン層組成物の密着成分として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、好ましくは、0.920g/cm以下、より好ましくは0.880g/cm以上0.910g/cm以下である。
密着成分として用いるポリエチレン系樹脂としては、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M−LLDPE)が更に好ましい。M−LLDPEは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが比較的容易に可能である。又、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、シート状に加工した際の加工適性や柔軟性にも優れる。
LLDPEのα−オレフィンとしては、好ましくは分枝を有しないα−オレフィンが好ましく使用され、これらの中でも、炭素数が6〜8のα−オレフィンである1−ヘキセン、1−ヘプテン又は1−オクテンが特に好ましく使用される。α−オレフィンの炭素数が6以上8以下であることにより、密着スキン層122に良好な柔軟性を付与することができるとともに良好な強度を付与することができる。その結果、密着スキン層122とガラス面等、その他の基材との間の密着性が高まり、密着スキン層122とその他の基材との間への水分の浸入をより確実に防ぐことができる。
密着成分として用いる低密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において0.5g/10分以上30g/10分以下であることが好ましく、1g/10分以上20g/10分以下であることが更に好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れた樹脂組成物とすることができる。
尚、本明細書中におけるMFRとは、特に断りのない限り、全て以下の方法により得られた値である。
MFR(g/10min):JIS K7210に準拠して測定。具体的には、ヒーターで加熱された円筒容器内で合成樹脂を、190℃で加熱・加圧し、容器底部に設けられた開口部(ノズル)から10分間あたりに押出された樹脂量を測定した。試験機械は押出し形プラストメータを用い、押出し荷重については2.16kgとした。
密着スキン層組成物の耐熱成分としては、融点125℃以上170℃以下の高密度ポリエチレン(HDPE)を用いることができる。耐熱成分として、上記融点範囲にあるHDPEを、上述した通りの配合比で密着スキン層組成物に含有させることにより、上記の密着成分の含有に由来する密着スキン層122の柔軟性を保持したまま、必要な耐熱性を密着スキン層122に備えさせることができる。尚、又、密着スキン層組成物の耐熱成分として用いるポリエチレン系樹脂の密度は、好ましくは、0.930g/cm以上0.990g/cm、より好ましくは0.935g/cm以上0.970g/cm以下である。又、耐熱成分を、密着成分と同様のポリエチレン系樹脂とすることにより、両樹脂間の高い相溶性により、良好な成形性・分散性を得ることができる。
耐熱成分として用いる高密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)は、190℃、荷重2.16kg、において0.1g/10分以上40g/10分以下であることが好ましく、3.0g/10分以上15g/10分以下であることが更に好ましい。耐熱成分のMFRが上記範囲であることにより、製膜時の加工適性に優れるとともに、密着スキン層122を有するガラス密着シート1に、優れた耐熱性及びそれに基づく優れた耐久性を付与することができる。又、ガラス密着シート1に十分な耐熱性を付与することによって、作業工程において枚葉状態とした場合等に問題となり易いガラス密着シートのカール変形の発生を抑制することができる。
密着スキン層122を形成する密着スキン層組成物のベース樹脂であるポリエチレン系樹脂は、更に、α−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン変性ポリエチレン樹脂を一定量範囲で含有する。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、ガラス密着シート1のガラス密着性を更に向上させることができる。
エチレン性不飽和シラン化合物の含量であるグラフト量は、密着スキン層を形成するポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量が、例えば、0.001質量部以上15質量部以下、好ましくは、0.05質量部2質量部以下、より好ましくは、0.1質量部以上1.0質量部以下となるように適宜調整すればよい。エチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
シラン変性ポリエチレン系樹脂は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されている方法で製造でき、当該樹脂を太陽電池モジュール用の封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造しうる。
直鎖低密度ポリエチレンとグラフト重合させるエチレン性不飽和シラン化合物として、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリカルボキシシランより選択される1種以上を使用することができる。
密着スキン層122の厚さは、ガラス密着シート1に要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、密着スキン層122の厚さとして、1μm以上40μm以下があげられ、特に限定されない。密着スキン層122の厚さが1μm以上であることにより、ガラス密着シート1にセルガラス2との十分な密着性を付与することができ、密着スキン層122の厚さが40μm以下であることにより、ラミネート加工時のシート搬送適性を付与することができる。密着コア層121と密着スキン層122層との厚さ比は、例えば50:1〜3:1の範囲で適宜設定できる。なお、密着スキン層122は酸化チタン等の有色顔料を含有せずに基本的に透明である。
[密着コア層]
密着コア層121は、密着スキン層122と積層されて多層の密着強化層12を形成する場合において、密着強化層12に耐熱性や適度な剛性を付与するために配置される層である。密着コア層121は、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする密着コア層組成物からなる。
密着コア層121が密着スキン層122と積層されて多層の密着強化層12を形成する場合、密着強化層12の複素粘度は、140℃における複素粘度が、5.0E+5Pa・S以上1.0E+8Pa・S以下であり、好ましくは、1.0E+6Pa・S以上1.0E+8Pa・S以下、より好ましくは、5.0E+6Pa・S以上1.0E+8Pa・S以下である。140℃以上における複素粘度を、上記範囲とすることにより、上述した通りの好ましい加工適性とガラス密着性をガラス密着シート1に付与することができる。
(密着コア層組成物)
密着コア層121を形成する密着コア層組成物は、全樹脂成分中の含有量比において、相対的に密度の高い耐熱成分、即ち、融点125℃以上の高密度ポリエチレン樹脂を、50質量%以上95質量%以下含有するものであることが好ましく、より好ましくは70質量%以上90質量%以下含有する。又、密着コア層組成物は、相対的に密度の低い密着成分、即ち、融点100℃未満の低密度ポリエチレン樹脂は含有しないことが好ましい。密着コア層組成物が上記密着成分を含有する場合であっても、上記含有量比における含有量が30質量%以下であることで、十分な耐熱性を保持することができる。が好ましい。密着コア層121は、所定含有量比以上の耐熱成分を含有してなる密着コア層組成物からなる場合にガラス密着シートにより好ましい耐熱性を付与する耐熱性強化層である。
密着コア層121には、無機フィラーを含有させることができる。これにより、密着コア層121の剛性が高まり、ガラス密着シート1の好ましくないカール変形の発生を抑制することができる。そのような無機フィラーとしては、タルク(含水珪酸マグネシウム)、又は、酸化チタン、その他として、炭酸カルシウム、カーボンブラック、チタンブラック、Cu−Mn系複合酸化物、Cu−Cr−Mn系複合酸化物、或いは、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ケイ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、チタンイエロー、クロムグリーン、群青、アルミニウム粉、雲母、炭酸バリウム等を用いることができる。密着コア層121を形成する密着コア層組成物中の無機フィラーの含有は必須ではなく、その含有量は、0質量%以上30質量%以下の範囲であればよい。
尚、裏面保護シートが有色の外観を有するものであることが求められる場合には、上記の無機フィラーの中でも、耐候性に優れ、塗料化が容易であること及び価格を含め入手が安易であることから、白色顔料としては、酸化チタン等を、黒色顔料としては、カーボンブラック等を更に含むものとしてもよい。これらの有色顔料が含まれることにより、太陽光線の再反射による発電効率の向上や、或いは意匠面での要請に応えることができる点において好ましい。
密着コア層121を設ける場合、その厚さは、一例として、40μm〜160μmが挙げられ、特に限定されない。密着コア層121の厚さが40μm以上であることにより、ガラス密着シート1に、良好な寸法安定性を付与することがでる。又、密着コア層121の厚さが160μm以下であることにより、ガラス密着シート1に、ラミネート加工時のシート搬送適性を付与することができる。
(その他の成分)
密着スキン層組成物及び密着コア層組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、ガラス密着シート1に、耐候性を付与するための各種の耐候性マスターバッチ、各種フィラー、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の成分が例示される。これらの含有量は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001質量%以上5質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、ガラス密着シート1に、長期に亘る安定した機械強度の向上や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
<ガラス密着シートの製造方法>
本発明のガラス密着シートの製造方法について説明する。ガラス密着シート1は、基材層11を構成する基材層用樹脂シートを形成する「基材層用樹脂シート形成工程」と、少なくとも密着スキン層122を含んでなる密着強化層12を構成する密着強化層用樹脂シートを形成する「密着強化層用樹脂シート形成工程」と、基材層用樹脂シートに密着層用樹脂シートを積層して一体化する「シート一体化工程」と、を経ることによって製造することができる。
(基材層用樹脂シート形成工程)
基材層11を形成する基材層用樹脂シートは、上記において説明したPET等の樹脂材料を、押し出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法、その他の成膜化法等により成膜することにより形成することができる。尚、基材層用樹脂シートは、本発明の効果を害さない範囲で、上記樹脂材料の他に顔料等のその他の添加物を含むものであってもよい。
(密着強化層用樹脂層シート形成工程)
密着強化層12を形成する密着強化層用樹脂層シートは、単層の密着スキン層122を密着強化層とする場合には、上記の密着スキン層組成物を公知の押出し法によりシート化することにより得ることができる。又、密着強化層を密着コア層121と密着スキン層122とからなる多層構成とする場合には、上記の密着スキン層組成物と密着コア層組成物とを、公知の共押出し法により一体成形して多層シート化することにより得ることができる。
(シート一体化工程)
基材層11を形成する基材層用樹脂シートと、密着スキン層122又は、多層の密着強化層12を形成する密着強化層用シートと、及び必要に応じて同様の方法によって形成したその他の層を形成するシートとを適宜積層して、更に一体化することにより、本発明のガラス密着シート1を得ることができる。各シートの一体化は従来公知のドライラミネート法によることができる。ラミネート接着剤は従来公知のものが利用でき特に限定されず、ウレタン系、エポキシ系等の主剤と硬化剤とからなる2液硬化型のドライラミネート接着剤等が適宜使用可能である。尚、上述の通り、シート一体化工程は、押出しコートラミネート法や、その応用形態であるサンドイッチラミネート法によることもできる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
太陽電池モジュール10は、例えば、ガラス密着シート1、薄膜系の太陽電池素子3を搭載したセルガラス2、受光面側封止材シート4、及び透明前面基板5からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。例えば真空熱ラミネート加工による場合、ラミネート温度は、130℃〜180℃の範囲内とすることが好ましい。又、ラミネート時間は、5〜20分の範囲内が好ましく、特に8〜15分の範囲内が好ましい。このようにして、上記各層を一体成形体として加熱圧着成形して、太陽電池モジュール10を製造することができる。
以下、実施例、比較例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<ガラス密着シートの製造>
上記記載の「ガラス密着シートの製造方法」に準じて、実施例、比較例のガラス密着シートを作成した。
[密着スキン層用シート]
下記表1の組成(表1中の融点以外の数値の単位は、全て、質量部)の樹脂組成物を混合し密着スキン層用のブレンドとして用いた。上記ブレンドをφ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するシート成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minで、密着スキン層を構成するための総厚さ60μmの単層の密着スキン層用シートを作製した。(実施例1、比較例1〜6)。
[密着強化層用シート]
下記表2の組成の2種類の樹脂組成物を混合し、それぞれ表1に記載の通りに密着コア層用のブレンドとして使い分けた。そして、この密着コア層用のブレンドと、表1の組成の密着スキン層用のブレンドとを、φ30mm押出し機、200mm幅のTダイスを有するシート成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/minでシート成型し、それらを積層して、3層の密着強化層用シートを作製した。この密着強化層用シートの厚さは、総厚さを60μmとし、密着スキン層:密着コア層:密着スキン層の厚さの比を1:4:1とした。(実施例2〜5、比較例7〜10)。
ガラス密着シートの材料とする密着スキン層用シート等の各樹脂シートを形成する樹脂組成物原料としては、以下の原料を使用した。
高密度ポリエチレン(HDPE、表中「HD」と表記):密度0.963g/cm、融点135℃。MFRが7.0g/10分。
低密度ポリエチレン(LDPE、表中「LD」と表記):密度0.918g/cm、融点106℃。MFRが2.3g/10分。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、表中「LLD」と表記):密度0.905g/cm、融点97℃。MFR3.5g/10分。
シラン変性ポリエチレン系樹脂(表中「Si」と表記):密度0.900g/cm、MFR1.2g/10分のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部と、を混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.903g/cm、MFR1.0g/10分であるシラン変性透明樹脂を得た。
白色顔料マスターバッチ(表中で「白MB」と表記):平均粒径0.3μmの酸化チタンを、上記の高密度ポリエチレン(HDPE)40質量部に対し、60質量部を混合し、200℃で溶融、混練し、ペレット状に成形したものを用いた。
耐候性マスターバッチ(表中で「耐候MB」と表記):上記の高密度ポリエチレン(HDPE)を粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット状に成形したものを用いた。
上記各実施例、比較例の密着スキン層用シート等の各樹脂シートを、PETフィルム(帝人デュポン社製、「Melinex S」、厚さ100μm)と、を、従来公知のドライラミネート法で積層して各実施例、比較例のガラス密着シートを得た。
Figure 0006405847
Figure 0006405847
上記実施例、比較例の各ガラス密着シートについて、複素粘度とMFRを測定し、更に、ガラス密着性と、ハンドリング性についても測定して評価した。結果を表3に示す。
又、上記実施例、比較例の各ガラス密着シートの密着スキン層に含まれるポリエチレン系樹脂について、全樹脂成分中の、融点100℃未満の低密度ポリエチレンの含有量(質量%)と、融点125℃以上の高密度ポリエチレンの含有量(質量%)と、を算出した。各値はそれぞれ、融点100℃未満の低密度ポリエチレンについては、「密着成分」として、又、融点125℃以上の高密度ポリエチレンについては、「耐熱成分」として、表3に示した。
又、上記実施例、比較例の各ガラス密着シートの密着スキン層におけるポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量については、「Siグラフト」として、表3に示した。
<複素粘度>
実施例、比較例のガラス密着シートについて、下記の方法により、各シートの密着スキン層(実施例1〜3、比較例1〜6)、又は密着強化層(実施例4〜6、比較例7〜9)について、140℃の複素粘度を測定した。各シートについて、結果を表3に示す。ただし、実施例2と3については、特に試験用に、各密着スキン層用のブレンドから厚さ10μmの単層のシートを押出し成形したものを試験用シートとした。
[複素粘度の試験方法]
複素粘度は、回転型レオメーター(Anton Paar製 MCR301)を用いて、パラレルプレートジオメトリー(直径8mm)、応力0.5N、歪み5%、角速度0.1(1/s)、昇温速度5℃/minの条件にて測定した。
(評価基準)
尚、140℃における複素粘度の値を下記の評価基準に基づいてA〜Cの3段階で評価した。
実施例1〜3、比較例1〜6については、以下の評価基準を用いた。
A:140℃における複素粘度が、1.0E+4Pa・S以上1.0E+6Pa・S未満。
B:140℃における複素粘度が、1.0E+6Pa・S以上5.0E+6Pa・S未満。
C:140℃における複素粘度が、1.0E+4Pa・S未満、又は、同複素粘度が、5.0E+6Pa・S以上。
実施例〜6、比較例7〜9比較例1〜6については、以下の評価基準を用いた。
A:140℃における複素粘度が、5.0E+5Pa・S以上1.0E+8Pa・S以下。
B:140℃における複素粘度が、5.0E+5Pa・S未満、又は、同複素粘度が、1.0E+8Pa・Sより大きい。
<MFR>
実施例、比較例のガラス密着シートについて、上述の方法により、複素粘度の試験と同様にして得た各シートの密着スキン層(実施例1〜3、比較例1〜6)、について、MFRを測定した。各シートについて、結果を表3に示す。ただし、実施例2と3については、複素粘度の試験と同様に試験用に各密着スキン層用のブレンドから単層のシートを成形したものを試験用シートとした。
A:MFRが、3.0g/10分以上20g/10分以下。
B:MFRが、上記Aの範囲外であり、且つ、1.0g/10分以上30g/10分以下。
C:MFRが、1.0g/10分未満、又は、30g/10分よりも大きい。
<ガラス密着性評価>
15mm幅にカットした実施例、比較例の各ガラス密着シートを、それぞれガラス基板(青板ガラス JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)上に密着させて、下記ラミネート条件で、真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について評価用積層体試料を得た。これらの評価用積層体試料について、下記の「ガラス密着強度試験方法」により、ガラス密着強度を測定して密着性を評価した。
(ラミネート条件) 真空引き:5.0分
加圧(0kPa〜100kPa):1.0分
圧力保持(100kPa):10.0分
温度150℃
[ガラス密着強度試験方法]
上記太陽電池モジュール評価用サンプルにおいて、ガラス基板上に密着しているガラス密着シートを、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF−1150−H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行いガラス密着強度を測定した。それぞれの実施例及び比較例について測定結果を、以下の評価基準により評価した。評価結果を表3に「ガラス密着」として示す。
A:40N/15mm以上
B:25N/15mm以上40N/15mm未満
C:25N/15mm未満
<ハンドリング性評価>
実施例、比較例のガラス密着シートについて、以下の方法で、カール変形の発生の程度を測定し、ハンドリング性について評価した。結果を表3に示す。
[カール変形測定試験方法]
上記のガラス密着シートを16cm角に切出し、試料中央の13cm角部分の対角線上に切込みを入れる。サンプルを60℃で24時間静置後、室温で1時間静置した後、切込み先端の高さを測定し、カール変形を評価した。
[評価基準]
A:27mm未満のものを特に好ましいものとして評価した。
B:27mm以上31mm未満のものを好ましいものとして評価した。
C:31mm以上のものを好ましくないものとして評価した。
Figure 0006405847
表1〜表3から、密着スキン層の複素粘度を最適化した本発明のガラス密着シートは、例えば、太陽電池モジュール用の保護シートに適する良好な柔軟性と、ガラス密着性、及び、十分な耐熱性に基づくバリアシートとしての加工適性(ハンドリング性)と、を兼ね備えるものであることが分かる。
1 ガラス密着シート
11 基材層
12 密着強化層
121 密着コア層
122 密着スキン層
2 セルガラス
3 太陽電池素子
4 受光面側封止材シート
5 透明前面基板
10 太陽電池モジュール

Claims (6)

  1. 基材層と、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする密着スキン層組成物からなる密着スキン層と、を含んでなる多層シートであって、
    前記密着スキン層組成物は、低密度ポリエチレンにエチレン性不飽和シラン化合物をグラフト重合したシラン変性ポリエチレン系樹脂を含んでなり、
    前記密着スキン層は、140℃における複素粘度が、1.0E+4Pa・S以上5.0E+6Pa・S以下である、ガラス密着シート。
  2. 前記密着スキン層組成物中のポリエチレン系樹脂100質量部に対する前記エチレン性不飽和シラン化合物のグラフト量が、0.1質量部以上1.0質量部以下である請求項1に記載のガラス密着シート。
  3. 前記密着スキン層と前記基材層との間に、ポリエチレン系樹脂をベース樹脂とする密着コア層組成物からなる密着コア層が積層されていて、
    前記密着スキン層と前記密着コア層の積層体である密着強化層の140℃における複素粘度が、5.0E+5Pa・S以上1.0E+8Pa・S以下である、請求項1又は2に記載のガラス密着シート。
  4. 前記密着コア層が、有色の無機フィラーを含有する請求項1から3のいずれかに記載のガラス密着シート。
  5. 前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート層及び/又は耐加水分解ポリエチレンテレフタレート層を含んで構成されている請求項1から4のいずれかに記載のガラス密着シート。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のガラス密着シートが、前記密着スキン層とガラス面とが対面する態様で積層されている太陽電池モジュール。
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