JP2006210389A - 太陽電池モジュール用充填材層および太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用充填材層および太陽電池モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、太陽電池素子との接着性に優れ、太陽電池モジュールとした場合における水分の浸入を防止することができ、背面保護シートを用いない太陽電池モジュールを得ることが可能である安価な太陽電池モジュール用充填材層を提供することを主目的とする。
【解決手段】 本発明は、太陽電池素子の裏側に配置される太陽電池モジュール用充填材層であって、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとを重合させてなるシラン変性樹脂を含有し、太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量が、反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする太陽電池モジュール用充填材層を提供することにより上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池素子の裏側に配置され、シラン変性樹脂が偏在した太陽電池モジュール用充填材層、および、これを用いた太陽電池モジュールに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目され、現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。
一般に、上記の太陽電池モジュールは、例えば、透明前面基板、充填材層、光起電力素子としての太陽電池素子、充填材層、および背面保護シート等の順に積層し、次いで、これらを真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等を利用して製造される。
現在、太陽電池モジュール裏側の太陽電池モジュール用充填材層を構成する材料としては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、厚さ100μm〜1500μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が、最も一般的なものとして使用されている。
しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる充填材層は、太陽電池素子
との接着強度が必ずしも十分ではなく、長時間使用により剥離を生じる等の問題があった。
このような問題に対して、充填材層の材料である樹脂に接着性を付与する方法として、樹脂にシラン化合物を重合させる方法が行われている。例えば、加熱圧着時に充填材層の材料である樹脂に架橋反応を生起させて材料自体の強度、および耐熱性や耐久性等を付与すべく、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂にシランカップリング剤および有機過酸化物を添加した樹脂シートを用いる方法(特許文献1)等が提案されている。しかしながら、上記方法は、有機過酸化物を含有させていることから、シート成形時において有機過酸化物が分解して樹脂の架橋反応を惹起し、シート成形が困難となったり、積層時の加工性が低下したり、あるいは、積層時に有機過酸化物由来の分解生成物が接着界面に残存して接着阻害を引き起こす等の欠点を有している。また、シラン化合物はコストが高いという問題もあり、依然として更なる改良が求められていた。
また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる充填材層は、水蒸気透過性が高く、湿度の高い環境下で用いた場合等においては、水分が太陽電池素子に到達してしまい、太陽電池素子や電極等に悪影響を与え、劣化、発電効率の低下等を引き起こすという問題が生じる可能性があった。
このような問題を解決するために、別途水蒸気バリアー層を背面保護シート上に形成する技術が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この技術では、水蒸気バリアー層を形成するための工程が必要となり、太陽電池モジュールを形成する際に手間がかかり、製造コスト面で問題となる場合があった。また、このように背面保護シートは、太陽電池モジュールの機械強度を高める機能の他に、水蒸気透過性の高い上記充填材層の欠点を補う機能を有している。そのため、太陽電池モジュールの必須の構成要素となり、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールが望まれる場合に、その製造を行うことが困難であるという問題があった。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂からなる充填材層を使用して太陽電池モジュールを製造する場合、その加熱圧着等の条件により、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が熱分解等を起こし、酢酸ガス等を発生し、これらが、作業環境等を悪化させるばかりではなく、太陽電池素子や電極等に悪影響を与え、劣化、発電効率の低下等を引き起こすという問題があった。
特公昭62−14111号公報 特開平6−61518号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、太陽電池素子との接着性に優れ、太陽電池モジュールとした場合における水分の浸入を防止することができ、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールを得ることが可能である安価な太陽電池モジュール用充填材層を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、太陽電池素子の裏側に配置される太陽電池モジュール用充填材層であって、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとを重合させてなるシラン変性樹脂を含有し、太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量が、反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする太陽電池モジュール用充填材層を提供する。
本発明によれば、上記シラン変性樹脂を有しているため、太陽電池素子との密着性に優れ、かつ主鎖がポリエチレンからなるものであることから有害なガスを発生させず、作業環境を悪化させないという利点を有する。また、上記シラン変性樹脂は、耐水蒸気透過性に優れることから、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールの作製が可能になる。さらに、太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量を、反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量よりも多くすることにより、太陽電池素子側表面の密着性および耐水蒸気透過性を維持しつつも、高価なシラン変性樹脂の使用量を減らすことができるという利点を有する。
また、上記発明においては、上記反対側表面に、上記シラン変性樹脂が実質的に存在しないことが好ましい。充填材層全体として密着性および耐水蒸気透過性を維持しつつも、高価なシラン変性樹脂の使用量を減らすことができるからである。
また、上記発明においては、上記太陽電池モジュール用充填材層が、さらに添加用ポリエチレンを含有することが好ましい。上記シラン変性樹脂はコストが高いため、太陽電池モジュール用充填材層が添加用ポリエチレンを含有することが好ましいのである。
また、上記発明においては、上記太陽電池モジュール用充填材層のゲル分率が30%以下であることが好ましい。太陽電池モジュール用充填材層のゲル分率を上記範囲とすることにより、短時間でのシールが可能となり、さらに加熱処理等が不要になるからである。
また、上記発明においては、上記太陽電池モジュール用充填材層の厚さ100μmあたりの水蒸気透過率が0.9〜9g/m・dayであることが好ましい。上記範囲内であれば、水分の侵入を十分に防止することが可能であり、例え高湿度条件下で用いた場合であっても、水分が太陽電池素子まで浸入することを防止することができるからである。
また、上記発明においては、上記反対側表面の樹脂密度が、上記太陽電池素子側表面の樹脂密度よりも高いことが好ましい。上記反対側表面の樹脂密度を高くすることで、機械強度、絶縁性等を向上させることができるからである。
また、上記発明においては、上記太陽電池モジュール用充填材層に、シラノール縮合触媒が実質的に含まれていないことが好ましい。本発明においては、太陽電池モジュール用充填材層中のゲル分率が所定の値以下であることが好ましいものであるので、エチレン性不飽和シラン化合物を用いた樹脂組成物において水架橋等のために一般的に配合されるシラノール縮合触媒が含有されていたのでは、上記所望のゲル分率を得ることができないからである。
また、上記発明においては、上記太陽電池モジュール用充填材層が、無機化合物からなる白色着色剤を含有することが好ましい。本発明の太陽電池モジュール用充填材層を、例えば、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールに使用する場合等に、背面保護シートに代わって、入射光を反射する役割を担うものだからである。
また、上記発明においては、少なくとも2層以上の多層構造を有し、上記太陽電池素子側表面に最内層を備え、上記反対側表面に最外層を備え、上記最内層に含まれる上記シラン変性樹脂の含有量が、上記最外層に含まれる上記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことが好ましい。シラン変性樹脂の濃度勾配を有した太陽電池モジュール用充填材層を、簡便な方法で得ることができるからである。
また、本発明においては、透明前面基板と、表側充填材層と、太陽電池素子と、上記太陽電池モジュール用充填材層を用いた裏側充填材層とが、この順に配置された太陽電池モジュールを提供する。
本発明によれば、上記太陽電池モジュール用充填材層を用いることにより、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の太陽電池モジュール用充填材層は、太陽電池素子との接着性に優れ、太陽電池モジュールとした場合における水分の浸入を防止することができ、さらには背面保護シートを用いない太陽電池モジュールを得ることができるといった効果を奏する。
以下、本発明の太陽電池モジュール用充填材層および太陽電池モジュールについて説明する。
A.太陽電池モジュール用充填材層
まず、本発明の太陽電池モジュール用充填材層について説明する。
本発明の太陽電池モジュール用充填材層は、太陽電池素子の裏側に配置される太陽電池モジュール用充填材層であって、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとを重合させてなるシラン変性樹脂を含有し、太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量が、反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことを特徴とするものである。
本発明によれば、上記シラン変性樹脂を有しているため、太陽電池素子との密着性に優れ、かつ主鎖がポリエチレンからなるものであることから有害なガスを発生させず、作業環境を悪化させないという利点を有する。また、上記シラン変性樹脂は、耐水蒸気透過性に優れるため、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールの作製が可能になる。さらに、太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量を、反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量よりも多くすることにより、太陽電池素子側表面の密着性および耐水蒸気透過性を維持しつつも、高価なシラン変性樹脂の使用量を減らすことができるという利点を有する。
なお、本発明において、上記太陽電池素子側表面または上記反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量は、各表面における重合Si量を測定することにより求められる。重合Si量を測定する方法としては、上記太陽電池素子側表面または上記反対側表面の樹脂を採取し、加熱燃焼することにより灰化し、その灰分をアルカリ融解し、純水に溶解後定容しICP発光分析法(高周波プラズマ発光分析装置:(株)島津製作所製ICPS8100)により定量を行う方法が用いられる。この際、重合Siは燃焼することによりSiOに変換される。
また、本発明の太陽電池モジュール用充填材層は、上記太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量が、上記反対側表面よりも多いものであれば特に限定されるものではないが、中でも上記シラン変性樹脂の含有量の差が、重合Si量差で100ppm以上であることが好ましく、特に200ppm以上であることがより好ましい。
以下、本発明の太陽電池モジュール用充填材層の各構成について説明する。
1.シラン変性樹脂
本発明に用いられるシラン変性樹脂は、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとを重合させてなるものである。このようなシラン変性樹脂は、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとラジカル発生剤とを混合し、高温で溶融撹拌し、エチレン性不飽和シラン化合物を重合用ポリエチレンにグラフト重合させることにより得ることができる。
上記重合用ポリエチレンとしては、ポリエチレン系のポリマーであれば特に限定されないが、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、極超低密度ポリエチレン、または直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。また、これらを1種ないし2種以上を用いることもできる。
さらに、上記重合用ポリエチレンとしては、側鎖の多いポリエチレンが好ましい。ここで通常、側鎖の多いポリエチレンは、密度が低く、側鎖の少ないポリエチレンは、密度が高いものである。したがって、密度の低いポリエチレンが好ましいといえる。本発明における重合用ポリエチレンの密度としては、0.850〜0.960g/cmの範囲内が好ましく、より好ましくは0.865〜0.930g/cmの範囲内である。重合用ポリエチレンが側鎖の多いポリエチレン、すなわち密度の低いポリエチレンであれば、エチレン性不飽和シラン化合物が重合用ポリエチレンにグラフト重合しやすくなるからである。
一方、上記エチレン性不飽和シラン化合物としては、上記重合用ポリエチレンとグラフト重合するものであれば特に限定されないが、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリペンチロキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリベンジルオキシシラン、ビニルトリメチレンジオキシシラン、ビニルトリエチレンジオキシシラン、ビニルプロピオニルオキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、および、ビニルトリカルボキシシランからなる群から選択される少なくとも1種類のものを用いることができる。本発明においては、中でも、ビニルトリメトキシシランが好適に用いられる。
本発明の太陽電池モジュール用充填材層に含まれるエチレン性不飽和シラン化合物の量は、10ppm以上が好ましく、より好ましくは20ppm以上である。上記太陽電池モジュール用充填材層は、重合用ポリエチレンと重合させた上記エチレン性不飽和シラン化合物を有することにより、太陽電池素子との良好な密着性を実現するものである。よって、上述した範囲に満たない場合は、太陽電池素子との密着性が不足するからである。また、エチレン性不飽和シラン化合物の量の上限は、4000ppm以下が好ましく、より好ましくは3000ppm以下である。上限値は、太陽電池素子との密着性の点からは限定されるものではないが、上述した範囲を超えると、太陽電池素子との密着性は変わらずコストが高くなるからである。
また、上記シラン変性樹脂は、上記太陽電池モジュール用充填材層中に好ましくは1〜80重量%の範囲内、さらに5〜70重量%の範囲内で含有されることが好ましい。この場合も同様に、上記シラン変性樹脂は、重合用ポリエチレンと重合させたエチレン性不飽和シラン化合物を有することにより、太陽電池素子との密着性が付与されるものである。よって、上記太陽電池モジュール用充填材層は、上記のようなシラン変性樹脂を有することにより、太陽電池素子との密着性が高くなる。ゆえに、太陽電池素子との密着性、かつコストの点から、上述した範囲内が好適に用いられる。
さらに、上記シラン変性樹脂は、190℃でのメルトマスフローレートが0.5〜10g/10分であるものが好ましく、1〜8g/10分であるものがより好ましい。太陽電池モジュール用充填材層の成形性、太陽電池素子との接着性等に優れるからである。
また、上記シラン変性樹脂の融点は、110℃以下であることが好ましい。加工性等の面から上記範囲が好適である。なお、融点の測定方法としては、プラスチックの転移温度測定方法(JISK7121)に準拠し、示差走査熱量分析(DSC)により行う。なお、その際、融点ピークが2つ以上存在する場合は高い温度の方を融点とする。
上記シラン変性樹脂に添加するラジカル発生剤としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類;ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−パーオキシ)ヘキシン−3等のジアルキルパーオキサイド類;ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシオクトエート。t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類;メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物、または、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等が挙げられる。
上記ラジカル発生剤の使用量は、上記シラン変性樹脂中に0.001重量%以上含まれることが好ましい。上記範囲未満では、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとのラジカル重合が起こりにくいからである。
なお、本発明に用いられるシラン変性樹脂は、合わせガラス用途にも使用できるものである。合わせガラスは、ガラスとガラスとの間に柔軟で強靭な樹脂等をはさんで加熱圧着して作製されるものであるので、ガラスとの密着性の点から、上記シラン変性樹脂を用いることができる。
2.添加用ポリエチレン
本発明においては、太陽電池モジュール用充填材層が、さらに添加用ポリエチレンを含有することが好ましい。上記シラン変性樹脂はコストが高いため、太陽電池モジュール用充填材層が添加用ポリエチレンを含有することが好ましいのである。このような添加用ポリエチレンとしては、上述した「1.シラン変性樹脂」に記載した重合用ポリエチレンに用いられるポリエチレンと同様なものを挙げることができる。本発明においては、上記添加用ポリエチレンが上記重合用ポリエチレンと同一の樹脂であることが特に好ましい。上記シラン変性樹脂はコストが高いため、シラン変性樹脂のみで太陽電池モジュール用充填材層を形成するよりも、シラン変性樹脂と、添加用ポリエチレンとを混合して太陽電池モジュール用充填材層を形成する方が、コスト的に有利であるからである。添加用ポリエチレンの含有量は、上記シラン変性樹脂100重量部に対し、0.01重量部〜9900重量部が好ましく、90重量部〜9900重量部がより好ましい。上記シラン変性樹脂を2種類以上用いる場合には、その合計量100重量部に対し、添加用ポリエチレンの含有量が上記範囲となることが好ましい。
また、上記添加用ポリエチレンは、190℃でのメルトマスフローレートが0.5〜10g/10分であるものが好ましく、1〜8g/10分であるものがより好ましい。太陽電池モジュール用充填材層の成形性等に優れるからである。
さらに、上記添加用ポリエチレンの融点は、130℃以下であることが好ましい。上記太陽電池モジュール用充填材層を用いた太陽電池モジュールの製造時における加工性等の面から上記範囲が好適である。
3.添加剤
本発明においては、必要により光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の添加剤を用いることができる。本発明の太陽電池モジュール用充填材層が、上述したようなシラン変性樹脂を有し、これに光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤を添加することで長期にわたり安定した機械強度、接着強度、黄変防止、ひび割れ防止、優れた加工適性を得ることができる。
上記光安定剤は、上記重合用ポリエチレンおよび上記添加用ポリエチレンに用いられるポリマー中の光劣化開始の活性種を捕捉し、光酸化を防止するものである。具体的には、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダードピペリジン系化合物、およびその他等からなる群から選択される少なくとも1種類のものを使用することができる。
上記紫外線吸収剤は、太陽光中の有害な紫外線を吸収して、分子内で無害な熱エネルギーへと変換し、上記重合用ポリエチレンおよび上記添加用ポリエチレンに用いられるポリマー中の光劣化開始の活性種が励起されるのを防止するものである。具体的には、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サルチレート系、アクリルニトリル系、金属錯塩系、ヒンダードアミン系、および、超微粒子酸化チタン(粒子径:0.01μm〜0.06μm)あるいは超微粒子酸化亜鉛(粒子径:0.01μm〜0.04μm)等の無機系等の紫外線吸収剤からなる群から選択される少なくとも1種類のものを使用することができる。
また、上記熱安定剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)[1,1−ビフェニル]−4,4´−ジイルビスホスフォナイト、および、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト等のリン系熱安定剤;8−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等のラクトン系熱安定剤を挙げることができる。また、これらを1種または2種以上を用いることもできる。中でも、リン系熱安定剤およびラクトン系熱安定剤を併用して用いることが好ましい。
上記光安定剤、紫外線吸収剤、熱安定剤等の含有量としては、その粒子形状、密度等によって異なるが、太陽電池モジュール用充填材層中、0.01〜5重量%の範囲内が好ましい。
4.太陽電池モジュール用充填材層
次に、本発明の太陽電池モジュール用充填材層について説明する。本発明の太陽電池モジュール用充填材層は、少なくとも上述したシラン変性樹脂を含有するものであり、太陽電池素子側表面の上記シラン変性樹脂の含有量が、反対側表面の上記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことを特徴とするものである。中でも、本発明においては、上記反対側表面に、上記シラン変性樹脂が実質的に存在しないことが好ましい。充填材層全体として密着性および耐水蒸気透過性を維持しつつも、高価なシラン変性樹脂の使用量を減らすことができるからである。なお、本発明において、「上記シラン変性樹脂が実質的に存在しない」とは、上記反対側表面に、Si(珪素)の含有量が、重合Si量として、5ppm以下であることをいう。
また、本発明の太陽電池モジュール用充填材層を太陽電池モジュールに用いた場合、ゲル分率が30%以下、特に10%以下、中でも0%であることが好ましい。本発明に用いられるシラン変性樹脂は、このように架橋構造を形成しないため、短時間でのシールが可能となり、加熱処理等の後処理が不要となる。また、ゲル分率が上記範囲を超えると、太陽電池モジュール製造時の加工性が低下し、太陽電池素子との密着性が悪くなる可能性があるからである。
なお、太陽電池モジュール用充填材層を太陽電池モジュールに用いた場合のゲル分率とは、例えば、透明前面基板、表側充填材層、太陽電池素子、本発明の太陽電池モジュール用充填材層を用いた裏側充填材層を順次に積層し、次いでこれらを一体として、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等の通常の成形法を利用して、各層を一体成形体として太陽電池モジュールを製造した後の太陽電池モジュール用充填材層のゲル分率をいう。
このようなゲル分率の測定方法としては、太陽電池モジュール用充填材層を1g秤量し、80メッシュの金網袋に入れる。ソックスレー抽出器内に金網ごとサンプル投入し、キシレンを沸点下において還流させる。10時間連続抽出したのち、金網ごとサンプルごと取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の重量比較を行い残留不溶分の重量%を測定し、これをゲル分率とする方法が用いられる。
また、上記太陽電池モジュール用充填材層は、後述するように太陽電池モジュールに用いた場合、ゲル分率が低いことが好ましい。このため、シラン変性樹脂が架橋構造を形成する必要がない。したがって、架橋剤またはシラノール基の縮合反応を促進させる触媒等は特に必要ないものである。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクテート、ジオクチル錫ジラウレートといったシリコーンのシラノール間の脱水縮合反応を促進するシラノール縮合触媒が、実質的に含まれていないことが好ましい。ここで、実質的に含まれていないとは、太陽電池モジュール用充填材層を構成する樹脂100重量部に対して、0.05重量部以下である場合をいう。
また、本発明の太陽電池モジュール用充填材層は、太陽電池モジュール用充填材層の厚さ100μmあたりの水蒸気透過率が0.9〜9g/m・dayであることが好ましく、0.9〜7.5g/m・dayであることがより好ましく、0.9〜5.0g/m・dayであることが特に好ましい。上記範囲内であれば、耐水蒸気透過性に優れた太陽電池モジュール用充填材層を得ることができるからである。
ここで、上記太陽電池モジュール用充填材層の厚さ100μmあたりの水蒸気透過率の値は、樹脂製フィルムが通常有する厚みに対して水蒸気透過率が反比例する性質を利用して算出される値であり、具体的には、太陽電池モジュール用充填材層の厚みをd(μm)とし、水蒸気透過率をX(g/m・day)、100μmあたりの水蒸気透過率をx(g/m・day)とした場合、
x=Xd/100
で求められる値を用いる。
なお、本発明における水蒸気透過率は、測定温度37.8℃、湿度90%RHの条件下で、MOCON社製の水蒸気透過率測定装置(PERMATRAN:機種名)により測定した値を用いるものである。
また、本発明の太陽電池モジュール用充填材層においては、上記反対側表面の樹脂密度が、上記太陽電池素子側表面の樹脂密度よりも高いことが好ましい。上記反対側表面の樹脂密度を高くすることで、機械強度、絶縁性等を向上させることができるからである。
具体的には、上記反対側表面に中密度ポリエチレン(MDPE)または高密度ポリエチレン(HDPE)が存在し、上記太陽電池素子側表面に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が存在する場合等を挙げることができる。
また、本発明の太陽電池モジュール用充填材層は、無機化合物からなる白色着色剤を含有することが好ましい。本発明の太陽電池モジュール用充填材層を、例えば、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールに使用する場合等に、背面保護シートに代わって、入射光を反射する役割を担うものだからである。このような白色着色剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン等が挙げられ、中でも汎用性の観点から酸化チタンを使用することが好ましい。このような白色着色剤は、後述するように、シラン変性樹脂を調製する際に添加される。
また、本発明の太陽電池モジュール用充填材層の膜厚は、所望の密着性と耐水蒸気透過性を付与することができれば、特に限定されるものではないが、具体的には50〜2000μmの範囲内、中でも100〜1250μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲より薄い場合は、十分な密着性または耐水蒸気透過性を発揮することができず、上記範囲より厚い場合は、コスト面で不利となる場合があるからである。
さらに、本発明においては、上記太陽電池モジュール用充填材層中に、Si(珪素)が、重合Si量として、8ppm〜3500ppm、中でも10ppm〜3000ppm、特に50ppm〜2000ppmの範囲内で含有されていることが好ましい。この範囲内で重合Si量を含む場合は、太陽電池素子との密着性を良好に保つことができるからであり、またコスト面からも上述した範囲が好適であるといえる。なお、重合Si量を測定する方法としては、上述した方法と同様であるので、ここでの説明は省略する。
さらに、上記太陽電池モジュール用充填材層を構成する樹脂は、190℃でのメルトマスフローレートが0.5〜10g/10分であるものが好ましく、1〜8g/10分であるものがより好ましい。太陽電池モジュール用充填材層の成形性、太陽電池素子との接着性等に優れるからである。
また、上記太陽電池モジュール用充填材層を構成する樹脂の融点は、130℃以下であることが好ましい。上記太陽電池モジュール用充填材層を用いた太陽電池モジュールの製造時において、加工性等の面から上記範囲が好適である。
5.太陽電池モジュール用充填材層の層構成
次に、本発明の太陽電池モジュール用充填材層の層構成について説明する。本発明の太陽電池モジュール用充填材層は上述した単層構造であっても良く、2層以上の多層構造であっても良い。多層構造の太陽電池モジュール用充填材層としては、例えば、少なくとも2層以上の多層構造を有し、前記太陽電池素子側表面に最内層を備え、前記反対側表面に最外層を備え、前記最内層に含まれる前記シラン変性樹脂の含有量が、前記最外層に含まれる前記シラン変性樹脂の含有量よりも多い太陽電池モジュール用充填材層を挙げることができ、中でも、上記最内層と上記最外層とを備えた2層構造であるものが好ましい。シラン変性樹脂の濃度勾配を有した太陽電池モジュール用充填材層を、簡便な方法で得ることができるからである。
上記最内層は、充填材層の中で太陽電池素子側表面の層であって、後述する最外層よりもシラン変性樹脂の含有量が多いことを特徴とするものである。本発明に用いられる最内層は、少なくともシラン変性樹脂を有するものであり、さらに上述した添加用ポリエチレン、添加剤等を含有していることが好ましい。上記最内層は、太陽電池素子と接する層であることから、太陽電池素子と良好な密着性を示し、優れた耐水蒸気透過性を示すことが必要である。具体的なゲル分率、水蒸気透過率等は、後述する最外層等と組み合わせて、太陽電池モジュール用充填材層全体として上述した性質を満たすよう適宜選択される。
上記最外層は、充填材層の中で太陽電池素子側表面とは反対側表面の層であって、上述した最内層よりもシラン変性樹脂の含有量が少ないことを特徴とするものである。中でも、本発明においては、上記最外層に、上記シラン変性樹脂が実質的に存在しないことがより好ましい。充填材層全体として密着性および耐水蒸気透過性を維持しつつも、高価なシラン変性樹脂の使用量を減らすことができるからである。最外層に用いられる材料としては、例えば、上述した添加用ポリエチレンと同様のポリエチレンを挙げることができる。また、上記最外層は、上記最内層よりも樹脂密度が高いことが好ましい。上記最外層の樹脂密度を高くすることで、機械強度、絶縁性等を向上させることができるからである。
また、上記多層構造の太陽電池モジュール用充填材層は、上述した最内層と最外層との間に中間層を備えていても良い。このような中間層としては、特に限定されるものではないが、中間層におけるシラン変性樹脂の濃度が、最内層および最外層におけるシラン変性樹脂の濃度の中間にあることが好ましい。連続的な濃度勾配を付与することで、耐候性に優れた太陽電池モジュール用充填材層を得ることができるからである。なお、本発明においては、中間層は2層以上であっても良い。
6.太陽電池モジュール用充填材層の製造方法
次に、本発明の太陽電池モジュール用充填材層の製造方法について説明する。まず、本発明に用いられるシラン変性樹脂の調製方法について説明する。上記シラン変性樹脂は、エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとラジカル発生剤との混合物を、加熱溶融混合し、エチレン性不飽和シラン化合物を重合用ポリエチレンにグラフト重合させることにより得ることができる。
これらの混合物の加熱溶融混合方法としては、特に限定されるものではないが、添加剤については予め添加剤を混練し樹脂に含有させたマスターバッチを主原料に混合し押出し溶融させる方法が望ましい。また、加熱温度は、300℃以下が好ましく、さらには270℃以下が好ましい。上記シラン変性樹脂は、加熱によりシラノール基部分が架橋しゲル化しやすいので、上記範囲で溶融混合するのが好適である。
次に、本発明の太陽電池モジュール用充填材層の形成方法について説明する。上述したようにシラン変性樹脂を加熱溶融混合した後、得られたシラン変性樹脂をペレット化し、再度加熱溶融して押出し加工することも可能であるが、押出し機のホッパー内に上記シラン変性樹脂と、上記添加用ポリエチレンとを混合して投入し、シリンダ内で加熱溶融することも可能であり、コストの点では後者が優れている。
このような方法として、具体的には、Tダイスを有するフィルム成形機を用いる方法を挙げることができる。例えば、上述した最内層および最外層を用いて2層構造の太陽電池モジュール用充填材層を形成する場合、多層押出しが可能なTダイスを有するフィルム成形機を用いて、上述した最内層を構成する材料である最内層形成用材料と、最外層を構成する材料である最外層形成用材料とを別々のホッパーに投入し、50〜2000μmの厚みのシート状に成形された太陽電池モジュール用充填材層を得る方法を挙げることができる。この際、上記形成用材料のいずれかに上述した白色着色剤を添加することが好ましい。また、再度加熱溶融する際の加熱温度は、300℃以下が好ましく、より好ましくは270℃以下である。上述したように、シラン変性樹脂は加熱によりシラノール基部分が架橋しゲル化しやすいので、上記範囲で樹脂を加熱溶融して押出すことが望ましい。
B.太陽電池モジュール
次に、本発明の太陽電池モジュールについて説明する。本発明の太陽電池モジュールは、透明前面基板と、表側充填材層と、太陽電池素子と、上記太陽電池モジュール用充填材層を用いた裏側充填材層とが、この順に配置されたものである。
本発明によれば、上記太陽電池モジュール用充填材層を用いることにより、背面保護シートを有さない太陽電池モジュールを得ることができるという利点を有する。
図1は、太陽電池モジュール用充填材層を使用して製造した太陽電池モジュールの例を示す概略断面図である。図1に示すように、透明前面基板1、表側充填材層2、光起電力素子としての太陽電池素子3、本発明の太陽電池モジュール用充填材層を用いた裏側充填材層4等を順次に積層し、次いで、これらを一体として、真空吸引して加熱圧着するラミネーション法等の通常の成形法を利用し、各層を一体成形体として太陽電池モジュールTを製造することができる。
本発明において、このようなラミネーション法を用いた際のラミネート温度は、90℃〜230℃の範囲内であることが好ましく、特に110℃〜190℃の範囲内とすることが好ましい。上記範囲より温度が低いと十分に溶融せず密着性が悪くなる可能性があり、上記範囲より温度が高いと大気中の水蒸気による水架橋が進行しやすくなりゲル分率がおおきくなる可能性があるため好ましくない。ラミネート時間は、5〜60分の範囲内が好ましく、特に8〜40分の範囲内が好ましい。上記範囲より時間が短いと十分に溶融せず密着性が悪くなる可能性があり、長いと工程上の問題となる場合があり、特に温度や湿度条件次第ではゲル分率の増加の要因となるからである。なお、湿度に関しては、高すぎるとゲル分率の増加につながり、低すぎると密着性を低下させる可能性があるが、通常の大気環境下における湿度であれば特に問題は生じない。
また、上記太陽電池モジュールにおいては、太陽光の吸収性、補強、その他等の目的のもとに、さらに、他の層を任意に加えて積層することができるものである。
また、本発明の太陽電池モジュールに用いられる透明前面基板としては、ガラス、フッ素系樹脂シート、耐候性フィルムとバリアフィルムをラミネート積層した透明複合シート等を用いることができる。また、本発明の太陽電池モジュールに用いられる表側充填材層としては、一般的な太陽電池モジュールに用いられる充填材層を使用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
(1)シラン変性樹脂の調整
密度0.898g/cmの直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPEと称する)100重量部に対し、ビニルトリメトキシシラン2.5重量部、ラジカル発生剤(反応触媒)としてジクミルパーオキサイド0.1重量部を混合し、200℃で加熱溶融攪拌し、シラン変性樹脂を得た。
(2)太陽電池モジュール用充填材層の形成
LLDPE100重量部に対して、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤3.75重量部、ヒンダードアミン系光安定化剤3.75重量部、リン系熱安定化剤0.5重量部を混合して溶融、加工しペレット化した耐候剤マスターバッチを予め作成し、上記シラン変性樹脂100重量部に対して上記耐候剤マスターバッチ5重量部及び酸化チタンを70重量%含有する白色マスターバッチ7重量部(東洋インキ社製TET1KA861)を混合したものを最内層用材料とし、一方、密度0.898g/cmのLLDPE100重量部に対して、上記耐候剤マスターバッチ5重量部及び上記白色マスターバッチ7重量部を混合したものを最外層用材料とした。φ25mm押出し機、300mm幅の多層押出しが可能なTダイスを有するフィルム成形機の2つのホッパーに上記材料を別々に投入し、押出し温度230℃、引き取り速度1.8m/minで総厚600μmの太陽電池モジュール用充填材層を得た。
(3)表側充填材層の形成
上記シラン変性樹脂20重量部、密度0.898g/cmのLLDPE80重量部に対して、上記耐候剤マスターバッチ5重量部を混合し、上記成膜装置にて引き取り速度1.5m/minで厚さ800μmの表側充填材層を得た。
(4)擬似太陽電池モジュールの作成
太陽電池モジュール作成用の真空ラミネーターの加熱ヒーター上に、厚さ3mm、大きさ25cm□の白板強化ガラス上に上記表側充填材層、表裏にリード線を取り付け電力取り出し可能な配線を施した、厚さ250μm、大きさ10cm□の結晶Si太陽電池素子、及び本発明の太陽電池モジュール用充填材層を重ね、150℃にて、5分間真空引き後13分間圧着し、太陽電池モジュールを得た。
[実施例2〜7]
シラン変性樹脂、耐候剤マスターバッチ、白色マスターバッチについては実施例1と同じものを用いた。最内層に用いる添加用ポリエチレンの種類、量、密度及び上記シラン変性との混合比率について、また最外層に用いるポリエチレン樹脂の種類、量、密度については表1に記載の通りであった。なお、実施例7については中間層を設けており、上記多層押出し機にて3つの混合材料を異なる3つのホッパーに投入し、3つのスクリューを用いることで3層構成とした。
Figure 2006210389
いずれの実施例においても太陽電池素子の割れなく、充填材のシワなく外観良好な太陽電池モジュールを得た。また、太陽電池モジュール裏側へのリード線の露出もなく絶縁性が十分に得られた。また、得られた太陽電池モジュールを温度80℃湿度85%の環境下に3500時間放置した後においても、実施例1〜7の太陽電池モジュールにおいて、リード部の錆などの発生もなく良好な外観を維持していた。
本発明の太陽電池モジュールの一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 … 透明前面基板
2 … 表側充填材層
3 … 太陽電池素子
4 … 裏側充填材層

Claims (10)

  1. 太陽電池素子の裏側に配置される太陽電池モジュール用充填材層であって、
    エチレン性不飽和シラン化合物と重合用ポリエチレンとを重合させてなるシラン変性樹脂を含有し、太陽電池素子側表面の前記シラン変性樹脂の含有量が、反対側表面の前記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする太陽電池モジュール用充填材層。
  2. 前記反対側表面に、前記シラン変性樹脂が実質的に存在しないことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  3. 前記太陽電池モジュール用充填材層が、さらに添加用ポリエチレンを含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  4. 前記太陽電池モジュール用充填材層のゲル分率が30%以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  5. 前記太陽電池モジュール用充填材層の厚さ100μmあたりの水蒸気透過率が0.9〜9g/m・dayであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  6. 前記反対側表面の樹脂密度が、前記太陽電池素子側表面の樹脂密度よりも高いことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  7. 前記太陽電池モジュール用充填材層が、無機化合物からなる白色着色剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  8. 前記太陽電池モジュール用充填材層に、シラノール縮合触媒が実質的に含まれていないことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  9. 少なくとも2層以上の多層構造を有し、前記太陽電池素子側表面に最内層を備え、前記反対側表面に最外層を備え、前記最内層に含まれる前記シラン変性樹脂の含有量が、前記最外層に含まれる前記シラン変性樹脂の含有量よりも多いことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層。
  10. 透明前面基板と、表側充填材層と、太陽電池素子と、請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の太陽電池モジュール用充填材層を用いた裏側充填材層とが、この順に積層された太陽電池モジュール。
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