JP2004314594A - インクジェット記録シート - Google Patents

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JP2004314594A JP2003404797A JP2003404797A JP2004314594A JP 2004314594 A JP2004314594 A JP 2004314594A JP 2003404797 A JP2003404797 A JP 2003404797A JP 2003404797 A JP2003404797 A JP 2003404797A JP 2004314594 A JP2004314594 A JP 2004314594A
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Abstract

【課題】インク受容層に美麗な画像等を形成することができ、さらに支持体が収縮したりカールしたりするのを防止して屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず耐候性に優れ、長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のインクジェット記録シートは、支持体と、前記支持体の片面側に塗布された耐溶剤性を有するプライマ層と、前記プライマ層の上面に形成されたインク受容層と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録シートに関するものであり、特に、溶剤型インクを用いて記録するインクジェット記録シートに関するものである。
従来より、屋外に長時間設置する懸垂幕や横断幕、屋外看板等のインクジェット記録シートとして、水性顔料インクを用いて記録されるものが用いられてきた。
しかしながら、水性顔料インクを用いて記録されたインクジェット記録シートは、耐水性や耐候性に乏しく屋外に長時間設置していると雨等でインクが流れたり滲んだりするので、耐水性や耐候性を付与するためには、インクジェット記録シートに画像等を記録した後、表面にUVラミネートフィルム等で保護層を形成する必要があり、保護層を形成するため施工性に欠け、また生産工数を要し生産作業性に欠けるという問題を有していた。
そこで、近年、これらの問題点を解決する研究が種々なされており、保護層を形成することなく耐水性や耐候性を高めた溶剤型インクを用いて記録することのできるインクジェット記録シートが開発されている。
例えば、(特許文献1)に「軟質ポリ塩化ビニル樹脂等で形成された支持体の上に、フタル酸エステル,脂肪族2塩基酸エステル,グリコールエステル,脂肪酸エステル等から選ばれる可塑剤が含有されたインク受容層を有するインク受容シート」が開示されている。
特開平9−164762号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、インク受容層にフタル酸エステル等の可塑剤が含有されているので、柔軟性が付与され被着体に貼着するときでも良好な形状追随性が得られる。しかし、近年の溶剤型インクは常温で短時間で乾燥し顔料がインク受容層に定着するような揮発性の高い溶剤を用いているので、溶剤の浸透性が高く、インク受容層を通過して支持体にも浸透し支持体が膨潤により変形し収縮するカール現象が発生したり、支持体が溶剤によって溶解され穴があき易いという課題を有していた。
(2)屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合には、支持体の収縮によってインク受容層に記録された画像等の位置が変化するため全体の構図が変化し、看板の品質が劣化し看板等の広告効果が低下するという課題を有していた。
(3)屋外看板等のように屋外に長時間設置する場合には、表面に透明のフィルムを貼り付け拘束して支持体の収縮を防止する等の作業を行う必要があり、施工性に欠けるとともに工数を要し作業性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、溶剤型インクを用いて印刷した際にインク受容層に美麗な画像等を形成することができ、またシートが収縮したりカールしたりするのを防止して屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができ、看板等への貼着作業の施工性に優れるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のインクジェット記録シートは、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のインクジェット記録シートは、耐溶剤性を有する支持体と、前記支持体の片面に塗布された耐溶剤性を有するプライマ層と、前記プライマ層の上面に形成されたインク受容層と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)インク受容層が耐溶剤性を有する支持体の上面に形成されているので、印刷された溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、支持体があるため収縮したりカールしたりするのを防止する。
(2)溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されて溶解されインク受容層に穴や亀裂が形成されても、支持体があるので、破れたりするのを防止することができ耐久性に優れる。
(3)屋外に長期間設置しても支持体の収縮量が著しく少ないので、構図の位置変化や破損等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができる。また、シートを看板等に貼着した後に表面に収縮防止のためのフィルム等を貼り付ける等の付帯作業を要さず、施工性に著しく優れる。
(4)大型看板を作成する際には、大きな絵柄等を複数の絵柄に分割して印刷したシートを作成し、それらをつなぎ合わせて大きな絵柄等を作成するため(各々のシート間は絵柄を繋ぐために10〜50mm程度重ね合わせている)、各々のシートの収縮を抑えることができるので絵柄が切れるのを防止し広告宣伝効果が著しく減退するのを防止できる。
(5)支持体の片面に塗布されたプライマ層の上面にインク受容層が形成されているので、支持体とインク受容層の相互付着性を高めることができる。
(6)プライマ層が支持体に塗布されているので表面を平滑にし、その上面に形成されるインク受容層の表面も平滑にすることができるので、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができる。
(7)プライマ層が耐溶剤性を有しているので、溶剤型インクの溶剤が支持体に浸透するのを防止して、支持体が収縮したり機械的強度が低下するのを防止することができる。
ここで、インク受容層としては、溶剤型インクの溶剤によって緩やかに溶解される合成樹脂を含有するものが好適に用いられる。インク受容層に含有される合成樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸等のビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース,ポリエステル樹脂等の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。また、酢酸ビニル系等のビニル樹脂やメタクリル樹脂等を分散したエマルジョンも用いることができる。
インク受容層の厚さ(乾燥後の厚さ)としては、10〜30μmが好適に用いられる。インク受容層の厚さが10μmより薄くなるにつれ印刷された記録画像が滲み易くなる傾向がみられ、30μmよりより厚くなるにつれプライマ層の上面にインク受容層を塗布した際にクレーズやクラックが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
インク受容層は、合成樹脂の他、可塑剤、硬化剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光拡散剤、蛍光増白剤等の内のいずれか1以上を含有することができる。
可塑剤としては、フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、コハク酸ジイソデシル,アジピン酸ジイソデシル等の脂肪族2塩基酸エステル、ジエチレングリコールジベンゾエート,ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル等を用いることができる。
可塑剤の含有量としては、合成樹脂100重量部に対し、1〜10重量部が好適に用いられる。可塑剤の含有量が1重量部より少なくなるにつれ柔軟性が低下する傾向がみられ、10重量部より多くなるにつれマイグレーションが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
硬化剤の含有量としては、インク受容層の合成樹脂100重量部に対し、1〜10重量部が好適に用いられる。硬化剤の含有量が1重量部より少なくなるにつれ塗工後のインク受容層の表面にタックが残り易く生産性やハンドリング性等が低下する傾向がみられ、10重量部より多くなるにつれインク受容層の表面硬化が進みひび割れが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
インク受容層は、バーコータ、グラビアコータ、コンマコータ、ブレードコータ、ナイフコータ、カーテンコータ、ロールコータ等を用い、プライマ層の表面に塗布液として塗工し乾燥して形成することができる。
インク受容層の乾燥塗工量としては、1〜50g/mが好適に用いられる。乾燥塗工量が1g/mより少なくなるにつれ十分な印字濃度及びインクの吸収性が低下する傾向がみられ、50g/mより多くなるにつれインク受容層を塗工したインクジェット記録シートがカールし易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
インク受容層の塗工後には、マシンカレンダ等のカレンダ装置を用いて平滑化処理を行うことができる。
支持体の厚さとしては、50〜250μmが好適に用いられる。支持体の厚さが50μmより薄くなるにつれ引張り強さ等の機械的強度が小さく溶剤型インクが印刷されたインク受容層の収縮に伴ってカールし易くなる傾向がみられ、250μmより厚くなるにつれ支持体の材質にもよるが、硬さが増し貼着する看板等への形状追随性が低下するとともに重量が増しハンドリング性や作業性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録シートであって、前記プライマ層が、塩素化ポリオレフィン、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂を含有した構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)プライマ層が耐溶剤性に優れる塩素化ポリオレフィン、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、溶剤型インクの溶剤が支持体に浸透するのを防止して、支持体が収縮したり機械的強度が低下するのを防止することができる。
(2)プライマ層が耐溶剤性に優れる塩素化ポリオレフィン、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、支持体とインク受容層の相互付着性を高めるとともに耐候性に優れ耐久性を高めることができる。
ここで、プライマ層に含有する合成樹脂としては、塩素化プロピレン−エチレン共重合体,塩素化プロピレン−α−オレフィン共重合体,塩素化ポリプロピレン,塩素化ポリエチレン,塩素化エチレン−α−オレフィン共重合体等の塩素化ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂の内のいずれか1種又は2種以上が用いられる。なかでも、塩素化ポリオレフィン、飽和ポリエステル、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂が好適に用いられる。耐溶剤性を有するとともに付着力が高いからである。
これらの合成樹脂を有機溶媒に溶解して塗布液を生成し、各種のブレードコータ,ナイフコータ,ロールコータ,カーテンコータ等の各種の塗工装置を用いて支持体の片面に塗布することができる。塗布後にマシンカレンダ等のカレンダ装置を用いて平坦化仕上げをすることもできる。
プライマ層には、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等の合成樹脂に加え、澱粉や澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、シリカ,カオリン,タルク,炭酸カルシウム等の充填材、分散剤、可塑剤、サイズ剤、レベリング剤等の内のいずれか1以上を含有することができる。
シリカ,炭酸カルシウム等の充填材の含有率としては、支持体に塗工するプライマ層の塗布液の5〜30重量%が好適に用いられる。合成樹脂等の含有率を低下させ原料コストを低減させる増量効果が得られるとともに浸透した溶剤を吸収し耐溶剤性を向上させることができるからである。充填材の含有率が5重量%より少なくなるにつれ増量効果や耐溶剤性が得られなくなる傾向がみられ、30重量%より多くなるにつれ粘性が増加し塗工し難くなるとともにプライマ層表面の平滑性が低下し、また支持体との密着性が低下する傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
プライマ層の厚さ(乾燥後の厚さ)としては、2〜20μmが好適に用いられる。2μmより薄くなるにつれ付着性が低下するとともに耐溶剤性が低下し溶剤型インクの溶剤が支持体に浸透し易くなり、さらに支持体の種類によっては平滑性が低下する傾向がみられ、20μmより厚くなるにつれ所定の大きさに切断されたインクジェット記録シートの端面に露出するプライマ層に粘着性がみられ生産性やハンドリング性等が低下する傾向がみられるので、いずれも好ましくない。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録シートであって、前記支持体が、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂を含有する合成紙若しくはフィルム、又は前記合成紙若しくは前記フィルムを構成する前記合成樹脂と紙との複合紙で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持体がポリプロピレン、ポリカーボネート等の耐溶剤性と耐候性に優れる合成樹脂を含有する合成紙若しくはフィルム、又は前記合成樹脂と紙との複合紙で形成されているので、溶剤型インクが浸透しても溶解し難いので収縮し難く、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でもインク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れる。
(2)支持体の表面が平滑に形成されているので、プライマ層やインク受容層の表面も平滑に形成することができ、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができる。
(3)支持体の機械的強度が高いので、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールしたりするのを防止する。
ここで、支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール等及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂を含有し1層乃至複数層積層して形成したフィルムや合成紙、それらの合成樹脂と紙との複合紙を用いることができる。また、1軸延伸合成樹脂フィルムや2軸延伸合成樹脂フィルムも用いることができる。また、合成樹脂の他に顔料や発泡剤等を加え透明度を低下させたものも用いることができる。
また、プライマ層との接着性を高めるため、コロナ放電処理等を行うことが望ましい。
シクロオレフィンとしては、環式炭化水素でエチレン結合をもつシクロプロペン,シクロブテン,シクロペンテン,シクロへキセン,シクロヘプテン,シクロオクテン,シクロノネン,シクロデセン等を用いることができる。これらのシクロオレフィンの付加重合体、シクロオレフィンの開環重合体を必要に応じ水素添加した重合体、シクロオレフィンとエチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ペンテン,1−ヘキセン,1−オクテン等のα−オレフィンとのランダム共重合体等のシクロオレフィン重合体、以上のようなシクロオレフィン重合体を不飽和カルボン酸やその誘導体等で変性したグラフト変性体等を用いることができる。
複合紙としては、塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙、包装用紙、薄用紙等の紙とポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール等及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂とを積層したもの、前記紙に前記合成樹脂を塗布し含浸させたもの等を用いることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録シートであって、前記支持体が、塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙、包装用紙、薄用紙等の紙で形成されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持体が塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙等の耐溶剤性に優れる紙で形成されているので、溶剤型インクが浸透しても溶解し難いので収縮し難く、インク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れる。
(2)支持体の表面が平滑に形成されているので、プライマ層やインク受容層の表面も平滑に形成することができ、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができる。
(3)支持体の機械的強度が高いので、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールしたりするのを防止する。
(4)紙は、合成紙又はフィルム等より安価なので経済性に優れ、また軽量化できるので貼着した際に自重でずれたり落下したりし難く取扱性に優れる。
(5)合成紙やフィルム等に比べ静電気が発生し難く、また摩擦抵抗が大きいので、インクジェットプリンタで印刷する際にスムーズに搬送され良好に印刷することができる。
ここで、支持体として用いる紙としては、印刷用紙A,印刷用紙B,印刷用紙C,印刷用紙D,グラビア用紙,筆記・図画用紙等の非塗工印刷用紙、アート紙,コート紙,軽量コート紙等の塗工印刷用紙、両更クラフト紙,純白ロール紙等の包装紙、インディアペーパー,カーボン原紙,タイプ・コピー用紙等の薄葉紙等が好適に用いられる。
支持体として紙を用いる場合は、表面処理として、紙の表面にメタクリル樹脂エマルジョン等のプライマ層の塗布液の濃度を10〜40%に希釈した希釈液を塗布するのが好ましい。この表面処理により紙に強度を付与して支持体がカールするのを防止するとともに、プライマ層を形成する塗布液の深浸透を防止してプライマ層の厚さを適正な厚さにすることができる。
希釈液の濃度が10%より低くなるにつれ希釈液が薄いため希釈液を塗布することによっては紙に強度を付与することができずプライマ層を形成する塗布液を塗布した際にカールし易くなる傾向がみられ、濃度が40%より高くなるにつれ希釈液が濃いため希釈液を塗布した際に紙がカールし易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録シートであって、前記支持体が、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂製繊維で形成された織布若しくは編布又は不織布を備えている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持体がポリプロピレン、ポリアミド等の耐溶剤性に優れる合成樹脂製繊維で形成された織布や不織布等を備えているので、溶剤型インクが浸透しても溶解したり膨潤し難く、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でもインク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れる。
(2)支持体の機械的強度が高いので、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールしたりするのを防止する。
ここで、支持体としては、耐溶剤性に優れたポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂製繊維で織布若しくは編布又は不織布が形成されるが、なかでもポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂等が好適に用いられる。吸湿性が低いとともに屋外に暴露しても機械的強度がほとんど低下せず耐候性に優れ、さらにアセトン等の溶剤を用いても膨潤しないからである。
支持体としては、織布若しくは編布又は不織布だけで形成されているもの、織布若しくは編布又は不織布等がポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール等の合成樹脂製で被覆されているもの等を用いることができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のインクジェット記録シートであって、前記織布若しくは編布又は不織布が、10〜110g/kmの太さの糸で形成された構成を有している。
この構成により、請求項5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)織布,編布,不織布が10〜110g/km(約100〜1000デニール)の太さの糸で形成されているので、軽量化することができるとともに高い引張強さを維持することができる。
(2)糸の太さが所定の範囲で形成されているので、支持体の表面の凹凸を適度な大きさにして塗工されたプライマ層によって表面を平滑にできるため、その上面に形成されるインク受容層の表面も平滑にすることができインクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができる。
ここで、糸の太さが10g/kmより細くなるにつれ引張強さが低下して支持体のカールや変形が発生し易くなる傾向がみられ、110g/kmより太くなるにつれ支持体の重量が増加し屋外看板等のような大面積のインクジェット記録シートになると取扱性が低下したり貼着した際に自重でずれたり落下したりする傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1に記載のインクジェット記録シートであって、前記インク受容層が形成された前記支持体の反対面に、粘着層が形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持体の反対面に粘着層が形成されているので、横断幕、屋外看板等として用いる際、粘着層で支持体を容易に貼着することができ施工性に優れる。
ここで、粘着層としては、メタクリル樹脂系接着剤,エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性接着剤、エポキシ樹脂,ポリウレタン等の熱硬化性接着剤、ポリクロロプレン,ニトリルゴム等のゴム系接着剤等を用いることができる。粘着層は、支持体の反対面の全面若しくは一部に形成することができる。
粘着層の上面に離型性を有する離型紙等のセパレータを配設しておき、使用時にセパレータを剥がすと粘着層が露出し直ちに看板等に貼着することができ作業性に優れるので好ましい。
セパレータとしては、シリコン系樹脂、アルキド樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等のいずれか1種以上でフィルム状に形成されたものを用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製等のフィルムや紙の表面をシリコン等で離型処理したものを用いることもできる。
以上のように、本発明のインクジェット記録シートによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)インク受容層が耐溶剤性を有する支持体の上面に形成されているので、印刷された溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、支持体があるため全体が収縮したりカールしないインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されて溶解されインク受容層に穴や亀裂が形成されても、支持体があるので、破れたりするのを防止することができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(3)屋外に長期間設置しても構図の位置変化や破損等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができるインクジェット記録シートを提供することができる。
(4)支持体の片面に塗布されたプライマ層の上面にインク受容層が形成されているので、支持体とインク受容層の相互付着性を高めることができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(5)プライマ層が支持体に塗布されているので表面を平滑にし、その上面に形成されるインク受容層の表面も平滑にすることができるので、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にできるインクジェット記録シートを提供することができる。
(6)プライマ層が耐溶剤性を有しているので、溶剤型インクの溶剤が支持体に浸透するのを防止して、支持体が収縮したり機械的強度が低下するのを防止する耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)プライマ層が耐溶剤性に優れる塩素化ポリオレフィン、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、溶剤型インクの溶剤が支持体に浸透するのを防止して、支持体が収縮したり機械的強度が低下するのを防止することができる耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)プライマ層が耐溶剤性に優れる塩素化ポリオレフィン、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、支持体とインク受容層の相互付着性を高めるとともに耐候性に優れ耐久性を高めることができるインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)支持体がポリプロピレン、ポリカーボネート等の耐溶剤性と耐候性に優れる合成紙若しくはフィルム又は複合紙で形成されているので、溶剤型インクが浸透しても溶解し難いので収縮し難く、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でもインク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)支持体の表面が平滑に形成されているので、プライマ層やインク受容層の表面も平滑に形成することができ、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にできるインクジェット記録シートを提供することができる。
(3)支持体の機械的強度が高いので、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールするのを防止できるインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)支持体が塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙等の耐溶剤性に優れる紙で形成されているので、溶剤型インクが浸透しても溶解し難いので収縮し難く、インク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)支持体の表面が平滑に形成されているので、プライマ層やインク受容層の表面も平滑に形成することができ、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができるインクジェット記録シートを提供することができる。
(3)支持体の機械的強度が高いので、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールしたりするのを防止できるインクジェット記録シートを提供することができる。
(4)紙は、合成樹脂を含有する合成紙又はフィルム等より安価なので経済性に優れ、また軽量化できるので貼着した際に自重でずれたり落下したりし難く取扱性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(5)合成紙やフィルム等に比べ静電気が発生し難く、また摩擦抵抗が大きいので、インクジェットプリンタで印刷する際にスムーズに搬送され良好に印刷することができ印刷性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)支持体がポリプロピレン、ポリアミド等の耐溶剤性に優れる合成樹脂製繊維で形成された織布や不織布等を備えているので、溶剤型インクが浸透しても溶解したり膨潤し難く、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でもインク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)支持体の機械的強度が高いので、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールしたりするのを防止するインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加え、
(1)織布,編布,不織布が10〜110g/kmの太さの糸で形成されているので、軽量化することができるとともに高い引張強さを維持することができるインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)糸の太さが所定の範囲で形成されているので、支持体の表面の凹凸を適度な大きさにして塗工されたプライマ層によって表面を平滑にできるため、その上面に形成されるインク受容層の表面も平滑にすることができインクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にできるインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1の効果に加え、
(1)支持体の反対面に粘着層が形成されているので、横断幕、屋外看板等として用いる際、粘着層で支持体を容易に貼着することができ施工性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるインクジェット記録シートの要部断面図である。
図中、1は実施の形態1におけるインクジェット記録シート、2はポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド等及びそれらの共重合体の合成樹脂製で形成された合成紙,フィルム,紙又は複合紙からなる支持体、3は塩素化ポリオレフィン、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有し支持体2の片面側に塗工され耐溶剤性を有するプライマ層、4はプライマ層3の上面に形成されたビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース,ポリエステル樹脂等の合成樹脂を含有するインク受容層である。
以上のように構成された実施の形態1におけるインクジェット記録シートの製造方法について、以下説明する。
支持体2を使用目的に応じて50〜250μmの厚さで形成した後、プライマ層3の原料である合成樹脂や可塑剤等を有機溶剤に溶解した溶解液を、支持体2の片面にロールコータ、バーコータ等を用いて乾燥後の厚さが2〜20μmになるように塗布し乾燥する。次いで、インク受容層4の原料である合成樹脂や可塑剤等を有機溶剤に溶解した溶解液を、プライマ層3の上面にロールコータ、バーコータ等を用いて乾燥後の厚さが10〜30μmになるように塗布し乾燥する。
以上のように実施の形態1におけるインクジェット記録シートは構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)支持体がポリプロピレン、ポリカーボネート等の耐溶剤性と耐候性に優れる合成紙,合成樹脂製フィルム,紙又は複合紙で形成されているので、溶剤型インクが浸透しても溶解し難いので支持体が収縮したりカールし難く、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でもインク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れる。
(2)支持体が合成紙,合成樹脂製フィルム,紙又は複合紙で形成されているので表面の平滑性に優れ、プライマ層やインク受容層の表面も平滑に形成することができ、インクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができる。
(3)支持体を合成紙,合成樹脂製フィルム,紙又は複合紙で形成しているので機械的強度が高く、溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、全体が収縮したりカールしたりするのを防止する。
(4)プライマ層が耐溶剤性に優れる塩素化ポリオレフィン、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、溶剤型インクの溶剤が支持体に浸透するのを防止して、支持体が収縮したり機械的強度が低下するのを防止することができる。
(5)プライマ層が耐溶剤性に優れる塩素化ポリオレフィン、メタクリル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、支持体とインク受容層の相互付着性を高めるとともに耐候性に優れ耐久性を高めることができる。
(6)インク受容層が溶剤型インクの溶剤によって緩やかに溶解されるビニル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、印刷された溶剤型インクが含有する顔料が定着し易く印刷された画像等を滲み無く鮮明にすることができる。
(7)支持体の厚さが50〜250μmに形成されているので、引張り強さ等の機械的強度が高く溶剤型インクが印刷されたインク受容層が収縮しようとしても収縮せずカール等を防止することができ、柔軟性を維持し形状追随性を維持することができる。
(8)プライマ層の厚さ(乾燥後の厚さ)が2〜20μmに形成されているので、支持体とインク受容層との高い相互付着性と耐溶剤性を維持するとともに切断されたインクジェット記録シートの端面に露出するプライマ層が薄く粘着性がほとんどみられず生産性やハンドリング性等が低下させることがない。
(9)インク受容層の厚さ(乾燥後の厚さ)が10〜30μmに形成されているので、印刷された記録画像が滲み難く鮮明な画像が得られるとともにクラック等の欠陥が生じ難く平滑面を得ることができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2におけるインクジェット記録シートの要部断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1aは実施の形態2におけるインクジェット記録シート、2aはポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル等の合成樹脂製繊維の太さが10〜110g/kmの糸で形成された織布若しくは編布又は不織布からなる支持体、5はプライマ層3が形成された支持体2の反対面の一部又は全面にメタクリル樹脂系接着剤,エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性接着剤、エポキシ樹脂,ポリウレタン等の熱硬化性接着剤、ポリクロロプレン,ニトリルゴム等のゴム系接着剤等からなる粘着層、6は粘着層5に貼着されシリコン系樹脂、アルキド樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等でフィルム状に形成されたセパレータである。
以上のように構成された実施の形態2におけるインクジェット記録シートが実施の形態1と異なる点は、支持体2aが織布若しくは編布又は不織布で形成されている点、支持体2aに粘着層5が形成されている点である。
粘着層5も実施の形態1で説明したインク受容層4やプライマ層3と同様にして、支持体2aのプライマ層3が形成された反対面にバーコータ等で塗布して形成することができる。また、セパレータ6の片面に粘着層5を塗布し、粘着層5が塗布されたセパレータ6を支持体2aに張り合わせることによって、支持体2aに粘着層5を形成することもできる。
以上のように実施の形態2におけるインクジェット記録シートは構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)支持体がポリプロピレン、ポリアミド等の耐溶剤性に優れる合成樹脂製繊維で形成された織布や不織布等を備えているので、溶剤型インクが浸透しても溶解したり膨潤し難く、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でもインク受容層に記録された画像等の位置変化や全体の構図の変化が発生せず、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れる。
(2)織布,編布,不織布が10〜110g/kmの太さの糸で形成されているので、軽量化することができるとともに高い引張強さを維持することができる。
(3)糸の太さが所定の範囲で形成されているので、支持体の表面の凹凸を適度な大きさにして塗工されたプライマ層によって表面を平滑にできるため、その上面に形成されるインク受容層の表面も平滑にすることができインクジェットプリンタでインク受容層に形成する画像等を美麗にすることができる。
(4)支持体の片面に粘着層が形成されているので、横断幕、屋外看板等として用いる際、使用時にセパレータを剥がして粘着層で支持体を容易に貼着することができ施工性に優れる。
以下、本発明を実験例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
支持体として、ポリプロピレン製合成紙(韓国・西通ケミカル社製、厚さ85μm)を用いた。プライマ層を形成する塗布液としては、メタクリル樹脂エマルジョン(三井化学社製、品名:ケミパールS)を用い、乾燥厚さが5μmになるように支持体の上に塗工し乾燥しプライマ層を形成した。
インク受容層を形成する塗布液としては、溶解性重合ビニル樹脂(韓国HANHAWA CHEMICAL社、品名:BT)85重量部、ポリウレタン樹脂(米国テレフィックス社、品名:SP−80A)13重量部、紫外線吸収剤(韓国LG化学社、品名:UV327)1重量部、光拡散剤(合成非晶質シリカ、品名:ミズカシル75A)1部を混合したものを用い、乾燥厚さが30μmになるようにプライマ層の上に塗工し乾燥した。なお、プライマ層を形成した支持体の反対面にはメタクリル樹脂系エマルジョン粘着層を10μm厚さになるように塗布し、ポリエチレンテレフタレート製セパレータを貼り合わせて実験例1のインクジェット記録シートを得た。
(実験例2)
支持体としてポリエステル製の織布(T and G社製、厚さ110μm、糸の太さ555g/km)を用いた以外は、実験例1と同様にして実験例2のインクジェット記録シートを得た。
(実験例3)
支持体として厚さ210μmの上質レジン塗工紙を用いた。この支持体に表面処理として、実験例1で用いたメタクリル樹脂エマルジョン塗布液を25%濃度に希釈した希釈液を塗布し乾燥させた後、実験例1と同様にしてメタクリル樹脂エマルジョンを塗布してプライマ層を形成した。これ以外は、実験例1と同様にして実験例3のインクジェット記録シートを得た。
(実験例4〜10)
インク受容層、プライマ層、支持体の厚さを(表1)のように変えた以外は、実験例1と同様にして、実験例4〜9のインクジェット記録シートを得た。
Figure 2004314594
また、実験例1のインクジェット記録シートのインク受容層に用いた紫外線吸収剤及び光拡散剤に代えて、合成樹脂100重量部に対しフタル酸ジエチル等の可塑剤1重量部及び硬化剤1重量部を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例10のインクジェット記録シートを得た。
(比較例1)
ポリ塩化ビニル樹脂製(韓国LG化学社製、厚さ100μm)のシートを比較例1のインクジェット記録シートとした。
(溶剤型インクの印刷後の収縮量の評価)
実験例1〜10、比較例1のインクジェット記録シートに、インクジェットプリンタ(ミマキエンジニアリング社製、品名:JV3)を用いて溶剤型インク(ミマキエンジニアリング社製ソルベントインク)で、シアン100%マゼンダ100%の濃紺の画像を出力した。1昼夜乾燥した後、セパレータとともに一辺が300mmの正方形の形状に裁断し、常温で1か月間放置した。
放置している間、比較例1のインクジェット記録シートは大きく収縮し、濃紺の画像が印刷されたシートの外縁とセパレータの外縁との間にずれが生じていたのに対し、実験例1〜10では、ずれがほとんどみられなかった。濃紺の画像が印刷されたシートとセパレータとの間のずれを4辺について測定したところ、比較例1では3400〜3100μmであったのに対し、実験例1〜10では5〜10μmであった。
以上のように本実験例によれば、溶剤型インクを用いて印刷した際に、収縮したりカールしたりするのを防止することができ、この結果、屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができるインクジェット記録シートが得られることが明らかになった。
なお、実験例5のインクジェット記録シートは、実験例1と比較してインク受容層側に大きく反っていることが認められた。支持体の厚さが薄く機械的強度が乏しいからであると推察された。
実験例6のインクジェット記録シートは、硬さが増していることが認められた。支持体の厚さが厚く、貼着する看板等への形状追随性に欠けると推察された。
実験例7のインクジェット記録シートは、収縮量は実験例1と同程度に小さいがインク受容層の一部が支持体から剥離した。プライマ層の厚さが薄いからであると推察された。
実験例8のインクジェット記録シートは、裁断時に端面に露出するプライマ層に粘着性がみられ、貼りつき易く生産性やハンドリング性に欠けることが確認された。プライマ層の乾燥厚さが厚いからであると推察された。
実験例9のインクジェット記録シートは、印刷された溶剤型インクとインク受容層との馴染みが悪く滲み易いことが確認された。インク受容層の厚さが薄いからであると推察された。
なお、実験例10のインクジェット記録シートの可塑剤の含有量を合成樹脂100重量部に対し10重量部以上含有させた場合は、インク受容層の一部にマイグレーションが発生した。硬化剤の含有量を合成樹脂100重量部に対し10重量部以上含有させた場合は、インク受容層の一部にひび割れが生じた。
本発明はインクジェット記録シートに関し、溶剤型インクを用いて印刷した際にインク受容層に美麗な画像等を形成することができ、またシートが収縮したりカールしたりするのを防止して屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができ、看板等への貼着作業の施工性に優れるインクジェット記録シートを提供することができる。
実施の形態1におけるインクジェット記録シートの要部断面図 実施の形態2におけるインクジェット記録シートの要部断面図
符号の説明
1,1a インクジェット記録シート
2,2a 支持体
3 プライマ層
4 インク受容層
5 粘着層
6 セパレータ

Claims (7)

  1. 耐溶剤性を有する支持体と、前記支持体の片面に塗布された耐溶剤性を有するプライマ層と、前記プライマ層の上面に形成されたインク受容層と、を備えていることを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 前記プライマ層が、塩素化ポリオレフィン、飽和ポリエステル、ポリビニルアルコール、ウレタン樹脂、メタクリル樹脂の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂を含有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録シート。
  3. 前記支持体が、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、シクロオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂を含有する合成紙若しくはフィルム、又は前記合成紙若しくは前記フィルムを構成する前記合成樹脂と紙との複合紙で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録シート。
  4. 前記支持体が、塗工印刷用紙、非塗工印刷用紙、包装用紙、薄用紙等の紙で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録シート。
  5. 前記支持体が、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、レーヨン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、メタクリル樹脂の内のいずれか1種又は2種以上の合成樹脂製繊維で形成された織布若しくは編布又は不織布を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録シート。
  6. 前記織布若しくは編布又は不織布が、10〜110g/kmの太さの糸で形成されていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録シート。
  7. 前記インク受容層が形成された前記支持体の反対面に、粘着層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載のインクジェット記録シート。
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