JP2006150869A - インクジェット記録シート - Google Patents

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Abstract

【課題】溶剤型インクを用いて印刷した際にインク受容層に美麗な画像等を形成することができ、またシートが収縮したりカールしたりするのを防止して屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができ、また看板等への貼着作業の施工性に優れ、さらに低温低湿度のような特殊な環境において静電気等の影響で複数枚が重なって張り付いて剥がれ難くなるのを防止でき印刷作業時の供給不良等が少ない搬送性に優れるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のインクジェット記録シートは、(a)金属薄層2と、金属薄層2の表面に形成された合成樹脂薄層3と、を備えた収縮防止体4と、(b)収縮防止体4の片面に形成されインクの溶剤によって溶解される合成樹脂を含有するインク受容層5と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録シートに関するものであり、特に、溶剤型インクを用いて記録するインクジェット記録シートに関するものである。
従来より、屋外に長時間設置する懸垂幕や横断幕、屋外看板等のインクジェット記録シートとして、水性顔料インクを用いるものが用いられてきた。
しかしながら、水性顔料インクを用いて記録されたインクジェット記録シートは、耐水性や耐候性に乏しく屋外に長時間設置していると雨等でインクが流れたり滲んだりするので、耐水性や耐候性を付与するためには、インクジェット記録シートに画像等を記録した後、表面にUVラミネートフィルム等で保護層を形成する必要があり、保護層を形成するため施工性に欠け、また生産工数を要し生産作業性に欠けるという問題を有していた。
そこで、近年、これらの問題点を解決する研究が種々なされており、保護層を形成することなく耐水性や耐候性を高めた溶剤型インクを用いて記録することのできるインクジェット記録シートが開発されている。
例えば、(特許文献1)に「軟質ポリ塩化ビニル樹脂等で形成された支持体の上に、フタル酸エステル,脂肪族2塩基酸エステル,グリコールエステル,脂肪酸エステル等から選ばれる可塑剤が含有されたインク受容層を有するインク受容シート」が開示されている。
特開平9−164762号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、インク受容層にフタル酸エステル等の可塑剤が含有されているので、柔軟性が付与され被着体に貼着するときでも良好な形状追随性が得られる。しかし、近年の溶剤型インクは常温で短時間で乾燥し顔料がインク受容層に定着するような揮発性の高い溶剤を用いているので、溶剤の浸透度が高く、インク受容層を通過して支持体にも浸透し膨潤し、特に軟質ポリ塩化ビニル樹脂等で形成された支持体が変形し収縮するカール現象が発生したり、支持体が溶剤によって溶解され穴があき易いという課題を有していた。
(2)屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合には、支持体の収縮によってインク受容層に記録された画像等の位置が変化するため全体の構図が変化し、看板の品質が劣化し看板等の広告効果が低下するという課題を有していた。
(3)屋外看板等のように屋外に長時間設置する場合には、表面に透明のフィルムを貼り付け拘束して支持体の収縮を防止する等の作業を行う必要があり、施工性に欠けるとともに工数を要し作業性に欠けるという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、溶剤型インクを用いて印刷した際にインク受容層に美麗な画像等を形成することができ、またシートが収縮したりカールしたりするのを防止して屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができ、看板等への貼着作業の施工性に優れるインクジェット記録シートを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明のインクジェット記録シートは、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のインクジェット記録シートは、(a)金属薄層と、前記金属薄層の表面に形成された合成樹脂薄層と、を備えた収縮防止体と、(b)前記収縮防止体の片面に形成されインクの溶剤によって溶解される合成樹脂を含有するインク受容層と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)インク受容層が、合成樹脂薄層と金属薄層とを備えた収縮防止体の表面に形成されているので、印刷された溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、収縮防止体の金属薄層があるため収縮したりカールしたりするのを防止する。
(2)収縮防止体の金属薄層の機械的強度は比較的小さく剛性が非常に小さいので、貼着する看板等への形状追随性に優れ、さらに収縮防止体の合成樹脂薄層が弾性を付与するとともに強靭にして皺がよったり、金属薄層が裂けたり破れたりするのを防止し取扱性に優れるとともに耐久性に優れる。
(3)溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層を溶解し穴や亀裂が形成されても、収縮防止体の金属薄層があるので、シートが破れたりするのを防止することができ耐久性に優れる。
(4)屋外に長期間設置しても収縮防止体の収縮量が著しく少ないので、構図の位置変化や破損等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができる。
(5)低温低湿度のような特殊な環境において静電気等の影響で複数枚が重なって張り付いて剥がれ難くなるのを防止し、プリンターの供給不良等が少なく優れた搬送性を得ることができる。このメカニズムは不明であるが、金属薄層を設けることによって静電気の帯電が防止されるためであると推察している。
ここで、金属薄層としては、アルミニウム、金、銀、銅、インジウム、ニッケル、スズ、鉛等やアルミニウム青銅、黄銅等の合金等の金属製で箔状に形成されたものが用いられる。なかでも、スズ製やアルミニウム製で形成された金属薄層が、取扱性と表面の安定性に優れるため好適に用いられる。
金属薄層の厚さとしては、3〜30μm好ましくは7〜12μmが好適に用いられる。厚さが7μmより薄くなるにつれ引張り強さ等の機械的強度が小さくなり、金属の種類等によっては、溶剤型インクが印刷されたインク受容層の収縮に伴ってカールしたり皺が発生したりする傾向がみられ、12μmより厚くなるにつれ重量が増しハンドリング性や作業性が低下する傾向がみられる。特に、3μmより薄くなるか30μmより厚くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
合成樹脂薄層としては、物理的、化学的に安定していて冷熱サイクル等の環境変化に対して寸法の変化の小さな熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
合成樹脂薄層の厚さとしては、5〜100μm好ましくは10〜30μmが好適である。厚さが10μmより薄くなるにつれ引張り強さ等の機械的強度が小さくなり金属薄層を補強する力が低下し裂け易くなったり皺がよりやすくなったりする傾向がみられ、30μmより厚くなるにつれ柔軟性が低下する傾向がみられる。特に、5μmより薄くなるか100μmより厚くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
合成樹脂薄層は、合成樹脂薄層を構成する合成樹脂材料を溶剤に溶解あるいは分散させた塗工液を、金属薄層の表面に塗布・乾燥して形成することができる。また、合成樹脂材料を加熱溶融して、金属薄層の表面にフィルム状に押出し圧着する押出積層によっても形成することができる。また、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面に接着剤を塗布して接着樹脂層を形成した後、別途に形成したフィルム状の合成樹脂薄層又は金属薄層と加圧接着するラミネートによっても形成することができる。
接着樹脂層を形成する際に用いる接着剤としては、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、ポリクロロプレン系、ニトリルゴム系、電子線硬化型等の接着剤が好適である。これらの接着剤をバーコータ,グラビアコータ,コンマコータ,ブレードコータ,ナイフコータ,カーテンコータ,ロールコータ,溶融押出機等の塗布装置等を用いて合成樹脂薄層又は金属薄層の表面に塗布・乾燥した後、金属薄層又は合成樹脂薄層と重ね合わせ、加圧して貼り合わせる。電子線硬化型の接着剤を用いる場合は、電子線を照射することによって硬化させ貼り合わせる。
インク受容層としては、溶剤型インクの溶剤によって緩やかに溶解される合成樹脂を含有するものが好適に用いられる。インク受容層に含有される合成樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸等のビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース,ポリエステル樹脂等の内の1種又は2種以上が好適に用いられる。また、酢酸ビニル系等のビニル樹脂やメタクリル樹脂等を分散したエマルジョンも用いることができる。
インク受容層は、インク受容層を構成する合成樹脂材料を溶剤に溶解あるいは分散させた塗工液を、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面に塗布・乾燥して形成することができる。また、合成樹脂材料を加熱溶融して、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面にフィルム状に押出し圧着する押出積層によっても形成することができる。また、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面に接着剤を塗布して接着樹脂層を形成した後、別途に形成したフィルム状のインク受容層と加圧接着するラミネートによっても形成することができる。また、インク受容層と合成樹脂薄層とを一度の製膜工程で多層押出しして多層フィルムとして形成することもできる。
なお、インク受容層は、金属薄層と合成樹脂薄層のいずれかの表面、金属薄層と合成樹脂薄層の両方の表面に形成することができるが、特に、合成樹脂薄層の表面に形成するのが望ましい。インク受容層が、金属薄層の表面にインク受容層が形成されていると、インク受容層に金属薄層の色が透けてインク受容層が黒っぽく見えることがあり、品質を低下させるからであり、インク受容層が合成樹脂薄層の表面に形成されていると、インク受容層に記録された画像や文字等を鮮明にしたり美麗にしたりできる。
インク受容層の塗工液は、バーコータ、グラビアコータ、コンマコータ、ブレードコータ、ナイフコータ、カーテンコータ、ロールコータ等を用い、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面に塗工・乾燥し、インク受容層を形成することができる。
インク受容層の乾燥塗工量としては、1〜50g/mが好適に用いられる。乾燥塗工量が1g/mより少なくなるにつれ十分な印字濃度及びインクの吸収性が低下する傾向がみられ、50g/mより多くなるにつれインク受容層を塗工したインクジェット記録シートがカールし易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
インク受容層の塗工後には、マシンカレンダ等のカレンダ装置を用いて平滑化処理を行うことができる。
インク受容層の厚さ(塗工液を塗布して形成する場合は乾燥後の厚さ)としては、10〜30μmが好適に用いられる。インク受容層の厚さが10μmより薄くなるにつれ印刷された記録画像が滲み易くなる傾向がみられ、30μmよりより厚くなるにつれインク受容層の塗工液が乾燥した際にクレーズやクラックが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
インク受容層は、合成樹脂の他、可塑剤、硬化剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光拡散剤、蛍光増白剤等の内のいずれか1以上を含有することができる。
可塑剤としては、フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル、コハク酸ジイソデシル,アジピン酸ジイソデシル等の脂肪族2塩基酸エステル、ジエチレングリコールジベンゾエート,ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル等を用いることができる。
可塑剤の含有量としては、合成樹脂100重量部に対し、1〜10重量部が好適に用いられる。可塑剤の含有量が1重量部より少なくなるにつれ柔軟性が低下する傾向がみられ、10重量部より多くなるにつれマイグレーションが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
硬化剤の含有量としては、インク受容層の合成樹脂100重量部に対し、1〜10重量部が好適に用いられる。硬化剤の含有量が1重量部より少なくなるにつれ塗工後のインク受容層の表面にタックが残り易く生産性やハンドリング性等が低下する傾向がみられ、10重量部より多くなるにつれインク受容層の表面硬化が進みひび割れが生じ易くなる傾向がみられるため、いずれも好ましくない。
本発明の請求項2に記載のインクジェット記録シートは、(a)金属薄層と、前記金属薄層の表面に形成された合成樹脂薄層と、を備えた収縮防止体と、(c)前記収縮防止体の表面に形成された合成樹脂層と、(d)前記合成樹脂層の表面に形成されインクの溶剤によって溶解される合成樹脂を含有するインク受容層と、を備えた構成を有している。
この構成により、請求項1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)インク受容層が、収縮防止体の表面に形成された合成樹脂層の表面に形成されているので、インク受容層に記録された画像や文字等を鮮明にしたり美麗にしたりできる。金属薄層の表面にインク受容層が形成されていると、インク受容層に金属薄層の色が透けてインク受容層が黒っぽく見えることがあり、品質を低下させるからである。
ここで、合成樹脂層としては、溶剤型インクの溶剤に対する耐溶剤性を有する熱可塑性樹脂が好適に用いられる。具体的には、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の熱可塑性樹脂が用いられる。
合成樹脂層は、厚さが7〜50μm好ましくは10〜30μmのものが好適に用いられる。厚さが10μmより薄くなるにつれインク受容層に金属薄層の色が透けて見え易くなる傾向がみられ、30μmより厚くなるにつれ柔軟性が低下する傾向がみられる。特に、7μmより薄くなるか50μmより厚くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
合成樹脂層は、合成樹脂層を構成する合成樹脂材料を溶剤に溶解あるいは分散させた塗工液を、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面に塗布・乾燥して形成することができる。また、合成樹脂材料を加熱溶融して、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面にフィルム状に押出し圧着する押出積層によっても形成することができる。また、金属薄層又は合成樹脂薄層の表面に接着剤を塗布して接着樹脂層を形成した後、別途に形成したフィルム状の合成樹脂薄層又は金属薄層と加圧接着するラミネートによっても形成することができる。
なお、合成樹脂層は、金属薄層と合成樹脂薄層のいずれかの表面、金属薄層と合成樹脂薄層の両方の表面に形成することができるが、特に、金属薄層の表面に形成すると、インク受容層に金属薄層の色が透けてインク受容層が黒っぽく見えたりするのを防止できるとともに、合成樹脂薄層の表面にもインク受容層を形成すれば、両面にインク受容層が形成された両面印刷が可能なインクジェット記録シートを製造することができるため好ましい。
合成樹脂薄層、金属薄層としては、請求項1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録シートであって、前記合成樹脂薄層が、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の熱可塑性樹脂で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)合成樹脂薄層がポリプロピレン,ポリカーボネート等の耐溶剤性と耐候性に優れる熱可塑性樹脂で形成されているので、溶剤型インクがインク受容層に浸透して合成樹脂薄層に接触しても溶解し難く、また屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でも弾性が低下し難く、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れる。
合成樹脂薄層は、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート等の種々の合成樹脂で形成できるが、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルを用いるのが好適である。成形加工性、耐溶剤性,機械的強度に優れているからである。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載のインクジェット記録シートであって、前記インク受容層が形成された前記収縮防止体の反対面に、粘着層が形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)インク受容層が形成された収縮防止体の反対面に粘着層が形成されているので、横断幕、屋外看板等として用いる際、粘着層で容易に貼着することができ施工性に優れる。
ここで、粘着層としては、メタクリル樹脂系接着剤,エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性接着剤、エポキシ樹脂,ポリウレタン等の熱硬化性接着剤、ポリクロロプレン,ニトリルゴム等のゴム系接着剤等を用いることができる。粘着層は、収縮防止体の反対面の全面若しくは一部に形成することができる。
粘着層の上面に離型性を有する離型紙等のセパレータを配設しておくと、使用時にセパレータを剥がすと粘着層が露出し直ちに看板等に貼着することができ作業性に優れるので好ましい。
セパレータとしては、シリコン系樹脂、アルキド樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等のいずれか1種以上でフィルム状に形成されたものを用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート製、ポリエチレン製、ポリプロピレン製等のフィルムや紙の表面をシリコン等で離型処理したものを用いることもできる。
以上のように、本発明のインクジェット記録シートによれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)印刷された溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されてインク受容層が収縮しようとしても、収縮防止体の金属薄層があるため、収縮したりカールしないインクジェット記録シートを提供することができる。特に、大型看板を作成する際には、大きな絵柄等を複数の絵柄に分割して印刷したシートを作成し、それらをつなぎ合わせて大きな絵柄等を作成するが(各々のシート間は絵柄を繋ぐために10〜50mm程度重ね合わせている)、各々のシートの収縮を抑えることができるので絵柄が切れるのを防止し広告宣伝効果が著しく減退するのを防止でき、大型看板による広告宣伝効果を長期間維持できるインクジェット記録シートを提供することができる。
(2)収縮防止体の金属薄層の機械的強度は比較的小さく剛性が非常に小さいので、貼着する看板等への形状追随性に優れ、さらに収縮防止体の合成樹脂薄層が弾性を付与するとともに強靭にして、皺がよったり、金属薄層が裂けたり破れたりするのを防止し取扱性に優れるとともに耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる
(3)溶剤型インクの溶剤がインク受容層に吸収されて溶解されインク受容層に穴や亀裂が形成されても、収縮防止体の金属薄層があるので、シートが破れたりするのを防止することができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(4)屋外に長期間設置しても収縮防止体の収縮量が著しく少ないので、構図の位置変化や破損等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができるとともに、収縮防止のためのフィルム等を貼り付ける等の付帯作業を要さず施工性に著しく優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
(5)低温低湿度のような特殊な環境において静電気等の影響で複数枚が重なって張り付いて剥がれ難くなるのを防止し、プリンターの供給不良等が少なく搬送性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)インク受容層に金属薄層の色が透けてインク受容層が黒っぽく見えて品質が低下するのを防止して、インク受容層に鮮明で美麗な画像や文字等を記録できるインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)合成樹脂薄層がポリプロピレン,ポリカーボネート等の耐溶剤性と耐候性に優れる熱可塑性樹脂で形成されているので、溶剤型インクがインク受容層に浸透して合成樹脂薄層に接触しても溶解し難く、また屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でも弾性が低下し難く、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができ耐久性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)横断幕、屋外看板等として用いる際、粘着層で容易に貼着することができ施工性に優れたインクジェット記録シートを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるインクジェット記録シートの要部断面図である。
図中、1は実施の形態1におけるインクジェット記録シート、2はアルミニウム、金、銀、銅、インジウム、ニッケル、スズ、鉛やアルミニウム青銅、黄銅等の合金の金属製で厚さ3〜30μm好ましくは7〜12μmの箔状に形成された金属薄層、3はポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の熱可塑性樹脂で厚さ5〜100μm好ましくは10〜30μmのフィルム状に金属薄層2の片面に形成された合成樹脂薄層、4は金属薄層2と合成樹脂薄層3とが積層された収縮防止体、5は軟質ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸等のビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース,ポリエステル樹脂等の合成樹脂製で収縮防止体4の金属薄層2の表面に形成されたインク受容層である。
以上のように構成された実施の形態1におけるインクジェット記録シートの製造方法について、以下説明する。
厚さが3〜30μmに形成された金属薄層2の表面に、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を加熱溶融して合成樹脂薄層3をフィルム状に押出し、圧着し積層して収縮防止体4を形成する。次いで、インク受容層5の原料であるビニル樹脂等の合成樹脂や可塑剤等を有機溶剤に溶解した塗工液を、収縮防止体4の金属薄層2の表面に、乾燥後の厚さが10〜30μmになるようにロールコータ、バーコータ等を用いて塗布し乾燥する。以上のようにして、本発明の実施の形態1におけるインクジェット記録シートを製造する。
以上のように実施の形態1におけるインクジェット記録シートは構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)インク受容層5が、収縮防止体4の金属薄層2の表面に形成されているので、印刷された溶剤型インクの溶剤がインク受容層5に吸収されてインク受容層5が収縮しようとしても、収縮防止体4の金属薄層2の曲げ剛性で収縮したりカールしたりするのを防止する。
(2)収縮防止体4の金属薄層2の機械的強度は比較的小さく剛性が非常に小さいので、貼着する看板等への形状追随性に優れ、さらに収縮防止体4の合成樹脂薄層3が弾性を付与するとともに強靭にして、金属薄層3が裂けたり皺がよったりするのを防止し取扱性に優れるとともに耐久性に優れる。
(3)合成樹脂薄層3がポリプロピレン,ポリカーボネート等の耐溶剤性と耐候性に優れる熱可塑性樹脂で形成されているので、屋外看板等のように屋外に長時間設置した場合でも弾性が低下し難く、看板等の広告効果を長期間に渡って維持することができるとともに耐久性に優れる。
(4)溶剤型インクの溶剤がインク受容層5に吸収されて溶解されインク受容層5に穴や亀裂が形成されても、収縮防止体4の金属薄層2があるので、シート1が破れたりするのを防止することができ耐久性に優れる。
(6)金属薄層2の両面がインク受容層5と合成樹脂薄層3に覆われているので、金属薄層2の表面が酸化して変色したり金属薄層2に傷が付いたりするのを防止し、インク受容層5に記録された画像等の色調が変わったように見えたり傷が付いたように見えたりするのを防止し耐久性に優れる。
(7)インク受容層5が溶剤型インクの溶剤によって緩やかに溶解されるビニル樹脂等の合成樹脂を含有しているので、印刷された溶剤型インクが含有する顔料が定着し易く印刷された画像等を滲み無く鮮明にすることができる。
(8)金属薄層2が3〜30μm好ましくは7〜12μmの厚さに形成されているので、溶剤型インクが印刷されたインク受容層の収縮に伴ってカールしたり皺が発生したりするのを防止するとともに、軽量化できハンドリング性や作業性が低下するのを防止できる。
(9)合成樹脂薄層3が5〜100μm好ましくは10〜30μmの厚さに形成されているので、機械的強度が高く金属薄層を補強し裂けたり皺が発生したりするのを防止するとともに、柔軟性を維持することができる。
(10)インク受容層5が乾燥後10〜30μmの厚さに形成されているので、印刷された記録画像が滲み難く鮮明な画像が得られるとともにクレーズやクラック等の欠陥が生じ難く平滑面を得ることができる。
なお、金属薄層2の表面に合成樹脂薄層3を押出積層して収縮防止体4を形成する場合について説明したが、別途にフィルム状に形成した合成樹脂薄層3を準備し、金属薄層2又は合成樹脂薄層3に接着剤を塗布し加圧接着して収縮防止体4を形成する場合もある。
また、収縮防止体4の金属薄層2の表面に塗工液を塗布・乾燥してインク受容層5を形成した場合について説明したが、インク受容層5を構成するビニル樹脂等の合成樹脂フィルムを別途形成しておき、接着剤を用いて収縮防止体4の金属薄層2と加圧接着してインク受容層5を形成する場合もある。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2におけるインクジェット記録シートの要部断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
図中、1aは実施の形態2におけるインクジェット記録シート、3aはポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の熱可塑性樹脂で金属薄層2の片面にラミネートされた厚さ5〜100μm好ましくは10〜30μmの合成樹脂薄層、4aは金属薄層2と合成樹脂薄層3aとがラミネートされて形成された収縮防止体、5aは軟質ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸等のビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース,ポリエステル樹脂等の合成樹脂製で収縮防止体4aの合成樹脂薄層3aの表面に積層形成されたインク受容層、6はインク受容層5aが形成された収縮防止体4aの反対面の金属薄層2の一部又は全面に形成されたメタクリル樹脂系接着剤,エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性接着剤、エポキシ樹脂,ポリウレタン等の熱硬化性接着剤、ポリクロロプレン,ニトリルゴム等のゴム系接着剤等からなる粘着層、7はシリコン系樹脂、アルキド樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等でフィルム状に形成され粘着層6に貼着されたセパレータである。
以上のように構成された実施の形態2におけるインクジェット記録シートの製造方法について、以下説明する。
軟質ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,ポリアクリル酸等のビニル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロース,ポリエステル樹脂等の合成樹脂材料を加熱溶融して、厚さ5〜100μm好ましくは10〜30μmの合成樹脂薄層3aの表面にフィルム状に押出し、圧着し押出積層して合成樹脂薄層3aの表面にインク受容層5aを形成する。
次に、エポキシ樹脂系、ポリウレタン系、ポリクロロプレン系、ニトリルゴム系等の接着剤をバーコータ等の塗布装置等を用いて合成樹脂薄層3aの裏面に塗布・乾燥した後、金属薄層2と重ね合わせ加圧して貼り合わせ、収縮防止体4aを形成する。
次に、セパレータ7の片面にバーコータ等で粘着層6を塗布し、セパレータ7に塗布された粘着層6を収縮防止体4aの金属薄層2に貼り合わせる。以上のようにして、実施の形態2におけるインクジェット記録シートを製造する。
以上のように実施の形態2におけるインクジェット記録シートは構成されているので、実施の形態1に記載の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)合成樹脂薄層3aの表面にインク受容層5aが形成されているので、インク受容層5aに記録された画像や文字等を鮮明にしたり美麗にしたりできる。金属薄層2の表面にインク受容層5aが形成されていると、インク受容層5aに金属薄層2の色が透けてインク受容層5aが黒っぽく見えることがあるからである。
(2)収縮防止体4aの金属薄層2に粘着層6が形成されているので、横断幕、屋外看板等として用いる際、使用時にセパレータ7を剥がして粘着層6で容易に貼着することができ施工性に優れる。
なお、合成樹脂薄層3aの表面にインク受容層5aを押出積層する場合について説明したが、インク受容層5aの表面に合成樹脂層3aを押出積層する場合もある。また、インク受容層5aと合成樹脂薄層3aとを一度の製膜工程で多層押出しして多層フィルムとして形成することもできる。また、別途にフィルム状に形成したインク受容層5aを準備し、接着剤を塗布し加圧接着してインク受容層5aを形成する場合もある。また、合成樹脂薄層3aとインク受容層5aとを積層した後、合成樹脂薄層3aと金属薄層2とを接着する場合について説明したが、実施の形態1で説明したのと同様に、金属薄層2の表面に合成樹脂薄層3aを押出積層した後、合成樹脂薄層3aの表面にインク受容層5aを押出積層や接着等の方法で形成する場合もある。
以下、本発明を実験例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。
(実験例1)
金属薄層としてのアルミニウム製金属箔(ロッテアルミ社製、厚さ9μm)の上面に、合成樹脂薄層として加熱溶融させたポリエチレンテレフタレート樹脂(コーロン社製)を20μmの厚さで押出積層し、収縮防止体を作成した。
次に、収縮防止体の合成樹脂薄層の上面に、インク受容層として加熱溶融させた塩化ビニル樹脂(LG化学社製)を30μmの厚さで押出積層し、収縮防止体の片面にインク受容層を形成した。
次いで、インク受容層を形成した収縮防止体の反対面に、メタクリル樹脂系エマルジョン粘着層を10μm厚さになるように塗布したポリエチレンテレフタレート製セパレータを貼り合わせて実験例1のインクジェット記録シートを得た。
(実験例2)
金属薄層としてのアルミニウム製金属箔(ロッテアルミ社製、厚さ9μm)の上面に、乾燥厚さが5μmになるようにバーコータ法でエポキシ樹脂製等の接着剤を塗工・乾燥した後、該接着剤塗工面とポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム(コーロン社製、厚さ15μm)からなる合成樹脂薄層とを重ね合わせて貼り合せ、収縮防止体を作成した。
次に、収縮防止体の金属薄層の表面に、乾燥厚さが5μmになるようにバーコータ法で接着剤(三元化学社製)を塗工・乾燥した後、該接着剤塗工面と塩化ビニル樹脂フィルム(LG化学社製、厚さ30μm)からなるインク受容層とを重ね合わせて貼り合せた。
次いで、インク受容層を形成した収縮防止体の反対面に、メタクリル樹脂系エマルジョン粘着層を10μm厚さになるように塗布したポリエチレンテレフタレート製セパレータを貼り合わせて実験例2のインクジェット記録シートを得た。
(実験例3)
金属薄層としてのアルミニウム製金属箔(ロッテアルミ社製、厚さ9μm)の上面に、合成樹脂薄層として加熱溶融させたポリエチレンテレフタレート(コーロン社製)を20μmの厚さで押出積層し、収縮防止体を作成した。
次に、収縮防止体の金属薄層の上面に、合成樹脂層として加熱溶融させたポリエチレンテレフタレート(コーロン社製)を25μmの厚さで押出積層した。
次いで、合成樹脂層の上面にインク受容層樹脂層として加熱溶融させた塩化ビニル樹脂(LG化学社製)を30μmの厚さで押出積層した。
次いで、インク受容層を形成した収縮防止体の反対面の合成樹脂薄層に、メタクリル樹脂系エマルジョン粘着層を10μm厚さになるように塗布したポリエチレンテレフタレート製セパレータを貼り合わせて実験例3のインクジェット記録シートを得た。
(実験例4)
金属薄層として厚さ5μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例4のインクジェット記録シートを得た。
(実験例5)
金属薄層として厚さ2μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例5のインクジェット記録シートを得た。
(実験例6)
金属薄層として厚さ20μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例6のインクジェット記録シートを得た。
(実験例7)
金属薄層として厚さ35μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ20μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例7のインクジェット記録シートを得た。
(実験例8)
金属薄層として厚さ9μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ7μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例8のインクジェット記録シートを得た。
(実験例9)
金属薄層として厚さ9μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ3μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例9のインクジェット記録シートを得た。
(実験例10)
金属薄層として厚さ9μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例10のインクジェット記録シートを得た。
(実験例11)
金属薄層として厚さ9μmのアルミニウム製金属箔、合成樹脂薄層として金属薄層の上面に押出積層した厚さ120μmのポリエチレンテレフタレート樹脂を用いた以外は、実験例1と同様にして、実験例11のインクジェット記録シートを得た。
(実験例12)
ポリ塩化ビニル樹脂製(LG化学社製、厚さ100μm)のシートを実験例12のインクジェット記録シートとした。
(実験例13)
ポリ塩化ビニル樹脂製(LG化学社製、厚さ70μm)のシートで形成された合成樹脂層(支持体)の上面に、インク受容層樹脂層として加熱溶融させた塩化ビニル樹脂(LG化学社製)を30μmの厚さで押出積層したものを実験例13のインクジェット記録シートとした。本実験例のインクジェット記録シートは、金属薄層を備えた収縮防止体を有していない点で、実験例1〜11のインクジェット記録シートと異なっている。
(溶剤型インクの印刷後の収縮量の評価)
実験例1〜13のインクジェット記録シートに、インクジェットプリンタ(ミマキエンジニアリング社製、品名:JV3)を用いて溶剤型インク(ミマキエンジニアリング社製ソルベントインク)で、シアン100%マゼンダ100%の濃紺の画像(大きさが縦5cm、横5cmの正方形)を出力した。1昼夜乾燥した後、印刷した正方形の画像が中央に位置するように、インクジェット記録シートをセパレータとともに一辺が10cmの正方形の形状に裁断した。
次に、裁断した実験例1〜13のインクジェット記録シートについて、−20〜100℃の冷熱サイクル試験を行った。冷熱サイクル試験の条件は、−20℃に1時間保持した後、1時間で100℃まで昇温し、次いで100℃で1時間保持した後、1時間で−20℃まで降温することを1サイクルとして12サイクル繰り返すものであった。
この試験の結果、冷熱サイクル試験後の実験例12及び実験例13のインクジェット記録シートは、試験前の寸法と比較して0.2〜0.3mm収縮していたのに対し、収縮防止体を有する実験例1〜11のインクジェット記録シートは、試験前の寸法と比較して、収縮量が0.1mm以下であり、収縮防止体を形成することによって、溶剤型インクを用いて印刷した際に、収縮するのを防止することができることが明らかになった。
なお、実験例1と実験例4,5のインクジェット記録シートとを比較すると、実験例1よりも金属薄層の厚さが薄い実験例4,5のインクジェット記録シートは、皺やカールが発生し易くなることがわかった。特に、金属薄層の厚さが薄い実験例5のインクジェット記録シートは、この傾向が著しいことがわかった。
また、実験例1と実験例6,7のインクジェット記録シートとを比較すると、実験例1よりも金属薄層の厚さが厚い実験例6,7のインクジェット記録シートは、単位面積当たりの重量が大きくなりハンドリング性が低下することがわかった。特に、金属薄層の厚さが厚い実験例7のインクジェット記録シートは、この傾向が著しいことがわかった。
また、実験例1と実験例8,9のインクジェット記録シートとを比較すると、実験例1よりも合成樹脂薄層の厚さが薄い実験例8,9のインクジェット記録シートは、折れ曲がり易く皺が発生し易くなることがわかった。特に、合成樹脂薄層の厚さが薄い実験例9のインクジェット記録シートは、この傾向が著しいことがわかった。
また、実験例1と実験例10,11のインクジェット記録シートとを比較すると、実験例1よりも合成樹脂薄層の厚さが厚い実験例10,11のインクジェット記録シートは、柔軟性が低下することがわかった。特に、合成樹脂薄層の厚さが厚い実験例11のインクジェット記録シートは、この傾向が著しいことがわかった。
以上のように本実験例によれば、収縮防止体を形成することにより、溶剤型インクを用いて印刷した際に、収縮したりカールや皺が発生したりするのを防止することができ、この結果、屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができるインクジェット記録シートが得られることが明らかになった。
本発明はインクジェット記録シートに関し、溶剤型インクを用いて印刷した際にインク受容層に美麗な画像等を形成することができ、またシートが収縮したりカールしたりするのを防止して屋外に長期間設置しても構図の位置変化等を起こさず長期間に渡って広告宣伝効果等を維持することができ、看板等への貼着作業の施工性に優れるインクジェット記録シートを提供することができる。
実施の形態1におけるインクジェット記録シートの要部断面図 実施の形態2におけるインクジェット記録シートの要部断面図
符号の説明
1,1a インクジェット記録シート
2 金属薄層
3,3a 合成樹脂薄層
4,4a 収縮防止体
5,5a インク受容層
6 粘着層
7 セパレータ

Claims (4)

  1. (a)金属薄層と、前記金属薄層の表面に形成された合成樹脂薄層と、を備えた収縮防止体と、(b)前記収縮防止体の片面に形成されインクの溶剤によって溶解される合成樹脂を含有するインク受容層と、を備えていることを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. (a)金属薄層と、前記金属薄層の表面に形成された合成樹脂薄層と、を備えた収縮防止体と、(c)前記収縮防止体の表面に形成された合成樹脂層と、(d)前記合成樹脂層の表面に形成されインクの溶剤によって溶解される合成樹脂を含有するインク受容層と、を備えていることを特徴とするインクジェット記録シート。
  3. 前記合成樹脂薄層が、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート及びそれらの共重合体の内のいずれか1種又は2種以上の熱可塑性樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録シート。
  4. 前記インク受容層が形成された前記収縮防止体の反対面に、粘着層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載のインクジェット記録シート。
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