JP6112868B2 - プリント用不織布及びプリント不織布 - Google Patents

プリント用不織布及びプリント不織布 Download PDF

Info

Publication number
JP6112868B2
JP6112868B2 JP2013002892A JP2013002892A JP6112868B2 JP 6112868 B2 JP6112868 B2 JP 6112868B2 JP 2013002892 A JP2013002892 A JP 2013002892A JP 2013002892 A JP2013002892 A JP 2013002892A JP 6112868 B2 JP6112868 B2 JP 6112868B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
nonwoven fabric
fiber
printed
dry heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013002892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014133959A (ja
Inventor
孝二 赤井
孝二 赤井
賢司 小沢
賢司 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP2013002892A priority Critical patent/JP6112868B2/ja
Publication of JP2014133959A publication Critical patent/JP2014133959A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6112868B2 publication Critical patent/JP6112868B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

本発明はプリント用不織布及びプリント不織布に関する。特には、天井、ドアサイド、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージなど自動車用内装材の表皮材として好適に使用することのできるプリント不織布、及びプリントに適した不織布に関する。
自動車用内装材の表皮材として、従来、装飾性に優れる不織布が使用されている。このような不織布として、ニードルパンチウエブにバインダーを含浸した後、バインダー含浸面の反対面にプリントが施されたプリント不織布が開発されている(特許文献1)。このような従来のプリント不織布は、ニードルパンチウエブに対して、比較的大柄なプリント柄を施すため、ニードルパンチウエブ自体が有する表面の凹凸によって、プリント不織布の外観意匠の不鮮明さが問題になることはあまりなかった。
しかしながら、近年の需要者の好みに応じて、従来よりも小柄なプリント柄を施した場合、ニードルパンチウエブ自体が有する表面の凹凸によって、プリント不織布の外観意匠が不鮮明又は斑になりやすく、また、プリント不織布の表面があばた状に見え、意匠性が悪いという問題が発生した。
特開昭62−202731号公報
このような小柄なプリントを施した場合の意匠性の問題を解決する方法として、接着性繊維を含むニードルパンチウエブに対して熱カレンダー加工を施し、接着性繊維で接着することによってニードルパンチウエブ表面を平滑とした後に、プリント加工を施す方法が考えられた。
しかしながら、接着性繊維で接着すると、風合いが硬く、厚さが薄くなることに加えて、引張り応力が強くなるため、プリント不織布を成型する場合に、成型型に追従することができず、成型性が悪いものであった。なお、このような成型性の問題が生じないように、接着性繊維で接着しない程度に熱カレンダー加工を施した場合、ニードルパンチウエブ表面の凹凸が解消されないため、意匠性の問題を解決することができなかった。
本発明はこのような状況下においてなされたものであり、小柄なプリントを施した場合であっても、意匠性に優れており、成型性にも優れるプリント不織布、及びこのプリント不織布のベースとなるプリント用不織布を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「乾熱収縮率が4%以上10%以下、かつポリエステルからなる延伸短繊維のみを構成繊維として含有する繊維ウエブが、熱圧着された状態にあることを特徴とする、プリント用不織布であって、「乾熱収縮率」は、JIS L1015(2010) 8.15b)乾熱寸法変化率に則り、初荷重を4mgとし、温度200℃で20分間放置した時の値をいう、プリント用不織布。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「乾熱収縮率が4%以上10%以下、かつポリエステルからなる延伸短繊維を、50mass%以上含有すると共に、繊維ウエブを構成する前述延伸短繊維以外の繊維は乾熱収縮率が4%未満のポリエチレンテレフタレート短繊維である繊維ウエブが、熱圧着された状態にあることを特徴とする、プリント用不織布であって、「乾熱収縮率」は、JIS L1015(2010) 8.15b)乾熱寸法変化率に則り、初荷重を4mgとし、温度200℃で20分間放置した時の値をいう、プリント用不織布。」であり、本発明の請求項3にかかる発明は、「請求項1または請求項2記載のプリント用不織布にプリントが施されている、プリント不織布。」である。
本発明の請求項1と請求項2にかかる発明は、乾熱収縮率が4%以上10%以下、かつポリエステルからなる延伸短繊維を、50mass%以上含有する繊維ウエブが熱圧着された場合、微視的に、延伸短繊維が収縮するためか、プリント用不織布は表面平滑性に優れているため、鮮明、かつ斑やあばたを生じることなく、プリントすることができることを見出した。また、熱圧着されているだけで、熱融着している訳ではないため、熱圧着した状態であっても繊維ウエブの厚さを維持することができ、また、熱融着している訳ではなく、引張り応力が強い訳でもないため、プリント用不織布にプリントを施したプリント不織布は成型型に追従しやすく、成型性にも優れている。更に、熱圧着しているだけで、熱融着している訳ではないため、プリント用不織布にプリントを施したプリント不織布は風合いも優れている。
本発明の請求項にかかる発明は、請求項1または請求項2のプリント用不織布にプリントが施されたプリント不織布であるため、プリントが鮮明、かつ斑やあばたのない意匠性に優れるものであり、しかも成型性、風合いに優れている。
本発明のプリント用不織布は、熱圧着した際に、微視的に、若干収縮し、表面が平滑となり、プリントが不鮮明となったり、斑やあばたを発生しないように、乾熱収縮率が4%以上、かつポリエステルからなる延伸短繊維を50mass%以上含有する繊維ウエブに由来している。つまり、延伸短繊維の乾熱収縮率が4%未満であると、熱圧着の際に収縮しないためか、表面の平滑性が不十分で、プリントが不鮮明になるなどの問題があるためで、好ましくは4.5%以上であり、より好ましくは5%以上である。一方で、乾熱収縮率が大き過ぎると、繊維ウエブ全体が収縮し、波打ってしまい、かえってプリント用不織布表面の平滑性を損なう傾向があるため、延伸短繊維の乾熱収縮率は20%以下であるのが好ましく、10%以下であるのがより好ましい。
なお、このような本発明の乾熱収縮率が4%以上の延伸短繊維は、例えば、繊維を製造する時の熱セット時における温度を適宜調整することによって、乾熱収縮率を4%以上とすることができる。具体的には、繊維を延伸した後、ポリエステルのガラス転移温度以上、つまり、温度70℃以上で熱セットすることにより乾熱収縮率を4%以上にすることができる。
本発明における「乾熱収縮率」は、JIS L1015(2010) 8.15b)乾熱寸法変化率に則り、初荷重を4mgとし、温度200℃で20分間放置した時の値をいう。
また、本発明の延伸短繊維がポリエステルからなるのは、ポリエステル樹脂は耐熱性、耐候性、防汚性等に優れており、各種用途、特に自動車用内装材に好適に使用できるためである。このようなポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどを挙げることができる。なお、延伸短繊維は一種類のポリエステルから構成されていても良いし、二種類以上のポリエステルから構成されていても良いが、二種類以上のポリエステルから構成されている場合には、融点差が10℃以内で、熱圧着の際に、いずれのポリエステルも融着及び可塑化変形して接着しないポリエステルの組合せからなるのが好ましい。
更に、本発明の繊維ウエブを構成する繊維は延伸短繊維である。このように「延伸」であるのは、未延伸短繊維であると、熱圧着時の熱によって収縮し、プリント用不織布に多数の皺が発生し、表面平滑性に劣るためである。また、熱圧着時の熱によって未延伸短繊維が可塑化変形して接着しやすく、繊維ウエブの厚さが潰れてしまうことに加えて、引張り応力が強くなってしまい、成型性が悪くなる傾向があるためである。このように、本発明の延伸短繊維は熱圧着することはあっても、可塑化変形して接着していない。
更に、本発明の延伸短繊維は短繊維であるため、比較的繊維の自由度が高い。そのため、熱圧着の際に収縮しやすいためか、表面平滑性に優れ、鮮明、かつ斑やあばたを生じにくいプリント用不織布であることができる。具体的には、繊維長が10〜200mmであり、好ましくは20〜100mmであり、更に好ましくは30〜80mmである。なお、「繊維長」は、JIS L1015(2010) 8.4.1c)直接法(C法)に則って測定した値をいう。
なお、本発明の延伸短繊維の繊度は特に限定するものではないが、繊維が太過ぎると、表面が平滑なプリント用不織布であることが困難になる傾向があり、細過ぎると、繊維の開繊性が悪くなり、表面が平滑なプリント用不織布であることが困難になる傾向があるため、0.1〜6dtexであるのが好ましく、1〜4dtexであるのがより好ましい。
また、通常、繊維は白色を有するが、本発明の延伸短繊維は白色であっても、白色以外の色に着色されていても良い。なお、着色した延伸短繊維は顔料及び/又は染料を含有させることによって調製できる。
本発明のプリント用不織布のもととなる繊維ウエブは上述のような延伸短繊維を含むものであるが、その量が少ないと、延伸短繊維による表面平滑性が得られず、意匠性を十分に満足することができないばかりでなく、成型性にも劣るため、延伸短繊維は繊維ウエブ中、50mass%以上含まれている。好ましくは60mass%以上含まれており、より好ましくは75mass%以上含まれており、更に好ましくは85mass%以上含まれており、更に好ましくは95mass%以上含まれており、最も好ましくは延伸短繊維のみから構成されている。なお、繊維ウエブは、樹脂成分の種類、繊度、繊維長、着色の有無などの点で相違する2種類以上の延伸短繊維を含むことができる。
この延伸短繊維以外に繊維ウエブを構成することができる繊維としては、例えば、乾熱収縮率が4%未満の有機繊維(特には、ポリエステル繊維)を挙げることができる。なお、延伸短繊維以外の繊維として、延伸短繊維よりも融点の低い接着性繊維を含んでいると、熱圧着によって接着してしまい、厚さが薄く、引張り応力が強くなって成型性に劣るばかりでなく、風合いが硬くなるため、熱圧着によって接着作用を示す繊維を含んでいないのが好ましい。
なお、乾熱収縮率が4%未満の有機繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維などを挙げることができ、延伸短繊維と同様の理由で、延伸短繊維と同様のポリエステルから構成されているポリエステル繊維が好ましい。また、この乾熱収縮率が4%未満の有機繊維の繊度はプリント用不織布の表面平滑性を損なわないように、1〜6dtexであるのが好ましく、1.5〜6dtexであるのがより好ましい。更に、乾熱収縮率が4%未満の有機繊維の繊維長はプリント用不織布の表面平滑性を損なわないように、10〜200mmであるのが好ましく、20〜100mmであるのがより好ましく、30〜80mmであるのが更に好ましい。更に、乾熱収縮率が4%未満の有機繊維は白色であっても、白色以外の色に着色されていても良い。
本発明の繊維ウエブは上述のような延伸短繊維を50mass%以上含有するものであるが、その調製方法は特に限定するものではない。しかしながら、成型時の追従性に優れるように、ある程度の嵩があるのが好ましいため、カード法、エアレイ法などの乾式法により形成した繊維ウエブであるのが好ましい。
本発明のプリント用不織布はこのような繊維ウエブが熱圧着された状態にあるものである。このように熱圧着された状態にあるということは、延伸短繊維が微視的に若干収縮するためか、プリント用不織布は緻密性が高くなり、表面平滑性が向上した状態にある。そのため、プリントした場合、鮮明で、斑やあばたが生じにくいものである。また、熱圧着したとしても、延伸短繊維が接着する訳ではないので、薄くなり、引張り応力が強くなって、プリント用不織布にプリントしたプリント不織布の成型性が悪くなるという問題や、風合いが硬くなるという問題が生じることもない。このように、本発明における「熱圧着された状態」とは、延伸短繊維が溶融も、可塑化変形して接着もすることなく、繊維同士が密着した状態をいう。
なお、熱圧着の条件は、前述の通り、延伸短繊維が溶融も、可塑化変形して接着もすることなく、延伸短繊維が若干収縮して、プリント用不織布の表面平滑性が得られる条件であり、特に限定するものではないが、例えば、加熱ロール間を通過させる場合、ロール温度はポリエステルの(軟化温度−110)℃から(軟化温度−20)℃の範囲内、つまり、130〜220℃であるのが好ましく、150〜200℃であるのがより好ましい。また、加熱ロール間の間隔は、表面が平滑なプリント用不織布が得られやすいように、繊維ウエブの厚さよりも狭いのが好ましい。例えば、繊維ウエブの厚さが2.3mm程度である場合、加熱ロール間の間隔は0〜2mmであるのが好ましく、0〜1mmであるのがより好ましい。なお、加熱と加圧は同時であっても良いし、加熱後に加圧しても良い。例えば、上述の通り加熱ロールを用いれば加熱と加圧を同時に実施することができ、オーブン等により加熱した後に一対のロールによって加圧すれば、加熱と加圧を別に実施することができる。
本発明のプリント用不織布は前述のように、繊維ウエブが熱圧着された状態にあるものであるが、繊維ウエブを単に熱圧着しただけでは強度的に不十分で、取り扱いにくい傾向があるため、熱圧着する前に、水流又はニードルにより絡合しているのが好ましい。特に、厚さを損なわないように、ニードルによって絡合しているのが好ましい。好適であるニードル絡合条件は繊維ウエブの地合いを乱さなければ良く、特に限定するものではないが、針密度100〜1000本/cmで絡合しているのが好ましく、200〜600本/cmで絡合しているのがより好ましい。
また、本発明のプリント用不織布は熱圧着された、表面平滑性に優れるものであるが、その表面平滑性に加え、表面の耐摩耗性を向上するように、熱圧着後に、バインダで接着しても良い。この接着は、熱圧着後の繊維ウエブの片面又は両面にバインダを含浸、泡立て含浸、コーティング、又はスプレーし、乾燥して実施できる。このバインダとしては、例えば、エチレンー塩化ビニル系、エチレンー酢酸ビニル系、エチレンー酢酸ビニルー塩化ビニル系、塩化ビニリデン系、塩化ビニル系、ポリエステル系、アクリル酸エステル系などのエマルジョンバインダを挙げることができる。なお、バインダで接着する場合には、成型性が損なわれないように、バインダ量は100g/m以下にするのが好ましい。
本発明のプリント用不織布は意匠性に優れるように、着色しているのが好ましいが、この着色は、延伸短繊維として、顔料及び/又は染料を含有するものを使用する方法、及び/又は、熱圧着前又は熱圧着後の繊維ウエブを顔料及び/又は染料で着色する方法により実施できる。なお、繊維ウエブをバインダで接着する場合には、バインダに顔料を含ませることによって着色することができる。
このような本発明のプリント用不織布の目付、厚さは特に限定するものではないが、目付は50〜500g/mであるのが好ましく、100〜250g/mであるのがより好ましい。また、厚さは成型性に優れるように、0.5〜3mmであるのが好ましく、1〜2mmであるのがより好ましい。なお、厚さは2.0kPa荷重時の値をいう。
本発明のプリント不織布は上述のようなプリント用不織布にプリントが施されたものである。上述の通り、プリント用不織布は表面平滑性に優れているため、プリントが鮮明、かつ斑やあばたのない意匠性に優れ、成型性、風合いも優れている。
なお、プリント用不織布がバインダで接着されている場合、バインダで接着されている面、バインダで接着されていない面のどちら側にプリントしても良いが、バインダで接着されていることによって、プリント用不織布の平滑性が更に向上し、より鮮明なプリントになるため、バインダで接着されている面に対してプリントされているのが好ましい。
また、本発明のプリント用不織布は表面平滑性に優れているため、プリントの幅が0.2〜1mmであるような小柄なプリント柄を施した場合であっても、プリントが鮮明、かつ斑やあばたのない意匠性に優れるものである。勿論、プリントの幅が1mmを超えるような大柄なプリント柄を施した場合であっても、プリントが鮮明、かつ斑やあばたのない意匠性に優れるものである。
本発明のプリント不織布のプリント柄は特に限定するものではないが、例えば、特開2012−179985号公報に開示されているように、色差が徐々に変化するようなプリント柄、実用新案登録第3072493号に開示されているような、立体模様を有するプリント柄を挙げることができる。
なお、プリントは一種類であっても、二種類以上であっても良い。特に、明度の異なるプリントを二種類以上実施することによって、立体的な意匠とすることができる。
このような本発明のプリントは従来から公知の方法により実施することができる。例えば、所望模様に対応する開口を有するシリンダを用意し、このシリンダを通して顔料を含む樹脂をプリントして実施できる。なお、二種類以上のプリント柄を有する場合には、前記操作を繰り返すことによって実施できる。また、樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などを使用することができ、顔料の色、種類及び量は適宜調整することができる。なお、プリント方法はシリンダを使用する方法に限定されず、例えば、グラビア印刷、凸版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などにより実施することができ、特に限定するものではない。
本発明のプリント不織布は意匠性及び成型性に優れているため、例えば、自動車内装材(例えば、天井、ドアサイド、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージなど)の表皮材、パーティション用表皮材、壁装材用表皮材などの用途に、好適に使用することができる。
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
原着ポリエステル延伸短繊維A(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、ポリエチレンテレフタレート一成分からなる、乾熱収縮率:5%)を100%用いて、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を行い、ニードルパンチウエブ(目付:175g/m、厚さ:2.3mm)を形成した。
次いで、このニードルパンチウエブを温度165℃、ロール間隔0.5mmの熱カレンダーロール間へ供給し、熱圧着して、熱圧着ウエブを形成した。
その後、次の割合で配合したバインダ溶液を、熱圧着ウエブのニードル面の反対面に対して泡立て含浸した後、温度150℃のキャンドライヤーで乾燥して、外観がダークグレー色のプリント用不織布(目付:180g/m、厚さ:1.7mm、バインダ量:5g/m)を調製した。
(バインダ溶液)
(1)アクリルバインダ[ボンコート(登録商標) E−240N、DIC(株)社製]・・・9重量部
(2)界面活性剤[ネオゲン(登録商標)S−20D、第一工業製薬(株)社製]・・・1.2重量部
(3)増粘剤[セロゲン(登録商標)WS−C、第一工業製薬(株)社製]・・・0.2重量部
(4)アンモニア水・・・0.1重量部
(5)水・・・89.5重量部
他方、次の割合で配合したプリント液F及びプリント液Gを調製した。
(プリント液F)
(1)増粘剤[カーボポール940、日本ルーブリゾール(株)製]・・・0.42重量部
(2)消泡剤[シンエツシリコーンKM−73、信越化学工業(株)製]・・・0.5重量部
(3)アクリルバインダ[ボンコート(登録商標)AB−886、DIC(株)製]・・・22重量部
(4)黒色顔料[R.W.BLACK B(V)、DIC(株)製]・・・0.044重量部
(5)青色顔料[R.W.SKYBLUE FFG、DIC(株)製]・・・0.011重量部
(6)茶色顔料[R.W.BROWN FFR、DIC(株)製]・・・0.005重量部
(7)増粘剤[ニカゾール(登録商標) VT−253、日本カーバイド工業(株)製]・・・1重量部
(8)25%アンモニア水・・・1重量部
(9)水・・・75.02重量部
(プリント液G)
(1)増粘剤[カーボポール940、日本ルーブリゾール(株)製]・・・0.42重量部
(2)消泡剤[シンエツシリコーンKM−73、信越化学工業(株)製]・・・0.5重量部
(3)アクリルバインダ[ボンコート(登録商標)AB−886、DIC(株)製]・・・13重量部
(4)白色顔料[R.W.WHITE PASTE 69、DIC(株)製]・・・1.2重量部
(5)増粘剤[ニカゾール(登録商標) VT−253、日本カーバイド工業(株)製]・・・1重量部
(6)25%アンモニア水・・・1重量部
(7)水・・・82.88重量部
次いで、プリント用不織布のバインダ接着面に対して、シリンダを用い、プリント液Fをプリントして、角度120°で右斜め下方向に向かって、幅が0.4mmの直線を平行に多数有し、隣接する直線との間隔が0.8mmである柄を形成した後、シリンダを用い、プリント液Gをプリントして、角度60°で左斜め下方向に向かって、幅が0.4mmの直線を平行に多数有し、隣接する直線との間隔が0.8mmである柄を形成した後、温度160℃のドライヤーで乾燥して、格子状柄を有するプリント不織布を製造した。
(実施例2)
原着ポリエステル延伸短繊維B(繊度:2.2dtex、繊維長:51mm、ポリエチレンテレフタレート一成分からなる、乾熱収縮率:2.5%)を用意し、この原着ポリエステル延伸短繊維B50mass%と、実施例1と同じ原着ポリエステル延伸短繊維A50mass%とを混綿し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と同様に、ニードルパンチ処理、熱圧着処理及びバインダ接着処理により、外観がダークグレー色のプリント用不織布(目付:180g/m、厚さ:1.7mm、バインダ量:5g/m)を調製した。
次いで、実施例1と同様にしてプリントし、格子状柄を有するプリント不織布を製造した。
(比較例1) 実施例2と同じ原着ポリエステル延伸短繊維B75mass%と、実施例1と同じ原着ポリエステル延伸短繊維A25mass%とを混綿し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と同様に、ニードルパンチ処理、熱圧着処理及びバインダ接着処理により、外観がダークグレー色のプリント用不織布(目付:180g/m、厚さ:1.7mm、バインダ量:5g/m)を調製した。
次いで、実施例1と同様にしてプリントし、格子状柄を有するプリント不織布を製造した。
(比較例2)
実施例2と同じ原着ポリエステル延伸短繊維B100mass%を用い、カード機により開繊して繊維ウエブを形成したこと以外は、実施例1と同様に、ニードルパンチ処理、熱圧着処理及びバインダ接着処理により、外観がダークグレー色のプリント用不織布(目付:180g/m、厚さ:1.7mm、バインダ量:5g/m)を調製した。
次いで、実施例1と同様にしてプリントし、格子状柄を有するプリント不織布を製造した。
(比較例3)
鞘部が変性ポリエチレンテレフタレート(融点:約110℃)、芯部がポリエチレンテレフタレート(融点:約255℃)で構成される接着繊維(東レ株式会社製、テトロン(登録商標)T−9611、繊度:4.4dtex、繊維長:38mm)を用意し、この接着繊維10mass%と、実施例1と同じ原着ポリエステル延伸短繊維A90mass%とを混綿し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を行い、ニードルパンチウエブ(目付:175g/m、厚さ:2.3mm)を形成した。
次いで、このニードルパンチウエブを温度165℃、ロール間隔0.5mmの熱カレンダーロール間へ供給し、熱融着して、熱融着ウエブを形成した。
その後、実施例1と同様のバインダ接着処理により、外観がダークグレー色のプリント用不織布(目付:180g/m、厚さ:1.7mm、バインダ量:5g/m)を調製した。
次いで、実施例1と同様にしてプリントし、格子状柄を有するプリント不織布を製造した。
(比較例4)
未延伸ポリエステル繊維(東レ株式会社製、テトロン(登録商標)T−911、繊度:4.4dtex、繊維長:38mm、乾熱収縮率:18%)を用意し、この未延伸繊維50mass%と、実施例2と同じ原着ポリエステル延伸短繊維B50mass%とを混綿し、カード機により開繊して繊維ウエブを形成した後、片面から針密度400本/mでニードルパンチ処理を行い、ニードルパンチウエブ(目付:175g/m、厚さ:2.3mm)を形成した。
次いで、このニードルパンチウエブを温度165℃、ロール間隔0.5mmの熱カレンダーロール間へ供給し、未延伸ポリエステル繊維を可塑化変形させて接着し、熱接着ウエブを形成した。
その後、実施例1と同様のバインダ接着処理により、外観がダークグレー色のプリント用不織布(目付:180g/m、厚さ:1.7mm、バインダ量:5g/m)を調製した。
次いで、実施例1と同様にしてプリントし、格子状柄を有するプリント不織布を製造した。
(プリント不織布の評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4のプリント不織布の、意匠性、風合い及び成型性について、次の方法により評価した。これらの結果は表1に示す通りであった。
(意匠性の評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4のプリント不織布の意匠性を、目視により観察し、次の基準によって評価した。
(1)プリント;
○:プリント柄が鮮明であり、かつ、均一に表現されている。
△:プリント柄が鮮明であるが、若干均一性に欠けている。
×:プリント柄が不鮮明であり、かつ、均一に欠けている。
(2)あばた;
○:ほとんど表面の凹凸感が見られない。
△:若干表面凹凸感が見られる。
×:著しく表面凹凸感が見られる。
(風合いの評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4のプリント不織布の短手方向(ニードルパンチウエブ製造時における幅方向)における剛軟度を、JIS L1096:2010 8.21 A法(45°カンチレバー法)に則って測定し、次の基準によって評価した。
○:剛軟度が120mm未満のもの(風合いが優れる)
△:剛軟度が120mm以上、150mm未満のもの(風合いがやや悪い)
×:剛軟度が150mm以上のもの(風合いが悪い)
(成型性の評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4のプリント不織布の20%モジュラス強度を、次のようにして得た後、下記の基準によって評価した。なお、20%モジュラス強度が小さいということは、小さい力で伸びやすいことを意味するため、20%モジュラス強度が小さい程、成型性に優れていることを意味している。
(1)プリント不織布の長手方向(ニードルパンチウエブ製造時における流れ方向)に対して3cm幅で、プリント不織布の短手方向に対して20cm長の長方形状に切断して、試料を調製した。
(2)前記試料を引張り強さ試験機(例えば、オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)のチャック間(距離:100mm)に固定し、引張り速度200mm/min.で引っ張り、チャック間距離が120mm(20%伸長)となった時の応力を測定した。
(3)上記(1)〜(2)の操作を繰り返し、3枚の試料について前記応力を測定し、その算術平均を20%モジュラス強度とした。

○:20%モジュラス強度が25N/3cm未満のもの(成型性に優れる)
△:20%モジュラス強度が25N/3cm以上、35N/3cm未満のもの(成型性がやや悪い)
×:20%モジュラスが35N/3cm以上のもの(成型性が悪い)
Figure 0006112868
#: A:原着ポリエステル延伸短繊維A、B:原着ポリエステル延伸短繊維B、C:接着性繊維、D:未延伸繊維
この表1から、乾熱収縮率が5%以上の延伸短繊維を50mass%以上含む繊維ウエブが圧着された状態にあるプリント用不織布にプリントしたプリント不織布(実施例1、2)は、柄が小さいにも関わらず、プリント柄が鮮明で、あばたのない意匠性に優れるものであり、しかも成型性及び風合いの優れるものであることが分かった。
これに対して、乾熱収縮率が5%以上の延伸短繊維量が50mass%未満である比較例1、2のプリント不織布は、プリント用不織布が平滑性に劣るため、プリント柄が不鮮明で、あばたがあるなど、意匠性の悪いものであった。
また、接着性繊維で熱融着した比較例3のプリント不織布は接着性繊維が熱カレンダー加工によって収縮したため、プリント柄の均一性に若干欠け、若干表面に凹凸感が見られるなど、十分な意匠性が得られないばかりでなく、熱融着したことによって風合いが悪く、しかも20%モジュラス強度が強くて、成型性の悪いものであった。
更に、乾熱収縮率が5%以上の未延伸短繊維を50mass%含む比較例4のプリント不織布は、未延伸短繊維が熱カレンダー加工によって収縮及び可塑化変形して接着したため、プリント柄が不鮮明で、しかもあばた(著しい表面凹凸感)があり、意匠性の悪いものであった。また、風合いが悪く、しかも20%モジュラス強度が強くて、成型性の悪いものであった。
本発明のプリント不織布は意匠性及び成型性に優れているため、例えば、自動車内装材(例えば、天井、ドアサイド、ピラーガーニッシュ、リヤパッケージなど)の表皮材、パーティション用表皮材、壁装材用表皮材などの用途に、好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 乾熱収縮率が4%以上10%以下、かつポリエステルからなる延伸短繊維のみを構成繊維として含有する繊維ウエブが、熱圧着された状態にあることを特徴とする、プリント用不織布であって、「乾熱収縮率」は、JIS L1015(2010) 8.15b)乾熱寸法変化率に則り、初荷重を4mgとし、温度200℃で20分間放置した時の値をいう、プリント用不織布
  2. 乾熱収縮率が4%以上10%以下、かつポリエステルからなる延伸短繊維を、50mass%以上含有すると共に、繊維ウエブを構成する前述延伸短繊維以外の繊維は乾熱収縮率が4%未満のポリエチレンテレフタレート短繊維である繊維ウエブが、熱圧着された状態にあることを特徴とする、プリント用不織布であって、「乾熱収縮率」は、JIS L1015(2010) 8.15b)乾熱寸法変化率に則り、初荷重を4mgとし、温度200℃で20分間放置した時の値をいう、プリント用不織布。
  3. 請求項1または請求項2記載のプリント用不織布にプリントが施されている、プリント不織布。
JP2013002892A 2013-01-10 2013-01-10 プリント用不織布及びプリント不織布 Active JP6112868B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013002892A JP6112868B2 (ja) 2013-01-10 2013-01-10 プリント用不織布及びプリント不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013002892A JP6112868B2 (ja) 2013-01-10 2013-01-10 プリント用不織布及びプリント不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014133959A JP2014133959A (ja) 2014-07-24
JP6112868B2 true JP6112868B2 (ja) 2017-04-12

Family

ID=51412446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013002892A Active JP6112868B2 (ja) 2013-01-10 2013-01-10 プリント用不織布及びプリント不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6112868B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6672003B2 (ja) * 2015-02-19 2020-03-25 日本バイリーン株式会社 成形用不織布及び自動車用表皮材
JP6479624B2 (ja) * 2015-10-10 2019-03-06 日本グラスファイバー工業株式会社 印刷成形品の製造方法
JP6672048B2 (ja) * 2016-04-08 2020-03-25 日本バイリーン株式会社 装飾不織布及びその製造方法
JP7021884B2 (ja) * 2017-09-06 2022-02-17 日本バイリーン株式会社 表皮材
JP7313137B2 (ja) * 2018-12-06 2023-07-24 日本バイリーン株式会社 内装用表面材

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4701365A (en) * 1986-05-28 1987-10-20 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Formable nonwoven sheet
JP2514193B2 (ja) * 1986-12-26 1996-07-10 旭化成工業株式会社 成型性積層シ−ト
JP2557864B2 (ja) * 1986-12-26 1996-11-27 旭化成工業株式会社 成型用積層体シ−トとその製造方法
JP2002020956A (ja) * 2000-07-04 2002-01-23 Japan Vilene Co Ltd 複合不織布及びその製造方法
JP2012112079A (ja) * 2010-11-26 2012-06-14 Teijin Fibers Ltd ポリエチレンナフタレート繊維及びそれからなる短繊維不織布

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014133959A (ja) 2014-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6112868B2 (ja) プリント用不織布及びプリント不織布
JP5716251B2 (ja) 熱接着性不織布芯地の製造方法および使用
JP6672003B2 (ja) 成形用不織布及び自動車用表皮材
JP6454102B2 (ja) 成形用不織布、自動車用表皮材、及び成形用不織布の製造方法
JP6813311B2 (ja) インジェクション成形用表面材
JP6807204B2 (ja) 内装用表皮材
JP6837784B2 (ja) 内装用表面材及びその製造方法
JP4109438B2 (ja) 表層材および壁紙とその製造方法
JP3818129B2 (ja) 壁装材およびその製造方法
JP3941458B2 (ja) 壁装材およびその製造方法
JP7021884B2 (ja) 表皮材
JP2017144803A (ja) 内装用表面材及びその製造方法
JP7430052B2 (ja) 不織布及び自動車内装用表皮材
JP6746331B2 (ja) 装飾繊維シート及び自動車用内装材
JP6672048B2 (ja) 装飾不織布及びその製造方法
JP7220036B2 (ja) 表皮材
JP6778091B2 (ja) 着色繊維シート及び自動車用内装材
JP2002061062A (ja) 壁紙用不織布
JP2012052267A (ja) ニット生地用接着芯地
JP2018090922A (ja) プリント不織布及びこのプリント不織布の製造方法
JP3348083B2 (ja) 壁 紙
JP2004169219A (ja) 壁紙
JP2021194889A (ja) 表皮材
JP2001081657A (ja) 壁紙用表面材料および該壁紙用表面材料を含む壁紙
JPH1096197A (ja) 壁紙の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161018

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170307

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6112868

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150