JP3348083B2 - 壁 紙 - Google Patents

壁 紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建物、車両等の
内装用や家具類の表面化粧用等として好適な壁紙に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】壁紙として、壁紙の裏紙となる壁紙用原
紙の片面に塩化ビニル樹脂を積層してなるビニル壁紙が
広く使用されている。このビニル壁紙は、壁紙用原紙の
片面に塩化ビニル樹脂をコーティングしたり、塩化ビニ
ル樹脂フィルムを接着したりして塩化ビニル樹脂層を形
成し、その表面に絵模様などをプリントし、乾燥、冷却
し、更に難燃剤を塗布、乾燥し、しかるのち加熱ロール
に接触させて予熱し、さらにヒータで加熱、軟化させ、
常温のエンボスローラで冷却しながら圧力500N/cm
(50 kgf/cm)程度で上記の塩化ビニル樹脂面に凹凸
模様を形成して製品としていた。そして、特にソフトな
風合いを得たい場合は、エンボス加工の際に原紙と塩化
ビニル樹脂の積層シートを走行させながら200〜23
0℃に加熱して発泡させ、常温のエンボスローラで冷却
しながら圧力500N/cm程度で圧接していた。
【0003】しかしながら、上記のビニル壁紙は、プリ
ントやエンボス加工が比較的容易であって、シャープな
凹凸模様が得られる反面、壁紙用原紙にコーティングま
たは接着で形成されたフィルム状の塩化ビニル樹脂層表
面にプリントおよびエンボス加工を施して作られるの
で、風合いが硬く冷たくなり易く、また熱収縮し易いた
め、日光やストーブの熱で変形や収縮が生じ易く、また
化学構造的に他の化合物と結合して汚れ易く、更に塩化
ビニル樹脂は、廃棄物として焼却する際に熱分解して塩
素ガスやダイオキシン等を発生し、環境を汚染するなど
の欠点があった。
【0004】そのため、最近になってビニル壁紙に代わ
る壁紙が要望されるようになり、壁紙用原紙の片面に不
織布を接着した不織布壁紙が開発されるに至った。この
不織布壁紙は、風合いがソフトで暖かみがあり、また日
光やストーブの熱で変形し難く、価格的にも手頃なた
め、市場にも認められつつあるが、表面が通常の編織用
繊維で覆われるため、ビニル壁紙に比べて表面の平滑性
および印刷性に劣り、また防汚性や撥水性の付与等の後
加工面で問題が指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、印刷性に
優れ、表面の平滑性、風合いおよび耐摩耗性にも優れ、
かつ撥水加工や防汚加工などの後加工も極めて容易に行
うことができる優れた不織布壁紙を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、壁紙用原紙
の片面にハロゲンを含まない有機繊維からなる不織布が
接着された壁紙において、上記不織布の少なくとも表面
側を構成する有機繊維に分割可能な2種以上の有機繊維
からなる分割型複合繊維をその構成成分である極細の有
機繊維に分割された状態で包含させる。
【0007】上記の分割型複合繊維は、複合成分間の剥
離によって分割可能な2種以上の、繊度が0.1〜1.
0デシテックス、好ましくは0.5デシテックス以下の
極細有機繊維からなる複合繊維であって、分割可能な複
合成分の組み合わせとして、ポリエステル/ナイロン、
ポリエステル/ポリプロピレン(又はポリエチレン)、
ポリプロピレン/エチレン・ビニルアルコール共重合体
などを選ぶことができる。特にナイロンやエチレン・ビ
ニルアルコールなどの親水性繊維を使用した場合は、印
刷適性の良好な壁紙が得られる。
【0008】また、上記の分割型複合繊維は、数本ない
し数十本の極細繊維を構成単位として1本の太い繊維の
形に複合したものであり、その断面形状は、前記の極細
化またはフィブリル化が可能であれば、任意であり、く
さび型、花弁型、放射型、並列型および木目型などの各
種の形状が利用可能である。
【0009】上記の分割型複合繊維を含む有機繊維は、
カードウエブ、ランダムウエブ、スパンボンドウエブ、
湿式ウエブ等の任意のウエブに形成され、更にバインダ
接着、ニードリング、流体パンチ等の接着処理によって
任意の不織布に形成される。この場合、上記有機繊維の
ステープルをカーディングして得られるカードウエブ
は、有機繊維として熱可塑性合成繊維に限らず任意の有
機繊維を用いることができ、かつスパンボンドウエブ等
に比して嵩高でソフトな風合いの不織布が得られる点で
好ましい。そして、カーディング工程では、上記の分割
型複合繊維を分割前の太い繊度の状態で使用することに
より、上記のカーディング処理が容易となる。また、湿
式ウエブは、特に目付け量50g/m2以下の薄手の場合
に、そのまま乾燥するだけで不織布として利用すること
ができ、かつ有機繊維の材質を選ばない点で好ましい。
【0010】そして、上記の接着処理としてニードリン
グや流体パンチ法は、これによってウエブを絡合させる
と共に、ニードリングや流体パンチに伴う外力の作用で
上記の分割型複合繊維を分割し、その構成成分である前
記極細繊維の数本ないし数十本からなる集合体に形成で
きる点で好ましい。そして、分割型複合繊維が分割され
て極細化され、かつ繊維本数が増大するため、特に流体
パンチ法を採用した場合に繊維が絡合し易くなり、かつ
絡合箇所が増加し、そのため不織布の少なくとも表面部
分の強度が向上する。なお、不織布に加工した後、ロー
ラでニップする等の外力を加えることにより、上記の複
合繊維を更に分割することもできる。
【0011】このように表面が極細繊維からなる不織布
は、表面平滑性に優れ、緻密構造を備えているため、密
度ムラが少なく、そのため印刷ムラの発生もなく、後加
工による撥水性や防汚性等の諸機能の付与が容易であ
る。そして、不織布の表面を形成する繊維に極細繊維が
含まれ、この極細繊維の絡合により繊維相互が強固に結
合しているため、表面の摩耗強度にも優れており、同じ
緻密構造のメルトブローン不織布を用いたものとは、こ
の点で相違している。
【0012】上記の不織布を構成する有機繊維として
は、上記の分割型複合繊維以外にポリエステル、ポリプ
ロピレン、レーヨン等の通常の編織用繊維および熱融着
性複合繊維(例えば、高融点樹脂を芯成分とし、低融点
樹脂を鞘成分とする芯鞘型複合繊維)も使用可能であ
る。ただし、上記分割型複合繊維の使用量は、少なくと
も不織布の表面側において20%以上であることが好ま
しく、20%未満では、分割型複合繊維を使用した発明
の目的が達成されない。そして、上記の通常の編織用繊
維の使用により嵩高性が得られ、また熱融着性複合繊維
を使用し、その低融点の鞘成分をエンボス加工その他の
熱処理で溶融させると、有機繊維相互が融着されて不織
布の寸法安定性が向上する。
【0013】また、上記の不織布は、2層以上の多層構
造とし、表面層と表面層以外の層における使用繊維の構
成を変えることができる。例えば、表面層における分割
型複合繊維の構成比率を裏面層における構成比率よりも
大きくすることにより、全体の嵩高性を損なうことな
く、表面の印刷適性、摩耗強度、防汚性および撥水性そ
の他の加工適性を大幅に向上させたり、またエンボス加
工時にシャープな凹凸模様を得易くすることができる。
【0014】また、表面層を上記の分割型複合繊維と熱
融着性複合繊維との混合ウエブで形成し、エンボス加工
時に上記熱融着性複合繊維の熱融着性を発現させて表面
層の組織を一層緻密に形成し、上記の印刷適性、摩耗強
度、防汚性、撥水性およびエンボス加工性を更に向上さ
せることができる。
【0015】上記不織布の目付け量は、15〜150g
/m2、特に30〜100g/m2が好ましく、使用目的に
応じて適当に設定される。ただし、15g/m2未満で
は、ボリューム感が乏しくなるおそれがあり、反対に1
50g/m2を超えると、嵩張り、不経済になるおそれが
ある。
【0016】また、上記不織布の厚みは、0.10〜
0.6mmが好ましく、0.10mm未満では壁紙としての
嵩高性に欠け、ペーパーライクな感触となり、逆に0.
6mmを超えると、嵩張りが増すため、壁貼り施工時のシ
ワや染色時の染色ムラが生じ易くなる。また、密度は
0.08〜0.33g/cm3 が好ましく、0.08g/
cm3未満では、組織が柔らかくなって表面の摩耗強度が
低下し、反対に0.33g/cm3 を超えると、風合いが
硬くなり、繊維状の好ましい感触が失われる。
【0017】上記の不織布は、常法にしたがって壁紙用
原紙の片面に糊剤で接着される。糊剤としては、デンプ
ン系、PVA、変性酢酸ビニール共重合体系等が好まし
い。また、ホットメルト接着剤その他の押出しラミネー
トなどによっても接着することができる。そして、壁紙
用原紙に接着された不織布の表面には、必要に応じて染
料または顔料で一色または多色の柄模様がプリントさ
れ、また難燃剤や撥水剤がコーティングされる。また、
ロータリースクリーンなどによって不織布の表面に発泡
性インク(発泡樹脂)を印刷したのち、このインキを発
泡させて立体感を表現することができる。また、通常の
染料や顔料でプリントした後、不織布表面にエンボスロ
ーラを圧接して凹凸模様を形成することもできる。
【0018】
【発明の実施の形態】実施形態1 分割型複合繊維として、2種の極細合成繊維が分割可能
に接合された分割型複合繊維を用い、この分割型複合繊
維のステープルおよび通常の編織用繊維ステープルを2
/8〜8/2の重量比で混綿し、これをカーディング
し、得られたカードウエブの任意枚数を総目付け量が1
5〜150g/m2となるように積層し、この積層ウエブ
の両面に水流パンチを施し、その構成繊維を互いに絡合
すると共に、水流パンチに伴う外力によってカードウエ
ブ(積層ウエブ)中の分割型複合繊維ステープルを平均
繊度が0.1〜1.0デシテックスの極細繊維ステープ
ルに分割する。得られた不織布は、その全体が極細合成
繊維と通常の編織用繊維とで構成される。
【0019】上記の不織布を難燃性壁紙用原紙の片面に
接着剤で接着し、上記不織布の表面に防汚加工や撥水加
工等の任意の後加工を施した後、任意の柄模様をプリン
トし、必要に応じてエンボス加工を施し、表面に凹凸模
様を形成し、壁紙とする。この壁紙は、表面層に20%
以上の極細繊維を含有するので、印刷性に優れ、かつ通
常の編織用繊維を含有するため、嵩高性を有し、不織布
壁紙特有のソフトな風合を備えている。なお、上記編織
用繊維ステープルの一部を熱融着性繊維(芯鞘型複合繊
維)で置換することができる。
【0020】実施形態2 不織布を2層構造に形成する。すなわち、実施形態1の
分割型複合繊維ステープルおよび通常の編織用繊維ステ
ープルを2/8〜10/0の比率で混綿して目付け量8
〜75g/m2の表面側ウエブを作る。また、通常の編織
用繊維ステープルのみを用いて目付け量8〜75g/m2
の裏面側ウエブを作る。そして、上記の表面側ウエブお
よび裏面側ウエブを重ね、以下実施形態1と同様にして
不織布とし、この不織布を壁紙用原紙に接着して壁紙を
得る。なお、上記の表面側ウエブおよび裏面側ウエブに
おける編織用繊維ステープルは、その一部を熱融着性繊
維で置換することができる。
【0021】実施形態3 上記の実施形態2において、その裏面側ウエブを作る
際、通常の編織用繊維ステープルおよび熱融着性繊維ス
テープルを2/8〜8/2の重量比で混綿する以外は、
実施形態2と同様にして2層構造の不織布を作り、これ
を壁紙用原紙に接着して壁紙とし、プリントおよびエン
ボス加工を施して上記熱融着性繊維ステープルの熱融着
性を発現させる。得られた壁紙は、表面側および裏面側
に積層したカードウエブが水流パンチに伴う絡合によっ
て混ぜられ、その際に裏面側の熱融着性繊維の一部が表
面側に移動し、不織布を構成する繊維同士が熱融着性繊
維中の鞘成分によって融着されるため、不織布の組織が
一層強く固定され、形態安定性が向上する。なお、表面
側ウエブにおける編織用繊維ステープルの一部を熱融着
性繊維で置換することができる。
【0022】実施形態4 上記の実施形態2の表面側ウエブを作る際、通常の編織
用繊維ステープルに代えて熱融着性繊維のステープルを
用い、実施形態1の分割型複合繊維ステープルおよび上
記の熱融着性繊維ステープルを2/8〜8/2の重量比
で混綿して表面側ウエブを形成し、その他は実施形態2
と同様にして不織布を作り、これを壁紙用原紙に接着し
て壁紙とし、プリントおよびエンボス加工を施して上記
熱融着性繊維ステープルの熱融着性を発現させる。得ら
れた壁紙は、表面層が極細繊維と熱融着性繊維中の芯成
分とで構成され、これらの繊維が熱融着性繊維中の鞘成
分によって融着され、かつ熱融着性繊維の一部が水流パ
ンチの際に裏面側に移動しているため、不織布の風合い
を残したまま、全体が強固に固定され、形態安定性が向
上すると共に、表面組織が一層緻密になり、印刷性が更
に向上する。なお、表面側ウエブにおける熱融着性繊維
ステープルの一部を通常の編織用繊維で、また裏面側ウ
エブにおける通常の編織用繊維ステープルの一部を熱融
着性繊維でそれぞれ置換することができる。
【0023】上記の実施形態1〜4において、表面層ウ
エブに包含される2種の極細合成繊維の一方を親水性と
することができ、この場合は印刷性が更に向上する。ま
た、不織布の合計目付け量を15〜80g/m2程度に設
定して壁紙用原紙の片面に接着剤で接着し、上記不織布
の表面に防汚加工や撥水加工等の任意の後加工を施した
後、ロータリスクリーン捺染機を用いて発泡性インキを
プリントし、熱処理により発泡させることができ、この
場合は立体感が増大する。ただし、この発泡性インキを
プリントした場合は、エンボス加工を省略するのが好ま
しい。
【0024】
【実施例】実施例1 ポリエチレンテレフタレートとナイロンとからなる3デ
シテックスの花弁型16分割の分割型複合繊維および3
デシテックスのレーヨン繊維をそれぞれステープルの状
態で用い、これらが50/50の重量比で混合されたカ
ードウエブを作製し、両面から水流パンチを圧力300
〜800N/cm2 (30〜80kgf/cm2 )で数回施して
上記カードウエブの構成繊維を絡合し、同時に上記分割
型複合繊維を16本に分割し、乾燥して目付け量40g
/m2のスパンレース状の不織布を得た。なお、上記の分
割により得られたポリエチレンテレフタレート繊維およ
びナイロン繊維の平均繊度は約0.2デシテックスであ
った。
【0025】上記の不織布は、難燃性を有する目付け量
110g/m2の壁紙用原紙と貼り合わせた後、アクリル
系の防汚・撥水加工剤で処理し、更にロータリースクリ
ーン捺染機により発泡性インクを印刷し、熱処理炉で1
70℃1分間の熱処理を施して上記の発泡性インクを発
泡させた。この印刷インクの乗りは良好で、極めて濃色
に印刷され、しかも防汚性や撥水性にも優れていた。そ
して、得られた壁紙の不織布部分の厚みは、断面の顕微
鏡写真で測定したところ、平均0.13mmであった。
【0026】比較例1 上記の実施例1において、その分割型複合繊維に代えて
レーヨン繊維を用い、すなわちレーヨン繊維のみを用い
てカードウエブを作製し、以下実施例1と同様にして壁
紙を製造した。得られた壁紙は、印刷インクの乗りが悪
く、濃色印刷が不可能であった。しかも、防汚加工およ
び撥水加工については、満足すべき加工条件を見出すこ
とができなかった。
【0027】実施例2 実施例1の分割型複合繊維およびレーヨン繊維を80/
20の重量比で用い、目付け量20g/m2のカードウエ
ブを作製し、これを表面側ウエブとした。また、5デシ
テックスのレーヨン繊維(ステープル)のみを用い、目
付け量20g/m2のカードウエブを作製し、これを裏面
側ウエブとした。上記の表面側および裏面側のウエブを
積層し、実施例1と同様に水流パンチを行ってスパンレ
ース状の不織布とした。この不織布は、表面強度も優れ
ており、実施例1と同様に、優れた性能の壁紙に加工す
ることができた。
【0028】実施例3 ポリプロピレンとエチレン・ビニルアルコール共重合体
とからなる2デシテックスの花弁型17分割の分割型複
合繊維および2デシテックスのレーヨン繊維をそれぞれ
ステープルの状態で用い、これらが50/50の重量比
で混綿された目付け量40g/m2のカードウエブを作製
し、これを表面側ウエブとした。また、3デシテックス
のレーヨン繊維および2デシテックスの芯鞘型熱融着性
繊維(ポリエチレンテレフタレートを芯成分とし、11
0℃程度で溶融するポリエステルを鞘成分とする複合繊
維)をそれぞれステープルの状態で用い、これらが60
/40の重量比で混綿された目付け量40g/m2のカー
ドウエブを作製し、これを裏面側ウエブとした。そし
て、上記の表面側および裏面側のウエブを積層した。
【0029】上記表面側ウエブおよび裏面側ウエブの積
層体を形態が乱れないように水で濡らし、表面側から圧
力400N/cm2 (40 kgf/cm2 )、600N/cm2
(60kgf/cm2 )および800N/cm2 (80 kgf/c
m2 )の水流パンチを順に行い、続いて裏面側から同様
の水流パンチを行って不織布を作製し、同時に上記分割
型複合繊維を極細繊維に分割した。顕微鏡観察によれ
ば、上記分割型複合繊維の90%以上が分割されてお
り、表面側は極細繊維が強固に絡合し、強い平滑面を形
成していた。
【0030】得られた目付け量70g/m2の不織布を目
付け量110g/m2の壁紙用原紙に酢酸ビニル系接着剤
で接着した。次いで、常法にしたがってアクリル系樹脂
による撥水加工および通常染料の印刷を施し、続いてエ
ンボス加工を温度200℃、圧力1300N/cm(13
0 kgf/cm)で行った。印刷時のインクの乗りは極めて
良好で、濃色に印刷することができ、かつ印刷ムラも少
なかった。また、撥水性および汚れ落ちも良好であり、
エンボス加工ではシャープな凹凸模様が得られ、エンボ
ス加工後の表面強度も優れており、また湿潤時の寸法変
化も小さく、満足できるものであった。また、裏面側ウ
エブに用いた芯鞘型熱融着性繊維の鞘成分が上記のエン
ボス加工時に溶融し、不織布の構成繊維を融着するの
で、寸法安定性が向上した。なお、得られた壁紙の断面
を顕微鏡で観察したところ、不織布部分の厚み(エンボ
ス加工による凸部の最大厚み)は0.25mmであり、ボ
リューム感も十分であった。
【0031】比較例2 前記の実施例1において、その分解型複合繊維に代えて
2デシテックスのポリプロピレン繊維ステープルを用
い、その他は実施例1と同様にして壁紙を作ったとこ
ろ、濃色に印刷することができず、防汚加工および撥水
加工については、満足すべき加工条件を見出すことがで
きなかった。
【0032】実施例4 前記実施例1の分割型複合繊維および実施例3の芯鞘型
熱融着性繊維を用い、これらが50/50の重量比で混
綿された目付け量40g/m2のカードウエブを作製し、
これを表面側ウエブとした。また、実施例3のレーヨン
繊維のみを用いて目付け量40g/m2のカードウエブを
作製し、これを裏面側ウエブとした。この表面側ウエブ
および裏面側ウエブを積層し、以下実施例3と同様にし
て不織布を作製し、この不織布を壁紙用原紙に接着し、
撥水加工、印刷およびエンボス加工を施し、芯鞘型熱融
着性繊維の鞘成分を溶融し、実施例3と同様に優れた壁
紙を得た。この実施例4の壁紙は、芯鞘型熱融着性繊維
を表面側ウエブに用いたので、表面の印刷適性、摩耗強
度、防汚性、撥水性およびエンボス加工性が更に向上し
た。
【0033】
【発明の効果】上記のとおり、この発明の壁紙は、不織
布の少なくとも表面側に極細繊維を包含するので、印刷
性、表面の平滑性、風合いおよび耐摩耗性に優れてお
り、かつ撥水加工や防汚加工などの後加工も極めて容易
に行うことができる。特に請求項2に係る発明は、カー
ドウエブをパンチングして得られた不織布を用いるの
で、分割型複合繊維をパンチングの際に分割することが
でき、それまでの工程では分割前の状態で処理すること
ができ、作業性が良好であり、また分割型複合繊維の分
割で生じた極細繊維の絡合が促進され、表面が一層緻密
になり、表面の平滑性および耐摩耗性が更に向上する。
また、請求項3に係る発明は、分割型複合繊維以外の有
機繊維として通常の編織用繊維および芯鞘型熱融着性繊
維が使用されるので、嵩高性が向上し、かつエンボス加
工を併用して芯鞘型熱融着性繊維の熱融着性を発現させ
ることにより、壁紙の寸法安定性を向上させたり、表面
の緻密性や平滑性を一層向上させたりすることができ
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁紙用原紙の片面にハロゲンを含まない
    有機繊維からなる不織布が接着された壁紙において、上
    記不織布の少なくとも表面側を構成する有機繊維に分割
    可能な2種以上の有機繊維からなる分割型複合繊維がそ
    の構成成分である極細の有機繊維に分割された状態で包
    含されていることを特徴とする壁紙。
  2. 【請求項2】 不織布がカードウエブに高圧水流または
    ニードルによるパンチングを施して得られたパンチング
    不織布である請求項1記載の壁紙。
  3. 【請求項3】 カードウエブが分割型複合繊維、通常の
    編織用繊維および芯鞘型熱融着性繊維からなる請求項2
    記載の壁紙。
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