JP2010190035A - 床材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 印刷層が印刷されたオレフィン系熱可塑性樹脂フィルム上に、厚さ300μm〜500μmのオレフィン系熱可塑性樹脂層および厚さ3〜30μmの表面保護層を少なくとも有する、床材用化粧シート。
【選択図】 図2
Description
オレフィン系熱可塑性樹脂フィルム10は、床材としての意匠を付与する機能を担うもので、例えばポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、共重合ポリエステル樹脂(例:1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂である通称PET−G樹脂)、非晶質ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等を使用することができるが、オレフィン系熱可塑性樹脂層11との接着性、積層後のシートのカール防止(異種材料を積層するとカールする傾向がある為)、建材用途での実績(耐候性等の耐久性の付与、エンボス等の加工適性)等の観点からオレフィン系樹脂フィルムを使用するのが好ましい。
プライマー層15はオレフィン系熱可塑性樹脂層11と絵柄層16、ベタ印刷層17等の印刷層との接着性を向上させる目的で設けるものであり、本発明においては、プライマー層は必ず形成しなければならないものではなく、必要により設ければよい。プライマー層を形成する樹脂としてはエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ニトロセルロース樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂は単独ないし混合して塗料組成物、又は、インキ組成物とし、ロールコート法やグラビア印刷法等の従来から公知の塗布手段を用いて、1〜6μm程度の厚さに形成すればよい。
図2には、印刷層12として絵柄層16およびベタ印刷層17を有する構成を示している。絵柄層16およびベタ印刷層17は、一般的にはグラビア印刷、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の周知の印刷法でインキを用いてフィルム10の上に形成することができる。図2においては、絵柄層16およびベタ印刷層17の両方を設けた構成を示したが、いずれか一方の構成であっても構わない。絵柄層16としては、特に限定されるものではないが、たとえば、木目模様、石目模様、布目模様、皮紋模様、幾何学模様、文字、記号、線画、各種抽象模様柄が挙げられる。模様部の厚さは、通常1〜15μm程度である。ベタ印刷層17としては、隠蔽性を有する着色インキでベタ印刷したものであり、その厚さは、通常1〜10μm程度である。
オレフィン系熱可塑性樹脂層11には、上記オレフィン系熱可塑性樹脂フィルム10に使用した同様のオレフィン系熱可塑性樹脂を使用することができる。中でも、床材として表面物性や加工性、経済性、廃棄製(焼却も含む)等、特に耐キャスター性を付与の観点から、表面強度や耐摩耗性に優れたホモポリプロピレンからなる樹脂、好ましくはホモポリプロピレン70重量%以上からなる樹脂が望ましい。本発明においては好ましくは融点150〜170℃を有するホモポリプロピレンを使用するようにする。より好ましくは曲げ弾性率1000MPa以上、引張り降伏強度30MPa以上、ロックウェル硬度75以上を有するホモポリプロピレンを使用することである。なお、ホモポリプロピレンとは、プロピレンモノマーの単独重合体を意味している。またホモポリプロピレン以外に含まれていてもよい樹脂は、床材を製法するまでの工程に製造上の問題が生じなければ特に限定されない。
接着層18は、印刷層12が形成されたフィルム10とオレフィン系熱可塑性樹脂層11とを接着させる働きをするものである。オレフィン系熱可塑性樹脂層11との積層方法としては、例えば、接着層18を介したドライラミネート法又はウエットラミネート法や、接着層18を介した又は介さない熱ラミネート法、高周波ラミネート法、透明熱可塑性樹脂を溶融状態で押し出すと同時に積層する押出ラミネート法等が適用可能である。押出ラミネート法にあっては、必要に応じて、接着層18としての酸変性オレフィン系樹脂又はオレフィン−(メタ)アクリレート共重合体樹脂等の接着性樹脂層を、樹脂層11との共押出にて同時に積層形成してもよい。また、当該積層に先立ち、樹脂層11との接着面に、例えば、コロナ放電、オゾン処理、プラズマ処理、電離放射線処理、酸処理、アルカリ処理、または、アンカー処理等の易接着化の為の表面処理を施しておいてもよい。
化粧シート100の表面に設ける表面保護層14について説明する。この表面保護層14は、床材(図1参照)に要求される耐擦傷性、耐摩耗性、耐水性、耐汚染性等の表面物性を付与するために設けられる。この表面保護層14を形成する樹脂としては、従来から知られている熱硬化型樹脂ないし電離放射線硬化型樹脂等の硬化型樹脂等を用いて1〜100μm、好ましくは3〜30μmの厚さに形成するのが適当である。より詳しくは、特許文献1明細書第0031〜0044段に記載されている表面保護層に関する技術的事項を本願発明にもそのまま適用可能であるので、当該記載を本願明細書の一部としてここに引用する。本願発明において好ましいものは表面硬度が硬く生産性に優れる電離放射線硬化型樹脂である。
化粧シート100の表面に電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層14を設けるにあたり、該表面保護層14の形成面、すなわち図2に示す例では樹脂層11の表面、と電離放射線硬化型樹脂からなる表面保護層14との間に、十分な密着性を確保する必要がある。そのためには、樹脂層11の表面に例えばコロナ放電処理又はオゾン処理等の表面活性化処理を施すか、若しくは、樹脂層11を構成する熱可塑性樹脂と、表面保護層14を構成する電離放射線硬化型樹脂との双方に対して密着性の優れた樹脂組成物からなるリコート性樹脂層を、樹脂層11の表面に設けておくことが望ましい。
木質基材2としては、特に限定されず、例えば杉、檜、律、松、ラワン、チーク、メラピー等の各種素材から作られた突板、木材単板、木材合板、パティクルボード、中密度繊維板(MDF)等が挙げられる。なお、木材基材には、一方の面に、防湿効果を付与する観点から、例えば防湿層を形成していてもよい。
木目模様の印刷層上にウレタン系接着剤を介して曲げ弾性率600MPa、引張り降伏強度26MPa、ロックウェル硬度72の透明ランダムポリプロピレン樹脂(融点145℃)をTダイ押出し機で厚さが300μmとなるように押出して積層体を作製した以外は実施例1と同様にして比較例とする化粧シートを作製した。なお、本比較例で使用したランダムポリプロピレン樹脂は、エチレンとプロピレンとのランダム共重合体である。
木目模様の印刷層上にウレタン系接着剤を介して曲げ弾性率1500MPa、引張り降伏強度38MPa、ロックウェル硬度80の透明ホモポリプロピレン樹脂(融点170℃)をTダイ押出し機で厚さが200μmとなるように押出して積層体を作製した以外は実施例1と同様にして比較例とする化粧シートを作製した。
木目模様の印刷層上にウレタン系接着剤を介して曲げ弾性率1500MPa、引張り降伏強度38MPa、ロックウェル硬度80の透明ホモポリプロピレン樹脂(融点170℃)50重量%、曲げ弾性率600MPa、引張り降伏強度26MPa、ロックウェル硬度72の透明ランダムポリプロピレン樹脂(融点145℃)50重量%含んだ樹脂層をTダイ押出し機で厚さが400μmとなるように押出して積層体を作製した以外は実施例1と同様にして比較例とする化粧シートを作製した。
木質基材として12mm厚さのラワン合板を使用し、実施例および比較例で得られた化粧シートを、水溶性ウレタン系エマルジョン接着剤を介して積層することにより木材基材に貼りつけ、床材を製造した。
上記実施例および比較例で得られた化粧シートを使用して得られた床材について、耐キャスター性を、耐キャスター試験装置L6−O4(浅野機械製作(株)製)を使用して評価した。
○:凹み深さが70μm未満
△:凹み深さが70μm以上、100μm未満
×:凹み深さが100μm以上
2 木質材質
10 樹脂フィルム
11 樹脂層
12 印刷層
14 表面保護層
15 プライマー層
16 絵柄層
17 ベタ印刷層
18 接着層
100 化粧シート
1000 耐キャスター試験装置
1001 重り
1002 荷重部
1003 調節ハンドル
1010 キャスター固定台
1011 キャスター
1012 試料
1013 試料固定台
Claims (6)
- 印刷層が印刷されたオレフィン系熱可塑性樹脂フィルム上に、厚さ300〜500μmのオレフィン系熱可塑性樹脂層および厚さ3〜30μmの表面保護層を少なくとも有する、床材用化粧シート。
- オレフィン系熱可塑性樹脂層のオレフィン系熱可塑性樹脂が、ホモポリプロピレンからなる、請求項1に記載の床材用化粧シート。
- オレフィン系熱可塑性樹脂層のオレフィン系熱可塑性樹脂が、ホモポリプロピレン70重量%以上からなる、請求項1に記載の床材用化粧シート。
- ホモポリプロピレンが融点150〜170℃を有する、請求項1〜3いずれかに記載の床材用化粧シート。
- オレフィン系熱可塑性樹脂フィルムが、ポリプロピレン樹脂フィルムまたはポリエチレン樹脂フィルムである、請求項1〜4いずれかに記載の床材用化粧シート。
- 木質基材上に、請求項1〜5いずれかに記載の床材用化粧シートを貼付してなる、床材。
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