JP3932883B2 - 床材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、戸建て住宅やマンション、アパート、保養所、オフィスビル、店舗等の建築物における室内床面に使用するための床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、戸建て住宅等の建築物における室内床面用の床材としては、木質系フローリング材が最も広く流行している。この木質系フローリング材とは具体的には、厚み5〜15mm程度の天然木材の無垢板や、厚み5〜15mm程度の積層合板等の木質基材上に、厚み数百μm乃至数mm程度の天然木材の突板を貼着したもの、或いはそれらの塗装品等である。
【0003】
これらの天然木材を使用した木質系フローリング材は、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然で親しみやすく美麗な意匠であることから、従来広く消費者に受け入れられている。しかし、日光に当たると変色し易いことや、水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕、突板の剥離等を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所、厨房等の様な水廻りの部位への使用には問題があること、天然素材なので色調や木目形状などの品質や価格、供給量などが不安定であることなどの問題点も指摘されている。
【0004】
特に近年では、地球環境保護問題への社会的関心が高まるにつれて、環境破壊に繋がる天然木材の大量消費は白眼視される様になり、床材などの建築材料の分野においても、資源のリサイクル利用への取り組みが求められる様になっている。しかし、木質系フローリング材を再度床材としてリサイクル利用することは、技術的にも経済的にも極めて困難であり、せいぜい粉砕してパーティクルボード用原料としてリサイクル利用される程度に留まっているが、これも近年の急激な供給増に見合った用途開発が進まないために過剰在庫を抱え、リサイクル利用は行き詰まりの状況にあり、大半は埋め立てや焼却による最終処分が行われているのが現状である。
【0005】
そこで、床材を使用後に再度、同種の床材の原料として再利用可能な、リサイクル適性のある床材の開発が、社会的に強く要望される様になっている。こうした要望に応えるものとして、本発明者らは既に、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有する木質樹脂成形体の表面に、該木質樹脂成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートを積層してなる床材を提案した(特願2000−178362号)。
【0006】
この床材は、熱可塑性樹脂を主成分とするので耐水性や耐候性に優れ、物性的にも意匠的にも品質の安定した製品を安価に大量供給可能であり、切削や釘打ち等の加工性も木質系フローリング材と同等であり、しかも、使用後はそのまま粉砕して前記木質樹脂成形体の成形材料として再利用できるという、優れたリサイクル適性を備えたものである。
【0007】
また、本発明者らはさらに、水系又は溶剤系接着剤による接着性や、天然木材に似た暖かい触感を与える断熱性、快い歩行感を与える弾力性等の改善を目的として、前記木質樹脂成形体を発泡させてなる木質樹脂発泡成形体を基材として使用した床材をも、既に提案した(特願2000−317482号)。
【0008】
しかしながら、その後の試作検討の結果、上記した木質樹脂発泡成形体を使用した床材にも、以下の様な問題点があることが判明した。すなわち、床材の断熱性や歩行感を向上させるためには、木質樹脂発泡成形体の発泡倍率を高めるか、及び/又は、弾性率の低い軟質の熱可塑性樹脂を使用することが有利であるが、そうすると、木質樹脂発泡成形体の硬度が低下するために、床材の表面の耐傷付き性や耐圧痕性(重量物の置き痕やキャスター痕などがつきにくいこと)が低下してしまう。従って、断熱性や歩行感と、耐傷付き性や耐圧痕性との両立は困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記の様な問題点を解決するためになされたものであり、木質感やリサイクル適性に優れた木質樹脂発泡成形体を基材とした床材であって、断熱性、歩行感、耐傷付き性、耐圧痕性等の各面でバランスの良い優れた物性を有する床材を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の床材は、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有し、且つ発泡している木質樹脂発泡成形体の表面に、前記木質樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートが積層されてなる床材であって、前記木質樹脂発泡成形体は、発泡倍率が1.0〜1.1倍、厚さが0.1〜2mmの表層部と、発泡倍率が1.2〜3.0倍の芯部とから構成されていると共に、前記木質樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂は、曲げ初期弾性率が700〜3000MPaのポリオレフィン系樹脂であることを特徴とするものである。
【0011】
また特に、上記床材において、前記木質系充填剤は、平均粒径が1〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜500重量部配合されていることを特徴とするものである。
【0012】
また特に、上記床材において、前記木質樹脂発泡成形体は、セルカプロセスにより成形されてなることを特徴とするものである。
【0013】
また特に、上記床材において、前記化粧シートの厚みは、0.05〜0.3mmであることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の床材の基本構成は、図1に示す様に、熱可塑性樹脂13と、木質系充填剤14との混合組成物を、発泡(内部に気泡15が存在)させつつ成形してなる、木質樹脂発泡成形体1の表面に、前記熱可塑性樹脂13と同系の熱可塑性樹脂からなる化粧シート2が積層されてなるものである。
【0015】
そして、木質樹脂発泡成形体1は、高発泡倍率の部分である芯部11の表面側に、低発泡倍率の部分である表層部12を有する層構造をなしており、芯部11の発泡倍率は1.2〜3.0倍、表層部12の発泡倍率は1.0〜1.1倍、且つ表層部12の厚さは0.1〜2mmとされている。そしてさらに、熱可塑性樹脂13は、曲げ初期弾性率が700〜3000MPaのポリオレフィン系樹脂からなっているものである。
【0016】
本発明においては上記のとおり、木質樹脂発泡成形体1が、発泡倍率が1.2〜3.0倍の芯部11の表面に、発泡倍率が1.0〜1.1倍で厚さが0.1〜2mmの表層部12が形成された層構造をなしていることが重要である。なお、表層部12は、図1に示した様に、芯部11の全表面を囲繞する様に設けられている必要は必ずしもなく、少なくとも芯部11の上面に形成されていれば良いのであって、芯部11の上面のみでも、上面から側面の一部又は全部にかけて形成されていても良い。
【0017】
芯部11の発泡倍率が1.2倍に満たなかったり、表層部12の厚さが2mmを越えたりすると、断熱性の不足のために、素足で触れた時に不快な冷触感を与える原因となったり、床材が全体として硬くなるために、歩行時に人体に与える衝撃を吸収できずに歩行感が劣ったり、物品の落下等による衝撃を吸収できずに割れやすくなったりする原因となるほか、床材の重量が増し、材料の使用量が増すため不経済でもある。
【0018】
一方、芯部11の発泡倍率が3.0倍を越えたり、表層部12の発泡倍率が1.1倍を越えたり、表層部12の厚さが0.1mmに満たなかったりすると、床材としての剛性や表面硬度が不足し、耐傷付き性や耐圧痕性が悪化したり、寸法安定性の低下のために、温度変化によって、床材同士の間の目すきや、床材同士の突き上げによる浮き等を発生したりする原因となるからである。
【0019】
また、木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂13は、曲げ初期弾性率が700〜3000MPaのポリオレフィン系樹脂からなることが重要である。曲げ初期弾性率が700MPaに満たないと、床材としての剛性や表面硬度が不足し、耐傷付き性や耐圧痕性が悪化する原因となる。一方逆に、曲げ初期弾性率が3000MPaを越えても、床材が全体として硬くなって、歩行感が悪化したり、耐衝撃性が低下して割れやすくなったりする原因となるからである。
【0020】
なお、木質樹脂発泡成形体1の厚さは、従来の通常の床材と同様、一般に2〜30mm程度であり、中でも3〜15mm程度とされる場合が多い。そして、木質樹脂発泡成形体1中における中芯層11の厚さが、木質樹脂発泡成形体1全体の厚さの半分以上とされることが望ましい。
【0021】
本発明において、木質樹脂発泡成形体1に使用するポリオレフィン系の熱可塑性樹脂13としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレンーエチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
【0022】
中でも、床材として要求される剛性や表面硬度、寸法安定性(線膨張係数が小さいこと)などの面で、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂が最も適している。
【0023】
また特に、接着性を高めるためには、例えばマレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフト共重合させたポリエチレン又はポリプロピレン等の様に、酸変性した樹脂の配合比を高め、樹脂自体に極性を持たせると共に、木質系充填剤との接着性を高めることが望ましい。
【0024】
また、本発明においては、後述する様に、木質樹脂発泡成形体1は発泡させる必要があるので、熱可塑性樹脂13には発泡性が要求される。発泡性を良くするには一般に、熱可塑性樹脂13の溶融張力が高いことが望ましく、特に木質系充填剤14を高充填したときのガス抜けなどが気になる場合は、電子線架橋による長鎖分岐を導入したグレードの利用や、分子量分布のコントロール、また溶融張力を上昇させるフッ素系添加剤のブレンドなど公知の方法で必要に応じて溶融張力を調整することが望ましい。なお、後述するセルカプロセスによる発泡成形法を利用すると、シート発泡成形法や通常の異形発泡押出成形法に比べると、低溶融張力の樹脂でも良好な発泡が可能な利点がある。
【0025】
本発明において、木質樹脂発泡成形体1に使用される木質系充填材14の素材としては、特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にしたもの(木粉)などを用いる。
【0026】
木質系充填材14の平均粒径は1〜200μm好ましくは10〜150μmであることが重要である。平均粒径が1μm未満のものは、取り扱いが困難であるうえに、特に木質系充填材の配合量が多い場合は、樹脂への分散が悪いと、製造される木質樹脂発泡成形体に機械強度の低下が発生する。また、200μmより大きいと、成形品の均質性、平面性、機械的強度が低下する。
【0027】
また、木質系充填材14の配合量については、熱可塑性樹脂13の100重量部に対して、10重量部から500重量部まで適宜選択が可能であるが、成型性や均質性を高めるために、木質系充填材14は、熱可塑性樹脂13の100重量部に対して30〜300重量部、より好ましくは50〜150重量部の配合量とすることが望ましい。
【0028】
木質系充填剤14の配合量が多すぎると、床材の曲げ弾性率が上がり、しなやかさが失われるために、施工性が悪化したり(特に、隅部への施工時や一枚交換時に、床材を撓ませて施工することが難しくなる)、曲げた時に割れ易くなる。一方、少なすぎると、線膨張係数が大きくなり、寸法安定性が低下するために、温度変化によって、床材同士の間の目すきや、床材同士の突き上げによる浮き等を発生したりする原因となるからである。
【0029】
本発明において、木質樹脂発泡成形体1を成形するための発泡性木質樹脂組成物には、上記熱可塑性樹脂13と木質系充填剤14の他に、発泡剤が添加されて、成形過程において発泡される。
【0030】
本発明において、高発泡倍率の芯部11と低発泡倍率の表層部12との2層からなる木質樹脂発泡成形体1の成形及び発泡方法は特に問わず、例えば発泡剤の配合量を変えた複数種の発泡性木質樹脂組成物をそれぞれ別途に押出成形法又は射出成形法等により成形した後に貼り合わせる方法や、複数種の発泡性木質樹脂組成物を使用した逐次押出法又は共押出法などであっても良いが、単一種類の発泡性木質樹脂組成物を使用して単一の工程で連続的且つ安定的に成形可能な成形方法として、セルカプロセスによることが最も好適である。
【0031】
なお、上記セルカプロセスとは、冷却サイジング金型の入口寸法とほぼ同一もしくは若干小さめの出口寸法を有する押出金型を使用して、冷却サイジング金型とほぼ密着させた状態で、前記押出金型から発泡性の樹脂組成物を押し出すことで、発泡性の樹脂組成物を発泡がほとんど進行していない状態で冷却サイジング金型に導入して、主に該冷却サイジング金型の内部で発泡させる発泡押出成形法である。
【0032】
また、成形体の厚みや発泡倍率に応じて、押出金型の内部にトーピード(マンドレル又は中子ともいう)が装着された押出金型を使用したり、さらにトーピードに設けた穴から樹脂を押し出したりする手法が採られることもある。
【0033】
このセルカプロセスの発泡押出成形法は、成形体の表層部は押出金型から押し出された直後に冷却サイジング金型の内面に押し付けられるために殆ど発泡せず、発泡は主として成形体の内部において(内部に向かって)進行するため、表面に非発泡又は低発泡倍率の表層部、内部に高発泡倍率の芯部が自動的に形成される特徴があり、別名をインワードフォーミングプロセスとも称されている。
【0034】
本発明において、木質樹脂発泡成形体1の成形に使用する発泡性木質樹脂組成物には、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料などの着色剤、充填剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、脱水剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。
【0035】
これらの添加剤のうち熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等があり、光安定剤としてはヒンダードアミン系等がある。
【0036】
難燃剤としてはハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等があり、充填剤としては炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナ、タルク、マイカ、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉等がある。
【0037】
滑剤としては炭化水素系滑剤、脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系、フッ素系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等があり、顔料としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるのが一般的である。
【0038】
また、発泡の手法についても公知の手法がいずれも利用できる。一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡に分類でき、化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また有機発泡剤としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系等が、任意の組み合わせで使用できる。
【0039】
また、特に2倍を超える高発泡倍率での発泡には主に物理発泡が用いられ、発泡剤としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられる。また、物理発泡に際しても発泡体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用することが多い。
【0040】
本発明において、発泡性木質樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂13、木質系充填剤14、発泡剤及びその他の添加物の混練については、特に方法を問わないが、バンバリーミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法などが一般的である。また、木質系充填材14は、含水率が大きいと、ペレタイズ時に発泡の原因となるために、混練前に予め乾燥機やホッパードライヤーで含水率を8%以下に抑えることが望ましい。
【0041】
上記木質樹脂発泡成形体1の表面に、該木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂13と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シート2が積層されて、本発明の床材が構成される。上記同系の熱可塑性樹脂としては、木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂13に対して、混合しても大きな物性変化を伴わずにリサイクルが可能であることが重要である。
【0042】
具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上を目的として酸変性したもの、アイオノマー等、或いはそれらの混合物、共重合体等、各種のポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択が可能であり、これらの中から選ばれる同種又は異種の樹脂を、木質樹脂発泡成形体1用及び化粧シート2用の熱可塑性樹脂として使用することができる。
【0043】
積層される化粧シート2について重要な点は、上記した通り主に木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂13と同系の熱可塑性樹脂を用いることと、木目、石目、布目、抽象柄などの意匠の印刷が施されていることで、化粧シート自体の構成については何ら制約を受けるものではない。
【0044】
この化粧シート2は、例えば着色シートに印刷を施した単層化粧シート、着色シートに印刷を施したシートに、透明シートをドライラミネート法、エクストルージョンラミネート法、熱ラミネート法などによって貼り合わせた復層の化粧シートや、透明シートの裏面に印刷を施したバック刷りの単層の化粧シートなどから用途に応じて適宜選択が可能である。
【0045】
このとき化粧シート2に十分な隠蔽性があれば安定した意匠の再現が達成され、逆に化粧シートが透明性を有する場合は木質樹脂発泡成形体1の木質感を生かした意匠表現が可能になる。
【0046】
化粧シート2の木目柄等のパターン、絵柄、彩色等の印刷に用いるインキは、バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選択すればよい。これらは、水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。
【0047】
中でも最も一般的な方法は、ウレタン系のインキでイソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。
【0048】
また、いずれの化粧シート2においても、木質樹脂発泡成形体1への貼り合わせのためのプライマーコートや、表面保護や艶調整のためのトップコート、エンボス法やグロスマット法等による導管表現等が施されていても構わない。また、化粧シート2における熱可塑性樹脂層に用いる添加剤も、木質樹脂発泡成形体1におけると同様なものが適宜使用可能である。
【0049】
化粧シート2の厚さは特に問わないが、0.05〜0.3mm程度の範囲内とされるのが通例である。化粧シート2と木質樹脂発泡成形体1との積層方法は特に問わず、例えば接着剤を介したドライラミネート法又はウェットラミネート法や、接着剤を介した又は介さない熱ラミネート法、超音波融着法や高周波融着法、木質樹脂発泡成形体1の発泡押出成形と同時に冷却サイジング金型内に化粧シート2を導入して貼り合わせる成形同時ラミネート法等、従来公知の方法を任意に用いることができる。
【0050】
本発明において、化粧シート2が積層される木質樹脂発泡成形体1の表面とは、上面、下面及び側面を含む全表面を指すのでは必ずしもなく、少なくとも床面への施工時に露出面となる上面に積層されていれば良い。そして必要に応じて、上面から側面の一部又は全部にかけて、或いは側面の全部を経て下面の一部にかけて、連続して積層した構成とすることもできる。側面の少なくとも上方の一部にかけて化粧シート2が積層されていると、床面に施工した際に、床材同士の隙間が目立ちにくくなる利点がある。
【0051】
なお、本発明の床材の基材としての木質樹脂発泡成形体1の側面には、床材同士を相互に連結するための雄雌実などの嵌合構造が設けられる場合が多い。この場合には、嵌合構造部分の強度及び寸法精度を確保するために、嵌合構造部分は非発泡若しくは発泡倍率が1.5倍以下の低発泡状態とすることが望ましい。前述したセルカプロセスによれば、嵌合構造部分は入り組んだ構造の薄肉部となるために、冷却サイジング金型との接触面積が増し、容易に非発泡又は低発泡状態の嵌合構造部分を形成することができる利点がある。また、この様に嵌合構造部分を設けた場合には、少なくとも嵌合連結状態において表面側から見える部分の木質樹脂発泡成形体1の表面にかけて、上面から連続して化粧シート2を積層しておくことが望ましい。
【0052】
また、本発明の床材には、木質樹脂発泡成形体1の化粧シート2を積層していない面の一部もしくは全部に、前記木質樹脂発泡成形体1に含有される熱可塑性樹脂13と同系の熱可塑性樹脂を主体とする発泡層(図示せず)が積層されていてもよい。例えば、床材の裏面側に発泡層を積層しておくと、床下地面の不陸を吸収してがたつきを防止したり、床面への物品の衝突音や歩行音を吸収して騒音を防止したりするなどの効果がある。
【0053】
上記発泡層の積層手法については公知の手法が利用でき、例えば木質樹脂発泡成形体成形用の発泡性の木質樹脂組成物に用いた熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂に、上記熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡剤又は低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡剤のいずれかの発泡剤によりシート状に発泡成形した発泡成形体を、木質樹脂発泡成形体の化粧シートを積層していない面の一部もしくは全部に貼り合わせことにより形成できる。
【0054】
本発明の床材をリサイクルする場合は、表面に積層された化粧シート2を剥離除去することなくそのまま破砕し、必要に応じて木質系充填材、熱可塑性樹脂、各種添加剤などを適宜添加して、再度ペレット化し、これを木質樹脂発泡成形体1の成形用材料として再利用することができる。この場合も、破砕物の混練方法やペレット化方法、成形方法等については、特に方法は問わない。また、再ペレット化する代わりに、破砕物をそのまま木質樹脂発泡成形体1の成形材料として成形機に投入したり、木質樹脂発泡成形体1の成形時に破砕物と共に木質系充填材や熱可塑性樹脂を同時に成形機に投入し、成形機内で混練しつつ成形したりしても、勿論かまわない。
【0055】
【実施例】
以下に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0056】
実施例1
ホモポリプロピレン樹脂にマレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂が20重量%添加されてなる、曲げ弾性率1000MPaのホモポリプロピレン系樹脂100重量部と、木材をカッターミルで破断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径100μmの木質系充填剤100重量部とを、2軸押出混練機によって混合し、ペレット化して、木質樹脂組成物を作製した。この木質樹脂組成物に重曹−クエン酸系発泡剤を添加して、それを1軸押出機でセルカプロセスによって、発泡倍率1.54倍、厚さ4.6mmの芯部の表面に、発泡倍率1.08倍、厚さ0.7mmの表層部を有する、平均発泡倍率1.4倍、厚さ6mm、幅300mmの断面長方形状に成形し、さらに表面にコロナ放電処理をして、木質樹脂発泡成形体を作製した。
【0057】
一方、ランダムポリプロピレンに酸化鉄、酸化チタン等の顔料を配合して製膜した100μmの着色ポリプロピレンシートにウレタン系インキで木目印刷をして、エクストルージョンラミネート法にてホモポリプロピレン樹脂を100μmの厚みでエンボス同時ラミネートした化粧シートを作成し、この裏面にプライマーコートを、表面にトップコートを施して、ポリプロピレン系樹脂製の化粧シートを作製した。しかる後、この化粧シートを上記木質樹脂発泡成形体の表面にラッピング加工法にて貼り合わせて、本発明の床材を作製した。
【0058】
比較例1
上記実施例1において、セルカプロセスに代えて通常のフリープロセス(発泡性木質樹脂組成物を押出金型から押出した後、十分に発泡させてから冷却サイジング金型に導入する発泡押出成形法)にて成形することで、表層部と芯部とを形成させることなく、全体が発泡倍率1.4倍に発泡した、上記実施例1と同一断面形状の木質樹脂発泡成形体を作製し、以下上記実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
【0059】
比較例2
上記実施例1において、成形条件を変更することにより、芯部の発泡倍率を1.44倍、表層部の発泡倍率を1.28倍に変更し、その他は上記実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
【0060】
比較例3
上記実施例1において、成形条件を変更することにより、芯部の厚さを1.6mm、表層部の厚さを2.2mmに変更し、その他は上記実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
【0061】
比較例4
上記実施例1において、木質樹脂発泡成形体の作製に使用する熱可塑性樹脂としての、曲げ弾性率1000MPaのポリプロピレン系樹脂に代えて、曲げ弾性率600MPaのポリプロピレン系樹脂を使用し、その他は上記実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
【0062】
比較例5
上記実施例1において、木質樹脂発泡成形体の作製に使用する熱可塑性樹脂としての、曲げ弾性率1000MPaのポリプロピレン系樹脂に代えて、曲げ弾性率3200MPaのポリプロピレン系樹脂を使用し、その他は上記実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
【0063】
性能比較
上記実施例1及び比較例1〜5の床材について、市販の木質系フローリング材(厚さ6mmの積層合板の表面に、厚さ0.5mmのオーク突板を積層し、塗装を施したもの。以下、比較例6という)及びクッションフロア(以下、比較例7という)と共に、鋼球落下試験(試料をコンクリート面上に置き、重量535gの鋼球を高さ75cmより自然落下させ、凹みの深さ[mm]を測定)、表面硬度試験(DD2ゴム硬度計)、デュポン耐衝撃性試験、鉛筆硬度試験、耐キャスター試験(ナイロン輪、荷重30kg、1輪、200往復)及び耐圧痕性試験(ナイロン輪キャスター、荷重20kg、1輪、40℃5日間)にて性能評価を行ったところ、結果は下表のとおりであった。
【0064】
【0065】
また、上記各床材を用いて施工した床面上を素足で歩き、触感及び歩行感を調べたところ、比較例3の床材について冷触感及び歩行感の悪さが、比較例5の床材について歩行感の悪さが、それぞれ指摘されたが、その他は特に問題なしの結果であった。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の床材は、熱可塑性樹脂及び木質系充填剤を含む木質樹脂発泡成形体を基材とし、その表面に基材の主成分である熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂からなる化粧シートを積層してなることにより、木質感や切削性、リサイクル適性に優れていることに加え、その芯部及び表層部の発泡倍率や厚さを特定範囲とすると共に、基材の主成分である熱可塑性樹脂の曲げ初期弾性率を特定範囲としたことにより、断熱性(暖触感)、歩行感、表面硬度、耐衝撃性、耐傷付き性、耐圧痕性、施工適性等の各面でバランスの取れた、従来の木質系フローリング材の代替品として好適な優れた性能を有する床材を提供することができるという実用上の顕著な利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の床材の実施の形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 木質樹脂発泡成形体
11 芯部
12 表層部
13 熱可塑性樹脂
14 木質系充填剤
15 気泡
2 化粧シート
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有し、且つ発泡している木質樹脂発泡成形体の表面に、前記木質樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートが積層されてなる床材であって、前記木質樹脂発泡成形体は、発泡倍率が1.0〜1.1倍、厚さが0.1〜2mmの表層部と、発泡倍率が1.2〜3.0倍の芯部とから構成されていると共に、前記木質樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂は、曲げ初期弾性率が700〜3000MPaのポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする床材。
- 前記木質系充填剤は、平均粒径が1〜200μmであり、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して10〜500重量部配合されていることを特徴とする請求項1に記載の床材。
- 前記木質樹脂発泡成形体は、セルカプロセスにより成形されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の床材。
- 前記化粧シートの厚みは、0.05〜0.3mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の床材。
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