JPH10330560A - 発泡成形用樹脂組成物及び発泡成形品 - Google Patents

発泡成形用樹脂組成物及び発泡成形品

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JPH10330560A
JPH10330560A JP14798597A JP14798597A JPH10330560A JP H10330560 A JPH10330560 A JP H10330560A JP 14798597 A JP14798597 A JP 14798597A JP 14798597 A JP14798597 A JP 14798597A JP H10330560 A JPH10330560 A JP H10330560A
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JP
Japan
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weight
parts
propylene
elastomer
resin material
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Pending
Application number
JP14798597A
Other languages
English (en)
Inventor
Michio Yoshizaki
倫生 吉崎
Koichi Honda
孝一 本田
Akihiko Sanpei
昭彦 三瓶
Yasuhiro Mochizuki
泰宏 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、軽量性及び断熱性に優れたポリオレフ
ィン系発泡成形用樹脂組成物及び微細な気泡が均一に形
成されている発泡成形品を提供することを課題とする。 【解決手段】 結晶融点が125〜155℃のプロピレ
ン・α−オレフィン共重合体、密度が0.870〜0.
942g/cm3のポリエチレン、エラストマー及び架
橋剤を溶融混練して得られる結晶性ポリオレフィン系樹
脂材料と、発泡剤とを混合し、射出成形機に充填した後
キャビティーを拡大して発泡成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
樹脂が配合されている発泡成形用樹脂組成物に関する。
また、本発明は、微細な気泡が均一に分散している発泡
成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、二輪車等の車両用部品や、複写
機、プリンター、エアコン等の電気機器部品の中には、
エンジンやモーターからの熱伝導を遮断するなどの理由
から断熱性が要求されるものが多く、このような用途に
は剛性及び成形性に優れたポリオレフィン系の発泡成形
品の使用がしばしば試みられている。また、日用品の中
にも、クーラーボックスなどの保温・保冷容器など断熱
性を必要とするものがあり、ポリオレフィン系の発泡性
材料を用いた成形品も多い。
【0003】しかし、断熱性をもたせるために発泡性の
材料を用いると、成形品全体の剛性が低下する傾向にあ
る。剛性を高めるために成形材料にフィラー等を加える
と、重量が増し軽量性が損なわれる。このため、断熱性
に加えて剛性及び軽量性をも兼ね備えた成形品を得るの
は容易ではない。
【0004】ここで、剛性、軽量性及び断熱性をすべて
付与させる手段として、発泡成形品の気泡をできるだけ
微細かつ均一に形成させることが考えられる。しかしな
がら、ポリスチレン系樹脂材料においては微細な気泡を
有する発泡成形品が開発されているが、ポリオレフィン
系の発泡成形材料については未だ実現されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、剛性、軽量
性及び断熱性に優れたポリオレフィン系発泡成形用樹脂
組成物及び微細な気泡が均一に形成されている発泡成形
品を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討した結果、特定の組成を有する樹脂材料
と発泡剤とからなる樹脂組成物を発泡成形することによ
り微細な気泡を有する発泡成形品が得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の発泡成形用樹脂組成物
は、下記(1)〜(4)を溶融混練して得られる結晶性
ポリオレフィン系樹脂材料に対し、発泡剤を0.5〜5
重量%配合してなるものである。 (1)結晶融点が125〜155℃のプロピレン・α−
オレフィン共重合体:35〜60重量部、(2)密度が
0.870〜0.942g/cm3のポリエチレン:2
0〜35重量部、(3)エラストマー:15〜35重量
部、及び(4)架橋剤:0.05〜0.5重量部。
【0008】また、本発明の樹脂材料は、下記(1)〜
(4)を溶融混練して得られる結晶性ポリオレフィン系
樹脂材料である。 (1)結晶融点が125〜155℃のプロピレン・α−
オレフィン共重合体:35〜60重量部、(2)密度が
0.870〜0.942g/cm3のポリエチレン:2
0〜35重量部、(3)エラストマー:15〜35重量
部、及び(4)架橋剤:0.05〜0.5重量部。
【0009】また、本発明の発泡成形品は、結晶性ポリ
オレフィン系樹脂材料から構成される成形品であって、
均一に分散した微細な気泡を内包することを特徴とす
る。好ましくは、前記気泡の平均気泡径は50〜500
μmであり、気泡径分布は25〜1000μmである。
【0010】また、本発明の発泡成形品の製造方法は、
下記(1)〜(4)を溶融混練して得られる結晶性ポリ
オレフィン系樹脂材料に対し発泡剤を0.5〜5重量%
配合した樹脂組成物を発泡成形する工程を含む方法であ
る。 (1)結晶融点が125〜155℃のプロピレン・α−
オレフィン共重合体:35〜60重量部、(2)密度が
0.870〜0.942g/cm3のポリエチレン:2
0〜35重量部、(3)エラストマー:15〜35重量
部、及び(4)架橋剤:0.05〜0.5重量部。
【0011】本発明の発泡成形用樹脂組成物は、ポリオ
レフィン系樹脂とエラストマーとを架橋剤の下に溶融混
練し、部分的又は全体的に架橋させて得られる樹脂材料
を用いているため、発泡成形において微細な気泡を均一
に形成させることができる。よって、得られる発泡成形
品は均一に分散した微細な気泡を内包し、断熱性、剛
性、及び軽量性に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。本発明の発泡成形用樹脂組成物は、プロピレン・
α−オレフィン共重合体、ポリエチレン、エラストマー
及び架橋剤を溶融混練して得られる結晶性ポリオレフィ
ン系樹脂材料に発泡剤を配合したものである。
【0013】A.本発明の結晶性ポリオレフィン系樹脂
材料 (1)プロピレン・α−オレフィン共重合体 本発明で用いられるプロピレン・α−オレフィン共重合
体は、融点(結晶融点)が125〜155℃の結晶性ポ
リオレフィンである。ここで、結晶融点は示差熱操作分
析で測定される。
【0014】この結晶融点が125℃未満では耐熱性が
劣り好ましくない。また、155℃を越えると他の構成
材料との溶融分散性が低下するので好ましくない。結晶
融点のより好適な範囲は125〜150℃である。
【0015】前記共重合体の共重合成分であるα−オレ
フィンは、好ましくは炭素数2〜12のプロピレン以外
のα−オレフィンから選ばれる。具体的には、エチレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテ
ン−1、デセン−1、ドデセン−1、4−メチル−ペン
テン−1、3−メチル−ペンテン−1等が挙げられる。
【0016】また、前記共重合体は、α−オレフィンを
1種のみ含む2元共重合体であっても、2種以上含む3
元(又はそれ以上の)共重合体であってもよい。プロピ
レン・α−オレフィン共重合体中のα−オレフィン単位
の合計割合は、全構成単位の10重量%以下が好まし
い。
【0017】前記共重合体の具体例としては、エチレン
・プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・ブテ
ン−1共重合体、プロピレン・エチレン共重合体等が挙
げられる。
【0018】前記共重合体のMFR(メルトフローレー
ト:230℃、21.18Nで測定した値)は、2〜3
0g/10分が好ましい。
【0019】(2)ポリエチレン 本発明で用いられるポリエチレンは、密度が0.870
〜0.942g/cm 3のものである。密度が0.87
0g/cm3未満では強度が劣る傾向にあり、一方0.
942g/cm3を越えるとクッション感の点で好まし
くない。密度のより好適な範囲は0.870〜0.92
0g/cm3である。
【0020】前記ポリエチレンとしては、密度が上記範
囲内であれば、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリ
エチレン、線状低密度ポリエチレン等いずれであっても
よい。
【0021】前記ポリエチレンの結晶融点は90〜12
5℃が好ましい。また、MFR(メルトフローレート:
190℃、21.18Nで測定した値)は、2〜30g
/10分が好ましい。
【0022】(3)エラストマー 本発明で使用可能なエラストマーとしては特に制限はな
く、エチレン系エラストマーやスチレン系エラストマー
などが例示できる。
【0023】エチレン系エラストマーとしては、エチレ
ン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン・ブ
テン−1共重合体ゴム、エチレン・オクテン共重合体ゴ
ム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム(EP
DM)、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体ゴ
ム、エチレン・ブテン−1・ジエン共重合体ゴム、エチ
レン・プロピレン・ブテン−1・ジエン共重合ゴム、エ
チレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体
ゴム等が例示できる。エチレン系エラストマー中のエチ
レン含有量は、40〜80重量%程度が好ましい。
【0024】スチレン系エラストマーとしてはスチレン
・ブタジエン共重合体、スチレン・エチレン・ブテン−
1・スチレンブロック共重合体やスチレン・エチレン・
プロピレン・スチレンブロック共重合体等が例示でき
る。
【0025】また該エラストマーは、100℃で測定し
たムーニー粘度が20〜100/100℃であるものが
好ましい。
【0026】(4)架橋剤 架橋剤としては、ラジカル発生剤としての有機過酸化物
が用いられ、好ましくは架橋助剤が併用される。
【0027】有機過酸化物としては、例えばジクミルパ
ーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイ
ルパーオキサイド、2,2−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ブタン、過安息香酸t−ブチル、イソブチルパーオ
キサイド、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン等が挙げられる。
【0028】架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、グ
リシジルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タクリレート等が挙げられる。
【0029】(5)その他の成分 本発明の結晶性ポリオレフィン系樹脂材料には、上述し
た必須成分であるプロピレン・α−オレフィン共重合
体、ポリエチレン、エラストマー及び架橋剤のほかに、
必要に応じてフィラー(充填材)や他の添加剤等を配合
してもよい。
【0030】フィラーとしては、有機フィラー、無機フ
ィラーのいずれであってもよく、具体的にはガラス繊
維、鉱物繊維、炭酸カルシウム、タルク、カオリンクレ
ー、マイカ、石英粉、珪藻土、硫酸バリウム、軽石粉、
パルプ粉、カーボン繊維、合成繊維、ガラス中空体等が
挙げられる。
【0031】他の添加剤としては、可塑剤、安定剤、酸
化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電
防止剤、難燃剤等が挙げられる。
【0032】(6)樹脂材料 本発明の結晶性ポリオレフィン系樹脂材料を構成する上
記各成分の配合比率は以下の通りである。
【0033】すなわち、プロピレン・α−オレフィン共
重合体は35〜60重量部である。この配合量が少なす
ぎると耐熱性が劣る傾向にあり、また多すぎるとクッシ
ョン感の点で好ましくない。ポリエチレンは20〜35
重量部配合される。この配合量が少なすぎると発泡性の
点で好ましくなく、また多すぎると耐熱性が劣る傾向に
ある。エラストマーは15〜35重量部配合される。こ
の配合量が少なすぎるとクッション感の点で好ましくな
く、また多すぎると剛性が劣る傾向にある。
【0034】架橋剤は0.05〜0.5重量部配合され
る。この配合量が少なすぎると気泡の均一微細化の点で
好ましくなく、また多すぎると流動性の点で好ましくな
い。架橋助剤の配合割合は、通常架橋剤との関係で決定
され、好ましくは架橋剤:架橋助剤=1:3〜10(重
量比)である。
【0035】結晶性ポリオレフィン系樹脂材料は、上述
した各成分をタンブラーミキサー、ヘンシェルミキサ
ー、リボンブレンダー等で混合した後、通常の単軸押出
機、二軸押出機、ブラベンダー、ロールなどで、溶融混
練温度160〜250℃、好ましくは180〜230℃
にて溶融混練しつつペレット化することにより得ること
ができる。
【0036】この溶融混練により、プロピレン・α−オ
レフィン共重合体、ポリエチレン及びエラストマーが架
橋剤と反応し、相互に架橋構造を形成する。このような
架橋構造が形成された樹脂材料に発泡剤を配合して発泡
成形すると、均一に分散した微細な気泡を内包した発泡
成形品を得ることができる。
【0037】B.発泡成形用樹脂組成物 本発明の発泡成形用樹脂組成物は、上記結晶性ポリオレ
フィン系樹脂材料に発泡剤を配合したものである。
【0038】ここで用いられる発泡剤としては、樹脂成
形材料の発泡に使用されるものであれば特に限定されな
いが、例えば炭酸アンモニウム並びに重炭酸ソーダ等の
無機化合物、及びアゾ化合物、スルホヒドラジド化合
物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の有機化合物を例
示することができる。
【0039】アゾ化合物としては、アゾジカルボンアミ
ド(ADCA)、2,2−アゾイソブチロニトリル、ア
ゾヘキサヒドロベンゾニトリル、ジアゾアミノベンゼン
等が例示できる。スルホヒドラジド化合物としては、ベ
ンゼンスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホ
ヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホヒ
ドラジド、ジフェニルオキシド−4,4−ジスルホヒド
ラジド等が例示できる。ニトロソ化合物としては、N,
N−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DNP
T)、N,N−ジメチルテレフタレート等が例示でき
る。アジド化合物としては、テレフタルアジド、p−t
ert−ブチルベンズアジド等が例示できる。
【0040】発泡剤は、本発明の樹脂組成物全量に対し
0.5〜5重量%、好ましくは1〜4重量%配合され
る。この配合量が少なすぎると発泡性が不十分となる傾
向にあり、また多すぎると気泡が粗大化する傾向にある
ため好ましくない。
【0041】本発明の発泡成形用樹脂組成物は、前記結
晶性ポリオレフィン系樹脂材料と発泡剤とをタンブラー
ミキサー、リボンブレンダー等で混合することにより得
られる。
【0042】C.発泡成形品及びその製造方法 本発明の発泡成形品は、結晶性ポリオレフィン系樹脂材
料から構成され、かつ均一に分散した微細な気泡を内包
することを特徴とする。微細な気泡が均一に分布してい
る状態とは、具体的には、例えば気泡の平均直径(平均
気泡径)が50〜500μmであり、その気泡径分布が
25〜1000μmの範囲内にある状態である。
【0043】発泡成形品の厚み、大きさ等に制限はない
が、厚みとしては3〜30mm程度が好ましい。また、
発泡倍率としては2〜5倍程度が好ましい。
【0044】かかる気泡構造を有する発泡成形品であれ
ばその製造方法は特に限定されないが、具体的には、上
述した本発明の発泡成形用樹脂組成物を発泡成形する工
程を含む以下の方法により製造することができる。
【0045】すなわち、前記発泡成形用樹脂組成物を、
金型及び加熱シリンダーを備えた射出成形機を用いて、
a)射出工程、b)一次冷却工程、c)発泡工程、及び
d)二次冷却工程を含む方法により射出成形する。
【0046】a)射出工程 本工程では、前記加熱シリンダー内で溶融した発泡成形
用樹脂組成物を、前記金型のキャビティー内に射出充填
する。射出充填に要する時間はできるだけ短くし、具体
的には、金型キャビティー形状にもよるが、0.5〜4
秒程度が好ましい。
【0047】使用する金型は、射出成型用として通常用
いられるものであれば特に限定されないが、キャビティ
ー容積を任意に変化させられるものが用いられる。射出
充填時のキャビティー容積を目的とする成形品の容積よ
り小さく設定しておき、射出充填後にキャビティー容積
を拡大して発泡させるためである。
【0048】射出充填時のキャビティー容積は、好まし
くは目的とする成形品の容積の10〜95%、より好ま
しくは20〜70%の容積とし、この範囲内で目的とす
る成形品の容積と所望する発泡倍率とを考慮して決定す
ることができる。
【0049】キャビティー容積の拡大は、例えば射出成
形機の型締め機構による金型の移動又は金型に設けられ
たスライドコアの移動によって行うことができる。金型
は、キャビティー容積の変化を手動操作によって行う形
のものであってもよく、また成形機もしくは金型の機構
自体で制御できるものであってもよい。
【0050】なお、金型に予め樹脂製シートなどを貼り
付けておき、これを射出成形に用いることもできる。こ
れにより、発泡体とシートとが積層された積層発泡成形
品を得ることができる。
【0051】b)一次冷却工程 前記射出工程で発泡成形用樹脂組成物をキャビティー内
に射出充填した後、金型面に接する表面層が固化し、内
部が溶融している状態まで冷却する(一次冷却)。
【0052】具体的には、射出成型用金型の冷却機構を
用い、射出充填が完了した後、目的とする成形品の容積
の10〜95%の容積を有するキャビティーの状態を一
定時間保持することによって冷却する。保持する時間
は、樹脂組成物の組成、成形品の寸法、使用する金型等
に応じて経験的に決定することができるが、通常、5〜
30秒間程度である。一次冷却時間が短いとガス抜けに
より発泡不能となり、一方長すぎると過冷却により発泡
不能となるため、空洞化やつぶれ等の状態を引き起こ
す。
【0053】c)発泡工程 一次冷却後、前記キャビティーの容積を成形品の容積ま
で拡大し、溶融状態の内部を発泡させる。溶融状態の発
泡成形用樹脂組成物は、容積の拡大に伴う圧力の低下に
より発泡を開始する。
【0054】d)二次冷却工程 発泡工程後、さらに冷却(二次冷却)した後に成形品を
金型から取り出すことにより、本発明の発泡成形品が得
られる。冷却時間は、成形品を取り出せるようになるま
でであればよく、特に限定されないが、具体的には60
〜120秒程度が好ましい。
【0055】このようにして得られる発泡成形品は、上
述したプロピレン・α−オレフィン共重合体、ポリエチ
レン及びエラストマーから主としてなる結晶性ポリオレ
フィン樹脂材料から構成されるが、架橋剤もしくは発泡
剤又はそれらの分解物が製造時に残存し成形品中に含ま
れこととなってもよい。
【0056】本発明の発泡成形品の用途としては、工業
用部品、具体的には車両用部品、電気機器部品等が挙げ
られる。また、日用品であってもよく、例えば保温・保
冷容器等に用いることもできる。
【0057】車両用部品としては、自動車の外装部品
(例えばバンパー、フェンダー)、内装部品(ダッシュ
ボード、リット)、自動二輪車のカウル、フェンダー、
乗員保護具又は小物収納箱体等が例示できる。電気機器
部品としては、複写機、プリンター、エアコン等のシャ
ーシ部分等が例示できる。保温・保冷容器としては、ク
ーラーボックス、断熱パネルなどが挙げられる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
【0059】
【実施例1】 (1)プロピレン・α−オレフィン共重合体として、結
晶融点が137℃、エチレン含有量が3.2重量%、ブ
テン−1含有量2.4重量%、MFR(230℃、2
1.18N)が20g/10分のエチレン・プロピレン
・ブテン−1共重合体:41.6重量部、(2)ポリエ
チレンとして、結晶融点が110℃、密度が0.920
g/cm3、MFR(190℃、21.18N)が7.
0g/10分のポリエチレン:27.6重量部、(3)
エラストマーとして、ムーニー粘度90/100℃のエ
チレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体
26重量部、(4)架橋剤としてジ−α−クミルパーオ
キサイド:0.12重量部、及び架橋助剤としてジビニ
ルベンゼン:1.0重量部を配合し、タンブラーミキサ
ーにて混合した。
【0060】次いで、混合物を造粒機のホッパー部へ投
入し、造粒温度170℃でペレット状のポリオレフィン
系樹脂材料を得た。この樹脂材料97重量部とアゾジカ
ルボンアミド3.0重量部とをタンブラーミキサーにて
混合して樹脂組成物を得た後、これを射出成形機に投入
した。
【0061】固定型と移動型からなる金型のキャビティ
ー内への樹脂組成物の射出を2秒間で完了し、20秒間
1次冷却を行った。その後、移動型の金型を3mm移動
させ、2次冷却を90秒行い、板状発泡成形品(300
mm×600mm×6mm)を得た。
【0062】
【実施例2】実施例1で得たのと同じ樹脂材料を用い、
この樹脂材料97重量部とアゾジカルボンアミド3.0
重量部とをタンブラーミキサーにて混合した後、射出成
形機に投入した。2秒間で射出を完了し20秒間1次冷
却を行った。次いで、移動型の金型を6mm移動させた
後、2次冷却を90秒行い、発泡成形品(300mm×
600mm×9mm)を得た。
【0063】
【実施例3】実施例1で得たのと同じ樹脂材料を用い、
この樹脂材料97重量部とアゾジカルボンアミド3.0
重量部とをタンブラーミキサーにて混合した後、射出成
形機に投入した。2秒間で射出を完了し20秒間1次冷
却を行った。次いで、移動型の金型を9mm移動させた
後、2次冷却を90秒行い、発泡成形品(300mm×
600mm×12mm)を得た。
【0064】
【実施例4】実施例1で得たのと同じ樹脂材料を用い、
この樹脂材料97重量部とアゾジカルボンアミド3.0
重量部とをタンブラーミキサーにて混合した後、射出成
形機に投入した。2秒間で射出を完了し20秒間1次冷
却を行った。次いで、移動型の金型を12mm移動させ
た後、2次冷却を90秒行い、発泡成形品(300mm
×600mm×15mm)を得た。
【0065】
【実施例5】実施例1で得たのと同じ樹脂材料を用い、
この樹脂材料97重量部とアゾジカルボンアミド3.0
重量部とをタンブラーミキサーにて混合した後、射出成
形機に投入した。
【0066】予め、エチレン・プロピレン共重合体シー
ト(厚み0.3mm)を金型表面に簡易的に貼り付けた
金型内に、2秒間で射出を完了し20秒間1次冷却を行
った。次いで、移動型の金型を12mm移動させた後、
2次冷却を90秒行い、前記シートが両面に積層された
板状発泡成形品(300mm×600mm×15mm)
を得た。
【0067】
【実施例6】 (1)プロピレン・α−オレフィン共重合体として、結
晶融点が143℃、エチレン含有量が3.6重量%、M
FR(230℃、21.18N)が2g/10分のエチ
レン・プロピレン共重合体:41.6重量部、(2)ポ
リエチレンとして、結晶融点が110℃、密度が0.9
20g/cm3、MFR(190℃、21.18N)が
7.0g/10分のポリエチレン:27.6重量部、
(3)エラストマーとして、ムーニー粘度90/100
℃のエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共
重合体:26重量部、(4)架橋剤としてジ−α−クミ
ルパーオキサイド:0.12重量部、及び架橋助剤とし
てジビニルベンゼン:1.0重量部、を配合し、タンブ
ラーミキサーにて混合した。
【0068】次いで、混合物を造粒機のホッパー部へ投
入し、造粒温度170℃で造粒してペレット状のポリオ
レフィン系樹脂材料を得た。このペレット状樹脂材料9
7重量部とアゾジカルボンアミド3.0重量部とをタン
ブラーミキサーにて混合した後、得られた樹脂組成物を
射出成形機に投入した。
【0069】固定型と移動型からなる金型のキャビティ
ー内への樹脂組成物の射出を2秒間で完了し、1次冷却
を20秒間行った。その後、移動型の金型を3mm移動
させ、2次冷却を90秒間行い、発泡成形品(300m
m×600mm×6mm)を得た。このものの発泡倍率
は200%であった。
【0070】実施例1〜6で得られた発泡成形品は、い
ずれも均一に分散した微細な気泡を内包する成形品であ
った。
【0071】
【発明の効果】本発明の発泡成形用樹脂組成物は、発泡
成形において微細な気泡を均一に形成させることができ
る。よって、得られる発泡成形品は均一に分散した微細
な気泡を内包し、断熱性、剛性、及び軽量性に優れてい
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(1)〜(4)を溶融混練して得ら
    れる結晶性ポリオレフィン系樹脂材料に対し、発泡剤を
    0.5〜5重量%配合してなる発泡成形用樹脂組成物。
    (1)結晶融点が125〜155℃のプロピレン・α−
    オレフィン共重合体:35〜60重量部、(2)密度が
    0.870〜0.942g/cm3のポリエチレン:2
    0〜35重量部、(3)エラストマー:15〜35重量
    部、及び(4)架橋剤:0.05〜0.5重量部。
  2. 【請求項2】 下記(1)〜(4)を溶融混練して得ら
    れる結晶性ポリオレフィン系樹脂材料。(1)結晶融点
    が125〜155℃のプロピレン・α−オレフィン共重
    合体:35〜60重量部、(2)密度が0.870〜
    0.942g/cm3のポリエチレン:20〜35重量
    部、(3)エラストマー:15〜35重量部、及び
    (4)架橋剤:0.05〜0.5重量部。
  3. 【請求項3】 結晶性ポリオレフィン系樹脂材料から構
    成される成形品であって、均一に分散した微細な気泡を
    内包することを特徴とする発泡成形品。
  4. 【請求項4】 前記気泡の平均気泡径が50〜500μ
    mであり、気泡径分布が25〜1000μmである、請
    求項3記載の発泡成形品。
  5. 【請求項5】 下記(1)〜(4)を溶融混練して得ら
    れる結晶性ポリオレフィン系樹脂材料に対し発泡剤を
    0.5〜5重量%配合した樹脂組成物を発泡成形する工
    程を含む、請求項3記載の発泡成形品の製造方法。 (1)結晶融点が125〜155℃のプロピレン・α−
    オレフィン共重合体:35〜60重量部、(2)密度が
    0.870〜0.942g/cm3のポリエチレン:2
    0〜35重量部、(3)エラストマー:15〜35重量
    部、及び(4)架橋剤:0.05〜0.5重量部。
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