JP2541039B2 - 熱可塑性エラストマ―組成物 - Google Patents
熱可塑性エラストマ―組成物Info
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Description
有する水添ブロック共重合体と熱可塑性のポリウレタン
エラストマ―と酸変性水添ブロック共重合体を組合せた
熱可塑性エラストマ―組成物であり、接着剤を使用しな
くとも極性基を有する樹脂と強固に接着し、かつ耐油
性、ゴム的特性、成形加工性に優れた熱可塑性エラスト
マ―組成物に関するものである。
とすることによって両方の材料の長所を付与したり、或
いは同一の材料で他種の材料をはさんで積層物にするこ
とで一方の材料の欠点を補うような積層物を製造する試
みがある。特に最近では、プラスチックの有する安物
感、手触の悪さ等を改良するため、プラスチックにゴム
を積層する試みがなされている。このゴムを積層したも
のは手触がソフトで感触が良く、高級感があること、お
よび防音性、防振性に優れていること等により自動車の
内装品や家電部品に好適なものといえる。
脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン‐
酢酸ビニル共重合体、エチレン‐ビニルアルコ―ル共重
合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ―ト、
ナイロン、ポリカ―ボネ―ト、ポリスチレン、耐衝撃性
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、等が
用いられている。
ト、フィルム、または複雑な形状の成形品等として用い
られている。これらの積層物は、同種または異種の材料
を接着剤を用いて接着する方法、接着剤を使用せずに共
押出し法あるいは複層成形法で積層物にする方法等が一
般に行なわれている。
その組合せによっては、十分なる接着効果が得られない
場合があり、特に接着剤を使用しない共押出し法あるい
は複層成形法で積層物を得る場合には、相互に接着性の
ない材料を用いることはできない。そのため、共押出し
法で相互に接着性のない材料の積層物を得る場合は、接
着層として両方の材料に接着性のある材料を用いる方法
が行なわれており、たとえばエチレン‐酢酸ビニル共重
合体、アイオノマ―樹脂、スチレン‐ブタジエンブロッ
ク共重合体等が使用されている。
する材料の種類によっては必ずしも十分な接着効果が得
られない場合があったり、接着強度の持続性、耐水性等
が劣る等の問題点があった。さらに、複雑な形状の射出
成形品の場合には接着層の使用は困難であり、接着性を
有する限られた組合せの場合でしか複層成形法は使用で
きないのが現状である。
んだ技術として特公昭62‐13911号に酸変性した
水添ブロック共重合体に極性基を有する熱可塑性重合体
を添加したものを使用する技術が開示されている。該公
報記載の積層物は極性を有する樹脂、ガラス、金属等に
優れた接着性を示し有効な方法であるが、組成物の組合
せによっては流動性が劣る場合があり、複雑な形状の成
形品が得られにくいという問題を有する。
性した水添ブロック共重合体に熱可塑性ポリウレタンを
配合した組成物が開示されている。しかし該公報記載の
組成物は機械的強度、他樹脂との接着性等に優れた特性
を示し有用な組成物であるが、成形加工性が劣る場合が
あり、さらなる改良が望まれている。
は特定の粘度を有する熱可塑性ポリウレタンと非水添ブ
ロック共重合体あるいは水添ブロック共重合体よりなる
組成物が開示されている。しかし該公報記載の組成物は
熱可塑性ポリウレタンと非水添あるいは水添ブロック共
重合体との親和性が劣るため、機械的強度は低く、また
成形品に剥離が生じる問題があり、さらなる改良が望ま
れている。
みなされたものであって射出成形、押出成形等の成形加
工性に優れ、かつ極性を有する樹脂との接着性が高く、
またゴム的特性にも優れた熱可塑性エラストマ―組成物
を提供するものであり、特に複層成形用途に好適な熱可
塑性エラストマ―組成物を提供することを目的とするも
のである。
とも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロ
ックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBとから成るブロック共重合体を水
素添加して得られる数平均分子量が8万以上、23.9
万以下の水添ブロック共重合体100重量部と (b)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
に、カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子単
位が結合した変性水添ブロック共重合体10〜200重
量部と (c)熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜25
0重量部とからなる熱可塑性エラストマー組成物、並び
に (a)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる数平均分子量が8万以
上、23.9万以下の水添ブロック共重合体100重量
部と (b)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
に、カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子単
位が結合した変性水添ブロック共重合体10〜200重
量部と (c)熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜25
0重量部と (d)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる数平均分子量が3.5
万以上、8万未満の水添ブロック共重合体3〜100重
量部からなる熱可塑性エラストマー組成物 を提供するも
のである。以下、本発明に関して詳しく述べる。
いられる水添ブロック共重合体の水添前のブロック共重
合体としては、ビニル芳香族化合物重合体ブロックを少
なくとも1個、好ましくは2個以上、共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックを少なくとも1個含有する
ものである。ここで共役ジエンを主体とする重合体ブロ
ックは、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との重
量比が0/100〜50/50、好ましくは0/100
〜40/60の組成範囲からなる重合体ブロックであ
り、このブロックにおけるビニル芳香族化合物の分布
は、ランダムテ―パ―(分子鎖に沿ってモノマ―成分が
増加または減少するもの)、一部ブロック状またはこれ
らの任意の組合せのいずれであってもよい。
ビニル芳香族化合物の含有量と共役ジエン化合物の含有
量の重量比は、10/90〜90/10の範囲が好まし
く、ゴムらしさを必要とする場合には15/85〜60
/40の範囲が好ましい。
ビニル芳香族化合物としては、スチレン、α‐メチルス
チレン、1,1‐ジフェニルエチレン、パラメチルスチ
レン、ビニルトルエン等のうちから1種または2種以上
が選ばれ、なかでもスチレンが特に好ましい。また共役
ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、 1,3
‐ペンタジエン等のうちから1種または2種以上選ば
れ、なかでもブタジエンおよび/またはイソプレンが特
に好ましい。さらに、上記ブロック共重合体の水添前の
ブロック共重合体において共役ジエン化合物としてブタ
ジエンを使用した場合は、ブタジエン部分のミクロ構造
の1,2結合量が10〜80%の範囲が好ましく、20
〜50%の範囲が特に好ましい。
芳香族化合物ブロックまたは共役ジエン化合物を主体と
するブロックを2個以上含有する場合には、各ブロック
はそれぞれ同一構造であってもよく、異なる構造であっ
てもよい。また水添ブロック共重合体の分子構造は、直
鎖状、分岐状、放射状またはこれらの組合せ等いずれで
もよい。
ロック共重合体の数平均分子量は8万以上、23.9万
以下であり、さらに望ましくは10万以上、23.9万
以下である。数平均分子量が8万以上の水添ブロック共
重合体を使用することにより、耐油性あるいは圧縮永久
歪等の物性に優れた組成物とすることができる。また、
分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比)は、
10以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは5以下で
ある。
ロック共重合体の数平均分子量は3.5万以上、8万未
満であり、さらに望ましくは3.5万〜7万のものであ
る。数平均分子量が8万未満の水添ブロック共重合体だ
けを使用すれば圧縮永久歪の物性を低下せしめるが、数
平均分子量が8万以上の水添ブロック共重合体(a)成
分と上記(d)成分との数平均分子量比が1.5以上で
ある(a)成分と併用して用いれば上記物性を損うこと
なく成形加工性がより一層優れた組成物とすることがで
きる。
は(a)成分100重量部に対して3〜100重量部の
範囲で用いる。(d)成分の添加により成形加工性は改
良されるものの、逆に100重量部を越えて多量に使用
すれば、圧縮永久歪が低下し、望ましい組成物を得るこ
とができなくなる。水添ブロック共重合体の数平均分子
量、分子量分布はゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィー等により容易に求めることができる。
記した構造を有するものであれば、どのような製造方法
で得られるものであってもかまわない。例えば特公昭4
0‐23798号に記載された方法により、リチウム触
媒等を用い不活性溶媒中でビニル芳香族化合物‐共役ジ
エン化合物ブロック共重合体を合成し、次いで公知の方
法、例えば特公昭42‐8704号、特公昭63‐48
41号や特公平1‐53851号の各公報に記載された
方法により、不活性溶媒中で水添触媒の存在下に水素添
加することにより、ビニル芳香族化合物ブロックAの芳
香族二重結合の20%を越えない部分および共役ジエン
化合物ブロックBの脂肪族二重結合の少なくとも80%
が水素添加されている水添ブロック共重合体が合成され
る。
ブロックBに含まれる炭素‐炭素二重結合の割合のこと
であって、これは、核磁気共鳴吸収スペクトル(NM
R)、赤外線吸収スペクトル(IR)等の機器分析、ヨ
―ド滴定法等の化学分析により測定される。
変性水添ブロック共重合体に関して説明する。本願発明
の(b)成分として使用する酸変性水添ブロック共重合
体のもととなる水添ブロック共重合体は、(a)成分と
同様のポリマ―構造を有するものであるが、その中でも
特に流動性に優れた数平均分子量3万〜10万のもの、さ
らに望ましくは3.5万〜7万のものである。このよう
な範囲の数平均分子量のポリマ―を使用することによ
り、本発明の組成物の成形性、物性はバランスのとれた
優れたものとなる。
体にカルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子単
位が結合したものである。かかるカルボン酸基またはそ
の誘導体基を含有する化合物の例としてはマレイン酸、
ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、シス‐4‐シクロ
ヘキセン‐1,2‐ジカルボン酸、エンド‐シス‐ビシ
クロ〔2,2,1〕‐5‐ヘプテン‐2,3‐ジカルボ
ン酸等やこれらジカルボン酸の無水物、エステル、アミ
ド、イミド等およびアクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸等やこれらモノカルボン酸のエステル、例えばメタ
クリル酸メチルやアミド等の誘導体が挙げられる。これ
らの中では無水マレイン酸が特に好ましい。
る化合物の付加量としては20重量部以下程度であり、
望ましくは10重量部以下、さらに望ましくは5重量部
以下である。
はその誘導体基を導入した(b)成分を使用することに
より、本発明の(a)成分と(c)成分の相溶性は著し
く改善され、本発明組成物の極性基を有する樹脂との接
着性は向上し、機械的物性も改良されるが、カルボン酸
基またはその誘導体基の付加量があまり多すぎると組成
物の流動性が低下し、成形加工性が悪化する問題が生じ
る。このため前記した付加量が望ましい。
発明の(a)成分100重量部に対して10〜200重
量部の範囲である。(b)成分の使用量が10重量部未
満では相溶性改良効果が十分でなく望ましい組成物を得
ることができないし。また、200重量部を越えて多量に
使用しても相溶性改良効果は頭打ちとなり、逆に流動性
の低下が顕著となり望ましい組成物ではなくなってしま
う。このため前記した範囲が良い。さらに望ましい範囲
は20〜100重量部である。
可塑性のポリウレタンエラストマ―について説明する。
本発明の(c)成分として用いる熱可塑性のポリウレタ
ンエラストマ―は、両末端に活性水素を有する長鎖グリ
コ―ルと短鎖グリコ―ルをジイソシアナ―ト化合物を使
用して付加重合したものである。使用する化合物に関し
て特に制限はないが、長鎖グリコ―ルとしてはポリエス
テル系、ポリエ―テル系、ポリカ―ボネ―ト系等が代表
的なものである。
系ではアジピン酸と種々のグリコ―ル等の脱水縮合物、
例えばポリ(エチレンアジペ―ト)、ポリ(ジエチレン
アジペ―ト)、ポリ(1,4‐ブチレンアジペ―ト)、
ポリ(1,6‐ヘキサンアジペ―ト)等であり、ポリカ
プロラクトン等も利用できるポリエ―テル系としてはポ
リエチレングリコ―ル、ポリプロピレングリコ―ル、ポ
リテトラメチレングリコ―ル、ポリ(プロピレングリコ
―ル/エチレングリコ―ル)等が例示でき、ポリカ―ボ
ネ―ト系としてはポリ(1,6‐ヘキサメチレングリコ
―ルカ―ボネ―ト)等が例示できる。また、ポリオレフ
ィン系のグリコ―ルも有用であり、ポリブタジエンジオ
―ル、ポリイソプレンジオ―ルさらにはそれらの水添物
等が好ましく使用できる。
ル、含芳香族グリコ―ル等が代表的なものであり、具体
的な化合物名を示せば、脂肪族グリコ―ル系としてはエ
チレングリコ―ル、1,3‐プロピレングリコ―ル、
1,4‐ブタングリコ―ル、1,3‐ブタングリコ―
ル、1,5‐ペンタングリコ―ル、1,6‐ヘキサング
リコ―ル等が例示でき、含芳香族グリコ―ル系としては
ビスフェノ―ルA、ハイドロキノンジエチロ―ルエ―テ
ル、ビスフェノ―ルA/エチレングリコ―ル等が例示で
きる。
族、脂肪族系のものがあり、例えばトリレンジイソシア
ネ―ト、キシリレンジイソシアネ―ト、4,4´‐ジフ
ェニルメタンジイソシアネ―ト、1,5‐ナフタレンジ
イソシアネ―ト、ヘキサメチレンジイソシアネ―ト、イ
ソホロンジイソシアネ―ト等でありさらに、キシリレン
ジイソシアネ―トや、4,4´‐ジフェニルメタンジイ
ソシアネ―トの水素添加物等も例示される。
性ポリウレタンエラストマ―は、その合成条件により、
完全熱可塑型と不完全熱可塑型に分類される。これら
は、原料の2官能性の長鎖グリコ―ルと短鎖グリコ―ル
のOH基およびジイソシアネ―トのNCO基のモル比で
決定され、約0.95<NCO/OH≦1で合成したの
が完全熱可塑型であり、約1<NCO/OH<1.1で
合成したのが不完全熱可塑型である。本発明の(c)成
分としてはこのどちらのものも使用することができる。
100重量部に対して10〜250重量部である。10
重量部未満の使用量では極性基を有する樹脂との接着性
は不満足なものであり、逆に250重量部を越えて多量
に使用しても接着性の改良は頭打ちとなり、逆に圧縮永
久歪等の物性の低下が生じること、さらには吸水性の悪
化やコストの上昇を招き望ましい組成物を得ることはで
きなくなる。さらに望ましい使用量は40〜150重量
部の範囲である。
にオイルを好ましく添加することができる。オイルは得
られる組成物に柔軟性、加工性を付与する他に経済性の
改善をする上で有用な添加物である。本発明で使用する
オイルとしては、非芳香族系のゴム用オイルであり、例
えば鉱物油系軟化剤として一般に知られているパラフィ
ン系およびナフテン系に分類されているゴム用希釈オイ
ルを使用することができ、そのなかでもパラフィン系オ
イルが好ましく、さらにパラフィン系のなかでも芳香族
環成分の5%以下のものが望ましい。オイルの使用量
は、得られる熱可塑性エラストマ―組成物の物性が損な
われない範囲にとどめるべきであるが、おおよその目安
として水添ブロック共重合体100 重量部に対して0〜2
00重量部程度である。
ましくはポリオレフィン樹脂を添加することができる。
ポリオレフィン樹脂は、熱可塑性エラストマ―組成物の
加工性、機械的強度等を改善する上で有用であり、ポリ
オレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン樹脂、プロピレンとエチレン、1
‐ブテン等のα‐オレフィンとのブロックコポリマ―や
ランダムコポリマ―等が使用できる。
られる熱可塑性エラストマ―組成物の柔軟性が失われな
い範囲にとどめるべきであるが、おおよそその目安とし
て水添ブロック共重合体100重量部に対して0〜15
0重量部程度である。さらに本発明の組成物は、無機充
填剤を添加することができる。無機充填剤は、得られる
熱可塑性エラストマ―組成物の高硬度化、および増量剤
として経済性の改善をする上で有用である。
ウム、タルク、クレ―、合成ケイ素、酸化チタン、カ―
ボンブラック、硫酸バリウム等が使用できる。なお、無
機充填剤の使用量は得られる熱可塑性エラストマ―の柔
軟性が損われない範囲にとどめるべきであるが、おおよ
その目安として水添ブロック共重合体100重量部に対
して0〜100重量部程度である。さらに本発明の組成
物には、前記した成分以外に滑剤、光安定剤、顔料、難
燃剤、帯電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止
剤、紫外線吸収剤、酸化劣化防止剤等を適宜加えてよ
い。
機、ロ―ル、バンバリ―ミキサ―等の通常のゴムの混練
に使用される方法が使用でき、成形加工方法としては、
押出成形、射出成形、ブロ―成形等の加工法が適用でき
る。
―組成物は、極性基を有する樹脂、例えば、ポリエステ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ―ボネ―ト系樹
脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリアクリレ―
ト系樹脂、ポリメタクリレ―ト系樹脂、ポリエ―テル系
樹脂、アクリロニトリル/スチレン系樹脂、アクリロニ
トリル/スチレン/ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、フェノ―ル樹脂、エポキシ
樹脂等と接着性を有し、かつ、成形加工性、耐油性、機
械的物性、耐熱性等に優れているため、多層成形体の加
工用素材等の用途に幅広く使用可能である。
が、本発明はこれらの例に限定されるものではない。な
お実施例および比較例において用いた物性は以下の試験
方法で測定した。
での70℃、2時間後の重量変化を測定。
S‐K‐6301記載の3号試験片とした。測定はJI
S‐K‐6301に準拠。
件にて測定。
た。 ○:成形品の表面全面がなめらかで平滑である。 △:成形品の表面の一部にフロ―マ―クが発生し、平滑
でない部分がある。 ×:成形品の全面にフロ―マ―クが発生し、表面が荒れ
ている。
ック共重合体、熱可塑性ウレタンエラストマー、変性水
添ブロック共重合体、極性を有する樹脂を表1〜4にま
とめて記載した。なお、数平均分子量、重量平均分子量
はゲルパーミエーションクロマトグラフィーを使用し、
標準ポリスチレンを基準として測定した。
ポリウレタンエラストマ―および変性水添ブロック共重
合体を表5,6に記載した量で混合し、これにパラフィ
ン系オイルとしてPW−380(出光興産(株)社製)
を表5,6に記載した量添加して該混合物中に含浸させ
た後、さらに該油展混合物100重量部に対してイルガ
ノックス1010(チバガイギ社製)0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウム0.3部、ポリエチレンワックス
0.3部を添加した。
鉄工(株)社製)で造粉後、インラインスクリュ―タイ
プの射出成形機を用い射出圧力50kg/cm2 、射出
温度170〜190℃、金型温度55℃の条件下で20
0mm×200mm×4mm厚の平板試料を作製した。
該金型の中には極性基を有する樹脂として表4より選ば
れたABS樹脂の150mm×25mm×2mm厚の試
験片を予め固定しておき、インジェクション終了後、得
られた平板試料より複層成形片を切り出し、剥離強度測
定用の試験片とした。又同様の射出条件にて150mm
×150mm×2mm厚の平板試料を成形し、物性測定
用の試験片とした。所定の方法で諸物性を測定し、結果
を表5,6に記載した。
ように水添ブロック共重合体の数平均分子量が8万未満
のものだけを使用した場合には、得られる組成物の圧縮
永久歪は著しく悪化し望ましいものではない。また比較
例3に示されるように本願発明の(a)成分である数平
均分子量が8万以上の水添ブロック共重合体を使用しな
い場合には得られる組成物の成形性は悪く、さらに圧縮
永久歪も極端に悪いことがわかる。
ポリウレタン、変性水添ブロック共重合体にパラフィン
系オイルとしてPW−380(出光興産(株)社製)、
ポリプロピレンとしてアサヒポリプロE‐1100(旭
化成(株)社製)、炭酸カルシウムを表7,8に記載し
た量混合し、以下実施例1と同様の方法でABS樹脂に
対する接着性を評価した。その測定結果をまとめて表
7,8に記載する。 実施例5〜7と比較例4,5より
明らかなように、熱可塑性ポリウレタンエラストマ―を
適当量使用した本願発明の組成物は、耐油性、圧縮永久
歪、成形性等の物性に優れた望ましい組成物であること
が判る。一方熱可塑性ポリウレタンエラストマ―を使用
しない場合(比較例4)には、ABS樹脂に対する接着
性、耐油性等の物性が劣り、逆にあまり多量に使用する
場合(比較例5)には、圧縮永久歪等の物性の低下や成
形品の品質の低下を招き望ましいものでは無いことが判
る。
らかなように、適当量の変性水添ブロック共重合体を使
用した本願発明の組成物は、成形品の品質、接着性、圧
縮永久歪等の特性に優れた望ましい組成物であることが
判る。これに対し、変性水添ブロック共重合体を使用し
ない場合(比較例6)には、組成物の分散性が悪く成形
品に剥離が発生し、さらにはABS樹脂に対する接着性
が低下し望ましい組成物でなくなるし、逆に、あまり多
量に使用する場合(比較例7)には、得られる組成物の
圧縮永久歪等の物性が低下することや成形品の品質が極
端に低下すること等により望ましい組成物でなくなるこ
とが明らかとなった。
比較例8〜12として比較例4の組成を使用して実施例
1と同様の方法で試験した。金型内に固定する極性基を
有する樹脂を種々かえて試験し、剥離強度の測定結果を
表9に記載した。実施例11〜15と比較例8〜12の
比較より明らかなように、本発明の組成物は種々の極性
基を有する樹脂に対する接着強度が著しく向上した望ま
しい組成物であることがわかる。
ポリウレタン、変性水添ブロック共重合体にパラフィン
系オイルとしてPW−380(出光興産(株)社製)、
ポリプロピレンとしてアサヒポリプロE‐1100(旭
化成(株)社製)、炭酸カルシウムを表10,11に記
載した量混合し、以下実施例1と同様の方法で、ABS
樹脂に対する接着性を評価した。その測定結果をまとめ
て表10,11に記載する。
明らかなように、数平均分子量が8万以上の水添ブロッ
ク共重合体に数平均分子量が8万未満の水添ブロック共
重合体を適当量加えて使用した本願発明の組成物は、耐
油性、圧縮永久歪、成形性等の物性に優れた望ましい組
成物であることが判る。一方、数平均分子量が8万未満
の水添ブロック共重合体を多量に使用する場合(比較例
13)や、数平均分子量が8万以上の水添ブロック共重
合体と数平均分子量が8万未満の水添ブロック共重合体
の分子量比が1.4未満の場合(比較例14)には、圧
縮永久歪や成形品の品質の低下を招き望ましいものでは
ないことが判る。
方比較例16〜20として比較例15の組成を使用して
実施例1と同様の方法で試験した。金型内に固定する極
性基を有する樹脂を種々かえて試験し、剥離強度の測定
結果を表12に記載した。
較より明らかなように、本発明の組成物は種々の極性基
を有する樹脂に対する接着強度が著しく向上した望まし
い組成物であることがわかる。
を有する樹脂に対して優れた接着性を示し、かつ成形の
際に金型等との接着性が低く離型性に優れた組成物であ
り、二層押出、複層成形等の分野に極めて有効に利用す
ることができる。このため、自動車内装品、家電部品、
スポ―ツ用品、雑貨品等の用途に広く利用されるもので
あり、その工業的意義は大きい。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)少なくとも1個のビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
ら成るブロック共重合体を水素添加して得られる数平均
分子量が8万以上、23.9万以下の水添ブロック共重
合体100重量部と (b)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
に、カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子単
位が結合した変性水添ブロック共重合体10〜200重
量部と (c)熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜25
0重量部からなる熱可塑性エラストマー組成物。 - 【請求項2】 (a)少なくとも1個のビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
ら成るブロック共重合体を水素添加して得られる数平均
分子量が8万以上、23.9万以下の水添ブロック共重
合体100重量部と (b)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
に、カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子単
位が結合した変性水添ブロック共重合体10〜200重
量部と (c)熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜25
0重量部と (d)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロック
共重合体を水素添加して得られる数平均分子量が3.5
万以上、8万未満の水添ブロック共重合体3〜100重
量部からなる熱可塑性エラストマー組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3203576A JP2541039B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 熱可塑性エラストマ―組成物 |
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