JPH0575016B2 - - Google Patents

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JPH0575016B2
JPH0575016B2 JP63055986A JP5598688A JPH0575016B2 JP H0575016 B2 JPH0575016 B2 JP H0575016B2 JP 63055986 A JP63055986 A JP 63055986A JP 5598688 A JP5598688 A JP 5598688A JP H0575016 B2 JPH0575016 B2 JP H0575016B2
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block copolymer
acid
composition
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JP63055986A
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Juji Shinjo
Yasushi Kishimoto
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、水添ブロツク共重合体又はその変性
体と80℃〜180℃の融点を有する熱可塑性ポリエ
ステル樹脂とを組み合せた、接着剤を使用しなく
ても極性基を有する樹脂と強固に接着し、かつ成
形加工時に金型等の金属からの離型性に優れた熱
可塑性エラストマー組成物に関する。 [従来の技術] 従来より、異種の材料を接着して積層物とする
ことによつて両方の材料の長所を付与したり、或
いは同一の材料で他種の材料をはさんで積層物に
することで一方の材料の欠点を補うような積層物
を製造する試みがある。特に最近では、プラスチ
ツクの有する安物感、手触の悪さ等を改良するた
め、プラスチツクにゴムを積層する試みがなされ
ている。このゴムを積層したものは手触がソフト
で感触が良く、高級感があること、及び防音性、
防振性に優れていること等により自動車の内装品
や家電部品に好適なものといえる。このような積
層物の材料となる熱可塑性樹脂として、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、
ナイロン、ポリカーボネート、ポリスチレン、耐
衝撃性ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、
ABS樹脂、等が用いられている。 これらの積層物は、その形態として、シート、
フイルム、または複雑な形状の成形品等として用
いられている。 これらの積層物は、同種または異種の材料を接
着剤を用いて接着する方法、接着剤を使用せずに
共押出し法あるいは複層成形法で積層物にする方
法等が一般に行なわれている。 しかしながら、積層する材料の種類またはその
組合せによつては、十分なる接着効果が得られな
い場合があり、特に接着剤を使用しない共押出し
法あるいは複層成形法で積層物を得る場合には、
相互に接着性のない材料を用いることはできな
い。そのため、共押出し法で相互に接着性のない
材料の積層物を得る場合は、接着層として両方の
材料に接着性のある材料を用いる方法が行なわれ
ており、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエンブ
ロツク共重合体等が使用されている。しかしなが
ら、これらの樹脂も、共押出しする材料の種類に
よつては必ずしも十分な接着効果が得られない場
合があつたり、接着強度の持続性、耐水性等が劣
る等の問題点があつた。さらに、複雑な形状の射
出成形品の場合には接着層の使用は困難であり、
接着性を有する限られた組合せの場合でしか複層
成形法は使用できないのが現状である。 これらの問題点を解決するため、さらに進んだ
技術として特公昭62−13911号に酸変性した水添
ブロツク共重合体に極性基を有する熱可塑性重合
体を添加したものを使用する技術が開示されてい
る。該公報記載の積層物は極性を有する樹脂、ガ
ラス、金属等に優れた接着性を示し有効な方法で
あるが、反面成形加工装置の金属、例えば射出成
形機における金型等に対しても接着性を有するた
め離型性が悪い欠点を有する。 また特開昭58−7443号には極性の官能基を有す
る樹脂、例えばポリエステル系樹脂と酸変性水添
ブロツク共重合体を組み合せた熱可塑性樹脂組成
物が開示されているが、該組成物は両成分の相容
性を改良し、機械的特性の優れた熱可塑性重合体
組成物を目的とするものであつて、本発明が目的
とする金型との接着性が低く、極性を有する樹脂
との接着性が優れた樹脂組成物にはなり得ていな
い。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の点に鑑みなされたものであつて
射出成形等の成形加工時の金型との接着性が低
く、かつ極性を有する樹脂との接着性は高い熱可
塑性樹脂組成物を提供することを目的とするもの
である。 [課題を解決するための手段及び作用] 本発明よれば、(a)少なくとも1つのビニル芳香
族化合物重合体ブロツクAと少なくとも1つのオ
レフイン化合物重合体ブロツクBとからなるブロ
ツク共重合体の水添物であつて、ブロツクBの不
飽和度が20%をこえない水添ブロツク共重合体又
は/および該ブロツク共重合体にカルボン酸基も
しくはその誘導体基を含有する分子単位が結合し
た変性水添ブロツク共重合体100重量部に必要に
応じて無機充填剤0〜100重量部、オイル0〜200
重量部、ポリオレフイン樹脂0〜150重量部を配
合したものと(b)融点が80℃〜180℃の範囲にある
熱可塑性ポリエステル5〜100重量部とを主成分
とする熱可塑性エラストマー組成物を提供するも
のである。以下、本発明に関して詳しく述べる。 本発明の(a)成分の中で必須成分として用いられ
る水添ブロツク共重合体の水添前のブロツク共重
合体としては、ビニル芳香族化合物重合体ブロツ
クを少なくとも1個、好ましくは2個以上、共役
ジエン化合物を主体とする重合体ブロツクを少な
くとも1個含有するものである。ここで共役ジエ
ンを主体とする重合体ブロツクは、ビニル芳香族
化合物と共役ジエン化合物との重量比が0/100
〜50/50、好ましくは0/100〜40/60の組成範
囲からなる重合体ブロツクであり、このブロツク
におけるビニル芳香族化合物の分布は、ランダム
テーパー(分子鎖に沿つてモノマー成分が増加ま
たは減少するもの)、一部ブロツク状またはこれ
らの任意の組合せのいずれであつてもよい。 上記水添前のブロツク共重合体において、ビニ
ル芳香族化合物の含有量と共役ジエン化合物の含
有量の重量比は、10/90〜90/10の範囲が好まし
く、ゴムらしさを必要とする場合には15/85〜
60/40の範囲が好ましい。 上記水添前のブロツク共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、スチレン、α−メチル
スチレン1,1−ジフエニルエチレン、パラメチ
ルスチレン、ビニルトルエン等のうちから1種ま
たは2種以上が選ばれ、なかでもスチレンが特に
好ましい。また共役ジエン化合物としては、ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン等の
うちから1種または2種以上選ばれ、なかでもブ
タジエンおよび/又はイソプレンが特に好まし
い。 上記ブロツク共重合体は、数平均分子量20000
〜500000の範囲であり、分子量分布(重量平均分
子量と数平均分子量の比)は、10以下の範囲が好
ましい。さらに、水添前のブロツク共重合体にお
いて共役ジエン化合物として、ブタジエンを使用
した場合は、ブタジエン部分のミクロ構造の1,
2結合量が10〜80%の範囲が好ましく、20〜50%
の範囲が特に好ましい。 上記水添前のブロツク共重合体が、ビニル芳香
族化合物ブロツク又は共役ジエン化合物を主体と
するブロツクを2個以上含有する場合には、各ブ
ロツクはそれぞれ同一構造であつてもよく、異な
る構造であつてもよい。また水添ブロツク共重合
体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状又はこ
れらの組合せなどでもよい。 本発明で供する水添ブロツク共重合体は上記し
た構造を有するものであれば、どのような製造方
法で得られるものであつてもかまわない。例えば
特公昭40−23798号に記載された方法により、リ
チウム触媒等を用い不活性溶媒中でビニル芳香族
化合物−共役ジエン化合物ブロツク共重合体を含
成し、次いで公知の方法、例えば特公昭42−8704
号や特開昭61−33132号に記載された方法により、
不活性溶媒中で水添触媒の存在下に水素添加する
ことにより、ビニル芳香族化合物ブロツクAの芳
香族二重結合の20%をこえない部分および共役ジ
エン化合物ブロツクBの脂肪族二重結合の少なく
とも80%が水素添加されている水添ブロツク共重
合体が合成される。 本発明でいうブロツクBの不飽和度とは、ブロ
ツクBに含まれる炭素−炭素二重結合の割合のこ
とであつて、これは、核磁気共鳴吸収スペクトル
(NMR)、赤外線吸収スペクトル(IR)等の機器
分析、ヨード滴定法等の化学分析により測定され
る。 また(a)成分の中の必須成分として前記した水添
ブロツク共重合体にカルボン酸基又はその誘導体
を含有する分子単位が結合したものを使用するこ
ともできる。 かかる水添ブロツク共重合体に付加される不飽
和カルボン酸又はその誘導体の例としては、マレ
イン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン酸、シ
ス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1]−5
−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等やこれらジ
カルボン酸の無水物、エステル、アミド、イミド
等およびアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸
等やこれらモノカルボン酸のエステル、例えばメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルやア
ミド等の誘導体が挙げられる。これらの中では無
水マレイン酸、メタクリル酸グリシジルが特に好
ましい。不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加
量としては20重量部以下程度であり、さらに望ま
しくは10重量部以下である。このような変性水添
ブロツク共重合体の使用は、本発明組成物の極性
基を有する樹脂との接着性改良の効果を高め、さ
らに機械的物性を高めるために望ましいものであ
るが、前記した値を越えて不飽和カルボン酸又は
その誘導体が多量に付加した変性水添ブロツク共
重合体を使用しても、接着性および物性を改良す
る効果は乏しく、逆に成形の際に金型等に対する
接着性が高くなり、作業性が悪化し望ましい組成
物では無くなつてしまう。このような変性水添ブ
ロツク共重合体は1種又は2種以上混合して使用
してもよく、さらに未変性の水添ブロツク共重合
体と混合して使用してもよい。 本発明の(a)成分としては、前記した必須成分以
外にオイルを好ましく添加することができる。オ
イルは得られる組成物に柔軟性、加工性を付与す
る他に経済性の改善をする上で有用な添加物であ
る。本発明で使用するオイルとしては、非芳香族
系のゴム用オイルであり、例えば鉱物油系軟化剤
として一般に知られているパラフイン系およびナ
フテン系に分類されているゴム用希釈オイルを使
用することができ、そのなかでもパラフイン系オ
イルが好ましく、さらにパラフイン系のなかでも
芳香族環成分の少ないものが望ましい。オイルの
使用量は、得られる熱可塑性エラストマー組成物
の物性が損なわれない範囲にとどめるべきである
が、おおよその目安として水添ブロツク共重合体
又はおよびその変性体100重量部に対して0〜200
重量部程度である。 また、本発明の(a)成分としては熱可塑性樹脂、
好ましくはポリオレフイン樹脂を添加することが
できる。ポリオレフイン樹脂は、熱可塑性エラス
トマー組成物の加工性、機械的強度等を改善する
上で有用であり、ポリオレフイン樹脂としては、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン樹脂、プロピレンとエチレン、1−ブテン等の
α−オレフインとのブロツクコポリマーやランダ
ムコポリマー等が使用できる。なお、ポリオレフ
イン樹脂の使用量は、得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の柔軟性が失われない範囲囲にとどめ
るべきであるが、おおよその目安として水添ブロ
ツク共重合体又はおよびその変性体100重量部に
対して0〜150重量部程度である。さらに本発明
の(a)成分としては、無機充填剤を添加することが
できる。無機充填剤は、得られる熱可塑性エラス
トマー組成物の高硬度化、および増量剤として経
済性の改善をする上で有用である。該無機充填剤
としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレ
ー、合成ケイ素、酸化チタン、カーボンブラツ
ク、硫酸バリウムなどが使用できる。なお、無機
充填剤の使用量は得られる熱可塑性エラストマー
の柔軟性が損われない範囲にとどめるべきである
が、おおよその目安として水添ブロツク共重合体
又はおよびその変性体100重量部に対して0〜100
重量部程度である。 つぎに本発明の熱可塑性重合体組成物の(b)成分
である熱可塑性ポリエステル系重合体について述
べる。 本発明の(b)成分として用いるポリエステル系重
合体は分子内にエステル結合を含有する熱可塑性
の重合体の中で融点が80℃〜180℃の範囲にある
ものであり、さらに望ましくは90℃〜150℃の範
囲である。ここで示される温度範囲を越えた熱可
塑性ポリエステルを使用した場合、例えば低融点
のものを使用した場合には成形の際に金型等に対
する接着性が著しく高まり作業性の極端に悪い組
成物となつてしまうし、逆に、高融点のものを使
用した場合には金型等に対する接着性は改善され
るが、極性基を有する樹脂に対する接着性も低下
し望ましい組成物では無くなつてしまい好ましい
ものではない。 本発明の(b)成分として使用する代表的なポリエ
ステルは、ジカルボン酸とグリコールが重縮合し
た構造のポリエステルであり、これらはジカルボ
ン酸、その低級エステル、または酸無水物と、グ
リコールを重縮合することによつて得られる。こ
のポリエステルの原料となる、芳香族脂環族また
は脂肪族ジカルボン酸としては、シユウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン
酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカ
ンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボ
ン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、p,p′−ジ
カルボキシジフエニル、p−カルボキシフエノキ
シ酢酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、シク
ロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキ
サン−1,4−ジカルボン酸などがあげられ、こ
れらを1種類以上任意に組合せて用いることが望
ましい。これらの中では、テレフタル酸およびイ
ソフタル酸を主体として使用することが特に好ま
しい。 また上記ポリエステルのもう一方の原料である
グリコール(またはジオール)は、脂肪族脂環族
または芳香族のものがあり、それらの例として
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,10−デカンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、p−キシレング
リコール、1,3−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シク
ロペンタンジオールなどがあげられ、これらは1
種類以上任意に組合せて用いることが望ましい。
さらに必要に応じてジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリアルキレングリコー
ル、ビスフエノールA、2,2−ビス〔p−(β
−ヒドロキシエトキシ)フエノール〕プロパンな
どを上記グリコールと併用してもよい。これらの
中では、炭素原子数2〜10のアルキレングリコー
ルが好ましく、特にエチレングリコール、1,4
−ブタジオールが好ましい。上記ジカルボン酸単
位とグリコール単位からなるポリエステルのうち
80℃〜180℃の融点を示すものが本発明の範囲で
ある。本発明の範囲であるポリエステルを例示す
れば、ポリエチレンフタレートまたはポリブチレ
ンフタレートのモノマー単位の一部を他のモノマ
ー単位に置換したもの等であり、通常ホツトメル
ト接着剤の成分等として使用されるタイプのもの
である。したがつて、フイルム分野、成形品分野
に広く使用されているポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等は除かれる。 これらポリエステルの分子量は500〜100000の
ものが用いられ、5000〜50000のものが好ましい。 本発明に使用するポリエステルの重合方法は特
に制限はなく、重合は常法により行うことができ
る。前記した酸成分、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、脂肪族ジカルボン酸もしくはそれらの
エステル形成誘導体を、前記したグリコールの1
種以上と同時に、又は段階的に直接エステル化あ
るいはエステル交換反応させ、その後重合させる
方法がある。その際、慣用されている任意の各種
触媒、安定剤、改質剤及び添加剤などを使用して
もよい。 また他の有用なポリエステルとして、環状のラ
クトン、例えばピバロラクトン、β−プロピオラ
クトン、ε−カプロラクトン等の開環重合によつ
て得られるポリラクトンもあげられる。 前記ポリラクトンは概して融点が低く単独では
使用困難な場合が多いが、前記したジカルボン酸
とグリコールを重縮合させる際に1成分として適
宜組み合わせて使用する等により、融点を80℃〜
180℃の範囲にコントロールすることにより本発
明の(b)成分として使用することができる。 本発明の(b)成分として使用するポリエステルは
100%以上、さらに望ましくは400%以上の伸びを
示しかつ10000Kg/cm2以下の引張弾性率を示すも
のが優れている。上記した値を満す熱可塑性ポリ
エステルを使用した本発明組成物の場合には、極
性基を有する樹脂と組み合せることにより得られ
る複層成形品は接着力が特に優れたものとなり、
また曲げ等の変形をうける、あるいは衝撃的な力
をうける等の場合にも、安定した接着力を示し、
特に望ましいものである。 これらのポリエステル系重合体は、その分子末
端が、ヒドロキシ基またはカルボキシル基であ
り、さらに、この末端を一官能性のアルコールま
たは一官能性のカルボン酸と反応させて官能基を
不活性にさせたものもある。本発明においては、
ポリエステル系重合体は、その分子末端の一部ま
たは全部が変性ブロツク共重合体の官能基と反応
するような官能基を有していることが好ましい。
かかる官能基含有のポリエステルはその一部が変
性ブロツク共重合体と反応することによつて組成
物の相溶性が著るしく改良される。 上記ポリエステル系重合体は、1種だけでなく
2種以上を併用することができる。2種以上併用
して使用する場合には本発明の(b)成分として融点
が80℃〜180℃の熱可塑性ポリエステルと、融点
が80℃未端あるいは、180℃を越えたものとを併
用して使用してもよい。しかしながらこのような
場合には融点が80℃〜180℃の範囲の熱可塑性ポ
リエステル成分が全ての熱可塑性ポリエステル成
分の50重量%以上をしめることが望ましい。この
値を満たす場合には本発明の効果、すなわち極性
基を有する樹脂との接着性は高く、かつ金型等か
らの離型性に優れたものが得られる。 本発明の(b)成分である融点が80℃〜180℃の範
囲にある熱可塑性ポリエステルの使用量は、本発
明の(a)成分100重量部に対して5〜100重量部であ
り、望ましくは10〜80重量部、さらに望ましくは
20〜60重量部の範囲である。ここで示される値未
満では、得られる組成物の極性を有する樹脂に対
する接着強度は低いものとなつてしまう。また、
ここで示される値を越えて大量に使用しても、得
られる組成物の接着強度は低下する傾向となり、
逆に、得られる組成物が硬くなりゴムらしくなく
なること、さらには伸び、引張強度等の機械的物
性が低下し、望ましい組成物ではなくなつてしま
う。 さらに本発明の組成物には、(a)(b)両成分以外に
滑剤、光安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、ブ
ロツキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化劣化防止
剤等を適宜加えてよい。 上記した(a),(b)両成分等からなる本発明の組成
物の混練方法としては、押出機、ロール、バンバ
リーミキサー等の通常のゴムの混練に使用される
方法が使用でき、成形加工方法としては、押出成
形、射出成形、ブロー成形等の加工法が適用でき
る。 本発明により得られる熱可塑性エラストマー組
成物は、極性基を有する樹脂、例えば、ポリエス
テル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、ポリフエニレンスルフイド系樹脂、ポ
リアクリレート系樹脂、ポリメタクリレート系樹
脂、ポリエーテル系樹脂、アクリロニトリル/ス
チレン系樹脂、アクリロニトリル/スチレン/ブ
タジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、フエノール樹脂、エポキシ樹脂等と
接着性を有し、かつ、二層押出あるいは複層成形
等の成形加工時に金属、例えば金型等に対する離
型性に優れているため、多層成形体の加工用素材
等の用途に幅広く使用可能である。 [実施例] 以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらの例に限定されるものではない。 なお実施例および比較例において用いた物性は
以下の試験方法で測定した。 (1) 剥離強度(Kg/25mm) JIS−K−6854記載の180度剥離に準拠。 (2) 金型からの離型性 射出成形時の金型からの離型性を下記の基準に
従がい判定 ◎;接触するとはがれ落ちる。 〇;引つ張ればすぐにはがれる。 △;強く引つ張るとはがれる。成形品の変形は
おこらない。 ×;無理に引つ張るとはがれるが、成形品は変
形してしまう。 (3) 硬 度 JIS−K−6301 Aタイプ (4) 引張強度(Kg/cm2) 試料は2mm厚のインジエクシヨンシートを用い
JIS−K−6301記載の3号試験片とした。測定は
JIS−K−6301に準拠。 (5) 伸 度(%) JIS−K−6301に準拠。 実施例、比較例にて使用する水添ブロツ共重合
体、熱可塑性ポリエステル、極性基を有する樹脂
を表1,2,3に記載した。 実施例1〜8、比較例1〜4 表−1より選ばれた変性水添ブロツク共重合体
D100重量部にパラフイン系オイル(PW380;出
光興産社製)90重量部、ポリプロピレン(アサヒ
ポリプロE−1100;旭化成社製)80重量部を混合
し、該混合物100重量部に対して表−4記載の熱
可塑性ポリエステルを記載量混合し、さらに
BHT1.0重量部、ステアリン酸カルシウム0.3重量
部、エルカ酸アミド0.1重量部を添加し、二軸押
出機で造粒後、インラインスクリユータイプの射
出成形機を用い、射出圧力70Kg/cm2、射出温度
230〜250℃、金型温度60℃の条件下で200mm×200
mm×4mm厚の平板試料を作製した。該金型の中に
は表−3より選ばれたABS樹脂を熱プレスにて
成形した150mm×25mm×2mm厚の試験片が予め固
定されており、インジエクシヨン終了後、得られ
た平板試料より該複層ABS片を切り出し、剥離
強度測定用の試験片とした。また同様の射出条件
にて150mm×150mm×2mm厚の平板試料を成形し、
物性測定用の試験片とすると共に試験片の金型か
らの離型性を前記した評価基準に従がい評価し
た。所定の方法で諸物性を測定し、結果を表−4
に記載した。 実施例1,2,5,8と比較例3,4との比較
で明らかなように、熱可塑性ポリエステルの融点
が80℃未満の場合には(比較例−3)、金型から
の離型性が著しく悪くなつてしまう。逆に、融点
が180℃より高い場合には(比較例−4)、金型か
らの離型性には優れるものの、極性を有する樹脂
との剥離強度が低下してしまい望ましい組成物で
はなくなつてしまう。 実施例3〜7、と比較例1,2の比較で明らか
なように、熱可塑性ポリエステルをまつたく使用
しないものはABS樹脂に対する接着性は著しく
低いものとなつてしまい、逆に100重量部を越え
て多量に使用した場合には、樹脂状の組成物とな
り、機械的物性は大幅に低下し、ABSに対する
接着性、離型性も悪く望ましい組成物ではなくな
つてしまう。 実施例9〜17、比較例10,11 表−5に記載してあるブロツク共重合体および
添加物の混合物100重量部に対して表−2より選
ばれた熱可塑性ポリエステル()を40重量部配
合し、以下実施例1〜8、比較例1〜4と同様の
方法で試験し、物性を測定した。ただし、金型の
中には表3より選ばれたPVC樹脂の試験片が固
定されており、PVCに対する剥離強度を測定し
た。B結果を表−5に記載した。 実施例9〜12、の結果から明らかなように、未
変性の水添ブロツク共重合体を使用した場合に比
較して、変性した水添ブロツク共重合体を使用し
た場合の方が、剥離強度、機械物性に優れた組成
物となることがわかる。また実施例12〜17より明
らかなように、変性水添ブロツク共重合体のポリ
マー構造、分子量、変性剤の種類等を変化させて
もいずれも、接着性、離型性、機械的物性の優れ
た組成物であることが判る。 又、比較例10は非水添のブロツク共重合体を、
そして比較例11はその変性物を用いて、同様に試
験したものであるが、離型性が劣り、又引張強度
等の機械的物性も劣つた組成物であることがわか
る。 実施例18〜22、比較例5〜9 実施例18〜22としては表−2より選ばれた熱可
塑性ポリエステル()を36重量部使用し、比較
例5〜9としては熱可塑性ポリエステルを使用せ
ずに、以下実施例1〜8、比較例1〜4と同様の
方法で試験した。金型内に固定する極性基を有す
る樹脂を種々かえて試験し、剥離強度の測定結果
を表−6に記載した。 実施例18〜22と比較例5〜9の比較より明らか
なように、本発明の組成物は種々の極性基を有す
る樹脂に対する接着強度が著しく向上した望まし
い組成物であることがわかる。 [発明の効果] 本発明のエラストマー組成物は、極性基を有す
る樹脂に対して優れた接着性を示し、かつ成形の
際に金型等との接着性が低く離型性に優れた組成
物であり、二層押出、複層成形等の分野に極めて
有効に利用することができる。このため、自動車
内装品、家電部品、スポーツ用品、雑貨品等の用
途に広く利用されるものであり、その工業的意義
は大きい。
【表】
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【表】
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 少なくとも1つのビニル芳香族化合物重
    合体ブロツクAと少なくとも1つのオレフイン
    化合物重合体ブロツクBとからなるブロツク共
    重合体の水添物であつて、ブロツクBの不飽和
    度が20%をこえない水添ブロツク共重合体又
    は/および該ブロツク共重合体にカルボン酸基
    もしくはその誘導体基を含有する分子単位が結
    合した変性水添ブロツク共重合体100重量部に
    必要に応じて無機充填剤0〜100重量部、オイ
    ル0〜200重量部、ポリオレフイン樹脂0〜150
    重量部を配合したものと (b) 融点が80℃〜180℃の範囲にある熱可塑性ポ
    リエステル5〜100重量部 を主成分とする熱可塑性エラストマー組成物。
JP5598688A 1988-03-11 1988-03-11 接着性を有する熱可塑性エラストマー組成物 Granted JPH01230660A (ja)

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IT1317719B1 (it) * 2000-01-05 2003-07-15 Enichem Spa Elastomeri termoplastici e procedimento per la loro preparazione.
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