JP3402421B2 - 熱可塑性組成物及びその成形体 - Google Patents

熱可塑性組成物及びその成形体

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JP3402421B2
JP3402421B2 JP29808395A JP29808395A JP3402421B2 JP 3402421 B2 JP3402421 B2 JP 3402421B2 JP 29808395 A JP29808395 A JP 29808395A JP 29808395 A JP29808395 A JP 29808395A JP 3402421 B2 JP3402421 B2 JP 3402421B2
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英樹 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐加水分解性及び
変形回復性が優れ、かつ耐衝撃性、耐熱性及び耐油性が
良好な熱可塑性組成物及びその成形体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル系共重合体は、耐熱性、耐
油性などが優れ、射出成形性が良いことから、自動車部
品などを初めとして広く用いられてきた。しかし、最近
は、安全性の点から、上記性能に加え、高温時の変形回
復性及び耐高温多湿性が求められている。ポリエステル
系共重合体に高温時の変形回復性を付与する試みは、従
来より様々な方法が試みられているが、いずれの方法
も、変形回復性はある程度改良されるものの、もう一つ
の重要な性能である、耐加水分解性を改良するまでには
至らず、高温、多湿の条件下での使用には適さないとい
う問題があった。従来、ポリエステル系共重合体は、こ
の問題があるためにこれらの用途には使用できず、代り
に熱硬化性樹脂などが用いられてきた。しかし、熱硬化
性樹脂にはリサイクルができない等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、耐熱性、
耐油性、耐衝撃性及び射出成形性が優れ、かつ高温時の
変形回復性や耐加水分解性が優れた熱可塑性組成物及び
その成形体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリ
エステル系共重合体と弾性重合体とを組合わせた熱可塑
性組成物が、耐熱性、耐油性、耐衝撃性などが優れ、射
出成形性が良い上に、変形回復性や耐加水分解性にも優
れていることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は、下記の成分(A)及び(B)を下
記の配合比で含有することを特徴とする熱可塑性組成物
である。 (A)分子鎖末端のカルボキシル基量が、重合反応に用いたジカルボン酸又は ジカルボン酸ジエステルの0.03 mol%以下であるポリエステル系共 重合体 10〜98重量% (B)弾性重合体 90〜2重量% また、上記熱可塑性組成物からなる成形体である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 〔I〕熱可塑性組成物 本発明の熱可塑性組成物は、JIS K7203による
曲げ弾性率が好ましくは1,000MPa 以下、より好ま
しくは500MPa 以下、特に好ましくは0〜500MPa
の範囲のもの、かつ、JIS K6301によるJIS
−A硬度が好ましくは30以上、より好ましくは50以
上、特に好ましくは60〜100の範囲である。曲げ弾
性率が上記範囲を超える場合は、変形回復性が劣り、J
IS−A硬度が上記範囲未満では、耐熱性、耐油性が劣
るものとなる。
【0006】(1)ポリエステル系共重合体(A) 本発明の熱可塑性組成物に用いるポリエステル系共重合
体(A)は、分子鎖末端のカルボキシル基量が、重合反
応に用いたジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルの
0.03 mol%以下、好ましくは0.025 mol%以下
である。0.025 mol%、特に0.03 mol%を超え
るものは耐加水分解性が劣る。ただし、ポリエステル系
共重合体(A)がポリエステルポリエーテルブロック共
重合体の場合、ポリアルキレンエーテルグリコールの割
合が20重量%以下では分子鎖末端のカルボキシル基量
は0.02 mol%以下が好ましい。
【0007】ポリエステル系共重合体(A)としては、
ポリエステル系熱可塑性エラストマーが好ましく用いら
れる。例えば芳香族ジカルボン酸又は芳香族ジカルボ
ン酸ジアルキルエステルと、炭素数2〜12の脂肪族
及び/又は脂環式ジオール、並びに/あるいは重量平
均分子量が400〜6,000のポリアルキレンエーテ
ルグリコールとを原料とし、エステル化反応又はエステ
ル交換反応により得られるオリゴマーを重縮合させたも
のが挙げられる。この中でもポリエーテルセグメントを
有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体が好
ましい。
【0008】分子鎖末端のカルボキシル基量が、重合反
応に用いたジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルの
0.03 mol%以下であるポリエステル系共重合体を得
る方法としては、重縮合時に次亜リン酸アルカリ金属塩
を添加する方法、固相重合を併用する方法、表面更新能
力が優れた重合装置又は重合条件を用いる方法、例え
ば、重合槽能力に対して少ない仕込量で重合する方法、
攪拌能力の大きな攪拌機を用いる重合方法、溶融状態で
エポキシ基含有化合物と反応させる方法などが挙げられ
る。このうち重縮合時に次亜リン酸アルカリ金属塩を添
加する方法が生産性(歩留まり)の点から特に好まし
い。次亜リン酸アルカリ金属塩の例としては、次亜リン
酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウ
ムなどが挙げられ、特に次亜リン酸ナトリウムが好まし
い。
【0009】この次亜リン酸アルカリ金属塩の添加量
は、生成するポリマーに対し、好ましくは1〜1,00
0ppm 、より好ましくは3〜200ppm 、特に好ましく
は5〜80ppm である。1ppm 未満では添加の効果が十
分に得られず、また、1,000ppm より多く添加して
もそれ以上の効果の向上はなく、かえって重縮合反応を
阻害するので好ましくない。
【0010】添加方法としては、次亜リン酸アルカリ金
属塩を溶液状、スラリー状、固体状の、いずれの状態で
溶融ポリマーに添加してもよく、添加時期としては、少
なくとも重縮合反応終了前、すなわちエステル化反応前
又はエステル交換反応前から重縮合反応終了の前までの
間で、どの時期に添加してもよい。特に、減圧重縮合開
始直前に、スラリー状で添加することが重合度の低下が
少なく好ましい。
【0011】ポリエステルの原料である炭素数2〜12
の脂肪族及び/又は脂環式ジオールとしては、特にポリ
エステルエラストマーの原料として知られているものを
用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−
ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、好
ましくは、1,4−ブタンジオール、エチレングリコー
ル、特に好ましくは1,4−ブタンジオールを主成分と
するものであり、これらは1種又は2種以上を使用する
ことができる。
【0012】ポリエステルの原料である芳香族ジカルボ
ン酸としては、特にポリエステルエラストマーの原料と
して知られているものが使用できる。具体例としてはテ
レフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタ
レンジカルボン酸等を挙げることができ、好ましくはテ
レフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、特に好
ましくはテレフタル酸を主成分とするものであり、これ
らの2種以上を併用してもよい。また、芳香族ジカルボ
ン酸のアルキルエステルとしては、ジメチルテレフタレ
ート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、
2,6−ジメチルナフタレート等のジメチルエステルが
挙げられ、好ましくはジメチルテレフタレート、2,6
−ジメチルナフタレートであり、特に好ましくはジメチ
ルテレフタレートであり、これらは2種以上を併用する
ことができる。また、上記以外に3官能のジオール、そ
の他のジオールや他のジカルボン酸及びそのエステルを
少量共重合させてもよく、更に、アジピン酸等の脂肪族
又は脂環式のジカルボン酸若しくはそのアルキルエステ
ル等も共重合成分として使用してもよい。
【0013】ポリアルキレンエーテルグリコールとして
は、重量平均分子量が400〜6,000のものが使用
されるが、好ましくは500〜4,000、特に好まし
くは600〜3,000のものである。400未満では
共重合体のブロック性が不足し、6,000を超えるも
のは、系内での相分離によりポリマーの物性が低下す
る。ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールとして
は、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2−若しくは
1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリテトラ
メチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエー
テルグリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドとのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシ
ドとテトラヒドロフランとのブロック又はランダム共重
合体等が挙げられる。特に好ましくはポリテトラメチレ
ンエーテルグリコールである。
【0014】ポリアルキレンエーテルグリコールの含有
量は、生成するブロック共重合体中、1〜80重量%で
あることが好ましく、より好ましくは5〜70重量%、
特に好ましくは10〜60重量%である。含有量が80
重量%を超えると縮重合によるポリマーの生成が困難と
なる。
【0015】また、本発明で使用するポリエステル系共
重合体は、前記の重量平均分子量が400〜6,00
0のポリアルキレンエーテルグリコールの代りに、脂
肪族若しくは脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールとを
縮合させたポリエステルオリゴマー、又は脂肪族ラク
トン若しくは脂肪族モノオールカルボン酸から合成され
たポリエステルオリゴマーでもよい。
【0016】の例としては、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、
ジシクロヘキシル−4,4′−ジカルボン酸等の脂環式
ジカルボン酸又はコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セ
バシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうちの1種以上とエ
チレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコール、ペンタメチレングリコール等のジオー
ルのうちの1種以上とを縮合させた構造のポリエステル
オリゴマーが挙げられ、の例としては、ε−カプロラ
クトン、ω−オキシカプロン酸等から合成されたポリカ
プロラクトン系ポリエステルオリゴマーが挙げられる。
【0017】本発明におけるエステル化、エステル交
換、重縮合の各反応は、常法に従って行うことができ
る。これらの反応における触媒としては、それぞれ、ス
ズ、チタン、亜鉛、マンガンなどのアルコラート、塩化
物及び酸化物などの公知の触媒のうち1種又は2種以上
を使用することができ、有機チタン系触媒、特にテトラ
ブチルチタネートが好ましい。また、助剤として、リン
酸、亜リン酸又はそれらの金属塩などを加えてもよい。
【0018】また、それらの反応工程において、他の添
加剤が存在してもよい。例えばヒンダードフェノール系
安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、リン系安定剤、硫
黄系安定剤、トリアゾール系光安定剤などのほか、公知
の他の添加剤が使用される。特に本発明では、ヒンダー
ドフェノール系安定剤をポリマーに対し0.01〜1重
量%添加するのが効果上一層好ましい。エステル化又は
エステル交換反応は、通常120〜250℃、好ましく
は150〜230℃で行い、溶融重縮合反応は、通常1
0Torr以下の減圧下、200〜280℃で2〜6時間行
う。
【0019】通常、溶融重合して得られたポリマーは、
融点以上の温度に保持され、順次反応缶から吐出され、
ペレット化される。なお、ここで得られたペレットは、
必要に応じて更に固相重合させてもよい。
【0020】(2)弾性重合体(B) 本発明で使用する弾性重合体(B)は、成分(A)に含
まれる弾性重合体は除くものとし、弾性重合体(B)の
例としては、オレフィン系共重合体ゴム〔以下「成分
(B1)」とする〕;スチレン−共役ジエンブロック共
重合体の水素添加物〔以下「成分(B2)」とする〕;
アクリル系重合体ゴム〔以下「成分(B3)」とす
る〕;天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエン
ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニ
トリル−ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ブ
チルゴム;ニトリルゴム;クロロプレンゴム;シリコー
ンゴム;フッ素ゴム;ウレタンゴム;軟質塩化ビニル樹
脂、塩素化ポリエチレンなどの塩素系軟質樹脂等を挙げ
ることができる。これらの弾性重合体(B)は、単一成
分ばかりでなく、複数成分の併用であってもよい。
【0021】また、成分(B)の中でも、成分(B
1)、成分(B2)及び成分(B3)は特に好ましいも
のであり、それらについて以下に述べる。
【0022】(3)オレフィン系共重合体ゴム(B1) オレフィン系共重合体ゴム(B1)としては、エチレン
と炭素数が3以上のアルケンとの共重合体、好ましくは
エチレンと炭素数が3〜10のアルケンとの共重合体、
例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
M)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBM)、エチ
レン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体
並びにそれらに第3成分として非共役ジエン、例えば、
5−エチリデンノルボルネン、5−メチルノルボルネ
ン、5−ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、
ブテンなどを用いたエチレン−プロピレン−非共役ジエ
ン共重合体ゴム(EPDM)やエチレン−プロピレン−
ブテン共重合体ゴムなどを挙げることができる。
【0023】オレフィン系共重合体ゴムの100℃にお
けるムーニー粘度〔ML1+4 (100℃)〕は10〜4
00が好ましく、より好ましくは15〜350である。
ムーニー粘度が400を超えるものは成形品外観が良好
でなく、10未満のものはゴム弾性が劣る。
【0024】これらオレフィン系共重合体ゴム(B1)
の製造法や形態は、特に限定されるものではない。ま
た、オレフィン系共重合体ゴムは有機パーオキシドの存
在下に加熱処理し、主としてラジカルによって架橋した
ものでもよい。
【0025】オレフィン系共重合体ゴム(B1)の具体
例として、市販品としては、日本合成ゴム社製「JSR
EP」や「JSR EBM」、三井石油化学工業社製
「MITSUI EPT」や「タフマー」、住友化学社
製「ESPRENE」、ダウ・ケミカル日本社製「EN
GAGE」等が挙げられる。
【0026】本発明でいう、オレフィン系熱可塑性エラ
ストマーとは、オレフィン系共重合体ゴム(B1)を主
成分とし、更に、プロピレン系樹脂、炭化水素系ゴム用
軟化剤、無機フィラー、フェノール樹脂などを配合した
ものである。通常、それらは、例えば、有機パーオキシ
ドの存在下に加熱処理し、主としてラジカルによって完
全又は部分架橋させたものである。架橋方法や架橋条件
は、特に限定されないが、例えば、バンバリー架橋、押
出架橋、動的架橋等により架橋させることができる。ま
た、本発明の組成物を得るにあたって、成分(A)の存
在下に架橋を行い、オレフィン系熱可塑性エラストマー
を得ることもできる。オレフィン系熱可塑性エラストマ
ーの具体例としては、市販品として、三菱化学社製「サ
ーモラン」、三井石油化学工業社製「ミラストマー」、
住友化学社製「住友TPE」、AES社製「サントプレ
ーン」等が挙げられる。これらのオレフィン系熱可塑性
エラストマーも、オレフィン系共重合体ゴム(B−1)
の好ましい例として挙げられる。
【0027】(4)スチレン−共役ジエンブロック共重
合体の水素添加物(B2) スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物
(B2)としては、その共役ジエンブロックがブタジエ
ン単独、イソプレン単独、又はイソプレンとブタジエン
の混合物からなる重合体ブロックであり、具体的には、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水
素添加物(以下単に「水添S−B−S」と略記すること
がある)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体の水素添加物(以下単に「水添S−I−S」と略
記することがある)、又は、スチレン−イソプレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(以
下単に「水添S−BI−S」と略記することがある)な
どを挙げることができる。
【0028】これらスチレン−共役ジエンブロック共重
合体の水素添加物(B2)は、重量平均分子量が好まし
くは50,000〜500,000、より好ましくは6
0,000〜400,000、特に好ましくは70,0
00〜300,000であり、スチレン含有量は好まし
くは5〜50重量%、より好ましくは8〜45重量%、
特に好ましくは10〜40重量%であり、また水素添加
率が好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上
のブロック共重合体を用いることが重要である。
【0029】ここで重量平均分子量は、ゲル浸透クロマ
トグラフィー(GPC)により次の条件で測定したポリ
スチレン換算値である。 機器 :150C ALC/GPC(MILLIPORE 社製) カラム:AD80M/S(昭和電工社製)3本 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 温度 :140℃ 流速 :1 ml/分 注入量:200μl 濃度 :2mg/ml (酸化防止剤2,6−ジ−t−ブチル
−p−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出は FOX
BORO社製赤外線分光光度計MIRAN1Aにより波長
3.42μm で測定)
【0030】スチレン−共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物(B2)の重量平均分子量が500,000
を超えるものは成形性が劣り、50,000未満のもの
はゴム弾性、機械的強度が劣る。
【0031】これらスチレン−共役ジエンブロック共重
合体の水素添加物(B2)の製造方法としては、例え
ば、特公昭40−23798号公報に記載された方法に
より、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でスチレン−
共役ジエンブロック共重合体を合成し、次いで、例え
ば、特公昭42−8704号、同43−6636号、特
開昭59−133203号及び同60−79005号各
公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加
触媒の存在下に水素添加する方法等を挙げることができ
る。
【0032】また、水添S−I−Sは、例えば特開平2
−102212号公報に記載された方法により、水添S
−BI−Sは、例えば特開平3−188114号公報に
記載された方法によりそれぞれ合成することができる。
【0033】スチレン−共役ジエンブロック共重合体の
水素添加物(B2)の具体例として、市販品としてはシ
ェルジャパン社製「クレイトンG」、クラレ社製「セプ
トン」、「ハイブラー」、旭化成工業社製「タフテッ
ク」、日本合成ゴム社製「ダイナロン」等が挙げられ
る。本発明でいう、スチレン系熱可塑性エラストマーと
は、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加
物(B2)を主成分とし、更に、プロピレン系樹脂、炭
化水素系ゴム用軟化剤、無機フィラーなどを配合したも
のである。市販品としては、三菱化学社製「ラバロ
ン」、シェルジャパン社製「クレイトンGコンパウン
ド」、住友化学社製「住友TPE(SBシリーズ)」、
アロン化成社製「エラストマーAR」、旭化成工業社製
「タフテックコンパウンド(Eシリーズ・Hシリー
ズ)」、日本合成ゴム社製「ダイナロンアロイ(Hシリ
ーズ)」等が挙げられる。これらのスチレン系熱可塑性
エラストマーも、スチレン−共役ジエンブロック共重合
体の水素添加物(B2)の好ましい例として挙げられ
る。
【0034】(5)アクリル系重合体ゴム(B3) アクリル系重合体ゴム(B3)としては、アクリル酸エ
ステルと架橋のための少量のモノマーとの共重合体すな
わち、アクリル酸エステル−クロロエチルビニルエーテ
ル共重合体(ACM)、アクリル酸エステル−アクリロ
ニトリル重合体ゴム(ANM)等のアクリルゴム、アク
リル酸エステル−ブタジエン共重合体ゴム、エチレン−
アクリルゴム(AEM)等を挙げることができる。好ま
しくはアクリルゴムとエチレン−アクリルゴム(AE
M)、特に好ましくはアクリル酸エステル−クロロエチ
ルビニルエーテル共重合体(ACM)とエチレン−アク
リルゴム(AEM)である。
【0035】アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主
成分とする非晶性の主鎖に二重結合を含まないゴムであ
り、アクリル酸エステルの重合は一般に乳化重合による
が、懸濁重合でもよい。アクリル酸エステルとしては、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリ
ル酸(2−エチルヘキシル)等のアクリル酸アルキル、
アクリル酸メトキシエチルのようなアクリル酸アルコキ
シアルキルが用いられ、これらモノマーの1種以上から
なるものである。架橋点用モノマーとしては、上記のよ
うにクロロエチルビニルエーテル等のハロゲン基含有化
合物、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ化合物、
エチリデンノルボルネン等のジエン化合物を共重合させ
たものである。
【0036】これらの具体例として、市販品としては、
日本合成ゴム社製「JSRAR」、日本ゼオン社製「N
IPOLAR」、日本メクトロン社製「ノックスタイ
ト」、東亜ペイント社製「トアアクロン」等が挙げられ
る。
【0037】また、エチレン−アクリルゴム(AEM)
としては、エチレンとアクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸アルキルと架橋
基としてカルボキシル基をもつ第3成分や酢酸ビニル等
からなる共重合体であり、一般に高圧ラジカル重合にて
合成される。市販品としては、デュポン社製「VAMA
C」等が挙げられる。
【0038】(6)付加的成分 本発明の熱可塑性組成物には、上記成分(A)及び
(B)に加え、更に、各種目的に応じて任意の成分を配
合することができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定
剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、
アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助
剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加
物を添加することができる。これらの中でも特に酸化防
止剤を添加することが重要であり、フェノール系、ホス
ファイト系、チオエーテル系等の各種酸化防止剤の少な
くとも1種を使用することができる。更に、本発明の効
果を著しく損なわない範囲内で、各種熱可塑性樹脂、各
種エラストマー、各種可塑剤等の付加的成分を配合する
ことができる。
【0039】各種熱可塑性樹脂としては、プロピレン単
独重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プ
ロピレン−エチレンランダム共重合体等のプロピレン系
重合体;低密度ポリエチレン(分岐状エチレン重合
体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(直鎖
状エチレン重合体)、エチレンと不飽和カルボン酸(例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒ
ドロフタル酸、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸
等)又はその無水物との共重合体などのオレフィン系樹
脂;スチレン単独重合体、アクリルニトリル−スチレン
共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共
重合体等のスチレン系樹脂;ポリカーボネート、ポリフ
ェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチックス
等が挙げられる。
【0040】以上の中で可塑剤、特に炭化水素系ゴム軟
化剤〔以下「成分(C1)」とする〕及び/又はプロピ
レン系重合体〔以下「成分(C2)」とする〕を用いる
ことが好ましい。以下にこれらについて述べる。
【0041】(7)炭化水素系ゴム用軟化剤(C1) 本発明の熱可塑性組成物において付加的成分として用い
る炭化水素系ゴム用軟化剤(C1)としては、重量平均
分子量が300〜2,000、好ましくは500〜1,
500ものを挙げることができる。
【0042】このような炭化水素系ゴム用軟化剤(C
1)は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン環の三者
を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数が
全炭素中の50重量%以上を占めるものがパラフィン系
オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45重量%
のものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が3
0重量%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれて区分
されている。これらの中ではパラフィン系オイルを用い
ることが耐候性の点でより好ましい。
【0043】本発明で用いるパラフィン系オイルとして
は、40℃の動粘度が好ましくは20〜800cSt 、よ
り好ましくは50〜600cSt 、流動点が好ましくは0
〜−40℃、より好ましくは0〜−30℃、及び、引火
点(COC)が好ましくは200〜400℃、より好ま
しくは250〜350℃のオイルが好適に使用される。
【0044】炭化水素系ゴム用軟化剤(C1)は、オレ
フィン系共重合体ゴム(B1)又はスチレン−共役ジエ
ンブロック共重合体の水素添加物(B2)100重量部
に対して、好ましくは0〜200重量部、より好ましく
は5〜170重量部、特に好ましくは10〜150重量
部配合する。炭化水素系ゴム用軟化剤(C1)は、硬度
調整及び成形時の溶融流動性を調節するために重要であ
る。
【0045】(8)プロピレン系樹脂(C2) プロピレン系樹脂(C2)としては、メルトフローレー
ト(以下「MFR」という、JIS K6758、23
0℃、2.16kg荷重)が好ましくは0.01〜100
g/10分、より好ましくは0.05〜80g/10分、特に好
ましくは0.1〜60g/10分で、α−オレフィン含量が
好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜13重
量%、特に好ましくは0〜10重量%の範囲内であるプ
ロピレン系樹脂が用いられる。ここでいうα−オレフィ
ン含量とは赤外線スペクトル分析法等により測定される
値である。また、かかるプロピレン系樹脂(C2)のX
線回折法による結晶化度は好ましくは35%以上、より
好ましくは40〜80%である。
【0046】プロピレン系樹脂(C2)としては、プロ
ピレンの単独重合体又はプロピレンを主成分とする共重
合体樹脂で、具体的には、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体等
を挙げることができる。
【0047】MFRが上記範囲未満では、組成物の射出
成形性が悪化し、得られる射出成形体の外観が良好でな
く、特にフローマークの発生が著しくなる傾向がある。
また、MFRが上記範囲を超える場合は組成物の材料強
度が低下する傾向にある。プロピレン系樹脂(C2)
は、硬度調整のために重要である。
【0048】(9)配合比 本発明の熱可塑性組成物を構成する各成分の配合割合
は、成分(A)と(B)の合計量のうち成分(A)が1
0〜98重量%、好ましくは20〜95重量%、特に好
ましくは30〜90重量%である。成分(A)の配合割
合が上記範囲未満では得られる熱可塑性組成物の耐油
性、耐熱性が劣り、上記範囲を超えるものは変形回復性
が劣る。
【0049】また、成分(B)の配合割合は、成分
(A)と(B)の合計量のうち90〜2重量%、好まし
くは80〜5重量%、特に好ましくは70〜10重量%
である。成分(B)の配合割合が上記範囲を超えるもの
は熱可塑性組成物の耐油性、耐熱性が劣り、上記範囲未
満のものは変形回復性に劣る。
【0050】(10)組成物の製造方法 本発明の熱可塑性組成物の製造は、前述の配合割合でバ
ンバリーミキサー、ニーダー、一軸押出機、二軸押出機
等の、熱可塑性樹脂について通常使用される混練機にて
混練ブレンドされる。
【0051】架橋方法としては、上述のゴム成分、例え
ば、成分(B1)〜(B3)が、架橋される通常の方法
であればよい。すなわち、バンバリーミキサー、ニーダ
ー、一軸押出機、二軸押出機等の通常の混練機を用い、
原材料の一部を一度混練した後に、残りの原材料、架橋
剤、架橋助剤、酸化防止剤、光安定剤などの添加剤を配
合し動的に架橋する方法、又は全ての原材料を配合し、
1回の混練で架橋も同時に行う方法、又は押出機を用
い、逐次的に原材料をフィードする方法などが可能であ
る。
【0052】〔II〕成形体及び用途 本発明の熱可塑性組成物の成形体を製造する方法として
は、熱可塑性樹脂について通常使用されるフィルム成形
(インフレーション成形、Tダイ成形など)、カレンダ
ー成形、(共)押出成形、ブロー成形、回転成形、プレ
ス成形、射出成形(インサート射出成形、二色射出成
形、コアパック射出成形、サンドイッチ射出成形、イン
ジェクションプレス成形など)等の各種成形法を用いる
ことができる。特に射出成形法が好ましい。
【0053】成形にあたっては、乾燥した材料を用いる
ことが重要であり、乾燥温度は20〜150℃、好まし
くは50〜130℃、より好ましくは80〜120℃
で、乾燥時間は1〜24時間、好ましくは1〜10時
間、より好ましくは1〜5時間である。更に、減圧下で
乾燥することにより、乾燥温度を低く、かつ乾燥時間も
短くすることが可能で、より効果的である。材料の乾燥
が不充分の場合には、成形品表面に荒れが生じたり、物
性の低下を招くことがある。
【0054】射出成形条件としては、一般に100〜3
00℃、好ましくは150〜280℃、特に好ましくは
200〜260℃の成形温度、50〜1,000kg/c
m2、好ましくは100〜800kg/cm2の射出圧力で成形
される。また、ランナー、スプルー類等の製品以外の成
形部分や不良成形品等をリサイクルして使用することも
できる。
【0055】本発明の熱可塑性組成物からなる成形体
は、各種工業部品として使用することができる。具体的
には、インストルメントパネル、センターパネル、セン
ターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシス
トグリップ、ハンドル、エアバッグカバー等の自動車内
装部品;バンパー、モール等の自動車外装部品;ラック
&ピニオンブーツ、サスペンションブーツ、等速ジョイ
ントブーツなどの自動車機能部品;掃除機バンパー、リ
モコンスイッチ、OA機器の各種ロールや各種キートッ
プ等の家電部品;水中眼鏡、水中カメラカバー等の水中
使用製品;各種カバー部品、密閉性、防水性、防音性、
防振性等を目的とした各種パッキン付き工業部品;カー
ルコード電線被覆、ベルト、ホース、チューブ、消音ギ
アなどの電気・電子部品;スポーツ用品、等に使用する
ことができる。
【0056】
【実施例】以下に示す実施例によって、本発明を更に具
体的に説明する。
【0057】実施例1〜15及び比較例1〜7 使用した各成分は、次のとおりである。 (1)成分(A):ポリエステル系共重合体 (A)−1:ジメチルテレフタレート60重量部、1,
4−ブタンジオール31重量部、ポリテトラメチレンエ
ーテルグリコール(重量平均分子量1,000)35重
量部及び触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタ
ン換算で、生成するポリマーに対して200ppm 添加
し、150〜230℃で3.5時間エステル交換反応さ
せ、次いで、次亜リン酸ナトリウム一水塩を、生成する
ポリマーに対し50ppm、ヒンダードフェノール系安定
剤(チバ・ガイギー社製、商品名:イルガノックス10
10)0.18重量部を加え、3Torr以下の減圧下、2
30〜245℃で溶融重縮合させ、ポリエステル共重合
体〔このものを「(A)−1」とする。密度1.19g/
cm3 、JIS−A硬度96〕を製造した。分子鎖末端の
カルボキシル基量は、ポリマーをベンジルアルコールに
溶解させ、0.1規定の水酸化ナトリウムにて滴定した
値と重合反応に用いたジカルボン酸エステル(ジメチル
テレフタレート)量から求め、0.024 mol%であっ
た。
【0058】(A)−2:次亜リン酸ナトリウム一水塩
の添加量をポリマーに対して100ppm とした以外は、
(A)−1の製造方法と同様の方法でポリエステル共重
合体〔このものを「(A)−2」とする。密度1.19
g/cm3 、JIS−A硬度96〕を製造した。(A)−2
に含有される分子鎖末端のカルボキシル基量は0.02
3 mol%であった。
【0059】(A)−3(比較成分):次亜リン酸ナト
リウム一水塩を添加しなかった以外、(A)−1の製造
方法と同様にポリエステル共重合体〔このものを
「(A)−3」とする。密度1.19g/cm3 、JIS−
A硬度96〕を製造した。(A)−3に含有される分子
鎖末端のカルボキシル基量は0.043 mol%であっ
た。
【0060】(2)成分(B):弾性重合体 成分(B1):オレフィン系共重合体ゴム 表1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】成分(B2):スチレン−共役ジエンブロ
ック共重合体の水素添加物 表2に示した。
【0063】
【表2】
【0064】成分(B3):アクリル系重合体ゴム 表3に示した。
【0065】
【表3】
【0066】(3)成分(C): 成分(C1):炭化水素系ゴム用軟化剤 表4に示した。
【0067】
【表4】
【0068】成分(C2):プロピレン系樹脂 表5に示した。
【0069】
【表5】
【0070】表6〜8に示す配合組成の合計量100重
量部に対して、更に、フェノール系酸化防止剤(イルガ
ノックス1010)0.2重量部とチオエーテル系酸化
防止剤(白石カルシウム社製、商品名:シーノックス4
12S)0.2重量部を添加し、L/D:33、シリン
ダー径45mmの二軸押出機にて240℃設定で溶融混練
して熱可塑性組成物のペレットを得た。
【0071】上記ペレットをインラインスクリュータイ
プ射出成型機(東芝機械社製小型射出成形機:IS90
B)にて、射出圧力500kg/cm2、射出温度240℃、
金型温度40℃にて成形した120mm×120mm×3mm
シートを横方向打ち抜きにより得た。得られたシートを
次の方法で試験評価した。結果を表6〜8に示す。
【0072】 (1)JIS−A硬度 JIS K6301に準拠 (2)曲げ弾性率 JIS K7203に準拠 (3)圧縮永久歪 JIS K6301に準拠 変形回復性の目安として圧縮永久歪(70℃×22時
間)を測定した。 (4)耐油性 JIS K6301に準拠 射出成形したテストピースより切り出した約2gを、同
JISNo.3潤滑油の入ったガラス管内に80℃で7
2時間浸し、その前後での膨潤率(重量増加率%)を測
定した。 (5)耐加水分解性 射出成形したテストピースを120℃、1.2kg/cm2・G
加圧下で、プレッシャークッカー内に48時間放置した
後、JIS K6301による引張試験を行い、引張破
断点強度の保持率(%)を測定した。
【0073】実施例16 溶融混練時に表7に示す配合組成のうち、成分(B1)
と成分(C2)の合計量100重量部に対してフェノー
ル系酸化防止剤(イルガノックス1010)0.05重
量部を添加し、200℃の温度に設定してバンバリーミ
キサーにて混練した後、更に、パーオキシドとして2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン−3(商品名:カヤヘキサAD)0.3重量部及
び架橋助剤としてジビニルベンゼン0.2重量部を添加
し、L/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機に
て220℃の温度に設定して熱処理(架橋処理)を行
い、部分架橋TPE組成物ペレットを得た。このペレッ
トと表7の残りの成分である成分(A)とフェノール系
酸化防止剤(イルガノックス1010)0.2重量部と
チオエーテル系酸化防止剤(シーノックス412S)
0.2重量部を添加し、L/D=33、シリンダー径4
5mmの二軸押出機にて240℃の温度に設定して本発明
の熱可塑性組成物ペレットを得た。これを実施例1〜1
5と同様に評価した。結果を表7に示す。
【0074】
【表6】
【0075】
【表7】
【0076】
【表8】
【0077】
【発明の効果】本発明の熱可塑性組成物は、耐熱性、耐
油性、耐衝撃性及び射出成形性が優れ、かつ高温時の変
形回復性や耐加水分解性が優れ、安全性等の点でより厳
しい使用条件に耐える必要のある工業分野に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/08 C08L 23/16 C08L 33/08 C08L 53/02 C08L 67/00 - 67/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)及び(B)を下記の配
    合比で含有することを特徴とする熱可塑性組成物。 (A)分子鎖末端のカルボキシル基量が、重合反応に用いたジカルボン酸又は ジカルボン酸ジエステルの0.03 mol%以下であるポリエステル系共重合体 10〜98重量% (B)弾性重合体 90〜2重量%
  2. 【請求項2】 成分(B)が、下記成分(B1)〜(B
    3)の少なくとも1種以上からなる請求項1の熱可塑性
    組成物。 (B1)オレフィン系共重合体ゴム (B2)スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素
    添加物 (B3)アクリル系重合体ゴム
  3. 【請求項3】 成分(A)が、重縮合時に次亜リン酸ア
    ルカリ金属塩を添加する方法で得られたポリエステル系
    共重合体である請求項1又は2の熱可塑性組成物。
  4. 【請求項4】 成分(A)が、ポリエステル系熱可塑性
    エラストマーである請求項1の熱可塑性組成物。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系熱可塑性エラストマーが
    ポリエステルポリエーテルブロック共重合体である請求
    項4の熱可塑性組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項の熱可塑性
    組成物を成形してなる成形体。
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