JP3736089B2 - 複合成形体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合成形体に関するものである。詳しくは、熱硬化性樹脂層と特定の熱可塑性エラストマー層とが熱融着されてなる複合成形体に関するものである。
本発明の複合成形体は、自動車部品、半導体部品、建材部品、船舶部品、電気・電子部品等の各種工業部品として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱硬化性樹脂は、耐熱性、耐薬品性に富み、硬度が高く機械的性質や電気的性質に優れることから、工業材料や食器等に広く使用されている。
しかしながら、熱硬化性樹脂は一度硬化させると不溶不融であることから、もう一度成形加工することは出来ず、そのため、該硬化樹脂が流動性を失わない間に必要な成形加工処理を施す必要があった。
【0003】
このため、一度成形したフィルム、シート等の成形品同士を接着させたり、ガスや液体等の漏れ防止のための気密性や防水性の付与、成形体の衝撃緩和、或いは肌触りを改良するためにエラストマーと複合化する試みが従来からいろいろとなされている。例えば、接合部分に接着剤の役目をするもの、例えば、プライマー塗布や、両面テープ等を用いて接着し、複合化させる方法等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プライマー塗布や、両面テープ等を用いての接着では、成形品同士の接着は可能であるが、熱硬化性樹脂を用いた成形体の気密性、防水性、衝撃緩和性の付与や、肌触りの改良には至らなかった。また、プライマーの使用においては、有機溶媒による作業環境の問題があった。
本発明は、熱硬化樹脂層とエラストマー層とからなり、且つ両層の熱融着性がよく、表面の柔軟性、外観、成形性にも優れた複合成形体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のポリエステルポリエーテルブロック共重合体が、熱硬化性樹脂との熱融着性に優れることを見い出して本発明を完成させるに到ったものである。熱可塑性エラストマーが熱硬化性樹脂と熱融着することは全く予想だにしなかったことである。
【0006】
即ち、本発明の要旨は、熱硬化性樹脂層と熱可塑性エラストマー層とが熱融着されてなる複合成形体であって、該熱可塑性エラストマーがポリアルキレンエーテルグリコールを30〜95重量%含有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体を含有すること
を特徴とする複合成形体、にある。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】
[I]複合成形体の層構成
(1)熱硬化性樹脂層
熱硬化性樹脂層は成形体の剛性を保持するもので、成形体本体又は成形体の骨格を形成するものであり、目的の機械的強度を有する樹脂であればいかなるものであってもよい。
しかし、剛性、耐熱性及び接着性に優れた硬化樹脂が好ましく、JIS−K7203による曲げ弾性率が10,000kg/cm2 以上、好ましくは15,000kg/cm2 以上、特に好ましくは18,000kg/cm2 以上のものが望ましい。
【0008】
熱硬化性樹脂とは、硬化前には、液状或いは固体状の比較的低分子量物質であり、室温下、又は加熱によって流動性を示し、硬化剤や触媒或いは熱の作用によって化学反応を起こして硬化する樹脂である。
具体的には、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ケイ素樹脂、フラン樹脂、ポリ(p−ヒドロキシ安息香酸)、マレイン酸樹脂等があり、これらの樹脂に目的に応じてガラス繊維のような補強剤、その他の充填剤を加えたものでもよい。
以下に、好ましい熱硬化性樹脂である、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂について説明する。特に好ましくは、フェノール樹脂を挙げることができる。
【0009】
1−1 ポリイミド樹脂
本発明において用いられるポリイミド樹脂とは、繰り返し単位中にイミド結合を持つ樹脂であり、縮合タイプと付加反応タイプの二種類がある。縮合タイプとは、例えば、ピロメリット酸無水物とジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンとの付加−脱水縮合反応により作られたものであり、市販品としては、デュポン社の「カプトン」と「ベスペル」等が挙げられる。
【0010】
また、付加反応タイプとしては、付加反応によって高分子量化したポリイミドであり、ビスマレイミド系樹脂や分子末端にアセチレン基等を有する付加型ポリイミド等がある。
ビスマレイミド系樹脂とは、分子中にマレイミド基を二個有する化合物であるビスマレイミドの単独重合(ポリアミノビスマレイミド)、又はジアミン類やジシアネート類との付加反応によって形成される。ビスマレイミドとジアミン類との付加反応したものとしては、例えば、ビスマレイミドとアミノ安息香酸ヒドラジドとの付加反応により得られるコンプイミドを挙げることができる。市販品としては、ローヌプーラン社の「キネル」と「ケルイミド」等が挙げられる。
また、ビスマレイミドとジシアネート類との付加反応したものとしては、ビスマレイミドトリアジン樹脂を挙げることができる。
【0011】
1−2 不飽和ポリエステル樹脂
不飽和ポリエステル樹脂とは、無水マレイン酸やフマル酸のような不飽和二塩基酸及び無水マレイン酸のような飽和二塩基酸とエチレングリコールやプロピレングリコールのようなグリコール類とを重縮合させて不飽和アルキドを生成し、これをスチレンのような重合性ビニルモノマーに溶解し、液状樹脂とし、この樹脂に目的に応じてガラス繊維のような補強剤、その他の充填剤を加え、また触媒を加えて高温成形するか、触媒及び促進剤を加え常温にて成形したものである。
【0012】
使用するこれらの樹脂は、必要に応じて、ゴム成分、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維等のフィラー、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、潤滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤等を配合することもできる。
【0013】
1−3 フェノール樹脂
本発明において用いられるフェノール樹脂とは、フェノール等のフェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類との反応によって得られる樹脂であり、湿式法(一段法)又は乾式法(二段法)によって製造される。湿式法(一段法)とは、フェノール類とアルデヒド類に塩基性触媒を加え、付加反応によりレゾールを製造し、これを加熱、加圧する、又は酸触媒を添加して硬化させる方法である。乾式法(二段法)とは、フェノール類とアルデヒド類に酸触媒を加え、付加反応及び縮合反応を繰り返しノボラックという熱可塑性の樹脂を製造し、ヘキサメチレンテトラミン等の硬化剤を添加して硬化させる方法である。
【0014】
(2)熱可塑性エラストマー層
本発明の複合成形体の熱可塑性エラストマー層に用いられる熱可塑性エラストマーの物性は、JIS−K6301によるJIS−A硬度が90以下、好ましくは5〜80、特に好ましくは10〜75のものであり、JIS−K6301による圧縮永久歪(70℃、22時間)が90%以下、好ましくは0〜80%、特に好ましくは10〜70%のものが好適である。
かかる熱可塑性エラストマーは、
成分A:ポリアルキレンエーテルグリコールの含有量が生成するブロック共重合体に対し、30〜95重量%であるポリエステルポリエーテルブロック共重合体 5〜95重量%
成分B:弾性重合体 95〜5重量%
からなるものである。
【0015】
(A)ポリエステルポリエーテルブロック共重合体
本発明のポリエステルポリエーテルブロック共重合体は、JIS−K7203による曲げ弾性率が600MPa以下、好ましくは0〜300MPa、特に好ましくは10〜200MPa、DSCによる融解終了温度が150〜250℃、好ましくは160〜240℃、特に好ましくは170〜230℃、更に特に好ましくは180〜220℃のものが好ましく、ハードセグメントとして芳香族ポリエステル、ソフトセグメントとしてポリアルキレンエーテルグリコールを用い、ポリアルキレンエーテルグリコール成分の含有量が、生成するブロック共重合体に対し、30〜95重量%であることが望ましく、より好ましくは40〜85重量%、更に好ましくは、50〜85重量%、特に好ましくは、50〜75重量%である。含有量が95重量%より多くなると、縮重合によりポリマーを得るのは難しい。
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体は、▲1▼炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールと、▲2▼芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステル、及び▲3▼重量平均分子量が400〜6,000のポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応、又は、エステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものである。
【0016】
本発明で用いる炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールとしては、ポリエステルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として公知のものを用いることができ、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、好ましくは、1,4−ブタンジオール、エチレングリコール、特に好ましくは1,4−ブタンジオールを主成分とするものであり、一種又は二種以上を使用することができる。
【0017】
芳香族ジカルボン酸としては、ポリエステルの原料、特にポリエステルエラストマーの原料として公知のものが使用でき、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等を挙げることができ、好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、特に好ましくは、テレフタル酸を主成分とするものであり、これらの二種以上を併用してもよい。また、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、2,6−ジメチルナフタレート等のジメチルエステルが挙げられ、好ましくはジメチルテレフタレート、2,6−ジメチルナフタレートであり、特に好ましくは、ジメチルテレフタレートであり、これらは二種以上を併用することができる。また、上記以外に三官能のジオール、その他のジオールや他のジカルボン酸及びそのエステルを少量共重合してもよく、更に、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸若しくは脂環式ジカルボン酸、又は、そのアルキルエステル等も共重合成分として使用してもよい。
【0018】
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、重量平均分子量が400〜6,000のものが使用されるが、好ましくは500〜4,000、特に好ましくは600〜3,000のものである。分子量が400未満では、共重合体のブロック性が不足し、重量平均分子量が6,000を超えるものは、系内での相分離によりポリマーの物性が低下する。ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2及び1,3プロピレンエーテル)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック又はランダム共重合体等が挙げられる。特に好ましくはポリテトラメチレンエーテルグリコールである。
【0019】
本発明におけるポリエステルポリエーテルブロック共重合体の製造方法は、エステル化、エステル交換、重縮合反応は、常法に従って行うことができる。これらの反応における触媒としては、それぞれ、スズ、チタン、亜鉛、マンガン等のアルコラート、塩化物、酸化物等公知の触媒のうち一種、又は、二種以上を使用することができ、有機チタン系触媒、特に、テトラブチルチタネートが望ましい。また、助剤として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、又は、それらの金属塩等を加えてもよい。特に、次亜リン酸アルカリ金属塩を添加することは、末端カルボキシル基の含有率が減少し耐加水分解性が良くなることから好ましい。
【0020】
次亜リン酸アルカリ金属塩としては、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸リチウム等が挙げられ、特に次亜リン酸ナトリウムが望ましい。
この次亜リン酸アルカリ金属塩の添加量は、生成するポリマーに対し、1〜1,000ppm、好ましくは3〜200ppm、より好ましくは5〜80ppmである。1ppm未満では、添加の効果が十分に得られず、また、1,000ppmより多く添加しても、効果が変わらずかえって重縮合反応を阻害するので好ましくない。
【0021】
添加方法としては、次亜リン酸アルカリ金属塩を溶液状、スラリー状、固体状等の状態で溶融ポリマーに添加してもよく、添加時期としては、好ましくは少なくとも重縮合反応終了前、即ち、エステル化反応前又はエステル交換反応前から重縮合反応終了の前までの間で、どの時期に添加してもよい。特に、減圧重縮合開始直前に、スラリー状で添加することが重合性の低下が少なく好ましい。
【0022】
また、反応工程において、他の添加剤が存在していてもよい。例えばヒンダードフェノール系酸化安定剤、ヒンダードアミン系酸化安定剤、リン系酸化安定剤、硫黄系酸化安定剤、トリアゾール系耐光安定剤等のほか、公知の他の添加剤が使用される。特に、本発明では、ヒンダードフェノール系酸化安定剤をポリマーに対し、0.01〜1重量%添加するのが効果上、一層好ましい。エステル化、又は、エステル交換反応は通常120〜250℃、好ましくは150〜230℃で行われ、溶融重縮合反応は、通常10Torr以下の減圧下、200〜280℃で2〜6時間行われる。
通常、溶融重合して得られたポリマーは、融点以上の温度で保持され、順次反応缶から吐出、ペレット化が行われる。なお、ここで得られたペレットは、必要に応じて、更に固相重合してもよい。
【0023】
(B)弾性重合体
本発明で使用する(B)弾性重合体は、成分(A)に含まれる弾性重合体は除くものとし、弾性重合体の例としては、スチレン系エラストマー〔以下「成分(B1)」とする〕;オレフィン系エラストマー〔以下「成分(B2)」とする〕;アクリル系重合体ゴム;天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等のジエン系ゴム;ブチルゴム;ニトリルゴム;クロロプレンゴム;シリコーンゴム;フッ素ゴム;ウレタンゴム、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー;軟質塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン等の塩素系軟質樹脂;ポリエーテルブロックアミド等のアミド系エラストマー等を挙げることができる。これらの弾性重合体(B)は、単一成分ばかりでなく、複数成分の併用であっても良い。
また、成分(B)の中でも、成分(B1)及び成分(B2)は特に好ましいものであり、それらについて以下に述べる。
【0024】
(B1)スチレン系エラストマー
スチレン系エラストマー(B1)は、スチレン系共重合体ゴム(b−1)を主成分とするエラストマーであり、スチレン系共重合体ゴムとしては、スチレン−共役ジエンブロック共重合体、又はその水素添加物が挙げられ、好ましくは、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物であり、その水素添加物は好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上のブロック共重合体を用いることが重要である。
上記ブロック共重合体は、その共役ジエンブロックがブタジエン単独、イソプレン単独、又はイソプレンとブタジエンの混合物からなる重合体ブロックであり、具体的には、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下単に「水添S−B−S」と略記することがある)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下単に「水添S−I−S」と略記することがある)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下単に「水添S−BI−S」と略記することがある)、又は、スチレン−ビニル・イソプレン−スチレンブロック共重合体の水素添加物(以下単に「ビニル化水添S−I−S」と略記することがある)を挙げることができる。
これらスチレン系共重合体ゴム(b1)は、重量平均分子量が50,000〜500,000、好ましくは60,000〜400,000、特に好ましくは70,000〜300,000、スチレン含有量が5〜50重量%、好ましくは8〜45重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。
【0025】
ここで「重量平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。較正曲線は単分散ポリスチレンを用い決定した。
(条件)機器 :150C ALC/GPC(MILLIPORE社製)
カラム:ポリスチレンミックスゲルカラム(AD80M/S(昭和電工社製)3本)
溶媒 :o−ジクロロベンゼン
温度 :140℃
流速 :1ml/分
注入量:200μl
濃度 :2mg/ml(酸化防止剤2,6−ジ−t−ブチル−p−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出はFOXBORO社製赤外分光光度計MIRAN 1Aにより波長3.42μmで測定)
スチレン系共重合体ゴム(b1)の重量平均分子量が500,000を超えるものは成形性に劣り、50,000未満のものはゴム弾性、機械的強度に劣るものである。
【0026】
これらスチレン系共重合体ゴム(b1)の製造方法としては、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中でスチレン−共役ジエンブロック共重合体を合成したものであり、それらの水素添加物の製造方法としては、次いで、例えば、特公昭42−8704号、同43−6636号、特開昭59−133203号及び同60−79005号の各公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加する方法等を挙げることができる。
また、水添S−I−Sは、例えば特開平2−102212号公報に記載された方法により、水添S−BI−Sは、例えば特開平3−188114号公報に記載された方法によりそれぞれ合成することができる。
【0027】
スチレン系共重合体ゴム(b1)の具体例として、市販品としては、シェルジャパン社製「クレイトンG」、クラレ社製「セプトン」、「ハイブラー」、旭化成工業社製「タフテック」、日本合成ゴム社製「ダイナロン」等が挙げられる。
本発明でいう、スチレン系エラストマー(B1)とは、上記スチレン系共重合体ゴム(b1)を主成分とし、更に、必要に応じてプロピレン系樹脂、炭化水素系ゴム用軟化剤、無機フィラー等を配合したものである。市販品としては、三菱化学社製「ラバロン」、シェルジャパン社製「クレイトンGコンパウンド」、住友化学社製「住友TPE(SBシリーズ)」、アロン化成社「エラストマーAR」、旭化成工業社製「タフテックコンパウンド(Eシリーズ・Hシリーズ)」、日本合成ゴム社製「ダイナロンアロイ(Hシリーズ)」等が挙げられる。これらのスチレン系熱可塑性エラストマーも、スチレン−共役ジエンブロック共重合体の水素添加物(B1)の好ましい例として挙げられる。
【0028】
(B2)オレフィン系エラストマー
オレフィン系エラストマー(B2)は、オレフィン系共重合体ゴム(b2)を主成分とするエラストマーであり、オレフィン系共重合体ゴム(b2)としては、エチレンと炭素数が3以上のアルケンとの共重合体、好ましくはエチレンと炭素数が3〜10のアルケンとの共重合体、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBM)、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体並びにそれらに第三成分として非共役ジエン、例えば、5−エチリデンノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ブテン等を用いたエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)やエチレン−プロピレン−ブテン共重合体ゴム等を挙げることができる。
【0029】
オレフィン系共重合体ゴムの100℃におけるムーニー粘度(ML1+4 (100℃))は10〜400が好ましく、より好ましくは15〜350である。ムーニー粘度が400を越えるものは成形外観が良好でなく、10未満のものはゴム弾性が劣る。
これらオレフィン系共重合体ゴム(b2)の製造法や形態は、特に限定されるものではない。また、オレフィン系共重合体ゴムを有機パーオキシドの存在下に加熱処理し、主としてラジカルによって架橋したものでもよい。
オレフィン系共重合体ゴム(b2)の具体例として、市販品としては、日本合成ゴム社製「JSR EP」や「JSR EBM」、三井石油化学工業社製「MITSUI EPT」や「タフマー」、住友化学社製「ESPRENE」、ダウ・ケミカル日本社製「ENGAGE」等が挙げられる。
【0030】
本発明でいう、オレフィン系エラストマー(B2)とは、上記オレフィン系共重合体ゴム(b2)を主成分とし、更に、必要に応じて、プロピレン系樹脂、炭化水素系ゴム用軟化剤、無機フィラー、フェノール樹脂等を配合したものである。通常、それらは、例えば、有機パーオキサイドの存在下に加熱処理し、主としてラジカルによって完全又は部分架橋されたものである。架橋方法や架橋条件は、特に限定されないが、例えば、バンバリー架橋、押出架橋、動的架橋等により架橋させることができる。
【0031】
また、本発明の組成物を得るにあたって、成分(A)の存在下に架橋を行い、オレフィン系エラストマーを得ることも出来る。オレフィン系エラストマーの具体例としては、市販品として、三菱化学社製「サーモラン」、三井石油化学工業社製「ミラストマー」、住友化学社製「住友TPE」、AES社製「サントプレーン」等が挙げられる。これらのオレフィン系エラストマーも、オレフィン系共重合体ゴム(b2)の好ましい例として挙げられる。
【0032】
本発明の成分(B)としては、前記した成分以外に可塑剤、特に炭化水素系ゴム用軟化剤〔以下「成分(b3)」とする〕及び/又はプロピレン系重合体〔以下「成分(b4)」とする〕及び/又は無機フィラー〔以下「成分(b5)」とする〕を添加することができる。以下にこれらについて述べる。
【0033】
(b3)炭化水素系ゴム用軟化剤
本発明の成分(B)として添加することができる炭化水素系ゴム用軟化剤としては、重量平均分子量が300〜2,000、好ましくは500〜1,500のものを挙げることができる。
このような炭化水素系ゴム用軟化剤(b3)は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン環の三者を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素中の50重量%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン環単素数が30〜45重量%のものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が30重量%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれて区分されている。これらの中ではパラフィン系オイルを用いることが耐候性の点より好ましい。
【0034】
本発明で用いるパラフィン系オイルとしては、40℃の動粘度が好ましくは20〜800cSt(センチストークス)、より好ましくは50〜600cSt、流動点が好ましくは0〜−40℃、より好ましくは0〜−30℃、及び、引火点(COC)が200〜400℃、好ましくは250〜350℃のオイルが好適に使用される。
炭化水素系ゴム用軟化剤(b3)は、オレフィン系共重合体ゴム(b2)又はスチレン系共重合体(b1)100重量部に対して、好ましくは0〜200重量部、より好ましくは5〜170重量部、特に好ましくは10〜150重量部配合する。炭化水素系ゴム用軟化剤(c1)は、硬度調整及び成形時の溶融流動性を調節するために重要である。
【0035】
(b4)プロピレン系樹脂
本発明の成分(B)として添加することができるプロピレン系樹脂(b4)としては、メルトフローレート(以下「MFR」という、JIS K6758、230℃、2.16kg荷重)が好ましくは0.01〜100g/10分、より好ましくは0.05〜80g/10分、特に好ましくは0.1〜60g/10分で、α−オレフィン含量(プロピレンを除く、炭素数が2〜10のもの。具体的にはエチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等)が好ましくは0〜15重量%、より好ましくは0〜13重量%、特に好ましくは0〜10重量%の範囲内であるプロピレン系樹脂が用いられる。ここでいうα−オレフィン含量とは赤外スペクトル分析法等により測定される値である。
また、かかるプロピレン系樹脂(b4)のX線回折法による結晶化度は35%以上、好ましくは40〜80%である。
【0036】
プロピレン系樹脂(b4)としては、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とする共重合体樹脂で、具体的には、プロピレン・エチレンランダム共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体等を挙げることができる。
MFRが上記範囲未満では、組成物の射出成形性が悪化し、得られる射出成形体の外観が良好でなく、特にフローマークの発生が著しくなる傾向がある。また、MFRが上記範囲を越える場合は組成物の材料強度が低下する傾向にある。
プロピレン系樹脂(b4)は、オレフィン系共重合体ゴム(b2)又はスチレン系共重合体(b1)100重量部に対して、好ましくは0〜200重量部、より好ましくは5〜170重量部、特に好ましくは10〜150重量部配合する。プロピレン系樹脂(b4)は、硬度調整、射出成形時のデラミ(層剥離)改良のために重要である。
【0037】
(b5)無機フィラー
本発明の成分(B)として添加することができる無機フィラーとしては、タルク、マイカ、ガラス繊維、ウィスカー、炭素繊維、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラック、ガラスバルーン等を挙げることができる。
この中でも、炭酸カルシウムを用いることが柔軟性とのバランスの点で好適である。
好ましい炭酸カルシウムとしては、比表面積が40,000cm2 /g以下、好ましくは20,000cm2 /g以下、平均粒径が0.5〜3.0μm、好ましくは1.0〜2.5μmのものである。
ここで、平均粒径の測定は、レーザー光散乱方式粒度分布計を用いて測定した値であり、そのような測定装置としては、例えば堀場製作所製LA−500型は測定精度が優れているので望ましい。
この無機フィラー(b5)は、オレフィン系共重合体ゴム(b2)又はスチレン系共重合体(b1)100重量部に対して、0〜200重量部、好ましくは5〜170重量部、より好ましくは10〜150重量部の範囲で用いられる。無機フィラー(b5)は、表面のべたつき改良、比重の調整のために重要である。
【0038】
(C)付加的配合材
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記成分(A)及び(B)に加え、更に、各種目的に応じて任意の成分を配合することができる。
具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができる。これらの中でも特に酸化防止剤を添加することが重要であり、フェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の各種酸化防止剤の少なくとも一種を使用することができる。
更に、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、各種熱可塑性樹脂、各種エラストマー、各種可塑剤等の付加的配合材を配合することができる。
【0039】
各種熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン(分岐状エチレン重合体)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン(直鎖状エチレン重合体)、エチレン・不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、ノルボルネン−5,6−ジカルボン酸)又はその無水物との共重合体等のオレフィン系樹脂;スチレン単独重合体、アクリルニトリル−スチレン樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂等のスチレン系樹脂;ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチックス等が挙げられる。
【0040】
(D)配合比
本発明の複合成形体の熱可塑性エラストマーを構成する各成分の配合割合は、成分Aが成分Aと成分Bの合計量のうち5〜95重量%、好ましくは20〜90重量%、特に好ましくは30〜80重量%である。
上記成分Aの配合割合が上記範囲未満では得られる熱可塑性エラストマーの熱硬化性樹脂に対する熱融着性が劣り、上記範囲を越えるものは柔軟性が悪化する。
また、成分Bが成分Aと成分Bの合計量のうち95〜5重量%、好ましくは80〜10重量%、特に好ましくは70〜20重量%である。
上記成分Bの配合割合が上記範囲を越えるものは得られる熱可塑性エラストマーの熱硬化性樹脂に対する熱融着性が劣り、上記範囲未満のものは柔軟性が悪化する。
【0041】
[II]複合成形体の製造
この様な材料を用いた複合成形体の製造方法としては、Tダイラミネート成形法、押出成形法、インサート射出成形法、インジェクションプレス成形法、プレス成形法等の各種成形法を用いることができる。
上記成形法のうち、インサート射出成形法とは、芯材(予め賦形された熱硬化性樹脂の成形品)を金型内にインサートした後、該成形品と金型との間の空隙に表層材(熱可塑性エラストマー)を射出成形する成形方法である。
熱可塑性エラストマー層からなる表層材層の平均肉厚は1〜5mm程度が一般的であり、上記範囲を越えるものはヒケが発生し、成形品表面の平滑性に劣るものとなり、上記範囲未満のものはソフト感に劣り、且つ、芯材と表層材との付着性が悪くなる。
【0042】
また、表層材層の射出成形条件としては、一般に150〜300℃、好ましくは200〜290℃、特に好ましくは220〜285℃、更に特に好ましくは240〜280℃の成形温度、50〜1,000kg/cm2 、好ましくは100〜800kg/cm2 の射出圧力で成形される。成形温度が上記範囲未満においては、射出成形性、熱融着性において劣り、上記範囲を越える場合には、材料の熱劣化が起こりやすくなる。
また、表層材のみからなるランナー、スプール類等を表層材にリサイクルして使用することもできる。
【0043】
[III ]用途
この様にして得られた熱可塑性エラストマー層と樹脂層からなる複合成形体は、各種工業部品として使用することができる。
具体的には、自動車の内・外装部品、自動車機能部品、ハウジング部品や各種キートップ等の家電部品、半導体部品、建材部品、船舶部品、水中使用製品、各種カバー部品、密閉性、防水性、防音性、防振性等を目的とした各種パッキン付き工業部品、電気、電子部品、スポーツ用品、等に使用することができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0045】
[I]評価方法
これらの実施例及び比較例における各種評価は、以下に示す試験方法によって行った。
但し、(1)〜(2)の測定試料はインラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械(株)製小型射出成形機;IS90B)にて、射出圧力500kg/cm2 、射出温度220℃、金型温度40℃にて成形した120mm×80mm×2mmシートの横方向打ち抜きにより得た。
また、(3)の測定試料は、予め成形された芯材を金型内に挿入して、上記射出成形機を用いて熱可塑性エラストマー層を240℃にて成形した100mm×100mm×3mm(芯材層は厚さ1mm、表皮材層は厚さ2mm)の複合射出成形体にて評価した。
【0046】
(1)JIS−A硬度〔−〕 JIS−K−6301に準拠
(2)圧縮永久歪(Cs) JIS−K−6301に準拠
条件;70℃×22時間
(3)熱融着性(剥離強度)
上記複合射出成形体より打ち抜いた幅25mm,厚さ100mmの複合射出成形体の短冊状試験片を用い、表皮材層と芯材層を180℃方向に引張速度200mm/分で引張試験を用い、表皮材層/芯材層の融着界面の剥離強度を測定した。
【0047】
[II]原材料
(1)熱可塑性エラストマー層〔表層材〕
成分A:ポリエステルポリエーテルブロック共重合体
A−1:
ジメチルテレフタレート32重量部、1,4−ブタンジオール20重量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均重量分子量2000)70重量部に対し、触媒としてテトラブチルチタネートを金属チタン換算で、生成するポリマーに対して200ppm添加し、150〜230℃で3.5時間エステル交換反応を行い、次いで、次亜リン酸ナトリウム・一水塩を、生成するポリマーに対し、50ppm、ヒンダードフェノール系酸化安定剤〔チバ・ガイギー(株)製品、商品名:Irganox1010〕0.18重量部を加え、3Torr以下の減圧下、230〜245℃で溶融重縮合を行い、ポリエステルポリエーテルブロック共重合体(ポリエステルポリエーテルブロック共重合体:密度1.05g/cm3 、ショアーD硬度29、MFR(245℃、2.16kg荷重)45g/10分、DSCによる融解終了温度163℃)100重量部を製造した。
【0048】
A−2:
ジメチルテレフタレート40重量部、1,4−ブタンジオール25重量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均重量分子量1000)60重量部に対し、C−1と同様な方法でポリエステルポリエーテルブロック共重合体(ポリエステルポリエーテルブロック共重合体:密度1.12g/cm3 、ショアーD硬度38、MFR(245℃、2.16kg荷重)37g/10分、DSCによる融解終了温度189℃)100重量部を製造した。
【0049】
A−3:
ジメチルテレフタレート76重量部、1,4−ブタンジオール42重量部、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(平均重量分子量1000)15重量部に対し、C−1と同様な方法でポリエステルポリエーテルブロック共重合体(ポリエステルポリエーテルブロック共重合体:密度1.23g/cm3 、シヨアーD硬度57、MFR(245℃、2.16kg荷重)34g/10分、DSCによる融解終了温度222℃)100重量部を製造した。
【0050】
Figure 0003736089
【0051】
(2)熱硬化性樹脂層〔芯材〕
ポリイミド樹脂:
デュポン社製フィルム「カプトン」(厚さ0.06mm)を厚さ1mmのシールに貼り付けて作成した、表面がポリイミド樹脂で覆われたシートを用いた。
フェノール樹脂:
利昌工業社製「PS1160−G」のシートを用いた。
不飽和ポリエステル樹脂:
旭ガラスマテックス社製のシートを用いた。
【0052】
[III ]実験例及び比較例
実施例1〜15及び比較例1〜4、6
表5〜7に示す配合組成(重量部)にて配合し、この配合組成の合計量100重量部に対して、更に、フェノール系酸化防止剤(チバガイキー社製商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部とチオエーテル系酸化防止剤(白石カルシウム社製商品名「シーノックス412S」)0.1重量部を添加し、圧縮比L/D=30、シリンダー径44mmの二軸押出機にて180℃設定(比較例1〜2は220℃設定)で溶融混練してTPE組成物ペレットを得た。このペレットを上記の通り射出成形してシートとし、上記の評価に供した。これらの評価結果は表5〜7に示す。
【0053】
実施例16及び比較例5
また、実施例16及び比較例3は、溶融混練時に表6〜7に示す配合組成のうち成分(B)の合計量100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(チバガイキー社製商品名「イルガノックス1010」)0.05重量部添加し、200℃の温度に設定してバンバリーにて混練した後、更に、パーオキサイドとして2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3(商品名「カヤヘキサAD」)を0.3重量部、架橋助剤としてジビニルベンゼンを0.2重量部を添加し、L/D=30、シリンダー径44mmの二軸押出機にて220℃の温度に設定して熱処理(架橋処理)を行ない、部分架橋TPE組成物ペレットを得た。このペレットと表5の残りの成分である成分(A)とフェノール系酸化防止剤(チバガイキー社製商品名「イルガノックス1010」)0.1重量部とチオエーテル系酸化防止剤(白石カルシウム社製商品名「シーノックス412S」)0.1重量部を添加し、L/D=30、シリンダー径44mmの二軸押出機にて180℃(比較例3は220℃)の温度に設定して本発明の熱可塑性組成物トマーペレットを得た。これを上記の通り射出成形してシートとし、上記の評価を行なった。その結果を表6〜7に示す。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、熱硬化性樹脂層とエラストマー層とからなり、且つ両層の熱融着性がよく、表面の柔軟性、外観、成形性にも優れた複合成形体を得ることができる。
【0055】
【表1】
Figure 0003736089
【0056】
【表2】
Figure 0003736089
【0057】
【表3】
Figure 0003736089
【0058】
【表4】
Figure 0003736089
【0059】
【表5】
Figure 0003736089
【0060】
【表6】
Figure 0003736089
【0061】
【表7】
Figure 0003736089

Claims (6)

  1. 熱硬化性樹脂層と熱可塑性エラストマー層とが熱融着されてなる複合成形体であって、該熱可塑性エラストマーがポリアルキレンエーテルグリコールを30〜95重量%含有するポリエステルポリエーテルブロック共重合体を含有することを特徴とする複合成形体。
  2. 熱硬化性樹脂層と熱可塑性エラストマー層とが熱融着されてなる複合成形体であって、該熱可塑性エラストマーが下記の成分Aと成分Bを下記の比率で含有することを特徴とする複合成形体。
    成分A:ポリアルキレンエーテルグリコールを30〜95重量%含有するポリエステ ルポリエーテルブロック共重合体 5〜95重量%
    成分B:弾性重合体 95〜5重量%
  3. 弾性重合体がオレフィン系エラストマーであることを特徴とする請求項2に記載の複合成形体。
  4. ポリエステルポリエーテルブロック共重合体がポリアルキレンエーテルグリコールを50〜75重量%含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の複合成形体。
  5. 熱硬化性樹脂層が、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂及びフェノール樹脂から選ばれた少なくとも一種の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の複合成形体。
  6. 熱硬化性樹脂層がフェノール樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の複合成形体。
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