JP2005239917A - 水廻り用部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱水中でのクリープ寿命に優れ、長期使用時の信頼性を有する水廻り用部品を提供する
【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100 重量部に対して、(B) 特定の脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂0.1〜10重量部及び(C) 無機充填剤20〜250重量部を配合した樹脂組成物を成形し、水廻り用部品とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100 重量部に対して、(B) 特定の脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂0.1〜10重量部及び(C) 無機充填剤20〜250重量部を配合した樹脂組成物を成形し、水廻り用部品とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、特定のポリアリーレンサルファイド樹脂組成物からなる水廻り用部品に関し、詳しくは熱水中でのクリープ寿命が改良された水廻り用部品に関する。
ポリフェニレンサルファイド(以下PPSと略す)樹脂に代表されるポリアリーレンサルファイド(以下PASと略す)樹脂は、高い耐熱性、機械的物性、耐化学薬品性、寸法安定性、優れた耐クリープ特性を有していることから、電気・電子機器部品材料、化学機器部品材料等に広く使用されている。また、近年、PAS樹脂の優れた耐化学薬品性、寸法安定性、耐クリープ特性から水廻り分野においても広く使用されている。
しかしながら、機械的物性、寸法安定性等を更に向上させるために、PAS樹脂を充填剤で強化した材料を水廻り用途などの水中で使用される部品に使用した場合、クリープ寿命が著しく短くなり、長期使用時の信頼性に欠けるという欠点がある。そのため、成形品の肉厚を増やすなどの対策を行う必要があり、成形品の形状等がかなり制限されたものとなっているのが現状である。
この問題を解決するための従来の方法としては、特許文献1のようにフッ素系樹脂粉末を配合することが知られているが、効果が十分でなく、熱水中でのクリープ寿命の改善は困難であった。また、特許文献2では、エラストマーとポリシロキサン化合物を併用配合することが提案されているが、この手法によっても満足できる効果は得られていない。
特開平9−286916号公報
特開2001−115020号公報
本発明は、機械的物性を維持しつつ、熱水中でのクリープ寿命に優れたPAS樹脂製水廻り用途成形品の提供を目的とする。
本発明者らは上記目的を達成すべく、熱水中でのクリープ寿命に優れた水廻り用途成形品を得るべく鋭意検討した結果、PAS樹脂を主体とし、これに特定の脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂及び無機充填剤の夫々特定量を配合した樹脂組成物は、機械的物性を大きく低下させることなしに熱水中でのクリープ寿命を向上させることが可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対して、
(B) 数平均分子量が1000〜9000である脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂0.1〜10重量部、
(C) 無機充填剤20〜250 重量部
を配合した樹脂組成物、
更に上記樹脂組成物に、(D) α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを主成分とするオレフィン系共重合体を0.5〜25重量部(対(A) 100重量部)配合した樹脂組成物
を成形してなる水廻り用部品に関する。
(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対して、
(B) 数平均分子量が1000〜9000である脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂0.1〜10重量部、
(C) 無機充填剤20〜250 重量部
を配合した樹脂組成物、
更に上記樹脂組成物に、(D) α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを主成分とするオレフィン系共重合体を0.5〜25重量部(対(A) 100重量部)配合した樹脂組成物
を成形してなる水廻り用部品に関する。
以下本発明の構成成分について詳細に説明する。本発明に用いる(A) 成分としてのPAS樹脂は、繰返し単位として-(Ar-S)-(但しArはアリーレン基)で主として構成されたものである。アリーレン基としては、例えば、p−フェニレン基、m−フェニレン基、o−フェニレン基、置換フェニレン基、p,p’−ジフェニレンスルフォン基、p,p’−ビフェニレン基、p,p’−ジフェニレンエーテル基、p,p’−ジフェニレンカルボニル基、ナフタレン基などが使用できる。この場合、前記のアリーレン基から構成されるアリーレンサルファイド基の中で、同一の繰返し単位を用いたポリマー、すなわちホモポリマーの他に、組成物の加工性という点から、異種繰返し単位を含んだコポリマーが好ましい場合もある。
ホモポリマーとしては、アリーレン基としてp−フェニレン基を用いた、p−フェニレンサルファイド基を繰返し単位とするものが特に好ましく用いられる。また、コポリマーとしては、前記のアリーレン基からなるアリーレンサルファイド基の中で、相異なる2種以上の組み合わせが使用できるが、中でもp−フェニレンサルファイド基とm−フェニレンサルファイド基を含む組み合わせが特に好ましく用いられる。この中で、p−フェニレンサルファイド基を70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むものが、耐熱性、成形性、機械的特性等の物性上の点から適当である。
また、これらのPAS樹脂の中で、2官能性ハロゲン芳香族化合物を主体とするモノマーから縮重合によって得られる実質的に直鎖状構造の高分子量ポリマーが、特に好ましく使用できるが、直鎖状構造のPAS樹脂以外にも、縮重合させさせるときに、3個以上のハロゲン置換基を有するポリハロ芳香族化合物等のモノマーを少量用いて、部分的に分岐構造又は架橋構造を形成させたポリマーも使用できるし、低分子量の直鎖状構造ポリマーを酸素又酸化剤存在下、高温で加熱して酸化架橋又は熱架橋により溶融粘度を上昇させ、成形加工性を改良したポリマーも使用可能である。また、(A) 成分のPAS樹脂は、前記直鎖状PAS(310℃・ズリ速度1200sec-1における粘度が10〜 300Pa・s) を主体とし、その一部(1〜30重量%、好ましくは2〜25重量%)が、比較的高粘度(300〜3000Pa・s、好ましくは500 〜2000Pa・s)の分岐又は架橋PAS樹脂との混合系も好適である。
また、本発明に用いるPAS樹脂は、重合後、酸洗浄、熱水洗浄、有機溶剤洗浄(或いはこれらの組み合わせ)を行って副生不純物等を除去精製したものが好ましい。
次に、本発明で用いられる(B) 成分の脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂について説明する。脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂とは、脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂そのもの又はポリカルボジイミド前駆体、又はこれらの混合物を意味する。
脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂とは、2以上のカルボジイミド基(−N=C=N−)が、2価以上、好ましくは2価の脂肪族炭化水素基を介して結合した化合物である。その中でも、式−N=C=N−R−(式中、Rは2価の脂肪族炭化水素基を示す。)で表される繰り返し単位を有するものが好ましい。
2価以上の脂肪族炭化水素基又は飽和環状炭化水素基としては、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、メチルブチルエチルメチレン基等が挙げられる。
ポリカルボジイミドの合成に用いられる有機ポリイソシアネートとしては、有機ジイソシアネートが好ましい。このような有機ジイソシアネートとしては、例えばフェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネートなどが挙げられる。本発明では、これら化合物を2種類、或いは3種類以上併用することもできる。
本発明に用いる脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(B) を、その数平均分子量で表した場合、1000〜9000であることが必要であり、好ましくは3000〜6000である。数平均分子量が1000未満のものではPAS樹脂の加工温度に耐えられず、熱水中でのクリープ特性向上効果等が小さく、9000を超えるものはPAS樹脂との反応性が乏しく、同様に効果が小さい。また、ポリカルボジイミド系樹脂であっても、脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂でないもの、例えば芳香族ポリカルボジイミド系樹脂では、本発明所期の効果を得ることはできない。
また、(B) 成分の脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂の配合量は、(A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対し、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。0.1重量部未満では、クリープ特性向上効果が十分ではない。また、10重量部を超えると、押出時あるいは成形時のガス発生量が多くなり好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、機械的強度、耐熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性能の改良のため無機充填剤(C) を配合するのであるが、これには目的に応じて繊維状、粉粒状、板状の充填剤が用いられる。
繊維状充填剤としては、ガラス繊維、アスベスト繊維、カーボン繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化珪素繊維、硼素繊維、チタン酸カリウム繊維、さらにステンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等金属の繊維状物などの無機質繊維状物質が挙げられる。特に代表的な繊維状充填剤はガラス繊維、又はカーボン繊維である。なおポリアミド、フッ素樹脂、アクリル樹脂などの高融点有機質繊維物質も使用することができる。
一方、粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイトのごとき珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナのごとき金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムのごとき金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムのごとき金属の硫酸塩、その他炭化珪素、窒化珪素、窒化硼素、各種金属粉末が挙げられる。
また、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔が挙げられる。
これらの無機充填剤は1種又は2種以上併用することができる。
これらの充填剤の使用にあたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することが望ましい。この例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物である。これらの化合物はあらかじめ表面処理又は収束処理を施して用いるか、又は材料調製の際同時に添加してもよい。
無機充填剤の使用量は(A) 成分のポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部あたり20〜250重量部、好ましくは20〜200重量部である。20重量部より過小の場合は機械的強度がやや劣り、過大の場合は成形作業が困難になるほか、成形品の機械的強度が低下し、好ましくない。
次に本発明では、(D) 成分としてα−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを主成分とするオレフィン系共重合体を配合するのが好ましい。
該共重合体を構成する一方の成分であるα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレンなどが挙げられるが、好ましくはエチレンが挙げられる。また、オレフィン系共重合体の他の成分であるα,β−不飽和酸のグリシジルエステルとは、一般式(2)
(ここで、R1は水素原子又は低級アルキル基を示す)
で示される化合物であり、アクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエステル等が挙げられるが、好ましくはメタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。α−オレフィン(例えばエチレン)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステルは、通常よく知られたラジカル重合反応により共重合させることによって得ることができる。オレフィン系共重合体は、α−オレフィン100 重量部に対して、不飽和酸のグリシジルエステルを1〜40重量部用いて共重合することが好適である。
で示される化合物であり、アクリル酸グリシジルエステル、メタクリル酸グリシジルエステル、エタクリル酸グリシジルエステル等が挙げられるが、好ましくはメタクリル酸グリシジルエステルが挙げられる。α−オレフィン(例えばエチレン)とα,β−不飽和酸のグリシジルエステルは、通常よく知られたラジカル重合反応により共重合させることによって得ることができる。オレフィン系共重合体は、α−オレフィン100 重量部に対して、不飽和酸のグリシジルエステルを1〜40重量部用いて共重合することが好適である。
さらに(D) オレフィン系共重合体は、耐衝撃性、耐熱性向上のために、下記一般式(1) で示される繰返し単位で構成された重合体又は共重合体の1種又は2種以上を分岐又は架橋構造的に化学結合させたグラフト共重合体であることが好ましい。
(但し、R は水素又は低級アルキル基、X は-COOCH3 、-COOC2H5、-COOC4H9、-COOCH2CH(C2H5)C4H9、-C6H5 、-CN から選ばれた1種又は2種以上の基を示す)
分岐又は架橋鎖としてグラフト重合させる重合体又は共重合体セグメントとしとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、スチレンから選ばれた1種又は2種以上の重合又は共重合体が挙げられる。好ましくはメタクリル酸重合体、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体等が挙げられ、特に好ましくはメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体である。
分岐又は架橋鎖としてグラフト重合させる重合体又は共重合体セグメントとしとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、スチレンから選ばれた1種又は2種以上の重合又は共重合体が挙げられる。好ましくはメタクリル酸重合体、アクリロニトリルとスチレンの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体等が挙げられ、特に好ましくはメタクリル酸メチルとアクリル酸ブチルの共重合体である。
これら重合体又は共重合体は、通常知られたラジカル重合によって調製される。また、これら重合体又は共重合体の分岐又は架橋反応も、ラジカル反応によって容易に調製できる。例えば、これら重合体又は共重合体に過酸化物等でフリーラジカルを生成させ、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルの共重合体を溶融混練することによって、所望のオレフィン系共重合体は調製できる。分岐又は架橋鎖は、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステル共重合体100重量部に対し、10〜100重量部を分岐又は架橋することが好適である。
(D) オレフィン系共重合体の配合量としては、(A) 成分のポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対し0.5〜25重量部、好ましくは0.5〜15重量部である。
本発明では、(B) 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂が添加された組成物を使用するとこによって、熱水中でのクリープ寿命に優れた水廻り用部品が得られる。また、特に高い圧力やウォーターハンマー等の衝撃のかかる部位での成形品においては、(D) 特定のオレフィン系共重合体を併用することで、更にクリープ特性に優れた成形品を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、バリ等を改良する目的としてシラン化合物を配合することができる。シラン化合物としては、ビニルシラン、メタクリロキシシラン、エポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン等の各種タイプが含まれ、例えば、ビニルトリクロルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが例示されるが、これらに限定されるものではない。 また、本発明の樹脂組成物には、その目的に応じ前記成分の他に、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量併用することも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂としては、高温において安定な熱可塑性樹脂であれば、いずれのものでもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ジカルボン酸とジオール或いはオキシカルボン酸などからなる芳香族ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ABS、ポリフェニレンオキサイド、ポリアルキアルキルアクリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリアリレート、液晶ポリマー、環状オレフィン系樹脂などを挙げることができる。また、これらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用することもできる。
更に、本発明に使用する成形品組成物として、一般に熱可塑性樹脂に添加される公知の物質、すなわち難燃剤、染・顔料等の着色剤、潤滑剤及び結晶化促進剤、結晶核剤等も要求性能に応じ適宜添加することができる。
本発明で用いる水廻り用部品の樹脂組成物の調製は、一般に合成樹脂組成物の調製に用いられる設備と方法により調製することができる。一般的には必要な成分を混合し、1軸又は2軸の押出機を使用して溶融混練し、押出して成形用ペレットとすることができる。この溶融混練時の樹脂温度は、オレフィン系共重合体の熱劣化を防止するために360 ℃以下が好ましい。また、樹脂成分を溶融押出し、その途中で無機充填剤(繊維状充填剤)を添加配合するのも好ましい方法の一つである。
水廻り用部品は成形用金型に上記の配合樹脂組成物を充填して得られる。樹脂を金型に充填するための成形法としては、射出成形法、押出圧縮成形法などがあるが、射出成形法が一般的である。
次に、実施例、比較例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例に用いた各(A) 、(B) 、(C) 、(D) 成分の具体的物質は以下の通りである。
(A) ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂
呉羽化学工業(株)製W203A
(B) ポリカルボジイミド系樹脂
B−1 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(日清紡製カルボジライトHMV−8CA、数平均分子量約3000)
B−2 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(日清紡製カルボジライトLA−1、数平均分子量約6000)
B’−1 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(バイエル製スタバックロールI、数平均分子量約360)
B’−2 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(バイエル製スタバックロールP−100、数平均分子量約10000)
(C) 無機充填剤
ガラス繊維(日本電気ガラス製03T−747)
また、実施例及び比較例で評価した評価方法は以下の通りである。
(初期引張強度)
樹脂ペレットから、樹脂温320 ℃、金型温度150 ℃で、ISO 527に準じて引張試験片を成形し、引張強度を測定した。
(PCT試験後の引張強度)
上記引張試験片を水蒸気中(121℃、2atm)にて200hrs処理後、引張強度を測定した。
(熱水中でのクリープ寿命)
上記引張試験片を、80℃の熱水中で、300kg の引張荷重を加え、成形品が破断するまでの時間を評価した。
実施例1〜2及び比較例1〜3
表1に示す(A) 、(B)成分をヘンシェルミキサーで5分間混混合し、これをシリンダー温度320 ℃の二軸押出機に投入し、無機充填剤(C) は押出機のサイドフィード部より別添加し、二軸押出機で樹脂温度350 ℃にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作り、上記評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4
(B) 成分に代えてシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンオイル、東レ・ダウコーポレーション製SH200オイル、粘度5000cSt)を0.5重量部用いて同様に樹脂組成物のペレットを作り、上記評価を行った。結果を表1に示す。
(A) ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂
呉羽化学工業(株)製W203A
(B) ポリカルボジイミド系樹脂
B−1 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(日清紡製カルボジライトHMV−8CA、数平均分子量約3000)
B−2 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(日清紡製カルボジライトLA−1、数平均分子量約6000)
B’−1 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(バイエル製スタバックロールI、数平均分子量約360)
B’−2 脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂(バイエル製スタバックロールP−100、数平均分子量約10000)
(C) 無機充填剤
ガラス繊維(日本電気ガラス製03T−747)
また、実施例及び比較例で評価した評価方法は以下の通りである。
(初期引張強度)
樹脂ペレットから、樹脂温320 ℃、金型温度150 ℃で、ISO 527に準じて引張試験片を成形し、引張強度を測定した。
(PCT試験後の引張強度)
上記引張試験片を水蒸気中(121℃、2atm)にて200hrs処理後、引張強度を測定した。
(熱水中でのクリープ寿命)
上記引張試験片を、80℃の熱水中で、300kg の引張荷重を加え、成形品が破断するまでの時間を評価した。
実施例1〜2及び比較例1〜3
表1に示す(A) 、(B)成分をヘンシェルミキサーで5分間混混合し、これをシリンダー温度320 ℃の二軸押出機に投入し、無機充填剤(C) は押出機のサイドフィード部より別添加し、二軸押出機で樹脂温度350 ℃にて溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作り、上記評価を行った。結果を表1に示す。
比較例4
(B) 成分に代えてシリコーンオイル(ポリジメチルシロキサンオイル、東レ・ダウコーポレーション製SH200オイル、粘度5000cSt)を0.5重量部用いて同様に樹脂組成物のペレットを作り、上記評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (4)
- (A) ポリアリーレンサルファイド樹脂100重量部に対して、
(B) 数平均分子量が1000〜9000である脂肪族ポリカルボジイミド系樹脂0.1〜10重量部、
(C) 無機充填剤20〜250 重量部
を配合した樹脂組成物を成形してなる水廻り用部品。 - 請求項1の樹脂組成物に、更に(D) α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルを主成分とするオレフィン系共重合体を0.5〜25重量部(対(A) 100重量部)配合した樹脂組成物を成形してなる水廻り用部品。
- (C) 無機充填剤が、繊維状、粉粒状、板状の充填剤から選ばれた1種又は2種以上である請求項1〜3の何れか1項記載の水廻り用部品。
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