JP2938114B2 - 接着力の優れた熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents
接着力の優れた熱可塑性エラストマー組成物Info
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Description
ック共重合体と熱可塑性のポリウレタンエラストマーと
カルボン酸基もしくはその誘導体基を含有する化合物が
結合したポリオレフィン系重合体とを組合せた、接着剤
を使用しなくとも極性基を有する樹脂と強固に接着し、
かつ耐油性、ゴム的特性、流動性、成形加工性に優えた
熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
よって両方の材料の長所を付与したり、或いは同一の材
料で他種の材料をはさんで積層物にすることで一方の材
料の欠点を補うような積層物を製造する試みがある。特
に最近では、プラスチックの有する安物感、手触の悪さ
等を改良するため、プラスチックにゴムを積層する試み
がなされている。このゴムを積層したものは手触がソフ
トで感触が良く、高級感があること、および防音性、防
振性に優れていること等により自動車の内装品や家電部
品に好適なものといえる。このような積層物の材料とな
る熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、耐衝撃性ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、AB
S樹脂、等が用いられている。
ム、または複雑な形状の成形品等として用いられてい
る。
用いて接着する方法、接着剤を使用せずに共押出し法あ
るいは複層成形法で積層物にする方法等が一般に行なわ
れている。
によっては、十分なる接着効果が得られない場合があ
り、特に接着剤を使用しない共押出し法あるいは複層成
形法で積層物を得る場合には、相互に接着性のない材料
を用いることはできない。そのため、共押出し法で相互
に接着性のない材料の積層物を得る場合には、接着層と
して両方の材料に接着性のある材料を用いる方法が行な
われており、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、
アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体等が使用されている。しかしながら、これらの樹脂
も、共押出しする材料の種類によっては必ずしも十分な
接着効果が得られない場合があったり、接着強度の持続
性、耐水性等が劣る等の問題点があった。さらに、複雑
な形状の射出成形品の場合には接着層の使用は困難であ
り、接着性を有する限られた組合せの場合でしか複層成
形法は使用応できないのが現状である。
して特公昭62−13911号に酸変性した水添ブロック共重
合体に極性基を有する熱可塑性重合体を添加したものを
使用する技術が開示されている。該公報記載の積層物は
極性を有する技術、ガラス、金属等に優れた接着性を示
し有効な方法であるが、組成物の組合せによっては流動
性が劣る場合があり、複雑な形状の成形品が得られにく
いという問題を有する。
共重合体に熱可塑性ポリウレタンを配合した組成物が開
示されている。しかし該公報記載の組成物は機械的強
度、他樹脂との接着性等に優れた特性を示し有用な組成
物であるが、成形加工性が劣る場合があり、さらなる改
良が望まれている。
する熱可塑性ポリウレタンと非水添ブロック共重合体あ
るいは水添ブロック共重合体よりなる組成物が開示され
ている。しかし該公報記載の組成物は熱可塑性ポリウレ
タンと非水添あるいは水添ブロック共重合体の親和性が
劣るため、機械的強度は低く、また成形品に剥離が生じ
る問題があり、さらなる改良が望まれている。
形、押出成形等の成形加工性に優れ、かつ極性を有する
樹脂との接着性が高く、またゴム的特性にも優れた熱可
塑性エラストマー組成物を提供するものであり、特に複
層成形用途に好適な熱可塑性エラストマー組成物を提供
することを目的とするものである。
重合体ブロックAを少なくとも1個と、共役ジエン化合
物が主体の重合体ブロックBを少なくとも1個とを有す
るブロック共重合体を水素添加して得られる数平均分子
量が8万以上の水添ブロック共重合体100重量部と (b) カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分
子単位が結合したオレフィン系重合体10〜200重量部と (c) 熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜250
重量部と (d) オイル40〜200重量部 の(a)、(b)、(c)、(d)4成分を必須とする
極性基を有する樹脂との接着用熱可塑性エラストマー組
成物を提供するものである。
重合体の水添前のブロック共重合体としては、ビニル芳
香族化合物重合体ブロックを少なくとも1個、好ましく
は2個以上、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックを少なくとも1個含有するものである。ここで共役
ジエンを主体とする重合体ブロックは、ビニル芳香族化
合物と共役ジエン化合物との重量比が0/100〜50/50、好
ましくは0/100〜40/60の組成範囲からなる重合体ブロッ
クであり、このブロックにおけるビニル芳香族化合物の
分布は、ランダムテーパー(分子鎖に沿ってモノマー成
分が増加または減少するもの)、一部ブロック状または
これらの任意の組合せのいずれであってもよい。
族化合物の含有量と共役ジエン化合物の含有量の重量比
は、10/90〜90/10の範囲が好ましく、ゴムらしさを必要
とする場合には15/85〜60/40の範囲が好ましい。
族化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1,
1−ジフェニルエチレン、パラメチルスチレン、ビニル
トルエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、な
かでもスチレンが特に好ましい。また共役ジエン化合物
としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン等のうちから1種または2種以上選ばれ、なかでもブ
タジエンおよび/またはイソプレンが特に好ましい。
重合体において共役ジエン化合物としてブタジエンを使
用した場合は、ブタジエン部分のミクロ構造の1,2結合
量が10〜80%の範囲が好ましく、20〜50%の範囲が特に
好ましい。
物ブロックまたは共役ジエン化合物を主体とするブロッ
クを2個以上含有する場合には、各ブロックはそれぞれ
同一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
また水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐
状、放射状またはこれらの組合せ等いずれでもよい。
合体の数平均分子量は8万以上であり、さらに望ましく
は10万以上である。数平均分子量が8万以上の水添ブロ
ック共重合体を使用することにより、耐油性あるいは圧
縮永久歪等の物性に優れた組成物とすることができる。
また、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の
比)は、10以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは5
以下である。
ゲルパーメーションクロマトグラフィー等により容易に
求めることができる。
を有するものであれば、どのような製造方法で得られる
ものであってもかまわない。例えば特公昭40−23798号
に記載された方法により、リチウム触媒等を用い不活性
溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロッ
ク共重合体を合成し、次いで公知の方法、例えば特公昭
42−8704号、特公昭63−4841号や特公平1−53851号の
各公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水添触
媒の存在下に水素添加することにより、ビニル芳香族化
合物ブロックAの芳香族二重結合の20%を越えない部分
および共役ジエン化合物ブロックBの脂肪族二重結合の
少なくとも80%が水素塩化されている水添ブロック共重
合体が合成される。
に含まれる炭素−炭素二重結合の割合のことであって、
これは、核磁気共鳴吸収スペクトル(NMR)、赤外線吸
収スペクトル(IR)等の機器分析、ヨード滴定法等の化
学分析により測定される。
はその誘導体基を含有する分子単位が結合したオレフィ
ン系重合体に関して説明する。
ィン系重合体としては、カルボン酸基またはその誘導体
基を含有する不飽和化合物とオレフィン化合物を共重合
して得られる共重合体や、オレフィン系重合体をカルボ
ン酸基またはその誘導体基を含有する不飽和化合物で変
性して得られる変性オレフィン系重合体等である。
化合物とオレフィン化合物の共重合体の例としてはエチ
レンとアクリル酸やメタクリル酸あるいはそれらの金属
塩、エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共
重合体等であり、具体的にはエチレン/エチルアクリレ
ート共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共
重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/ア
クリル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸共重
合体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレ
ン/メチルメタクリレート共重合体等である。
導体基を含有する不飽和化合物で変性した変性オレフィ
ン系重合体に関して説明する。変性する前のオレフィン
系重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
ブテン、ポリ(4−メチルペンエン−1)、エチレンと
プロピレン、1−ブテン等のα−オレフィンとのブロッ
ク共重合体やランダム共重合体等であり、さらにこれら
のオレフィン系重合体をEPゴム等でゴム補強したものも
好ましく使用することができる。
カルボン酸基またはその誘導体基を含有する不飽和化合
物で変性したものである。
ン酸基またはその誘導体基を含有する不飽和化合物の例
としては、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコ
ン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン
−2,3−ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸の無水
物、エステル、アミド、イミド等およびアクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸等やこれらモノカルボン酸のエ
ステル、例えばメタクリル酸メイル、メタクリル酸グリ
シジルやアミド等の誘導体が挙げられる。これらの中で
は無水マレイン酸が特に好ましい。
体に含まれるカルボン酸基またはその誘導体基を含有す
る分子単位の割合は特に制限はないが、一応の目安とし
ては30重量%以下程度であり、望ましくは20重量%以
下、さらに望ましくは10重量%以下である。酸基含有オ
レフィン系重合体を使用することにより、本発明の
(a)成分と(c)成分間の相溶性が飛躍的に向上し、
このため本発明の組成物の極性基を有する樹脂に対する
接着力が高まり、さらには、組成物の機械的強度、耐油
性等も改善され望ましいものである。しかしながらカル
ボン酸基またはその誘導体基を含有する化合物の割合が
前記した値を越えて多量に含まれる酸基含有オレフィン
系重合体を使用しても相溶性改良の効果は頭打ちとな
り、逆に、流動性の低下、成形性の低下を招く場合があ
る。したがって前記した範囲が望ましい。
の誘導体基を含有する不飽和化合物とオレフィン化合物
の共重合体を、さらにカルボン酸基またはその誘導体基
を含有する不飽和化合物で変性したものを使用してもよ
い。
(a)成分である水添ブロック共重合体100重量部に対
して10〜200重量部である。(b)成分の使用量が10重
量部未満では、本発明の(a)成分と(c)成分間の相
溶性改良効果が十分でなく望ましい組成物を得ることが
できないし、200重量部を越えて多量に使用しても相溶
性改良効果は頭打ちとなり、逆に流動性の低下やゴム的
物性の低下が顕著となり望ましい組成物ではなくなって
しまう。さらに望ましい範囲は20〜100重量部である。
以上混合して使用してもよい。
リウレタンエラストマーについて説明する。
タンエラストマーは、両末端に活性水素を有する長鎖グ
リコールと短鎖グリコールをジイソシアナート化合物を
使用して付加重合したものである。使用する化合物に関
して特に制限はないが、長鎖グリコールとしてはポリエ
スエル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等が代
表的なものである。具合的な化合物名を示せば、ポリエ
スエル系ではアジピン酸と種々のグリコール等の脱水縮
合物、例えばポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエ
チレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペー
ト)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)等であり、ポ
リカプロラクトン等も利用できる。ポリエーテル系とし
てはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(プロピレン
グリコール/エチレングリコール)等が例示でき、ポリ
カーボネート系としてはポリ(1,6−ヘキサメチレング
リコールカーボネート)等が例示できる。
ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオールさら
にはそれらの水添物等が好ましく使用できる。
グリコール等が代表的なものであり、具体的な化合物名
を示せば、脂肪族グリコール系としてはエチレングリコ
ール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタングリコ
ール、1,3−ブタングリコール、1,5−ペンタングリコー
ル、1,6−ヘキサングリコール等が例示でき、含芳香族
グリコール系としてはビスフェノールA、ハイドロキノ
ンジエチロールエーテル、ビスフェノールA/エチレング
リコール等が例示できる。
系のものがあり、例えばトリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート等でありさらに、キシリレンジイソシアネ
ートや、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの
水素添加物等も例示される。
タンエラストマーは、その合成条件により、完全熱可塑
型と不完全熱可塑型に分類される。これらは、原料の2
官能性の長鎖グリコールと短鎖グリコールのOH基および
ジイソシアネートのNCO基のモル比で決定され、約0.95
<NCO/OH≦1で合成したのが完全熱可塑型であり、約1
<NCO/OH<1.1で合成したのが不完全熱可塑型である。
本発明の(b)成分としてはこのどちらのものも使用す
ることができる。
に対して10〜250重量部である。10重量部未満の使用量
では極性基を有する樹脂との接着性は不満足なものであ
り、逆に250重量部を越えて多量に使用しても接着性の
改良は頭打ちとなり、逆に圧縮永久歪等の物性の低下が
生じること、さらには吸収性の悪化やコストの上昇を招
き望ましい組成物を得ることはできなくなる。さらに望
ましい使用量は40〜150重量部の範囲である。
添加する。オイルは得られる組成物に柔軟性、加工性を
付与する他に経済性の改善をする上で有用な添加物であ
る。本発明で使用するオイルとしては、非芳香族系のゴ
ム用オイルであり、例えば鉱物油系軟化剤として一般に
知られているパラフィン系およびナフテン系に分類され
ているゴム用希釈オイルを使用することができ、そのな
かでもパラフィン系オイルが好ましく、さらにパラフィ
ン系のなかでも芳香族環成分の5%以下のものが望まし
い。オイルの使用量は、得られる熱可塑性エラストマー
組成物の物性が損なわれない範囲にとどめるべきであ
り、その量は水添ブロック共重合体100重量部に対して4
0〜200重量部である。
リオレフィン樹脂を添加することができる。ポリオレフ
ィン樹脂は、熱可塑性エラストマー組成物の加工性、機
械的強度等を改善する上で有用であり、ポリオレフィン
樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン樹脂、プロピレンとエチレン、1−ブテン等
のα−オレフィンとのブロックコポリマーやランダムコ
ポリマー等が使用できる。なお、ポリオレフィン樹脂の
使用量は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の柔軟
性が失われない範囲にとどめるべきであるが、おおよそ
その目安として水添ブロック共重合体100重量部に対し
て0〜150重量部程度である。さらに本発明の組成物
は、無機充填剤を添加することができる。無機充填剤
は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の高硬度化、
および増量剤として経済性の改善をする上で有用であ
る。該無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、合成ケイ素、酸化チタン、カーボンブラ
ック、硫酸バリウム等が使用できる。なお、無機充填剤
の使用量は得られる熱可塑性エラストマーの柔軟性が損
われない範囲にとどめるべきであるが、おおよその目安
として水添ブロック共重合体100重量部に対して0〜100
重量部程度である。
剤、光安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、シリコンオ
イル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化劣化防
止剤等を適宜加えてよい。
ル、バンバリーミキサー等の通常のゴムの混練に使用さ
れる方法が使用でき、成形加工方法としては、押出成
形、射出成形、ブロー成形等の加工法が適用できる。
は、極性基を有する樹脂、例えば、ポリエステル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
フェニレンスルフィド系樹脂、ポリアクリレート系樹
脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、
アクリロニトリル/スチレン系樹脂、アクリロニトリル
/スチレン/ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩
化ビニリデン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等
と接着性を有し、かつ、成形加工性、耐油性、機械的物
性、耐熱性等に優れているため、多層成形体の加工用素
材等の用途に幅広く使用可能である。
はこれらの例に限定されるものではない。
試験方法で測定した。
℃、2時間の重量変化を測定。
−6301記載の3号試験片とした。測定はJIS−K−6301
に準拠。
定。
た。
滑でない部分がある。
れている。
体、熱可塑性ウレタンエラスオマー、酸基含有オレフィ
ン系重合体、極性を有する樹脂を表−1〜4にまとめて
記載した。なお、数平均分子量、重量平均分子量はゲル
パーメーションクロマトグラフィーを使用し、標準ポリ
スチレンを基準として測定した。
塑性ポリウレタンエラストマーおよび酸基含有オレフィ
ン系重合体を表−5に記載した量で混合し、これにパラ
フィン系オイルとしてPW−380(出光興産(株)社製)
を表−5に記載した量添加して該混合物中に含浸させた
後、さらに該油展混合物100重量部に対してイルガノッ
クス1010(チバガイギ社製)0.2重量部、ステアリン酸
カルシウム0.3部、ポリエチレンワックス0.3部を添加し
た。次にこれを二軸押出機PCM−30(池貝鉄工(株)社
製)で造粉後、インラインスクリュータイプの射出成形
機を用い射出圧力50kg/cm2、射出温度170〜190℃、金型
温度55℃の条件下で200mm×200mm×4mm厚の平板試料を
作製した。該金型の中には極性基を有する樹脂として表
−4より選ばれたABS樹脂の150mm×25mm×2mm厚の試験
片を予め固定しておき、インジェクション終了後、得ら
れた平板試料より複層成形片を切り出し、剥離強度測定
用の試験片とした。又同様の射出条件にて150mm×150mm
×2mm厚の平板試料を成形し、物性測定用の試験片とし
た。所定の方法で諸物性を測定し、結果を表−5に記載
した。
ロック共重合体の数平均分子量が8万未満のものを使用
した場合には、得られる組成物の圧縮永久歪は著しく悪
化し望ましいものではない。また比較例3に示されるよ
うに本願発明の(a)成分である数平均分子量が8万以
上の水添ブロック共重合体を使用しない場合には得られ
る組成物の成形性は悪く、さらに圧縮永久歪も極端に悪
いことがわかる。
塑性ポリウレタン、酸基含有オレフィン系重合体にパラ
フィン系オイルとしてPW−380(出光興産(株)社
製)、ポリプロピレンとしてアサヒポリプロE−1100
(旭化成(株)社製)、炭酸カルシウムを表−6に記載
した量混合し、以下実施例1と同様の方法で、ABS樹脂
に対する接着性を評価した。その測定結果をまとめて表
−6に記載する。
塑性ポリウレタンエラストマーを適当量使用した本願発
明の組成物は、耐油性、圧縮永久歪、成形性等の物性に
優れた望ましい組成物であることが判る。一方熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを使用しない場合(比較例
4)には、ABS樹脂に対する接着性、耐油性等の物性が
劣り、逆にあまり多量に使用する場合(比較例5)に
は、圧縮永久歪等の物性の低下や成形品の品質の低下を
招き望ましいものでは無いことが判る。さらに実施例8,
9と比較例6,7より明らかなように、適当量の酸基含有オ
レフィン系重合体を使用した本願発明の組成物は、成形
品の品質、接着性、圧縮永久歪等の特性に優れた望まし
い組成物であることが判る。これに対し、酸基含有オレ
フィン系重合体を使用しない場合(比較例6)には、組
成物の分散性が悪く成形品に剥離が発生し、さらにはAB
S樹脂に対する接着性が低下し望ましい組成物でなくな
るし、逆に、あまり多量に使用する場合(比較例7)に
は、得られる組成物の圧縮永久歪等の物性が低下するこ
とや成形品の品質が極端に低下すること等により望まし
い組成物でなくなることが明らかとなった。
較例8〜12として比較例4の組成を使用して実施例1と
同様の方法で試験した。金型内に固定する極性基を有す
る樹脂を種々かえて試験し、剥離強度の測定結果を表−
7に記載した。
に、本発明の組成物は種々の極性基を有する樹脂に対す
る接着強度が著しく向上した望ましい組成物であること
がわかる。
に対して優れた接着性を示し、かつ成形の際に金型等と
の接着性が低く剥離性に優れた組成物であり、二層押
出、複層成形等の分野に極めて有効に利用することがで
きる。このため、自動車内装品、家電部品、スポーツ用
品、雑貨品等の用途に広く利用されるものであり、その
工業的意義は大きい。
Claims (1)
- 【請求項1】(a) 同一分子鎖中に、ビニル芳香族化
合物が主体の重合体ブロックAを少なくとも1個と、共
役ジエン化合物が主体の重合体ブロックBを少なくとも
1個とを有するブロック共重合体を水素添加して得られ
る数平均分子量が8万以上の水添ブロック共重合体100
重量部と (b) カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分
子単位が結合したオレフィン系重合体10〜200重量部と (c) 熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜250
重量部と (d) オイル40〜200重量部 の(a),(b),(c),(d)4成分を必須とする
極性基を有する樹脂との接着用熱可塑性エラストマー組
成物。
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