JPH03234745A - 接着力の優れた熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

接着力の優れた熱可塑性エラストマー組成物

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JPH03234745A
JPH03234745A JP2837490A JP2837490A JPH03234745A JP H03234745 A JPH03234745 A JP H03234745A JP 2837490 A JP2837490 A JP 2837490A JP 2837490 A JP2837490 A JP 2837490A JP H03234745 A JPH03234745 A JP H03234745A
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新庄 裕司
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、8万以上の数平均分子量を有する水添ブロッ
ク共重合体と熱可塑性のポリウレタンエラストマーとカ
ルボン酸基もしくはその誘導体基を含有する化合物が結
合したポリオレフィン系重合体とを組合せた、接着剤を
使用しなくとも極性基を有する樹脂と強固に接着し、か
つ耐油性、ゴム的特性、流動性、成形加工性に優れた熱
可塑性エラストマー組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来より、異種の材料を接着して積層物とすることによ
って両方の材料の長所を付与したり、或いは同一の材料
で他種の材料をはさんで積層物にすることで一方の材料
の欠点を補うような積層物を製造する試みがある。特に
最近では、プラスチックの有する安物感、手触の悪さ等
を改良するため、プラスチックにゴムを積層する試みが
なされている。このゴムを積層したものは手触がソフト
で感触が良く、高級感があること、および防音性、防振
性に優れていること等により自動車の内装品や家電部品
に好適なものといえる。このような積層物の材料となる
熱可塑性樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフ
タレート、ナイロン、ポリカーボネート、ポリスチレン
、耐衝撃性ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ABS
樹脂、等が用いられている。
これらの積層物は、その形態として、シート、フィルム
、または複雑な形状の成形品等として用いられている。
これらの積層物は、同種または異種の材料を接着剤を用
いて接着する方法、接着剤を使用せずに共押出し法ある
いは複層成形法で積層物にする方法等が一般に行なわれ
ている。
しかしながら、積層する材料の種類またはその組合せに
よっては、十分なる接着効果が得られない場合があり、
特に接着剤を使用しない共押出し法あるいは複層成形法
で積層物を得る場合には、相互に接着性のない材料を用
いることはできない。
そのため、共押出し法で相互に接着性のない材料の積層
物を得る場合は、接着層として両方の材料に接着性のあ
る材料を用いる方法が行なわれており、たとえばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン
−ブタジェンブロック共重合体等が使用されている。し
かしながら、これらの樹脂も、共押出しする材料の種類
によっては必ずしも十分な接着効果が得られない場合が
あったり、接着強度の持続性、耐水性等が劣る等の問題
点があった。さらに、複雑な形状の射出成形品の場合に
は接着層の使用は困難であり、接着性を有する限られた
組合せの場合でしか複層成形法は使用できないのが現状
である。
これらの問題点を解決するため、さらに進んだ技術とし
て特公昭62−13911号に酸変性した水添ブロック
共重合体に極性基を有する熱可塑性重合体を添加したも
のを使用する技術が開示されている。該公報記載の積層
物は極性を有する樹脂、ガラス、金属等に優れた接着性
を示し有効な方法であるが、組成物の組合せによっては
流動性が劣る場合があり、複雑な形状の成形品が得られ
にくいという問題を有する。
また特開昭83−254156号には酸変性した水添ブ
ロック共重合体に熱可塑性ポリウレタンを配合した組成
物が開示されている。しかし該公報記載の組成物は機械
的強度、他樹脂との接着性等に優れた特性を示し有用な
組成物であるが、成形加工性が劣る場合があり、さらな
る改良が望まれている。
さらに、特開昭64−33201号公報には特定の粘度
を有する熱可塑性ポリウレタンと非水添ブロック共重合
体あるいは水添ブロック共重合体よりなる組成物が開示
されている。しかし該公報記載の組成物は熱可塑性ポリ
ウレタンと非水添あるいは水添ブロック共重合体との親
和性が劣るため、機械的強度は低く、また成形品に剥離
が生じる問題があり、さらなる改良が望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は上記の点に鑑みなされたものであって射出成形
、押出成形等の成形加工性に優れ、かつ極性を有する樹
脂との接着性が高く、またゴム的特性にも優れた熱可塑
性エラストマー組成物を提供するものであり、特に複層
成形用途に好適な熱可塑性エラストマー組成物を提供す
ることを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、 (a)  少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロ
ック共重合体を水素添加して得られる数平均分子量が8
万以上の水添ブロック共重合体100重量部と (b)  カルボン酸基またはその誘導体基を含有する
分子単位が結合したオレフィン系重合体l0〜200重
量部と (c)  熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜
250重量部 の(a)、(b)、(c) 3成分を必須とする熱可塑
性エラストマー組成物を提供するものである。
以下、本発明に関して詳しく述べる。
本発明の(a)成分として用いられる水添ブロック共重
合体の水添前のブロック共重合体としては、ビニル芳香
族化合物重合体ブロックを少なくとも1個、好ましくは
2個以上、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロッ
クを少なくとも1個含有するものである。ここで共役ジ
エンを主体とする重合体ブロックは、ビニル芳香族化合
物と共役ジエン化合物との重量比がO/100〜501
50、好ましくは0/100〜40/60の組成範囲か
らなる重合体ブロックであり、このブロックにおけるビ
ニル芳香族化合物の分布は、ランダムテーパー(分子鎖
に沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一
部ブロック状またはこれらの任意の組合せのいずれであ
ってもよい。
上記水添前のブロック共重合体において、ビニル芳香族
化合物の含有量と共役ジエン化合物の含有量の重量比は
、10/90〜90/ 10の範囲が好ましく、ゴムら
しさを必要とする場合には15/85〜80/40の範
囲が好ましい。
上記水添前のブロック共重合体を構成するビニル芳香族
化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、1,
1−ジフェニルエチレン、パラメチルスチレン、ビニル
トルエン等のうちから1種または2種以上が選ばれ、な
かでもスチレンが特に好ましい。また共役ジエン化合物
としては、ブタジェン、イソプレン、1.3−ペンタジ
ェン等のうちから1種または2種以上選ばれ、なかでも
ブタジェンおよび/またはイソプレンが特に好ましい。
さらに、上記ブロック共重合体の水添前のブロック共重
合体において共役ジエン化合物としてブタジェンを使用
した場合は、ブタジェン部分のミクロ構造の1.2結合
量が10〜80%の範囲が好ましく、20〜50%の範
囲が特に好ましい。
上記水添前のブロック共重合体が、ビニル芳香族化合物
ブロックまたは共役ジエン化合物を主体とするブロック
を2個以上含有する場合には、各ブロックはそれぞれ同
一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。ま
た水添ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状
、放射状またはこれらの組合せ等いずれでもよい。
本発明の(a)成分として使用する水添ブロック共重合
体の数平均分子量は8万以上であり、さらに望ましくは
10万以上である。数平均分子量が8万以上の水添ブロ
ック共重合体を使用することにより、耐油性あるいは圧
縮永久歪等の物性に優れた組成物とすることができる。
また、分子量分布(重量平均分子量と数平均分子量の比
)は、10以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは5
以下である。
水添ブロック共重合体の数平均分子量、分子量分布はゲ
ルパーメーションクロマトグラフィー等により容易に求
めることができる。
本発明で供する水添ブロック共重合体は上記した構造を
有するものであれば、どのような製造方法で得られるも
のであってもかまわない。例えば特公昭40−2379
8号に記載された方法により、リチウム触媒等を用い不
活性溶媒中でビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体を合成し、次いで公知の方法、例えば特
公昭42−8704号、特公昭63−4841号や特公
平1−53851号の各公報に記載された方法により、
不活性溶媒中で水添触媒の存在下に水素添加することに
より、ビニル芳香族化合物ブロックAの芳香族二重結合
の20%を越えない部分および共役ジエン化合物ブロッ
クBの脂肪族二重結合の少なくとも80%が水素添加さ
れている水添ブロック共重合体が合成される。
本発明でいうブロックBの不飽和度とは、ブロックBに
含まれる炭素−炭素二重結合の割合のことであって、こ
れは、核磁気共鳴吸収スペクトル(NMR) 、赤外線
吸収スペクトル(IR)等の機器分析、ヨード滴定法等
の化学分析により測定される。
次に本発明の(b)成分として使用するカルボン酸基ま
たはその誘導体基を含有する分子単位が結合したオレフ
ィン系重合体に関して説明する。
本願発明の(b)成分として使用する酸基含有オレフィ
ン系重合体としては、カルボン酸基またはその誘導体基
を含有する不飽和化合物とオレフィン化合物を共重合し
て得られる共重合体や、オレフィン系重合体をカルボン
酸基またはその誘導体基を含有する不飽和化合物で変性
して得られる変性オレフィン系重合体等である。
カルボン酸基あるいはその誘導体基を含有する不飽和化
合物とオレフィン化合物の共重合体の例としてはエチレ
ンとアクリル酸やメタクリル酸あるいはそれらの金属塩
、エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルの共重
合体等であり、具体的にはエチレン/エチルアクリレー
ト共重合体、エチレン/グリシジルメタクリレート共重
合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/アク
リル酸金属塩共重合体、エチレン/メタクリル酸共重合
体、エチレン/メタクリル酸金属塩共重合体、エチレン
/メチルメタクリレート共重合体等である。
次にオレフィン系重合体をカルボン酸基またはその誘導
体基を含有する不飽和化合物で変性した変性オレフィン
系重合体に関して説明する。変性する前のオレフィン系
重合体としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブ
テン、ポリ (4メチルペンテン−1)、エチレンとプ
ロピレン、1−ブテン等のα−オレフィンとのブロック
共重合体やランダム共重合体等であり、さらにこれらの
オレフィン系重合体をEPゴム等でゴム補強したものも
好ましく使用することができる。
本発明の(b)成分は前記したオレフィン系重合体をカ
ルボン酸基またはその誘導体基を含有する不飽和化合物
で変性したものである。
かかるオレフィン系重合体に付加される不飽和カルボン
酸基またはその誘導体基を含有する不飽和化合物の例と
しては、マレイン酸、ハロゲン化マレイン酸、イタコン
酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸
、エンド−シス−ビシクロ[2,2,1)  −5−ヘ
プテン−2,3−ジカルボン酸等やこれらジカルボン酸
の無水物、毛ステル、アミド、イミド等およびアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸等やこれらモノカルボン
酸のエステル、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル
酸グリシジルやアミド等の誘導体が挙げられる。
これらの中では無水マレイン酸が特に好ましい。
本発明の(b)成分である酸基含有オレフィン系重合体
に含まれるカルボン酸基またはその誘導体基を含有する
分子単位の割合は特に制限はないが、一応の目安として
は30重量%以下程度であり、望ましくは20重量%以
下、さらに望ましくは10重量%以下である。酸基含有
オレフィン系重合体を使用することにより、本発明の(
a)成分と(c)成分間の相溶性が飛躍的に向上し、こ
のため本発明の組成物の極性基を有する樹脂に対する接
着力が高まり、さらには、組成物の機械的強度、耐油性
等も改善され望ましいものである。しかしながらカルボ
ン酸基またはその誘導体基を含有する化合物の割合が前
記した値を越えて多量に含まれる酸基含有オレフィン系
重合体を使用しても相溶性改良の効果は頭打ちとなり、
逆に、流動性の低下、成形性の低下を招く場合がある。
したがって前記した範囲が望ましい。
また本発明の(b)成分としてカルボン酸基またはその
誘導体基を含有する不飽和化合物とオレフィン化合物の
共重合体を、さらにカルボン酸基またはその誘導体基を
含有する不飽和化合物で変性したものを使用してもよい
本発明の(b)成分の使用量としては、本発明の(a)
成分である水添ブロック共重合体100重量部に対して
10〜200重量部である。(b)成分の使用量が10
重量部未満では、本発明の(a)成分と(c)成分間の
相溶性改良効果が十分でなく望ましい組成物を得ること
ができないし、200重量部を越えて多量に使用しても
相溶性改良効果は頭打ちとなり、逆に流動性の低下やゴ
ム的物性の低下が顕著となり望ましい組成物ではなくな
ってしまう。さらに望ましい範囲は20〜100重量部
である。
本発明の(b)成分は1種で使用してもよいし、2種以
上混合して使用してもよい。
次に本発明の(c)成分として使用する熱可塑性のポリ
ウレタンエラストマーについて説明する。
本発明の(c)成分として用いる熱可塑性のポリウレタ
ンエラストマーは、両末端に活性水素を有する長鎖グリ
コールと短鎖グリコールをジイソシアナート化合物を使
用して付加重合したものである。使用する化合物に関し
て特に制限はないが、長鎖グリコールとしてはポリエス
テル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等が代表
的なものである。具体的な化合物名を示せば、ポリエス
テル系ではアジピン酸と種々のグリコール等の脱水縮合
物、例えばポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチ
レンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート
)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)等であり、ポ
リカプロラクトン等も利用できる。ポリエーテル系とし
てはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(プロピレン
グリコール/エチレングリコール)等が例示でき、ポリ
カーボネート系としてはポリ(l、6−へキサメチレン
グリコールカーボネート)等が例示できる。
また、ポリオレフィン系のグリコールも有用であり、ポ
リブタジェンジオール、ポリイソプレンジオールさらに
はそれらの水添物等が好ましく使用できる。
短鎖グリコールとしては脂肪族グリコール、含芳香族グ
リコール等が代表的なものであり、具体的な化合物名を
示せば、脂肪族グリコール系としてはエチレングリコー
ル、1.3−プロピレングリコール、1.4−ブタング
リコール、1.3−ブタングリコール、1.5−ペンタ
ングリコール、1.6ヘキサングリコール等が例示でき
、含芳香族グリコール系としてはビスフェノールA1ハ
イドロキノンジエチロールエーテル、ビスフェノールA
/エチレングリコール等が例示できる。
ジイソシアネートとしては、芳香族、脂環族、脂肪族系
のものがあり、例えばトリレンジイソシアネート、キシ
リレンジイソシアネート、4,4゜ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1.5−ナフタレンジイソシアネート
、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート等でありさらに、キシリレンジイソシアネー
トや、4.4°−ジフェニルメタンジイソシアネートの
水素添加物等も例示される。
本発明の(c)成分として使用する熱可塑性ポリウレタ
ンエラストマーは、その合成条件により、完全熱可塑型
と不完全熱可塑型に分類される。これらは、原料の2官
能性の長鎖グリコールと短鎖グリコールのOH基および
ジイソシアネートのNGO基のモル比で決定され、約0
.95< N G 010H≦1で合成したのが完全熱
可塑型であり、約1<NGOloH<1.1で合成した
のが不完全熱可塑型である。本発明の(b)成分として
はこのどちらのものも使用することができる。
本発明の(c)成分の使用量は(a)成分J、00重量
部に対して10〜250重量部である。10重量部未満
の使用量では極性基を有する樹脂との接着性は不満足な
ものであり、逆に250重量部を越えて多量に使用して
も接着性の改良は頭打ちとなり、逆に圧縮永久歪等の物
性の低下が生じること、さらには吸水性の悪化やコスト
の上昇を招き望ましい組成物を得ることはできなくなる
。さらに望ましい使用量は40〜150重量部の範囲で
ある。
本発明の組成物は、前記した必須成分以外にオイルを好
ましく添加することができる。オイルは得られる組成物
に柔軟性、加工性を付与する他に経済性の改善をする上
で有用な添加物である。本発明で使用するオイルとして
は、非芳香族系のゴム用オイルであり、例えば鉱物油系
軟化剤として一般に知られているパラフィン系およびナ
フテン系に分類されているゴム用希釈オイルを使用する
ことができ、そのなかでもパラフィン系オイルが好まし
く、さらにパラフィン系のなかでも芳香族環成分の5%
以下のものが望ましい。オイルの使用量は、得られる熱
可塑性エラストマー組成物の物性が損なわれない範囲に
とどめるべきであるが、おおよその目安として水添ブロ
ック共重合体100重量部に対して0〜200重量部程
度である。
また、本発明の組成物は熱可塑性樹脂、好ましくはポリ
オレフィン樹脂を添加することができる。
ポリオレフィン樹脂は、熱可塑性エラストマー組成物の
加工性、機械的強度等を改善する上で有用であり、ポリ
オレフィン樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン樹脂、プロピレンとエチレン、1
−ブテン等のα−オレフィンとのブロックコポリマーや
ランダムコポリマー等が使用できる。なお、ポリオレフ
ィン樹脂の使用量は、得られる熱可塑性エラストマー組
成物の柔軟性が失われない範囲にとどめるべきであるが
、おおよそその目安として水添ブロック共重合体100
重量部に対してO〜150重量部程度である。さらに本
発明の組成物は、無機充填剤を添加することができる。
無機充填剤は、得られる熱可塑性エラストマー組成物の
高硬度化、および増量剤として経済性の改善をする上で
有用である。
該無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク
、クレー、合成ケイ素、酸化チタン、カーボンブラック
、硫酸バリウム等が使用できる。なお、無機充填剤の使
用量は得られる熱可塑性エラストマーの柔軟性が損われ
ない範囲にとどめるべきであるが、おおよその目安とし
て水添ブロック共重合体100重量部に対して0〜10
0重量部程度である。
さらに本発明の組成物には、前記した成分以外に滑剤、
光安定剤、顔料、難燃剤、帯電防止剤、シリコンオイル
、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、酸化劣化防止剤
等を適宜加えてよい。
本発明の組成物の混練方法としては、押出機、ロール、
バンバリーミキサ−等の通常のゴムの混練に使用される
方法が使用でき、成形加工方法としては、押出成形、射
出成形、ブロー成形等の加工法が適用できる。
本発明により得られる熱可塑性エラストマー組成物は、
極性基を有する樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニ
レンスルフィド系樹脂、ポリアクリレート系樹脂、ポリ
メタクリレート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、アクリロ
ニトリル/スチレン系樹脂、アクリロニトリル/スチレ
ン/ブタジェン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等と接着性
を有し、かつ、成形加工性、耐油性、機械的物性、耐熱
性等に優れているため、多層成形体の加工用素材等の用
途に幅広く使用可能である。
〔実 施 例〕
以下、実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明は
これらの例に限定されるものではない。
なお実施例および比較例において用いた物性は以下の試
験方法で測定した。
(1)剥離強度(kg/25mm) J I S −K −8854記載の180度剥離に準
拠。
(2)浸せき試験(重量%) J I S −K −8301に準拠し、JIS−3号
オイル中での70℃、2時間後の重量変化を測定。
(3)硬 度 J I S −K −6301Aタイプ(4)引張強度
()cg / cd )試料は2111厚のインジェク
ションシートを用いJIS−に−6301記載の3号試
験片とした。測定はJ I S −K −8301に準
拠。
(5)伸 度(%) J I S −K −6301に準拠。
(6)圧縮永久歪(%) J I S−に−6301に準拠し、70℃、22時間
の条件にて測定。
(7〉  成形品の品質 成形品を目視により観察し、以下の尺度により評価した
O:成形品の表面全面がなめらかで平゛滑である。
Δ:成形品の表面の一部にフローマークが発生し、平滑
でない部分がある。
×:成形品の全面にフローマークが発生し、表面が荒れ
ている。
また、実施例、比較例に使用する水添ブロック共重合体
、熱可塑性ウレタンエラストマー、酸基含有オレフィン
系重合体、極性を有する樹脂を表−1〜4にまとめて記
載した。なお、数平均分子量、重量平均分子量はゲルパ
ーメーションクロマトグラフィーを使用し、標準ポリス
チレンを基準として測定した。
実施例1〜4、比較例1〜3 表−1〜3より選ばれた水添ブロック共重合体、熱可塑
性ポリウレタンエラストマーおよび酸基含有オレフィン
系重合体を表−5に記載した量で混合し、これにパラフ
ィン系オイルとしてP W−380(出光興産■社製)
を表−5に記載した量添加して該混合物中に含浸させた
後、さらに該油展混合物100重量部に対してイルガノ
ックス1010 (チバガイギ社製)0.2重量部、ス
テアリン酸カルシウム0.3部、ポリエチレンワックス
0.3部を添加した。
次にこれを二軸押出機PCM−30(池貝鉄工■社製)
で造粉後、インラインスクリュータイプの射出成形機を
用い射出圧力50kg/cJ、射出温度170〜190
℃、金型温度55℃の条件下で200mmX200 m
n+ X 4 mm厚の平板試料を作製した。該金型の
中には極性基を有する樹脂として表−4より選ばれたA
BS樹脂の150mm X 25+n+a X 2 m
m+厚の試験片を予め固定しておき、インジェクション
終了後、得られた平板試料より複層成形片を切り出し、
剥離強度測定用の試験片とした。又同様の射出条件にて
150+nn+ X 150 mm X 2 mm厚の
平板試料を成形し、物性測定用の試験片とした。所定の
方法で諸物性を測定し、結果を表−5に記載した。
実施例1〜4と比較例1,2より明らかなように水添ブ
ロック共重合体の数平均分子量が8万未満のものを使用
した場合には、得られる組成物の圧縮永久歪は著しく悪
化し望ましいものではない。
また比較例3に示されるように本願発明の(a>成分で
ある数平均分子量が8万以上の水添ブロック共重合体を
使用しない場合には得られる組成物の成形性は悪く、さ
らに圧縮永久歪も極端に悪いことがわかる。
実施例5〜10、比較例4〜7 表−1〜3より選ばれる水添ブロック共重合体、熱可塑
性ポリウレタン、酸基含有オレフィン系重合体にパラフ
ィン系オイルとしてPW−380(出光興産■社製)、
ポリプロピレンとしてアサヒボリプロE −1100(
旭化成■社製)、炭酸カルシウムを表−6に記載した量
混合し、以下実施例1と同様の方法で、ABS樹脂に対
する接着性を評価した。その測定結果をまとめて表−6
に記載する。
実施例5〜7と比較例4,5より明らかなように、熱可
塑性ポリウレタンエラストマーを適当量使用した本願発
明の組成物は、耐油性、圧縮永久歪、成形性等の物性に
優れた望ましい組成物であることが判る。一方熱可塑性
ポリウレタンエラストマーを使用しない場合(比較例4
)には、ABS樹脂に対する接着性、耐油性等の物性が
劣り、逆にあまり多量に使用する場合(比較例5)には
、圧縮永久歪等の物性の低下や成形品の品質の低下を招
き望ましいものでは無いことが判る。
さらに実施例8,9と比較例6,7より明らかなように
、適当量の酸基含有オレフィン系重合体を使用した本願
発明の組成物は、成形品の品質、接着性、圧縮永久歪等
の特性に優れた望ましい組成物であることが判る。これ
に対し、酸基含有オレフィン系重合体を使用しない場合
(比較例6)には、組成物の分散性が悪く成形品に剥離
が発生し、さらにはABS樹脂に対する接着性が低下し
望ましい組成物でなくなるし、逆に、あまり多量に使用
する場合(比較例7)には、得られる組成物の圧縮永久
歪等の物性が低下することや成形品の品質が極端に低下
すること等により望ましい組成物でなくなることが明ら
かとなった。
実施例11〜15、比較例8〜12 実施例11〜15として実施例6の組成を使用し、一方
比較例8〜12として比較例4の組成を使用して実施例
1と同様の方法で試験した。金型内に固定する極性基を
有する樹脂を種々かえて試験し、剥離強度の測定結果を
表−7に記載した。
実施例11〜15と比較例8〜12の比較より明らかな
ように、本発明の組成物は種々の極性基を有する樹脂に
対する接着強度が著しく向上した望ましい組成物である
ことがわかる。
〔発明の効果〕
本発明のエラストマー組成物は、極性基を有する樹脂に
対して優れた接着性を示し、かつ成形の際に金型等との
接着性が低く離型性に優れた組成物であり、二層押出、
複層成形等の分野に極めて有効に利用することができる
。このため、自動車内装品、家電部品、スポーツ用品、
雑貨品等の用途に広く利用されるものであり、その工業
的意義は大きい。
(以下余白)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、(a)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体
    とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエ
    ン化合物を主体とする重合体ブロックBとから成るブロ
    ック共重合体を水素添加して得られる数平均分子量が8
    万以上の水添ブロック共重合体100重量部と (b)カルボン酸基またはその誘導体基を含有する分子
    単位が結合したオレフィン系重合体10〜200重量部
    と (c)熱可塑性のポリウレタンエラストマー10〜25
    0重量部 の(a)、(b)、(c)3成分を必須とする熱可塑性
    エラストマー組成物。
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