JP2001247762A - ウレタンエラストマーの組成物 - Google Patents
ウレタンエラストマーの組成物Info
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Abstract
度、成形加工性に優れた熱可塑性エラストマーおよび、
該組成物よりなる表面の塗装の不要な耐スクラッチ性に
優れるエラストマー部材を安価に提供すること。 【解決手段】 次の(A)および(B)成分からなる熱
可塑性エラストマー組成物。 (A)下記(a)、(b)及び必要に応じて(c)成分
を共重合してなるポリウレタンエラストマー:100重
量部 (a)特定のポリカーボネートジオール (b)ポリイソシアネート (c)ポリイソシアネートと反応しうる活性水素を2個
有する鎖延長剤(B)少なくとも1個のビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個
の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共
重合体: 10〜900重量部
Description
性(耐スクラッチ性)に優れ、また柔軟性、耐熱性、低
温特性、耐候性、強度、成形加工性に優れた各種成形物
の素材として利用できる熱可塑性エラストマー組成物に
関するものである。
品、家電部品、医療部品、雑貨用途に、生産性の優れる
熱可塑性エラストマーが多く利用されるようになってき
ている。これらの例としてはエチレン−プロピレン共重
合体とポリプロピレンからなるオレフィン系エラストマ
ー、ポリウレタンエラストマー、軟質ポリ塩化ビニル等
が挙げられる。
ラッチ性、柔軟性、加工性、経済性、リサイクル性の面
でそれぞれ欠点を有しているのが現状である。すなわち
オレフィン系エラストマーは比較的安価で耐候性、耐熱
性に優れるものの柔軟性、耐スクラッチ性に劣る。ま
た、ポリウレタンエラストマーは耐スクラッチ性に優れ
るものの、比重が大きくかつ高価であるという欠点を有
している。また軟質塩化ビニルは、比較的安価であり耐
候性、耐スクラッチ性に優れるものの、低温での柔軟
性、リサイクル性に劣るという欠点を有している。
合物ブロック共重合体の水素添加誘導体(以下、水添ブ
ロック共重合体と略記する)を用いたエラストマー組成
物についてもいくつかの提案がなされている。例えば特
開昭50−14742号、特開昭52−65551号、
特開昭58−206644号各公報には水添ブロック共
重合体にゴム用軟化剤およびオレフィン系樹脂を配合し
た組成物が開示されている。しかしこれらの組成物もオ
レフィン系エラストマーと同様、耐スクラッチ性の劣る
ものであった。
技術課題を背景になされたもので、柔軟性、耐候性、耐
熱性、低温特性、強度、成形加工性に優れた熱可塑性エ
ラストマーおよび、該組成物よりなる表面の塗装の不要
な耐スクラッチ性に優れるエラストマー部材を安価に提
供するものである。
(A)および(B)成分からなる熱可塑性エラストマー
組成物に関する。 (A)下記(a)、(b)及び必要に応じて(c)成分
を共重合してなるポリウレタンエラストマー:100重
量部 (a)下記式(1)の繰り返し単位からなり、末端基が
水酸基であるポリカーボネートジオール(但し、式中R
は炭素数2〜10の脂肪族または脂環族炭化水素基を表
す)。
有する鎖延長剤
物を主体とする重合体ブロックAと、少なくとも1個の
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBとから
なるブロック共重合体を水素添加してなるブロック共重
合体で、数平均分子量が30000〜400000であ
り、重合体ブロックAが共重合体の10〜50重量%を
構成する水素添加ブロック共重合体: 10〜900重
量部 以下、本発明に関して詳細に説明する。
ラストマー(以下TPUと略記)としては、使用する直
鎖ポリオールに対応して分類され、ポリエステル系(カ
プロラクトン系、アジペート系)、ポリカーボネート
系、ポリエーテル系、のいずれも使用可能である。これ
らの内で、機械的強度が高く、耐熱老化性及び耐加水分
解性のバランスのとれているポリカーボネート系が望ま
しい。
マーとしては、次の(a)、(b)及び必要に応じて
(c)成分を共重合してなる、ショアD硬さ20〜70
のポリウレタンエラストマーが好ましい。
り、末端基が水酸基であるポリカーボネートジオール
(但し、式中Rは炭素数2〜10の脂肪族または脂環族
炭化水素基を表す)。
有する鎖延長剤
(a)成分に使用されるポリカーボネートジオールは、
Schell著、Polymer Review 第9
巻、第9〜20ページ(1964年)に記載された種々
の方法により脂肪族および/または脂環式ジオールから
合成される。好ましいジオールとしては、エチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジ
オール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ
ール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジ
オール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
感のバランスに優れるエラストマーを得るためには、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールが好ましい。
ては、1,4−ブタンジオールおよび/または1,5−
ペンタンジオールと、1,6−ヘキサンジオールから合
成される共重合ポリカーボネートジオールが、得られる
熱可塑性エラストマー組成物の低温特性、反発弾性に優
れるので好ましい。ポリマー中の繰り返し単位である、
1,4−ブタンジオールおよび/または1,5−ペンタ
ンジオールと、1,6−ヘキサンジオールの割合は、1
0/90〜90/10、好ましくは、20/80〜80
/20、さらに好ましくは30/70〜70/30であ
る。
ールの平均分子量の範囲は、通常数平均分子量で500
〜5000であり、好ましくは、1000〜3000、
さらに好ましくは1500〜2500のものが使用さ
れ、そのポリマー末端は、実質的にすべてヒドロキシル
基であることが望ましい。
他に、1分子に3個以上のヒドロキシル基を持つ化合
物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプ
ロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、
等の少量を用いる事により多官能化したポリカーボネー
トを用いたポリウレタンも含まれる。
の(b)成分に使用されるポリイソシアネートとして
は、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6
−トリレンジイソシアネート、及びその混合物(TD
I)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート
(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニ
レンジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレンポリ
フェニルイソシアネート、粗製MDI等の公知の芳香族
ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XD
I)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳香脂環
族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘ
キシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレ
ンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシ
アネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネー
ト(水添XDI)等の公知の脂肪族ジイソシアネート、
及びこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変
性品、カルボジイミド化変性品、ビウレット化変性品等
である。
共重合成分(c)として必要により用いられる適当な鎖
延長剤としては、ポリウレタン業界における、常用の鎖
延長剤が包含される。岩田敬治監修最近ポリウレタン応
用技術CMC1985年第25〜27ページ記載の、公
知の水、低分子ポリオール、ポリアミン等が含まれる。
本発明に用いられる脂肪族ポリカーボネートと共に、本
発明の効果を損なわない範囲で、ポリウレタンの用途に
応じて、公知のポリオールを併用してもよい。公知のポ
リオールとして、今井嘉夫、ポリウレタンフオーム高分
子刊行会1987年第12〜23ページに記載の公知の
ポリエステル、ポリエーテルカーボネート等のポリオー
ルがある。
常分子量が300以下のジオールが用いられる。例え
ば、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ペンタメチレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、デカメチレングリコール等の脂肪族ジオールが挙げ
られる。
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロ
デカンジメタノール等の脂環式ジオール、キシリレング
リコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス
(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、ビス[4(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、
1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニ
ル]シクロヘキサン等、が挙げられる。好適には、エチ
レングリコール、1,4−ブタンジオールが用いられ
る。
する方法としては、ポリウレタン業界で公知のウレタン
化反応の技術が用いられる。例えば、該ポリオールと有
機ポリイソシアネートを常温から200℃で反応させる
ことにより、NCO末端のポリウレタンプレポリマーが
生成する。
び必要に応じて鎖延長剤を用いて、熱可塑性のポリウレ
タンエラストマーを製造する事が出来る。これらの製造
に於いては三級アミンや錫、チタンなどの有機金属塩等
に代表される公知の重合触媒「例えば、吉田敬治著(ポ
リウレタン樹脂)日本工業新聞社刊第23−32頁(1
969年)に記載」を用いる事も可能である。又、これ
らの反応を溶媒を用いておこなってもよく、好ましい溶
剤として、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テ
トラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、ジオキサ
ン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、エチルセ
ルソルブ等がある。
造に当り、イソシアネート基に反応する活性水素を一つ
だけ含有する化合物、例えばエチルアルコール、プロピ
ルアルコール等の一価アルコール、及びジエチルアミ
ン、ジnプロピルアミン等の二級アミン等を末端停止剤
として使用することができる。
用したポリウレタンエラストマーは、他のポリウレタン
エラストマーに比べて、柔軟性、弾性回復に優れるばか
りではなく、耐加水分解性が極めて良好であるため、常
時手に触れるエラストマー部材に使用した場合、耐汗性
が優れるのため好適である。
ック共重合体を構成するビニル芳香族化合物としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、p−第三ブチルスチレンなどのうちから1種または
2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。水添
ブロック共重合体中のビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックAは水添ブロック共重合体の10〜50
重量%、好ましくは15〜40重量%である。重合体ブ
ロックAが共重合体の10重量%未満では、エラストマ
ー組成物の強度、耐熱性が低下するので好ましくない。
一方、重合体ブロックAが共重合体の50重量%を超え
るとエラストマー組成物の耐スクラッチ性、柔軟性が低
下し、また成形加工性、低温特性が低下するので好まし
くない。
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種ま
たは2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イソプレ
ン及びこれらの組合わせが好ましい。そして水素添加さ
れる前の共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶこ
とができ、例えば、ポリブタジエンブロックの場合にお
いては、1,2−ビニル結合構造が20〜50重量%、
好ましくは25〜45重量%であり、ポリイソプレンブ
ロックにおいては1,4−ビニル結合が80重量%以
上、好ましくは90重量%以上である。
平均分子量は30000〜400000,好ましくは5
0000〜300000、さらに好ましくは60000
〜250000である。水添ブロック共重合体の数平均
分子量が30000未満ではエラストマー組成物の強
度、耐熱性が低下し好ましくない。一方、水添ブロック
共重合体の数平均分子量が400000を超えるとエラ
ストマー組成物の成形加工性(流動性)が低下し、また
成形品の外観が悪化する(フローマークの発生)ので好
ましくない。
平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(M
w/Mn)]は5以下、好ましくは2以下、さらに好ま
しくは1.5以下である。分子量分布が5を超えるとエ
ラストマー組成物の強度、耐熱性が十分でなく好ましく
ない。
は、たとえばGPC(Gel Permeation
Cromatograpy)法により測定される。GP
C分析では標準ポリスチレンで作成した検量線を用い分
子量を計算することができる。
は少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とする重
合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化合物
を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重
合体を水素添加してなるブロック共重合体であり、例え
ば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A
−B−A、B−A−B−A−B、(A−B)4−Si、
(B−A−B)4−Si、(A−B)3−Si−R、(A
−B)2−Si−R、R’、等の構造を有する。(但
し、式中R、R’はC1〜C8のアルキル基、アルコキ
シル基またはハロゲン残基であり、R、R’は同一でも
異なっていても良い。)
る水添ブロック共重合体のビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにおけ
るビニル芳香族化合物または共役ジエン化合物の分布が
ランダムまたはテーパード(分子鎖にそってモノマー成
分が増加または減少するもの)または一部ブロック状ま
たはこれらの任意の組み合わせであってもよく、また重
合体ブロックAおよびBがそれぞれ2個以上ある場合
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
よく、異なる構造であってもよい。
を有するものであれば、その製造方法を制限するもので
はなく、例えば、特公昭40−23798号公報に記載
された方法により、リチウム触媒を用いて不活性溶媒中
で水素添加前のビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物
ブロック共重合体を合成することができる。
公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公
報、特開昭60−220147号公報、特開昭61−3
3132号公報あるいは特開昭62−207303号公
報の方法が挙げられる。その際の共役ジエン化合物に由
来する脂肪族二重結合は、少なくとも80%、好ましく
は90%以上が水素添加され、一方ビニル芳香族化合物
の20%未満、好ましくは10%未満が水素添加される
ように選択される。上記水素添加ブロック共重合体の水
素添加率については、赤外線分光分析や核磁気共鳴分析
により容易に知ることができる。
成分(B)の水添ブロック共重合体の配合量は、ポリウ
レタンエラストマー成分(A)100重量部に対し、1
0〜900重量部、好ましくは20〜400重量部、さ
らに好ましくは50〜200重量部である。成分(B)
の水添ブロック共重合体の配合量が900重量部を越え
ると耐スクラッチ性、耐熱性が低下し、また低温特性が
悪化するので好ましくない。また、成分(B)の水添ブ
ロック共重合体の配合量が10重量部未満では、熱可塑
性エラストマー組成物の成形外観が悪化し(フローマー
クが発生する)、また高比重となるので好ましくない。
必要に応じてポリオレフィン系樹脂を添加することがで
きる。具体的に添加できるポリオレフィン系樹脂として
はポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等があげられ
る。ポリエチレン樹脂としては低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレ
ンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体等があ
げられる。エチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンと
の共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとして
はプロピレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1等があげられる。また、α−オレフィンの割合は3
0重量%以下のものが用いられる。
単独重合体またはプロピレンと炭素数2〜8のα−オレ
フィンとの共重合体である(以下プロピレン系樹脂と略
記する)。プロピレンと炭素数2〜8のα−オレフィン
との共重合体の場合、共重合体中のα−オレフィンとし
てはエチレン、ブテン−1、イソブテン、ペンテン−
1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン
−1等があげられる。また、α−オレフィンの割合は3
0重量%以下のものが用いられる。これらのプロピレン
系樹脂は、従来公知の方法で合成することができ、例え
ばチーグラー・ナッタ型触媒を用いて合成されるプロピ
レン単独重合体、またはランダムあるいはブロックのプ
ロピレンとα−オレフィンとの共重合体があげられる。
とも酸化防止剤、光安定剤及び熱安定剤が用いられるこ
とが望ましい。これらの酸化防止剤としては燐酸、亜燐
酸、の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステ
ルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネー
ト、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、
ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化
合物;フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化
合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベン
ズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピ
オン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレー
ト、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用い
ることができる。
せて用いても構わない。これら安定剤の添加量はポリウ
レタンエラストマー100重量部に対し、0.01〜5
重量部、好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましく
は0.2〜2重量部が望ましい。通常、酸化防止剤は一
次、二次、三次老化防止剤に分けることが出来る。特に
一次老化防止剤としてのヒンダードフェノール化合物と
してはIrganox1010(商品名:チバガイギー
社製)、Irganox1520(商品名:チバガイギ
ー社製)等が好ましい。二次老化防止剤としての燐系化
合物はPEP−36、PEP−24G、HP−10(い
ずれも商品名:旭電化(株)製)Irgafos168
(商品名:チバガイギー社製)が好ましい。さらに三次
老化防止剤としての硫黄化合物としてはジラウリルチオ
プロピオネート(DLTP)、ジステアリルチオプロピ
オネート(DSTP)等のチオエーテル化合物が好まし
い。
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系化合物等が挙げら
れる。光安定剤としてはヒンダードアミン化合物のよう
なラジカル捕捉型光安定剤が好適に用いられる。
剤の添加を行なっても良い。かかる軟化剤の例としてジ
オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフ
タレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチル
ヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウン
デシルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル
酸エステル類:トリクレジルホスフェート、トリエチル
ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エ
チルヘキシルホスフェート、トリメチルヘキシルホスフ
ェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−
ジクロロプロピルホスフェート等の燐酸エステル類:ト
リメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソデ
シルエステル、トリメリット酸エステル類、ジペンタエ
リスリトールエステル類、ジオクチルアジペート、ジメ
チルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、
ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、ジ−2
−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノケ
ート等の脂肪酸エステル類:ピロメリット酸オクチルエ
ステル等のピロメリット酸エステル:エポキシ化大豆
油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエ
ステル等のエポキシ系可塑剤:アジピン酸エーテルエス
テル、ポリエーテル等のポリエーテル系可塑剤:液状N
BR、液状アクリルゴム、液状ポリブタジエン等の液状
ゴム:非芳香族系炭化水素油等を挙げることが出来る。
素油であり、得られる組成物の柔軟性、加工性を改良す
る効果を有している。非芳香族系炭化水素油としては一
般に知られているパラフィン系オイルおよびナフテン系
オイルを使用することができるが、なかでも芳香族環成
分が10重量%以下のパラフィン系オイルが好ましい。
マー100重量部に対し、0〜200重量部、好ましく
は5〜100重量部である。炭化水素油の配合量が20
0重量部を超えるとエラストマー組成物の耐スクラッチ
性、耐熱性が低下するので好ましくない。
剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤等
を添加しても良い。無機充填剤としては、例えば炭酸カ
ルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸
バリウム、けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、
カーボンブラック等が挙げられる。
硬さは好ましくは10〜70、さらに好ましくは20〜
50の範囲である。ショアD硬さが10未満では、耐熱
性、耐スクラッチ性が劣るので好ましくない。また、シ
ョアD硬さが70を越えると、得られる低温性能、ソフ
ト感が不足するので好ましくない。
ルトフローレート(230℃、2.16kg加重の値、
以下MFRと略記)は0.5〜100g/10分、好ま
しくは5〜50g/10分、さらに好ましくは10〜3
0g/10分である。MFRが0.5g/10分未満で
は、射出成形性に劣り、ショートショットとなってしま
うので好ましくない。また、MFRが100g/10分
を越えると、機械物性(破断強度、破断伸び等)や摩耗
性、等に劣るばかりではなく、低温性能も悪化するので
好ましくない。
造する方法としては、重合体成分をブレンドする為に従
来技術で知られているいかなる方法を使用しても良い。
最も均質なブレンド物を得るためには、通常使われてい
るミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサーお
よび押出機のような各種の混練機を使用して溶融混練す
る方法が望ましい。溶融混練する前に、これらの配合物
をヘンシェルミキサー、タンブラー、リボンブレンダー
のような混合機を用いて予めドライブレンドし、該混合
物を溶融混練することにより均質なエラストマー組成物
が得られる。
としては、射出成形、押出成形、圧縮成形等が適応可能
であるが、特に射出成形時の成形性に優れるという特長
を有する。射出成形を行う場合は、通常のプラスチック
の成形機を用いることができ、短時間で射出成形品を得
ることができる。また、本エラストマー組成物は熱安定
性に優れるため、スプルー部およびランナー部のリサイ
クルが可能であるという長所を有する。
種の評価方法に用いられた試験法は以下の通りである。 (1)ショアD硬さ[−]:ASTM D2240、D
タイプ、23℃で測定。 (2)メルトフローレイト(MFR)[g/10分]:
ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重に
て測定した。 (3)引張強さ[kgf/cm2]:JIS K625
1、3号ダンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用
いた。(4)伸び[%]:JIS K6251、3号ダ
ンベル、試料は2mm厚のプレスシートを用いた。 (5)反撥弾性[%]:JIS K6255、リュプケ
振子式、23℃ (6)脆化温度[℃]:JIS K6261、ゲーマン
ねじり試験、t100温度
出成形にて平滑な表面の平板を成形した。平板を水平に
置き、荷重40g/cm2を加えた綿布を置き、200
回往復させた。その摩擦面の光沢度をJISK7105
の方法で測定し(E1)、摩擦前の光沢度(E0)から
の保持率;(E1/E0)×100(%)を求めた。
ボ(梨地、エッジング深さ約20ミクロン)の平板を成
形した。平板を100℃のオーブン中に168時間放置
した。オーブンから取り出した後、目視にて表面状態を
観察し、変化の無いものを○、若干光沢の出たものを
△、光沢の出たものを×とした。
150mm、幅100mm、厚み2mmの平板を下記の
条件にて成形した(ゲート;10×2mm断面のサイド
ゲート)。その成形体を目視にてフローマーク、艶等の
外観を観察し、良好なものを○、やや不良なものを△、
不良なものを×とした。シリンダー温度C1:200
℃、C2:210℃、C3:210℃、ノズル温度:2
00℃、射出速度:低速、金型温度:40℃
に平板を成形した。目視にてゲート部に剥離現象が発生
したものを不良、剥離現象が認められなかった場合を良
好とした。
メチルアルコール500cc、尿素1g、乳酸4g、蒸
留水500cc)に常温にて30日間浸漬した。試験片
を取り出し、磨耗試験を行った後の外観(JIS K7
204磨耗輪による試験後の外観)を3等級で評価し
た。 3;磨耗輪による傷が全く認められない 2;磨耗輪による傷がわずかに認められる 1;磨耗輪による傷が明らかに認められる
成分は以下のとおりである。 成分(A);ポリウレタンエラストマー 脂肪族コポリカーボネートジオールの合成方法を下記に
参考例として示す。
300mmの蒸留塔及び温度計、攪拌機付きの3リット
ルフラスコに、エチレンカーボネート(EC)970g
(11モル)、1,6−ヘキサンジオール(HDL)6
50g(5.5モル)、1,5−ペンタンンジオール
(PDL)570g(5.5モル)を加え20torr
の減圧下に加熱攪拌し、内温が150℃になるようにコ
ントロールした。蒸留塔の塔頂より共沸組成のECとエ
チレングリコール(以下EGと略す)を溜出させながら
20時間反応を行った。次に蒸留塔を取り外して、減圧
度を7torrにして、未反応のECとジオールを回収
した。未反応物の溜出の終了後に内温を190℃にし、
その温度を保ったままジオールを溜出させることにより
自己縮合反応を行い分子量を上昇させた。4時間後、G
PC分析により分子量2000のポリマーを得た。収量
は740gであり水酸基価は56mgKOH/gであっ
た。このポリマーをpc−aと略す。
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール
を用い、表1に示した各量とした以外は、参考例1と同
様な方法で脂肪族コポリカーボネートジオール(pc−
b、pc−c)を得た。各々の分子量を表1に示す。
および評価方法は以下のとおりである。 1.ポリウレタンエラストマー(以下TPUと略記)成
分 成分(A)−1(TPU−1):参考例1で得たpc−
a200g、ヘキサメチレンジイソシアネート67.2
gを攪拌装置、温度計、冷却管の付いた反応器に仕込
み、100℃で4時間反応し末端NCOのプレポリマー
を得た。該プレポリマーに鎖延長剤の1,4−ブタンジ
オール30g、触媒としてジブチルスズジラウリレート
0.006gを加えてニーダー内蔵のラボ用万能押出機
((株)笠松化工研究所製LABO用万能押出機KR−
35型)で140℃で60分反応後、押出し機にてペレ
ットとした。ウレタンエラストマーのショアD硬さは3
9、MFRは24であった。
ボネートジオールとしてpc−bを用いた以外は、TP
U−1の合成方法と同様に重合しウレタンエラストマー
を得た。得られたウレタンエラストマーのショアD硬さ
は40、MFRは20であった。
ボネートジオールとしてpc−cを用いた以外は、TP
U−1の合成方法と同様に重合しウレタンエラストマー
を得た。得られたウレタンエラストマーのショアD硬さ
は43、MFRは23であった。
ボネートジオールの替わりに、ポリカプロラクトンポリ
オール(ダイセル製、プラクセル220、分子量2,0
00)を用いた以外は、TPU−1の合成方法と同様の
方法で合成した。得られたウレタンエラストマーのショ
アD硬さは45、MFRは27であった。
ラン E190(日本ミラクトラン社製、MDI/アジ
ペート系TPU)、ショアD硬さ45、MFR;28
子量分布1.10、結合スチレン量18重量%、水素添
加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が38
重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレ
ン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共
重合体を特開昭60−220147号公報に記載された
方法により合成した。
0、分子量分布1.13、結合スチレン量23重量%、
水素添加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量
が36重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%の
スチレン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロ
ック共重合体を特開昭60−220147号公報に記載
された方法により合成した。
子量分布1.1、結合スチレン量25重量%、水素添加
前のポリイソプレン部の1,4−結合量が94重量%、
3,4−結合量が6重量%、ポリイソプレン部の水素添
加率99%のスチレン/イソプレンブロック共重合体の
水素添加ブロック共重合体を特開昭60−220147
号公報に記載された方法により合成した。
分子量分布1.2、結合スチレン量30重量%、水素添
加前のポリブタジエン部の1,2−ビニル結合量が37
重量%、ポリブタジエン部の水素添加率99%のスチレ
ン/ブタジエンブロック共重合体の水素添加ブロック共
重合体を特開昭60−220147号公報に記載された
方法により合成した。
2、(A)−3を用い、水添ブロック共重合体として
(B)−1、(B)−2、(B)−3を用い、表2、お
よび表3に示した各割合にてヘンシェルミキサーでブレ
ンドした後、45mm径の同方向二軸押出機にて220
℃の条件で溶融混練しエラストマー組成物のペレットを
得た。物性および成形成形加工性の結果を表2および表
3に示した。
添ブロック共重合体として(B)−4を用い、さらにポ
リプロピレン(日本ポリオレフィン(株)製、ブロック
PP、MK711、MFR;30)、非芳香族炭化水素
油(出光興産(株)製、ダイアナプロセスオイルPW3
80)を用い、表4に示した各割合にてヘンシェルミキ
サーでブレンドした後、45mm径の同方向二軸押出機
にて220℃の条件で溶融混練しエラストマー組成物の
ペレットを得た。物性および成形成形加工性の結果を表
4に示した。
4、(A)−5を用い、水添ブロック共重合体(B)−
2を用い表5に示した各割合にて、実施例1の方法と同
様に混練し評価した。結果を表5に示した。この結果か
ら本発明の範囲外の組成物はいずれかの物性が悪いこと
が明らかである。
成物は、耐傷付き性、強度、耐熱性、柔軟性、成形加工
性に優れるため、自動車部品、家電部品、玩具、雑貨等
の分野で好適に利用することができるが、特に耐傷付き
性に優れるため製品外観を必要とするインパネ、アーム
レスト、ハンドル、ホーンパッド等の自動車内装部品や
ウインドモール、バンパー等の自動車内、外装部品に好
適に使用することができる。また、成形品表面の耐傷付
き性、成形加工性に優れるため、従来必要であった塗装
工程をなくすことができるので、高生産性、低コストが
実現される。
Claims (3)
- 【請求項1】 次の(A)および(B)成分からなる熱
可塑性エラストマー組成物。 (A)下記(a)、(b)及び必要に応じて(c)成分
を共重合してなるポリウレタンエラストマー:100重
量部 (a)下記式(1)の繰り返し単位からなり、末端基が
水酸基であるポリカーボネートジオール(但し、式中R
は炭素数2〜10の脂肪族または脂環族炭化水素基を表
す)。 【化1】 (b)ポリイソシアネート (c)ポリイソシアネートと反応しうる活性水素を2個
有する鎖延長剤 (B)少なくとも1個のビニル芳香族化合物を主体とす
る重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体を水素添加してなるブロック共重合体で、数平
均分子量が30000〜400000であり、重合体ブ
ロックAが共重合体の10〜50重量%を構成する水素
添加ブロック共重合体: 10〜900重量部 - 【請求項2】 ポリカーボネートジオールが、下記式
(2)、及び(3)の繰り返し単位からなり、末端基が
水酸基である脂肪族ポリカーボネートジオールを含み、
上記(2)と(3)の割合が(2)/(3)=10/9
0〜90/10(モル比)であることを特徴とする高分
子ポリオール(但し、式中nは4および/または5の整
数)であることを特徴とする、請求項2記載の熱可塑性
エラストマー組成物。 【化2】 【化3】 - 【請求項3】 ビニル芳香族化合物がスチレンであり、
共役ジエン化合物がブタジエンまたはイソプレンもしく
はそれらの組み合わせであることを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載のエラストマー組成物。
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