JP2003342467A - 熱可塑性エラストマー樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー樹脂組成物

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JP2003342467A
JP2003342467A JP2002157127A JP2002157127A JP2003342467A JP 2003342467 A JP2003342467 A JP 2003342467A JP 2002157127 A JP2002157127 A JP 2002157127A JP 2002157127 A JP2002157127 A JP 2002157127A JP 2003342467 A JP2003342467 A JP 2003342467A
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thermoplastic elastomer
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resin composition
rubber
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JP2002157127A
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Naganori Masubuchi
長則 増渕
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Riken Technos Corp
Original Assignee
Riken Technos Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性、柔軟性、耐艶むら性に優れたウ
レタン系熱可塑性エラストマーを主体とする熱可塑性エ
ラストマー樹脂組成物及びその成形体の提供。 【解決手段】 (A)ウレタン系熱可塑性エラストマー
55〜95重量%、(B)エチレンと(メタ)アクリル
酸またはその塩との共重合体1〜20重量%、及び
(C)極性基含有熱可塑性エラストマー組成物4〜40
重量%を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマ
ー樹脂組成物およびその成形体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物及びその成形体に関し、特に、ウレタン
系熱可塑性エラストマーを含有する熱可塑性エラストマ
ー樹脂組成物及びその成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴム弾性を有する軟質材料であっ
て、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様な成形
加工性及びリサイクルが可能な熱可塑性エラストマー
が、自動車部品、家電部品、電線被覆、医療用部品、履
物、雑貨等の分野で多用されている。
【0003】上記熱可塑性エラストマーとしては、ウレ
タン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポ
リ塩化ビニル系樹脂等が開発され、市販されている。
【0004】これらの中で、ウレタン系熱可塑性エラス
トマーは、耐傷付き性、耐油性、耐熱性、耐摩耗性等に
優れる熱可塑性エラストマーであるが、硬度が80(H
DA)程度までであり、柔軟性に限界があった。また、
粘度低下の温度・剪断依存性が極めて大きいこととダイ
スウェル比が小さいことから、射出成形等で肉厚製品を
成形すると成形品表面の艶むらが生ずるという欠点を有
していた。
【0005】従来、ウレタン系熱可塑性エラストマーを
改質する方法として、特開平6−65467号公報及び
特開平6−107898号公報には、ウレタン系熱可塑
性エラストマーとスチレン系ブロック共重合体及び/又
はその水素添加物とを溶融ブレンドした樹脂組成物が、
特開平3−234745号、同3−234755号、同
5−171003号、同7−126474号の各公報に
は、ウレタン系熱可塑性エラストマーとカルボン酸基又
はその誘導体基を含有する水添スチレン系ブロック共重
合体からなる樹脂組成物が、特開平2−97554号公
報には、ウレタン系熱可塑性エラストマーとエポキシ基
又はその誘導体基を含有する水添スチレン系ブロック共
重合体からなる樹脂組成物が開示されている。しかしな
がら、これらの樹脂組成物は、ある程度の耐磨耗性及び
柔軟性が得られるものの、自動車部品のパーキングブレ
ーキ、アシストブリップ、工具類のグリップ類等の肉厚
変化の大きい製品を射出成形すると、艶むらが発生する
という問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、成形加工性、柔軟性、耐艶むら性に優れたウレ
タン系熱可塑性エラストマーを主体とする熱可塑性エラ
ストマー樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意検討を行った結果、ウレタン系熱可塑性
エラストマーに特定量のエチレンと(メタ)アクリル酸
またはその塩との共重合体及び極性基含有熱可塑性エラ
ストマー組成物を同時に配合することにより、ウレタン
系熱可塑性エラストマーの耐磨耗性、耐薬品性を損なう
ことなく、ひけを改良し、冷却時間を短縮することので
きる成形性を付与、柔軟性を付与、及び耐艶むら性を付
与することができる熱可塑性エラストマー樹脂組成物が
得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明の第1の発明は、(A)
ウレタン系熱可塑性エラストマー55〜95重量%、
(B)エチレンと(メタ)アクリル酸またはその塩との
共重合体1〜20重量%、及び(C)極性基含有熱可塑
性エラストマー組成物4〜40重量%を含有することを
特徴とする熱可塑性エラストマー樹脂組成物である。 (ただし、(A)+(B)+(C)=100重量%)
【0009】また、本発明の第2の発明は、(A)ウレ
タン系熱可塑性エラストマーの硬度が、90A以下であ
ることを特徴とする第1の発明に記載の熱可塑性エラス
トマー樹脂組成物である。
【0010】また、本発明の第3の発明は、(B)エチ
レンと(メタ)アクリル酸またはその塩との共重合体
が、エチレン系アイオノマー樹脂であることを特徴とす
る第1又は2の発明に記載の熱可塑性エラストマー樹脂
組成物である。
【0011】また、本発明の第4の発明は、(C)極性
基含有熱可塑性エラストマーが、ゴム状弾性体にカルボ
キシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミノ基、ヒド
ロキシル基、グリシジル基及びオキサゾリル基よりなる
群から選ばれる少なくとも一種の極性基を含有するエラ
ストマーであることを特徴とする第1〜3のいずれかの
発明に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物である。
【0012】また、本発明の第5の発明は、(C)極性
基含有熱可塑性エラストマーが、(a)ゴム状弾性体、
(b)カルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、ア
ミノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基及びオキサゾリ
ル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の極性基を
含有する化合物、及び(c)有機パーオキシドを含む組
成物を溶融混練してなるエラストマー組成物であること
を特徴とする第1〜4のいずれかの発明に記載の熱可塑
性エラストマー樹脂組成物である。
【0013】また、本発明の第6の発明は、(a)ゴム
状弾性体が、(a−1)芳香族ビニル化合物から主とし
て作られる少なくとも1つの重合体ブロックAと、共役
ジエン化合物から主として作られる少なくとも1つの重
合体ブロックBとからなるブロック共重合体及び/又は
これを水素添加して得られる水添ブロック共重合体、及
び/又は(a−2)エチレン系共重合体(ゴム)である
ことを特徴とする第5の発明に記載の熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物である。
【0014】また、本発明の第7の発明は、(a−1)
が、芳香族ビニル化合物含有量が50重量%以下であ
り、数平均分子量(Mn)が5,000〜1,500,
000であり、かつ多分散度(Mw/Mn)が10以下
であるブロック共重合体及び/又はその水素添加物であ
ることを特徴とする第6の発明に記載の熱可塑性エラス
トマー樹脂組成物である。
【0015】また、本発明の第8の発明は、(a−1)
が、スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体の水添物及び/又はスチレン−イソプレン
−スチレンブロック共重合体の水添物であって、そのオ
レフィン性不飽和結合の少なくとも60%が水素添加さ
れていることを特徴とする第6又は7の発明に記載の熱
可塑性エラストマー樹脂組成物である。
【0016】また、本発明の第9の発明は、(a−2)
が、エチレン−α−オレフィン共重合体であることを特
徴とする第6〜8のいずれかの発明に記載の熱可塑性エ
ラストマー樹脂組成物である。
【0017】また、本発明の第10の発明は、(a−
2)が、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン
−ブテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン
共重合体ゴム、シングルサイト触媒を用いて合成したエ
チレン−α−オレフィン共重合体よりなる群から選ばれ
る少なくとも一種のゴム状弾性体であることを特徴とす
る第6〜9のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物である。
【0018】また、本発明の第11の発明は、(b)
が、(b−1)不飽和カルボン酸及び/又はその誘導
体、(b−2)末端水酸基含有液状ポリブタジエン、及
び(b−3)不飽和グリシジル化合物及び/又はその誘
導体からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物で
あることを特徴とする第5〜10のいずれかの発明に記
載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物である。
【0019】また、本発明の第12の発明は、(C)極
性基含有熱可塑性エラストマーが、(a)ゴム状弾性体
100重量部に対して、(b−1)不飽和カルボン酸
及び/又はその誘導体 0.01〜15重量部、(b−
2)末端水酸基含有液状ポリブタジエン 1〜30重量
部、及び(b−3)不飽和グリシジル化合物及び/又は
その誘導体 0.01〜15重量部からなる群から選ば
れる少なくとも一種の化合物、及び(c)有機パーオキ
シド 0.01〜3.5重量部を含有する組成物を溶融
混練してなることを特徴とする第4〜11のいずれかの
発明に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物である。
【0020】また、本発明の第13の発明は、(C)極
性基含有熱可塑性エラストマーが、(a)ゴム状弾性体
100重量部に対して、さらに、(d)非芳香族系のゴ
ム用軟化剤 20〜240重量部、(e)パーオキシド
分解型オレフィン系樹脂5〜100重量部、及び(f)
パーオキシド架橋型オレフィン系樹脂0〜100重量部
を含有するエラストマー組成物であることを特徴とする
第5〜12のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物である。
【0021】また、本発明の第14の発明は、第1〜1
3のいずれかの発明に記載の熱可塑性エラストマー樹脂
組成物からなる成形体である。
【0022】また、本発明の第15の発明は、第14の
発明に記載の成形体からなる自動車内装部品である。
【0023】また、本発明の第16の発明は、第14の
発明に記載の成形体からなるグリップ類である。
【0024】また、本発明の第17の発明は、第14の
発明に記載の成形体からなるアームレスト類である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明を構成する成分、製造方
法、用途について以下に詳細に説明する。
【0026】1.熱可塑性エラストマー樹脂組成物の構
成成分 本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、ウレタン
系熱可塑性エラストマー(A)、エチレンと(メタ)ア
クリル酸またはその塩との共重合体(B)、極性基含有
熱可塑性エラストマー組成物(C)、必要に応じて、
(D)無機充填剤を含有する熱可塑性エラストマー樹脂
組成物である。
【0027】(1)ウレタン系熱可塑性エラストマー
(A) 本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物で用いるウレ
タン系熱可塑性エラストマー(TPU)成分(A)は、
一般に、ポリオール、ジイソシアネート、および鎖延長
剤から調製される。ポリオールとしては、ポリエステル
ポリオール、ポリエステルエーテルポリオール、ポリカ
ーボネートポリオールおよびポリエーテルポリオールが
挙げられる。
【0028】ここで、ポリエステルポリオールとして
は、脂肪族ジカルボン酸、例えば、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、及びアゼライン酸等、芳香族ジカルボ
ン酸、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、及びナフタレンジカルボン酸等、脂環族ジカルボン
酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロテレ
フタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等、又は、こ
れらの酸エステル、もしくは酸無水物と、エチレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,3−オクタンジオ
ール、1,9−ノナンジオール等、もしくは、これらの
混合物との脱水縮合反応で得られるポリエステルポリオ
ール;ε−カプロラクトン等のラクトンモノマーの開環
重合で得られるポリラクトンジオール等が挙げられる。
【0029】また、ポリカーボネートポリオールとして
は、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ジエチレングリコール等の多価アルコールの1種ま
たは2種以上とジエチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート等とを反応させて得ら
れるポリカーボネートポリオールが挙げられる。また、
ポリカプロラクトンポリオール(PCL)とポリヘキサ
メチレンカーボネート(PHL)との共重合体であって
も良い。
【0030】さらに、ポリエステルエーテルポリオール
としては、脂肪族ジカルボン酸、例えば、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、及びアゼライン酸等、芳香族ジ
カルボン酸、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸、及びナフタレンジカルボン酸等、脂環族ジカル
ボン酸、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ
テレフタル酸、及びヘキサヒドロイソフタル酸等、また
はこれらの酸エステル、もしくは酸無水物と、ジエチレ
ングリコール、もしくはプロピレンオキサイド付加物等
のグリコール等、又は、これらの混合物との脱水縮合反
応で得られる化合物が挙げられる。
【0031】さらにまた、ポリエーテルポリオールとし
ては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テ
トラヒドロフラン等の環状エーテルをそれぞれ重合させ
て得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、
及び、これらのコポリエーテルが挙げられる。
【0032】上記の各種ポリオールのうち、耐加水分解
性の点からポリエーテルポリオールが好ましい。
【0033】上記イソシアネートとしては、例えば、ト
リレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフ
チレンジイソシアネート(NDI)、トリジンジイソシ
ネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(H
DI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キ
シリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、ト
リイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート(TMXDI)、1,6,11−ウンデカントリイ
ソシアネート、1,8−ジイソシアネートメチルオクタ
ン、リジンエステルトリイソシアネート、1,3,6−
ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタン
トリイソシアネート等が挙げられる。なかでも、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水素添加M
DI;HMDI)が好ましく用いられる。
【0034】上記鎖延長剤としては、低分子量ポリオー
ルが使用され、例えば、エチレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、ジエチレングリコール、1,4−シ
クロヘキサンジメタノール、グリセリン等の脂肪族ポリ
オール、及び、1,4−ジメチロールベンゼン、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイドも
しくはプロピレンオキサイド付加物等の芳香族グリコー
ルが挙げられる。
【0035】なお、ウレタン系熱可塑性エラストマー
は、ショアA90以下であることが好ましい。
【0036】具体的な市販品としては、エステル(ラク
トン)系ポリウレタン共重合体として、C80A10
(武田バーディッシュ社製)、C80A50(武田バー
ディッシュ社製)、エステル(アジペート)系ポリウレ
タン共重合体として、T−5000V(ディーアイシー
バイエルポリマー社製)、TR−3080(ディーアイ
シーバイエルポリマー社製)、エーテル系ポリウレタン
共重合体として、1180A50(武田バーディッシュ
社製)、T−8180(ディーアイシーバイエルポリマ
ー社製)、T−8283(ディーアイシーバイエルポリ
マー社製)等、エーテル・エステル系ポリウレタン共重
合体としてデスモパンDesKU2−88586(ディ
ーアイシーバイエルポリマー社製)等が挙げられ、これ
らは、単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
【0037】成分(A)の配合量は、成分(A)、成分
(B)及び成分(C)の合計を100重量%として、5
5〜95重量%であり、好ましくは55〜85重量%で
ある。配合量が55重量%未満では、耐摩耗性が悪化
し、95重量%を超えると、成形性が悪化し、柔軟性が
充分でなくなる。
【0038】(2)エチレンと(メタ)アクリル酸また
はその塩との共重合体(B) 本発明で用いるエチレンと(メタ)アクリル酸または
(メタ)アクリル酸の塩との共重合体は、エチレンと一
般式(I)で表される単量体との共重合体である。
【0039】
【化1】
【0040】一般式(I)中、Rは水素又はメチル基
を表し、MはLi、Na、K、Zn、Mg、Ag、C
u、Ca、Ba、Feなどの金属、炭素数1〜10個の
アルキル基又は水素を表す。
【0041】上記一般式(I)で表される単量体として
は、メタクリル酸金属塩、アクリル酸金属塩、メタクリ
ル酸エステル、アクリル酸エステル、メタクリル酸、ア
クリル酸等が挙げられる。中でもメタクリル酸金属塩が
好ましい。この共重合体は、高い反発弾性率を持つイオ
ン架橋結合を有するイオン性共重合体であって、具体的
にはエチレンとアクリル酸、又はメタクリル酸の如き不
飽和有機酸との共重合体であり、カルボキシル基の全部
又は一部が金属イオンにより中和又は架橋されているも
のが好ましい。また、一般式(I)におけるMは、N
a、Znが好ましく、共重合体としては、いわゆるアイ
オノマー樹脂が好ましい。
【0042】エチレンとの共重合体において、上記単量
体は3〜20重量%、特に4〜15重量%を占めること
が好ましい。メタクリル酸金属塩含量が3〜20重量
%、特に4〜15重量%のエチレン−メタクリル酸金属
塩共重合体が好ましい。上記単量体が3重量%未満で
は、ウレタン系熱可塑性エラストマーとの相容性が低下
し、耐磨耗性が低下、20重量%を超えると、硬度が高
くなり、柔軟性が低下する。また、上記共重合体は、
0.5〜15g/10分のメルトフローレート(JIS
K 6760に準処し、温度190℃、荷重21.1
8Nで測定)を有することが好ましい。ここで必要に応
じて、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−
オレフィン共重合体を配合することができ、3種以上の
樹脂の混合物を用いることもできる。
【0043】成分(B)の配合量は、成分(A)、成分
(B)及び成分(C)の合計を100重量%として、1
〜20重量%であり、好ましくは1〜15重量%であ
る。配合量が1重量%未満では、成形性の改良が不充分
となる。20重量%を超えると柔軟性が低下する。
【0044】(3)極性基含有熱可塑性エラストマー
(C) 本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物で用いる極性
基含有熱可塑性エラストマー成分(C)は、ゴム状弾性
体にカルボキシル基、カルボニル基、酸無水物基、アミ
ノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基及びオキサゾリル
基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の極性基を含
有するエラストマーである。
【0045】成分(C)としては、(a)ゴム状弾性
体、(b)カルボキシル基、カルボニル基、酸無水物
基、アミノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基及びオキ
サゾリル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の極
性基を含有する化合物、及び(c)有機パーオキシドを
含む組成物を溶融混練して得られる極性基含有熱可塑性
エラストマーが好ましく、さらに、必要に応じて、下記
の(d)非芳香族系のゴム用軟化剤、(e)パーオキシ
ド分解型オレフィン系樹脂、(f)パーオキシド架橋型
オレフィン系樹脂、(g)エステル系架橋助剤等を加え
た組成物を溶融混練して得られる極性基含有熱可塑性エ
ラストマーが好ましい。
【0046】上記(a)ゴム状弾性体としては、天然ゴ
ム、ジエン系合成ゴム、非ジエン系合成ゴム等のゴム状
弾性を有する全ての物質を使用し得る。例えば、天然ゴ
ム(NBR);ジエン系ゴム、例えば、ポリイソプレン
ゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロ
ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム
(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、スチ
レン−ブタジエン−スチレンゴム(SBS)、水素添加
スチレン−ブタジエンゴム(H−SBR)、スチレン−
エチレン・ブテン−スチレンゴム(SEBS)、スチレ
ン−イソプレン・ブタジエン−スチレンゴム(SIB
S)、水素添加スチレン−イソプレン・ブタジエン−ス
チレンゴム(SEEPS)、部分水素添加スチレン−ブ
タジエン−スチレンゴム(SBBS)、スチレン−イソ
プレン−スチレンゴム(SIS)、共役ジエン化合物ブ
ロック共重合体の水素添加物;ブタジエンのブロック共
重合体を水素添加して得られる結晶性エチレンブロック
と非晶性エチレン−ブテンブロックを有するブロック共
重合体(CEBC)、ABS等;非ジエン系ゴム、例え
ば、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−
ブテンゴム(EBR)、エチレン−プロピレン非共役ジ
エンゴム(EPDM);及びメタロセン触媒を用い合成
したエチレン−α−オレフィン共重合体、アクリル系ゴ
ム(ACM、ANM)、フッ素系ゴム、ポリエステル系
(共)重合体(エラストマー)、ポリアミドポリエステ
ル系(共)重合体(エラストマー)等が挙げられる。
【0047】上記(a)ゴム状弾性体の内では、(a−
1)芳香族ビニル化合物から主として作られる少なくと
も1つの重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主
として作られる少なくとも1つの重合体ブロックBとか
らなるブロック共重合体及び/又はこれを水素添加して
得られる水添ブロック共重合体、及び/又は(a−2)
エチレン系共重合体(ゴム)が好ましい。
【0048】上記(a−1)の芳香族ビニル化合物を主
体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも
1個とからなるブロック共重合体及水添ブロック共重合
体としては、例えば、A−B−A、B−A−B−A、A
−B−A−B−A等の構造を有する芳香族ビニル化合物
−共役ジエン化合物ブロック共重合体及びその水添物を
挙げることができる。
【0049】上記ブロック共重合体は、芳香族ビニル化
合物を5〜60重量%、好ましくは、20〜50重量%
含む。
【0050】芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブ
ロックAは、好ましくは、芳香族ビニル化合物のみから
なるか、または芳香族ビニル化合物50重量%以上、好
ましくは、70重量%以上と共役ジエン化合物との共重
合体ブロックである。
【0051】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBは、好ましくは、共役ジエン化合物のみからなる
か、または、共役ジエン化合物50重量%以上、好まし
くは、70重量%以上と芳香族ビニル化合物との共重合
体ブロックである。
【0052】ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)
は、好ましくは5,000〜1,500,000、より
好ましくは、10,000〜550,000、更に好ま
しくは100,000〜400,000の範囲であり、
多分散度(Mw/Mn)は10以下である。ブロック共
重合体の分子構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいは
これらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0053】また、これらの芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBにおいて、分子鎖中の共役ジエン化
合物又は芳香族ビニル化合物由来の単位の分布がランダ
ム、テーパード(分子鎖に沿ってモノマー成分が増加又
は減少するもの)、一部ブロック状又はこれらの任意の
組合せでなっていてもよい。芳香族ビニル化合物を主体
とする重合体ブロックA又は共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBがそれぞれ2個以上ある場合に
は、各重合体ブロックはそれぞれが同一構造であっても
異なる構造であってもよい。
【0054】ブロック共重合体を構成する芳香族ビニル
化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレン等のうち
から1種又は2種以上を選択でき、なかでもスチレンが
好ましい。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブ
タジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン等のうちから1種又は
2種以上が選ばれ、なかでもブタジエン、イソプレン及
びこれらの組合せが好ましい。
【0055】成分(a−1)のブロック共重合体水素添
加物にあって、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブ
ロックBにおいて、その水素添加率は任意であるが、好
ましくは50%以上、より好ましくは55%以上、更に
好ましくは60%以上である。また、そのミクロ構造
は、任意であり、例えば、ポリブタジエンブロックにお
いては、1,2−ミクロ構造が好ましくは20〜50重
量%、特に好ましくは25〜45重量%である。また、
1,2−結合を選択的に水素添加した物であっても良
い。ポリイソプレンブロックにおいてはイソプレンの好
ましくは70〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有
し、かつイソプレンに由来する脂肪族二重結合の好まし
くは少なくとも90%が水素添加されたものが好まし
い。
【0056】用途により水素添加したブロック共重合体
を使用する場合には、好ましくは上記水添物を用途に合
わせて適宜使用することが出来る。
【0057】上記ブロック共重合体及び水添ブロック共
重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン−スチ
レン共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチ
レン共重合体(SIS)等のブロック共重合体、スチレ
ン−エチレン・ブテン−スチレン共重合体(SEB
S)、スチレン−エチレン・プロピレン−スチレン共重
合体(SEPS)、スチレン−エチレン・エチレン・プ
ロピレン−スチレン共重合体(SEEPS;すなわちス
チレン−ブタジエン・イソプレン−スチレン共重合体の
水素添加物)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチ
レン共重合体(部分水添スチレン−ブタジエン−スチレ
ン共重合体、SBBS)等の水添ブロック共重合体を挙
げることができる。これらの内、特に、スチレン−イソ
プレン・ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水添
物及び/又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック
共重合体の水添物であって、そのオレフィン性不飽和結
合の少なくとも60%が水素添加されたものが好まし
い。
【0058】上記(a−2)エチレン系共重合体ゴム
は、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、エチレン
−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム等が挙げ
られる。α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が
挙げられ、非共役ジエンとしては、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メ
チレンノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン等を挙げることができる。これらの中では、エチレン
−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体
ゴム及びエチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
ゴムよりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム状弾
性体が好ましく、これらは、単独で用いても、組み合わ
せて用いてもよい。
【0059】(b)は、カルボキシル基、カルボニル
基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、グリシジ
ル基及びオキサゾリル基よりなる群から選ばれる少なく
とも一種の極性基を含有する化合物が好ましく、(b−
1)不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体、(b−
2)末端水酸基含有液状ポリブタジエン、及び(b−
3)不飽和グリシジル化合物及び/又はその誘導体から
なる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が特に好ま
しい。
【0060】上記(b−1)不飽和カルボン酸又はその
誘導体は、変性剤として使用されるものであり、好まし
くはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ジカルボ
ン酸又はその誘導体、例えば、酸、ハライド、アミド、
イミド、無水物、エステル誘導体等が挙げられる。特に
好ましくは無水マレイン酸(MAH)が用いられる。該
変性剤により、成分(a)、成分(e)のパーオキシド
分解型オレフィン系樹脂等が変性され、極性基を有する
樹脂との相溶性を向上させる。
【0061】成分(b−1)の配合量は、成分(a)1
00重量部に対して、0.01〜15重量部が好まし
く、より好ましくは0.1〜10重量部である。配合量
が15重量部を超えると、本願の熱可塑性エラストマー
樹脂組成物、特に成分(A)と成分(C)との相溶性を
改良する効果が認められなくなる。
【0062】上記(b−2)末端水酸基含有液状ポリブ
タジエンは、エラストマー組成物を溶融処理する際に、
主として(a)成分に有機過酸化物の存在下にグラフト
重合し、エラストマー組成物中の低分子量物のブリード
アウトの抑制効果を発揮すると同時に相溶性を向上させ
る。成分(b−2)は、主鎖の微細構造がビニル1,2
−結合型、トランス1,4−結合型、シス1,4−結合
型からなる、室温において透明な液状の重合体である。
ここで、ビニル1,2−結合は30重量%以下であるこ
とが好ましく、ビニル1,2−結合が30重量%を超え
ては、得られる熱可塑性エラストマー組成物の低温特性
が低下するため好ましくない。
【0063】また、末端水酸基含有液状ポリブタジエン
の数平均分子量は、1,000〜5,000が好まし
く、更に好ましくは2,000〜4,000である。数
平均分子量が1,000未満では、得られる熱可塑性エ
ラストマー組成物の耐熱変形性が低下し、5,000を
超えると、得られる熱可塑性エラストマー組成物の相溶
性が低下する。市販品としては、例えば、出光石油化学
株式会社製 R−45HT(登録商標)が挙げられる。
【0064】成分(b−2)の配合量は、添加する場合
は、成分(a)100重量部に対して、1〜30重量部
が好ましく、特に好ましくは3〜20重量部である。配
合量30重量部を超えると、得られる熱可塑性エラスト
マー樹脂組成物から軟化剤がブリードアウトしやすくな
る。配合量が1重量部未満では、本願の熱可塑性エラス
トマー樹脂組成物、特に成分(A)と(C)の相溶性の
改良効果が見られなくなる。
【0065】上記(b−3)不飽和グリシジル化合物又
はその誘導体は、変性剤として使用されるものであり、
好ましくは分子中にオレフィンと共重合し得る不飽和基
とグリシジル基とを有するグリシジル化合物が用いら
れ、特に好ましくはグリシジルメタクリレート(GM
A)が使用される。該変性剤により、成分(a)におけ
るブロック共重合体のソフト成分、共重合体ゴム成分、
さらには、必要に応じて配合されるパーオキシド架橋型
オレフィン系樹脂等の成分が変性され、極性基を有する
樹脂との相溶性が向上する。
【0066】成分(b−3)の配合量は、添加する場合
は、成分(a)100重量部に対して、0.01〜15
重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部
である。配合量が15重量部を超えると、本願熱可塑性
エラストマー組成物、特に成分(A)と(C)との相溶
性を改良する効果が認められなくなる。
【0067】上記(c)有機パーオキシドは、ラジカル
を発生せしめ、そのラジカルを連鎖的に反応させて、成
分(a)を架橋せしめる働きをする。また、同時に、必
要に応じて配合する他の成分を成分(a)にグラフト重
合させ、極性基含有樹脂との相溶性を向上させる働きを
する。成分(c)としては、例えば、ジクミルパーオキ
シド、ジ−tert−ブチルパーオキシド、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert
−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t
ert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3、
3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t
−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブ
チルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキシ
ド、p−クロロベンゾイルパーオキシド、2,4−ジク
ロロベンゾイルパーオキシド、tert−ブチルパーオ
キシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジアセチルパーオキシド、ラウロ
イルパーオキシド、tert−ブチルクミルパーオキシ
ド等を挙げることができる。これらのうちで、臭気性、
着色性、スコーチ安全性の観点から、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−ビス(t−ヘキ
シルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンが特に好ましい。
【0068】成分(c)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、0.01〜3.5重量部、好ましくは
0.05〜2.5重量部である。配合量が0.01重量
部未満では、架橋を十分達成できず、得られる極性基含
有熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性、耐油性が悪化
する。また、得られる極性基含有熱可塑性エラストマー
組成物と極性基を有する樹脂とのアロイ化物の成形性が
悪くなる。一方、3.5重量部を超えても、得られる極
性基含有熱可塑性エラストマーの機械特性、成形性が悪
化し、得られる熱可塑性エラストマー組成物の成形性が
悪くなる。
【0069】上記(d)非芳香族系のゴム用軟化剤は、
非芳香族系の鉱物油または液状もしくは低分子量の合成
軟化剤を挙げることができる。ゴム用として用いられる
鉱物油軟化剤は、芳香族環、ナフテン環およびパラフィ
ン鎖の三者の組み合わさった混合物であって、パラフィ
ン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものはパラ
フィン系、ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナ
フテン系、芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系
と呼ばれて区別されている。
【0070】本発明の成分(d)として用いられる鉱物
油系ゴム用軟化剤は、区分でパラフィン系およびナフテ
ン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その使用によ
り成分(a)が可溶となり、架橋反応を阻害し、得られ
る組成物の物性の向上が図れないので好ましくない。成
分(d)としては、パラフィン系のものが好ましく、更
にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少ないものが特
に適している。また、液状もしくは低分子量の合成軟化
剤としては、ポリブテン、水素添加ポリブテン、低分子
量ポリイソブチレン等が挙げられる。
【0071】これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状
は、37.8℃における動的粘度が20〜50,000
cSt、100℃における動的粘度が5〜1,500c
St、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が
170〜300℃を示すのが好ましい。さらに、重量平
均分子量が100〜2,000のものが好ましい。
【0072】成分(d)の配合量は、成分(a)がジエ
ン系ゴム、スチレン系ゴムの場合は、成分(a)100
重量部に対して、20〜240重量部であり、好ましく
は80〜200重量部、更に好ましくは100〜150
重量部である。配合量が240重量部を超えると、得ら
れる極性基含有熱可塑性エラストマー組成物から軟化剤
がブリードアウトしやすく、剥離や変形及びフローマー
クが成形品に生じ易くなる。成分(a)がオレフィン系
ゴムの場合は、成分(a)100重量部に対して、10
〜200重量部であり、好ましくは15〜150重量
部、更に好ましくは20〜100重量部である。配合量
が200重量部を超えると、得られる極性基含有熱可塑
性エラストマー組成物から軟化剤がブリードアウトしや
すく、剥離や変形及びフローマークが成形品に生じ易く
なる。
【0073】上記(e)パーオキシド分解型オレフィン
系樹脂は、得られる極性基含有熱可塑性エラストマー組
成物のゴム分散を良好にし、かつ成形品の外観を良好に
すると共に、硬度及び収縮率の調整に効果を有するもの
である。(e)成分は、パーオキシドの存在下に加熱処
理することによって熱分解して分子量を減じ、溶融時の
流動性が増大するオレフィン系の重合体又は共重合体で
あり、例えば、アイソタクチックポリプロピレンやプロ
ピレンと他のα−オレフィン、例えば、エチレン、1−
ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1
−オクテンなどとの共重合体を挙げることができる。
【0074】上記オレフィン系共重合体のホモ部分のD
SC測定による融点は、好ましくは、Tmが150〜1
67℃、△Hmが25〜83mJ/mgの範囲のもので
ある。結晶化度はDSC測定のTm、△Hmから推定す
ることができる。Tm、△Hmが上記の範囲外では、得
られる熱可塑性エラストマー組成物の耐油性や100℃
以上におけるゴム弾性が改良されない。
【0075】また、成分(e)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D−1238、L条件、230
℃)は、好ましくは0.1〜200g/10分、更に好
ましくは0.5〜100g/10分である。MFRが
0.1g/10分未満では、得られる熱可塑性エラスト
マー組成物の成形性が悪化し、200g/10分を超え
ると、得られる極性基含有熱可塑性エラストマー組成物
のゴム弾性が悪化する。
【0076】成分(e)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、5〜100重量部が好ましく、より好
ましくは5〜50重量部である。100重量部を超える
と、得られる極性基含有熱可塑性エラストマー組成物の
成形性が悪化し、剥離や変形及びフローマークが成形品
に生じ易くなり、極性基含有熱可塑性エラストマー組成
物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の
製品が得られない。
【0077】上記(f)パーオキシド架橋型オレフィン
系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等
のポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、単独
でも複数種を併用しても良い。
【0078】また、成分(f)のメルトフローレート
(MFR、ASTM D−1238、L条件、190
℃)は、好ましくは0.1〜100g/10分、更に好
ましくは0.5〜50g/10分である。MFRが0.
1g/10分未満では、得られる熱可塑性エラストマー
組成物の成形性が悪化し、100g/10分を超える
と、得られる極性基含有熱可塑性エラストマー組成物の
ゴム弾性が悪化する。
【0079】成分(f)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、0〜100重量部が好ましく、より好
ましくは5〜50重量部である。100重量部を超える
と、得られる極性基含有熱可塑性エラストマー組成物の
成形性が悪化し、剥離や変形及びフローマークが成形品
に生じ易くなり、極性基含有熱可塑性エラストマー組成
物の硬度が高くなり過ぎ柔軟性が失われてゴム的感触の
製品が得られない。
【0080】上記(g)エステル系架橋助剤は、本発明
の極性基含有熱可塑性エラストマー組成物の(c)有機
パーオキシドによる架橋処理に際して配合することがで
き、これにより均一、かつ、効率的な架橋反応を行うこ
とができる。また、多量に配合することにより、非芳香
族系ゴム用軟化剤、特に、低分子量パラフィン系オイル
等を適度に架橋し、極性基含有熱可塑性エラストマー組
成物及びアロイ化物からのブリードアウトを抑制するこ
とができる。
【0081】成分(g)の具体例としては、例えば、ト
リアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、エチレングリコールの繰
り返し数が9〜14のポリエチレングリコールジメタク
リレート、トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、アリルメタクリレート、2−メチル−1,8−オク
タンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオー
ルジメタクリレートのような多官能性メタクリレート化
合物、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメリロールプ
ロパンテトラアクリレート、時ペンタエリスリトールポ
リアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、プロピレングリコールジアクリレートのような多官
能性アクリレート化合物、ビニルブチラート又はビニル
ステアレートのような多官能性ビニル化合物を挙げるこ
とができる。これらは単独あるいは2種類以上を組み合
わせても良い。これらの架橋助剤のうち、トリエチレン
グリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコー
ルジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、トリメチロールプロパンテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールポリアクリレートが特に好
ましい。
【0082】成分(g)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部が好ま
しく、より好ましくは0.1〜20重量部である。50
重量部を超えると、自己重合性により架橋の度合が低下
して効果が得られなくなる。
【0083】成分(C)は、上記成分(a)〜(c)、
又は必要に応じて成分(d)〜(g)を加えて、各成分
を溶融混練することにより製造することができる。
【0084】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0085】成分(C)の配合量は、成分(A)、成分
(B)及び成分(C)の合計を100重量%として、4
〜40重量%であり、好ましくは10〜30重量%であ
る。配合量が5重量%未満では、柔軟性が不足し、40
重量%を超えると耐摩耗性が低下する。
【0086】(4)無機充填剤(D) 本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物には、必要に
応じて、無機充填剤成分(D)を配合することができ
る。成分(D)は、熱可塑性エラストマー樹脂組成物か
ら得られる成形品の圧縮永久歪みなど一部の物性を改良
する効果のほかに、増量による経済上の利点を有する。
成分(D)としては、ウォラストナイト、緑泥石、炭酸
カルシウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、マイカ、クレ
ー、酸化チタン、カーボンブラック、ガラス繊維、中空
ガラスバルーン、炭素繊維、チタン酸カルシウム繊維、
天然けい酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)等が挙げ
られる。これらのうち、炭酸カルシウム、ウォラストナ
イト、緑泥石、タルクが特に好ましい。
【0087】成分(D)の配合量は、配合する場合は、
成分(A)、成分(B)及び成分(C)の合計100重
量部に対して、1〜50重量部が好ましく、より好まし
くは5〜40重量部である。40重量部を超えると、得
られる熱可塑性エラストマー樹脂組成物の機械的強度の
低下が著しく、かつ、硬度が高くなって柔軟性が失わ
れ、ゴム的な感触の製品が得られなくなる。
【0088】(5)その他の成分(E) なお、本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、上
記の成分の他に、さらに必要に応じて、各種のブロッキ
ング防止剤、シール性改良剤、熱安定剤、酸化防止剤、
光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤、着色剤等を
含有することも可能である。ここで、酸化防止剤として
は、例えば、2,6−ジ−tert−p−ブチル−p−
クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノー
ル、4,4−ジヒドロキシジフェニル、トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン等のフェノール系酸化防止剤、ホスファイト
系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられ
る。このうちフェノール系酸化防止剤、ホスファイト系
酸化防止剤が特に好ましい。酸化防止剤は、上記の成分
(A)〜(C)の合計100重量部に対して、0〜3.
0重量部が好ましく、特に好ましくは0.01〜1.0
重量部である。
【0089】2.熱可塑性エラストマ−樹脂組成物の製
造 本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、上記成分
(A)〜(C)、又は必要に応じて成分(D)〜(E)
を加えて、溶融混練することにより製造することができ
る。なお、成分(C)は、あらかじめ製造してもよく、
本発明熱可塑性エラストマー樹脂組成物の製造時に同時
に(a)〜(c)、必要に応じて、(d)〜(g)成分
を加えて溶融混練することにより製造してもよい。
【0090】溶融混練の方法は、特に制限はなく、通常
公知の方法を使用し得る。例えば、単軸押出機、二軸押
出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー
等を使用し得る。例えば、適度なL/Dの二軸押出機、
バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を用いることによ
り、上記操作を連続して行うこともできる。ここで、溶
融混練の温度は、好ましくは160〜220℃である。
【0091】3.熱可塑性エラストマー樹脂組成物の用
途 本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成物からは、艶む
らが解消された肉厚製品を製造することができる。特
に、アイオノマー樹脂等の添加によりダイスウェル比が
大きくなり、射出成形時の金型密着性が向上し、肉厚製
品であっても艶むらが生ずることがない。したがって、
触感に優れ、耐傷付き性、耐艶むら性が要求される、主
に、肉厚が変化する製品類、例えば、自動車内装部品
類、工具等のグリップ類、ハンドル等のグリップ類、椅
子等のアームレスト類、鞄等のバックル類に使用でき
る。
【0092】具体的には、自動車内装部品類の用途とし
ては、例えば、パーキングブレーキレバー類、アシスト
グリップ、ドアグリップ、シフトノブ、アームレスト、
スイッチ、表皮、緩衝材などが挙げられる。
【0093】
【実施例】本発明を以下の実施例、比較例によって具体
的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定され
るものではない。なお、本発明で用いた物性の測定法及
び試料を以下に示す。
【0094】1.物性測定方法 (1)硬度(shoreA):JIS K 6253に
準拠し、試験片は6.3mm厚プレスシートを用いた。 (2)成形性:90×40mmの段付きプレートを、射
出成形法により成形し、表面外観や形状を観察し、次の
基準で評価した。 ○:ひけ、及び、光沢むらなし △:ひけ、又は、光沢むらなし ×:ひけ、及び、光沢むらあり (3)摩耗性:JIS K 7204に準拠してテーバ
ー摩耗量を測定し、次の基準で評価した。なお、試験片
は2mm厚プレスシートを用い、摩耗輪CS−10(荷
重1kg)、1000回転後の摩耗容積量を測定した。 ○:30mm未満 △:30〜100mm ×:100mm以上
【0095】2.実施例及び比較例において用いた試料 (1)ウレタン系熱可塑性エラストマー(A−1):T
−8180(ディーアイシーバイエルポリマー社製) (2)ウレタン系熱可塑性エラストマー(A−2):T
−8283(ディーアイシーバイエルポリマー社製) (3)アイオノマー樹脂(B):ハイミラン1855
(三井・デュポンケミカル社製) 金属イオン;Zn (4)水添ブロック共重合体成分(a−1);セプトン
4077(SEPS;クラレ株式会社製)、スチレン含
有量:30重量%、数平均分子量:260,000、重
量平均分子量:320,000、分子量分布:1.2
3、水素添加率:90%以上 (5)エチレン−プロピレン共重合体成分(a−2):
W0741(EPR;住友化学工業株式会社製) (6)不飽和カルボン酸(b−1):無水マレイン酸
(関東化学株式会社製) (7)末端水酸基含有液状ポリブタジエン(b−2):
R−45HT(出光石油化学株式会社製) (8)不飽和グリシジル化合物(b−3):グリシジル
メタクリレート(関東化学株式会社製) (9)有機パーオキシド(c):パーヘキサ25B
(2,5−ジメチル2,5−ジ(tert−ブチルパー
オキシ)ヘキサン;日本油脂株式会社製) (10)非芳香族系軟化剤成分(d):ダイアナプロセ
スオイル PW−90(鉱物油;出光興産株式会社製) (11)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂成分
(e):CJ−700(ホモポリプロピレン(PP);
三井化学株式会社製)、Tm166℃、△Hm82mj
/mg (12)エステル系架橋助剤成分(g):NKエステル
3G(トリエチレングリコールジメタクリレート;新中
村化学株式会社製)
【0096】実施例1〜5及び比較例1〜4 表1に示す量の各成分を用い、L/Dが47の二軸押出
機に投入して、混練温度180℃、スクリュー回転数3
50rpmで溶融混練をして極性基含有熱可塑性エラス
トマー組成物(C−1)〜(C−3)を得た。次に、表
2に示す量の各成分を用い、L/Dが47の二軸押出機
に投入して、混練温度180℃、スクリュー回転数35
0rpmで溶融混練をして熱可塑性エラストマー樹脂組
成物を得、ペレット化した。得られたペレットを射出成
形して試験片を作成し、夫々の試験に供した。評価結果
を表2に示す。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】表2より明らかなように、本発明の熱可塑
性エラストマー樹脂組成物は、良好な性状を示した(実
施例1〜5)。一方、ウレタン系熱可塑性エラストマー
(A)のみでは、硬度、成形性に劣り(比較例1)、ア
イオノマー樹脂成分(B)が多すぎる組成物は、硬度、
摩耗性に劣り(比較例2)、極性基含有熱可塑性エラス
トマー組成物(C)成分を用いない組成物は、硬度に劣
り(比較例3)、ウレタン系熱可塑性エラストマー
(A)成分が少なすぎる組成物は、摩耗性に劣った(比
較例4)。
【0100】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマー樹脂組成
物は、ウレタン系熱可塑性エラストマーと熱可塑性エラ
ストマーを含有する成形加工性、耐油性、耐傷付き性、
柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー樹脂組成物であ
り、特に、触感に優れ、耐傷付き性に優れる材料である
ので、主に射出成形で人の手に触れる部品類に使用でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA12X AA15X AA22X AA32X AA53 AA75 AA78 AH11 BB05 BC04 BC07 4J002 AC113 BB153 BB232 BH023 BP013 CK021 EK006 FD146 GC00 GN00

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ウレタン系熱可塑性エラストマー
    55〜95重量%、(B)エチレンと(メタ)アクリル
    酸またはその塩との共重合体1〜20重量%、及び
    (C)極性基含有熱可塑性エラストマー組成物4〜40
    重量%を含有することを特徴とする熱可塑性エラストマ
    ー樹脂組成物。(ただし、(A)+(B)+(C)=1
    00重量%)
  2. 【請求項2】 (A)ウレタン系熱可塑性エラストマー
    の硬度が、90A以下であることを特徴とする請求項1
    に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)エチレンと(メタ)アクリル酸ま
    たはその塩との共重合体が、エチレン系アイオノマー樹
    脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱可
    塑性エラストマー樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (C)極性基含有熱可塑性エラストマー
    が、ゴム状弾性体にカルボキシル基、カルボニル基、酸
    無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、グリシジル基及
    びオキサゾリル基よりなる群から選ばれる少なくとも一
    種の極性基を含有するエラストマーであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性エラ
    ストマー樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)極性基含有熱可塑性エラストマー
    が、(a)ゴム状弾性体、(b)カルボキシル基、カル
    ボニル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、グ
    リシジル基及びオキサゾリル基よりなる群から選ばれる
    少なくとも一種の極性基を含有する化合物、及び(c)
    有機パーオキシドを含む組成物を溶融混練してなるエラ
    ストマー組成物であることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 (a)ゴム状弾性体が、(a−1)芳香
    族ビニル化合物から主として作られる少なくとも1つの
    重合体ブロックAと、共役ジエン化合物から主として作
    られる少なくとも1つの重合体ブロックBとからなるブ
    ロック共重合体及び/又はこれを水素添加して得られる
    水添ブロック共重合体、及び/又は(a−2)エチレン
    系共重合体(ゴム)であることを特徴とする請求項5に
    記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (a−1)が、芳香族ビニル化合物含有
    量が50重量%以下であり、数平均分子量(Mn)が
    5,000〜1,500,000であり、かつ多分散度
    (Mw/Mn)が10以下であるブロック共重合体及び
    /又はその水素添加物であることを特徴とする請求項6
    に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (a−1)が、スチレン−イソプレン・
    ブタジエン−スチレンブロック共重合体の水添物及び/
    又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
    の水添物であって、そのオレフィン性不飽和結合の少な
    くとも60%が水素添加されていることを特徴とする請
    求項6又は7に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成
    物。
  9. 【請求項9】 (a−2)が、エチレン−α−オレフィ
    ン共重合体であることを特徴とする請求項6〜8のいず
    れか1項に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 (a−2)が、エチレン−プロピレン
    共重合体ゴム、エチレン−ブテン共重合体ゴム、エチレ
    ン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、シングルサイト
    触媒を用いて合成したエチレン−α−オレフィン共重合
    体よりなる群から選ばれる少なくとも一種のゴム状弾性
    体であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 (b)が、(b−1)不飽和カルボン
    酸及び/又はその誘導体、(b−2)末端水酸基含有液
    状ポリブタジエン、及び(b−3)不飽和グリシジル化
    合物及び/又はその誘導体からなる群から選ばれる少な
    くとも一種の化合物であることを特徴とする請求項5〜
    10のいずれか1項に記載の熱可塑性エラストマー樹脂
    組成物。
  12. 【請求項12】 (C)極性基含有熱可塑性エラストマ
    ーが、(a)ゴム状弾性体 100重量部に対して、
    (b−1)不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体
    0.01〜15重量部、(b−2)末端水酸基含有液状
    ポリブタジエン 1〜30重量部、及び(b−3)不飽
    和グリシジル化合物及び/又はその誘導体 0.01〜
    15重量部からなる群から選ばれる少なくとも一種の化
    合物、及び(c)有機パーオキシド 0.01〜3.5
    重量部を含有する組成物を溶融混練してなることを特徴
    とする請求項4〜11のいずれか1項に記載の熱可塑性
    エラストマー樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 (C)極性基含有熱可塑性エラストマ
    ーが、(a)ゴム状弾性体100重量部に対して、さら
    に、(d)非芳香族系のゴム用軟化剤 20〜240重
    量部、(e)パーオキシド分解型オレフィン系樹脂5〜
    100重量部、及び(f)パーオキシド架橋型オレフィ
    ン系樹脂0〜100重量部を含有するエラストマー組成
    物であることを特徴とする請求項5〜12のいずれか1
    項に記載の熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の熱可塑性エラストマー樹脂組成物からなる成形体。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の成形体からなる自
    動車内装部品。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載の成形体からなるグ
    リップ類。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載の成形体からなるア
    ームレスト類。
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