JP2001158812A - 粉末成形用熱可塑性エラストマー樹脂組成物 - Google Patents

粉末成形用熱可塑性エラストマー樹脂組成物

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JP2001158812A
JP2001158812A JP2000284625A JP2000284625A JP2001158812A JP 2001158812 A JP2001158812 A JP 2001158812A JP 2000284625 A JP2000284625 A JP 2000284625A JP 2000284625 A JP2000284625 A JP 2000284625A JP 2001158812 A JP2001158812 A JP 2001158812A
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weight
parts
component
thermoplastic elastomer
compound
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Application number
JP2000284625A
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English (en)
Inventor
Michihisa Tasaka
道久 田坂
Toshimi Yamanaka
稔美 山仲
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Riken Technos Corp
Original Assignee
Riken Technos Corp
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 粉末スラッシュ成形に適する流動性を有し、
及び、柔らかい感触および優れた耐傷つき性を有する成
形品を与える粉末成形用熱可塑性エラストマー樹脂組成
物の提供。 【解決手段】(a)重合体ブロックAと、重合体ブロッ
クBとからなるブロック共重合体(b)軟化剤 (c)
パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂(d)不飽和グ
リシジル化合物(e)不飽和カルボン酸(f)液状ポリ
ブタジエンを動的架橋に付して得られる組成物、及び
(g)ポリエステル重合体、ポリウレタン重合体、及び
ポリアミド重合体、から成る群から選ばれる少なくとも
一つの物質を含む熱可塑性エラストマー樹脂組成物にお
いて、(h)下記一般式で表される化合物 H2C=CH−CH2−O−(Cn2nO)m−X (XはHまたはCH=CH2である)を前記動的架橋に付し
て、又は、前記動的架橋に付して得られる組成物と混練
して得られることを特徴とする粉末成形用熱可塑性エラ
ストマー樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末成形用の熱可
塑性エラストマー樹脂に関し、より詳細には粉末スラッ
シュ成形に適する流動性を有する熱可塑性エラストマー
樹脂組成物、および該組成物からの粉末成形用樹脂粒状
体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車内層部品、例えばインストルメン
トパネル、コンソールボックス等、の表皮を作るため
に、粉末スラッシュ成形法が広く採用されている。従
来、成形体表面に皮シボやステッチを設けることがで
き、ソフトな感触の成形体を与えることから、ポリ塩化
ビニル系樹脂が使用されていた。しかし、近年、環境問
題の観点から、該ポリ塩化ビニル系樹脂に代えて、熱可
塑性エラストマーまたは熱可塑性ウレタン樹脂が使用さ
れるようになっている。
【0003】粉末スラッシュ成形法では、射出成形など
に比べて樹脂に与えられる剪断力が小さい。そのため、
金型全体に亘って均一な厚みを形成するよう、溶融した
樹脂が良い流動性を示す必要がある。ところが、熱可塑
性エラストマー又は熱可塑性ウレタン樹脂を用いた場合
には、ポリ塩化ビニル系樹脂に比べて金型温度を相当高
く、例えば約300℃に設定しなければ、十分な流動性を
得ることができない。かかる高温への加熱および該高温
からの冷却が繰り返される結果、金型が金属疲労によっ
て速く劣化するという問題がある。そこで、より低い金
型温度でも良い流動性を示す熱可塑性エラストマーが求
められている。
【0004】熱可塑性エラストマーの流動性を上げるた
めに、軟化剤を配合する方法がある。軟化剤としては、
非芳香族系のゴム用軟化剤、例えばパラフィン系軟化
剤、が従来使用されている。しかし、これらの軟化剤で
は、金型温度をより低くすると、樹脂の十分な流動性が
得られなくなる。
【0005】他方、従来の熱可塑性エラストマーから得
られる成形体は、表面を触ったときの柔らかさが不足
し、また、表面の耐傷付き性が悪いため、表面塗装を施
さなければならないという問題がある。これらの点を改
良するために、熱可塑性エラストマーにポリウレタン樹
脂等を配合することが知られている(例えば、特開平第
10−310617号公報)。しかし、それらの組成物に含有さ
れる軟化剤はポリウレタン樹脂等に対する相溶性があま
り良くなく、流動性を増すために添加量を増すと成形品
の表面にブリードアウトするという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、粉末
スラッシュ成形における上記流動性の問題を解決するこ
とを目的とする。さらに、柔らかい感触および優れた耐
傷つき性を有する成形品を与える粉末成形用熱可塑性エ
ラストマー樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、特定の構造を有する化合物を配合すると、ブ
リードアウトの問題が起こることなく、樹脂の流動性を
顕著に向上させることができることを見出し本発明に至
った。すなわち、本発明は、少なくとも下記成分、
(a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
Aの少なくとも2個と、共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック
共重合体、及び/又はこれを水素添加して得られる水添
ブロック共重合体100重量部、(b)非芳香族系ゴム用
軟化剤 20〜300重量部、(c)パーオキサイド分解型
オレフィン系樹脂、及び/又はパーオキサイド分解型オ
レフィン系樹脂を含む共重合体 10〜150重量部、
(d)不飽和グリシジル化合物 0.01〜15重量
部、(e)不飽和カルボン酸又はその誘導体 0.01
〜15重量部、(f)液状ポリブタジエン 1〜30重
量部、を動的架橋に付して得られる組成物、及び(g)
ポリエステル重合体又は共重合体、ポリウレタン重合体
又は共重合体、及びポリアミド重合体又は共重合体から
成る群から選ばれる少なくとも一つの物質 10〜25
00重量部、を含む熱可塑性エラストマー樹脂組成物に
おいて、(h)下記一般式で表される化合物 10〜2
00重量部、
【化4】H2C=CH−CH2−O−(Cn2nO)m−X (nは2〜5であり、CnH2nは分岐を有していてよ
く、XはHまたはCH=CH2であり、mは繰り返し単位の数
であり、及び、該化合物の数平均分子量は 200〜6,000
である)を前記動的架橋に付して、又は、前記動的架橋
に付して得られる組成物と混練して得られることを特徴
とする粉末成形用熱可塑性エラストマー樹脂組成物であ
る。上記成分(h)が、下記式(I)又は(II)で表さ
れる化合物であることが好ましい。
【化5】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m1−H (I) (数平均分子量は1,200〜1,800である)
【化6】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m2−CH=CH2 (II) (数平均分子量は2,500〜3,500である)さらに、本発明
は、上述のいずれかの粉末成形用熱可塑性エラストマー
樹脂組成物を水中カット法により成形して得られるとこ
ろの、長径が400μm以下であり且つ長径対短径の比
が3:1〜1:1である粉末成形用熱可塑性エラストマ
ー樹脂粒状体にも関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物における特徴
である成分(h)から説明する。 成分(h) 本発明における成分(h)は、下記の構造を有する化合
物である。
【化7】H2C=CH−CH2−O−(Cn2nO)m−X 上式において、nは2〜5であり、Cn2nは分岐を有
していてもよい。また、mはCn2nOの繰り返し単位
数であり、及び、該化合物の数平均分子量は200〜6,000
である。さらに、−Xは−Hまたは−CH=CH2である。特
に、下記式(I)又は(II)で表される化合物が好まし
い。
【化8】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m1−H(I) (数平均分子量は1,200〜1,800である)
【化9】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m2−CH=CH2 (II) (数平均分子量は2,500〜3,500である) なお、該数平均分子量は、ポリスチレンを基準として求
められた相対的な値である。該化合物を配合することに
よって、組成物の溶融粘度が低下し、従って、従来の熱
可塑性エラストマーよりも低い金型温度、例えば220℃
〜280℃、であっても十分な流動性が得られる。さら
に、該化合物は各種(g)成分とも相溶性がよく、特
に、(g)成分として熱可塑性ウレタン樹脂を用いた場
合には流動性向上効果が大きい。加えて、該化合物はブ
リードアウトし難い。本発明を限定する趣旨でなくこの
理由を推測すると、該化合物の少なくとも一の末端に在
る2重結合が、エラストマーの動的架橋時、または、ポ
リウレタン樹脂等との混練時に樹脂成分と反応するため
であると考えられる。
【0009】成分(h)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、10〜200重量部であり、好ましく
は20〜150 、より好ましくは25〜150重量部
である。上記下限値未満であると、流動性増加効果が不
十分であり、一方、上記上限値を超えると、ブリードア
ウトする場合がある。該成分(h)は、成分(a)〜
(f)を動的架橋に付す段階で、または、上記成分を動
的架橋に付した後に成分(g)と同時に混練し、もしく
は、成分(g)を配合した後に混練してもよい。成分
(a)〜(f)を動的架橋に付す段階で添加すると、成
形品表面のべとつきも低減されるので好ましい。
【0010】(a)成分 ブロック共重合体 本発明における成分(a)は、ビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックAの少なくとも2個と、共役ジ
エン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも
1個とからなるブロック共重合体又はこれを水素添加し
て得られるもの、あるいはこれらの混合物であり、例え
ば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A
などの構造を有するビニル芳香族化合物‐共役ジエン化
合物ブロック共重合体あるいは、これらの水素添加され
たもの等を挙げることができる。上記(水添)ブロック
共重合体(以下、(水添)ブロック共重合体とは、ブロ
ック共重合体及び/又は水添ブロック共重合体を意味す
る)は、ビニル芳香族化合物を5〜60重量%、好まし
くは、20〜50重量%含む。ビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックAは好ましくは、ビニル芳香族
化合物のみから成るか、)ブロック共重合体(以下、
(水添)ブロック共重合体とは、ブロック共重合体及び
/又は水添ブロック共重合体を意味する)は、ビニル芳
香族化合物を5〜60重量%、好ましくは、20〜50
重量%含む。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブ
ロックAは好ましくは、ビニル芳香族化合物のみから成
るか、またはビニル芳香族化合物が50重量%を超え、
好ましくは70重量%以上と(水素添加された)共役ジ
エン化合物(以下、(水素添加された)共役ジエン化合
物とは、共役ジエン化合物及び/又は水素添加された共
役ジエン化合物を意味する)との共重合体ブロックであ
る。(水素添加された)共役ジエン化合物を主体とする
重合体ブロックBは好ましくは、(水素添加された)共
役ジエン化合物のみから成るか、または(水素添加され
た)共役ジエン化合物が50重量%を超え、好ましくは
70重量%以上とビニル芳香族化合物との共重合体ブロ
ックである。これらのビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックA、(水素添加された)共役ジエン化合
物を主体とする重合体ブロックBのそれぞれにおいて、
分子鎖中のビニル化合物または(水素添加された)共役
ジエン化合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に
沿ってモノマー成分が増加または減少するもの)、一部
ブロック状またはこれらの任意の組合せでなっていても
よい。ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
A或いは(水素添加された)共役ジエン化合物を主体と
する重合体ブロックBが2個以上ある場合には、それぞ
れが同一構造であっても異なる構造であってもよい。
【0011】(水添)ブロック共重合体を構成するビニ
ル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチル
スチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレンな
どのうちから1種または2種以上が選択でき、中でもス
チレンが好ましい。また共役ジエン化合物としては、例
えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうち
から1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、
イソプレンおよびこれらの組合せが好好ましい。
【0012】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックBにおけるミクロ構造は任意に選ぶことができる。
ブタジエンブロックにおいては、1,2−ミクロ構造が
20〜50%、特に25〜45%が好ましい。ポリイソ
プレンブロックにおいては、該イソプレン化合物の70
〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつ該イ
ソプレン化合物に基づく脂肪族二重結合の少なくとも9
0%が水素添加されたものが好ましい。
【0013】上記の構造を有する本発明に供する(水
添)ブロック共重合体の重量平均分子量は、好ましくは
5,000〜1,500,000、より好ましくは1
0,000〜550,000、さらに好ましくは10
0,000〜550,000、特に好ましくは100,
000〜400,000の範囲である。分子量分布(重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(M
w/Mn))は好ましくは10以下、更に好ましくは5
以下、より好ましくは2以下である。(水添)ブロック
共重合体の分子構造は、直鎖上、分岐状、放射状あるい
はこれらの任意の組合せのいずれであってもよい。
【0014】これらのブロック共重合体の製造方法とし
ては数多くの方法が提案されているが、代表的な方法と
しては、例えば特公昭40−23798号公報に記載さ
れた方法により、リチウム触媒またはチーグラー型触媒
を用い、不活性溶媒中にてブロック重合させて得ること
ができる。上記方法により得られたブロック共重合体
に、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下にて水素添加
することにより水添ブロック共重合体が得られる。
【0015】上記(水添)ブロック共重合体の具体例と
しては、SBS、SIS、SEBS、SEPS等を挙げ
ることができる。本発明において、特に好ましい(水
添)ブロック共重合体は、スチレンを主体とする重合体
ブロックAと、イソプレンを主体としかつイソプレンの
70〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有し、かつ
該イソプレンに基づく脂肪族二重結合の少なくとも90
%が水素添加されたところの重合体ブロックBとからな
る重量平均分子量が50,000〜550,000の水
添ブロック共重合体である。更に好ましくは、イソプレ
ンの90〜100重量%が1,4−ミクロ構造を有する
上記水添ブロック共重合体である。
【0016】(b)成分 非芳香族系ゴム用軟化剤 本発明における成分(b)としては、非芳香族系の鉱物
油または液状もしくは低分子量の合成軟化剤を用いるこ
とができる。ゴム用として用いられる鉱物油軟化剤は、
芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖の三者の組み
合わさった混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭
素数の50%以上を占めるものをパラフィン系とよび、
ナフテン環炭素数が30〜40%のものはナフテン系、
芳香族炭素数が30%以上のものは芳香族系と呼ばれて
区別されている。
【0017】本発明における成分(b)として用いられ
る鉱物油系ゴム用軟化剤は上記区分でパラフィン系およ
びナフテン系のものである。芳香族系の軟化剤は、その
使用により成分(a)が可溶となり、架橋反応を阻害
し、得られる組成物の物性の向上が図れないので好まし
くない。成分(b)としては、パラフィン系のものが好
ましく、更にパラフィン系の中でも芳香族環成分の少な
いものが特に好ましい。
【0018】これらの非芳香族系ゴム用軟化剤の性状
は、37.8℃における動的粘度が20〜500cS
t、流動点が−10〜−15℃、引火点(COC)が1
70〜300℃を示す。
【0019】成分(b)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、20〜300重量部、好ましくは、4
0〜300重量部、更に好ましくは、80〜200重量
部、より好ましくは100〜170重量部である。30
0重量部を越える配合は、軟化剤のブリードアウトを生
じやすく最終製品に粘着性を与えるおそれがあり、機械
的性質も低下せしめる。また、配合量が20重量部未満
では、得られる組成物の成形性が失われることになる。
成分(b)は、重量平均分子量が100〜2,000の
ものが好ましい。
【0020】(c)成分 パーオキサイド分解型オレフ
ィン系樹脂及び/又はそれを含む共重合体 本発明における成分(c)は、得られる組成物中のゴム
分散を良好にし、成形品の外観を良好にする効果を有す
る。成分(c)の配合量は、成分(a)100重量部に
対して10〜150重量部好ましくは25〜100重量
部である。10重量部未満では、得られるエラストマー
組成物の成形性が悪化し、150重量部を越えた場合
は、得られるエラストマー組成物の柔軟性及びゴム弾性
が悪化する。
【0021】本発明における成分(c)として適したパ
ーオキサイド分解型オレフィン系樹脂は、13C−核磁
気共鳴吸収法によるペンタッド分率においてrrrr/
l−mmmmが20%以上であり、かつ示差走査熱量測
定法により求められる融解ピーク温度(Tm)が150
℃以上及び融解エンタルピー(△Hm)100J/g以
下のものである。好ましくは、Tmが150℃〜167
℃、△Hmが25mJ/mg〜83mJ/mgの範囲の
ものである。結晶化度はTm、△Hmから推定すること
ができる。Tm及び△Hmが上記範囲以外のものでは、
得られるエラストマー組成物の、100℃以上における
ゴム弾性が改良されない。
【0022】パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂
は、次の2種類を組み合わせて用いるのが好ましい。高
分子量のホモ型のポリプロピレン、例えばアイソタクチ
ックポリプロピレンやプロピレンと他の少量のα−オレ
フィン例えばエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4
−メチル−1−ペンテン等との共重合体が好ましい。該
樹脂のMFR(ASTM‐D‐1238、L条件、23
0℃)は、好ましくは0.1〜10g/10分、より好
ましく3〜8g/10分である。
【0023】パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂の
MFRが0.1g/10分未満では、得られるエラスト
マーの成形性が低下し、MFRが10g/10分を越え
ると、得られるエラストマー組成物のゴム弾性が悪化す
るので好ましくない。
【0024】この他に、数平均分子量(Mn)が25,
000以上で、かつ重量平均分子量(Mw)と数平均分
子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7以下の沸騰ヘプ
タン可溶性ポリプロピレンとメルトインデックスが0.
1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレン
とからなるパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂、極
限粘度[η]が1.2dl/g以上の沸騰ヘプタン可溶
性ポリプロピレンと極限粘度[η]が0.5〜9.0d
l/gの沸騰ヘプタン不溶性ポリプロピレンとからなる
パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂を用いることも
できる。
【0025】成分(d)不飽和グリシジル化合物又はそ
の誘導体 不飽和グリシジル化合物又はその誘導体を添加して動的
架橋に付することで、樹脂組成物の耐油性、耐摩耗性が
向上される。好ましくは分子中にオレフィンと共重合し
得る不飽和基とグリシジル基とを有するグリシジル化合
物が用いられ、特に好ましくはグリシジルメタクリレー
ト(GMA)が使用される。該不飽和グリシジル化合物
又はその誘導体により、好ましくはポリエチレン及びポ
リプロピレン等が変性される。つまり成分(a)におけ
る水添ブロック共重合体のソフト成分、及び成分(c)
のパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂、及び/又は
それを含む共重合体が変性される。
【0026】成分(d)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、上限が15重量部、好ましくは10重
量部であり、下限が0.01重量部、好ましくは0.1
重量部、特に好ましくは3重量部である。上限を超えて
は、組成物の耐熱変形性、機械特性が悪化するばかり
か、成分(g)を配合した際に、該成分の相溶性を改良
する効果が認められなくなる。
【0027】成分(e) 不飽和カルボン酸又はその誘
導体 不飽和カルボン酸又はその誘導体を添加して動的架橋に
付することで、樹脂組成物の耐油性、耐摩耗性が向上さ
れる。好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、ジカルボン酸又はその誘導体例えば酸、ハライド、
アミド、イミド、無水物、エステル等が挙げられる。特
に好ましくは無水マレイン酸(MAH)が用いられる。
該不飽和カルボン酸又はその誘導体により、好ましくは
ポリプロピレン等が変性される。つまり成分(a)にお
ける水添ブロック共重合体のソフト成分、及び成分
(c)のパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂、及び
/又はそれを含む共重合体が変性されると考えられる。
【0028】成分(e)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、上限が15重量部、好ましくは10重
量部であり、下限が0.01重量部、好ましくは0.1
重量部、特に好ましくは5重量部である。上限を超えて
は、組成物に激しい黄変が生じ、また、耐熱変形性、機
械特性が悪化するばかりでなく、成分(g)を配合した
際に、該成分の相溶性を改良する効果が認められなくな
る。
【0029】成分(f)液状ポリブタジエン 液状ポリブタジエンは、主鎖の微細構造がビニル1,2
‐結合型、トランス1,4‐結合型、シス1,4‐結合
型からなる、室温において透明な液状の重合体である。
ここで、ビニル1,2‐結合は30重量%以下であるこ
とが好ましく、ビニル1,2‐結合が30重量%を超え
ては、得られる組成物の低温特性が低下するため好まし
くない。
【0030】該液状ポリブタジエンの数平均分子量は、
上限が好ましくは5,000、更に好ましくは4,00
0であり、下限が好ましくは1,000、更に好ましく
は3,000である。下限未満では、得られる組成物の
耐熱変形性が低下し、上限を超えては、得られる組成物
の相溶性が低下する。
【0031】また、液状ポリブタジエンは、エポキシ
基、水酸基、イソシアネート基、カルボキシル基から選
ばれる1種又は2種以上の基を有する共重合性化合物で
あることが好ましい。なかでも、水酸基と共重合反応性
不飽和二重結合とを有するものが特に好ましく、市販品
としては、例えば、出光石油化学株式会社製R‐45H
T(商標)が挙げられる。
【0032】成分(f)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、上限が30重量部、好ましくは10重
量部であり、下限が1重量部、好ましくは3重量部であ
る。下限未満では添加の効果が認められず、上限を超え
ては組成物の機械的特性が悪化する。
【0033】(g)成分 ポリエステル系重合体及び共
重合体、ポリアミド系重合体及び共重合体、又はポリウ
レタン系重合体及び共重合体 本発明における成分(g)として用いることができるポ
リエステル系重合体及び共重合体、ポリアミド系重合体
及び共重合体、又はポリウレタン系重合体及び共重合体
は、特に制限がなく、いずれの重合体又は共重合体も満
足に使用できる。共重合体は、ブロック共重合体、グラ
フト共重合体でありうる。エラストマー性を有すること
が好ましい。市販の上記の重合体も満足に使用できる。
特に好ましくは、上記の共重合体である。更に、上記重
合体又は共重合体は、単独で用いても組み合わせて用い
ても良い。例えば、ポリエステル系重合体及び共重合体
としては、ハード成分が芳香族ポリエステルでソフト成
分が脂肪族ポリエーテル、ハード成分が芳香族ポリエス
テルでソフト成分が脂肪族ポリエステル、ハード成分が
ポリブチレンナフタレートでソフト成分が脂肪族ポリエ
ーテルからなる(共)重合体を挙げることができ、ポリ
アミド系重合体及び共重合体としては、6−ナイロン、
6,6−ナイロン、4,6−ナイロン、6,10−ナイ
ロンまたは6,12−ナイロンと、ハード成分がポリア
ミドでソフト成分がポリエーテルまたはハード成分がポ
リアミドでソフト成分がポリエーテルエステル(ポリア
ミドとしては6−アミド系または12−アミド系ポリア
ミドである)よりなるブロックエラストマーを挙げるこ
とができ、ポリウレタン系重合体及び共重合体として
は、ラクトン系、エステル系、またはエーテル系(共)
重合体を挙げることができる。
【0034】成分(g)の配合量は、成分(a)100
重量部に対して、下限値は10重量部以上、好ましくは
100重量部以上、さらに好ましくは、500重量部以
上であり、上限値は2500重量部以下、好ましくは1
500重量部以下である。特に、ポリエステル系重合体
及び共重合体を配合する場合は、150重量部以上、ポ
リアミド系重合体及び共重合体を配合する場合は100
重量部以上、ポリウレタン系重合体及び共重合体を配合
する場合は200重量部以上、配合する事が好ましい。
2500重量部を越えると、得られるエラストマ−組成
物の柔軟性が低下し、ポリエステル系重合体またはポリ
アミド系重合体またはポリウレタン系重合体単体と大差
がなくなる。成分(g)を配合することにより、得られ
る成形品の耐油性及び耐摩耗性、耐傷つき性が飛躍的に
向上する。また、例えばポリウレタン系重合体及び共重
合体を配合したエラストマーを、オレフィンの芯材とウ
レタンフォームの中間発泡層からなる自動車内装部品の
表皮として用いれば、一括粉砕してリサイクルできる。
【0035】有機パーオキサイド 本発明における動的架橋では、有機パーオキサイドが使
用される。有機パーオキサイドとしては、例えば、ジク
ミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサ
イド、2,5−ジメチル−2,5− ジ−(tert−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,
5 −ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3
、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパ
ーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキ
シ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロ
ロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾ
イルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベン
ゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド、tert‐ブチルクミルパーオキサイド
などを挙げることができる。
【0036】これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ
安定性の点で、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(te
rt−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシ
ン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイ
ソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
【0037】パーオキサイドの添加量は、成分(a)1
00重量部に対して、下限値は0.1〜4.0重量部、好まし
くは0.2〜3.5重量部、さらに好ましくは0.6〜3.0重量部
である。前記下限値未満では、必要とする架橋が得られ
ない。一方、前記上限値を越えると架橋が進みすぎて、
架橋物の分散が悪くなる。
【0038】架橋助剤 本発明においては、動的架橋に際し架橋助剤を用いるこ
とが好ましい。用いられる架橋助剤の添加量の範囲は、
添加時における成分(a)100重量部に対して、下限
値は0.1重量部、好ましくは1.0重量部、より好ま
しくは2.0重量部であり、上限値は、10.0重量
部、好ましくは8.0重量部、より好ましくは6.0重
量部である。0.1重量部未満では、必要とする架橋が
得られない。10重量部を越えると架橋効率が低下す
る。また、架橋助剤の添加量はパーオキサイド添加量の
約1.0〜3.0倍の割合が好ましい。
【0039】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
ステアリン酸、シリコーンオイル等の離型剤、ポリエチ
レンワックス等の滑剤、顔料、アルミナ等の無機充填
剤、抗酸化剤、発泡剤(有機系、無機系)、難燃剤(水
和金属化合物、赤燐、ポリりん酸アンモニウム、アンチ
モン、シリコーン)などを配合することができる。
【0040】本発明の樹脂組成物は、例えば、以下の工
程により製造することができる。まず、成分(a)〜
(f)および、随意に成分(h)に、架橋剤を加えて加
熱下で混練する。好ましくは、架橋助剤も添加する。混
練方法としては、ゴム、プラスチックなどで通常用いら
れる方法であれば満足に使用でき、例えば、一軸押出
機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサーあるいは
各種のニーダーなどが用いられる。この工程により、各
成分が均一に分散された組成物を得ることができる。
【0041】次いで、上記工程で得られた組成物に、成
分(g)を加えて混練する。成分(h)を上記動的架橋
に付さない場合には、成分(g)と同時に成分(h)を
混練してもよい。混練方法は、一般に、一軸押出機、二
軸押出機、ロール、バンバリーミキサーあるいは各種の
ニーダーなどを用いて行うことができる。この工程で、
各成分の分散がさらに進むと同時に、架橋反応が完了す
る。成分(g)をサイドフィードして動的架橋に付する
工程と連続的に行なうと好都合である。
【0042】混練方法として、L/Dが47以上の二軸
押出機やバンバリーミキサーを使用するとすべての工程
を連続的に行なうことができるので好ましい。また、例
えば、二軸押出機にて混練する場合、スクリューの回転
数は80〜350rpm、好ましくは80〜200rp
mの条件で行うと各成分の分散が良好で、物性の良好な
ものを得ることができる。
【0043】本発明は、上記のようにして得られる樹脂
組成物の粒状体をも提供する。粉末スラッシュ成形方法
では、粉末が複雑な形状の金型に均一に付着し且つ余剰
分が除去され易いように、該粉末自体が優れた流動性を
有する必要がある。本発明者らは、熱可塑性エラストマ
ー樹脂を従来の粉末に代えて、所定の形状および大きさ
の粒状体にすることで、該流動性を飛躍的に向上させる
ことができることを見出し、特許出願した(特願平11−
139056号)。本発明の樹脂組成物も粒状体とすることに
より、樹脂を型に付着させる際の粉体流動性が良くな
る。
【0044】本発明の粒状体は、やや細長い粒である。
実質的に球状であるから、良好な流動性が得られる。粒
の長径は、約20〜30倍での写真影像における最も長い径
(以下「長径」とする)を測定したものである。該長径
の範囲は、成形型の形状、樹脂成分等に応じて適宜定め
ることができる。型に流した際にボイドができず、か
つ、細部に流れ込むことができる程度に小さければよ
い。しかし、あまり小さいと流動性、または取り扱い
上、従来の粉末と比べたときの利点がなくなると考えら
れる。自動車内装部品の粉末スラッシュ成形において
は、400μm以下が好ましく、より好ましくは360
μm以下である。また、写真影像において長径と直角方
向の径で最も短いもの(「短径」とする)との比の範囲
が、3:1以下、好ましくは2:1以下、更に好ましく
は1.5:1以下である。
【0045】上記の粒状体は、水中カット法により製造
することができる。水中カット法とは、熱可塑性エラス
トマー組成物を押出機ダイス穴から水中に押出し、該ダ
イスの極く近傍に設けられたブレードにより押出された
樹脂を切断して粒状体を得る方法である。本発明におい
ては、押出機ダイスに、例えば、Gala 社製のアンダー
ウォーターペレタイジングシステムズ(Underwater Pal
letizing Systems)を接続して、樹脂を押出して直後に
冷却且つ切断する。本発明の大きさの粒状体を得るため
には、ダイスの吐出口径が3mm以下、好ましくは1.
0mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。ま
た、ダイスの吐出口一個あたりの熱可塑性エラストマー
組成物の吐出速度は通常30〜10kg/時、好ましくは20k
g/時にする。ブロッキングを防止するため、水の温度
は、通常 5〜80℃であり、好ましくは、5〜40℃
である。さらに、ブロッキング防止剤を水に添加しても
よい。水中カット法以外の方法としては、溶融樹脂をス
プレーあるいはアトマイザーで噴霧冷却して粒状体化す
る方法などがある。
【0046】
【実施例】以下実施例、比較例を用いて本発明を詳細に
説明する。表中の量は、特に断りがない限り重量部を意
味する。
【0047】実施例における各成分として、以下のもの
を用いた。 成分(a):水添ブロック共重合体(SEPS) クラレ社製 セプトン4077 スチレンの含有量:30重量% イソプレンの含有量:70重量% 数平均分子量:260,000 重量平均分子量:320,000 分子量分布:1.23 水素添加率:90%以上 成分(b):非芳香族系ゴム軟化剤 出光興産社製 ダイアナプロセスオイルPW‐90 種類:パラフィン系オイル 重量平均分子量:540 芳香族成分の含有量:0.1%以下 成分(c):パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂 PP 三井石油化学社製 CJ700 種類:PP MFR:7 g/10分 結晶化度:Tm 166℃、△Hm 82mJ/mg 成分(d):グリシジルメタクリレート 関東化学株式会社製 成分(e):無水マレイン酸 関東化学株式会社製 成分(f):液状ポリブタジエン 出光石油化学工業株式会社製 R‐45HT(商標) 官能基として水酸基(アクリル型1級)と共重合反応性
不飽和二重結合(1,4結合:80%)を持つ。数平均
分子量:2800 成分(g): 熱可塑性ポリエステル系エラストマー 東レ・デュポン社製 ハイトレル 4068(商標) 熱可塑性ポリアミド系エラストマー 東レ株式会社製、ペバックス 5533SNOO(商
標) 熱可塑性ポリウレタン樹脂 大日本インキ工業株式会社 パンデックス T−818
0(商標) 成分(h): h−1: 下記式(I)の化合物、数平均分子量1,200〜
1,800、日本油脂株式会社 ユニセーフ PKA−50
14(商品名)
【化10】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m1−H (I) h−2: 下記式(II)の化合物、数平均分子量2,500
〜3,500、日本油脂株式会社 ユニセーフ PKA−5
018(商品名)
【化11】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m2−CH=CH2 (II) 有機パーオキサイド:日本油脂社製 パーオキサ25B
(2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン) 架橋助剤:新中村化学社製 NKエステル IND(2
−メチル−1,8−オクタンジオールジメタクリレート
(85%)、1,9−ノナンジオールジメタクリレート
(15%)の混合物) 参考例で使用した化合物: X−1:下記式(III)の化合物、数平均分子量1,200〜
1,800、日本油脂株式会社製 ユニルーブ DM−18
(商品名)。
【化12】CH3−O−(C36O)k−CH3 (III) X−2:上記式(III)の化合物、数平均分子量2,500〜
3,500、日本油脂株式会社製 ユニルーブ DM−40
(商品名)。
【0048】実施例1〜36、比較例1〜9および参考例
1〜6 表1〜3に示す成分比で、最初に成分(g)以外の成分
を二軸押出機で混練し、パーオキサイド及び架橋助剤を
加えて、混練温度200℃、スクリュー回転350 rpm、押出
機吐出量20 kg/時で動的架橋処理をした。その際、比較
例1〜9の組成物には成分(h)を配合せず、また、参
考例1〜6では、化合物X−1又はX−2を配合した。次
いで、成分(g)をサイドフィードして混練した。押出
機の出口にGala Industries,Inc.のUnderwater Pelleti
zing Systemsを備えて、長径約0.3mmの粒状体試料を作
成した。測定温度200℃で、株式会社東洋精機製作所製
キャピログラフ1B(キャピラリー径1mm、長さ20mm、
剪断力6.08sec−1)にて、粘度を測定した。また、JIS
K 6253に従い、硬化15秒後の硬度を測定した。得ら
れた結果を表1〜3に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】本発明における成分(h)を含む組成物と
該成分を含まない比較例とを比べると、前者は後者に比
べていずれも低剪断力下での粘度が顕著に低い。また、
本発明に従う組成物からの成形品においてはブリードア
ウトが見られなかった。参考例の化合物X−1およびX−
2は、末端に2重結合を有しないことを除き、本発明に
おけるh−1およびh−2とそれぞれほぼ同様の構造お
よび分子量を有する。化合物X−1またはX−2を含有さ
せることにより(参考例1〜6)、粘度の低下は見られ
たものの、得られた成形品は、折り曲げられると白化す
る部分があり、且つ、ブリードアウトが観察された。
【0053】
【発明の効果】以上示したとおり、本発明の粉末成形用
熱可塑性エラストマー樹脂組成物は、特定の構造を有す
る成分を含むので、溶融樹脂の流動性が良く、より低い
金型温度で成形することができる。さらに、該成分は、
成形品でブリードアウトし難い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 9:06 B29K 9:06 23:00 23:00 25:00 25:00 67:00 67:00 75:00 75:00 77:00 77:00 C08L 53:02 C08L 53:02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記成分、(a)ビニル芳香
    族化合物を主体とする重合体ブロックAの少なくとも2
    個と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
    の少なくとも1個とからなるブロック共重合体、及び/
    又はこれを水素添加して得られる水添ブロック共重合体
    100重量部、(b)非芳香族系ゴム用軟化剤 20〜300重
    量部、(c)パーオキサイド分解型オレフィン系樹脂、
    及び/又はパーオキサイド分解型オレフィン系樹脂を含
    む共重合体 10〜150重量部、(d)不飽和グリシジル
    化合物 0.01〜15重量部、(e)不飽和カルボン
    酸又はその誘導体 0.01〜15重量部、(f)液状
    ポリブタジエン 1〜30重量部、を動的架橋に付して
    得られる組成物、及び(g)ポリエステル重合体又は共
    重合体、ポリウレタン重合体又は共重合体、及びポリア
    ミド重合体又は共重合体から成る群から選ばれる少なく
    とも一つの物質10〜2500重量部、を含む熱可塑性
    エラストマー樹脂組成物において、(h)下記一般式で
    表される化合物 10〜200重量部、 【化1】H2C=CH−CH2−O−(Cn2nO)m−X (nは2〜5であり、Cn2nは分岐を有していてよ
    く、XはHまたはCH=CH2であり、mは繰り返し単位の数
    であり、及び、該化合物の数平均分子量は 200〜6,000
    である)を前記動的架橋に付して、又は、前記動的架橋
    に付して得られる組成物と混練して得られることを特徴
    とする粉末成形用熱可塑性エラストマー樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 成分(h)が、下記式(I)又は(II)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載
    の粉末成形用熱可塑性エラストマー樹脂組成物。 【化2】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m1−H (I) (数平均分子量は1,200〜1,800である) 【化3】 H2C=CH−CH2−O−(C36O)m2−CH=CH2 (II) (数平均分子量は2,500〜3,500である)
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の粉末成形用熱
    可塑性エラストマー樹脂組成物を水中カット法により成
    形して得られるところの、長径が400μm以下であり
    且つ長径対短径の比が3:1〜1:1である粉末成形用
    熱可塑性エラストマー樹脂粒状体。
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