JP5959391B2 - 積層シート及びフィルム - Google Patents
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Description
特許文献1には、透明性,剛性及び耐衝撃強度に優れる積層樹脂シートを得るため、ラメラ構造を有するスチレン−ブタジエンブロック共重合体を表層とし、スチレン−ブタジエンブロック共重合体にスチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとをグラフト共重合した樹脂を内層とした成型用積層樹脂シートが開示されている。
特許文献2には、透明性、柔軟性、耐寒性、ヒートシール強度等に優れた多層積層体を得るため、ポリオレフィン樹脂と特定構造の水添ジエン系共重合体の多層積層体が開示されている。
特許文献3には、透明性、柔軟性、耐熱性、衝撃強度等に優れる多層積層体を得るため、ポリオレフィン系樹脂と特定構造の水添ジエン系共重合体を基材層とし、結晶性ポリ−4−メチル−1−ペンテン系樹脂を表層とする多層積層体が開示されている。
特許文献4には、剛性、耐衝撃性等の物性バランスに優れるとともに、耐剥離性、耐油性、耐薬品性を満足する多層樹脂シートを得るため、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる特定構造のブロック共重合体を含む基材層に、実質的に非晶質なポリエステル系重合体からなる表面層を積層してなる多層樹脂シートが開示されている。
特許文献5には、耐熱性、低温収縮性、耐溶剤性に優れると共に、低コストでベースフィルムの層間剥離が発生し難いシュリンクラベルとして、外面層がポリエステル系樹脂からなり、中間層がスチレン系樹脂とポリエステル系樹脂からなる積層フィルムが開示されている。
本発明が解決しようとする課題は、透明性、剛性、耐衝撃性及び剥離強度に優れる積層シート及びフィルムを提供することである。
[1]表面層と中間層との間に接着層を含む、積層シート又はフィルムであって、
前記表面層が、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含み
前記中間層が、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエンの重合体ブロックBの少なくとも1個と、からなるブロック共重合体を含み、
前記接着層が、50〜80質量%の、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体(A)と、20〜50質量%の、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体(B)と、を含むブロック共重合体混合物を含み、
ブロック共重合体(A)は、ビニル芳香族炭化水素含有量30〜50質量%と共役ジエン含有量50〜70質量%からなり、GPC測定によるピーク分子量が3万〜7万であり、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのピーク分子量を1万〜3万の範囲に少なくとも1つ有し、
ブロック共重合体(B)は、ビニル芳香族炭化水素含有量30〜50質量%と共役ジエン含有量50〜70質量%からなり、GPC測定によるピーク分子量が7万を超え13万以下であり、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのピーク分子量を1万〜3万の範囲に少なくとも1つ有する、積層シート又はフィルム。
[2]前記ブロック共重合体混合物が、55〜75質量%の前記ブロック共重合体(A)と、25〜45質量%の前記ブロック共重合体(B)と、を含む、[1]に記載の積層シート又はフィルム。
[3]前記接着層が、前記ブロック共重合体混合物と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体(C)と、を含み、
前記ブロック共重合体(C)は、ビニル芳香族炭化水素含有量60〜95質量%と共役ジエン含有量5〜40質量%からなり、GPC測定によるピーク分子量が5万〜50万であり、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのピーク分子量を1万〜10万の範囲に少なくとも1つ有し、
前記接着層のビニル芳香族炭化水素含有量が50質量%を超え80質量%以下、共役ジエン含有量が20質量%以上50質量%未満である、[1]又は[2]に記載の積層シート又はフィルム。
[4]前記ブロック共重合体(B)が、ブロック共重合体(A)から非ハロゲン系カップリング剤を用いて得られるブロック共重合体である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の積層シート又はフィルム。
[5]前記中間層が、0.1〜80質量%の、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれる少なくとも1種のビニル芳香族炭化水素系重合体をさらに含む、[1]乃至[4]のいずれかに記載の積層シート又はフィルム。
(a)スチレン系重合体
(b)ビニル芳香族炭化水素と、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸無水物及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体
(c)ゴム変性スチレン系重合体
[6]前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PMMA樹脂、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート三元共重合体樹脂(MBS樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種である、[1]乃至[5]のいずれかに記載の積層シート又はフィルム。
[7]前記表面層と前記中間層の厚さ比が、表面層/中間層/表面層として、1/2/1〜1/20/1で、接着層の厚さが表面層の5〜100%である、[1]乃至[6]のいずれかに記載の積層シート又はフィルム。
本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本実施形態の積層シート及びフィルムは、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む表面層と、ブロック共重合体を含む中間層との間に接着層を含む積層シート及びフィルムである。
本実施形態においては、厚さが0.25mm以上をシートと称し、厚さが0.25mm未満をフィルムと称する。
本実施形態の積層シート及びフィルムは、透明性、剛性、低温伸びに優れ、取り分け中間層と表面層との剥離強度が大きいことから、外部応力による剥離が起こりにくい特徴を有する。
本実施形態の積層シート及びフィルムを構成する表面層は、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含む。
表面層に使用する好ましい熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PMMA樹脂、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート三元共重合体樹脂(MBS樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリフェニレンエーテル系樹脂である。
熱可塑性樹脂は、少なくとも1種を用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ポリエチレン系重合体としては、例えば、ポリエチレン、並びにエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重合体、その他のエチレンと不飽和脂肪酸類との共重合体、エチレン系アイオノマー樹脂、及びエチレン−αオレフイン共重合体等のエチレン系共重合体等が挙げられる。
好ましいポリオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂(ランダム共重合体及びランダム共重合体を脂環族飽和炭化水素系樹脂、石油樹脂、テンペン樹脂、ロジン類で変性したものも含む)、高密度ポリエチレン、リニアー低密度ポリエチレン(L・LDPE)、超低密度ポリエチレン、アイオノマー樹脂(例えばエチレン系)等である。
また、PMMA樹脂には、アクリルエラストマーを含むことができるが、アクリルエラストマーは積層フィルムを白化させることがあるので、アクリルエラストマーを含むPMMA樹脂の使用を避けることが好ましいが、アクリルエラストマーを含む場合、好ましい配合比率は70〜100質量部のメチルメタクリレートを80質量%以上含む透明な重合体に対して0〜30質量部である。市販されている、多層粒子の形をしたアクリルエラストマーを含む「耐衝撃性」PMMAとよばれるグレードのPMMA樹脂を用いることができる。
ブタジエンとスチレンの共重合体(SBR)以外の、ポリブタジエン系ゴムやポリアクリル酸エステル系ゴム等をコアとしたMBS樹脂を用いてもよい。
MBS樹脂における、ゴム層であるゴム状重合体の好ましい含有量は5〜30質量%である。
ポリエステル系樹脂としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、p,p'−ジカルボキシジフェニル、2,6−ナフタリンジカルボン酸などの二塩基酸又はこれらの誘導体と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、p−キシレングリコール、ビスフェノールAなどのグリコール(またはジオール)との縮重合体、ピバロラクトン、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の開環重合体等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ε−アミノカプロラクタムやω−アミノラウロラクタムなどの開環重合体及び共重合体、ε−アミノウンデカン酸の縮重合体、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、セバシン酸等の二塩基酸との縮重合体等が挙げられ、具体的には、ナイロン−46、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−12、及びナイロン−6−ナイロン−12共重合体等が挙げられる。
ポリカーボオネート系樹脂としては、例えば、4,4'−ジヒドロキシジフェニルアルカン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド等のジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応によって得られる重合体、及び前記ジヒドロキシ化合物とジフェニルカーボネートとのエステル交換反応によって得られる重合体等が挙げられ、具体的には、ポリ−4,4'−ジオキシジフェニル−2,2'−プロパンカーボネート等が挙げられる。
前記構成単位中にアルキル3置換フェノール、例えば、2,3,6−トリメチルフェノールを一部に含有する共重合体であってもよく、公知の他のフェニレンエーテルユニットを部分構造として含んでいてもよい。公知の他のフェニレンエーテルユニットとしては、例えば、2−(ジアルキルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット、及び2−(N−アルキル−N−フェニルアミノメチル)−6−メチルフェニレンエーテルユニット等が挙げられる。また、上述したポリフェニレンエーテル系樹脂にスチレン系化合物として、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等がグラフト化されたグラフト共重合体でもよい。
知の方法を利用できる。
例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュ
ー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、
各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が適用できる。
特に、押出機による溶融混練法が、生産性、良混練性の観点から好ましい。
本実施形態において、中間層とは、積層シート及びフィルムにおける表面層及び接着層以外の層を意味する。
ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAとして、「主体とする」とは、ビニル芳香族炭化水素を90質量%を超えて含むことを意味し、かかる重合体ブロックAとしては、ビニル芳香族炭化水素単独重合体ブロック、又はビニル芳香族炭化水素を90質量%を超えて含有する、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロックが挙げられる。
共役ジエンの重合体ブロックBとしては、ビニル芳香族炭化水素を5〜90質量%含有する、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとの共重合体ブロック、又は共役ジエン単独重合体ブロックが挙げられる。
ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのランダム共重合体部分は、ビニル芳香族炭化水素が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分が複数個共存してもよい。
A−(B−A)n・・・(i)
A−(B−A)n−B・・・(ii)
B−(A−B)n+1・・・(iii)
ここで、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAであり、Bは共役ジエンの重合体ブロックBである。
重合体ブロックAと重合体ブロックBとの境界は、必ずしも明瞭に区別される必要はない。
nは1以上の整数であり、一般的には1〜5である。
また、中間層に含まれるブロック共重合体のポリマー構造は、上記線状ブロック共重合体のほか、下記(iv)〜(vii)のような構造のものも挙げられる。
[(A−B)k]m−X・・・(iv)
[(A−B)k−A]m−X・・・(v)
[(B−A)k]m−X・・・(vi)
[(B−A)k−B]m−X・・・(vii)
ここで、A、Bは、式(i)〜(iii)と同様であり、k及びmは1以上の整数であり、一般的には1〜5である。
Xは、例えば、四塩化ケイ素、四塩化スズ等のカップリング剤の残基、又は多官能有機リチウム化合物等のアニオン重合開始剤の残基を示し、ブロック共重合体としては、ラジアルブロック共重合体又はこれらのブロック共重合体の任意のポリマー構造の混合物が使用できる。
ビニル芳香族炭化水素としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
共役ジエンとしては、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
イソプレンが10質量%以上であると、高温での成形加工時等に熱分解を起こさず分子量が低下しないため外観特性や機械的強度のバランス性能の良好なブロック共重合体とすることができる。
リチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、ブタジエニルジリチウム、イソプレニルジリチウム等が挙げられる。
アニオン重合開始剤としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
炭化水素溶媒としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
極性化合物及びランダム化剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類;トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類;チオエーテル類;ホスフィン類;ホスホルアミド類;アルキルベンゼンスルホン酸塩;カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。
0℃〜120℃である。
重合に要する時間は、条件によって異なるが、一般的には48時間以内であり、特に良好な条件を選定することにより1〜10時間で重合を行うことができる。
また、重合を行う際の系の雰囲気は、窒素ガス等の不活性ガスをもって置換した状態とすることが好ましい。
重合を行う際の圧力は、上記重合温度において、モノマーとしてのビニル芳香族炭化水素及び共役ジエン、並びに反応溶媒としての炭化水素溶媒を液層に維持するのに充分な圧力であれば特に制限されるものではない。
重合系内に触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば水、酸素、炭酸ガス等が混入しないよう留意することが必要である。
ブロック共重合体におけるビニル芳香族炭化水素の含有量が50〜95質量%であると、低温伸びと剛性のバランス性能が良好で、透明性に優れた、中間層とすることができる。
ブロック率が10〜98質量%であることにより、本実施形態の積層シート及びフィルムの剛性と低温伸びのバランスが優れたものとなる。
ブロック共重合体中のビニル芳香族
炭化水素重合体ブロックの質量
ブロック率(%)= ―――――――――――――――――――――― ×100
ブロック共重合体中の全ビニル
芳香族炭化水素の質量
かかるピーク分子量が0.5万〜20万であることにより、優れた剛性と伸びが得られ、成形加工性と透明性も良好なものとなる。
具体的には、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分をGPCにかけてGPC曲線を得た後、単分散ポリスチレンをGPC測定して、そのピークカウント数と単分散ポリスチレンの分子量から作成した検量線を作成し、常法(「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー」、81〜85頁(1976年、日本国丸善株式会社発行)に従って算出することによって、ピーク分子量を求めることができる。
ピーク分子量とは、分子量分布曲線における横軸を分子量とした時の縦軸の高さの変化量の第1次微分値が零となる分子量を意味する。
かかるピーク分子量は、本実施形態の積層シート及びフィルムの中間層を構成する組成物の機械的強度を良好なものとする観点から、3万以上であることが好ましく、良好な加工性や熱可塑性樹脂との相容性を確保する観点からは100万以下であることが好ましい。
溶媒の分離方法としては、例えば重合を行った後、又は従来公知の方法により水添を行った後の溶液に、アセトン又はアルコール等の、ブロック共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて、ブロック共重合体を沈澱させて回収する方法や、ブロック共重合体の溶液を撹拌下で熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、さらには直接溶液を加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
ブロック共重合体には、必要に応じて、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加してもよい。
ブロック共重合体に、ビニル芳香族炭化水素系重合体を組み合わせることにより、剛性に優れる積層シート及びフィルムを得ることができる。
ビニル芳香族炭化水素系重合体の含有量は、中間層を構成する樹脂成分として、0.1〜80質量%であることが好ましく、0.3〜75質量%であることがより好ましく、1〜70質量%であることがさらに好ましい。
少なくとも1種を使用することが好ましい。
(a)スチレン系重合体
(b)ビニル芳香族炭化水素と、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸無水物、脂肪族不飽和カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体
(c)ゴム変性スチレン系重合体
スチレン系重合体としては、例えば、ポリスチレン、スチレン−α−メチルスチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等が挙げられ、中でも、ポリスチレンが好ましい。
(a)スチレン系重合体の製造方法としては、スチレン系樹脂を製造する公知の方法、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。
スチレン系重合体の重量平均分子量は、一般に5万〜50万である。
スチレン系重合体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよく、剛性改良剤として利用できる。
脂肪族不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸等が挙げられる。
脂肪族不飽和カルボン酸無水物としては、無水フマル酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
脂肪族不飽和カルボン酸エステルとしては、脂肪族不飽和カルボン酸と炭素数C1〜C12、好ましくはC2〜C12のアルコールとのモノ又はジエステル等が挙げられる。
脂肪族不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸エステルやメタアクリル酸エステル、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸等と炭素数C1〜C12のアルコールとのα、β不飽和ジカルボン酸モノエステル又はジエステル等が挙げられる。
(b)共重合体の重量平均分子量は、一般に5万〜50万である。
(b)共重合体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
スチレンとアクリル酸n−ブチルとを主体とする芳香族炭化水素−脂肪族不飽和カルボン酸エステル共重合体を中間層にさらに用いた熱収縮積層フィルムは、透明性と低温伸びが良好である。
重合方法としては、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等が一般的に行われている。
ビニル芳香族炭化水素と共重合可能なモノマーとしては、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水マレイン酸等が挙げられる。
共重合可能なエラストマーとしては、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ハイスチレンゴム等が挙げられる。
かかるエラストマーは、ビニル芳香族炭化水素及び共重合可能なモノマー100質量部に対して一般に3〜50質量部で、このモノマーに溶解して、又はラテックス状となって乳化重合、塊状重合、塊状−懸濁重合等に供される。
(c)ゴム変性スチレン系重合体は、剛性、伸びの改良剤として利用できる。
(c)ゴム変性スチレン系重合体は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ブロック共重合体と、ビニル芳香族炭化水素系重合体とを含む中間層の場合、必要に応じて添加剤を配合してもよい。
例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が適用できる。
特に、押出機による溶融混練法が、生産性、良混練性の観点から好ましい。
溶融混練温度は、必要に応じて使用するビニル芳香族炭化水素系重合体の軟化温度、溶融粘度、ブロック共重合体の熱劣化等を考慮して、100〜350℃が好ましく、150〜350℃がより好ましく、180〜330℃がさらに好ましい。
溶融混練時間(又は溶融混練工程の平均滞留時間)は、混練度合い(分散性)や生産性、ブロック共重合体、ビニル芳香族炭化水素系重合体等の劣化等を考慮して、0.2〜60分が好ましく、0.5〜30分がより好ましく、1〜20分がさらに好ましい。
本実施形態の積層シート及びフィルムは、中間層、接着層、表面層の順に積層され、接着層は、中間層と表面層との間に形成される。
ブロック共重合体混合物中において、ブロック共重合体(A)を50〜80質量%、ブロック共重合体(B)を20〜50質量%含む。
好ましくは、ブロック共重合体混合物中において、ブロック共重合体(A)を55〜75質量%、ブロック共重合体(B)を25〜45質量%含む。
ブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)をかかる含有量で接着層に含むことにより、表面層と中間層の層間剥離強度に優れる積層シート及びフィルムとすることができる。
好ましくはビニル芳香族炭化水素含有量が32〜48質量%、共役ジエン含有量が52〜68質量%であり、ビニル芳香族炭化水素含有量と共役ジエン含有量とがかかる範囲内にあることにより、表面層と中間層の層間剥離強度に優れる積層シート及びフィルムとすることができる。
好ましくはビニル芳香族炭化水素含有量が32〜48質量%、共役ジエン含有量が52〜68質量%であり、ビニル芳香族炭化水素含有量と共役ジエン含有量とがかかる範囲内にあることにより、表面層と中間層の層間剥離強度に優れる積層シート及びフィルムとすることができる。
具体的には、ブロック共重合体(A)又はブロック共重合体(B)をGPCにかけてGPC曲線を得た後、単分散ポリスチレンをGPCにかけてそのピークカウント数と分子量から作成した検量線を用いて、常法(「ゲルパーミエーションクロマトグラフィー」、81〜85頁(1976年、日本国丸善株式会社発行)に従って算出することによって、ピーク分子量を求めることができる。
ピーク分子量とは、分子量分布曲線における横軸を分子量とした時の縦軸の高さの変化量の第1次微分値が零となる分子量を意味する。
ブロック共重合体(A)及びブロック共重合体(B)は、それぞれ、例えば、炭化水素溶媒中で、有機リチウム化合物をアニオン重合開始剤としてビニル芳香族炭化水素を重合させ、次いで、得られた重合体と共役ジエンを重合させ、更に場合によりこれらの操作を繰り返す方法により製造することができる。
ブロック共重合体のピーク分子量は、有機リチウム化合物量を制御することにより調整することができる。
かかる混合方法としては、それぞれの重合反応終了後、反応溶液を混合して、水、アルコール、酸等を添加して活性種を失活させ、又は、それぞれの重合反応終了後、反応溶液を別々に失活させ、混合して、得られた混合溶液を、例えばスチームストリッピング等を行って重合溶媒を分離し、乾燥する方法が挙げられる。
ブロック共重合体(A)及びブロック共重合体(B)をそれぞれの反応溶液から個別に重合溶媒を分離、乾燥して得られたブロック共重合体をロール等でブレンドして得る方法も挙げられる。
ブロック共重合体(A)を重合した後、重合系内に適当なカップリング剤を有機リチウム化合物に対して、所定量添加することにより得られる共重合体生成物をブロック共重合体(B)とし、得られたブロック共重合体(B)を、ブロック共重合体(A)と混合することにより得ることができる。
かかる方法により得られるブロック共重合体混合物は、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロック部分の分子量及び分子量分布がブロック共重合体(A)とブロック共重合体(B)でまったく同じになるため、表面層と中間層の層間剥離強度に優れる積層シート及びフィルムとすることができる。
中でも、2官能カップリング剤が好適に用いられ、また、加工時の加熱変色性の観点から、非ハロゲン系カップリング剤を用いることが好ましい。
カップリング剤は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ブロック共重合体(C)は、ビニル芳香族炭化水素含有量60〜95質量%と、共役ジエン含有量5〜40質量%からなる重合体であり、好ましくはビニル芳香族炭化水素含有量63〜90質量%と、共役ジエン含有量10〜37質量%からなる重合体である。
ブロック共重合体(C)を含有した接着層のビニル芳香族炭化水素含有量は50質量%を超え80質量%以下、好ましくは53〜75質量%であり、共役ジエン含有量が20質量%以上50質量%未満、好ましくは25〜47質量%である。
接着層にブロック共重合体(C)を混合使用した際のビニル芳香族炭化水素含有量が50質量%を超え80質量%以下の範囲にあってはフィルムの剛性と剥離強度に優れる。
また、ブロック共重合体(C)として、中間層に使用するブロック共重合体と同一のブロック共重合体を用いてもよい。
本実施形態の積層シート及びフィルムは、表面層と中間層との間に接着層を有する少なくとも3層構成のものであれば、層構成は特に限定されるものではない。
本実施形態における積層構成は、表面層/接着層/中間層からなる3種構成である。積層シート及びフィルムを構成する表面層と中間層の厚さ比は、表面層/中間層/表面層として、1/2/1〜1/20/1であることが好ましく、1/4/1〜1/15/1であることがより好ましい。
接着層の厚さは表面層の厚さの5〜100%の厚さであることが接着効果及び透明性の点から好ましい。
本実施形態の積層シート及びフィルムは、中間層、表面層及び接着層を構成する材料を、Tダイを備えた押出機を用いて、共押出しすることによって製造することができる。押出に際しては、Tダイ法、チューブラ法等の既存の方法を採用してもよい。
また、中間層を構成する材料、表面層を構成する材料及び接着層を構成する材料を、別々にシート化し、その後にプレス法やロールニップ法等を用いて積層しても本実施形態の積層シート及びフィルムを製造することができる。
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
ブロック共重合体10mgをテトラヒドロフラン(THF)10mLに溶解し、得られた溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定により、単分散ポリスチレンについて作成した検量線から、ピーク分子量及び数平均分子量を求めた。なお、GPCの測定条件を下記に示す。
単分散ポリスチレン:TSKスタンダードポリスチレン(東ソー(株)製)
カラム:TSKゲルスーパーマルチポアHZ−M(東ソー(株)製)
カラム温度:42℃
溶媒:THF
流量:2mL/min
測定装置:HLC−8220(東ソー(株)製)
検出器:RI
四酸化オスミウムを触媒としてジ・ターシャリーブチルハイドロパーオキサイドによりブロック共重合体を酸化分解する方法〔I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法〕により得たスチレンブロック成分を定量し、下記の式から求めた。
スチレンブロックの質量
ブロック率(%)= ―――――――――――――――――― ×100
全スチレンの質量
前記(3)と同様の方法で得たスチレンブロック成分を前記(2)と同様の方法で測定して求めた。
ASTM D1238に準拠し、200℃、荷重5kgの条件で測定した。
試験片としては、フィルムからMD及びTD方向に幅を10mm、標線間を100mmとする長さに短冊状に切り出したものを用いた。
測定温度は23℃とし、引張速度は10mm/minで行い、JIS K−6732に準拠して測定した。MD及びTD方向の平均値を引張弾性率(MPa)の値とした。
試験片としては、フィルムからMD方向に幅を15mm、標線間を40mmとする長さに短冊状に切り出したものを用いた。
測定温度は0℃、引張速度は100mm/minで行い、JIS K−6732に準拠して測定した。0℃伸びは、値が大きい方が好ましい。
積層シート表面に流動パラフィンを塗布し、ASTM D1003に準拠して測定した。
積層シートの表面層を含む層を剥離層として、中間層を含む層を被剥離層としてMD方向に幅1cmで180度方向に剥離速度150mm/minで剥離させた強度を測定した。値が大きいほど剥離強度が強く望ましい。
(ブロック共重合体A−1)
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン37質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.145質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で45分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン63質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で75分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−1を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン45質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.125質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で50分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン55質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で65分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−2を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン20質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.107質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で25分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で95分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−3を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン58質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.155質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で65分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン42質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で55分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−4を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン38質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.243質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で45分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン62質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で75分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−5を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン48質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.099質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で55分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン52質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で70分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−6を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン31質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.284質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で40分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン69質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で80分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体A−7を得た。
A−1と同様の重合反応終了後、重合器にカップリング剤としてジメトキシシランをn−ブチルリチウムに対し、当量添加し、カップリング反応させた後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−1を得た。
A−2と同様の重合反応終了後、重合器にカップリング剤としてジメトキシシランをn−ブチルリチウムに対し、当量添加し、カップリング反応させた後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−2を得た。
A−3と同様の重合反応終了後、重合器にカップリング剤としてジメトキシシランをn−ブチルリチウムに対し、当量添加し、カップリング反応させた後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−3を得た。
A−4と同様の重合反応終了後、重合器にカップリング剤としてジメトキシシランをn−ブチルリチウムに対し、当量添加し、カップリング反応させた後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−4を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン19質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.049質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で25分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン62質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で75分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン19質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で25分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−5を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン48質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.07質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で60分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン52質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で65分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−6を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン11質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.08質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で15分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン35質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で45分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で15分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン34質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で45分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で15分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えて、ブロック共重合体B−7を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン31質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.075質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で35分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン36質量部とスチレン2質量部とを含むシクロヘキサン溶液を、65℃で45分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン31質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で35分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えた。その後、脱溶剤の後、ペレット化し、ブロック共重合体C−1を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン29質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.058質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で35分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン27質量部とスチレン16質量部とを含むシクロヘキサン溶液を、65℃で55分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン28質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で35分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えた。その後、脱溶剤の後、ペレット化し、ブロック共重合体C−2を得た。
攪拌機を備えたオートクレーブを用い、窒素ガス雰囲気下で、スチレン30質量部を含むシクロヘキサン溶液に、n−ブチルリチウムを0.070質量部、テトラメチルエチレンジアミンをn−ブチルリチウムに対して0.3倍モル添加し、65℃で30分間連続供給して重合を行った。
次に、1,3−ブタジエン17質量部とスチレン23質量部とを含むシクロヘキサン溶液を、65℃で40分間連続供給して重合を行った。
次に、スチレン30質量部を含むシクロヘキサン溶液を、65℃で30分間連続供給して重合を行った。
反応終了後、重合器にメタノールをn−ブチルリチウムに対して等モル添加した後、安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートを、ブロック共重合体100質量部に対して、0.5質量部を加えた。その後、脱溶剤の後、ペレット化し、ブロック共重合体C−3を得た。
ビニル芳香族炭化水素系共重合体D−1及びD−2を作製した。
撹拌器付き10Lオートクレーブに、スチレンとアクリル酸n−ブチルとを、下記表4に示す比率で5kg添加し、同時にエチルベンゼン0.3kgと、MFRを調整するため1,1ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンを所定量仕込み、110〜150℃で2〜10時間重合した後、ベント押出機で未反応スチレン、アクリル酸n−ブチル、エチルベンゼンを回収して製造した。
得られたD−1のMFRは、3.0g/10minであった。D−2のMFRは、2.6g/10minであった。
ビニル芳香族炭化水素系重合体D−1、D―2のスチレン含量(質量%)を表4に示した。
実施例に使用した熱可塑性樹脂を表5に示した。
中間層及び接着層として表6、7のブロック共重合体(A)、(B)、(C)を使用し、表面層として表7、8に示した熱可塑性樹脂を使用し、押出量を、中間層/接着層/表面層=15/0.5/1の割合にて、中間層及び接着層の樹脂温度200〜210℃、表面層の樹脂温度210〜260℃の範囲で設定された押出機で溶融し、口金にて合流させ、3種5層(積層比(表面層/接着層/中間層/接着層/表面層)=0.5/0.25/15/0.25/0.5)にて押出し、キャストロールで冷却し、厚さ0.4mmの積層シートを得た。
なお、接着層に使用したブロック共重合体(A)及び(B)は溶液の状態で混合した後、脱溶剤後にペレット化したものを用いた。
得られた積層シートの物性結果を表8及び表9に示した。表8及び表9示す結果から明らかなように、本実施形態の積層シート(実施例1〜10)は、透明性、剛性、低温伸び及び剥離強度に優れ、食品用のケース、包装用材料、ブリスター等に好適であることが分かった。また、実施例1〜10、比較例1〜8の積層シートの押出方向(MD)及び押出直角方向(TD)の70℃温水中での10秒間の熱収縮率は3%以下であり、寸法変化が小さいものであった。
Claims (7)
- 表面層と中間層との間に接着層を含む、積層シート又はフィルムであって、
前記表面層が、少なくとも1種の熱可塑性樹脂を含み
前記中間層が、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックAの少なくとも1個と、共役ジエンの重合体ブロックBの少なくとも1個と、からなるブロック共重合体を含み、
前記接着層が、50〜80質量%の、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体(A)と、20〜50質量%の、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体(B)と、を含むブロック共重合体混合物を含み、
ブロック共重合体(A)は、ビニル芳香族炭化水素含有量30〜50質量%と共役ジエン含有量50〜70質量%からなり、GPC測定によるピーク分子量が3万〜7万であり、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのピーク分子量を1万〜3万の範囲に少なくとも1つ有し、
ブロック共重合体(B)は、ビニル芳香族炭化水素含有量30〜50質量%と共役ジエン含有量50〜70質量%からなり、GPC測定によるピーク分子量が7万を超え13万以下であり、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのピーク分子量を1万〜3万の範囲に少なくとも1つ有する、積層シート又はフィルム。 - 前記ブロック共重合体混合物が、55〜75質量%の前記ブロック共重合体(A)と、25〜45質量%の前記ブロック共重合体(B)と、を含む、請求項1に記載の積層シート又はフィルム。
- 前記接着層が、前記ブロック共重合体混合物と、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなるブロック共重合体(C)と、を含み、
前記ブロック共重合体(C)は、ビニル芳香族炭化水素含有量60〜95質量%と共役ジエン含有量5〜40質量%からなり、GPC測定によるピーク分子量が5万〜50万であり、ビニル芳香族炭化水素重合体ブロックのピーク分子量を1万〜10万の範囲に少なくとも1つ有し、
前記接着層のビニル芳香族炭化水素含有量が50質量%を超え80質量%以下、共役ジエン含有量が20質量%以上50質量%未満である、請求項1又は2に記載の積層シート又はフィルム。 - 前記ブロック共重合体(B)が、ブロック共重合体(A)から非ハロゲン系カップリング剤を用いて得られるブロック共重合体である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層シート又はフィルム。
- 前記中間層が、0.1〜80質量%の、下記(a)〜(c)からなる群から選ばれる少なくとも1種のビニル芳香族炭化水素系重合体をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層シート又はフィルム。
(a)スチレン系重合体
(b)ビニル芳香族炭化水素と、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸無水物及び脂肪族不飽和カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の脂肪族不飽和カルボン酸又はその誘導体との共重合体
(c)ゴム変性スチレン系重合体 - 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PMMA樹脂、スチレン−ブタジエン−メチルメタクリレート三元共重合体樹脂(MBS樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層シート又はフィルム。
- 前記表面層と前記中間層の厚さ比が、表面層/中間層/表面層として、1/2/1〜1/20/1で、接着層の厚さが表面層の5〜100%である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の積層シート又はフィルム。
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