JP5437247B2 - 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体 - Google Patents

水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP5437247B2
JP5437247B2 JP2010524699A JP2010524699A JP5437247B2 JP 5437247 B2 JP5437247 B2 JP 5437247B2 JP 2010524699 A JP2010524699 A JP 2010524699A JP 2010524699 A JP2010524699 A JP 2010524699A JP 5437247 B2 JP5437247 B2 JP 5437247B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
hydrogenated block
hydrogenated
mass
conjugated diene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010524699A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2010018743A1 (ja
Inventor
隆寛 久末
祥文 荒木
克徳 仁田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Chemicals Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Chemicals Corp filed Critical Asahi Kasei Chemicals Corp
Priority to JP2010524699A priority Critical patent/JP5437247B2/ja
Publication of JPWO2010018743A1 publication Critical patent/JPWO2010018743A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5437247B2 publication Critical patent/JP5437247B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L53/00Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L53/02Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes
    • C08L53/025Compositions of block copolymers containing at least one sequence of a polymer obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers of vinyl-aromatic monomers and conjugated dienes modified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/04Reduction, e.g. hydrogenation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L23/00Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L23/02Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers not modified by chemical after-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L35/00Compositions of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical, and containing at least one other carboxyl radical in the molecule, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L35/06Copolymers with vinyl aromatic monomers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体に関する。
従来から、チューブやホース等の中空状成形体には、透明性や耐キンク性が要求されており、これらの材料としては、主に軟質塩化ビニル系樹脂が使用されている。
しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂には多量の可塑剤が含有されていることから、特に医療用途としては、薬液中や血液中への溶出や、更に焼却時の塩素ガス発生による環境負荷等の問題があるため、代替材料が求められている。
上記問題に鑑みて、近年においては、種々の熱可塑性エラストマー組成物が提案され、特に柔軟性に優れるスチレン系エラストマー組成物が提案されている(例えば、特許文献1乃至6参照。)。
特許文献1には、2種の水添共重合体とオレフィン系樹脂及びゴム用軟化剤からなるチューブが提案されている。
特許文献2には、水添ブロック共重合体とオレフィン系共重合体及び可塑剤からなる組成物が提案されている。
特許文献3には、ポリオレフィン系樹脂、水添ジエン系共重合体、及びポリメチルペンテン樹脂からなる組成物が提案されている。
特許文献4には、水添ジエン系共重合体とポリオレフィン樹脂からなる組成物が提案されている。
特許文献5には、水添ジエン系共重合体と熱可塑性重合体からなる組成物が提案されている。
特許文献6には、2種の水添ブロック共重合体とポリオレフィン系樹脂からなるチューブが提案されている。
ところで、特にチューブ、ホース等の中空状成形体においては、それらの実用的用途を考慮すると、透明性や耐キンク性が要求される。透明性に関しては組成物の相溶性、耐キンク性に関しては室温領域におけるエネルギー吸収性及び柔軟性が重要な因子となる。
特開2003−287163号公報 特開平9−316287号公報 特開平11−189689号公報 特開2005−247895号公報 特開2005−255856号公報 国際公開第2009/031625号公報
しかしながら、上記従来提案されているスチレン系エラストマー組成物を用いて成形されたチューブ、ホース等の中空状成形体は、透明性及び耐キンク性のバランスにおいて、未だ十分な特性を有しておらず改善すべき課題を有している。
そこで本発明においては、柔軟性や低反撥弾性すなわち室温領域におけるエネルギー吸収性に優れ、透明性及び耐キンク性のバランスに優れた組成物を提供し、これを用いたチューブ、ホース等の中空状成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、反撥弾性と柔軟性とが耐キンク性と相関があることを見出した。
なお、耐キンク性とは、チューブ、ホース等の中空状成形体を曲げた時、キンクする瞬間の速度の緩和性と、キンクするチューブ間距離を短くする性能の両方を満たす性能である。
また、特定の構造を有する水添ブロック共重合体であって、特定の温度領域に粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)のピークを有するものを用いた水添ブロック共重合体組成物が、上記キンクする瞬間の速度の緩和性が高いことを見出した。
さらには、柔軟性の高い水添ブロック共重合体組成物、具体的には引張弾性率の低下効果の著しい水添ブロック共重合体を用いた水添ブロック共重合体組成物が、上記キンクするチューブ間距離すなわち湾曲直径を短くする効果が高いことを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明は下記の通りである。
〔1〕
(イ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重
合体であって、下記(1)〜(4)の特性を有する水添ブロック共重合体:2.5〜92
.5質量%と、
(ロ)少なくとも1種類のオレフィン系樹脂:5〜95質量%と、
(ハ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重
合体であって、下記(5)〜(9)の特性を有する水添ブロック共重合体:2.5〜92
.5質量%と、
を、含有する水添ブロック共重合体組成物を提供する。
(1)下記(b)、(c)の重合体ブロックを少なくとも1個有すること。
(b)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック。
(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック。
(2)前記(b)中のビニル芳香族化合物の含有量が40〜80質量%であること。
(3)前記(イ)中の前記(c)の含有量が20〜80質量%であること。
(4)水添ブロック共重合体(イ)の粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)
のピークが0℃以上60℃以下に少なくとも1つと、0℃未満に少なくとも1つ存在する
こと。
(5)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少な
くとも1個の共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)を有すること。
(6)水添ブロック共重合体(ハ)中の全ビニル芳香族化合物の含有量が、10質量%を
超え25質量%未満であること。
(7)前記共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)の水素添加前の重合体ブロック中のビニル結合量が62質量%以上99質量%未満であること。
(8)水添ブロック共重合体の重量平均分子量が3万〜30万であること。
(9)水添ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の二重結合の75%以上が水添さ
れていること。
〔2〕
前記(ハ)の水添ブロック共重合体が、少なくとも片末端に、前記共役ジエンを主体と
する水添重合体ブロック(B)を0.1〜9.1質量%含有している前記〔1〕に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔3〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体が、少なくとも片末端に、前記(c)共役ジエンを
主体とする水添重合体ブロックを含有している前記〔1〕又は〔2〕に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔4〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体中の全ビニル芳香族化合物の含有量が20〜50質
量%である前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔5〕
前記(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック中のビニル結合量が50質量%
以上である前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔6〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体中の、前記(b)ビニル芳香族化合物と共役ジエン
からなる水添共重合体ブロックの含有量が20〜80質量%である前記〔1〕乃至〔5〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔7〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体が、(a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体
ブロックを少なくとも1個有している前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔8〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体中の、前記(a)ビニル芳香族化合物を主体とする
重合体ブロックの含有量が3〜30質量%である前記〔7〕に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔9〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体が、(d)ビニル結合量が25質量%以下の共役ジ
エンを主体とする重合体ブロックを、少なくとも1個有している前記〔1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔10〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体中の、前記(d)ビニル結合量が25質量%以下の
共役ジエンを主体とする重合体ブロックの含有量が、3〜30質量%である前記〔9〕に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔11〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体の重量平均分子量が5万〜60万である前記〔1〕乃至〔10〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔12〕
前記(イ)の水添ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の二重結合の75%以上
が水添されている前記〔1〕乃至〔11〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔13〕
前記(ロ)のオレフィン系樹脂が、少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含む前
記〔1〕乃至〔12〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を提供する。
〔14〕
前記〔1〕乃至〔13〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を用いて成形された成形体を提供する。
〔15〕
前記〔1〕乃至〔13〕のいずれか一に記載の水添ブロック共重合体組成物を用いて成形された中空状成形体を提供する。
本発明によれば、柔軟性、低反撥弾性に優れ、透明性及び耐キンク性の性能バランスに優れた水添ブロック共重合体とオレフィン系樹脂とからなる水添ブロック共重合体組成物、及びこれを用いた成形体が得られる。
耐キンク性の測定におけるチューブ屈曲時の応力カーブを示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
[水添ブロック共重合体組成物]
本実施形態の水添ブロック共重合体組成物は、後述するように、第1の実施形態における水添ブロック共重合体組成物と、第2の実施形態における水添ブロック共重合体組成物に大別される。
第1の実施形態における水添ブロック共重合体組成物は、
(イ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重合体であって、下記(1)〜(4)の特性を有する水添ブロック共重合体:5〜95質量%と、
(ロ)少なくとも1種類のオレフィン系樹脂:5〜95質量%と、
を、含有する水添ブロック共重合体組成物である。
(1)下記(b)、(c)の重合体ブロックを少なくとも1個有すること。
(b)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック。
(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック。
(2)前記(b)中のビニル芳香族化合物の含有量が40〜80質量%であること。
(3)前記(イ)中の前記(c)の含有量が20〜80質量%であること。
(4)水添ブロック共重合体(イ)の粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)のピークが0℃以上60℃以下に少なくとも1つと、0℃未満に少なくとも1つ存在すること。
第2の実施形態における水添ブロック共重合体組成物は、
(イ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重合体であって、下記(1)〜(4)の特性を有する水添ブロック共重合体:2.5〜92.5質量%と、
(ロ)少なくとも1種類のオレフィン系樹脂:5〜95質量%と、
(ハ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重合体であって、下記(5)〜(9)の特性を有する水添ブロック共重合体:2.5〜92.5質量%と、
を、含有する水添ブロック共重合体組成物である。
(1)下記(b)、(c)の重合体ブロックを少なくとも1個有すること。
(b)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック。
(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック。
(2)前記(b)中のビニル芳香族化合物の含有量が40〜80質量%であること。
(3)前記(イ)中の前記(c)の含有量が20〜80質量%であること。
(4)水添ブロック共重合体(イ)の粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)のピークが0℃以上60℃以下に少なくとも1つと、0℃未満に少なくとも1つ存在すること。
(5)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少なくとも1個の共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)を有すること。
(6)水添ブロック共重合体(ハ)中の全ビニル芳香族化合物の含有量が、10質量%を超え25質量%未満であること。
(7)前記共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)中のビニル結合量が62質量%以上99質量%未満であること。
(8)水添ブロック共重合体の重量平均分子量が3万〜30万であること。
(9)水添ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の二重結合の75%以上が水添されていること。
本実施形態の水添ブロック共重合体組成物の構成要素について詳細に説明する。
<(イ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重合体及び(ハ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重合体>
以下においては、(イ)の水添ブロック共重合体、(ハ)の水添ブロック共重合体を、単に、水添ブロック共重合体(イ)、水添ブロック共重合体(ハ)と称する場合もある。
(ビニル芳香族化合物)
水添ブロック共重合体(イ)及び水添ブロック共重合体(ハ)を構成するビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチルスチレン等が挙げられる。
特に、価格と機械強度とのバランスの観点から、スチレンが好ましい。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水添ブロック共重合体(イ)中の、全ビニル芳香族化合物の含有量は、20質量%〜50質量%が好ましく、23質量%〜48質量%がより好ましく、25質量%〜46質量%がさらに好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)中のビニル芳香族化合物の含有量が50質量%を超えると、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物の透明性が損なわれる傾向にあり、20質量%未満であると、低反撥弾性、耐キンク性が悪化する傾向にある。
水添ブロック共重合体(ハ)中の、全ビニル芳香族化合物の含有量は、10質量%を超え25質量%未満であり、11質量%〜24質量%が好ましく、12質量%〜23質量%がより好ましい。
水添ブロック共重合体(ハ)中の、ビニル芳香族化合物の含有量が25質量%以上になると、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物の透明性及び柔軟性が損なわれる傾向にあり、10質量%以下であると、強度の低下や、粘着性が悪化する傾向にある。
水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)中における全ビニル芳香族化合物の含有量は、水素添加前の共重合体や水素添加後の共重合体を検体として、紫外線分光光度計を用いて測定できる。
(共役ジエン)
水添ブロック共重合体(イ)及び水添ブロック共重合体(ハ)を構成する共役ジエンとは、1対の共役二重結合を有するジオレフィンである。
例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。特に、良好な成形加工性と機械的強度とのバランスの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本実施形態における水添ブロック共重合体組成物の構成中、「主体とする」とは、所定の共重合体中、又は共重合体ブロック中の割合が70質量%以上であることを意味し、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であることを意味する。
(水添共重合体ブロック(b))
水添共重合体ブロック(b)は、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとからなる。
水添共重合体ブロック(b)中におけるビニル芳香族化合物の含有量は40質量%〜80質量%であり、45質量%〜75質量%が好ましく、50質量%〜70質量%がより好ましい。
水添共重合体ブロック(b)中におけるビニル芳香族化合物の含有量が80質量%を超えると、最終的に得られる水添ブロック共重合体組成物の柔軟性や透明性が損なわれる傾向にある。一方において40質量%未満であると、低反撥弾性、耐キンク性が悪化する傾向にある。
水添ブロック共重合体(イ)中における水添共重合体ブロック(b)の含有量は、最終的に得られる水添ブロック共重合体組成物の低反撥弾性、耐キンク性、透明性において良好なバランスを得る観点から、20質量%〜80質量%が好ましく、25質量%〜70質量%がより好ましく、30質量%〜60質量%がさらに好ましい。
なお、水添ブロック共重合体(イ)中の水添共重合体ブロック(b)の含有量は、核磁気共鳴装置(NMR)等により測定できる。
水添共重合体ブロック(b)の水素添加前の共重合体ブロックにおける共役ジエン部分のビニル結合量は、後述する第3級アミン化合物又はエーテル化合物等の、調整剤の使用により制御できる。
共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において透明性、低反撥弾性、耐キンク性の良好なバランスを得る観点から、水添共重合体ブロック(b)の水素添加前の共重合体ブロックにおける共役ジエン部分の1,2−ビニル結合量は、5〜60%であることが好ましく、10〜50%がより好ましい。
共役ジエンとしてイソプレンを使用した場合、又は1,3−ブタジエンとイソプレンとを併用した場合には、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計量は、3〜75%が好ましく、5〜60%がより好ましい。
なお、本実施形態においては、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合との合計量(但し、共役ジエンとして1,3−ブタジエンを使用した場合には、1,2−ビニル結合量)を、ビニル結合量と呼ぶものとする。
ビニル結合量は、水素添加前の共重合体を検体とした赤外分光光度計による測定(例えば、ハンプトン法)により測定できる。
(共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(c))
水添重合体ブロック(c)は、共役ジエンを主体とする。
前記水添ブロック共重合体(イ)中における水添重合体ブロック(c)の含有量は、最終的に得られる水添ブロック共重合体組成物の透明性、柔軟性の観点から、20質量%〜80質量%であり、25質量%〜70質量%が好ましく、30質量%〜60質量%がより好ましい。
水添重合体ブロック(c)中の水添前の共役ジエンのビニル結合量は、後述するオレフィン系樹脂(ロ)との相溶性に影響するものであり、かかる相溶性を向上させ、最終的に得られる水添ブロック共重合体組成物の透明性と流動性を良好なものとするために、50質量%以上とすることが好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましい。
(ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a))
水添ブロック共重合体(イ)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)を少なくとも1個有していることが好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)中におけるビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量は3〜30質量%が好ましく、5〜28質量%がより好ましく、7〜25質量%がさらに好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)中におけるビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量が3質量%未満であると、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、強度の低下及び耐熱性が劣化する傾向にあり、30質量%を超えると柔軟性及び透明性が損なわれる傾向にある。
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量は、四酸化オスミウムを触媒として水素添加前の共重合体をターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法:以後「四酸化オスミウム法」と呼ぶ。)により測定できる。
また、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量は、水素添加前の共重合体や水素添加後の共重合体を検体として、核磁気共鳴装置(NMR)を用いて(Y.Tanaka,et al.,RUBBER CHEMISTRY and TECHNOLOGY 54,685(1981)に記載の方法。以後「NMR法」と呼ぶ。)測定してもよい。
なお、この場合、四酸化オスミウム酸法により水素添加前の共重合体を用いて測定したビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量(Osとする)と、NMR法により水添後の共重合体を用いて測定したビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量(Nsとする)との間には、下記式に示す相関関係がある。
(Os)=−0.012(Ns)2+1.8(Ns)−13.0・・・(F)
従って、本実施形態において、NMR法で水添後の共重合体のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量を求める場合、上記式(F)で求められた(Os)の値を、本実施形態で規定するビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)の含有量とする。
(ビニル結合量が25質量%以下の共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d))
水添ブロック共重合体(イ)は、ビニル結合量が25質量%以下の共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d)を少なくとも一個有していることが好ましい。
共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d)のビニル結合量は25質量%以下が好ましく、23質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d)のビニル結合量が25質量%を超えると、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、強度の低下、及び耐熱性が劣化する傾向にある。
水添ブロック共重合体(イ)中における、ビニル結合量が25質量%以下の共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d)の含有量は、3〜30質量%が好ましく、5〜28質量%がより好ましく、7〜25質量%がさらに好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)中におけるビニル結合量が25質量%以下の共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d)の含有量が3質量%未満であると、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、強度の低下、及び耐熱性が劣化する傾向にあり、30質量%を超えると柔軟性が損なわれる傾向にある。
(ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A))
水添ブロック共重合体(ハ)は、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)を少なくとも2個有している。
水添ブロック共重合体(ハ)中における全ビニル芳香族化合物中の重合体ブロック(A)の割合としては、機械的強度の良好な材料を得る点で80重量%以上が好ましく、85重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
重合体ブロック(A)の割合が80%未満であると、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、強度の低下、及び耐熱性が劣化する傾向にある。
(共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B))
水添ブロック共重合体(ハ)は、共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)を、少なくとも1個有している。
水添ブロック共重合体(ハ)中における、共役ジエンを主体とする水添共重合体ブロック(B)の含有量は、最終的に得られる水添ブロック共重合体組成物の透明性、柔軟性の観点から、75質量%を超え90質量%未満が好ましく、76質量%〜89質量%がより好ましく、77質量%〜88質量%がさらに好ましい。
共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)中のビニル結合量は、後述するオレフィン系樹脂(ロ)との相溶性に影響し、これを向上させ、最終的に得られる水添ブロック共重合体組成物の透明性と柔軟性、流動性を良好なものとするために、62質量%以上99質量%未満とし、65質量%〜95質量%が好ましく、68質量%〜90質量%がより好ましい。
<水添ブロック共重合体(イ)の粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)>
水添ブロック共重合体(イ)は、粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが、0〜60℃、好ましくは2〜50℃、より好ましくは4〜40℃に少なくとも1つ存在する。
このtanδのピークは、水添ブロック共重合体(イ)における水添共重合体ブロック(b)に起因するピークである。このピークの存在が、0〜60℃の範囲に少なくとも1つ存在することが、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、低反撥弾性、耐キンク性を得るため必要である。
また、水添ブロック共重合体(イ)は、粘弾性測定チャートにおいて、tanδ(損失正接)のピークが、前記0〜60℃に加えて、0℃未満、好ましくは−60〜−5℃、より好ましくは−50〜−10℃に少なくとも1つ存在する。
このtanδのピークは、水添ブロック共重合体(イ)における水添共重合体ブロック(c)に起因するピークである。このピークの存在が0℃未満の範囲に少なくとも1つ存在することが、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物の低温下において、実用上十分な柔軟性と透明性とを得るために必要である。
なお、tanδは、粘弾性測定装置(ティーエイインストゥルメント株式会社製、ARES)を用いて、ひずみ0.5%、周波数1Hz、昇温速度3℃/分の条件下で測定できる。
<水添ブロック共重合体(イ)の重量平均分子量>
水添ブロック共重合体(イ)の重量平均分子量は、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、良好な耐熱性、機械的強度、流動性(成形加工性)のバランスを得る観点から5万〜60万が好ましく、7万〜50万がより好ましく、10万〜40万がさらに好ましい。
<水添ブロック共重合体(ハ)の重量平均分子量>
水添ブロック共重合体(ハ)の重量平均分子量は、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において、良好な耐熱性、機械的強度、流動性(成形加工性)のバランスを得る観点から3万〜30万とし、4万〜25万が好ましく、5万〜20万がより好ましい。
ここで、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)による測定を行い、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求められる。
<水添ブロック共重合体(イ)、(ハ)の分子量分布>
前記水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の分子量分布は、GPCによる測定により求められ、重量平均分子量と数平均分子量との比率により算出できる。
前記水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の分子量分布は、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。
<水添ブロック共重合体(イ)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率>
水添ブロック共重合体(イ)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において良好な耐熱性、耐候性を得る観点から、75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることがさらに好ましい。
<水添ブロック共重合体(ハ)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率>
水添ブロック共重合体(ハ)中の共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率は、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において良好な耐熱性、耐候性を得る観点から75%以上であるものとし、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
<水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)中のビニル芳香族化合物単位の芳香族二重結合の水素添加率>
水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)のビニル芳香族化合物単位の芳香族二重結合の水素添加率については、特に制限されるものではないが、50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
ここで、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の水素添加率は、核磁気共鳴装置(NMR)等を用いて測定できる。
<水添ブロック共重合体(イ)の結晶化ピーク>
水添ブロック共重合体(イ)は、示差走査熱量測定(DSC)チャートにおいて、−20〜80℃の範囲に、上述したビニル芳香族と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック(b)に起因する結晶化ピークが実質的に存在しない水素添加物であることが好ましい。
ここで、「−20〜80℃の範囲にビニル芳香族と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック(b)に起因する結晶化ピークが実質的に存在しない」とは、この温度範囲において、ビニル芳香族と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック(b)部分の結晶化に起因するピークが現れないか、もしくは結晶化に起因するピークが認められる場合においても、その結晶化による結晶化ピーク熱量が3J/g未満、好ましくは2J/g未満、より好ましくは1J/g未満であり、さらに好ましくは結晶化ピーク熱量が無いことを意味する。
上述したように、−20〜80℃の範囲にビニル芳香族と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック(b)に起因する結晶化ピークが実質的に存在しないと、前記水添ブロック共重合体(イ)において良好な柔軟性が得られ、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物の軟質化が図られ好適である。
−20〜80℃の範囲にビニル芳香族と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック(b)に起因する結晶化ピークが実質的に存在しない水添ブロック共重合体(イ)を得るためには、ビニル結合量の調整やビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合性の調整を行う所定の調整剤を用いて後述する条件下で重合反応を行うことによって得られる共重合体を水素添加反応すればよい。
<水添ブロック共重合体(イ)、(ハ)の構造>
水添ブロック共重合体(イ)の構造については、特に制限されるものではなく、例えば、下記の一般式で表される構造を有するものが挙げられる。
(b−c)n、c−(b−c)n、b−(c−b)n、(b−c)m−X、(c−b)m−X、c−(b−a)n、c−(a−b)n、c−(a−b−a)n、c−(b−a−b)n、c−(b−c−a)n、a−(c−b−c−a)n、a−c−(b−a)n、a−c−(a−b)n、a−c−(b−a)n−b、[(a−b−c)nm−X、[a−(b−c)nm−X、[(a−b)n−c]m−X、[(a−b−a)n−c]m−X、[(b−a−b)n−c]m−X、[(c−b−a)nm−X、[c−(b−a)nm−X、[c−(a−b−a)nm−X、[c−(b−a−b)nm−X。c−(b−d)n、c−(d−b)n、c−(d−b−d)n、c−(b−d−b)n、c−(b−c−d)n、d−(c−b−c−d)n、d−c−(b−d)n、d−c−(d−b)n、d−c−(b−d)n−b、[(d−b−c)nm−X、[d−(b−c)nm−X、[(d−b)n−c]m−X、[(d−b−d)n−c]m−X、[(b−d−b)n−c]m−X、[(c−b−d)nm−X、[c−(b−d)nm−X、[c−(d−b−d)nm−X、[c−(b−d−b)nm−X
なお、上記各一般式において、aはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)、bはビニル芳香族化合物と共役ジエンからなる水添共重合体ブロック(b)、cは共役ジエンを主体とする水添共重合体ブロック(c)、dはビニル結合量が25質量%以下の共役ジエンを主体とする重合体ブロック(d)を示す。
nは1以上の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。
mは2以上の整数であり、好ましくは2〜11の整数である。
Xはカップリング剤の残基又は多官能開始剤の残基を示す。
水添ブロック共重合体(ハ)の構造については、特に制限されるものではなく、例えば、下記の一般式で表される構造を有するものが挙げられる。
A−(B−A)、B−(A−B)、(A−B)、(A−B)−X、(B−A)−X
なお、上記各一般式において、Aはビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)であり、Bは共役ジエン化合物を主体とする水添重合体ブロック(B)である。
nは1以上の整数であり、好ましくは1〜5の整数である。
mは2以上の整数であり、好ましくは2〜8の整数である。
Xはカップリング剤の残基又は多官能開始剤の残基を示す。
水添ブロック共重合体(イ)中に、ブロック(a)、ブロック(b)、ブロック(c)、ブロック(d)が、それぞれ複数存在している場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
また、各ブロックの境界は、必ずしも明瞭に区別される必要はない。
水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)中のビニル芳香族化合物の分布は、本実施形態におけるビニル芳香族化合物含有量の範囲を満たしていれば、特に限定されるものではなく、均一に分布していても、テーパー状、階段状、凸状、凹状に分布していてもよい。
また、ビニル芳香族化合物の分布形式は、それぞれ複数個共存していてもよい。
さらに、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)中には、ビニル芳香族化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。
また、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)中の各ブロック(a)〜(d)及び(A)、(B)中のビニル結合単位の分布については特に限定されないが、分布があってもよい。ビニル結合の分布は、重合中に後述する調整剤を添加したり、重合中の温度を変化させたりすることにより制御できる。
また、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)における共役ジエン単量体単位の水素添加率には分布があってもよい。水素添加率の分布は、ビニル結合単位の分布を変更する、あるいは、イソプレンとブタジエンを共重合した後に、後述する水添触媒を用いて水素添加し、イソプレン単位とブタジエン単位の水素添加速度の差を利用する方法等により制御できる。
水添ブロック共重合体(イ)が、少なくとも片末端に重合体ブロック(a)を有する構造であることが、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において良好な耐熱性、機械的強度を得る観点から好ましい。
また、水添ブロック共重合体(イ)が、少なくとも片末端に、(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロックを有する構造であることが、後述するオレフィン系樹脂(ロ)との相溶性の向上を図り、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において良好な透明性、柔軟性を得る観点から好ましい。
具体的には、上述した水添ブロック共重合体(イ)の構造を表す一般式中、c−(b−a)n、c−(a−b−a)n、a−c−(b−a)nが好ましく、c−(b−a)n、c−(a−b−a)nがより好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)は、上記一般式で表す構造を有する共重合体の任意の混合物でもよい。
水添ブロック共重合体(ハ)は、少なくとも2個以上の重合体ブロック(A)の1個以上が末端に存在する構造であることが、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において良好な耐熱性、機械的強度を得る観点から好ましい。
具体的には、上記構造の中、A−(B−A)、(A−B)が好ましい。
水添ブロック共重合体(ハ)は、上記一般式で表す構造を有する共重合体の任意の混合物でもよい。
また、水添ブロック共重合体(ハ)は、少なくとも片末端に、前記(B)の共役ジエンを主体とする水添重合体ブロックを、0.1〜9.1質量%含有していることが、最終的に目的とする水添ブロック共重合体組成物において良好な加工性を得る観点から好ましい。
<水添ブロック共重合体(イ)、(ハ)の構造の他の例>
上述した水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)は、所定の官能基を有する原子団が結合した変性ブロック共重合体であってもよい。
また、変性ブロック共重合体は、二次変性ブロック共重合体であってもよい。
<水添ブロック共重合体(イ)、(ハ)の製造方法>
水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の、水素添加前の状態であるブロック共重合体は、例えば、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物とを、炭化水素溶媒中で有機アルカリ金属化合物等の重合開始剤を用いてリビングアニオン重合を行うことにより得られる。
(溶媒)
炭化水素溶媒としては、例えば、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン等の脂環式炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素が挙げられる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、一般的に、ビニル芳香族化合物及び共役ジエンに対し、アニオン重合活性があることが知られている脂肪族炭化水素アルカリ金属化合物、芳香族炭化水素アルカリ金属化合物、有機アミノアルカリ金属化合物等の有機アルカリ金属化合物を適用できる。
有機アルカリ金属化合物としては、炭素数1〜20の脂肪族及び芳香族炭化水素リチウム化合物が好ましく、1分子中に1個のリチウムを含む化合物、1分子中に複数のリチウムを含むジリチウム化合物、トリリチウム化合物、テトラリチウム化合物が適用できる。
具体的には、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ペンチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、トリルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとsec−ブチルリチウムとの反応生成物、ジビニルベンゼンとsec−ブチルリチウムと少量の1,3−ブタジエンとの反応生成物等が挙げられる。
さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書に開示されている有機アルカリ金属化合物も適用できる。
(調整剤)
重合開始剤として有機アルカリ金属化合物を用いて、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとを共重合する際に、所定の調整剤を用いることにより、重合体に組み込まれる共役ジエンに起因するビニル結合(1,2又は3,4結合)の含有量や、ビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合性を調整できる。
このような調整剤としては、例えば、第3級アミン化合物、エーテル化合物、金属アルコラート化合物を添加すればよい。
調整剤は単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第3級アミン化合物としては、一般式R123N(ここで、R1、R2、R3は炭素数1〜20の炭化水素基又は第3級アミノ基を有する炭化水素基を示す)で表される化合物が適用できる。
例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N−エチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、トリメチルアミノエチルピペラジン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルエチレントリアミン、N,N’−ジオクチル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
エーテル化合物としては、直鎖状エーテル化合物及び環状エーテル化合物等が適用できる。
直鎖状エーテル化合物としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールのジアルキルエーテル化合物類が挙げられる。
環状エーテル化合物としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、2,5−ジメチルオキソラン、2,2,5,5−テトラメチルオキソラン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン、フルフリルアルコールのアルキルエーテル等が挙げられる。
金属アルコラート化合物としては、例えば、ナトリウム−t−ペントキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ペントキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられる。
(重合方法)
前記重合開始剤として有機アルカリ金属化合物を用いて、ビニル芳香族化合物及び共役ジエン重合体を重合する方法としては、従来公知の方法を適用できる。
例えば、バッチ重合、連続重合、あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。特に、耐熱性に優れた共重合体を得るためにはバッチ重合が好適である。
重合温度は、0℃〜180℃が好ましく、30℃〜150℃がより好ましい。重合時間は条件によって異なるが、通常は48時間以内であり、好ましくは0.1〜10時間である。
また、重合系の雰囲気としては、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気が好ましい。
重合圧力は、上記温度範囲においてモノマー及び溶媒を液相に維持することができる圧力範囲に設定すればよく、特に限定されるものではない。
さらに、重合系内は触媒及びリビングポリマーを不活性化させるような不純物、例えば、水、酸素、炭酸ガス等が混入しないように留意する必要がある。
また、上記重合工程の終了時に、2官能以上のカップリング剤を必要量添加してカップリング反応を行ってもよい。
2官能カップリング剤としては、従来公知のものを適用でき、特に限定されるものではない。
例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン等のアルコキシシラン化合物、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルジブロモシラン等のジハロゲン化合物、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、フタル酸エステル類等の酸エステル類等が挙げられる。
また、3官能以上の多官能カップリング剤としては、従来公知のものを適用でき、特に限定されるものではない。例えば、3価以上のポリアルコール類、エポキシ化大豆油、ジグリシジルビスフェノールA、1,3−ビス(N−N‘−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン等の多価エポキシ化合物、一般式R4-nSiXn(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン、nは3〜4の整数を示す)で表されるハロゲン化珪素化合物、例えば、メチルシリルトリクロリド、t−ブチルシリルトリクロリド、四塩化珪素及びこれらの臭素化物等、一般式R4-nnn(ここで、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハロゲン、nは3〜4の整数を示す)で表されるハロゲン化錫化合物、例えば、メチル錫トリクロリド、t−ブチル錫トリクロリド、四塩化錫等の多価ハロゲン化合物が挙げられる。
また、炭酸ジメチルや炭酸ジエチル等を使用してもよい。
(変性工程)
上述したように、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)は、官能基を有する原子団が結合した変性ブロック共重合体であってもよい。官能基を有する原子団は、後述する水添工程の前工程として結合させるのが好ましい。
前記「官能基を有する原子団」としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、シラノール基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、ボロン酸基、ホウ素含有基、ボロン酸塩基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる官能基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。
特に、水酸基、エポキシ基、アミノ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を少なくとも1個有する原子団が好ましい。
前記「官能基を有する原子団」は変性剤により結合させる。
変性剤としては、例えば、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、4−メトキシベンゾフェノン、γ−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチルフェノキシシラン、ビス(γ−グリシドキシプロピル)メチルプロポキシシラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、N,N’−ジメチルプロピレンウレア、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
変性ブロック共重合体は、例えば、アニオンリビング重合により、官能基を有する重合開始剤や官能基を有する不飽和単量体を用いて重合したり、リビング末端に官能基を形成もしくは含有する変性剤を付加反応させたりすることにより得られる。
その他の方法としては、ブロック共重合体に有機リチウム化合物等の有機アルカリ金属化合物を反応(メタレーション反応)させ、有機アルカリ金属が付加したブロック重合体に官能基を有する変性剤を付加反応させることにより得られる。
但し、後者の方法の場合には、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)を得た後にメタレーション反応させてから、変性剤を反応させることにより、変性水添ブロック共重合体を作製することもできる。
変性反応を行う温度は、0〜150℃が好ましく、20〜120℃がより好ましい。変性反応に要する時間は他の条件によって異なるが、24時間以内であることが好ましく、0.1〜10時間がより好ましい。
用いた変性剤の種類により、変性剤を反応させた段階で一般にアミノ基等は有機金属塩となっていることもあるが、その場合には水やアルコール等活性水素を有する化合物で処理することにより、アミノ基等に変換できる。なお、このような変性共重合体においては、変性共重合体に、一部変性されていない共重合体が混在してもよい。
また、上述した変性ブロック共重合体は、二次変性ブロック共重合体であってもよい。
二次変性ブロック共重合体は、変性ブロック共重合体に、当該変性ブロック共重合体の官能基と反応性を有する二次変性剤を反応させることにより得られる。
二次変性剤としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基、アルコキシシラン基から選ばれる官能基を有する変性剤が挙げられ、これらの官能基から選ばれる官能基を少なくとも2個有するものとする。
但し、官能基が酸無水物基である場合には、酸無水物基を1個具備するものであってもよい。
上記のように、変性ブロック共重合体に二次変性剤を反応させる場合、変性ブロック共重合体に結合されている官能基1当量あたり、二次変性剤の使用量は0.3〜10モルが好ましく、0.4〜5モルがより好ましく、0.5〜4モルがさらに好ましい。
変性ブロック共重合体と二次変性剤とを反応させる方法については、公知の方法が適用でき、特に限定されるものではない。例えば、後述する溶融混練方法や、各成分を溶媒等に溶解又は分散混合して反応させる方法等が挙げられる。なお、これら二次変性は、水添工程後に行うことが好ましい。
二次変性剤としては、具体的には、無水マレイン酸、無水ピロメリット酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、トルイレンジイソシアナート、テトラグリジジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラスルファン等が好適である。
また、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)は、α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えば、その無水物、エステル化物、アミド化物、イミド化物でグラフト変性した変性ブロック共重合体とすることができる。
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の具体例としては、無水マレイン酸、無水マレイン酸イミド、アクリル酸又はそのエステル、メタアクリル酸又はそのエステル、エンド−シス−ビシクロ〔2,2,1〕−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
α、β−不飽和カルボン酸又はその誘導体の付加量は、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)100質量部当たり、通常0.01〜20質量部であるものとし、好ましくは0.1〜10質量部である。
グラフト変性する場合の反応温度は100〜300℃が好ましく、120〜280℃がより好ましい。
グラフト変性する具体的な方法としては、例えば、特開昭62−79211号公報に記載の方法が適用できる。
(水添反応工程)
水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)は、上述したような非水添の非変性又は変性ブロック共重合体を、所定の水添触媒を用いて水素添加反応に供することにより得られる。
水添触媒としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒である(1)Ni、Pt、Pd、Ru等の金属をカーボン、シリカ、アルミナ、ケイソウ土等に担持させた担持型不均一系水添触媒、(2)Ni、Co、Fe、Cr等の有機酸塩又はアセチルアセトン塩等の遷移金属塩と有機アルミニュウム等の還元剤とを用いる、いわゆるチーグラー型水添触媒、(3)Ti、Ru、Rh、Zr等の有機金属化合物等のいわゆる有機金属錯体等の均一系水添触媒が用いられる。
具体的には、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特公昭63−4841号公報、特公平1−37970号公報、特公平1−53851号公報、特公平2−9041号公報に記載された水添触媒が使用できる。
好適な水添触媒としては、チタノセン化合物、還元性有機金属化合物、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
チタノセン化合物としては、特開平8−109219号公報に記載されている化合物が使用できる。具体的には、ビスシクロペンタジエニルチタンジクロライド、モノペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロライド等の(置換)シクロペンタジエニル骨格、インデニル骨格、あるいはフルオレニル骨格を有する配位子を少なくとも1つ以上有する化合物が挙げられる。
還元性有機金属化合物としては、有機リチウム等の有機アルカリ金属化合物、有機マグネシウム化合物、有機アルミニウム化合物、有機ホウ素化合物、あるいは有機亜鉛化合物等が挙げられる。
水添反応について説明する。
反応温度は、一般的に0〜200℃であるものとし、30〜150℃の温度範囲が好ましい。
水添反応に使用される水素の圧力は0.1〜15MPaであるものとし、0.2〜10MPaが好ましく、0.3〜5MPaがさらに好ましい。
水添反応時間は、通常3分〜10時間であるものとし、10分〜5時間が好ましい。
水添反応は、バッチプロセス、連続プロセス、あるいはこれらの組み合わせのいずれであってもよい。
水添反応を経て得られた水添ブロック共重合体の溶液から必要に応じて触媒残査を除去し、水添ブロック共重合体を溶液から分離する。
分離方法としては、例えば、水添後の反応液にアセトン又はアルコール等の水添変性共重合体に対する貧溶媒となる極性溶媒を加えて重合体を沈澱させて回収する方法、反応液を撹拌下熱湯中に投入し、スチームストリッピングにより溶媒を除去して回収する方法、直接重合体溶液を加熱して溶媒を留去する方法等が挙げられる。
なお、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)には、各種フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤、アミン系安定剤等の安定剤を添加してもよい。
<(ロ)オレフィン系樹脂>
本実施形態における水添ブロック共重合体組成物を構成するオレフィン系樹脂(ロ)について説明する。
オレフィン系樹脂(ロ)としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等の、α−オレフィン類のホモ重合体が挙げられる。
また、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等から選ばれるオレフィンの組み合わせよりなるランダム共重合体、あるいはブロック共重合体が挙げられる。
例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−3−メチル−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−デセン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン−エチレン共重合体、プロピレン−1−オクテン−エチレン共重合体等の、エチレン及び/又はプロピレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。
また、エチレン及び/又はプロピレンとの共重合体としては、下記に示す他の不飽和単量体との共重合体も含まれる。
例えば、エチレン及び/又はプロピレンとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミド等の不飽和有機酸又はその誘導体との共重合体、エチレン及び/又はプロピレンと酢酸ビニル等のビニルエステル類との共重合体、さらにエチレン及び/又はプロピレンとジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン等の非共役ジエン等との共重合体が挙げられる。
(ロ)オレフィン系樹脂は、少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含むものであることが好ましい。
また、オレフィン系樹脂(ロ)は、所定の官能基によって変性されたものであってもよい。
官能基としては、例えば、エポキシ基、カルボキシ基、酸無水物、水酸基等が挙げられる。
オレフィン系樹脂(ロ)を変性させるための官能基含有化合物又は変性剤としては、下記の化合物が挙げられる。
例えば、グリシジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エポキシドや、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、アリルコハク酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸等の不飽和有機酸等が挙げられる。
その他、アイオノマー、塩素化ポリオレフィン等が挙げられる。
オレフィン系樹脂(ロ)としては、経済性や、本実施の形態における水添ブロック共重合体組成物中の相容性を良好なものとして高い透明性を得る観点から、ポリプロピレン・ホモ重合体、エチレン−プロピレン・ランダムあるいはブロック共重合体等のポリプロピレン系樹脂が好ましい。
特に、透明性、柔軟性の観点で、エチレン−プロピレン・ランダム共重合体がより好ましい。
オレフィン系樹脂(ロ)は、単独の材料により構成されていてもよく、2種以上を併用したものであってもよい。
[水添ブロック共重合体組成物]
本実施形態における水添ブロック共重合体組成物は、上述したように、第1の実施形態として、水添ブロック共重合体(イ)と、少なくとも1種類のオレフィン系樹脂(ロ)とを含有するもの、第2の実施形態として、前記水添ブロック共重合体(イ)と少なくとも1種類のオレフィン系樹脂(ロ)と、水添ブロック共重合体(ハ)とを含有するものがある。
前記第1の実施形態の水添ブロック共重合体組成物においては、水添ブロック共重合体(イ)の含有量が5質量%〜95質量%が好ましく、10質量%〜90質量%がより好ましく、15質量%〜85質量%がさらに好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)の含有量が5質量%未満であると、水添ブロック共重合体組成物の柔軟性が悪化する傾向にある。一方において95質量%を超えると、水添ブロック共重合体組成物の強度や耐熱性が悪化する傾向にある。
前記第2の実施形態の水添ブロック共重合体組成物においては、水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の含有量は、それぞれ、2.5質量%〜92.5質量%が好ましく、5質量%〜85質量%がより好ましく、7.5質量%〜77.5質量%がさらに好ましい。
水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の含有量が、それぞれ2.5質量%未満であると、水添ブロック共重合体組成物の柔軟性が悪化する傾向にある。
一方において92.5質量%を超えると、水添ブロック共重合体組成物の強度や耐熱性が悪化する傾向にある。
本実施形態における水添ブロック共重合体組成物は、上述した水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)、ポリオレフィン系樹脂(ロ)以外に、例えば、任意のゴム用軟化剤や、改質剤、添加剤等が配合されていてもよい。
ゴム用軟化剤は、目的とする水添ブロック共重合体組成物を柔軟化させ、かつ流動性(成形加工性)を付与する。ゴム用軟化剤としては、例えば、鉱物油や液状もしくは低分子量の合成軟化剤が適用でき、特に、ナフテン系及び/又はパラフィン系のプロセスオイル又はエクステンダーオイルが好適である。
鉱物油系ゴム用軟化剤は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン鎖の混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素の50%以上を占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン環の炭素数が30〜45%のものがナフテン系、また芳香族炭素数が30%を超えるものが芳香族系と呼ばれる。
合成軟化剤としては、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、流動パラフィン等が使用できるが、上述した鉱物油系ゴム用軟化剤の方がより好ましい。
目的とする水添ブロック共重合体組成物に高い耐熱性、機械的物性が要求される場合には、適用する鉱物油系ゴム用軟化剤の40℃の動粘度が60cst以上、好ましくは120cst以上であることが好ましい。ゴム用軟化剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
改質剤は、目的とする水添ブロック共重合体組成物の表面の耐傷性を向上させたり、粘着性を改良したりする機能を有しているものとする。改質剤としては、有機ポリシロキサンが適用できる。これは水添ブロック共重合体組成物の表面改質効果を発揮し、かつ耐磨耗性改善助剤として機能する。
改質剤の形態としては、低粘度の液状〜高粘度の液状物、固体状のいずれでもよいが、水添ブロック共重合体組成物への良好な分散性を確保する観点から、液状物、すなわちシリコンオイルが好適である。更に動粘度については、ポリシロキサン自体のブリード抑制の観点から、90cst以上が好ましく、1000cst以上が好ましい。ポリシロキサンの具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の汎用シリコンオイルや、アルキル変性、ポリエーテル変性、フッ素変性、アルコール変性、アミノ変性、エポキシ変性等、各種変性シリコンオイルが挙げられる。特に制限されないが、耐磨耗性改善助剤としての効果が高いことから、ジメチルポリシロキサンが好適である。これらの有機ポリシロキサンは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、充填剤、滑剤、離型剤、可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、帯電防止剤、補強剤、着色剤、熱可塑性樹脂やゴム状重合体の配合に一般的に用いられるものであれば特に制限はない。
充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、マイカ、ケイ酸カルシウム、ハドロタルサイト、カオリン、珪藻土、グラファイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機充填剤、カーボンブラック等の有機充填剤が挙げられる。
滑剤としては、ステアリン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、エチレンビスステアロアミド等が挙げられる。
可塑剤としては、有機ポリシロキサン、ミネラルオイル等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
熱安定剤としては、りん系、硫黄系及びアミン系熱安定剤等が挙げられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。
補強剤としては、有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属ウィスカ等が挙げられる。
着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等が挙げられる。
その他、「ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に記載されたものが挙げられる。
本実施形態における水添ブロック共重合体組成物は、従来公知の方法により製造できる。
例えば、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機等の混和機を用いて、各成分(上記水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)と、ポリオレフィン系樹脂(ロ)、その他添加剤)を、溶融混練する方法、各成分を溶解又は分散混合後、溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。特に、押出機による溶融混練法が生産性、良混練性の観点から好適である。
水添ブロック共重合体組成物の形状については、特に限定されるものではないが、ペレット状、シート状、ストランド状、チップ状等、任意の形状とすることができる。また、溶融混練後、直接成形品を作製してもよい。
[水添ブロック共重合体組成物を用いた成形品]
上述した水添ブロック共重合体組成物は、例えば、押出成形、射出成形、二色射出成形、サンドイッチ成形、中空成形、圧縮成形、真空成形、回転成形、パウダースラッシュ成形、発泡成形、積層成形、カレンダー成形、ブロー成形等によって、実用上有用な成形品に加工できる。
例えば、シート、フィルム、各種形状の射出成形品、中空成形品、圧空成型品、真空成形品、押出成形品、発泡成形品、不織布や繊維状の成形品、合成皮革等多種多様の成形品とすることができる。
これらの成形品は、例えば、自動車用部品、食品包装材料、医療器具、家電製品部材、電子デバイス部材、建築材料、工業部品、家庭用品、玩具素材、履物用素材、繊維素材等に利用できる。
自動車用部品の具体例としては、サイドモール、グロメット、シフトノブ、ウエザーストリップ、窓枠とそのシーリング材、アームレスト、アシストグリップ、ドアグリップ、ハンドルグリップ、コンソールボックス、ヘッドレスト、インストゥルメントパネル、バンパー、スポイラー、エアバッグカバー等が挙げられる。
医療器具としては、例えば、医療用チューブ、医療用ホース、カテーテル、血液バッグ、輸液バッグ、血小板保存バッグ、人工透析用バッグ等が挙げられる。
建築材料としては、壁材、床材等が挙げられる。
その他、工業用ホース、食品用ホース、掃除機ホース、電冷パッキン、電線その他の各種被覆材、グリップ用被覆材、軟質人形等が挙げられる。
上記成形品には、適宜発泡、粉末、延伸、接着、印刷、塗装、メッキ等の加工を施してもよい。
本実施の形態における水添ブロック共重合体組成物は、柔軟性、低反撥弾性、透明性、耐キンク性に優れた効果を発現するため、ホース、チューブ等の中空状組成物として極めて有用である。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<重合体の構造の特定方法、物性の測定方法>
(1)水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)のスチレン含有量
水添前のブロック共重合体を用い、紫外分光光度計(島津製作所製、UV−2450)を用いて測定した。
(2)水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)のポリスチレンブロック含有量
水添前のブロック共重合体を用い、I.M.Kolthoff,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の四酸化オスミウム酸法で測定した。
ブロック共重合体の分解にはオスミウム酸0.1g/125mL第三級ブタノール溶液を用いた。
(3)水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)のビニル結合量
水添前のブロック共重合体を用い、赤外分光光度計(日本分光社製、FT/IR−230)を用いて測定した。共重合体のビニル結合量はハンプトン法により算出した。
(4)水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の分子量及び分子量分布
GPC〔装置:LC−10(島津製作所製)、カラム:TSKgelGMHXL(4.6mm×30cm)〕により測定した。
溶媒はテトラヒドロフランを用いた。測定条件は、温度35℃で行った。
分子量は、クロマトグラムのピークの分子量を、市販の標準ポリスチレンの測定から求めた検量線(標準ポリスチレンのピーク分子量を使用して作成)を使用して求めた重量平均分子量である。
なお、クロマトグラム中にピークが複数有る場合の分子量は、各ピークの分子量と各ピークの組成比(クロマトグラムのそれぞれのピークの面積比より求める)から求めた平均分子量をいう。
また、分子量分布は、得られた重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)である。
(5)水添ブロック共重合体(イ)及び(ハ)の共役ジエン単量体単位の二重結合の水添率
水添後の変性共重合体を用い、核磁気共鳴装置(BRUKER社製、DPX−400)を用いて測定した。
(6)tanδピーク温度
先ず、試料を、幅12.5mm、長さ40mmのサイズにカットして測定用サンプルとした。
次に、この測定用サンプルを、装置ARES(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)の捻りタイプのジオメトリーにセットし、実効測定長さ25mm、ひずみ0.5%、周波数1Hz、昇温速度3℃/分の条件下で求めた。
tanδピーク温度は、RSI Orchestrator(ティーエイインスツルメントー株式会社製、商品名)の自動測定より検出されるピークから求めた値とした。
(7)硬度
JIS K6253に従い、デュロメータタイプAで10秒後の値を測定した。
なお、下記表5及び表6中の硬度の欄の(−)とは、単位無しという意味である。
硬度の値は、96以下であることが好ましい。
(8)引張強度(Tb)、破断伸び(Eb)
JIS K6251に従い、3号ダンベル、クロスヘッドスピード500mm/分で測定した。
引張強度は、90kg/cm2以上が実用上望ましい。
破断伸びは、500%以上あれば実用上望ましい。
(9)トリプソ式反撥弾性
JIS K6255に従い、23℃で測定した。
反撥弾性は30%未満が望ましい。
(10)耐キンク性
内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を用い、引張圧縮試験機によりチューブ屈曲時の応力を測定し、応力カーブを図示した。
具体的には、チューブ長30cmをチャック間10cmにセットし、クロスヘッドスピード400mm/分で折り曲げ測定した。
応力カーブを図1に示した。
<キンク緩和性判定>
図1の1はチューブがキンクする瞬間である。1の部分が緩慢になるものほど、キンク緩和性が良好となる。
判定方法としては、まず、応力カーブ上のキンクの瞬間1の前後の直線部分に、接線A,Bを引いた。
接線A,Bのそれぞれが応力カーブより離れた位置の差が大きいものほど、キンク緩和性が良好であるものとし、これをA−B接線間距離とし、下記式により算出し判定した。
(接線Bが応力カーブから離れた時のチャック間移動距離)−(接線Aが応力カーブから離れた時のチャック間移動距離)=A−B接線間距離
A−B接線間距離が7mm以上 :◎
A−B接線間距離が7mm未満5mm以上:○
A−B接線間距離が5mm未満 :×
<キンク距離判定>
応力が最大になる図1の2をチューブがキンクする瞬間のチャック間距離とし、このチャック間移動距離が長いものほど、キンク距離が良好として、良い方から◎、○、×の3段階で判定した。
キンク位置が60mm以上:◎
キンク位置が50mm以上:○
キンク位置が50mm未満:×
<耐キンク性総合判定>
キンク緩和性判定、キンク距離判定のいずれも◎ :◎
キンク緩和性判定、キンク距離判定のいずれかが○で、いずれかが◎:◎
キンク緩和性判定、キンク距離判定のいずれも○ :○
キンク緩和性判定、キンク距離判定のいずれかが× :×
(11)ヘイズ値(曇度)、透明性判定
ヘイズメーター(日本電色工業株式会社製、NDH−1001DP)を用い、流動パラフィン中での厚さ2mmのシート状成形体のヘイズ値(曇度)を測定し、透明性の指標とし、良い方から◎、○、×の3段階で評価した。
ヘイズ値30%未満 :透明性◎
ヘイズ値30以上50%未満:透明性○
ヘイズ値50%以上 :透明性×
<水添触媒の調製>
後述する実施例及び比較例において、水添ブロック共重合体を作製する際に用いる水添触媒を、下記の方法により調製した。
攪拌装置を具備する反応容器を窒素置換しておき、これに、乾燥、精製したシクロヘキサン1リットルを仕込んだ。
次に、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加した。
これを十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。これにより水添触媒が得られた。
<水添ブロック共重合体>
水添ブロック共重合体組成物を構成する水添ブロック共重合体(イ)−1〜(イ)−7及び(ハ)−1〜(ハ)−3を、下記のようにして調製した。
(水添ブロック共重合体(イ)−1)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.084質量部とN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(以下「TMEDA」とする。)をn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、スチレン25質量部を含むシクロヘキサン溶液と、ブタジエン21質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
次に、ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、60℃で1時間重合した。その後、メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量34質量%、ポリスチレンブロック含有量9質量%、ビニル結合量66質量%(共役ジエン重合体ブロックのビニル結合量77質量%)、重量平均分子量14.8万、分子量分布1.02であった。
さらに、得られたブロック共重合体に、上記のようにして調製した水添触媒を、ブロック共重合体100質量部当たり、Ti基準で100ppm添加し、水素圧0.7MPa、温度65℃で水素添加反応を行った。
次に、安定剤として、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを、共重合体100質量部に対して0.3質量部添加し、水添ブロック共重合体(イ)−1を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は98%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−2)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン7質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.089質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、ブタジエン57質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で1時間重合した。
次に、スチレン18質量部を含むシクロヘキサン溶液とブタジエン14質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
次に、スチレン4質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で20分間重合した。その後メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量29質量%、ポリスチレンブロック含有量11質量%、ビニル結合量70質量%(共役ジエン重合体ブロックのビニル結合量77質量%)、重量平均分子量13.7万、分子量分布1.03であった。
さらに、得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−2を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は98%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−3)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、ブタジエン35質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.071質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、60℃で1時間重合した。
次に、スチレン11質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で20分間重合した。
次に、スチレン24質量部を含むシクロヘキサン溶液とブタジエン21質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
次に、スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で20分間重合した。その後メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量44質量%、ポリスチレンブロック含有量20質量%、ビニル結合量60質量%(共役ジエン重合体ブロックのビニル結合量75質量%)、重量平均分子量18.4万、分子量分布1.05であった。
さらに、得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−3を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は99%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−4)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.078質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、スチレン27質量部を含むシクロヘキサン溶液とブタジエン19質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
次に、ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、60℃で1時間重合した。
次に、安息香酸エチルをn−ブチルリチウム1モルに対して0.1モル添加し、70℃で10分間反応させた。その後メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量36質量%、ポリスチレンブロック含有量9質量%、ビニル結合量63質量%(共役ジエン重合体ブロックのビニル結合量73質量%)、重量平均分子量16.3万、分子量分布1.20であった。また、GPC曲線のピーク面積比より求めたカップリング率は25%であった。
さらに得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−4を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は98%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−5)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、ブタジエン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.079質量部とTMEDA」をn−ブチルリチウム1モルに対して0.05モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、TMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.75モル添加し、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、スチレン27質量部を含むシクロヘキサン溶液と、ブタジエン19質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で45分間重合した。
次に、ブタジエン45質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、60℃で1時間重合した。その後、メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量27質量%、ビニル結合量61質量%(共役ジエン重合体ブロック(c)のビニル結合量76質量%、共役ジエン重合体ブロック(d)のビニル結合量18質量%)、重量平均分子量20.3万、分子量分布1.05であった。
さらに得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−5を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は98%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−6)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.079質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.3モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、スチレン38質量部を含むシクロヘキサン溶液とブタジエン49質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合した。
次に、スチレン4質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で20分間重合した。次に、メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量51質量%、ポリスチレンブロック含有量13質量%、ビニル結合量21質量%、重量平均分子量15.9万、分子量分布1.09であった。
さらに得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−6を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は98%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−7)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン22質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.124質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン57質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で1時間重合した。
次に、スチレン21質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で30分間重合した。次に、メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量43質量%、ブタジエン部のビニル結合量76質量%、重量平均分子量9.1万、分子量分布1.07であった。
さらに得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−7を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は99%であった。
(水添ブロック共重合体(イ)−8)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン5質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.067質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、スチレン20質量部を含むシクロヘキサン溶液と、ブタジエン65質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合した。
次に、スチレン5質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で20分間重合した。
次に、ブタジエン5質量部を含むシクロヘキサン溶液を加えて、70℃で20分間重合した。次に、メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量30質量%、ブタジエン部のビニル結合量65質量%、重量平均分子量20.1万、分子量分布1.06であった。
さらに得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(イ)−8を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は98%であった。
(水添ブロック共重合体(ハ)−1)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
先ず、スチレン7質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。
次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.082質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して1.8モル、更にナトリウム−t−ペントキシドをn−ブチルリチウム1モルに対して0.08モル添加し、70℃で20分間重合した。
次に、ブタジエン87質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて60℃で1.5時間重合した。
次に、スチレン6質量部を含むシクロヘキサン溶液を投入して、70℃で20分間重合した。次に、メタノールを添加し、重合反応を停止した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量13質量%、ブタジエン部のビニル結合量78質量%、重量平均分子量15.1万、分子量分布1.06であった。
さらに得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(ハ)−1を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は99%であった。
(水添ブロック共重合体(ハ)−2)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
まず、スチレン9質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.078質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.5モル添加して、70℃で20分間重合した。
次に、ブタジエン82重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて70℃で1時間重合した。
次に、スチレン9重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入して、70℃で20分間重合した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量18重量%、ブタジエン部のビニル結合量51重量%、重量平均分子量10.6万、分子量分布1.04であった。
さらに、得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(ハ)−2を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は99%であった。
(水添ブロック共重合体(ハ)−3)
攪拌装置とジャケットを具備する槽型反応器(内容積10L)を使用してバッチ重合を行った。
まず、スチレン16質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入した。次に、n−ブチルリチウムを全モノマー100質量部に対して0.095質量部とTMEDAをn−ブチルリチウム1モルに対して0.3モル添加して、70℃で30分間重合した。
次に、ブタジエン68重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を加えて70℃で50分間重合した。最後にスチレン16重量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20重量%)を投入して、70℃で30分間重合した。
上記のようにして得られたブロック共重合体は、スチレン含有量32重量%、ブタジエン部のビニル結合量37重量%、重量平均分子量8.3万、分子量分布1.05であった。
さらに、得られたブロック共重合体に、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で水添反応を行い、上記(水添ブロック共重合体(イ)−1)と同様の方法で安定剤を添加し、水添ブロック共重合体(ハ)−3を得た。
得られた水添ブロック共重合体の水素添加率は99%であった。
<オレフィン系樹脂(ロ)>
オレフィン系樹脂(ロ)として、PC630A(PP/サンアロマー製;ランダム共重合体,MFR=7.5)を使用した。
〔製造例1〜5〕
上記のようにして作製した水添ブロック共重合体(イ)−1、(イ)−2、(イ)−3、(イ)−4、(イ)−5を、それぞれ単独で、4インチロールを用いて200℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにより、200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
〔製造例6〜8〕
上記のようにして作製した水添ブロック共重合体(イ)−6、(イ)−7、(イ)−8を、それぞれ単独で、4インチロールを用いて200℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにより、200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
下記表1〜表3に、上述した〔製造例1〜5〕の水添ブロック共重合体(イ)−1〜(イ)−5、及び〔製造例6〜8〕の水添ブロック共重合体(イ)−6〜(イ)−8の構造として、下記の項目の数値を示す。
・全ビニル芳香族化合物の含有量(質量%)
・(a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックの含有量(質量%)
・(b)ビニル芳香族化合物と共役ジエンからなる水添共重合体ブロックの含有量(質量%)
・(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロックの含有量(質量%)
・前記(b)の水添共重合体ブロック中のビニル芳香族化合物の含有量(質量%)
・前記(c)の水添共重合体ブロック中のビニル結合量(質量%)
・重量平均分子量(万)
・共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率(%)
また、下記表1〜表3には、水添ブロック共重合体(イ)−1〜(イ)−5、(イ)−6〜(イ)−8の粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)の、0℃未満と0〜60℃の温度領域におけるピーク温度を示す。
なお、下記表1〜表3においては、重合体ブロック(a)〜(c)は、それぞれ以下の重合体ブロックを表す。
重合体ブロック(a):ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
重合体ブロック(b):ビニル芳香族化合物と共役ジエンからなる水添共重合体ブロック
重合体ブロック(c):共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック
Figure 0005437247
Figure 0005437247
Figure 0005437247
下記表4に、〔製造例9〜11〕として、水添ブロック共重合体(ハ)−1〜(ハ)−3の構造である下記の項目の数値を示す。
・全ビニル芳香族化合物の含有量(質量%)
・共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)中のビニル結合量(質量%)
・重量平均分子量(万)
・共役ジエン単量体単位の二重結合の水素添加率(%)
なお、下記表4において、重合体ブロック(B)は、共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)を表す。
Figure 0005437247
〔実施例1及び2〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔実施例3及び4〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−2と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−2と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔実施例5及び6〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−3と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−3と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔実施例7及び8〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−4と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−4と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔実施例9及び10〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−5と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後、油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−5と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例1〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−6と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−6と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例2〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−7と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−7と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例3〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−8と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−8と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表5に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔実施例11〜14〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−1、(ハ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−1と、(ハ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例4及び5〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−6、(ハ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−6と、(ハ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例6〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−7、(ハ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−7と、(ハ)−1と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例7〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−1、(ハ)−2と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−1と、(ハ)−2と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔比較例8〕
粉体状にした水添ブロック共重合体(イ)−1、(ハ)−3と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、4インチロールにて170℃でロール出しを行い、その後油圧プレスにて200℃、100kg/cm2でプレス成形を行い、2mm厚の成形シートを作製した。
また、前記水添ブロック共重合体(イ)−1と、(ハ)−3と、オレフィン系樹脂(ロ)とを、下記表6に示す割合で配合し、20mmφ二軸押出機にて230℃で押出し、内径4mm、外径6mmのチューブ状成形体を作製した。
〔実施例1〜10〕及び〔比較例1〜3〕の、水添ブロック共重合体組成物について、上記(7)硬度、(8)引張強度(Tb)、破断伸び(Eb)、(9)トリプソ式反撥弾性、(10)耐キンク性(接線間距離、チャック間移動距離、判定)、(11)ヘイズ値(曇度、透明性判定)の、それぞれの測定値及び評価結果を下記表5に示す。
Figure 0005437247
〔実施例11〜14〕及び〔比較例4〜8〕の、水添ブロック共重合体組成物について、上記(7)硬度、(8)引張強度(Tb)、破断伸び(Eb)、(9)トリプソ式反撥弾性、(10)耐キンク性(接線間距離、チャック間移動距離、判定)、(11)ヘイズ値(曇度、透明性判定)の、それぞれの測定値及び評価結果を下記表6に示す。
Figure 0005437247
実施例1〜14においては、本発明の構成要件を満たす水添ブロック共重合体(イ)−1〜(イ)−5、及び(ハ)−1を構成成分としているため、実用上良好な柔軟性を有し、反撥弾性が低く、耐キンク性、透明性のバランスに優れた水添ブロック共重合体組成物が得られた。
比較例1〜8においては、本発明の構成要件を満たさない水添ブロック共重合体(イ)−6〜(イ)−8、(ハ)−2、(ハ)−3を構成成分としているため、いずれも反撥弾性が高く、耐キンク性判定において実用上良好な評価が得られず、また透明性も悪化した。
本出願は、2008年8月12日に日本国特許庁へ出願された、日本特許出願(特願2008−207857)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明の水添ブロック共重合体組成物は、柔軟性、低反発性、耐キンク性、透明性のバランスに優れており、チューブ、ホース等の中空状成形体や、自動車内外装材、建築材料、玩具、家電部品、医療器具、工業部品、その他雑貨等として、産業上の利用可能性がある。
1 チューブがキンクする瞬間の応力カーブにおける位置を示す。
2 チューブがキンクする瞬間のチャック間距離を示す。

Claims (15)

  1. (イ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重
    合体であって、下記(1)〜(4)の特性を有する水添ブロック共重合体:2.5〜92
    .5質量%と、
    (ロ)少なくとも1種類のオレフィン系樹脂:5〜95質量%と、
    (ハ)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体の水添物である水添ブロック共重
    合体であって、下記(5)〜(9)の特性を有する水添ブロック共重合体:2.5〜92
    .5質量%と、
    を、含有する水添ブロック共重合体組成物。
    (1)下記(b)、(c)の重合体ブロックを少なくとも1個有すること。
    (b)ビニル芳香族化合物と共役ジエンとからなる水添共重合体ブロック。
    (c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック。
    (2)前記(b)中のビニル芳香族化合物の含有量が40〜80質量%であること。
    (3)前記(イ)中の前記(c)の含有量が20〜80質量%であること。
    (4)水添ブロック共重合体(イ)の粘弾性測定チャートにおけるtanδ(損失正接)
    のピークが0℃以上60℃以下に少なくとも1つと、0℃未満に少なくとも1つ存在する
    こと。
    (5)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(A)と、少な
    くとも1個の共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)を有すること。
    (6)水添ブロック共重合体(ハ)中の全ビニル芳香族化合物の含有量が、10質量%を
    超え25質量%未満であること。
    (7)前記共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック(B)の水素添加前の重合体ブロック中のビニル結合量が62質量%以上99質量%未満であること。
    (8)水添ブロック共重合体の重量平均分子量が3万〜30万であること。
    (9)水添ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の二重結合の75%以上が水添さ
    れていること。
  2. 前記(ハ)の水添ブロック共重合体が、少なくとも片末端に、前記共役ジエンを主体と
    する水添重合体ブロック(B)を0.1〜9.1質量%含有している請求項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  3. 前記(イ)の水添ブロック共重合体が、少なくとも片末端に、前記(c)共役ジエンを
    主体とする水添重合体ブロックを含有している請求項1又は2に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  4. 前記(イ)の水添ブロック共重合体中の全ビニル芳香族化合物の含有量が、20〜50
    質量%である請求項1乃至のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  5. 前記(c)共役ジエンを主体とする水添重合体ブロック中のビニル結合量が、50質量
    %以上である請求項1乃至のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  6. 前記(イ)の水添ブロック共重合体中の、前記(b)ビニル芳香族化合物と共役ジエン
    からなる水添共重合体ブロックの含有量が、20〜80質量%である請求項1乃至のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  7. 前記(イ)の水添ブロック共重合体が、
    (a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロックを、少なくとも1個有している
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  8. 前記(イ)の水添ブロック共重合体中の、前記(a)ビニル芳香族化合物を主体とする
    重合体ブロックの含有量が3〜30質量%である請求項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  9. 前記(イ)の水添ブロック共重合体が、
    (d)ビニル結合量が25質量%以下の共役ジエンを主体とする重合体ブロックを、少
    なくとも1個有している請求項1乃至のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  10. 前記(イ)の水添ブロック共重合体中の、前記(d)ビニル結合量が25質量%以下の
    共役ジエンを主体とする重合体ブロックの含有量が3〜30質量%である請求項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  11. 前記(イ)の水添ブロック共重合体の重量平均分子量が5万〜60万である請求項1乃
    10のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  12. 前記(イ)の水添ブロック共重合体中の共役ジエン単量体単位の二重結合の75%以上
    が水添されている請求項1乃至11のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  13. 前記(ロ)のオレフィン系樹脂が、少なくとも1種類のポリプロピレン系樹脂を含む請
    求項1乃至12のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物。
  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物を用いて成形された成形体。
  15. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の水添ブロック共重合体組成物を用いて成形された中空状成形体。
JP2010524699A 2008-08-12 2009-07-27 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体 Active JP5437247B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010524699A JP5437247B2 (ja) 2008-08-12 2009-07-27 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008207857 2008-08-12
JP2008207857 2008-08-12
PCT/JP2009/063322 WO2010018743A1 (ja) 2008-08-12 2009-07-27 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体
JP2010524699A JP5437247B2 (ja) 2008-08-12 2009-07-27 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010018743A1 JPWO2010018743A1 (ja) 2012-01-26
JP5437247B2 true JP5437247B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=41668889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010524699A Active JP5437247B2 (ja) 2008-08-12 2009-07-27 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP5437247B2 (ja)
CN (1) CN102119190B (ja)
DE (2) DE112009001781B4 (ja)
TW (1) TWI540167B (ja)
WO (1) WO2010018743A1 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101575444B1 (ko) * 2011-05-27 2015-12-07 아사히 가세이 케미칼즈 가부시키가이샤 수소 첨가 공액 디엔계 공중합체의 제조 방법
WO2015137355A1 (ja) 2014-03-12 2015-09-17 旭化成ケミカルズ株式会社 樹脂組成物及び、そのシート状成型体
JP6259074B2 (ja) * 2014-04-08 2018-01-10 旭化成株式会社 表面保護フィルム
EP3133121B1 (en) * 2014-04-16 2018-06-13 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Thermoplastic elastomer composition, stopper for medical container, and medical container
JP6628514B2 (ja) * 2015-07-16 2020-01-08 旭化成株式会社 水添ブロック共重合体、並びにこれを用いた粘接着組成物、改質アスファルト組成物及び改質アスファルト混合物
TWI612067B (zh) 2015-08-24 2018-01-21 Asahi Chemical Ind 氫化嵌段共聚物與使用其之聚丙烯系樹脂組合物及其成型體
SG11201801743QA (en) * 2015-09-09 2018-04-27 Asahi Chemical Ind Tube using hydrogenated block copolymer
CN108473638B (zh) * 2016-01-19 2021-08-20 旭化成株式会社 氢化共聚物、组合物和成型体
EP3450474B1 (en) * 2016-04-25 2021-07-28 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Hydrogenated block copolymer, polypropylene resin composition, and molded body
EP3450496B1 (en) * 2016-04-25 2021-06-09 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Resin composition and molded body
CN106189041A (zh) * 2016-08-24 2016-12-07 南通普力马弹性体技术有限公司 可溶剂粘接、抗扭结、透明输液管材料
TWI763925B (zh) * 2017-09-27 2022-05-11 日商日本瑞翁股份有限公司 光學堆疊薄膜及觸控面板
EP3943523A4 (en) * 2019-03-20 2022-04-27 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha HYDROGENATED BLOCK COPOLYMER
JP7304202B2 (ja) * 2019-05-14 2023-07-06 旭化成株式会社 水添ブロック共重合体
US20220243050A1 (en) * 2019-05-23 2022-08-04 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Hydrogenated Copolymer, Adhesive Film, Resin Composition, and Molded Article
CN112239511B (zh) 2019-07-16 2023-07-18 旭化成株式会社 氢化嵌段共聚物、氢化嵌段共聚物组合物以及成型体
JP2021017562A (ja) * 2019-07-16 2021-02-15 旭化成株式会社 水添ブロック共重合体、水添ブロック共重合体組成物、及び成形体

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255856A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Jsr Corp 水添ジエン系共重合体及びその製造方法
WO2006088187A1 (ja) * 2005-02-21 2006-08-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation 水添ブロック共重合体及びその組成物

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS436636Y1 (ja) 1965-03-05 1968-03-25
JPS6279211A (ja) 1985-10-01 1987-04-11 Asahi Chem Ind Co Ltd 変性水添ブロツク共重合体の製造方法
JPS634841A (ja) 1986-06-25 1988-01-09 Hitachi Ltd プラズマ処理装置
US4743014A (en) 1987-07-30 1988-05-10 Loane R Joel Ski exercising apparatus
JPS6453851A (en) 1987-08-25 1989-03-01 Hitachi Ltd Printing system
JP2536074B2 (ja) 1988-06-28 1996-09-18 ソニー株式会社 回転ドラムのア―ス装置
GB9002804D0 (en) 1990-02-08 1990-04-04 Secr Defence Anionic polymerisation
JP3022887B2 (ja) * 1991-02-07 2000-03-21 旭化成工業株式会社 水素化ブタジエン系共重合体及びその組成物
US5708092A (en) 1994-05-13 1998-01-13 Fmc Corporation Functionalized chain extended initiators for anionic polymerization
JP3460005B2 (ja) 1994-10-11 2003-10-27 旭化成株式会社 水添重合体
US5527753A (en) 1994-12-13 1996-06-18 Fmc Corporation Functionalized amine initiators for anionic polymerization
JP3598426B2 (ja) 1996-05-27 2004-12-08 株式会社クラレ 熱可塑性エラストマー組成物
JP3861427B2 (ja) 1997-12-26 2006-12-20 Jsr株式会社 熱可塑性エラストマー組成物
JP3983579B2 (ja) 2002-03-28 2007-09-26 クラレプラスチックス株式会社 チューブ
JP2005247895A (ja) 2004-03-01 2005-09-15 Jsr Corp 医療用樹脂組成物及びそれを用いた医療用成形品
CN100591699C (zh) * 2005-02-21 2010-02-24 旭化成化学株式会社 氢化嵌段共聚物及其组合物
JP4852446B2 (ja) 2007-02-28 2012-01-11 イワキパックス株式会社 仕切体
US8192814B2 (en) 2007-09-07 2012-06-05 Kuraray Co., Ltd. Tube and medical device comprising the same

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255856A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Jsr Corp 水添ジエン系共重合体及びその製造方法
WO2006088187A1 (ja) * 2005-02-21 2006-08-24 Asahi Kasei Chemicals Corporation 水添ブロック共重合体及びその組成物

Also Published As

Publication number Publication date
DE112009001781B4 (de) 2014-12-11
TW201020289A (en) 2010-06-01
DE112009005525B4 (de) 2017-12-14
JPWO2010018743A1 (ja) 2012-01-26
CN102119190B (zh) 2012-11-07
CN102119190A (zh) 2011-07-06
TWI540167B (zh) 2016-07-01
DE112009005525A5 (de) 2015-02-19
DE112009001781T5 (de) 2011-05-12
WO2010018743A1 (ja) 2010-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5437247B2 (ja) 水添ブロック共重合体組成物及びこれを用いた成形体
JP4320364B2 (ja) 水添ブロック共重合体及びその架橋用組成物
JP5214236B2 (ja) 水添ブロック共重合体及びその組成物
JP7304202B2 (ja) 水添ブロック共重合体
JP4656819B2 (ja) 水添共重合体含有組成物、およびそれからなるシート、フィルム
TWI810466B (zh) 氫化嵌段共聚物、氫化嵌段共聚物組合物、及成形體
JP5288858B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
CN113474386B (zh) 氢化嵌段共聚物
JP5121014B2 (ja) 動的架橋組成物
JP4601310B2 (ja) 難燃性組成物
US11220568B2 (en) Hydrogenated block copolymer, hydrogenated block copolymer composition, and molded article
JP2006063156A (ja) 難燃性組成物
JP2022166805A (ja) ブロック共重合体、該ブロック共重合体を含有するエラストマー組成物及び成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130618

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130719

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131211

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5437247

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350