JP2925982B2 - 複合成形体及びその製造方法 - Google Patents
複合成形体及びその製造方法Info
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Description
無く、成形時の離型性が良好で、しかも熱融着性(剥離
強度)に優れる、オレフィン系樹脂層とゴム状弾性を有
するスチレン系熱可塑性エラストマー(以下、単に「ス
チレン系TPE」と略記することがある)層からなる複
合成形体に関するものである。
TPE層からなる複合成形体は、スチレン系TPEとし
て、特開昭63−115711号公報に記載されたスチ
レン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物である
スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(以
下、単に「SEBS」と略記することがある。)が用い
られていた。
BSを用いた複合成形体は、成形体にベタツキ感があ
り、成形時の離型性が悪いといった問題や成形体に埃が
付きやすいといった問題、更に熱融着性が必ずしも十分
ではないといった問題があった。その為、製品形状が制
約されたり、また、塗装を必要とする部品においては成
形直後に塗装を施す必要があった。
重ねた結果、特定のスチレン系TPEを用いることによ
り、成形体表面のベタツキ感のない、しかもオレフィン
系樹脂層とゴム状弾性を有するスチレン系TPE層との
熱融着性に優れた複合成形体が得られることを見い出し
て本発明を完成するに至ったものである。
ィン系樹脂層とスチレン系熱可塑性エラストマー層から
なる複合成形体において、該スチレン系熱可塑性エラス
トマーがスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素
添加物であり、その共役ジエンがイソプレンとブタジエ
ンの混合物であり、共役ジエンブロックにおける1,2
−ミクロ構造が15%未満であることを特徴とするもの
である。
造方法は、オレフィン系樹脂を成形し、次いで、スチレ
ン系熱可塑性エラストマーを射出成形するインサート射
出成形法、二色射出成形法又はコアバック射出成形法を
用いた複合成形体の製造方法において、前記スチレン系
熱可塑性エラストマーがスチレン・共役ジエンブロック
共重合体の水素添加物であり、その共役ジエンがイソプ
レンとブタジエンの混合物であり、共役ジエンブロック
における1,2−ミクロ構造が15%未満であることを
特徴とするものである。
層に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマー(スチ
レン系TPE)とは、スチレン・共役ジエンブロック共
重合体の水素添加物又は当該ブロック共重合体の水素添
加物と付加的配合材とからなるエラストマー組成物で、
当該ブロック共重合体中の共役ジエンがイソプレンとブ
タジエンの混合物からなるものである。かかるスチレン
系TPEは、その物性がJIS−K6301によるJI
S−A硬度が98以下、好ましくは5〜95、特に好ま
しくは10〜90のものであり、また、JIS−K63
01による圧縮永久歪(70℃、22時間)が80%以
下、好ましくは0〜75%、特に好ましくは0〜70%
のものが好適である。
ク共重合体の水素添加物 上記スチレン系TPEの必須成分であるスチレン・共役
ジエンブロック共重合体の水素添加物としては、その共
役ジエンがイソプレンとブタジエンの混合物からなる重
合体ブロックであり、具体的には、スチレン・イソプレ
ン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体の水素添加
物(以下、単に「水添S−BI−S」と略記することが
ある。)を挙げることができる。共役ジエンがイソプレ
ンとブタジエンの混合物である水添S−BI−Sは熱融
着性(剥離強度)に優れている。その混合重量比(イソ
プレン/ブタジエン)は、99/1〜1/99、好まし
くは90/10〜65/35である。
合体の水素添加物は、重量平均分子量が50,000〜
500,000、好ましくは60,000〜400,0
00、特に好ましくは70,000〜300,000、
スチレン含有量が5〜50重量%、好ましくは8〜45
重量%、特に好ましくは10〜40重量%、1,2−ミ
クロ構造が15%未満、水素添加率が95%以上、好ま
しくは97〜100%のブロック共重合体を用いること
が重要である。
ロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定した
ポリスチレン換算の重量平均分子量である。 (条件)機器 :150C ALC/GPC(MILL
IPORE社製) カラム:AD80M/S(昭和電工(株)製)3本 溶媒 :o−ジクロロベンゼン 温度 :140℃ 流速 :1ml/分 注入量:200ml 濃度 :2mg/ml(酸化防止剤2,6−ジ−t−ブ
チル−p−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出は
FOXBORO社製赤外分光光度計MIRAN 1Aに
より波長3.42μmで測定。) 上記スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加
物の重量平均分子量が500,000を超えるものは成
形性に劣るものであり、50,000未満のものはゴム
弾性、機械的強度に劣るものである。
合体の水素添加物の製造方法としては、水添S−BI−
Sは、例えば、特開平3−188114号公報に記載さ
れた方法により合成されたものである。
するスチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系TP
E)には各種目的に応じて任意の配合成分を配合するこ
とができる。具体的には、炭化水素系ゴム用軟化剤、各
種可塑剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸
収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、
スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散
剤、帯電防止剤等の各種添加物を添加することができ
る。更に、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、
ポリエチレン樹脂、プロピレン系樹脂、結晶性ブテン−
1樹脂等の各種熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性エ
ラストマー等の各種エラストマー、無機フィラー等の各
種フィラー等の配合材を配合することができる。以下に
述べる(b)成分〜(g)成分の各成分、特に(b)成
分と(c)成分は、上記付加的配合成分の中でも好まし
いものである。
ン系TPE)において付加的成分として用いられる炭化
水素系ゴム用軟化剤としては、重量平均分子量が300
〜2,000、好ましくは500〜1,500のものを
挙げることができる。この様な炭化水素系ゴム用軟化剤
は、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン環の三者を組
み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭
素中の50重量%以上を占めるものがパラフィン系オイ
ルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45重量%のも
のがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が30重
量%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれて区分され
ている。これらの中ではパラフィン系オイルを用いるこ
とが耐候性の点より好ましい。本発明で用いるパラフィ
ン系オイルとしては、40℃動粘度が20〜800cs
t(センチストークス)、好ましくは50〜600cs
t、流動点が0〜−40℃、好ましくは0〜−30℃、
及び、引火点(COC)が200〜400℃、好ましく
は250〜350℃のオイルが好適に使用される。
(a)成分であるスチレン・共役ジエンブロック共重合
体の水素添加物100重量部に対して、0〜200重量
部、好ましくは5〜170重量部、特に好ましくは10
〜150重量部にて配合することが好適である。該炭化
水素系ゴム用軟化剤は、硬度調整及び成形時の溶融流動
性を調節するために重要である。
ン系TPE)において付加的成分として用いられるプロ
ピレン系樹脂としては、メルトフローレート(JIS−
K6758、230℃、2.16kg荷重)が0.01
〜100g/10分、好ましくは0.05〜80g/1
0分、特に好ましくは0.1〜60g/10分で、エチ
レン含量が0〜15重量%、好ましくは1〜13重量
%、特に好ましくは2〜10重量%の範囲内であり、X
線回折法による結晶化度が35%以上、好ましくは40
〜80%であるプロピレン単独重合体、プロピレン・エ
チレンランダム共重合体又はプロピレン・エチレンブロ
ック共重合体のプロピレン系樹脂が好適である。ここで
いうエチレン含量とは赤外スペクトル分析法等により測
定される値である。メルトフローレートが上記範囲未満
のものを用いた場合は、射出成形性が悪化し、得られた
射出成形体の外観、特にフローマークの発生が著しくな
る傾向がある。また、メルトフローレートが上記範囲を
超えるものを用いた場合は材料強度が低下する傾向にあ
る。この様なプロピレン系樹脂の配合量は、(a)成分
であるスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添
加物100重量部に対して、0〜200重量部、好まし
くは5〜180重量部、特に好ましくは7〜150重量
部配合することが好適である。プロピレン系樹脂を配合
することにより、硬度調整の目的の他に、オレフィン系
樹脂層との熱融着強度を大きくし、ペレット化し易くす
る効果や成形品の耐熱性を高くする効果がある。
ン系TPE)において付加的成分として用いられるポリ
エチレン樹脂としては、常法により製造された、高圧法
により得られる低密度ポリエチレン樹脂や、中低圧法に
より得られるエチレンとα−オレフィンとの共重合体で
ある低密度、中密度ポリエチレン樹脂であって、X線回
折法による結晶化度が30〜95%、好ましくは35〜
80%の各種ポリエチレン樹脂を挙げることができる。
上記コモノマーである直鎖α−オレフィンとしては、ブ
テン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペ
ンテン−1、オクテン−1等を挙げることができ、これ
らは二種以上併用したものでも良い。具体的な製造条件
としては、一般に、圧力5〜2,500kg/cm2 、
温度50〜300℃の条件下でチーグラー型触媒、バナ
ジウム型触媒、カミンスキー型触媒等の触媒を使用し
て、エチレンとα−オレフィンを共重合する方法が採ら
れる。例えば、特公昭56−18132号公報等に記載
された方法が知られている。これらの中で特に高圧法に
より得られる密度が0.940g/cm3 以下、好まし
くは0.910〜0.930g/cm3 のポリエチレン
樹脂が好ましい。この様なポリエチレン樹脂は、スチレ
ン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物100重
量部に対して、0〜200重量部、好ましくは5〜18
0重量部、特に好ましくは7〜150重量部配合するこ
とが好適である。該ポリエチレン樹脂を配合することに
より、硬度調整の目的の他に、ペレット化し易くなると
いった効果や圧縮永久歪が向上するといった効果があ
る。
ン系TPE)において付加的成分として用いられる結晶
性ブテン−1樹脂としては、エチレン、プロピレン等の
他のコモノマーを少量(20重量%以下)含有していて
も良いブテン−1モノマーから合成された結晶性樹脂
で、X線回折法による結晶化度が30%以上、好ましく
は35〜70%であり、密度が0.890〜0.925
g/cm3、好ましくは0.893〜0.923g/c
m3 、特に好ましくは0.900〜0.920g/cm
3 であり、MFR(190℃、2.16kg荷重)が
0.01〜1,000g/10分、好ましくは0.05
〜500g/10分、特に好ましくは0.1〜100g
/10分であり、重量平均分子量が100,000〜
3,000,000、好ましくは50,000〜2,5
00,000のものが好適に使用される。この様な結晶
性ブテン−1樹脂の配合量は、(a)成分であるスチレ
ン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物100重
量部に対して、0〜200重量部、好ましくは5〜18
0重量部、特に好ましくは10〜150重量部にて配合
することが好適である。該結晶性ブテン−1樹脂を配合
することにより、硬度調整の目的の他に、圧縮永久歪が
向上するといった効果や成形品表面が傷付きにくくなる
といった効果がある。
トマー 上記本発明のスチレン系熱可塑性エラストマー(スチレ
ン系TPE)において付加的成分として用いられるオレ
フィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィンを
主成分とする無定形ランダム共重合体の弾性体であっ
て、X線回折法により測定される結晶化度が30%以下
の低結晶性又は非晶性の重合体であり、即ち、オレフィ
ン系共重合体ゴム、又は、それらを有機パーオキサイド
の存在下に加熱処理し、主としてラジカルによって架橋
した弾性体を基本成分として含有したものである。本発
明で用いられるこの様なオレフィン系共重合体ゴムとし
ては、エチレン・プロピレン共重合体ゴム(EPM)、
エチレン・ブテン−1共重合体ゴム(EBM)や、非共
役ジエンとして、5−エチリデンノルボルネン、5−メ
チルノルボルネン、5−ビニルノルボルネン等を用いた
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EP
DM)を挙げることができる。これらオレフィン系共重
合体ゴムの製造法や形状は特に限定されないものであ
る。これらオレフィン系共重合体ゴムは、重量平均分子
量が50,000〜1,000,000、好ましくは6
0,000〜800,000、特に好ましくは80,0
00〜500,000、ムーニー粘度ML1+4(10
0℃)が5〜300、好ましくは5〜200の共重合体
ゴムを用いることが好ましい。また、EPM又はEPD
Mの場合は、プロピレン含量が10〜60重量%、特に
15〜55重量%であることが好ましい。上記オレフィ
ン系共重合体ゴムの重量平均分子量が上記範囲未満のも
のはゴム弾性、機械的強度に劣り、重量平均分子量が上
記範囲を超えるものは成形性に劣る傾向がある。使用す
るオレフィン系熱可塑性エラストマーは一種類でも良
く、複数種類を混合したものでも良い。
量は、(a)成分であるスチレン・共役ジエンブロック
共重合体の水素添加物100重量部に対して、一般に0
〜200重量部、好ましくは0〜150重量部にて配合
することが好ましい。該オレフィン系熱可塑性エラスト
マーを配合することにより、低温衝撃性の向上や、特に
部分架橋したオレフィン系熱可塑性エラストマーにおい
ては、成形品の光沢調整の目的がある。
ン系TPE)において付加的成分として用いられる無機
フィラーとしては、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、
ガラス繊維、ガラスバルーン、炭素繊維等であり、比表
面積が37,000cm2 /g以上、好ましくは40,
000cm2 /g以上、長さが実質的に15μm以下、
好ましくは10μm以下、平均粒径が0.8〜3.0μ
m、好ましくは0.8〜2.5μm、かつ平均アスペク
ト比が5以上、好ましくは6以上のタルク、比表面積が
50,000cm2 /g以下、好ましくは40,000
cm2 /g以下、かつ平均粒径が5μm以下、好ましく
は4μm以下の炭酸カルシウムが好適である。また、上
記無機フィラーは、(a)成分であるスチレン・共役ジ
エンブロック共重合体の水素添加物100重量部に対し
て、0〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、
特に好ましくは10〜100重量部にて配合することが
好適である。該無機フィラーを配合することにより、硬
度、密度、成形品の光沢調整の目的がある。これら
(b)成分〜(g)成分は、目的に応じてそれぞれ単独
でも、複数種類を混合して使用することもできる。
ば、上記以外のエチレン系樹脂等のポリオレフィン樹脂
(例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アク
リル酸エステル共重合体等)、ポリスチレン、アクリロ
ニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン6
6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹
脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチ
レンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメ
チルメタクリレート系樹脂等を機械的強度の改良等の各
種目的に応じて単独で又は複数種を併用して用いること
ができる。これら付加的成分としての各種樹脂の配合量
は、(a)成分であるスチレン・共役ジエンブロック共
重合体の水素添加物100重量部に対して、一般に1〜
300重量部、好ましくは20〜250重量部配合する
ことが好ましい。
ラストマー層と複合化されるオレフィン系樹脂層に用い
られる樹脂としては、JIS−K7203による曲げ弾
性率が3,000kg/cm2 以上、好ましくは4,0
00〜70,000kg/cm2 、特に好ましくは5,
000〜50,000kg/cm2 のオレフィン系樹脂
が好適である。具体的なオレフィン系樹脂としては、エ
チレン系樹脂、プロピレン系樹脂、ポリブテン−1樹脂
等を挙げることができる。エチレン系樹脂としては、ポ
リエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体等を挙げることができる。上記のポリエチレン
としては、低密度ポリエチレン(分岐状エチレン重合
体)や中密度、高密度ポリエチレン(直鎖状エチレン重
合体)、直鎖状低密度ポリエチレン等を挙げることがで
きる。上述のエチレン・α−オレフィン共重合体として
は、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・ヘキセ
ン共重合体、エチレン・ヘプテン共重合体、エチレン・
オクテン共重合体、エチレン・4−メチルペンテン−1
共重合体等を代表的なものとして挙げることができる。
また、プロピレン系樹脂材料としては、プロピレン単独
重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、又
は、プロピレン・エチレンブロック共重合体等を挙げる
ことができる。これらのプロピレン系樹脂は、単独或い
は2種以上の混合物であっても良い。使用するオレフィ
ン系樹脂は、単独で用いても、複数種のオレフィン系樹
脂の混合物でも良い。また、エチレン・プロピレン共重
合体ゴム(EPM)、エチレン・ブテン共重合体ゴム
(EBM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重
合体ゴム(EPDM)、エチレン・プロピレン・ブテン
共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ス
チレン・イソプレン共重合体ゴム、ポリブタジエン等の
エラストマー、タルクや炭酸カルシウム、マイカ等のフ
ィラー、パラフィンオイル等の可塑剤、酸化防止剤、熱
安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、潤滑
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散
剤、着色剤、防菌剤、蛍光増白剤等といった各種添加剤
等のコンパウンド物であっても良い。
脂層とスチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン系T
PE)層とから形成されたものである。
ート成形法、共押出成形法、ブロー成形法、インサート
射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法、
サンドイッチ射出成形法、インジェクションプレス成形
法等の各種成形法を用いることができる。上記成形法の
うち、インサート射出成形法とは、予め芯材(オレフィ
ン系樹脂)を射出成形し、賦形された成形品を金型内に
インサートした後、該成形品と金型との間の空隙に表層
材(スチレン系TPE)を射出成形する成形方法であ
り、また、二色射出成形法とは、二台以上の射出成形機
を用いて、芯材(オレフィン系樹脂)を射出成形した後
に、金型が回転、又は移動することにより、金型のキャ
ビティーが交換され、該成形品と金型との間に空隙がで
き、そこに表層材(スチレン系TPE)を射出成形する
成形方法、また、コアバック射出成形法とは、1台の射
出成形機と1個の金型を用いて、芯材(オレフィン系樹
脂)を射出成形した後に、金型のキャビティー容積を拡
大させ、該成形品と金型との間の空隙に表層材(スチレ
ン系TPE)を射出成形する成形方法である。
はコアバック射出成形法において、好ましい芯材は、前
記のプロピレン系樹脂材料である。この好ましい芯材
は、JIS−K7203による曲げ弾性率が10,00
0kg/cm2 以上、好ましくは12,000〜50,
000kg/cm2 、特に好ましくは14,000〜4
5,000kg/cm2 のものであり、曲げ弾性率が上
記範囲未満のものでは、例えば、自動車用内装部品に用
いる場合に必要とされる剛性、強度等の機械的特性、耐
熱性、耐久性を満たせない場合がある。更に、この射出
成形体における芯材層の平均肉厚は0.5〜6mmであ
ることが重要であり、上記範囲を超えるものは芯材層に
ヒケが発生し、成形品表面の平滑性に劣るものとなり、
上記範囲未満のものでは、例えば、自動車用内装部品に
用いる場合に必要とされる剛性、強度等の機械的特性、
耐熱性、耐久性を満たせない場合がある。また、芯材の
成形は、通常の射出成形法を用いたものでも良く、ガス
インジェクション成形をしたものでも良い。
00℃、好ましくは150〜280℃の成形温度、50
〜1,000kg/cm2 、好ましくは100〜800
kg/cm2 の射出圧力で成形される。更に、射出成形
体での表層材層の平均肉厚は1〜5mmであることが重
要であり、上記範囲を超えるものはソフト感に劣り、上
記範囲未満のものは芯材と表層との付着性が悪くなる。
また、表層材層の射出成形条件としては、一般に100
〜300℃、好ましくは150〜280℃の成形温度、
50〜1,000kg/cm2 、好ましくは100〜8
00kg/cm2 の射出圧力で成形される。また、射出
成形時に発生する製品非有効部(バリ)である、金型の
ランナーやスプール部分に残存した成形材料をリサイク
ル(再利用)することもできる。具体的には、表層材の
みからなるランナー、スプール類等を表層材に、芯材の
み、又は、芯材と表層材からなるランナー、スプール類
や不良成形品等を芯材にリサイクルして使用することが
できる。
層とオレフィン系樹脂層からなる複合成形体は、各種工
業部品として使用することができる。具体的には、イン
ストルメントパネル、センターパネル、センターコンソ
ールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリッ
プ、ハンドル、エアバックカバー等の自動車内装部品、
モール等の自動車外装部品、掃除機バンパー、リモコン
スイッチ、OA機器の各種キートップ等の家電部品、水
中眼鏡、水中カメラカバー等の水中使用製品、各種カバ
ー部品、密閉性、防水性、防音性、防振性等を目的とし
た各種パッキン付き工業部品等に使用することができ
る。
体的に説明する。 [I] 評価方法 これら実施例及び比較例における各種評価は、以下に示
す試験方法によって行なった。但し、(1)〜(3)の
測定試料は、インラインスクリュータイプ射出成形機
(東芝機械(株)製小型射出成形機:IS90B)に
て、射出圧力500kg/cm2 、射出温度210℃、
金型温度40℃にて成形した120mm×80mm×2
mmシートの横方向打ち抜きにより得た。また、(4)
〜(5)の測定試料は、二色射出成形機((株)高橋精
機工業所製:KS−2C−680)を用いて220℃の
温度で成形した300mm×300mm×4mm(芯材
層、表層材層共に厚さ2mm)の複合射出成形体にて評
価した。
−K−6301に準拠した。 (2) 圧縮永久歪(Compression set :表8〜11中
では単に「Cs」と略記する)は、JIS−K−630
1に準拠した(70℃、22時間)。 (3) ベタツキ性 射出成形したテストピース表面のベタツキの有無を指触
感にて確認する。ベタツキのない場合を○、ベタツキの
ある場合を×と評価した。 (4) 成形加工性 上記複合射出成形体にてショートショットのない場合、
及び、著しい外観不良(フローマーク)がない場合に成
形加工性を良好とした。 (5) 熱融着性 上記複合射出成形体より打ち抜いた幅10mmの複合射
出成形体の短冊状試験片を、引張速度10mm/分で引
張試験を行ない、芯材/表層材の融着界面の引張伸度を
測定し、下記の基準により判定を行なった。 判定基準 ○:引張伸度≧50% △:引張伸度10〜50%未満 ×:引張伸度0〜10%未満 (6) 剥離強度 上記複合射出成形体より打ち抜いた幅25mm、長さ1
00mmの複合射出成形体の短冊状試験片を用い、表皮
材層と芯材層を180度方向に引張速度200mm/分
で引張試験を行ない、表皮材層/芯材層の融着界面の剥
離強度(kg/25mm)を測定した。
PE)層[表層材]
C」(JIS−K7203による曲げ弾性率が15,0
00kg/cm2 ) .HPE:三菱化学(株)製「三菱ポリエチ−HD
HJ560」(旧三菱油化(株)製「三菱ポリエチ−H
D JX20」)(JIS−K7203による曲げ弾性
率が11,000kg/cm2 ) .PPC−1:三菱化学(株)製「三菱ポリプロ B
C03C」とタルク(富士タルク製MT−7)を7:3
の割合で二軸押出機でコンパウンドしたもので、JIS
−K7203による曲げ弾性率が38,000kg/c
m2 のもの。 .PPC−2:三菱化学(株)製「三菱ポリプロ B
C03C」とEPR(日本合成ゴム(株)製EP07
P)とタルク(富士タルク製MT−7)を7:1:2の
割合で二軸押出機でコンパウンドしたもので、JIS−
K7203による曲げ弾性率が26,000kg/cm
2 のもの。
配合組成の合計量100重量部に対して、更に、フェノ
ール系酸化防止剤(チバ・ガイギー(株)製「イルガノ
ックス1010」)0.1重量部を添加し、L/D=3
3、シリンダー径45mmの二軸押出機にて200℃設
定で溶融混練してTPE組成物ペレットを得た。このペ
レットを上記の通り射出成形してシートとし、上記の評
価に供した。これらの評価結果を表8〜11に示す。
品にベタツキ感が無いので成形時の離型性が良好で、成
形品に埃が付き難く、自由な製品形状を成形することが
でき、成形直後に塗装を施す必要もなく、更にオレフィ
ン系樹脂層とスチレン系熱可塑性エラストマー層との熱
融着性(剥離強度)に優れている等の利点がある。
Claims (5)
- 【請求項1】オレフィン系樹脂層とスチレン系熱可塑性
エラストマー層からなる複合成形体において、該スチレ
ン系熱可塑性エラストマーがスチレン・共役ジエンブロ
ック共重合体の水素添加物であり、その共役ジエンがイ
ソプレンとブタジエンの混合物であり、共役ジエンブロ
ックにおける1,2−ミクロ構造が15%未満であるこ
とを特徴とする複合成形体。 - 【請求項2】複合成形体が、射出成形により成形された
ものであることを特徴とする、請求項1に記載の複合成
形体。 - 【請求項3】スチレン系熱可塑性エラストマー層が、下
記の(a)〜(c)成分から構成されるエラストマー組
成物を基材とするものであることを特徴とする請求項1
又は請求項2に記載の複合成形体。 (a)成分: スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物であり、 その共役ジエンがイソプレンとブタジエンとの混合物(イソプレンとブタジエン の混合重量比99/1〜1/99)であり、共役ジエンブロックにおける1,2 −ミクロ構造が15%未満である 共重合体の水素添加物100重量部 (b)成分: 炭化水素系ゴム用軟化剤 (a)成分100重量部に対して5〜170重量部 (c)成分: メルトフローレートが0.01〜100g/10分のポリプロ ピレン樹脂 (a)成分100重量部に対して5〜180重量部。 - 【請求項4】エラストマー組成物のJIS−K6301
によるJIS−A硬度が98以下で、圧縮永久歪が80
%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の複合成形
体。 - 【請求項5】オレフィン系樹脂を成形し、次いで、スチ
レン系熱可塑性エラストマーを射出成形するインサート
射出成形法、二色射出成形法又はコアバック射出成形法
を用いた複合成形体の製造方法において、前記スチレン
系熱可塑性エラストマーがスチレン・共役ジエンブロッ
ク共重合体の水素添加物であり、その共役ジエンがイソ
プレンとブタジエンの混合物であり、共役ジエンブロッ
クにおける1,2−ミクロ構造が15%未満であること
を特徴とする複合成形体の製造方法。
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JP6-137400 | 1994-06-20 | ||
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- 1995-06-20 JP JP15354495A patent/JP2925982B2/ja not_active Expired - Fee Related
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