JPH10330578A - 熱可塑性エラストマー組成物及びそれを使用する積層体 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物及びそれを使用する積層体

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JPH10330578A
JPH10330578A JP13825797A JP13825797A JPH10330578A JP H10330578 A JPH10330578 A JP H10330578A JP 13825797 A JP13825797 A JP 13825797A JP 13825797 A JP13825797 A JP 13825797A JP H10330578 A JPH10330578 A JP H10330578A
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propylene
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ソフト感に優れ、表面処理しなくてもベト付き
感がなく、耐汚染性や耐傷付き性に優れ、成形品表面形
状の転写性に優れた自動車、車両、船舶等の内装表皮材
として広く使用できる熱可塑性エラストマー組成物及び
それを使用する多層積層体を提供する。 【解決手段】 熱可塑性エラストマー組成物としては、
以下の特性を有する組成物を使用する。 (1)前記熱可塑性エラストマー組成物から形成した縦
6cm×横6cm×厚さ1mmのシートを2枚重ねて10kg荷
重下で40℃、40時間保持した時の剥離強度(ブロッ
キング指数)が200gf/cm2以下。 (2)JIS8号綿布に対する動摩擦係数(JIS K7125
に準拠)が0.60以下。 (3)ショアA硬度が50〜92。 (4)温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフロ
ーレイトが0.1〜100g/10分。 また、この熱可塑性エラストマー組成物からなる表面層
を基材に積層することによって得られる多層積層積層体
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ソフト感に優れ、
表面処理しなくてもベト付き感がなく、耐汚染性や耐傷
付き性に優れ、成形品の表面形状の転写性に優れた自動
車、車両、船舶等の内装表皮、特に自動車のドアトリ
ム、インストルメントパネルなどの内装表皮などの用途
に使用される熱可塑性エラストマー組成物及びそれを使
用する多層積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や、車両、船舶等の内装材、特に
自動車のドアトリムや、インストルメントパネルなどの
内装材にはソフト感が強く要請されており、基材に柔軟
性を有する表面層を積層させた多層積層体が用いられて
いる。このような内装材にソフト感を付与するため、一
般に軟質のポリ塩化ビニルを表面層として用い、これを
基材に積層した多層積層体が用いられているが、軟質の
ポリ塩化ビニルを用いた場合、燃焼時に有毒な塩素ガス
が生じるので廃棄処分に不都合である等の問題点があ
る。このため、塩化ビニル系材料の代わりに非塩素系材
料の熱可塑性エラストマー材料を表面層に用いた多層積
層体が得られている。しかしながら、この場合、熱可塑
性エラストマー材料からなる表面層にソフト感を付与す
るためにゴムなどの柔軟成分やオイル等の低分子量成分
を添加する必要があり、また複合成形時の表面転写性を
付与するため高い流動性が必要である。これらの成型法
に適した樹脂としては、例えば、高流動のポリプロピレ
ン樹脂(特開平2−80218号公報、あるいはオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー(特開平4−73112号
公報、特開平4−73142号公報)等が提案されてい
る。しかしながら、高流動性の樹脂を使用した場合、表
面がベト付易くなり、泥やほこり等により汚れた場合、
簡単には落ちなくなり、また傷付きやすくなるなどの問
題があった。これらの問題点を解決する目的で、パラフ
ィンオイルとシリコンオイルとオレフィン系樹脂とを添
加したベト付のない特定のスチレン系エラストマー材料
(特開平2−308845号公報、特開平8−9072
3号公報)等が提案されている。しかしながら、この場
合、オイルを使用している為、時間経過とともに含有す
るオイルがしみ出す問題があった。このため、最上層に
ウレタン系の表面処理剤等によりコーティングする方法
が考えられるが、複雑形状製品ではコーティングが困難
であるのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、何
ら表面処理しなくても、ソフト感に優れ、表面処理しな
くてもベト付き感がなく、耐汚染性や耐傷付き性に優
れ、成形品の表面形状の転写性に優れた、自動車や、車
両、船舶等の内装表皮材として好適に用いられる熱可塑
性エラストマー組成物、及びそれを使用する多層積層体
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の範囲のブロッキング指数、動摩擦
係数、硬度及びメルトフローレイトを有する熱可塑性エ
ラストマー材料からなる表面層と基材とからなる多層積
層体が上記目的を達成しうることを見い出し、その知見
に基づいて本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は、以下の特性を有することを特徴とする熱可塑性エラ
ストマー組成物に関するものである。 (1)前記熱可塑性エラストマー組成物から形成され
た、縦6cm×横6cm×厚さ1mmのシートを2枚重ねて1
0kg荷重下で40℃、40時間保持した時の剥離強度
(ブロッキング指数)が200gf/cm2以下。
【0005】(2)JIS8号綿布に対する動摩擦係数
(JIS K7125 に準拠)が0.60以下。 (3)ショアA硬度が50〜92。 (4)温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフロ
ーレイトが0.1〜100g/10分。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で使用される熱可塑性エラストマー組成物
は、シート状に成形した場合に、200gf/cm2以下、好
ましくは、150gf/cm2以下、特に好ましくは、80gf
/cm2以下のブロッキング指数を有することが好適であ
る。このブロッキング指数が200gf/cm2を越える場
合、熱可塑性エラストマー組成物からなるシートは、手
にひっつく感じ(タック感)を与え、不快感を生じる。
このブロッキング指数は、以下の要領で測定する。即
ち、縦6cm×横6cm、厚さ1mmの、熱可塑性エラストマ
ー組成物から形成したシートを2枚重ねて、10kg荷重
下で、40℃、40時間、ブロッキングさせる。常温に
なった後、2枚重ねのシートを引張試験を用いて、速度
50mm/分で引き剥がした時の剥離強度をブロッキング
指数とする。
【0007】本発明における熱可塑性エラストマー組成
物から形成されたシートのJIS8号綿布に対する動摩
擦係数は、0.60以下、好ましくは、0.50以下、特に
好ましくは、0.40〜0.20であることが適当である。
この範囲内にあれば、シートを手で触ったときに抵抗感
のなく、さらっとした触感を受けることができる。この
動摩擦係数の値が、0.60を越える場合、手で触ったと
きに抵抗を感じ、不快さを感じる。一方、0.20未満の
場合には、抵抗は感じることはないが、手にぬめり感が
残り、不快さを生じる。この動摩擦係数は、JIS K 71
25に準拠して測定される値である。具体的には、荷重
200g、底辺が縦横各4cmの重りの底辺に、同様の形
状の熱可塑性エラストマー組成物からなるシートを張り
合わせ、JIS8号綿布上を速度150mm/分で移動さ
せたときに生じる動摩擦係数を測定する。
【0008】本発明における熱可塑性エラストマー組成
物は、50〜92のショアA硬度、好ましくは、55〜
90、特に好ましくは、60〜85を有することが好適
である。ショアA硬度の値が50未満の場合、熱可塑性
エラストマー組成物からなるシートが柔軟になりすぎ、
ベト付き感がでたり、耐傷つき性が低下する。一方、シ
ョアA硬度の値が92を越えると、熱可塑性エラストマ
ー組成物からなるシートが硬くなりすぎて、感触を損ね
るため好ましくない。なお、ショアA硬度は、ASTM
D2240に準拠して測定される値である。本発明に
おける熱可塑性エラストマー組成物のメルトフローレイ
トは、JIS−K7210に準じて、温度230℃、荷
重2.16kgで測定した場合のメルトフローレイト(M
FR)であり、0.1〜100g/10分であり、好まし
くは、1〜80g/10分であり、特に好ましくは、1
0〜50g/10分であることが好適である。MFRが
0.1未満では成形性が低下し、成形品の表面転写性が悪
いため不良率が高くなり不適である。一方、MFRが1
00g/10分を超えると、低分子量成分等が表面にブ
リードするため、表面がベト付き、また泥やほこり等に
より汚れた場合、簡単に落ちなくなるなどの問題が起こ
る。
【0009】次に、本発明における熱可塑性エラストマ
ー組成物の構成についての具体的に説明する。本発明の
熱可塑性エラストマー組成物は、好ましくは、ポリオレ
フィン系樹脂組成物(i) からなり、特に好ましくは、そ
のポリオレフィン系樹脂組成物(i) の100重量部に対
し、好ましくは、(b)平均粒径が1.5μm以上である
球状の充填剤を0.5〜30重量%、(c)25℃での粘
度が1万センチストークスを越えるガム状のシリコーン
オイル及び/又は(d)ポリオクテニレン樹脂からなる
成分(II)0.5〜10重量部を含有する。熱可塑性エラス
トマー組成物で使用されるポリオレフィン系樹脂組成物
(i) は、好ましくは、(a)プロピレン−α−オレフィ
ンブロック共重合体を50重量%以上含有し、常温のキ
シレンに不溶な成分が15〜50重量%である柔軟性組
成物である。常温のキシレンに不溶な成分が50重量%
を越えた場合、本発明の熱可塑性エラストマーのソフト
感が失われる。一方、15重量%未満の場合、ゴム成分
によるベト付きが問題となる。
【0010】ポリオレフィン系樹脂組成物(i) として
は、好ましくは、(a)ポリプロピレンブロックと、プ
ロピレンと炭素数2〜12(但し、3は除く)のα−オ
レフィンとの共重合体ブロックからなるプロピレン−α
−オレフィンブロック共重合体が挙げられる。ポリプロ
ピレンブロックと、プロピレンと、α−オレフィンとの
共重合体との量比としては、例えば3対7〜7対3(重
量割合)が適当である。該α−オレフィンとしては、例
えば、エチレンや、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−ヘプテン、1−オクテン、3−メチル−1
−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1
−ペンテン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシク
ロペンタン、ビニルシクロヘキサン等が挙げられる。特
に、α−オレフィンとしては、エチレンや、1−ブテン
が好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で使用し
てもよく、2種以上の組合せで使用してもよい。
【0011】プロピレン−α−オレフィンブロック共重
合体の調製法としては、例えば、特開平6−25367
号公報に開示されるような多段重合プロセスにより、リ
アクター内でオレフィン系樹脂とオレフィン系エラスト
マーとをブレンドして得るリアクターメイド法などが挙
げられる。プロピレン−α−オレフィンブロック共重合
体は、ポリオレフィン系樹脂組成物(i) に50重量%以
上、好ましくは、60重量%以上、特に好ましくは、7
0重量%以上の量(但し、上限としては、99重量%が
適当である)で含有されることが適当である。プロピレ
ン−α−オレフィンブロック共重合体の量が、50重量
%未満の場合、後述のゴム成分により、ベト付き性が悪
化するので問題となる。
【0012】また、ポリオレフィン系樹脂組成物(i)
は、その柔軟性又はソフト感を向上させるために、好ま
しくは、10重量%、特に好ましくは、15重量%を越
えるエチレンと、炭素数3以上のα−オレフィン(但
し、プロピレンは多くとも80重量%、好ましくは、1
0〜70重量%、特に好ましくは、20〜65重量%)
との共重合体成分(以下、ゴム成分ともいう)を添加し
ても良い。ゴム成分は、単独で又は2種以上の組合せで
配合してもよい。また、ゴム成分は、プロピレン−α−
オレフィンブロック共重合体の一部として、又は単独の
成分として配合されていてもよい。ゴム成分の具体的な
例としては、エチレン−プロピレン共重合ゴム(EP
R)、エチレン−プロピレン非共役ジエン共重合ゴム
(EPDM)、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体
ゴム(EBR)などの合成ゴム;スチレン−エチレン/
イソプロピレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体(SEBS)などのスチレン系エラストマー
などが挙げられる。これらのゴム成分の中で特にエチレ
ン−プロピレン共重合ゴム(EPR)及びスチレン−エ
チレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEB
S)が好ましい。以上これら各種ゴム成分は、いずれも
多くのグレード品が商品として販売されており、本発明
ではこれらの市販品を適宣使用することが出来る。ま
た、2種類以上を混合して使用しても良い。
【0013】本発明における熱可塑性エラストマーに使
用される(b)球状充填剤は、表面の形状を粗面化させ
る目的で添加するもので、これにより上述のべとつき感
の一因であるタック感が改善されたり、表面のてかりが
防止されるので、球状充填剤を添加することによって好
適に熱可塑性エラストマー組成物の特性を調整すること
ができる。球状充填剤の具体的な例としては、炭酸カル
シウムや、硫酸バリウムなどの無機充填剤、又は架橋ア
クリル粒子や、架橋ポリスチレン粒子などの有機充填剤
などが挙げられる。このうち重質炭酸カルシウムが安価
であり且つ、効果が高いので好適である。球状充填剤の
平均粒径は1.5μm以上、好ましくは、2.0〜80μ
m、特に好ましくは、2.5〜30μm であることが好適
である。粒径が1.5μm未満の場合、表面を粗面化させ
る効果が小さく、タック感を改善させる効果が乏しい。
また、粒子形状が球状ではない充填剤を使用した場合
も、タック感を改善する効果はあるが、該熱可塑性エラ
ストマーの柔軟性が損なわれる傾向がある。
【0014】球状充填剤の量は、ポリオレフィン系樹脂
成分(i) 100重量部に基づいて、例えば、0.5〜30
重量部、好ましくは、1〜15重量部、特に好ましく
は、2〜6重量部であることが好適である。30重量部
を越える場合、柔軟性、流動性が低下し易い。一方、こ
の量が、0.5重量部未満の場合、タック感の改善効果が
小さくなる。本発明で使用される(c)シリコーンオイ
ルは、25℃での粘度が1万センチストークスを越える
ガム状の物質である。このような超高粘度のゲル状シリ
コーンオイルは特に表面の滑り性を改善する目的で添加
することが好ましい。これにより上述の動摩擦係数が低
下し、抵抗感のないさらっとした手触り感が付加され
る。また、タック感、耐摩耗性及び耐傷つき性も改善さ
れる。該シリコーンオイルの25℃における粘度は、1
万センチストークス、好ましくは10万センチストーク
ス、特に好ましくは、100万センチストークスを越え
るゲル状のものが好適である。1万センチストークス以
下の粘度のシリコーンオイルを使用した場合、逆に手に
ぬめり感が残り、不快となり易い。また、表面が平滑に
なるため、表面のてかりが問題となり、意匠性を損なう
恐れがある。該シリコーオイルはこの粘度を満足するも
のであれば、特に制限される物ではないが、中でも、例
えば、以下の式で示されるポリオルガノシロキサンが好
適である。
【0015】一般式:−{RR`SiO}n − (但し、R及びR`は、独立して、アルキル基又はアリ
ール基であり、nは整数である。) ここで、アルキル基としては、好ましくは、炭素数が1
〜4、好ましくは、1〜3の分岐又は直鎖状のアルキル
基、例えば、メチル基や、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル
基、t−ブチル基等が挙げられる。また、アリール基と
しては、例えば、フェニル基や、ナフチル基等が挙げら
れる。このようなポリオルガノシロキサンとしては、例
えば、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシ
ロキサン、ポリジメチル−ジフェニルシロキサン等が挙
げられ、これらの2種類以上の混合物であっても良い。
特に、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチル
シロキサンが好ましい。
【0016】ポリオルガノシロキサンの具体的な例とし
ては、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 BY−
27−140が挙げられる。なお、このシリコーンオイ
ルは粘度が高いため樹脂と直接溶融混練するのが困難で
あるので、実際にはPPとのマスターバッチを使用して
も良い。使用されるシリコーンオイルの量は、ポリオレ
フィン系樹脂成分(i) 100重量部に対して、例えば、
0.5〜10.0重量部、好ましくは0.6〜5.0重量部、特
に0.8〜3.0重量部であることが好適である。シリコー
ンオイルの量が、0.50重量部未満の場合、滑り性の改
善効果が小さい。一方、10.0重量部を越えると、柔軟
性や、流動性が低下するだけでなく、表面へのブリード
が甚だしく、逆に手にぬめり感が残り不快となり易い。
【0017】ポリオクテニレン樹脂(d)は、ベト付き
性の一因であるタック感の原因となる低分子量成分やゴ
ム成分が表面にブリードアウトするのを防御する目的で
添加することが好ましい。これにより、特に表面のタッ
ク感、滑り性が改良される。また、耐摩耗性、耐傷つき
性などの機械特性が向上するだけではなく、耐油性、耐
薬品性なども改良される。該ポリオクテニレン樹脂は、
シクロオクテンを重合して得られ、炭素原子8個当たり
1個の2重結合を持ち、かつ分子量が1万以上、好まし
くは、5万以上、特に好ましくは、8万以上であること
(上限は、例えば、50万)が好ましく、トランス含量
が50%以上、好ましくは、60%以上、更に好ましく
は、70%以上であり(上限は95%であることが適当
である)、結晶化度は5%以上、好ましくは、10%以
上、特に好ましくは、15%以上である(上限は、50
%であることが適当である)ことが好適である。
【0018】また、このポリオクテニレン樹脂は、融点
が通常30℃以上、ガラス転移温度が−75〜−30℃
の範囲にあることが好ましい。該ポリオクテニレン樹脂
は通常ゴムの改質剤として好適に使用されており、ポリ
オレフィンにおいても使用されている。例えば、ポリオ
レフィンの相溶性、耐衝撃性を改善する目的で使用する
例(特開平2−308845号公報)が報告されている
が、べとつき改良効果については特に言及されていな
い。ポリオクテニレン樹脂(d)成分の具体的な例とし
ては、例えばHULS社製ベステマナー(VESTEN
AMER)8012が挙げられる。ポリオクテニレン樹
脂は、ポリオレフィン系樹脂成分(i) 100重量部に対
して、0.5〜10重量部、好ましくは1.0〜7.0重量
部、特に2.0〜5.0重量部であることが好適である。0.
5重量部未満の場合、ベト付き性の改善効果が少ないの
で好ましくない。一方、10.0重量部を越えると流動性
が低下するので好ましくない。
【0019】なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物に、シリコーンオイル(c)と、ポリオクテニレン樹
脂(d)とを併用して使用する場合、両者の和は、ポリ
オレフィン系樹脂成分(i) 100重量部に対して、0.5
〜10.0重量部、好ましくは1.0〜8.0重量部、特に2.
0〜6.0重量部であることが好適である。シリコーンオ
イル(c)と、ポリオクテニレン樹脂(d)とを単独で
使用するよりも併用した方がベト付き性の改良効果は大
きいだけではなく、各々の成分の添加量を少量にするこ
とが出来るので好適である。本発明の熱可塑性エラスト
マー組成物には、上記成分の他に、通常慣用されている
添加剤、例えば酸化防止剤や、耐候性安定剤、帯電防止
剤、滑剤、ブッロキング防止剤、防曇剤、顔料、充填剤
などを本発明の目的を損なわない範囲で適宣配合しても
良い。
【0020】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
公知の混合方法、例えばリボンブレンダーや、タンブラ
ー、ヘンシェルミキサーなどを用いて各成分を混合し、
次にニーダーや、ミキシングロール、バンバリーミキサ
ー、押し出し機などを用いて溶融混合して得られる。本
発明の熱可塑性エラストマー組成物は、多層積層体にお
ける基材に対する表面層として使用することが好まし
い。このような層として使用する場合には、熱可塑性エ
ラストマー組成物は、好ましくは、厚さが0.1〜5mm、
特に好ましくは、0.2〜3mm、更に好ましくは0.3〜2
mmであることが好適である。基材としては、ポリオレフ
ィン樹脂基材や、木質基材、繊維基材等、熱可塑性エラ
ストマー組成物を被着することができる基材であれば、
特に制限されることなく各種の基材を使用することがで
きる。
【0021】ポリオレフィン樹脂基材としては、プロピ
レン系樹脂基材が、成形性や製品物性が良好なので、特
に好ましい。このようなプロピレン系樹脂基材として
は、例えば、プロピレン単独重合体や、プロピレン−エ
チレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダ
ム共重合体及びそれらの混合物、更に、前記プロピレン
系樹脂組成物を含む他の樹脂、例えばポリエチレンや、
エチレン−α−オレフィン共重合体エラストマー、スチ
レン−ブタジエン共重合体エラストマー及びその誘導体
等との混合物が挙げられる。ポリオレフィン樹脂基材と
しては、2種以上の混合物で使用することもできる。ま
た、ポリオレフィン樹脂には、タルクや、ガラスファイ
バー、木質系充填剤等を配合してもよく、更に、必要に
応じて、一般に使用されている安定剤や、難燃化剤、加
工性改良剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング剤、着色
剤等を添加することができる。また、基材の計量化のた
めに、発泡化してもよい。なお、基材のポリオレフィン
樹脂のMFRは、特に限定されることなく、通常使用さ
れる射出成形や圧縮成形等で成形可能であるものであれ
ば十分である。
【0022】木質基材や繊維基材としては、例えば、開
繊されたパルプや、ジュート等の繊維をフェノール系樹
脂等のバインダーで板状としたものや、パルプチップ、
おがくず等の木質材料にフェノール樹脂を含有させ加熱
圧縮成形したもの、あるいはレジンフェルトやハードボ
ード等が用いられるが、特にこれらに限定されるもので
はなく、使用される部位に応じその要求性能を満足する
ものであれば、その他建築材料等から構成された基材を
使用することができる。多層積層体においては、基材
は、単層で用いることもできるし、合成樹脂フィルム
や、段ボール紙、金属箔等の材料で作られたハニカム構
造や、樹脂材料を用いた発泡構造等を中間層に挟んだ多
層構造体にして用いることもできる。本木質材料は、軽
量で強度もあり、コストも比較的安価である等多くの利
点を有している。表面層と基材との間に発泡層を用いる
場合、発泡層の厚みは、例えば、1〜20mmが好まし
く、特に1〜8mm、更に好ましくは2〜8mmであること
が好適である。
【0023】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
接着剤を介して、又は、熱接着により、基材表面に良好
に被着させることができる。即ち、本発明の熱可塑性エ
ラストマー組成物は、基材の表面が粗い場合であって
も、接着剤を用いないでも、熱接着により、容易に基材
に被着させることができる。また、基材と基材との間に
中間層として発泡性樹脂を積層接着する際においても、
発泡性樹脂の加熱発泡成形と同時に、熱可塑性エラスト
マー組成物を基材に熱接着することも可能である。熱可
塑性エラストマー組成物を使用して多層積層体を形成す
る場合には、例えば、射出成形機を用い、予め成形した
基材を金型に設置し、金型を閉じて熱可塑性エラストマ
ー組成物を溶融射出することによって、基材上に表面層
を形成する方法や、熱可塑性エラストマー組成物を表面
層として基材に積層するインサート成形法、複数の射出
ユニットと複数の金型を用い、まず基材を射出成形し、
基材を抱かせたまま一方の金型を入れ替え、表面層を溶
融射出する2色成形や、まず表面層を射出し、ショート
ショット状態で基材を溶融射出し、表皮材が基材を包み
込むサンドイッチ成形法、シート成形機のダイスより押
し出された半溶融状態の熱可塑性エラストマー組成物を
表面層として基材の上に直接押し出して多層積層体を得
るホットスタンパブル成形法等が挙げられる。
【0024】具体的には、基材としてポリオレフィン樹
脂を使用する場合、圧縮成形機に取り付けられた金型上
に表面層及び基材の溶融樹脂を供給後、金型を所定圧力
で圧縮し、型締め、その後金型を開放することにより容
易に得られる。溶融樹脂の供給は、金型上に基材のポリ
オレフィン樹脂を供給後、表面層の熱可塑性エラストマ
ー組成物を供給しても良いが、基材と表面層とを同時に
金型上に供給するほうが成型方法が簡便になる。上記の
ように同時に供給する方法としては、複数の押出機を用
いて溶融状態の表面層及び基材を多層Tダイスより共押
出する方法が好ましい。なお、多層Tダイスを用いた共
押出により樹脂を金型上に供給することから、基材の厚
みが1mm以上であることが望ましい。本発明の熱可塑
性エラストマー組成物の用途としては、例えば、以下の
ような工業部品が挙げられる。インストロメントパネ
ル、コンソールボックス、ドアトリム、シートシール
ド、リアパネル、ステアリングホイールカバー、天井材
などの自動車内装表皮材、テレビ、ビデオ、ラジオ、エ
アコン、洗濯機、掃除機、クーラー、コーヒーメーカ
ー、ジャー、電話、コピー機、ファクシミリ等の電機部
品及びOA機器の表皮材、スポーツ器具表皮材、家具、
机等の表皮材、壁装飾、敷物等の建築関係、手帳、アル
バム等の文房具、及びカメラ用バッグやアタッシュケー
ス等のキャリングバッグなどの表皮材として使用でき
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により、更に詳しく説
明するが、本発明の範囲はこれらの実施例によって限定
されるものではない。実施例を説明する前に、実施例で
使用される各物性の測定方法をまず示す。 <MFR>MFRは、JIS K7210に準拠し、温
度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した。 <触感性又はベト付き感の判定>触感性(ベト付き感)
は、抵抗感及びタック感として評価した。優れた触感性
を得るには、この2つの感性を共に満足しなければなら
ない。 (タック感)本発明の熱可塑性エラストマー組成物から
なるシートを指で軽く押しつけた後、放す時の感触を表
し、次の4つの段階で評価した。ここで、3、3+を合
格とした。 1・・・・・ 指にひっつく感じ(タック感)がする(不快で
ある)。 2・・・・・ 1と3の中間。 3・・・・・ さらっとしてベト付かない。 3+・・・ 全くベト付かない。 (抵抗感)本発明の熱可塑性エラストマー組成物からな
るシートを指で軽くなぞった時の感触で表し、次の4つ
の段階で評価した。ここで、3、3+を合格とした。 1・・・・・ 抵抗感がある(不快である)。 2・・・・・ 1と3の中間。 3・・・・・ さらっとして抵抗感がない。 3+・・・ 全く抵抗感がない。 <剥離強度(ブロッキング指数)>剥離強度は、上述の
タック感と相関関係にあり、剥離強度が200gf/cm2
下、好ましくは80gf/cm2以下の場合、タック感のない
さらっとした触感が得られることが分かった。剥離強度
は、縦6cm横6cm厚み1mmの熱可塑性エラストマー組成
物からなるシートを2枚重ねて10kg荷重下で、40
℃、40時間の条件でブロッキングさせた後、常温下で
2枚重ねのシートを引張試験を用いて、速度50mm/分
で引き剥がし、その際の剥離強度をブロッキング指数と
して評価した。 <動摩擦係数>動摩擦係数は、上述の触感性の抵抗感と
相関関係にあり、動摩擦係数の値が0.60〜0.15、好
ましくは0.40〜0.20の範囲の場合には、抵抗感のな
いさらっとした触感を受けることが分かった。0.60を
越える場合には、抵抗感を感じた。一方、0.15未満の
場合には、抵抗感は感じないが、手にぬめり感が残り不
快感を与える。動摩擦係数は、JIS K7125に準
拠し、荷重200g、底辺が縦×横4cmのおもりの底辺
に、上述の熱可塑性エラストマー組成物からなるシート
を張り合わせ、JIS8号綿布上を速度150mm/分で
移動させた条件で測定した。 <ショアA硬度>プレス成形機を用いて得られた厚み3
mmの熱可塑性エラストマー成形体をASTM D224
0に準拠し測定した。
【0026】ポリオレフィン系樹脂組成物の主成分であ
るプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体(a)
(以下、BPPという)として、ポリプロピレンブロッ
クとエチレン−プロピレン共重合体ブロックとからなる
ブロック共重合体を用いた。これらのBPPはいずれも
リアクターメイド法により得られたものである。その種
類(BPP1〜5)とそれらの性状(MFR、ショアA
硬度、共重合ブロックの割合、温度25℃におけるパラ
キシレン不溶部)を表1に示す。
【0027】
【表1】 表1 ─────────────────────────────────── BPPの種類 MFR ショアA 共重合体ブロック パラキシレン (g/10分)硬度 割合(重量%) 不溶部 (重量%) (実施例) BPP1 31 80 63.0 42.0 BPP2 29 72 67.1 38.2BPP3 49 85 58.6 35.8 (比較例) BPP4 29 95以上* 26.1 83.1BPP5 160 84 57.0 32.5 (*)硬すぎるため測定不可能。 ポリオレフィン系樹脂組成物(i) のソフト感をさらに改
善させる目的で、ゴム成分(e)、エチレン−プロピレ
ンゴム(日本合成ゴム社製、EP941)(以下、EP
Rと略す)、スチレン−エチレン/イソプロピレン−ス
チレンブロック共重合体ゴム(クラレ社製、セプトン2
004)(以下、SEPと略す)を使用した。
【0028】ベト付き性を抑える成分として、充填剤
(b)、重質炭酸カルシウム(以下、炭酸カルシウムを
「炭カル」ともいう):丸尾カルシウム社製スーパー
S:平均粒径3〜5μm (以下、T1と略す)及び滑り
性を改善させる成分として、シリコーン系オイル
(c)、ゲル状シリコーンオイル:東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン社製 BY−27−140:25℃での
粘度100万センチストークス以上、可塑度1.50〜2.
0(以下、SO1と略す)を用いた。また、ベト付き成
分のブリードを抑制する成分として、ポリオクテニレン
樹脂(d)、トランス−ポリオクテナマーゴム:HUL
S社製 VESTENAMER 8012(以下、PO
Rと略す)を使用した。また、充填剤(b)の比較用と
して軽質炭酸カルシウム:白石カルシウム社製VIGO
T−15:平均粒径0.15μm (以下、T2と略す)及
びシリコーン系オイル(c)の比較用として、ストレー
トシリコーンオイル:東レ・ダウコーニング・シリコー
ン社製 SH200オイル:粘度 500センチストー
クス(以下、SO2と略す)を使用した。実施例1〜10、比較例1〜6 (木質系基材を用いてスタンピング成形した積層体の評
価)以下の表2に、種類及び配合量が示されている各成
分に添加剤として、[ペンタエリスリチル−テトラキス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]を0.1重量部及びトリス(2,4−ジ
ーt−ブチルフェニル)フォスフェート0.1重量部、ス
テアリン酸カルシウム0.05重量部を配合し、川田製作
所製スーパーミキサー(SMV20型)を用いて配合
し、神戸製鋼所製同方向2軸押出機(KTX−37型)
を用いてシリンダー温度200℃の条件でペレット化し
た。得られたペレットについてMFRを測定し、これを
プレス成形し、得られた試験片の硬度、動摩擦係数、剥
離強度をそれぞれ測定した。また上記各ペレットをホッ
トスタンピング成形機(高橋工業社製FSM450型)
を用いてダイス温度220℃、型締め圧200トン及び
金型温度70℃の条件で、厚さ3.5mmの木質粉混入AB
S(松田製作所社製、プラスウッド)の基材の上に押し
出しスタンピング成形し、容器(縦800mm、横120
0mm、高さ5mm、厚さ3mm)を得た。各容器について触
感性を評価した。その結果を以下の表3に示す。
【0029】
【表2】 表2 ─────────────────────────────────── 実施例/ BPP 充填剤 シリコーン POR ゴム成分 比較例 (a) (b) ゴム(c) (d) (e) の番号 種類 配合量 種類 配合量 種類 配合量 配合量 種類 配合量 重量% 重量部 重量部 重量部 重量部 実施例1 BPP1 100 T1 10 SO1 2.5 − − − 実施例2 〃 〃 〃 5 − − 5.0 − − 実施例3 〃 〃 〃 〃 SO1 1.0 3.0 − − 実施例4 BPP2 〃 〃 〃 − − 6.0 − − 実施例5 〃 〃 〃 8 SO1 1.0 3.0 − − 実施例6 BPP3 〃 〃 5 〃 1.5 〃 − − 実施例7 BPP1 90 〃 〃 〃 1.0 2.5 EP 10 実施例8 〃 80 〃 10 〃 〃 3.0 〃 20 実施例9 BPP3 70 〃 〃 〃 〃 〃 SEP 30実施例10 〃 〃 〃 5 〃 2.0 4.0 EP 〃 比較例1 BPP1 100 − − − − − − − 比較例2 〃 〃 T1 5 SO1 0.1 0.1 − − 比較例3 〃 〃 T1 0.2 〃 1.0 − − − 比較例4 〃 〃 T2 10 〃 〃 3.0 − − 比較例5 〃 〃 T1 5 SO2 2.5 − − − 比較例6 BPP3 〃 〃 40 SO1 1.0 12.0 − − 比較例7 BPP4 〃 〃 5 〃 12.0 − − − 比較例8 〃 30 〃 〃 〃 1.0 3.0 EP 70比較例9 BPP5 100 〃 〃 〃 2.0 5.0 − − 注)配合量はオレフィン系樹脂成分(i) 100重量部に対する値。
【0030】なお、実施例7、8、9及び10及び比較
例8のポリオレフィン系樹脂成分(i) における常温での
キシレン不溶部はそれぞれ37.8重量%、33.6重量
%、25.1重量%、25.1重量%、9.8重量%である。
それ以外のキシレン可溶部はそれぞれ使用されたBPP
の不溶部と同等である。
【0031】
【表3】 表3 ──────────────────────────────────── 実施例/ 触感 動摩擦係数 剥離強度 MFR ショアA 比較例 抵抗感 ベト付き (200g 荷重) (g/cm2) (g/10分) 硬度番号 感 実施例1 3+ 3 0.25 125 28 86 実施例2 3 3+ 0.50 75 15 85 実施例3 3+ 3+ 0.30 80 24 83 実施例4 3 3+ 0.60 65 13 80 実施例5 3+ 3+ 0.40 60 23 82 実施例6 3+ 3+ 0.35 75 36 87 実施例7 3 3 0.45 110 18 80 実施例8 3 3 0.55 120 13 76 実施例9 3 3 0.60 115 22 77実施例10 3 3 0.60 125 12 74 比較例1 2 1 0.85 240 31 83 比較例2 2 2 0.70 140 31 84 比較例3 3+ 2 0.30 225 30 83 比較例4 3+ 2 0.40 210 24 65 比較例5 3 注1 2 0.15 145 29 86 比較例6 3 3+ 0.45 60 4.7 96以上 注2 比較例7 3 注1 3 0.15 85 15 96以上 注2 比較例8 1 1 1.85 320 2.5 65比較例9 3 2 0.50 210 120 84 注1) 抵抗感はないが、手にぬめり感が残る。また、ショアA硬度が硬く、ソ フト感がない。 注2) 硬すぎる為、測定不可能実施例11〜15、比較例10〜13 (ポリオレフィン系樹脂を用いてホットスタンバブル成
形した積層体の評価)表4に種類及び配合量が示されて
いる各成分に上記と同様の添加剤処理及び混合を行い、
上記同様の押し出し機によりペレット化した。得られた
ペレットについてMFR、硬度、動摩擦係数、剥離強度
をそれぞれ測定した。また上記各ペレット及び基材とし
て、MFRが20g/10分であり、プロピレン含量が50
重量%であるエチレン−プロピレン共重合体20重量%
と、プロピレン80重量%からなるプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体80重量%との混合物にタルク20
重量%を配合したポリプロピレン系樹脂組成物を使用
し、熱可塑性エラストマー組成物として、以下の表4に
示す材料を使用して、2層T ダイスを有するホットフロ
ー成形機より温度185℃にて2層共押出しすることに
より下金型上に供給した。その後、上金型と下金型とを
圧縮、型締めし、冷却した後、金型を開放して成形品を
取り出した。この時の上金型の温度は、60℃、下金型
の温度は、40℃、加圧圧力は、50kg/cm2、冷却時間
は、20秒であった。得られた積層品は表面層の厚みが1.
0mm、基材の厚みが2.5mmの層品(縦800mm、横12
00mm、高さ5mm、厚さ2.5mm)であった。この積層品
について触感性を評価した。以上の結果を表5に示す。
【0032】
【表4】 表4 ─────────────────────────────────── 表面層 実施例/ BPP ゴム成分 POR 炭カル シリコーン 比較例 種類 配合量 種類 配合量 配合量 配合量 ゴム配合量の番号 重量% 重量% 重量部 重量部 重量部 実施例11 BPP1 100 − − 3 5 1 実施例12 BPP2 〃 − − 3 5 2 実施例13 BPP3 〃 − − 4 7 2 実施例14 〃 70 EP 30 4 5 2実施例15 〃 70 SEP 30 3 5 1 比較例10 BPP1 100 − − − − − 比較例11 BPP3 25 EP 75 − 10 0.1 比較例12 BPP4 29 SEP 71 3 5 1比較例13 BPP5 〃 − − 3 5 1
【0033】
【表5】 表5 ─────────────────────────────────── 実施例/ 触感 動摩擦係数 剥離強度 MFR ショアA 比較例 抵抗感 ベト付き (200g 荷重) (g/cm2) (g/10分) 硬度番号 感 実施例11 3+ 3+ 0.50 65 28 87 実施例12 3+ 3+ 0.50 70 27 82 実施例13 3+ 3 0.45 100 27 86 実施例14 3 3 0.60 120 12 75実施例15 3+ 3 0.40 110 22 77 比較例10 2 2 0.85 240 31 85 比較例11 1 1 1.5 320 6.5 62 比較例13 3+ 3+ 0.40 55 23 *95以上比較例14 3 2 0.60 210 120 84 注)硬すぎるため、測定不能比較例13は、触感に優れていたが、硬度が高く、
ソフト感がなかった。
【0034】比較例14は、表面層のMFRが高すぎる
ため成形できない。
【0035】
【発明の効果】本発明は、ソフト感に優れ、表面処理し
なくてもベト付き感がなく、耐汚染性や耐傷付き性に優
れ、成形品の表面形状の転写性に優れた自動車、車両、
船舶等の内装材、特に自動車のドアトリム、インストル
メントパネルなどの内装材などの分野に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 47:00 83:04) B29K 21:00 23:00 B29L 31:58

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の特性を有することを特徴とする熱
    可塑性エラストマー組成物。 (1)前記熱可塑性エラストマー組成物から形成した縦
    6cm×横6cm×厚さ1mmのシートを2枚重ねて10kg荷
    重下で40℃、40時間保持した時の剥離強度(ブロッ
    キング指数)が200gf/cm2以下。 (2)JIS8号綿布に対する動摩擦係数(JIS K7125
    に準拠)が0.60以下。 (3)ショアA硬度が50〜92。 (4)温度230℃、荷重2.16kgにおけるメルトフロ
    ーレイトが0.1〜100g/10分。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性エラストマー組成物が、
    (a)ポリプロピレンブロックと、プロピレンと炭素2
    〜12(但し、3は除く)のα−オレフィンとの共重合
    体ブロックからなるプロピレン−α−オレフィンブロッ
    ク共重合体を50重量%以上含み、常温のキシレンに不
    溶な成分が15〜50重量%であるポリオレフィン系樹
    脂組成物(i) を含有し、前記ポリオレフィン系樹脂組成
    物(i) の100重量部に対し、更に、(b)平均粒径が
    1.5μm以上である球状充填剤0.3〜30重量部、
    (c)25℃での粘度が1万センチストークスを越える
    ガム状のシリコーンオイル及び/又は(d)ポリオクテ
    ニレン樹脂からなる成分(ii)0.5〜10重量部を含有す
    る請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 ポリオレフィン系樹脂組成物(i) が、
    e)10重量%を越えるエチレンと、炭素数3以上のα
    −オレフィン(但し、プロピレンは多くとも80重量
    %)との共重合体成分を0.1〜50重量%含有する請求
    項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 前記球状充填剤(b)が炭酸カルシウム
    である請求項2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑
    性エラストマー組成物からなる表面層と基材とからなる
    ことを特徴とする多層積層体。
  6. 【請求項6】 金型内で、溶融状態にある表面層を基材
    に一体的に積層させることによって得られる請求項5記
    載の多層積層体。
  7. 【請求項7】 基材が、ポリオレフィン樹脂、木質材料
    又は繊維材料からなる請求項5又は6に記載の多層積層
    体。
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