JP2004066720A - 耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体及びその製造方法 - Google Patents

耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体及びその製造方法 Download PDF

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JP2004066720A
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Hiroshi Takino
瀧野 浩史
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Abstract

【課題】剛性、強度に優れる硬質層と、柔軟な軟質層とからなるポリオレフィン複層射出成形体であって、軟質層が非架橋でありながら、耐熱性を改良し、一般の生活環境下における50℃以上で使用可能な耐熱性に優れ、さらに、マテリアルリサイクルが容易な複層射出成形体及びその製造方法の提供。
【解決手段】特定の密度及びMFRを有するエチレン系重合体、プロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種以上の結晶性ポリオレフィン(A)からなる硬質層と、メタロセン触媒を用いて製造され、特定の密度、MFR、Mw/Mn、融解ピーク温度、融解転移熱、曲げこわさを有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)からなる軟質層とから構成される耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体及びその製造方法に関し、特に、剛性、強度を有する硬質層と、柔軟でべた付きのない触感、滑り止め、衝撃吸収または変形に対する追随性に優れた軟質層とを有する耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品、家電ハウジング、家具部品、文具、玩具、スポーツ用品、レジャー用品、トイレタリー用品、サニタリー用品、その他生活用品などにおいて、外観や感触を改善し、また意匠性、滑り止め、衝撃吸収、シール性などの機能性を持たせるため、硬質樹脂層と軟質樹脂層とから構成された複層射出成形体が提案されている。
従来の軟質樹脂層には、架橋ゴムが古くから既に公知であるが、ゴムの成形において加硫工程を必要としているため生産性が低い。また、架橋ゴムは加熱溶融しないため、ポリオレフィンなどの硬質層と軟質層を分離せずに溶融混練した場合、分散せずに再生利用が可能な製品となり得ず、マテリアルリサイクルが困難である。更に、架橋ゴム構造中に存在するジエン結合のために耐薬品性や耐候性に劣るといった問題が生じている。
軟質層に使用する熱可塑性樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニルが既に公知であるが、ポリオレフィンなどの硬質層とは接着せず、また近年では塩素の環境に与える影響、可塑剤の人体へ与える影響が懸念されており、他の軟質樹脂へ代替が試みられている。更に、ポリオレフィンなどの硬質層とを分離せずに溶融混練した場合分散せず、且つまた軟質ポリ塩化ビニルが熱劣化するので再生利用が可能な製品となり得ず、マテリアルリサイクルが不可能である。
【0003】
成形が容易で、環境にも負荷を与えない軟質樹脂として、例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーが既に公知である。特にスチレン系エラストマーは、ゴム的な特性に優れるだけでなくポリプロピレンなどの結晶性ポリオレフィンとの相溶性に優れるが、耐油性や耐薬品性に劣るといった問題がある。
オレフィン系エラストマーについては、特開平2−74340号公報にポリオレフィン系樹脂マトリックス中に部分架橋したエチレン・α−オレフィン共重合ゴム組成物や、特開2000−43093号公報にポリプロピレンとエチレン・α−オレフィン共重合体との混合物で部分的または完全架橋された組成物などが提案されている。これらオレフィン系エラストマーは、耐薬品性、耐熱性などに優れるものの、架橋部分が加熱溶融せずマテリアルリサイクルが難しい。
非架橋の軟質ポリオレフィンとしては、エチレン・酢酸ビニル系共重合体、エチレン・アクリル酸エステル系共重合体、エチレン・アクリル酸系共重合体などの高圧法ポリエチレン系共重合体が既に公知であるが、コモノマーを多くすることにより柔軟になるもののべた付きやすく、また熱劣化しやすくなる。更に、いずれも極性基を有するため非極性のポリオレフィン樹脂組成物からなる硬質層との接着性が低下したり、リサイクル性が難しい。
【0004】
また、特開平8−336938号公報には、結晶性ポリオレフィン樹脂からなる硬質層と特定の性状を有するエチレン・α−オレフィン共重合体からなる軟質層との複層射出成形体が公知であり、当該エチレン・α−オレフィン共重合体は架橋されていないためにリサイクルが可能となる。しかしながら、柔軟性には優れるもののべた付きやすく、特に一般の生活環境下に於いて必要とされる耐熱性さえも有していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、剛性、強度に優れる硬質層と、柔軟な軟質層とからなるポリオレフィン複層射出成形体であって、軟質層が非架橋でありながら、耐熱性を改良し、一般の生活環境下における50℃以上で使用可能な耐熱性に優れた複層射出成形体及びその製造方法を提供することにある。更には、硬質層、軟質層共に非架橋のポリオレフィンを主体とする成分とすることで、両層を分離することなく一体に溶融混練しても分散性及び親和性が良く、マテリアルリサイクルが容易な複層射出成形体及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、特定の結晶性ポリオレフィンからなる硬質層と、メタロセン触媒を用いて製造される特定のエチレン・α−オレフィン共重合体からなる軟質層とを、特定の射出成形法により射出成形することにより、耐熱性複層射出成形体が得られることを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記(A1)、(A2)から選ばれる少なくとも1種以上の結晶性ポリオレフィン(A)からなる硬質層と、メタロセン触媒を用いて製造され、下記特性(1)〜(6)を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)からなる軟質層とから構成される耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
(A1):密度(JIS−K6922−2)が0.942g/cm以上、190℃でのメルトマスフローレート(JIS−K6922−1 条件D、荷重21.18N)が1〜100g/10分のエチレン系重合体
(A2):密度(JIS−K6921−2)が0.88g/cm以上、230℃でのメルトマスフローレート(JIS−K6921−1、荷重21.18N)が1〜150g/10分のプロピレン系重合体
特性(1):密度(JIS−K6922−2)が0.880〜0.915g/cm
特性(2):メルトマスフローレート(JIS−K6922−1 条件D、温度190℃、荷重21.18N)が1〜100g/10分
特性(3):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5
特性(4):融解ピーク温度が50℃以上
特性(5):50℃以上の融解転移熱が10kJ/kg以上
特性(6):曲げこわさが150MPa以下
(ただし、Mw/MnはGPCにより測定して求めた値、融解ピーク温度はJIS K6922−2−1997に準拠して求めた値、融解転移熱はJIS K−7122−1987に準拠して求めた値、曲げこわさはJIS K−7106−1995に準拠して求めた値をそれぞれ示す。)
【0008】
また、本発明の第2の発明によれば、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が、高圧イオン重合で製造されることを特徴とする第1の発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0009】
また、本発明の第3の発明によれば、結晶性ポリオレフィン(A)が、曲げ弾性率650MPa以上であることを特徴とする第1又は2の発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0010】
また、本発明の第4の発明によれば、結晶性ポリオレフィン(A)が、(A1)エチレン系重合体であって、高密度ポリエチレンであることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0011】
また、本発明の第5の発明によれば、結晶性ポリオレフィン(A)が、(A1)エチレン系重合体であって、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0012】
また、本発明の第6の発明によれば、結晶性ポリオレフィン(A)が、(A2)プロピレン系重合体であって、プロピレン単独重合体であることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0013】
また、本発明の第7の発明によれば、結晶性ポリオレフィン(A)が、(A2)プロピレン系重合体であって、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンからなるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0014】
また、本発明の第8の発明によれば、結晶性ポリオレフィン(A)が、(A2)プロピレン系重合体であって、プロピレン単独重合体部分とプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンからなるプロピレン・α−オレフィン共重合体部分からなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0015】
また、本発明の第9の発明によれば、軟質層が少なくとも表層の一部を構成することを特徴とする第1〜8のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体が提供される。
【0016】
また、本発明の第10の発明によれば、硬質層又は軟質層のどちらか一方を予め任意の成形法により成形した成形体を射出成形機金型のキャビティ内に装填し、このキャビティ内に他方の樹脂成分で射出成形して一体化されてなる、第1〜9のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法が提供される。
【0017】
また、本発明の第11の発明によれば、硬質層又は軟質層のどちらか一方の成分を射出成形機金型のキャビティ内に射出成形し、このキャビティ内に他方の樹脂成分で射出成形して一体化されてなる、第1〜9のいずれかの発明に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法が提供される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
1.硬質層
本発明の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の硬質層は、結晶性ポリオレフィン(A)から形成される。結晶性ポリオレフィン(A)は、以下に説明する(A1)エチレン系重合体、及び/又は(A2)プロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種以上からなる結晶性ポリオレフィンである。
【0019】
(A1)エチレン系重合体としては、高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン・α−オレフィン共重合体などが挙げられ、次の物性を有する。
【0020】
(A1)エチレン系重合体の密度は、0.942g/cm以上、好ましくは0.945〜0.968g/cm、より好ましくは0.950〜0.967g/cmである。密度が0.942g/cm未満では、硬質層の剛性が低下する。
ここで、密度は、JIS K6922−2−1997附属書に記載の方法で測定する。
密度は、主としてエチレンと共重合する炭素数3〜10のα−オレフィンの量比などで調整できる。又、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、密度0.91g/cm未満のエチレン・α−オレフィン共重合体などとのブレンドによる調整も可能である。
【0021】
また、(A1)エチレン系重合体のMFRは、1〜100g/10分、好ましくは5〜60g/分である。
MFRが1g/10分未満では成形性が悪化する。MFRが100g/10分を超えるものは強度が低下する。
ここで、MFRは、JIS K6922−1−1997による条件D(190℃、21.18N)で測定する。
MFRは、主としてエチレンの重合工程における水素の量、重合温度、重合槽内での滞留時間、重合槽の数などで調整できる。また、MFRの異なるポリエチレン樹脂とのブレンドなどによる調整も可能である。
【0022】
(A2)プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンとの共重合体であるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン単独重合体部分とプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンからなるプロピレン・α−オレフィン共重合体部分からなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体などが挙げられ、次の物性を有する。
【0023】
(A2)プロピレン系重合体の密度は、0.88g/cm以上、好ましくは0.89〜0.91g/cmである。密度が0.88g/cm未満では、硬質層の剛性が低下する。
ここで、密度は、JIS K6921−2−1997附属書に記載の方法で測定する。
密度は、主としてプロピレンと共重合するエチレン、及び炭素数4〜10のα−オレフィンの量比、重合触媒などで調整できる。又、密度の異なるポリプロピレン、プロピレン共重合体とのブレンドによる調整も可能である。
【0024】
(A2)プロピレン系重合体のMFRは、1〜150g/10分、好ましくは5〜100g/10分である。MFRが1g/10分未満では成形性が悪化する。MFRが150g/10分を越えるものは強度が低下する。
ここで、MFRは、JIS K6921−1:1997による条件(230℃、21.18N)で測定する。
【0025】
硬質層を構成する結晶性ポリオレフィン(A)の曲げ弾性率は、650MPa以上、より好ましくは650〜5000MPa、さらに好ましく1000〜3000MPa、であることが好ましい。曲げ弾性率が650MPa未満では剛性が低下し、硬質層としての機能が損なわれやすい。
ここで、曲げ弾性率は、ポリエチレンを主体とする場合にはJIS K6922−2−1997で、ポリプロピレンを主体とする場合にはJIS K6921−2−1997で測定する。
【0026】
硬質層は、上記(A1)及び/又は(A2)から選ばれた少なくとも1種以上の結晶性ポリオレフィンに加えさらにその他の結晶性ポリオレフィンを配合しても良い。
配合できる任意成分としては、例えば、密度0.942g/cm未満のエチレン・α−オレフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチルなどとの共重合体などが挙げられるが、リサイクル性の観点では極性のあるエチレン系共重合体は好ましくなく、エチレン・α−オレフィン共重合体、高圧法低密度ポリエチレンなどが好ましい。
【0027】
また、結晶性ポリオレフィン(A)には、耐衝撃性改良のため、熱可塑性エラストマー、具体的にはオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、及びこれらの非架橋型、架橋型または部分架橋型のなどを添加しても良いが、耐薬品性やリサイクル性の観点ではオレフィン系エラストマーのうち、非ジエン系のエラストマー、非架橋型のエラストマーなどが好ましく、具体的にはエチレン・プロピレンゴム、エチレン・ブテンゴム、エチレン・ヘキセンゴム、エチレン・オクテンゴムなどが好ましい。添加し過ぎると剛性が低下するので、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、より好ましくは15重量%以下であり、硬質層の曲げ弾性率が650MPa以上となることが好ましい。
【0028】
さらに、結晶性ポリオレフィン(A)には、剛性を上げるため、高剛性核剤や、タルク、マイカ、ガラス繊維、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、ゼオライトなどのフィラーを添加しても良い。剛性が上がると耐衝撃性が低下する傾向がみられるが、一方の層に軟質層があるので複層射出成形体としては割れにくい。他方、成形性が低下しやすいので、フィラーでは80重量%以下、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下の添加量が好ましい。
【0029】
さらにまた、結晶性ポリオレフィン(A)には、必要に応じて中和剤、スリップ剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色顔料、分散剤、分子量調整剤、発泡剤、難燃剤などの添加剤を添加しても良い。例えば、中和剤、具体的にはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、合成ハイドロタルサイトなどを、3000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下の量で添加することが、当該ポリオレフィンの品質を安定させるために好ましい。また、リサイクル性の観点では酸化防止剤が添加されていることが好ましい。しかしながら、一部の添加剤は過剰に添加すると表面にブリードアウトしやすいため、当該複層成形体においては硬質層と軟質層界面の接着強度を低下させるなどの場合があるので、要求性能を達成しうる最低限の量を添加することが好ましい。
【0030】
2.軟質層
本発明の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の軟質層は、メタロセン系触媒で製造されるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)から形成される。
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)のα−オレフィンは、炭素数3〜10のα−オレフィンであり、具体的には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、4−メチル−ペンテンー1などを挙げることができる。これらから選ばれる1種又は2種以上のα−オレフィン10〜50重量%とエチレン90〜50重量%、好ましくはα−オレフィン15〜35重量%とエチレン85〜65重量%とを共重合させるエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。
【0031】
本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、メタロセン系触媒で製造されることが重要である。メタロセン系触媒を用いて製造することにより、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合性が上がるため後述の密度0.880〜0.915g/cmを満たし、分子量分布が狭くなるため後述の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)1.5〜3.5とを満たし、コモノマー組成分布が狭くなるため、べたつきの無い感触が得られ、その他、滑り止め効果、衝撃吸収効果、耐熱性などの性能を発現し得る。
【0032】
エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の製造方法としては、特開昭58−19309号、特開昭59−95292号、特開昭60−35005号、特開昭60−35006号、特開昭60−35007号、特開昭60−35008号、特開昭61−130314号、特開平3−163088号の各公報、ヨーロッパ特許出願公開第420,436号明細書、米国特許第5,055,438号明細書、及び国際公開公報W091/04257号明細書などに記載されている方法、すなわちメタロセン触媒、メタロセン/アルモキサン触媒、又は、例えば国際公開公報W092/07123号明細書などに開示されているようなメタロセン化合物、又はメタロセン触媒と反応して安定なイオンとなる化合物とからなる触媒を使用して、主成分のエチレンと従成分の炭素数3〜10のα−オレフィンとを共重合させる方法などを挙げることができる。
【0033】
共重合の方法としては、気相法、スラリー法、溶液法、高圧イオン重合法などが挙げられる。これらの中では溶液法及び高圧イオン重合法で製造することが好ましく、本発明の効果を大きく発揮させることができる高圧イオン重合法にて製造することが特に好ましい。
なお、この高圧イオン重合法とは、特開昭56−18607号、特開昭58−225106号、特表平7−508545号の各公報などに記載されている方法である。具体的には、圧力が100kg/cm以上、好ましくは300〜2,000kg/cm、温度が125℃以上、好ましくは130〜250℃、特に好ましくは150〜200℃の反応条件下にて行われるエチレン系重合体の製造方法である。
【0034】
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、下記特性(1)〜(6)を有することにより、要求される耐熱性、柔軟性を達成する。
【0035】
特性(1)密度
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度は、0.880〜0.915g/cm、好ましくは0.885〜0.910g/cm、より好ましくは0.890〜0.905g/cmである。密度が0.880g/cm未満では耐熱性が悪化する。また、成形時の金型離型性が悪化する。密度が0.915g/cmを超えると軟質層の柔軟な触感、滑り止め効果、耐衝撃性、シール性などが低下する。
ここで、密度は、JIS K6922−2−1997附属書に記載の方法で測定する。
密度は、主としてエチレンと共重合する炭素数3〜10のα−オレフィンの量比などで調整できる。又、密度の異なるエチレン・炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体などとのブレンドによる調整も可能である。
【0036】
特性(2)MFR
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)のMFRは、1〜100g/10分、好ましくは2〜60g/10分、より好ましくは3〜30g/10分である。MFRが1g/10分未満では、成形性や熱収縮性が悪化する。MFRが100g/10分を超えると、軟化温度が低下し耐熱性が悪化する。
ここで、MFRは、JIS K6922−1−1997による条件D(190℃、21.18N)で測定する。
MFRは、主としてエチレンの重合工程における水素の量、重合温度、重合槽内での滞留時間、重合槽の数などで調整できる。また、MFRの異なるエチレン・炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体などとのブレンドなどによる調整も可能である。
【0037】
特性(3)Mw/Mn
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.5〜3.5、好ましくは1.5〜3.0である。Mw/Mnが1.5未満では、分子量分布が極めて狭くなるため溶融粘度が高くなり成形性が悪化する。Mw/Mnが3.5を超えると、耐熱性、軟質層のべた付きのない触感が損なわれる。
Mw/Mnは、主として触媒の種類、助触媒の種類、重合温度、重合槽内での滞留時間、重合槽の数などで調整できる。また、MFR、Mw/Mnの異なるエチレン・炭素数3〜10のα−オレフィン共重合体とのブレンドなどによる調整も可能である。
MwとMnは、下記条件のゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)により測定される。
装置  :ウォーターズ社製ISOC−ALC/GPC
カラム :昭和電工社製AD80M/S 3本
測定温度:140℃
溶媒  :o−ジクロロベンゼン
濃度  :0.2重量%
流速  :1m/分
【0038】
特性(4)融解ピーク温度
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の融解ピーク温度は、50℃以上、好ましくは60〜105℃、より好ましくは70〜100℃である。融解ピーク温度が50℃未満では耐熱性が低下し、50℃での耐熱性が損なわれやすい。
ここで、融解ピーク温度は、JIS K6922−2−1997の溶融温度の方法で下記条件により測定される。
装置  :セイコー電子工業社製SSC5200
試料量 :5mg
測定範囲:−10℃から170℃
【0039】
特性(5)50℃以上の融解転移熱
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の50℃以上の融解転移熱は、10kJ/kg以上、好ましくは15〜120kJ/kg、より好ましくは20〜105kJ/kgである。融解転移熱が10kJ/kg未満では耐熱性が低下し、50℃での耐熱性が損なわれやすい。特に、耐熱性が要求される用途では、融解ピーク温度測定時に測定される補外融解終了温度がその使用上限温度以上であり、且つその使用上限温度での融解転移熱が10kJ/kg以上、好ましくは15kJ/kg以上、より好ましくは20kJ/kg以上であることにより耐熱性が満足される。
ここで、融解転移熱は、JIS K7122−1987の方法で下記条件により測定される。
装置  :セイコー電子工業社製SSC5200
試料量 :5mg
測定範囲:−10℃から170℃
50℃以上の融解転移熱:10℃からの融解転移熱に占める50℃以上の融解転移熱
【0040】
特性(6)曲げこわさ
本発明で用いるエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の曲げこわさは、150MPa以下、好ましくは20MPa以上130MPa以下、より好ましくは30MPa以上100MPa以下である。曲げこわさが150MPaを超えると柔軟性が低下し、触感や滑り止め効果、耐衝撃性、シール性などが損なわれやすい。
ここで、曲げこわさは、JIS K6922−2−1997附属書に記載の方法で試験片を作成した後、JIS K7106−1995で測定する。
【0041】
また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)には、柔軟性、ゴム弾性、シール性を付与するため、オイルや熱可塑性エラストマー、具体的には密度0.880g/cm未満のエチレン・α−オレフィン共重合体、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、ウレタン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、及びこれらの非架橋型、架橋型または部分架橋型のエラストマーなどを添加しても良いが、耐薬品性やリサイクル性の観点では、密度0.880g/cm未満のエチレン・α−オレフィン共重合体や、オレフィン系エラストマーのうち、非ジエン系のエラストマー、非架橋型のエラストマーなどが好ましく、具体的にはエチレン・プロピレンゴム、エチレン・ブテンゴム、エチレン・ヘキセンゴム、エチレン・オクテンゴムなどが好ましい。添加し過ぎると耐熱性が低下するため、50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
【0042】
さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)には、耐熱性を付与するため、他のポリオレフィン、具体的には、密度0.915g/10cmを超える高圧法低密度ポリエチレン、チーグラー系エチレン・α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン系ブロック共重合体、プロピレン系ランダム共重合体などをブレンドしても良い。これらは、添加し過ぎると柔軟性が低下すると共に、硬質層との組み合わせによってはリサイクル性が低下するので、50重量%以下、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
【0043】
さらにまた、エチレン・α−オレフィン共重合体(B)には、必要に応じて中和剤、スリップ剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色顔料、分散剤、分子量調整剤、発泡剤、難燃剤、充填剤などの添加剤を添加しても良い。例えば、中和剤、具体的にはステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、合成ハイドロタルサイトなどを、3000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは500ppm以下の量で添加することが、当該ポリオレフィンの品質を安定させるために好ましい。また、リサイクル性の観点では酸化防止剤が添加されていることが好ましい。しかしながら、一部の添加剤は過剰に添加すると表面にブリードアウトしやすいため、当該複層成形体においては硬質層と軟質層界面の接着強度を低下させるなどの場合があるので、要求性能を達成しうる最低限の量を添加することが好ましい。
【0044】
3.ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法
本発明の硬質層を構成する結晶性ポリオレフィン(A)及び硬質層を構成するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)は、前述のとおり、それぞれ任意成分を含有してよく、その添加方法は、本発明の目的を損なわない範囲で任意に選択することが可能である。
好ましくは、予め結晶性ポリオレフィンまたはエチレン・α−オレフィン共重合体と任意成分を、単軸押出機、二軸押出機、連続式混練機などで溶融混練してペレット化し射出成形機へ供給する方法、または予め結晶性ポリオレフィンまたはエチレン・α−オレフィン共重合体と任意成分を、ペレットブレンドなどにより混合し射出成形機へ供給する方法がある。
【0045】
本発明の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法は、次のような方法が好ましい。
(1)硬質層又は軟質層のどちらか一方を予め任意の成形法により成形した成形体を射出成形機金型のキャビティ内に装填し、このキャビティ内に他方の樹脂成分で射出成形して一体化されてなる耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法。
(2)硬質層又は軟質層のどちらか一方の成分を射出成形機金型のキャビティ内に射出成形し、このキャビティ内に他方の樹脂成分で射出成形して一体化されてなる耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法。
【0046】
また、耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体は、硬質層及び軟質層がポリオレフィンを主体とする組成物のため、複層界面が融着していることを特徴としているが、成形体の構造上剥離、脱着がなければ、融着している必要はない。
【0047】
本発明の射出成形体は、軟質層が少なくとも表層の一部を構成することを特徴する。すなわち、射出成形体の表面の全部分または表面の一部分が、軟質層により構成されていること、軟質層が成形体の表面に出ている(現れている)ことを特徴とするものである。これにより、優れた外観及び触感(感触)、滑り難さ、耐衝撃性、シール性、変形に対する追随性という軟質層の特徴を射出成形体に付与することができる。
軟質層が少なくとも表層の一部を構成するためには、予め成形し装填する成形体の樹脂種(硬質層/軟質層)、形状及び金型内の部位、最後に射出成形する樹脂種(硬質層/軟質層)などにより決定される。
【0048】
4.複層射出成形体の特徴
本発明の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体は、50℃ギアーオーブン中で軟質層を上にして平面上に固定し、1kPaの金属製荷重を掛けた上で3時間保持して、負荷部分に溶融による変形が全く認められないか、若干跡が残るもののほとんど変形しない。このような特徴のため、一般の生活環境下における目安となる50℃以上での使用が非架橋の軟質材料で可能となる。特に耐熱性が要求される場合には、60℃、70℃、80℃などの使用状況における上限温度で同様に耐熱性を評価すれば良く、例えば自動車車内で使用される用途には、80℃程度での耐熱性を考慮する必要がある。
【0049】
本発明の射出成形体は、軟質層が少なくとも表層の一部を構成することを特徴としており、外観や感触を改善し、また意匠性、滑り止め、衝撃吸収、シール性などの機能性を有する部材として使用することができる。また、軟質層を硬質層の中間層とし、折り曲げ特性を有する製品などにも好適に使用することができる。
本発明の複層射出成形体は、上記の性質を有しているため、剛性、強度に優れ、かつ柔軟でべた付きのない触感、滑り止め、衝撃吸収に優れ、且つ一般の生活環境下に於ける50℃以上で使用可能な耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体である。さらに、本発明の複層射出成形体は、硬質層と軟質層がポリオレフィンを主体とする非架橋の組成物であるため、両層を分離することなく一体に溶融混練しても分散性が良く、マテリアルリサイクルが容易である。
【0050】
本発明の複層射出成形体は、自動車部品、家電ハウジング、家具部品、文具、玩具、スポーツ用品、レジャー用品、トイレタリー用品、サニタリー用品、その他生活用品、およびこれら部品を構成するシート、ハウジング、グリップなどにおいて外観や感触を改善し、また意匠性、滑り止め、衝撃吸収、シール性などの機能性を持たせる部材として用いることができる。また、軟質層を硬質層の中間層とし、折り曲げ特性を有する製品などにも応用できる。具体的には、歯ブラシのヘッドやショルダーなどが挙げられる。
【0051】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に制約されるものではない。なお、物性などの測定、評価方法及び実施例、比較例で使用した各成分は以下の通りである。
【0052】
1.物性の測定及び成形体の評価
(1)密度:前述の方法に基づき測定した。
(2)MFR:エチレン系重合体及びエチレン・α−オレフィン共重合体については、JIS K6922−1 条件D、温度190℃、荷重21.18N、プロピレン系重合体については、JIS K6921−1、温度230℃、荷重21.18Nに基づき測定した。
(3)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn):前述の方法に基づき測定した。
(4)融解ピーク温度:前述の方法に基づき測定した。
(5)融解転移熱:前述の方法に基づき測定した。
(6)曲げこわさ:前述の方法に基づき測定した。
(7)曲げ弾性率:前述の方法に基づき測定した。
(8)耐熱性評価:複層射出成形体を、50℃ギアーオーブン中で軟質層を上にして平面上に固定し、1kPaのステンレス製荷重を掛けた上で3時間保持し、軟質層の耐熱性を以下の基準に従い評価した。
◎:荷重による変形が全く認められない。
○:荷重により若干跡が付く。ほとんど変形は認められない。
△:負荷部分が変形し跡が残る。
×:負荷部分以外も変形する。
(9)風合い評価:複層射出成形体の軟質層を、手で触れたときの触感を以下の基準に従い評価した。
◎:柔軟で全体に柔らかく、触感が良い。
○:柔軟で適度に硬く、触感が良い。
△:柔軟であるがべた付き、触感が良くない。
×:硬くて触感が悪い。
【0053】
2.実施例、比較例で使用した各成分
(1)成分(A)
(i)ポリプロピレン・ホモポリマー(HPP−1):MA03HS(日本ポリケム(株)製)、密度=0.91g/cm、MFR=27g/10分、曲げ弾性率=1730MPa
(ii)ポリプロピレン・ホモポリマー(HPP−2):MA03(日本ポリケム(株)製)、密度=0.91g/cm、MFR=25g/10分、曲げ弾性率=1470MPa
(iii)プロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP):BC04A(日本ポリケム(株)製)、密度=0.91g/cm、MFR=42g/10分、曲げ弾性率=1380MPa
(iv)高密度ポリエチレン(HDPE):HJ560(日本ポリケム(株)製)、密度=0.964g/cm、MFR=7g/10分、曲げ弾性率=1250MPa
(v)タルク:PKP53S(富士タルク工業社製)
(2)成分(B)
(i)エチレン・ヘキセン共重合体(EHC−1):KS560(日本ポリケム(株)製)、密度=0.898g/cm、MFR=17g/10分、Mw/Mn=2.0、融解ピーク温度=91℃、50℃以上の融解転移熱=62kJ/kg、曲げこわさ=42MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(ii)エチレン・ヘキセン共重合体(EHC−2):KS340(日本ポリケム(株)製)、密度=0.882g/cm、MFR=3.5g/10分、Mw/Mn=2.0、融解ピーク温度=62℃、50℃以上の融解転移熱=20kJ/kg、曲げこわさ=20MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(iii)エチレン・ヘキセン共重合体(EHC−3):KJ640(日本ポリケム(株)製)、密度=0.882g/cm、MFR=28g/10分、Mw/Mn=1.9、融解ピーク温度=69℃、50℃以上の融解転移熱=18kJ/kg、曲げこわさ=21MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(iv)エチレン・ヘキセン共重合体(EHC−4):密度=0.885g/cm、MFR=0.5g/10分、Mw/Mn=1.9、融解ピーク温度=71℃、50℃以上の融解転移熱=27kJ/kg、曲げこわさ=22MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(v)エチレン・ブテン共重合体(EBC):EXACT4006(EXXONMOBIL CHEMICAL社製)、密度=0.884g/cm、MFR=11g/10分、Mw/Mn=2.0、融解ピーク温度=63℃、50℃以上の融解転移熱=23kJ/kg、曲げこわさ=21MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(vi)エチレン・オクテン共重合体(EOC−1):エンゲージ8150(デュポン ダウ エラストマーズ ジャパン社製)、密度=0.871g/cm、MFR=0.5g/10分、Mw/Mn=2.4、融解ピーク温度=60℃、50℃以上の融解転移熱=9kJ/kg、曲げこわさ=13MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(vii)エチレン・オクテン共重合体(EOC−2):エンゲージ8200(デュポン ダウ エラストマーズ ジャパン社製)、密度=0.872g/cm、MFR=5.9g/10分、Mw/Mn=2.1、融解ピーク温度=65℃、50℃以上の融解転移熱=9kJ/kg、曲げこわさ=13MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(viii)エチレン・オクテン共重合体(EOC−3):エンゲージ8190(デュポン ダウ エラストマーズ ジャパン社製)、密度=0.865g/cm、MFR=1.1g/10分、Mw/Mn=2.3、融解ピーク温度=40℃、50℃以上の融解転移熱=3kJ/kg、曲げこわさ=10MPa(メタロセン系触媒による共重合体)
(ix)高圧法低密度ポリエチレン(LDPE):LC604(日本ポリケム社製)、密度=0.918g/cm、MFR=8.2g/10分、Mw/Mn=9.2、融解ピーク温度=105℃、50℃以上の融解転移熱=113kJ/kg、曲げこわさ=120MPa
(x)直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):UJ370(日本ポリケム社製)、密度=0.921g/cm、MFR=16g/10分、Mw/Mn=3.7、融解ピーク温度=122℃、50℃以上の融解転移熱=147kJ/kg、曲げこわさ=270MPa(チーグラー系触媒によるエチレン・ブテン共重合体)
(xi)高圧法エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA;エチレン80重量%−酢酸ビニル20重量%):LV570(日本ポリケム社製)、密度=0.942g/cm、MFR=15g/10分、Mw/Mn=4.3、融解ピーク温度=83℃、50℃以上の融解転移熱=54kJ/kg、曲げこわさ=38MPa
【0054】
実施例1
硬質層の樹脂としてプロピレンホモポリマー(HPP−1)を用い、下記硬質層の成形条件で、縦100mm、横100mm、厚み2mmの硬質層を作成した。次に、得られた硬質層を、縦100mm、横100mm、厚み4mmの射出金型のキャビティに予めセットし、軟質層の樹脂としてエチレン・ヘキセン共重合体(EHC−1)を用い、下記軟質層の積層条件で積層し、硬質層の厚み2mm、軟質層の厚み2mmの複層射出成形体を得た。得られた積層体の耐熱性、風合いの評価を行った。その結果を表1に示す。
【0055】
硬質層の成形条件:
成形機 :日本製鋼所株式会社製 J100射出成形機
金型  :縦100mm、横100mm、厚み2mm、フィルムゲート
成形温度:230℃
金型温度:30℃
射出圧力:一次圧力50MPa
【0056】
軟質層の積層条件:
成形機 :日本製鋼所株式会社製 J100射出成形機
金型  :縦100mm、横100mm、厚み4mm、フィルムゲート
成形温度:190℃
金型温度:30℃
射出圧力:一次圧力50MPa
【0057】
実施例2
実施例1において、硬質層をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)70重量%とタルク30重量%とを予めL/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機で200℃で溶融混練後、ダイよりストランド状に押し出された樹脂をペレット化して得られた組成物(曲げ弾性率=2870MPa)に変更し、射出成形前に120℃で2時間乾燥する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0058】
実施例3
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0059】
実施例4
実施例1において、硬質層の樹脂を高密度ポリエチレン(HDPE)にし、軟質層の樹脂をエチレン・ブテン共重合体(EBC)に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
実施例5
実施例1において、硬質層の樹脂組成を高密度ポリエチレン(HDPE)にし、軟質層の樹脂をエチレン・ヘキセン共重合体(EHC−2)に変更し、軟質層を積層時の成形温度を220℃に変更し、射出圧力を80MPaにする以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0061】
実施例6
実施例1において、硬質層の樹脂をポリプロピレン・ホモポリマー(HPP−2)にし、軟質層の樹脂をエチレン・ヘキセン共重合体(EHC−3)に変更し、軟質層を積層時の成形温度を160℃に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0062】
実施例7
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂を(EHC−1)70重量%と高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)30重量%とのペレットブレンド物(融解ピーク温度=101℃、50℃以上の融解転移熱=64kJ/kg、曲げこわさ=93MPa)に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0063】
実施例8
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂を(EHC−3)90重量%とチーグラー系直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)10重量%とを予めL/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機を用いて200℃で溶融混練した組成物(融解ピーク温度=56℃、116℃、122℃、50℃以上の融解転移熱=28kJ/kg、曲げこわさ=33MPa)の組成物に変更し、軟質層を積層時の成形温度を160℃に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表1に示す。
【0064】
実施例9
硬質層の樹脂としてプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)を用い、株式会社高橋精機工業所製KS−2C−680二色成形機を用いて、成形温度220℃、金型温度40℃、射出圧力39MPaの射出成形条件で、厚み2mmの硬質層を作成した。次いで、軟質層の樹脂としてエチレン・ヘキセン共重合体(EHC−1)を用い、200℃、射出圧力39MPaの成形条件で前記金型内に射出成形し、硬質層の表面に厚み2mmの軟質層を形成した複層射出成形体を得た。得られた成形体を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0065】
比較例1
実施例1において、硬質層の樹脂をポリプロピレン・ホモポリマー(HPP−2)にし、軟質層の樹脂をエチレン・オクテン共重合体(EOC−1)に変更し、軟質層を積層時の成形温度を240℃に変更し、射出圧力を100MPaに、及び射出速度を3倍に高くする以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。
【0066】
比較例2
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂をエチレン・オクテン共重合体(EOC−2)に変更し、軟質層を積層時の成形温度を220℃に変更し、射出圧力を80MPaにする以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。
【0067】
比較例3
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂をエチレン・オクテン共重合体(EOC−3)に変更し、軟質層を積層時の成形温度を240℃に変更し、射出圧力を100MPaに、及び射出速度を3倍に高くする以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。
【0068】
比較例4
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂をエチレン・ヘキセン共重合体(EHC−4)に変更し、軟質層を積層時の成形温度を240℃に変更し、射出圧力を100MPaに、及び射出速度を3倍に高くする以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。
【0069】
比較例5
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂を高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。
【0070】
比較例6
実施例1において、硬質層の樹脂をプロピレン・エチレンブロック共重合体(ICP)にし、軟質層の樹脂をエチレン80重量%・酢酸ビニル20重量%共重合体(EVA)に変更する以外は実施例1と同様に成形、評価した。その結果を表2に示す。
【0071】
【表1】
Figure 2004066720
【0072】
【表2】
Figure 2004066720
【0073】
表1より明らかなように、実施例1〜6及び9は、軟質層の密度、MFR、Mw/Mnが本発明の範囲であるため、耐熱性、風合いに優れた複層射出成形体が得られる。
実施例7は、軟質層の樹脂が高圧法低密度ポリエチレンのブレンド物であるが、密度、MFR、Mw/Mnが本発明の範囲であるため、耐熱性、風合いに優れた複層射出成形体が得られる。
実施例8は、軟質層の樹脂がチーグラー系エチレン・ブテン共重合体の少量ブレンド物であり、柔軟性見合いで特に耐熱性に優れている。
【0074】
表2から明らかなように、比較例1は、軟質層の樹脂の密度が本発明の範囲を逸脱するため、耐熱性に劣る。また、MFRが本発明の範囲を逸脱するため、成形時の残留応力により熱収縮しやすく、耐熱性に劣る。
比較例2、3は、軟質層の樹脂の密度が本発明の範囲を逸脱するため、耐熱性に劣る。
比較例4は、軟質層の樹脂のMFRが本発明の範囲を逸脱するため、成形時の残留応力により熱収縮しやすく、耐熱性に劣る。
比較例5は、軟質層の樹脂が高圧法低密度ポリエチレンであるが、密度、Mw/Mnが本発明の範囲を逸脱するため、風合いに劣る。
比較例6は、軟質層の樹脂が高圧法エチレン・酢酸ビニル共重合体であるが、柔軟で耐熱性に優れるものの、べた付きに劣る。
【0075】
【発明の効果】
本発明の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体は、剛性、強度に優れ、かつ柔軟でべた付きのない触感、滑り止め、衝撃吸収に優れ、一般の生活環境下における50℃以上で使用可能な耐熱性に優れる成形体である。さらに、本発明の複層射出成形体は、非架橋の組成物であるため、両層を分離することなく一体に溶融混練しても分散性が良く、マテリアルリサイクルが容易である。

Claims (11)

  1. 下記(A1)、(A2)から選ばれる少なくとも1種以上の結晶性ポリオレフィン(A)からなる硬質層と、メタロセン触媒を用いて製造され、下記特性(1)〜(6)を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(B)からなる軟質層とから構成される耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
    (A1):密度(JIS−K6922−2)が0.942g/cm以上、190℃でのメルトマスフローレート(JIS−K6922−1 条件D、荷重21.18N)が1〜100g/10分のエチレン系重合体
    (A2):密度(JIS−K6921−2)が0.88g/cm以上、230℃でのメルトマスフローレート(JIS−K6921−1、荷重21.18N)が1〜150g/10分のプロピレン系重合体
    特性(1):密度(JIS−K6922−2)が0.880〜0.915g/cm
    特性(2):メルトマスフローレート(JIS−K6922−1 条件D、温度190℃、荷重21.18N)が1〜100g/10分
    特性(3):重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が1.5〜3.5
    特性(4):融解ピーク温度が50℃以上
    特性(5):50℃以上の融解転移熱が10kJ/kg以上
    特性(6):曲げこわさが150MPa以下
    (ただし、Mw/MnはGPCにより測定して求めた値、融解ピーク温度はJIS K6922−2−1997に準拠して求めた値、融解転移熱はJIS K−7122−1987に準拠して求めた値、曲げこわさはJIS K−7106−1995に準拠して求めた値をそれぞれ示す。)
  2. エチレン・α−オレフィン共重合体(B)が、高圧イオン重合で製造されることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  3. 結晶性ポリオレフィン(A)が、曲げ弾性率650MPa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  4. 結晶性ポリオレフィン(A)が、(A1)エチレン系重合体であって、高密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  5. 結晶性ポリオレフィン(A)が、(A1)エチレン系重合体であって、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンからなるエチレン・α−オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  6. 結晶性ポリオレフィン(A)が、(A2)プロピレン系重合体であって、プロピレン単独重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  7. 結晶性ポリオレフィン(A)が、(A2)プロピレン系重合体であって、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンからなるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  8. 結晶性ポリオレフィン(A)が、(A2)プロピレン系重合体であって、プロピレン単独重合体部分とプロピレンとエチレンまたは炭素数4〜10のα−オレフィンからなるプロピレン・α−オレフィン共重合体部分からなるプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  9. 軟質層が少なくとも表層の一部を構成することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体。
  10. 硬質層又は軟質層のどちらか一方を予め任意の成形法により成形した成形体を射出成形機金型のキャビティ内に装填し、このキャビティ内に他方の樹脂成分で射出成形して一体化されてなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法。
  11. 硬質層又は軟質層のどちらか一方の成分を射出成形機金型のキャビティ内に射出成形し、このキャビティ内に他方の樹脂成分で射出成形して一体化されてなる、請求項1〜9のいずれか1項に記載の耐熱性ポリオレフィン複層射出成形体の製造方法。
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