JP2018027994A - 熱可塑性樹脂組成物、それを用いたフィラー含有樹脂組成物及び成形体。 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、それを用いたフィラー含有樹脂組成物及び成形体。 Download PDF

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勝 長谷川
雄志 熊谷
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雄志 熊谷
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Tetsuhisa Noguchi
哲央 野口
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Abstract

【課題】耐傷付き性に優れ、力学物性にも優れた、熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物にフィラーを添加してなるフィラー含有樹脂組成物、及びそれらを用いた自動車内装部品などの成形体の提供。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂(A)65〜95質量%と、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位、芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖とを含むクロス共重合体(B)2〜32質量%と、水添ブロック共重合体(C)2.5〜32.5質量%と、JIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が5万cst以上であるシリコーンオイル(D)0.5〜10質量%と、からなる熱可塑性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、耐傷付き性に優れ、力学物性にも優れた、熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物にフィラーを添加してなるフィラー含有樹脂組成物及びそれらを用いた自動車内装部品などの成形体に関するものである。
近年、自動車内装用材料は、軽量化、低コスト化の観点からポリプロピレン樹脂が多く使用されている。ポリプロピレン樹脂の課題である耐衝撃性を改良する手段として、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴム、アルケニル芳香族化合物単位含有ゴムを配合することが知られている(たとえば、特許文献1、特許文献2)。これらの樹脂組成物は、良好な力学物性を有しているが、耐傷付き性に課題があった。
一方、耐傷付き性に優れる材料として、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖とを含むクロス共重合体が提案されている(特許文献3、特許文献4)。さらに、クロス共重合体とスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)などの水添ブロック共重合体とポリプロピレン系樹脂からなる熱可塑性エラストマー樹脂組成物も提案されている(特許文献5)。これらの材料は、確かに耐傷付き性に優れる材料であるが、近年の自動車内装材における耐傷付き性への要求は厳しくなってきており、特に靴底で蹴った時の傷に対する改善要求が強く、更なる耐傷付き性の改善を求められている。
特開平6−192500号公報 特開平11−29669号公報 WO2007/139116号公報 特開2009−102515号公報 WO2015/072466号公報
本発明は、耐傷付き性に優れ、力学物性にも優れた、熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物にフィラーを添加してなるフィラー含有樹脂組成物及びそれらを用いた自動車内装部品などの成形体を提供するものである。
本発明は、以下を要旨とするものである。
(1)ポリプロピレン系樹脂(A)65〜95質量%と、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖とを含むクロス共重合体(B)2〜32質量%と、水添ブロック共重合体(C)2.5〜32.5質量%及びJIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が5万センチストークス以上であるシリコーンオイル(D)0.5〜10質量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
(2)前記クロス共重合体(B)が、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体50〜95質量%の主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体5〜50質量%をクロス鎖構造としてもつ(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(3)前記芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖が、芳香族ビニル単量体単位9.99〜29.99モル%、オレフィン単量体単位70〜90モル%及び芳香族ポリエン単量体単位0.01〜0.5モル%からなる(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(4)前記クロス共重合体(B)のオレフィン単量体単位がエチレンである(1)〜(3)のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)前記クロス共重合体(B)の芳香族ビニル単量体単位がスチレンである(1)〜(4)いずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(6)前記ポリプロピレン系樹脂(A)75〜93質量%と、クロス共重合体(B)3〜21質量%と、水添ブロック共重合体(C)3〜21質量%及びJIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が5万センチストークス以上であるシリコーンオイル(D)1〜6質量%からなる(1)〜(5)のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)前記シリコーンオイル(D)が、JIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が10万センチストークス以上である(1)〜(6)のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(8)前記シリコーンオイル(D)が、JIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が100万センチストークス以上である(1)〜(7)のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(9)(1)〜(8)のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、フィラーを0.1〜50質量部添加してなるフィラー含有樹脂組成物。
(10)(1)〜(8)のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物または(9)に記載のフィラー含有樹脂組成物からなる成形体。
(11)自動車内装部品である(10)に記載の成形体。
本発明によれば、耐傷付き性に優れ、力学物性にも優れた、熱可塑性樹脂組成物、熱可塑性樹脂組成物にフィラーを添加してなるフィラー含有樹脂組成物及びそれらを用いた自動車内装部品などの成形体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「X〜Y」という記載は、X以上でありY以下であるという意味である。
[ポリプロピレン系樹脂(A)]
ポリプロピレン系樹脂(A)としては、アイソタクチックホモポリプロピレン、シンジオタクチックホモポリプロピレン及びアタクチックホモポリプロピレンなどのプロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体及びエチレン−プロピレンランダムブロック共重合体などに代表されるα−オレフィン−プロピレン共重合体が挙げられる。これらポリプロピレン系樹脂(A)は、1種類でもよく、2種類以上の併用であっても良い。
これらポリプロピレン系樹脂(A)の入手方法は、市販の樹脂を利用するほか、各種公知のプロピレン重合用触媒を用いて公知の重合方法によって製造されたものが利用できる。
ポリプロピレン系樹脂(A)の製造方法として、公知のチーグラー・ナッタ系触媒、または、メタロセン系錯体及び非メタロセン系錯体等の公知の錯体系触媒を用いて、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等の公知の重合法により、プロピレンを単独重合あるいはプロピレンと他のモノマーとを共重合する方法により得ることができる。
[クロス共重合体(B)]
クロス共重合体(B)は、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位、及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖とを含み、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体が、主鎖の芳香族ポリエン単量体単位を介して結合している構造を有する。
芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン及び各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン等の各スチレン系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位、p−メチルスチレン単位、p−クロロスチレン単位であり、特に好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
オレフィン単量体単位としては、エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、ビニルシクロヘキサンや、環状オレフィンすなわちシクロペンテン、ノルボルネン等、各α−オレフィン系単量体及び環状オレフィン系単量体に由来する単位が挙げられる。好ましくは、エチレン単位、プロピレン単位、1−ブテン単位、1−ヘキセン単位、1−オクテン単位等の混合物が用いられ、特に好ましくはエチレン単位が用いられる。
芳香族ポリエン単量体単位としては、10以上30以下の炭素数を持ち、複数の二重結合(ビニル基)と単数又は複数の芳香族基を有した芳香族ポリエンであり、例えば、o−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、1,4−ジビニルナフタレン、3,4−ジビニルナフタレン、2,6−ジビニルナフタレン、1,2−ジビニル−3,4−ジメチルベンゼン、1,3−ジビニル−4,5,8−トリブチルナフタレン等、芳香族ポリエン単量体に由来する単位が挙げられ、好ましくはオルトジビニルベンゼン単位、パラジビニルベンゼン単位及びメタジビニルベンゼン単位のいずれか1種又は2種以上の混合物が好適に用いられる。
芳香族ビニル−オレフィン系共重合体中の各構成単位の含有割合は、耐傷付き性の改善効果の観点から、芳香族ビニル単量体単位9.99〜29.99モル%、オレフィン単量体単位70〜90モル%、芳香族ポリエン単量体単位0.01〜0.5モル%であることが好ましい。
芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖との含有割合は、力学物性の観点から、好ましくは芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖50〜95質量%、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖5〜50質量%であり、特に好ましくは芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖80〜90質量%、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖10〜20質量%である。
[クロス共重合体(B)の製造方法]
本発明に係るクロス共重合体(B)の製造方法について説明する。重合様式においては、特に制限はなく、溶液重合、塊状重合等公知の方法で製造できるが、溶液重合が所望のクロス共重合体(B)を得る上での重合制御の自由度が高いので、より好適である。
重合方法は、所望のクロス共重合体(B)が得られれば特に限定されないが、配位重合触媒を用いて芳香族ビニル−オレフィン系共重合体を重合する配位重合工程と、配位重合工程で得られた芳香族ビニル−オレフィン系共重合体と芳香族ビニル単量体の共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合することにより主鎖の芳香族ポリエン単量体単位に残存するビニル基に芳香族ビニル単量体単位からなる重合体をクロス鎖とする構造のクロス共重合体(B)を製造するアニオン重合工程とからなる二段階の重合工程を経る製造方法により製造することが可能である。
(配位重合工程)
配位重合工程について具体的に説明する。配位重合触媒については、遷移金属化合物と助触媒から構成されるシングルサイト配位重合触媒を用いることができる。シングルサイト配位重合触媒の活性を助ける助触媒としてメチルアルミノキサンを好適に用いることができる。また、溶剤や各単量体原料に含まれる水分を除去し、シングルサイト配位重合触媒の被毒を抑制するためアルキルアルミニウムを好適に用いることができる。使用する溶剤は、極性官能基をもつとシングルサイト配位重合触媒を被毒ためシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭化水素系、及び芳香族炭化水素系が好適である。溶剤の添加量は、得られる共重合体量100質量部に対して200〜900質量部が好ましい。200質量部以上であれば、重合液粘度及び反応速度を制御する上で好適であり、900質量部以下であれば、生産性の観点で好ましい。
(アニオン重合工程)
アニオン重合工程について具体的に説明する。アニオン重合工程では、配位重合工程で得られた芳香族ビニル−オレフィン系共重合体と芳香族ビニル単量体との共存下、アニオン重合開始剤を用いて重合することにより、主鎖の芳香族ポリエン単量体単位に残存するビニル基に芳香族ビニル単量体単位からなる重合体をクロス鎖とする構造のクロス共重合体(B)を合成する。配位重合工程で得られた芳香族ビニル−オレフィン系共重合体は、メタノール等の貧溶媒により析出させる方法、加熱ロール等により溶媒を蒸発させて析出させる方法(ドラムドライヤー法)、濃縮器により溶液を濃縮した後にベント式押出機で溶媒を除去する方法、溶液を水に分散させ、水蒸気を吹き込んで溶媒を加熱除去して共重合体を回収する方法(スチームストリッピング法)、クラムフォーミング法等、任意の方法を用いて配位重合後の重合液から分離、精製してアニオン重合工程に用いても良い。また、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体を重合液から分離、精製せずに、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体を含んだ重合液をアニオン重合工程に用いても良く、この方法が生産性の観点から好適である。アニオン重合開始剤は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等公知のアニオン重合開始剤を用いることができる。芳香族ビニル単量体は、配位重合後の重合液に残留する芳香族ビニル単量体をそのまま用いることもできる。また、アニオン重合の開始前に必要量添加したり、アニオン重合の途中で追添、もしくは分添したりすることで、目的のクロス共重合体(B)を得ることができる。
(回収工程)
クロス共重合体(B)を回収する方法については、特に限定はなく、メタノール等の貧溶媒により析出させる方法、加熱ロール等により溶媒を蒸発させて析出させる方法(ドラムドライヤー法)、溶液を水に分散させ、水蒸気を吹き込んで溶媒を加熱除去して共重合体を回収する方法(スチームストリッピング法)、クラムフォーミング法等、公知の方法を用いることができる。また、重合液を二軸脱揮押出機にギヤーポンプを用いて連続的にフィードし、重合溶剤を脱揮処理する方法がある。この方法は、重合溶剤を含む脱揮成分を、コンデンサー等を用いて凝縮させて回収し、凝縮液を蒸留塔にて精製することで、重合溶剤を再利用することができるので、経済的な観点で好適である。
[水添ブロック共重合体(C)]
水添ブロック共重合体(C)とは、芳香族ビニル単量体単位と、共役ジエン単量体単位の二重結合を水素添加処理して単結合とした単位とからなる共重合体であり、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)等と呼ばれるアタクチックなポリスチレン構造をハードセグメントとし、エチレン−ブチレン共重合体、あるいは、エチレン−プロピレン−イソプレン共重合体をソフトセグメントとするブロック共重合体が挙げられる。ブロック共重合体とは、トリブロック、テトラブロック、ペンタブロック、マルチブロック共重合体も使用可能である。
芳香族ビニル単量体単位としては、スチレン及び各種の置換スチレン、例えばp−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、o−t−ブチルスチレン、m−t−ブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン等の各スチレン系単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはスチレン単位、p−メチルスチレン単位、p−クロロスチレン単位であり、特に好ましくはスチレン単位である。これら芳香族ビニル単量体単位は、1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
共役ジエン単量体単位としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン単量体に由来する単位が挙げられる。これらの中でも好ましくはブタジエン単位、イソプレン単位である。これら共役ジエン単量体単位は1種類でもよく、2種類以上の併用であってもよい。
水添ブロック共重合体(C)を構成している芳香族ビニル単量体単位の含有量については特に制限はないが、力学物性の観点から芳香族ビニル単量体単位10〜45質量%であり、さらに好ましくは芳香族ビニル単量体単位12〜35質量%である。共役ジエン単量体単位の二重結合を水素添加処理して単結合とした単位の含有量については、芳香族ビニル単量体単位を除く全量であってもよいが、水素添加処理の工程で共役ジエン単量体単位の二重結合を全て単結合にすることは生産性の観点から困難であるため、発明の効果を損なわない範囲として、水添ブロック共重合体中に共役ジエン単量体単位が20質量%以下であれば含有することができる。
水添ブロック共重合体(C)の重量平均分子量については特に制限はないが、引張強度の観点から5万〜35万が好ましく、さらに好ましくは8万〜30万である。
水添ブロック共重合体(C)の入手方法は、市販の樹脂を利用するほか、各種公知の水添ブロック共重合体の製造方法によって製造されたものが利用できる。
水添ブロック共重合体(C)の製造方法としては、数多くの方法が提案されているが、代表的な方法としては、例えば特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒又はチーグラー型触媒を用い、不活性溶媒中で芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体とをブロック共重合させ、その後不活性溶媒中で水素添加処理を行うことで得ることができる。
[シリコーンオイル(D)]
シリコーンオイル(D)は、一般にアルキル、ビニル及び/またはアリール基置換シロキサン単位を含むランダムポリマーであり、その構造は化1に示される。R1〜R4は炭素数1〜10の炭化水素であり、同一でも異なっていても良い。nは1以上の整数である。その中でもR1〜R4が全てメチル基であるポリジメチルシロキサンが最も好ましい。
Figure 2018027994
シリコーンオイル(D)は、JIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が5万センチストークス以上であり、好ましくは10万センチストークス以上であり、さらに好ましくは100万センチストークス以上である。5万センチストークス以上であれば、良好な耐傷付き性、耐摩耗性が得られ、好ましくは10万センチストークス以上であり、特に好ましくは100万センチストークス以上である。
[熱可塑性樹脂組成物]
熱可塑性樹脂組成物中のポリプロピレン系樹脂(A)と、クロス共重合体(B)と、水添ブロック共重合体(C)と、シリコーンオイル(D)との配合割合は、ポリプロピレン系樹脂(A)65〜95質量%、クロス共重合体(B)2〜32質量%、水添ブロック共重合体(C)2.5〜32.5質量%、シリコーンオイル(D)0.5〜10質量%であり、好ましくは、ポリプロピレン系樹脂(A)75〜93質量%、クロス共重合体(B)3〜21質量%、水添ブロック共重合体(C)3〜21質量%、シリコーンオイル(D)1〜6質量%である。ポリプロピレン系樹脂(A)が65質量%以上であれば、引張特性と剛性が向上し、75質量%以上であれば、さらに引張特性と剛性が向上するので好ましい。ポリプロピレン系樹脂(A)が95質量%以下であれば、耐衝撃性と耐傷付き性が向上し、93質量%以下であれば、さらに耐衝撃性と耐傷付き性が向上するので好ましい。クロス共重合体(B)が2質量%以上であれば、耐傷付き性が向上し、3質量%以上であれば、さらに耐傷付き性が向上するので好ましい。クロス共重合体(B)が32質量%以下であれば、引張特性と剛性が向上し、21質量%以下であれば、さらに引張特性と剛性が向上するので好ましい。水添ブロック共重合体(C)が2.5質量%以上であれば、耐衝撃性が向上し、3質量%以上であれば、さらに耐衝撃性が向上するので好ましい。水添ブロック共重合体(C)が32.5質量%以下であれば、引張特性と剛性が向上し、21質量%以下であれば、さらに引張特性と剛性が向上するので好ましい。シリコーンオイル(D)が0.5質量%以上であれば、耐傷付き性が向上し、1質量%以上であれば、さらに耐傷付き性が向上するので好ましい。シリコーンオイル(D)が10質量%以下であれば、引張特性が向上し、6質量%以下であれば、さらに引張特性が向上するので好ましい。
[フィラー含有樹脂組成物]
本発明の熱可塑性樹脂組成物にフィラーを添加してなるフィラー含有樹脂組成物は、剛性が高く、かつ耐傷付き性にも優れることから、軽量化を目的とした自動車内装部材の薄肉成形品に好適に用いることが出来る。フィラーとしては、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラス繊維、ガラスビーズ、アルミナ、ウォラストナイト、クレー、カーボン繊維、カーボンナノチューブなどが使用可能である。
フィラー含有樹脂組成物中の熱可塑性樹脂組成物とフィラーの配合割合は、剛性と耐傷付き性の観点から、熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して0.1〜50質量部が好ましく、さらに好ましくは5〜30質量部である。
本発明の熱可塑性樹脂組成物またはフィラー含有樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において、他の樹脂、可塑剤、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、結晶核剤、ブロッキング防止剤、シール性改良剤、離型剤、着色剤、顔料、発泡剤、難燃剤などを配合することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物またはフィラー含有樹脂組成物の製造方法については、特に制限はないが、単軸押出機、噛合形同方向回転または噛合形異方向回転二軸押出機、非または不完全噛合形二軸押出機等のスクリュー押出機、バンバリーミキサー、コニーダー及び混合ロール等の公知の溶融混練装置を用いて製造することが出来、中でも押出機による溶融混合法が、生産性、良混練性の観点から好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物またはフィラー含有樹脂組成物は、耐傷付き性に優れ、力学物性にも優れているので、各種成形体に供することが出来、とりわけ自動車内装部品などの成形体には好適である。成形体の成形方法には特に制限はなく、押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、回転成形法など、公知の方法を用いることができる。
以下、実施例及び比較例をあげて本発明を説明するが、これらは何れも例示的なものであって本発明の内容を限定するものではない。
<原料樹脂>
[ポリプロピレン系樹脂(A)]
・プライムポリプロ「J707EG」(プライムポリマー株式会社製商品、ブロック型ポリプロピレン)
[クロス共重合体(B)]
・クロス共重合体(B−1)
・クロス共重合体(B−2)
[水添ブロック共重合体(C)]
・セプトン「2004」(クラレ株式会社製商品)
(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン含量18質量%)
・「G1650」(クレイトンポリマージャパン株式会社製商品)(スチレン−エチレン・ブテン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン含量29重量%)
[シリコーンオイル(D)]
・シリコーンコンセントレート「BY27−001」(東レ・ダウコーニング株式会社製商品)ストレートシリコーンオイル(粘度100万センチストークス以上(25℃)):ポリプロピレン=50:50のマスターバッチ
・「KF−96H−100万cs」(信越化学工業株式会社製商品)粘度100万センチストークス
・「KF−96H−10万cs」(信越化学工業株式会社製商品)粘度10万センチストークス
・「KF−96H−5万cs」(信越化学工業株式会社製商品)粘度5万センチストークス
[シリコーンオイル(範囲外)]
・「KF−96H−1,000cs」(信越化学工業株式会社製商品)粘度1,000センチストークス
[フィラー]
・ミクロエースP−4(日本タルク株式会社製商品)平均粒子径4.5μm
[着色剤]
・カーボンブラック「#45」(三菱化学株式会社製商品)平均粒子径24nm
<配位重合触媒>
以下の製造例1〜2は、配位重合触媒として、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライド(化2)を用いた。
Figure 2018027994
<製造例1>クロス共重合体(B−1)の合成
(配位重合工程)
容量50L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を行った。シクロヘキサン20.0kg、スチレン2.4kg及び新日鐵化学社製ジビニルベンゼン(メタ、パラ混合品、ジビニルベンゼンとして84mmol)を仕込み、内温60℃にし220rpmで攪拌した。次いで、トリイソブチルアルミニウム50mmol、メチルアルモキサン(東ソー・ファインケム社製、MMAO−3A/トルエン溶液)をAl基準で65mmolを加え、ただちにエチレンで系内ガスを置換した。置換後、内温を90℃に昇温してエチレンを導入し、圧力0.380MPaGにした後に、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを110μmol、トリイソブチルアルミニウム1mmolを溶かしたトルエン溶液50mlをオートクレーブ中に加えた。直ちに重合が始まり、内温は95℃まで上昇した。内温を95℃、エチレンを補給し圧力を0.380MPaGに維持して重合を実施した。
エチレン消費量が2.70kgとなった時点で重合液の少量(50mL)をサンプリングし、重合缶へのエチレンの供給を停止してエチレンを放圧すると共に内温を70℃まで冷却して配位重合を停止した。
サンプリングした重合液は、多量のメタノールに混合することで樹脂分を析出させ、濾過、乾燥して芳香族ビニル−オレフィン系共重合体のサンプルを得た。得られたサンプルより、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の各単量体単位の含量(mol%)を分析により求めた。分析結果を表1に示す。
(アニオン重合工程)
配位重合後、内温が70℃まで下がったところで、n−ブチルリチウム240mmol(ヘキサン溶液)を触媒タンクから窒素ガスに同伴させて重合缶内に導入した。直ちにアニオン重合が開始し、内温は70℃から一時75℃まで上昇した。そのまま1時間、内温を75℃に維持してアニオン重合を完結させた。重合終了後、約100mlの水を注入することでn−ブチルリチウムを失活させた。
(回収工程)
アニオン重合後の重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、溶媒及び失活水を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することでペレット形状のクロス共重合体(B−1)を得た。得られたクロス共重合体(B−1)について、主鎖である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含量(質量%)とクロス鎖である芳香族ビニル単量体単位からなる重合体の含量(質量%)を分析により求めた。分析結果を表1に示す。
<製造例2>クロス共重合体(B−2)の製造
(配位重合工程)
容量50L、攪拌機及び加熱冷却用ジャケット付のオートクレーブを用いて重合を行った。シクロヘキサン19.4kg、スチレン4.79kg及び新日鐵化学社製ジビニルベンゼン(メタ、パラ混合品、ジビニルベンゼンとして81mmol)を仕込み、内温60℃にし220rpmで攪拌した。次いで、トリイソブチルアルミニウム50mmol、メチルアルモキサン(東ソー・ファインケム社製、MMAO−3A/トルエン溶液)をAl基準で65mmolを加え、ただちにエチレンで系内ガスを置換した。置換後、内温を90℃に昇温してエチレンを導入し、圧力0.425MPaGにした後に、rac−ジメチルメチレンビス(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジクロライドを110μmol、トリイソブチルアルミニウム1mmolを溶かしたトルエン溶液50mlをオートクレーブ中に加えた。直ちに重合が始まり、内温は95℃まで上昇した。内温を95℃、エチレンを補給し圧力を0.425MPaGに維持して重合を実施した。
エチレン消費量が3.10kgとなった時点で重合液の少量(50mL)をサンプリングし、重合缶へのエチレンの供給を停止してエチレンを放圧すると共に内温を70℃まで冷却して配位重合を停止した。芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の各単量体単位の含量(mol%)については製造例1と同様に分析により求めた。分析結果を表1に示す。
(アニオン重合工程)
配位重合後、内温が70℃まで下がったところで、n−ブチルリチウム250mmol(ヘキサン溶液)を触媒タンクから窒素ガスに同伴させて重合缶内に導入した。直ちにアニオン重合が開始し、内温は70℃から一時75℃まで上昇した。そのまま1時間、内温を75℃に維持してアニオン重合を完結させた。重合終了後、約100mlの水を注入することでn−ブチルリチウムを失活させた。
(回収工程)
アニオン重合後の重合液は、ギヤーポンプを用いて二軸脱揮押出機に連続的にフィードし、溶媒及び失活水を脱揮処理して、ストランド状に押出し切断することでペレット形状のクロス共重合体(B−2)を得た。得られたクロス共重合体(B−2)の主鎖である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含量(質量%)とクロス鎖である芳香族ビニル単量体単位からなる重合体の含量(質量%)については、製造例1と同様に分析により求めた。分析結果を表1に示す。
(主鎖中の単量体単位の含有量測定)
製造例1〜2で得られた配位重合工程における芳香族ビニル−オレフィン系共重合体のスチレン単量体単位含量(mol%)、エチレン単量体単位含量(mol%)、及びジビニルベンゼン単量体含量(mol%)は、以下の方法で測定した。
装置名:AVANCE300(Bruker社製)
手順:メタノールに析出した樹脂サンプルを重1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、130℃で1H−NMRを測定した。トリメチルシランを基準としてフェニル基プロトン由来のピークの面積強度比較からスチレン単量体単位含量(mol%)を求めた。また、オレフィンプロトン由来のピークの面積強度比較からエチレン単量体単位含量(mol%)を求めた。また、ビニル基プロトン由来のピークの面積強度比較からジビニルベンゼン単量体単位含量(mol%)を求めた。結果を表1に示す。
(芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖及び芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖の含有量)
製造例1〜2で得られたクロス共重合体(B−1)〜(B−2)の主鎖である芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含量(質量%)と、クロス鎖である芳香族ビニル単量体単位からなる重合体の含量(質量%)は、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の組成分析と同様に、1H−NMRによりスチレン単量体単位とエチレン単量体単位の含量を求め、先に求めた芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の組成とから、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の含量(質量%)と芳香族ビニル単量体単位からなる重合体の含量(質量%)を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2018027994
[実施例1〜16、比較例1〜8]
ポリプロピレン系樹脂(A)、クロス共重合体(B)、水添ブロック共重合体(C)、及びシリコーンオイル(D)を表2、3に示す割合(質量%)で二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)にてシリンダー温度200℃で溶融混練してペレット化し、熱可塑性樹脂組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について、以下の評価基準に則した試験片を作成し、温度23±1℃、湿度50±2%の恒温恒湿室にて約24時間状態調整した後、同環境下にて物性評価を行った。その結果を表2、表3に示す。
Figure 2018027994
Figure 2018027994
[実施例17]
ポリプロピレン系樹脂(A)、クロス共重合体(B)、水添ブロック共重合体(C)、シリコーンオイル(D)、及びフィラーを表4に示す割合(質量%)で二軸押出機(東芝機械社製TEM−35B)にてシリンダー温度220℃で溶融混練してペレット化し、フィラー含有樹脂組成物を得た。得られたフィラー含有樹脂組成物について、以下の評価基準に則した試験片を作成し、温度23±1℃、湿度50±2%の恒温恒湿室にて約24時間状態調整した後、同環境下にて物性評価を行った。その結果を表4に示す。
Figure 2018027994
・力学物性
(引張特性)
JIS K7161、K7162に準拠して、引張速度50mm/minにて引張降伏応力及び引張破壊呼び歪みを求めた。なお、引張降伏応力14MPa以上、かつ引張破壊呼び歪み80%以上を引張特性の合格レベルとした。
(剛性)
JIS K7171に準拠して、曲げ速度2mm/minにて曲げ弾性率を測定した。なお、曲げ弾性率600MPa以上を剛性の合格レベルとした。
(耐衝撃性)
JIS K7111に基づき、ノッチつき試験片を用いてシャルピー衝撃強度を測定した。なお、シャルピー衝撃強度15kJ/mを耐衝撃性の合格レベルとした。
・耐傷付き性
(引掻きによる傷付き試験)
射出成形機(IS−50EP、東芝機械社製)にて成形した縦120mm、横100mm、厚さ3mmのシボ付きプレートに、直径1.0mmのボールチップ(超硬質)を有するエリクセン社製引掻き式硬度計「318S」型を使用して荷重5Nで1.0mm間隔の平行線を17本ひき、傷を付ける前のプレートとの色差(△E)を測定した。なお、色差(△E)0.49以下を引掻きによる耐傷付き性の合格レベルとした。
(ゴム摩擦による傷付き試験)
先端に、試験片との接触面の幅が2mmとなる半円状のEPDMゴム片(ショアA硬度75)を固定した金属製の振り子が、振り子の最下部でEPDMゴム片と試験片とが摩擦しながら通過する構造となっている試験装置を作製した。この試験装置を用いて、射出成形機(IS−50EP、東芝機械社製)にて成形した縦120mm、横100mm、厚さ3mmのシボ付きプレートに、高さ20cmより振り子を振り下ろした時のゴム摩擦による傷を目視により観察した。なお、目視による評価基準は以下の通りとし、◎、○、△を合格とした。
◎ ゴムが擦った後も見受けられない。
○ ゴムが擦った後が見受けられるが白化はない。
△ 摩擦部の表面が僅かに白化している。
× 摩擦部の表面が白化しているのがはっきり確認できる。
<結果の考察>
表2〜表4の結果から、実施例1〜17の熱可塑性樹脂組成物またはフィラー含有樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)、クロス共重合体(B)、水添ブロック共重合体(C)、及び5万センチストークス以上であるシリコーンオイル(D)が、特定の数値範囲で含有されていることで、いずれも引張特性、剛性、及び耐衝撃性の力学物性に優れており、かつ耐傷付き性にも優れていることが分かる。
一方、比較例1〜8の熱可塑性樹脂組成物またはフィラー含有樹脂組成物は、ポリプロピレン系樹脂(A)、クロス共重合体(B)、水添ブロック共重合体(C)、または5万センチストークス以上であるシリコーンオイル(D)のいずれかが、特定の数値範囲の含有量から外れているか、あるいはシリコーンオイルの粘度が5センチストークス未満であるため、力学特性に劣っているか、耐傷付き性に劣っているという欠点を有していた。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物またはフィラー含有樹脂組成物は、耐傷付き性に優れ、力学物性にも優れているので、各種成形体に供することが出来、とりわけ自動車内装部品などの成形体に好適に使用可能である。

Claims (11)

  1. ポリプロピレン系樹脂(A)65〜95質量%と、芳香族ビニル単量体単位、オレフィン単量体単位及び芳香族ポリエン単量体単位からなる芳香族ビニル−オレフィン系共重合体からなる主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体のクロス鎖とを含むクロス共重合体(B)2〜32質量%と、水添ブロック共重合体(C)2.5〜32.5質量%及びJIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が5万センチストークス以上であるシリコーンオイル(D)0.5〜10質量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記クロス共重合体(B)が、芳香族ビニル−オレフィン系共重合体50〜95質量%の主鎖と、芳香族ビニル単量体単位からなる重合体5〜50質量%をクロス鎖構造としてもつ請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記芳香族ビニル−オレフィン系共重合体の主鎖が、芳香族ビニル単量体単位9.99〜29.99モル%、オレフィン単量体単位70〜90モル%及び芳香族ポリエン単量体単位0.01〜0.5モル%からなる請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記クロス共重合体(B)のオレフィン単量体単位がエチレンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記クロス共重合体(B)の芳香族ビニル単量体単位がスチレンである請求項1〜4いずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記ポリプロピレン系樹脂(A)75〜93質量%と、クロス共重合体(B)3〜21質量%と、水添ブロック共重合体(C)3〜21質量%及びJIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が5万センチストークス以上であるシリコーンオイル(D)1〜6質量%からなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記シリコーンオイル(D)が、JIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が10万センチストークス以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記シリコーンオイル(D)が、JIS Z8803に基づき25℃で測定される粘度が100万センチストークス以上である請求項1〜7のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物100質量部に対して、フィラーを0.1〜50質量部添加してなるフィラー含有樹脂組成物。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物または請求項9に記載のフィラー含有樹脂組成物からなる成形体。
  11. 自動車内装部品である請求項10に記載の成形体。

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