JP7363802B2 - プロピレン樹脂組成物、および、それからなる成形体 - Google Patents

プロピレン樹脂組成物、および、それからなる成形体 Download PDF

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Description

本発明は、プロピレン樹脂組成物、および該プロピレン樹脂組成物を含む成形体に関する。
ポリプロピレンを含む成形体は、自動車内装部品として用いられている。自動車内装部品には耐傷付性が求められ、例えば特許文献1にはプロピレン-エチレンブロック共重合体と、エチレン-α-オレフィン共重合体と、重量平均分子量が10万~100万であるポリオルガノシロキサンとを含むプロピレン系樹脂組成物からなる成形体が記載されている。
特開2015-193695号公報
近年、自動車内装部品には、さらなる耐傷付性の改良が求められている。
本発明の目的は、耐傷付性に優れる成形体が得られるプロピレン樹脂組成物を提供することにある。
本発明は、以下を提供する。
[1] プロピレン重合体(I)と、エチレン-α-オレフィン共重合体(II)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料(A)100質量部、
重量平均分子量が10000~90000である有機変性シロキサン化合物(B)0.1~5質量部、及び
着色剤(C)0.001質量部~5質量部を含有するプロピレン樹脂組成物。

プロピレン重合体(I)は、プロピレン単独重合体(I-1)またはプロピレン共重合体(I-2)である。

プロピレン共重合体(I-2):プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位とを含む共重合体であって、
該共重合体の全質量100質量%に対して、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の含有量が0.05質量%以上10質量%未満であるプロピレン共重合体。

エチレン-α-オレフィン共重合体(II):エチレンに由来する構造単位と、炭素数3以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位とを含む共重合体であって、
該共重合体の全質量100質量%に対して、エチレンに由来する構造単位の含有量が10質量%以上70質量%以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体。
[2] プロピレン重合体(I)の極限粘度に対するエチレン-α-オレフィン共重合体(II)の極限粘度の比が1~20である[1]に記載のプロピレン樹脂組成物。
[3] [1]または[2]に記載のプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
本発明によれば、耐傷付性に優れる成形体が得られるプロピレン樹脂組成物を提供することができる。
〔プロピレン樹脂組成物〕
プロピレン樹脂組成物は、ヘテロファジックプロピレン重合材料(A)100質量部、
重量平均分子量が10000~90000である有機変性シロキサン化合物(B)0.1~5質量部、及び着色剤(C)0.001質量部~5質量部を含有するプロピレン樹脂組成物である。
温度230℃、荷重2.16kgfで測定されるプロピレン樹脂組成物のメルトフローレートは成形加工性の観点から、好ましくは5~200g/10分であり、より好ましくは10~200g/10分であり、さらに好ましくは10~100g/10分であり、さらに好ましくは15~70g/10分である。
以下、プロピレン樹脂組成物に含まれる各成分を説明する。
〔ヘテロファジックプロピレン重合材料(A)〕
「ヘテロファジックプロピレン重合材料(A)」を、以下、「成分(A)」と記載する。成分(A)は、プロピレン重合体(I)と、エチレン-α-オレフィン共重合体(II)とからなる重合材料である。プロピレン樹脂組成物は、1種類の成分(A)を含有してもよく、また2種以上の成分(A)を含有してもよい。
「プロピレン重合体(I)」を、以下、「成分(I)」と記載する。成分(I)は、プロピレン単独重合体(I-1)またはプロピレン共重合体(I-2)である。以下、「プロピレン単独重合体(I-1)」を「成分(I-1)」と記載し、「プロピレン共重合体(I-2)」を「成分(I-2)」と記載する。
成分(I-1)は、プロピレンに由来する構造単位からなる重合体である。
成分(I-2)は、プロピレンに由来する構造単位と、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位とを含む共重合体であって、
該共重合体の全質量100質量%に対して、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の含有量が0.05質量%以上10質量%未満である共重合体である。
成分(I-2)中、プロピレンに由来する構造単位の含有量は、成分(I-2)の全質量100質量%に対して、好ましくは90質量%より多く99.5質量%以下である。
成分(I-2)において、炭素数4~12のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンが挙げられ、好ましくは1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンである。
成分(I-2)中、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位は、エチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位が好ましく、エチレンに由来する構造単位がより好ましい。
成分(I-2)は、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位を、1種類含有してもよく、2種以上含有してもよい。
成分(I-2)としては、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-1-オクテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ブテン共重合体、プロピレン-エチレン-1-ヘキセン共重合体、プロピレン-エチレン-1-オクテン共重合体が挙げられる。
「エチレン-α-オレフィン共重合体(II)」を、以下、「成分(II)」と記載する。成分(II)は、エチレンに由来する構造単位と、炭素数3以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位とを含む共重合体であって、該共重合体の全質量100質量%に対して、エチレンに由来する構造単位の含有量が10質量%以上70質量%以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体である。成分(II)のエチレンに由来する構造単位の含有量は、好ましくは20質量%以上60質量%以下であり、より好ましくは30~55質量%であり、さらに好ましくは40~55質量%であり、さらに好ましくは40~50質量%である。
成分(II)中、炭素数3以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の含有量は、成分(II)の全質量100質量%に対して、好ましくは30質量%以上90質量%以下であり、より好ましくは50質量%以上90質量%以下である。
成分(II)において、炭素数3~12のα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンが挙げられ、好ましくは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンであり、より好ましくはプロピレンである。
成分(II)は、炭素数3以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位を、1種類含有してもよく、2種以上含有してもよい。
成分(II)としては、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ブテン共重合体、エチレン-プロピレン-1-ヘキセン共重合体が挙げられる。
成分(A)としては、(プロピレン)-(エチレン-プロピレン)重合材料、(プロピレン)-(エチレン-プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン)-(エチレン-プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(エチレン-プロピレン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(エチレン-プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-エチレン)-(エチレン-プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(エチレン-プロピレン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(エチレン-プロピレン-1-ブテン)重合材料、(プロピレン-1-ブテン)-(エチレン-プロピレン-1-ヘキセン)重合材料、が挙げられる。
ここで、「(プロピレン)-(エチレン-プロピレン)重合材料」との記載は、「成分(I)がプロピレン単独重合体であり、成分(II)がエチレン-プロピレン共重合体であるヘテロファジックプロピレン重合材料」を意味する。他の類似の表現においても同様である。
成分(A)中の成分(II)の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは1~40質量%であり、より好ましくは5~35質量%、さらに好ましくは10~30質量%、さらに好ましくは15~25質量%である。
成分(A)中の成分(I)の含有量は、成分(A)の全質量100質量%に対して、好ましくは60~99質量%であり、より好ましくは65~95質量%、さらに好ましくは70~90質量%、さらに好ましくは75~85質量%である。
成分(A)は、好ましくは、成分(I-1)と、成分(II)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料である。
成分(A)は、より好ましくは、成分(I-1)と、成分(II)とからなり、成分(A)の全質量100質量%に対して、成分(II)の含有量が15~25質量%であり、成分(II)中のエチレンに由来する構造単位の含有量が10~70質量%であるヘテロファジックプロピレン重合材料である。
成分(A)の温度230℃、荷重2.16kgfで測定されるメルトフローレート(以下、MFRと記す)は、好ましくは5~200g/10分である。プロピレン樹脂組成物の成形加工性と該樹脂組成物を含む成形体の耐衝撃性の観点から、好ましくは10~200g/10分であり、より好ましくは、10~100g/10分であり、さらに好ましくは15~70g/10分であり、さらに好ましくは20~60g/10分である。
135℃、テトラリン中で測定される成分(A)の極限粘度は、好ましくは0.5~5dl/gであり、より好ましくは0.8~3dl/gであり、さらに好ましくは1~2dl/gである。
135℃、テトラリン中で測定される成分(I)の極限粘度は、好ましくは0.5~5dl/gであり、より好ましくは0.8~3dl/gであり、さらに好ましくは0.9~1.5dl/gである。以下、「成分(I)の極限粘度」を「[η]I」と記載する。プロピレン樹脂組成物の成形加工性と該樹脂組成物を含む成形体の機械的物性の観点から、[η]Iは0.5dl/g以上が好ましい。プロピレン樹脂組成物の成形加工性の観点から、[η]Iは5dl/g以下が好ましい。
135℃、テトラリン中で測定される成分(II)の極限粘度は、好ましくは1~10dl/gであり、より好ましくは1~7dl/gであり、さらに好ましくは2~6dl/gであり、さらに好ましくは2~5dl/gである。以下、「成分(II)の極限粘度」を「[η]II」と記載する。プロピレン樹脂組成物の成形加工性と該樹脂組成物を含む成形体の機械的物性の観点から、[η]IIは10dl/g以下が好ましい。プロピレン樹脂組成物の成形加工性の観点から、[η]IIは1dl/g以上が好ましい。
[η]Iに対する[η]IIの比は、プロピレン樹脂組成物の成形加工性と該樹脂組成物を含む成形体の機械的物性の観点から、好ましくは1~20であり、より好ましくは1.5~10であり、さらに好ましくは2~8であり、さらに好ましくは2~6であり、さらに好ましくは2~4である。
本願明細書中、極限粘度(単位:dl/g)は、以下の方法によって、テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定される値である。
ウベローデ型粘度計を用いて、濃度0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.5g/dlの3つの試料それぞれの還元粘度を測定する。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求められる。
成分(A)の全質量に対する成分(I)の質量比XI、および成分(A)の全質量に対する成分(II)の質量比XIIは、13C-NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules1982年,第15巻,第1150~1152頁)に基づいて求められる。[η]Iは、第1工程で得られた成分(I)を一部抜き出し、上記方法により測定される。[η]IIの算出方法は、以下のとおりである。なお、[η]Totalは、成分(A)の極限粘度を示す。
[η]IIを、下記式により算出する。
[η]II=([η]Total-[η]I×XI)/XII
成分(I)の13C-NMRで測定されるアイソタクチック・ペンタッド分率は、得られる成形体の剛性の観点から、0.96以上であり、より好ましくは0.97以上、さらに好ましくは0.98以上である。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、ポリプロピレン分子中のペンタッド単位について、プロピレンに由来する構造単位が5個連続してメソ結合した連鎖の中心にあるプロピレンに由来する構造単位の分率であって、A.Zambelliらによって発表された方法(Macromolecules 第6巻、第925頁、1973年)に記載の13C-NMR法に従って求められる。但し、13C-NMR吸収ピークの帰属は、Macromolecules、第8巻、第687頁(1975年)に基づいて行う。
成分(A)は、重合触媒存在下、後述の重合方法によって製造することができる。
重合触媒としては、チーグラー型触媒系、チーグラー・ナッタ型触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物とアルキルアルミノキサンからなる触媒系、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属化合物と該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒系、およびそれらの触媒成分を無機物等の粒子との共存下で処理することにより得られる触媒系が挙げられる。上記の触媒系の存在下で、エチレン及び炭素数3~12のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンを予備重合させて調製される予備重合触媒を用いてもよい。
上記の触媒系としては、例えば、特開昭61-218606号公報、特開平5-194685号公報、特開平7-216017号公報、特開平10-212319号公報、特開2004-182981号公報、特開平9-316147号公報に記載の触媒系が挙げられる。
重合方法としては、液相重合、溶液重合、スラリー重合または気相重合が挙げられる。液相重合とは、重合温度において液状のオレフィンを媒体として重合を行う方法である。溶液重合およびスラリー重合は、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法である。気相重合とは、気体状態の単量体を媒体として、その媒体中で気体状態の単量体を重合する方法である。これらの重合方法は、バッチ式、連続式のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。成分(A)の製造方法は、工業的かつ経済的な観点から、好ましくは、連続式の気相重合法や、液相重合法と気相重合法を連続的に行う液相-気相重合法による方法が好ましい。
成分(A)の製造方法としては、
(i)重合触媒の存在下、プロピレンを重合して成分(I-1)を得る第1工程と、
成分(I-1)の存在下、炭素数3以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを重合して成分(II)を得る第2工程とを含む成分(A)の製造方法;
(ii)重合触媒の存在下、エチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、プロピレンとを重合して成分(I-2)を得る第1工程と、
成分(I-2)の存在下、炭素数3以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンと、エチレンとを重合して成分(II)を得る第2工程とを含む成分(A)の製造方法;が挙げられる。
成分(A)の製造方法としては、特開平5-194685号公報、特開2002-12719号公報に記載の方法が挙げられる。
重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等の重合条件は、成分(I)および成分(II)の含有量、[η]I、[η]II、成分(I)中のエチレンおよび炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位の含有量、成分(II)中のエチレンに由来する構造単位の含有量等に応じて、適宜、決定すればよい。
成分(A)中に含まれる残留溶媒や、製造時に副生する超低分子量のオリゴマー等を除去するために、成分(A)を成分(A)が融解する温度以下の温度で乾燥してもよい。乾燥時の成分(A)の形状は特に限定は無く、パウダー状であっても、ペレット状であってもよい。乾燥方法としては、特開昭55-75410号公報、特開平2-80433号公報に記載の方法が挙げられる。
〔有機変性シロキサン化合物(B)〕
本願明細書において、「有機変性シロキサン化合物」とは、有機基を含むポリシロキサンを意味する。有機基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、エポキシ基が挙げられる。また、ポリシロキサンと熱可塑性樹脂とが化学的に結合した化合物も、有機変性シロキサン化合物の一例である。
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、スチレン系樹脂(ポリスチレン、ABS樹脂等)、液晶ポリエステル、アクリロニトリルとスチレンとの共重合体、ナイロン6とナイロン66との共重合体、これらの混合物が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリオレフィンが好ましく、ポリオレフィンがより好ましい。
「有機変性シロキサン化合物(B)」を、以下、「成分(B)」と記載する。
成分(B)は、好ましくはアルキル基を含み、より好ましくは炭素数2以上のアルキル基を含む。
成分(B)の重量平均分子量は10000~90000である。成分(B)の重量平均分子量は好ましくは10000~60000、より好ましくは20000~50000である。
本願明細書中、成分(B)の重量平均分子量は、GPC法により求められる。溶出温度は140℃とし、カラムとして、昭和電工株式会社製のShodexPacked Column A-80Mを用い、分子量標準物質として、東ソー株式会社の標準ポリスチレン(分子量68~8,400,000)を用いる。約5mgの成分(B)を5mLのo-ジクロロベンゼンに溶解して約1g/Lの濃度とした測定溶液400μLをカラムにインジェクションし、溶出溶媒流速を1.0mL/分とし、屈折率検出器にて検出した。重量平均分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量である。
プロピレン樹脂組成物は、成分(B)を1種類含有してもよく、2種以上含有してもよい。
プロピレン樹脂組成物の原料として、成分(B)と熱可塑性樹脂とを含むマスターバッチを使用してもよい。成分(B)のマスターバッチ中の熱可塑性樹脂としては、ポリシロキサンと化学的に結合し得る熱可塑性樹脂として例示した熱可塑性樹脂が挙げられる。
成分(B)は、市販品を用いてもよい。成分(B)のマスターバッチとしては、エボニックインダストリー社製の「TEGOMER(登録商標)Antiscratch100」(成分(B)とポリプロピレンとを含むマスターバッチ。マスターバッチ中の成分(B)の含有量約50質量%)が挙げられる。
成分(B)の含有量は、成分(A)100質量部に対し、0.1~5質量部であり、好ましくは0.5~4質量部であり、更に好ましくは、1~3質量部である
〔着色剤(C)〕
「着色剤」を、以下、「成分(C)」と記載する。成分(C)により成形体を所望の色に着色できる。成分(C)は、顔料および染料が好ましい。顔料としては、黒色顔料、有彩色顔料が挙げられる。
プロピレン樹脂組成物は、1種類の成分(C)を含有してもよく、また2種以上の成分(C)を含有してもよい。
黒色顔料としては、黒色無機顔料、黒色有機顔料、基体表面に鉱物黒色コーティングを施した被覆粒子、及びこれらの混合物が挙げられる。
黒色無機顔料としては、カーボンブラック類、酸化鉄系黒色顔料、チタン系黒色顔料、酸化銅、二酸化マンガン、酸化クロム、二硫化モリブデン、クロム錯体、酸化コバルト、硫化亜鉛、銅-クロム複合酸化物、スズ-アンチモン複合酸化物、コバルト-ニッケル複合酸化物、銅-クロム複合酸化物等が挙げられる。
カーボンブラック類としては、カーボンブラック、ピーチブラック(植物炭)、ボーンブラック(骨炭)、ビチューム(アスファルト)、グラファイト、フラーレン、カーボンナノチューブが挙げられる。カーボンブラックとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック、ミディアムサーマルブラック、ランプブラック(油煙)が挙げられる。
酸化鉄系黒色顔料としては、鉄黒、フェライト、マグネタイト、マンガン-鉄複合酸化物、鉄-コバルト-クロム複合酸化物、鉄-コバルト複合酸化物、クロム-鉄-ニッケル複合酸化物が挙げられる。フェライトとしては、非磁性フェライト、磁性フェライトが挙げられる。
チタン系黒色顔料としては、チタンブラック、スピネル黒、黒色二酸化チタン、窒化チタン、チタン-バナジウム-アンチモン複合酸化物、鉄-チタン複合酸化物等が挙げられる。
黒色有機顔料としては、アゾ系顔料、ペリレンブラック、アニリンブラック、フタロシアニンブラック、アンスラキノンブラックが挙げられる。
アゾ系顔料としては、特開昭62-138857号公報、特開平3-266685号公報などに記載されているアゾ系有機顔料、特許第1726153号明細書、特開2002-179943公報、特開2002-256165公報、米国特許第6,623,556(B2)号明細書に記載されたアゾ系顔料であり、(2-ヒドロキシ-N-(2’-メチル-4’-メトキシフェニル)-1-{[4-[(4,5,6,7-テトラクロロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-3-イリデン)アミノ]フェニル]アゾ}-11H-ベンゾ[α]-カルバゾール-3-カルボキシアミド)が挙げられる。
有彩色顔料は、赤色顔料、黄色顔料、橙色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、褐色顔料等の顔料が好ましい。
赤色顔料としては、例えばナフトール系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトロピロロピロール顔料等が挙げられる。
黄色顔料としては、例えばアゾ系顔料、アントラキノン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等の有機顔料;チタン-ニッケルーアンチモン複合酸化物、亜鉛―鉄複合酸化物等の無機顔料;が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばナフトール系顔料、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、ジケトロロピロール系顔料等が挙げられる。
紫色顔料としては、例えばアゾ系顔料、ローダミン系顔料、キナクリドン系顔料、カルバゾール系顔料、ペリレン系顔料、キナクリドン系顔料等が挙げられる。
青色顔料としては、例えばフタロシアニン系顔料等の有機顔料;コバルト-アルミニウム複合酸化物、コバルト-アルミ-クロム複合酸化物、群青等の無機顔料;が挙げられる。
緑色顔料としては、例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料;クロム酸化物、コバルト-クロム-アルミニウム複合酸化物、コバルト-ニッケル-亜鉛複合酸化物等の無機顔料;が挙げられる。
褐色顔料としては、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等の有機顔料;鉄酸化物、チタン-クロム-アンチモン複合酸化物等の無機顔料;が挙げられる。
顔料の平均一次粒子径は、顔料の分散性と成形体の色調の観点から、好ましくは0.005~5μmであり、より好ましくは0.008~3μmであり、さらに好ましくは0.010~0.050μmである。顔料の平均1次粒子径は、JIS Z8901-2006「試験用粉体及び試験用粒子」5.4.4粒子経分布(c)顕微鏡法に準拠し、振掛け法によって準備した試料を透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製)で5万~100万倍程度に拡大して観察した画像中、20~50個程度の粒子を観察して算出される円相当径の相加平均値である。
染料は、酸性染料、直接染料、塩基性染料、造塩染料、油溶性染料、分散染料、反応染料、媒染染料、建染染料、硫化染料等が好ましい。
酸性染料としては、例えばアントラキノン系酸性染料、フタロシアニン系酸性染料、キノリン系酸性染料、アジン系酸性染料、インジゴイド系酸性染料、キサンテン系酸性染料、トリフェニルメタン系酸性染料等が挙げられる。
直接染料としては、例えばアゾ系直接染料、チアゾール系直接染料、アントラキノン系直接染料、オキサジン系直接染料、フタロシアニン系直接染料等が挙げられる。
塩基性染料としては、例えばアゾ系塩基性染料、アジン系塩基性染料、アクリジン系塩基性染料、メチン系塩基性染料、チアゾール系塩基性染料、チアジン系塩基性染料、オキサジン系塩基性染料、アントラキノン系塩基性染料、キサンテン系塩基性染料、トリアリールメタン系塩基性染料等が挙げられる。
油溶性染料としては、例えばアントラキノン系油溶性染料、フタロシアニン系油溶性染料、キノリン系油溶性染料、アジン系油溶性染料、インジゴイド系油溶性染料、メチン系油溶性染料、アゾ系油溶性染料、アミノケトン系油溶性染料、キサンテン系油溶性染料、トリフェニルメタン系油溶性染料等が挙げられる。
分散染料としては、例えばアントラキノン系分散染料、キノリン系分散染料、インジゴイド系分散染料、キノフタロン系分散染料、メチン系分散染料、アゾ系分散染料、アミノケトン系分散染料、キサンテン系分散染料等が挙げられる。
また、上記酸性染料とカチオン性化合物との造塩体、上記塩基性染料とアニオン性化合物との造塩体、または酸性染料と塩基性染料との造塩体などの造塩染料を使用できる。
成分(C)は、カーボンブラック、鉄黒が好ましく、より好ましくはカーボンブラックである。
成分(C)の含有量は、成分(A)100質量部に対し、0.001質量部~5質量部であり、好ましくは0.1質量部~4質量部であり、より好ましくは0.25質量部~3質量部であり。
成分(C)の含有量を0.001質量部以上とすることにより、十分な漆黒性を発現することが可能となる。成分(C)の含有量を5質量部以下とすることにより、色むら抑制することができる。
プロピレン樹脂組成物は、成分(C)を1種類含有してもよく、2種以上含有してもよい。
プロピレン樹脂組成物の原料として、成分(C)と樹脂とを含むマスターバッチを使用してもよい。成分(C)のマスターバッチ中の樹脂は、オレフィン樹脂が好ましく、溶融温度が成分(A)の溶融温度より低く、溶融時の粘度が成分(A)の溶融時の粘度より低いオレフィン樹脂がより好ましい。
上記マスターバッチは、成分(C)と樹脂を溶融混練することにより得られる。マスターバッチに含有される成分(C)の含有量は、マスターバッチの全質量100質量部に対して、10質量部~80質量部が好ましく、より好ましくは20質量部~60質量部である。
〔エチレン-α-オレフィン共重合体(D)〕
プロピレン樹脂組成物は、さらに、エチレンに由来する構造単位と、炭素数4以上12以下のα-オレフィンからなる群から選択される少なくとも一種のオレフィンに由来する構造単位とを含むエチレン-α-オレフィン共重合体(D)を含んでもよい。「エチレン-α-オレフィン共重合体(D)」を、以下、「成分(D)」と記載する。
成分(D)の全質量100質量%に対して、エチレンに由来する構造単位の含有量は、好ましくは50質量%以上99質量%以下であり、好ましくは50~95質量%、さらに好ましくは50~75質量%である。
炭素数が4~12のα-オレフィンとしては、例えば、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン及び1-デセンが挙げられる。中でも、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンが好ましい。上記α-オレフィンは、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロブタンなどの環状構造を有するα-オレフィンであってよい。
成分(D)としては、例えば、エチレン-1-ブテン共重合体、エチレン-1-ヘキセン共重合体、エチレン-1-オクテン共重合体、エチレン-1-デセン共重合体、エチレン-(3-メチル-1-ブテン)共重合体、及びエチレンと環状構造を有するα-オレフィンとの共重合体が挙げられる。
温度190℃、荷重2.16kgfで測定される成分(D)のメルトフローレートは、成形体の低光沢性および機械物性の観点から、好ましくは0.1g/10分~50g/10分であり、より好ましくは、0.1g/10分~5g/10分であり、さらに好ましくは、0.2g/10分~1.0g/10分である。
成分(D)の密度は、成形体の耐衝撃性の観点から、好ましくは0.850~0.940g/cmであり、より好ましくは0.850~0.920g/cmであり、さらに好ましくは0.855~0.910g/cm、さらに好ましく0.860~0.880であり、さらに好ましく0.860~0.870である。
成分(D)は、重合触媒の存在下、エチレン及び炭素数4以上のα-オレフィンを共重合することにより製造できる。
重合触媒としては、例えば、メタロセン触媒に代表される均一系触媒、及びチーグラー・ナッタ型触媒が挙げられる。
均一系触媒としては、例えば、シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物とアルキルアルミノキサンとからなる触媒;シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物、当該遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成する化合物及び有機アルミニウム化合物からなる触媒;並びに無機粒子(シリカ、粘土鉱物等)に、触媒成分(シクロペンタジエニル環を有する周期表第4族の遷移金属の化合物、イオン性の錯体を形成する化合物、有機アルミニウム化合物等)を担持して変性させた触媒が挙げられる。
チーグラー・ナッタ型触媒としては、例えば、チタン含有固体状遷移金属成分と有機金属成分とを組み合わせた触媒が挙げられる。
成分(D)としては、市販品を用いてもよい。市販の成分(D)としては、例えば、ダウ・ケミカル日本株式会社製エンゲージ(登録商標)、三井化学株式会社製タフマー(登録商標)、株式会社プライムポリマー製ネオゼックス(登録商標)、ウルトゼックス(登録商標)、住友化学株式会社製エクセレンFX(登録商標)、スミカセン(登録商標)、及びエスプレンSPO(登録商標)が挙げられる。
成分(D)の含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは1~100質量部であり、より好ましくは3~80質量部であり、さらに好ましくは5~30質量部であり、さらに好ましくは5~15質量部である。
〔ビニル芳香族化合物含有ゴム〕
プロピレン樹脂組成物は、機械物性のバランスをさらに改良するために、ビニル芳香族化合物含有ゴムを含有してもよい。ビニル芳香族化合物含有ゴムとしては、例えば、ビニル芳香族化合物重合体と共役ジエン系重合体とからなるブロック共重合体や、かかるブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。前記ブロック共重合体の水素添加物中の共役ジエン重合体の二重結合の水素添加率は、共役ジエン重合体部分に含有される二重結合の全質量100質量%に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは85質量%以上である。
上記のビニル芳香族化合物含有ゴムのGPC法によって測定される分子量分布は、好ましくは2.5以下であり、より好ましくは1~2.3である。
上記のビニル芳香族化合物含有ゴムに含有されるビニル芳香族化合物の含有量は、ビニル芳香族化合物含有ゴムの全質量100質量%に対して、好ましくは10~20質量%であり、より好ましくは12~19質量%である。
上記のビニル芳香族化合物含有ゴムのJIS K7210に従って温度230℃、荷重2.16kgfで測定されるMFRは、好ましくは0.01~15g/10分であり、より好ましくは0.03~13g/10分である。
上記のビニル芳香族化合物含有ゴムとしては、例えば、スチレン-エチレン-ブテン-スチレン系ゴム、スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン系ゴム、スチレン-ブタジエン系ゴム、スチレン-ブタジエン-スチレン系ゴム、スチレン-イソプレン-スチレン系ゴム等のブロック共重合体、及びこれらのブロック共重合体を水添したブロック共重合体等が挙げられる。さらに、エチレン-プロピレン-非共役ジエン系ゴムにスチレン等のビニル芳香族化合物を反応させて得られたゴムも挙げられる。また、2種以上のビニル芳香族化合物含有ゴムを併用してもよい。
上記のビニル芳香族化合物含有ゴムの製造方法としては、例えば、オレフィン系共重合体ゴム又は共役ジエンゴムに対し、ビニル芳香族化合物を、重合又は反応等によって結合させる方法等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物含有ゴムの含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは5~30質量部である。
〔変性ポリオレフィン樹脂〕
プロピレン樹脂組成物は、機械物性のバランスをさらに改良するために、変性ポリオレフィン樹脂を含有してもよい。
本願明細書において、変性ポリオレフィン樹脂とは、少なくとも1種のオレフィンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体に由来する構造単位とを含む重合体である。変性ポリオレフィン樹脂は、成分(A)及び成分(D)以外の重合体である。
変性ポリオレフィン樹脂の製造方法としては、以下の(1)及び(2)が挙げられる。
(1)オレフィン単独重合体、少なくとも二種のオレフィンの共重合体、または、ヘテロファジックプロピレン重合材料に、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体をグラフト重合する工程を含む方法。
(2)少なくとも1種のオレフィンと、不飽和カルボン酸および/またはその誘導体を共重合する工程を含む方法。
変性ポリオレフィン樹脂の製造方法としては、より具体的には、“実用 ポリマーアロイ設計”(井出文雄著、工業調査会(1996))、Prog. Polym. Sci.,24,81-142(1999)、特開2002-308947号公報等に例示されている方法を用いることができ、溶液法、バルク法、溶融混練法のいずれの方法を用いてもよい。また、これらの方法を組み合わせて製造してもよい。
変性ポリオレフィン樹脂に用いられる不飽和カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。また、不飽和カルボン酸の誘導体としては、前記の不飽和カルボン酸の酸無水物、エステル化合物、アミド化合物、イミド化合物、金属塩等が挙げられ、その具体例としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸モノアミド、マレイミド、N-ブチルマレイミド、メタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。また、クエン酸やリンゴ酸のように、プロピレン重合体にグラフトする工程で脱水して不飽和カルボン酸を生じるものを用いてもよい。
不飽和カルボン酸および/またはその誘導体として、好ましくはアクリル酸のグリシジルエステル、メタクリル酸のグリシジルエステル、無水マレイン酸である。
変性ポリオレフィン樹脂の含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部である。
〔添加剤〕
プロピレン樹脂組成物は、さらに添加剤を含有してもよい。添加剤としては、中和剤、酸化防止剤、加工安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、透明化核剤、帯電防止剤、滑剤、加工助剤、金属石鹸、発泡剤、抗菌剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤、架橋助剤、高輝度化剤、無機充填剤、有機充填剤等が挙げられる。プロピレン樹脂組成物は、添加剤を1種類含有してもよく、2種以上含有してもよい。
プロピレン樹脂組成物は、成形加工性、及び長期の耐光劣化安定性の観点から、好ましくは、酸化防止剤を含有する。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、ヒドロキシルアミン系酸化防止剤が挙げられる。
酸化防止剤は、好ましくは、フェノール系酸化防止剤、及びリン系酸化防止剤である。
フェノール系酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン-3(3’,5’ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリエチレングリコール-N-ビス-3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス[3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレートが挙げられる。
プロピレン樹脂組成物の成形加工性や耐熱劣化性の観点から、フェノール系酸化防止剤は、好ましくは分子量300以上のフェノール系酸化防止剤である。このような酸化防止剤としては、テトラキス[メチレン-3(3’,5’ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、トリエチレングリコール-N-ビス-3-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。
色相安定性の観点から、フェノール系酸化防止剤は、より好ましくは3,9-ビス[2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンである。
フェノール系酸化防止剤の含有量は、通常、成分(A)100質量部に対し、0.01~1質量部であり、好ましくは0.01~0.5質量部であり、より好ましくは0.05~0.3質量部である。
リン系酸化防止剤としては、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ジフェニレンジホスホナイト、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル) 2-エチルヘキシルホスファイト、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)フルオロホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニル)-5-エチル-5-ブチル-1,3,2-オキサホスホリナン、2,2’,2’’-ニトリロ[トリエチル-トリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-6-[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンが挙げられる。
プロピレン樹脂組成物の成形加工性および熱安定性の観点から、リン系酸化防止剤は、好ましくは分子量300以上のリン系酸化防止剤である。このような酸化防止剤としては、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-6-[3-(3-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピンが挙げられる。
リン系酸化防止剤の含有量は、通常、成分(A)100質量部に対し、0.01~1質量部であり、好ましくは0.01~0.5質質量部であり、さらに好ましくは0.05~0.3質量部である。
好ましい一態様において、プロピレン樹脂組成物は、分子量300以上のフェノール系酸化防止剤および/または分子量300以上のリン系酸化防止剤を、成分(A)100質量部に対して、0.01~1質量部含有する。
造核剤としては、無機系造核剤および有機系造核剤が挙げられる。
無機系造核剤としては、タルク、クレイ、炭酸カルシウムが挙げられる。造核剤が無機系造核剤である場合、粒子の凝集防止や、成分(A)への分散性を改善するために、シランカップリング剤、脂肪酸、その他酸性或いは塩基性物質によって、無機系造核剤を前処理してもよい。
有機系造核剤としては、芳香族カルボン酸の金属塩類、WO02/79312、WO02/77092に記載されているもののような、環状の飽和または不飽和炭化水素の2つの環上炭素原子にカルボキシル基を有するジカルボン酸の金属塩類、芳香族リン酸の金属塩類、ジベンジリデンソルビトール類、ポリマー型造核剤(ポリ-3-メチルブテン-1、ポリシクロペンテン、ポリビニルシクロヘキサン)等のが挙げられる。
芳香族カルボン酸の金属塩類としては、例えば、環状の炭化水素からなる構造が置換された安息香酸基を有する化合物が挙げられる。芳香族カルボン酸の金属塩の金属原子としては、元素の周期表の第1族の金属原子、第2族の金属原子、第4族の金属原子、第13族の金属原子、第14族の金属原子等が挙げられ、好ましくは、第1族の金属原子、第2族の金属原子および第13族の金属原子である。
具体的には、第1族の金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、第2族の金属原子としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられ、第4族の金属原子としては、チタニウム、ジルコニウム等が挙げられ、第13族の金属原子としては、アルミニウム、ガリウム等が挙げられ、第14族の金属原子としては、ゲルマニウム、錫、鉛等が挙げられる。
芳香族カルボン酸類の金属塩としては、好ましくは、安息香酸リチウム、安息香酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸アルミニウム、ヒドロキシ-ジ(パラ-tert-ブチル安息香酸)アルミニウム、シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム、シクロペンタンカルボン酸ナトリウムであり、より好ましくは、安息香酸ナトリウム、ヒドロキシ-ジ(パラ-tert-ブチル安息香酸)アルミニウムである。
WO02/79312、WO02/77092に記載されているもののような、環状の飽和または不飽和炭化水素の2つの環上炭素原子にカルボキシル基を有するジカルボン酸の金属塩類としては、例えば、ヘキサヒドロフタル酸基の金属塩類であり、好ましくは、下記の構造式で表されるジナトリウム=(1R,2R,3S,4S)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボキシラート(Hyperform[登録商標]HPN-68L(ミリケン・ジャパン株式会社製)である。
芳香族リン酸の金属塩類としては、炭素原子数1~12個の炭化水素基が置換した芳香族リン酸エステル金属塩等が挙げられる。その芳香族リン酸基に結合する金属原子としては、元素の周期表の第1族の金属原子、第2族の金属原子、第4族の金属原子、第13族の金属原子、第14族の金属原子等が挙げられ、好ましくは、第1族の金属原子、第2族の金属原子である。
具体的には、第1族の金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、第2族の金属原子としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等が挙げられ、第4族の金属原子としては、チタニウム、ジルコニウム等が挙げられ、第13族の金属原子としては、アルミニウム、ガリウム等が挙げられ、第14族の金属原子としては、ゲルマニウム、錫、鉛等が挙げられる。
芳香族リン酸の金属塩類として、好ましくは、金属原子がナトリウムであるリン酸2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)ナトリウム(製品名:アデカスタブ[登録商標]NA-11、株式会社ADEKA製)、金属原子がアルミニウムであるビス(2,4,8,10-テトラー第3ブチル-6-ヒドロキシ-12H-ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン-6-オキシド)水酸化アルミニウム塩(製品名:アデカスタブ[登録商標]NA-21の主成分、株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
ジベンジリデンソルビトール類としては、例えば、1,3:2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-o-メチルベンジリデン2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3:2,4-ジ(ベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ジ-(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3:2,4-ビス(3,4-ジメチルベンジリデン)ソルビトール等が挙げられ、好ましくは、臭気の観点から1,3;2,4-ジ(ベンジリデン)ソルビトールである。
造核剤は、通常、粒子状のものであって、粉砕法、晶析法、晶析法と粉砕法とを組み合せた方法など、公知の方法により製造することができる。レーザー回折式粒度分布測定法で測定される重量平均粒子径が0.01~10μmである造核剤が好ましい。粉砕法により造核剤を調製する際に造核剤粒子同士の凝集を防止するために、表面処理剤を接触させた状態で調製を行ってもよい。
造核剤の含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは0.001~1質量部であり、より好ましくは0.01~1質量部であり、さらに好ましくは0.01~0.5質量部である。得られる成形体の剛性、及び耐衝撃性の観点から0.001質量部以上が好ましい。得られる成形体の耐衝撃性の観点から1質量部以下が好ましい。
無機充填材としては、非繊維状無機充填材、繊維状無機充填材、又は、これらの混合物が挙げられる。非繊維状無機充填材としては、タルク、マイカ、立方体状炭酸カルシウム、紡錘形状炭酸カルシウム、柱状炭酸カルシウム、板状硫酸バリウム、柱状硫酸バリウム、粒状炭酸マグネシウム、クレー、粒状アルミナ、球状シリカ、粒状硫酸カルシウム、けい砂、カーボンブラック、球状酸化チタン、球状水酸化マグネシウム、柱状水酸化マグネシウム、ゼオライト、けいそう土、セリサイト、シラス、球状水酸化カルシウム、球状亜硫酸カルシウム、球状硫酸ソーダ、ベントナイト、球状黒鉛が挙げられる。
繊維状無機充填材としては、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、繊維状チタン酸カリウム、繊維状水酸化マグネシウム、繊維状ホウ酸アルミニウム、繊維状ケイ酸カルシウム、繊維状炭酸カルシウム、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維が挙げられる。
無機充填材は好ましくは、タルク、マイカ、紡錘形状炭酸カルシウム、シリカ、繊維状マグネシウムオキシサルフェート、繊維状ワラストナイトであり、より好ましくは、タルク、繊維状マグネシウムオキシサルフェートである。プロピレン樹脂組成物は、2種類以上の無機充填剤を含有してもよい。
無機充填剤の含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは1~25質量部である。一態様として、黒い成形体を得る場合は、無機充填材の含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは5質量部以下であり、より好ましくは1質量部以下である。一態様として、無機充填材の含有量は、成分(A)100質量部に対して、0質量部である。
有機充填材としては、リグニン、スターチ、木粉、木質繊維、竹、綿花、セルロース、ナノセルロース系繊維などの天然繊維、及びその含有製品等が挙げられる。
有機充填剤の含有量は、成分(A)100質量部に対して、好ましくは1~25質量部である。
〔プロピレン樹脂組成物の製造方法〕
プロピレン樹脂組成物は、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、必要に応じて他の成分とを溶融混練する工程を含む方法により製造することができる。
溶融混練する工程の前に、原料を予め混合装置(例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー、ナウターミキサー等)により混合してもよい。
溶融混練する温度は、好ましくは180℃以上300℃以下であり、より好ましくは180℃以上270℃以下である。
前記溶融混練する工程で得られた溶融混合物を、フィルターを通過させてもよい。
溶融混練装置としては、単軸押出機、二軸同方向回転押出機、バンバリーミキサ、コニーダが挙げられる。
成分(A)と、成分(B)と、成分(C)とを溶融混練する工程において、原料に有機過酸化物を配合することにより、得られるプロピレン樹脂組成物のMFRを調整することができる。
有機過酸化物としては、過酸化アルキル類、過酸化ジアシル類、過酸化エステル類および過酸化カーボネート類である。過酸化アルキル類としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ-tert-ブチルパーオキサイド、tert-ブチルクミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリパーオキソナンが挙げられる。
過酸化ジアシル類としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイドが挙げられる。過酸化エステル類としては、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α-クミルパーオキシネオデカノエート、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ブチルパーオキシネオヘプタノエート、tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルーパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシイソブチレート、ジ-tert-ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、tert-アミルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシアセテート、tert-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-tert-ブチルパーオキシトリメチルアディペートが挙げられる。
過酸化カーボネート類としては、ジ-3-メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、tert-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ(4-tert-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジセチルパーオキシジカーボネート、ジミリスチルパーオキシジカーボネートが挙げられる。
有機過酸化物は、好ましくは過酸化アルキル類であり、より好ましくは2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3-ビス(tert-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、3,6,9-トリエチル-3,6,9-トリメチル-1,4,7-トリパーオキソナンである。
有機過酸化物の使用量は、成分(A)100質量部に対して、一般的には0.0001~0.5質量部であり、好ましくは0.0005~0.3質量部であり、より好ましくは0.001~0.1質量部である。
有機過酸化物は、成分(A)のパウダーに含浸させた含浸パウダー(マスターバッチ)として用いてもよい。パウダーの重量平均粒子径は、成分(A)に対する有機過酸化物の分散性の観点から、通常100μm~2000μmの範囲である。有機過酸化物の含浸量は、通常1~50質量%であり、取扱い易さの点で、好ましくは5~20質量%である。
プロピレン樹脂組成物の形状としては、ストランド状、シート状、平板状、ストランドを適当な長さに裁断したペレット状等が挙げられる。成形体の成形加工時の生産安定性の観点から、プロピレン樹脂組成物は、長辺の長さが1~50mmのペレット状であることが好ましく、ペレットの長辺の長さは、より好ましくは1~10mm、さらに好ましくは2~5mmである。
プロピレン樹脂組成物は、該プロピレン樹脂組成物を、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出速度23mm/secの条件で、MD400mm×TD100mm×厚み3mmの金型キャビティに射出成形して得られる成形体のLが、40%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることがより好ましい。
本願明細書中、Lは、JIS Z8781-4で規定されるCIE1976明度指数である。本願明細書において、Lは多角度測色計により入射角45度で測定される。
プロピレン樹脂組成物は、該プロピレン樹脂組成物を、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出速度23mm/secの条件で、MD400mm×TD100mm×厚み3mmの金型キャビティ(該キャビティは鏡面を含む)に射出成形して得られる成形体の、入射角60度で測定される鏡面光沢度が、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。本願明細書において、鏡面光沢度はJIS Z8741-1997に準じて測定される。
〔成形体〕
プロピレン樹脂組成物を成形することによって、プロピレン樹脂組成物を含む成形体を得ることができる。成形体の形状やサイズは、適宜、決定することができる。成形体としては、プロピレン樹脂組成物を含む単層の成形体;プロピレン樹脂組成物を含む層と、プロピレン樹脂組成物以外の樹脂を含む層とを有する多層成形体が挙げられる。
成形体のLは40%以下であることが好ましく、30%以下がより好ましく、25%以下がより好ましい。
入射角60度で測定される、成形体の鏡面光沢度は70%以下であることが好ましく、60%以下がより好ましい。
成形体の製造方法としては、射出成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法、押出成形法が挙げられる。多層成形体の製造方法としては、プロピレン樹脂組成物を含む層と、プロピレン樹脂組成物以外の樹脂を含む層とを貼合する成形方法;共押出成形法が挙げられる。
成形体は、好ましくは、射出成形体であり、より好ましくは厚さが1mm以上である射出成形体である。射出成形法としては、一般的な射出成形法、射出発泡成形法、超臨界射出発泡成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、ガスアシスト射出成形法、サンドイッチ成形法、サンドイッチ発泡成形法、インサート・アウトサート成形法が挙げられる。
成形体は、成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて他の成分とを含む組成物と、成分(C)を含むマスターバッチとの混合物を、成形して成形体を得る方法により製造してもよい。
成形体の用途としては、自動車材料、家電材料、建材、ボトル、コンテナー、シート、フィルムが挙げられる。好ましい用途として、自動車用内装部品、家電材料、建材(特にヒトの居住空間に存在する製品)である。
自動車材料としては、例えば、ドアートリム、ピラー、インストルメンタルパネル、コンソール、ロッカーパネル、アームレスト、ドアーパネル、スペアタイヤカバー等の内装部品;バンパー、スポイラー、フェンダー、サイドステップ等の外装部品;エアインテークダクト、クーラントリザーブタンク、フェンダーライナー、ファン、アンダーデフレクター等の部品;フロント・エンドパネル等の一体成形部品が挙げられる。
また、家電材料としては、洗濯機用材料(外槽)、乾燥機用材料、掃除機用材料、炊飯器用材料、ポット用材料、保温機用材料、食器洗浄機用材料、空気清浄機用材料、エアコン用材料、照明器具用材料が挙げられる。
また、建材としては、屋内の床部材、壁部材、窓枠部材が挙げられる。
以下、実施例および比較例によって本発明を説明する。
(1)成分(A)
ヘテロファジックプロピレン重合材料(A-1)、及びヘテロファジックプロピレン重合材料(A-2)は、それぞれ特開平7-216017号公報の実施例5に記載の方法によって得られる触媒を用いて、液相(第1工程)-気相(第2工程)重合法(多段重合法)によって製造した。 以下、「ヘテロファジックプロピレン重合材料(A-1)」を「成分(A-1)」と記載し、「ヘテロファジックプロピレン重合材料(A-2)」を「成分(A-2)」と記載する。
成分(A-1)
プロピレン-(エチレン-プロピレン)重合材料
成分(A-1)のMFR(230℃):28g/10分
成分(A-1)の極限粘度([η]Total):1.41dl/g
[η]II/[η]I=2.7
成分(I):プロピレン単独重合体
成分(I)のアイソタクチック・ペンタッド分率:0.983
成分(I)の極限粘度[η]I:1.06dl/g
成分(II):エチレン-プロピレン共重合体
成分(II)の含有量:19.5質量%
成分(II)中のエチレンに由来する構造単位の含有量:39質量%
成分(II)の極限粘度[η]II:2.85dl/g
成分(A-2)
プロピレン-(エチレン-プロピレン)重合材料
成分(A-2)のMFR(230℃):30g/10分
成分(A-2)の極限粘度([η]Total):1.43dl/g
[η]II/[η]I=3.1
成分(I):プロピレン単独重合体
成分(I)の極限粘度[η]I:1.03dl/g
成分(II):エチレン-プロピレン共重合体
成分(II)の含有量:18.6質量%
成分(II)中のエチレンに由来する構造単位の含有量:48.2質量%
成分(II)の極限粘度[η]II:3.18dl/g
(2)成分(B)
(B-1)炭素数2以上のアルキル基を含む有機変性シロキサン化合物と、ポリプロピレンとを含むマスターバッチ
製品名:TEGOMER(登録商標)Antiscratch100(マスターバッチ中の有機変性シロキサン化合物の含有量約50質量%)エボニックインダストリー社製
有機変性シロキサン化合物の重量平均分子量:35000
(B-2)ポリジメチルシロキサン含有マスターバッチ
製品名:GENIOPLAST PELLET S(マスターバッチ中のポリジメチルシロキサンの含有量約70質量%)ワッカー・ケミー社製
ポリジメチルシロキサンの重量平均分子量:460000
(3)成分(C)
(C-1)カーボンブラック含有マスターバッチ
製品名:PPCM 917Y95(カーボンブラックとポリエチレンとを含むマスターバッチ、カーボンブラック含有量26質量%)東京インキ株式会社製、カーボンブラックの一次粒子径:0.014μm
(C-2)
製品名:PPCM 908Y89(カーボンブラックとポリエチレンとを含むマスターバッチ、カーボンブラック成分量8質量%)東京インキ株式会社製、カーボンブラックの一次粒子径:0.013μm
(4)成分(D)
(D-1)エチレン-1-ブテン共重合体
製品名:エクセレン「VL100」住友化学株式会社製
密度:0.900(g/cm
MFR(190℃、荷重2.16kg):0.8g/10分
(D-2)エチレン-1-ブテン共重合体
製品名:ENGAGE7380デュポンダウエラストマー社製
密度:0.870(g/cm
MFR(190℃、荷重2.16kg):0.3g/10分
物性は以下に示した試験方法に従って測定した。
(1)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K6758に規定された方法に従って、荷重2.16kgで測定した。成分(A)及びプロピレン樹脂組成物のMFRは温度230℃で測定し、成分(D)のMFRは温度190℃で測定した。
(2)極限粘度([η]、単位:dl/g)
ウベローデ型粘度計を用いて、濃度0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.5g/dlの3つの試料それぞれの還元粘度を測定した。極限粘度は、「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版株式会社刊)第491頁に記載の計算方法、すなわち還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって求めた。テトラリンを溶媒として用いて、温度135℃で測定した。成分(A)の極限粘度は、成分(A)パウダーを用いて測定した。[η]Iは、第1工程で得られた成分(I)パウダーを測定に用いた。
(3)[η]IIの算出
成分(A)の全質量に対する成分(I)の質量比をXIとし、成分(A)の全質量に対する成分(II)の質量比をXIIとし、成分(A)の極限粘度を[η]Totalとして、[η]IIを下記式により算出した。
[η]II={[η]Total-([η]I×XI)}/XII
尚、XI、及びXIIは下記13C-NMRスペクトルから算出した。
(4)成分(A)の含有量(質量%)、成分(A)中の成分(II)の含有量(質量%)及び成分(II)中のエチレンに由来する構造単位含有量(質量%)の算出
下記の条件で測定した13C-NMRスペクトルから、Kakugoらの報告(Macromolecules1982年,第15巻,第1150~1152頁)に基づいて求めた。
直径10mmの試験管中で約200mgの成分(A)を3mlの混合溶媒(オルトジクロロベンゼン/重オルトジクロロベンゼン=4/1(容積比))に均一に溶解させて試料を調製し、その試料の13C-NMRスペクトルを下記の条件下で測定した。測定は、日本電子株式会社製JNM-EX270を用いて行った。
測定温度:135℃
パルス繰り返し時間:10秒
パルス幅:45°
積算回数:2500回
(5)重量平均分子量
成分(B)の重量平均分子量は、Waters社製の150C/GPC装置を用い、GPC法により測定した。溶出温度は140℃とし、カラムとして、昭和電工株式会社製のShodexPacked Column A-80Mを、分子量標準物質として、東ソー株式会社の標準ポリスチレン(分子量68~8,400,000)を用いた。約5mgの成分(B)を5mLのo-ジクロロベンゼンに溶解して約1g/Lの濃度とした測定溶液400μLをカラムにインジェクションし、溶出溶媒流速を1.0mL/分とし、屈折率検出器にて検出した。重量平均分子量はポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(6)鏡面光沢
BYK-Gardner社製micro-glossにより、下記(10)で得られた試験片の鏡面の光沢度(入射角60度、鏡面光沢値)を測定した。光沢度が小さいと低光沢の成形体であり好ましい。
(7)漆黒性
漆黒性の指標として、多角度測色計(BYK-Gardner社製BYK-mac)により、下記(10)で得られた試験片のシボ面のL(入射角45度)を測定した。Lが小さいと、より漆黒であり好ましい。
(8)耐傷付性:
下記(10)で得られた試験片を下記方法により測定した。
・引掻試験器:株式会社上島製作所製、特殊大型U-F引掻試験機
引掻試験器は曲率半径1.0mmのボール状に加工された引掻先端を備える。
・測定方法:所定の荷重下、引掻速度10mm/secで、引掻試験器の引掻先端により、試験片のシボ面を引掻き、傷の形態を試験片に対して90度の角度で目視判定した。最初の測定荷重を10Nとし、以降、1Nずつ測定荷重を増加させて測定を行い、傷の白化が目立ち始める荷重を求めた。各実施例につき、それぞれ3回、傷の白化が目立ち始める荷重を求め、3回の平均値を「傷付荷重」とした。試験温度は23℃であった。傷付荷重が大きいほど、耐傷付き性が良好といえる。
(9)外観
23℃、相対湿度50%の条件下で2日間静置後の試験片表面の滲出物の有無を観察した。
(10)射出成形体の作製方法
上述の鏡面光沢、漆黒性、耐傷付性、外観観察の試験片は下記の方法に従い作製した。
MD400mm×TD100mm×厚み3mmであり、一方の表面が自動車内装皮シボ表面であり、他方の表面が鏡面である金型を備えた射出成形機(住友重機械工業株式会社製SE[登録商標]180D)を用い、成形温度220℃、金型冷却温度50℃、射出速度23mm/secで射出成形を行い、射出成形体を得た。得られた射出成形体を90mm×90mm×厚み3mmに裁断して試験片とし、該試験片を23℃、相対湿度50%の条件下で2日間静置後に各測定を行った。
〔実施例1〕
[プロピレン樹脂組成物の製造]
(A-1)100質量部と、成分(B-1) 3.2質量部と、成分(C-1) 6.0質量部と、成分(D-1) 7.5質量部とを均一に予備混合した後、二軸混練押出機により、押出量50kg/hr、230℃、スクリュー回転数200rpmで溶融混練して、プロピレン樹脂組成物を製造した。得られたプロピレン樹脂組成物の物性を下記の表1に示す。
〔実施例2~4、比較例1~3〕
原料を表1のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてプロピレン樹脂組成物を得た。得られたプロピレン樹脂組成物の物性を下記の表1に示す。
Figure 0007363802000001

Figure 0007363802000002

Claims (4)

  1. プロピレン重合体(I)と、エチレン-α-オレフィン共重合体(II)とからなるヘテロファジックプロピレン重合材料(A)100質量部、
    重量平均分子量が10000~90000である有機変性シロキサン化合物(B)0.1~5質量部、及び
    着色剤(C)0.001質量部~5質量部を含有し、
    有機変性シロキサン化合物(B)はアルキル基を含む有機変性シロキサン化合物であるプロピレン樹脂組成物。

    プロピレン重合体(I)は、プロピレン単独重合体(I-1)である

    チレン-α-オレフィン共重合体(II):エチレンに由来する構造単位と、プロピレンに由来する構造単位とを含む共重合体であって、
    該共重合体の全質量100質量%に対して、エチレンに由来する構造単位の含有量が10質量%以上70質量%以下であるエチレン-α-オレフィン共重合体。
  2. プロピレン重合体(I)の極限粘度に対するエチレン-α-オレフィン共重合体(II)の極限粘度の比が1~20である請求項1に記載のプロピレン樹脂組成物。
  3. 有機変性シロキサン化合物(B)が炭素数2以上のアルキル基を含む有機変性シロキサン化合物である請求項1または2に記載のプロピレン樹脂組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載のプロピレン樹脂組成物を含む成形体。
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