JPH11236425A - 水素添加ブロック共重合体及びその組成物 - Google Patents

水素添加ブロック共重合体及びその組成物

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JPH11236425A
JPH11236425A JP10093378A JP9337898A JPH11236425A JP H11236425 A JPH11236425 A JP H11236425A JP 10093378 A JP10093378 A JP 10093378A JP 9337898 A JP9337898 A JP 9337898A JP H11236425 A JPH11236425 A JP H11236425A
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JP
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block copolymer
hydrogenated
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hydrogenated block
temperature
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Application number
JP10093378A
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English (en)
Inventor
Jun Yonezawa
順 米沢
Kiyoo Kato
清雄 加藤
Eiji Sasaya
栄治 笹谷
Takashi Sato
孝志 佐藤
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、流動性、成形加工性のバランス
に優れる熱可塑性エラストマーを提供すること、並びに
耐衝撃性、脆化温度、剛性、表面硬度、引張り破断伸び
のバランスに優れる水添ブロック共重合体を含むポリオ
レフィン系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 少なくとも2個のビニル芳香族単量体か
らなる重合体ブロックAと、少なくとも2個の水添され
た共役ジエン単量体からなる重合体ブロックBからな
り、末端ブロックの少なくとも1個がブロックBであ
り、この末端ブロックBとビニル芳香族総合量が特定の
範囲にある水添ブロック共重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、末端に特定鎖長を
有する水素添加された共役ジエン単量体単位を主体とす
る重合体ブロックをもち、かつ特定量のビニル芳香族炭
化水素化合物を主体とする重合体ブロックをもつ水素添
加ブロック共重合体、およびその組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】共役ジエン系重合体は、従来から多数の
提案がなされており、主にエラストマー、熱可塑性エラ
ストマー、特殊透明樹脂として、タイヤ、ベルト、樹脂
の耐衝撃性改質用、粘接着剤、フィルム、容器等に広く
用いられている。
【0003】代表的な共役ジエン系重合体として、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、α−メチルスチレン−ブタジエン
共重合体、α−メチルスチレン−イソプレン共重合体、
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニト
リル−イソプレン共重合体、ブタジエン−メタクリル酸
メチル共重合体、イソプレン−メタクリル酸メチル共重
合体、あるいはこれらの水素化重合体等が公知である。
【0004】一方、高分子鎖を構成する分子構造単位と
して、両端に室温より高Tgのポリマーブロック(拘束
相)を有し、その間に室温より低Tgのポリマーブロッ
ク(ゴム相)からなるブロック共重合体、例えばスチレ
ン−ブタジエン(またはイソプレン)−スチレンブロッ
ク共重合体及びその水素化重合体は熱可塑性エラストマ
ーや相容化剤、改質剤として射出成形用途・樹脂の改質
等多くの用途に広く用いられている。
【0005】また、これらのスチレン−ブタジエン(ま
たはイソプレン)−スチレンブロック共重合体及びその
水素化重合体にポリスチレン、ポリオレフィン、ポリフ
ェニレンエーテル、スチレン−ブタジエンジブロック共
重合体及びその水素化物等をブレンドさせたブロック共
重合体組成物はスチレン−ブタジエン(またはイソプレ
ン)−スチレンブロック共重合体及びその水素化重合体
の耐熱性、流動性、粘着特性等の諸物性を改良するため
に広く実施されている。
【0006】しかしながら、近年の工業技術の進歩に伴
い、高分子材料に対する市場要求は益々高度なものとな
ってきて、耐熱性を維持しながら流動性を向上させると
いうスチレン系熱可塑性エラストマーの開発が強く望ま
れていた。また、耐熱性と流動性のバランスは改良され
るものの、例えばブロック共重合体をフィルム状に押し
出し成形する場合、成形条件やブロック共重合体の種類
によっては成形時に切断がおきやすく安定した生産がで
きない、あるいは他樹脂と溶融混合して用いる用途で
は、射出成形した際にフローマークが発生し成型品外観
を著しく悪化させるというように成形加工性に問題点が
発生しており、耐熱性、流動性、成形加工性のバランス
に優れるスチレン系熱可塑性エラストマーの開発が強く
望まれていた。
【0007】この課題を解決するための有力な手段のひ
とつとして、ラジアルブロックの採用やスチレン−水添
ポリブタジエン(または水添ポリイソプレン)−スチレ
ン等のトリブロックポリマーの末端にさらに水添ポリブ
タジエンまたは、水添ポリイソプレンブロックをつなげ
ることによって、同ブロックポリマーの流動性を改良す
る方法、あるいはスチレン−水添ポリブタジエン(また
は水添ポリイソプレン)−スチレン等のトリブロックポ
リマーにスチレン−水添ポリブタジエン(又は水添ポリ
イソプレン)ジブロックポリマーをブレンドする方法が
知られていた。
【0008】本発明はスチレン系水添共役ジエンブロッ
ク共重合体の溶融時におけるゴム相と拘束相の二相状態
(秩序状態)を、特定のビニル芳香族炭化水素化合物単
量体単位含量、特定量の末端水添共役ジエンブロックの
規定によって、より低い温度において一相化(無秩序
化)することができることを発見し、かつ、一相状態
(無秩序状態)を経由することで水素添加ブロック共重
合体単独、あるいはそれを用いた組成物がより成形加工
性に優れ、かつ優れた流動性、耐熱性を発現することを
発見したことにもとずく。ブロック共重合体の溶融時の
相分離状態に関してはレオロジー討論会予稿集、43、
169ページ(1995)に記載がある。ここではスチ
レン−水添ポリブタジエン−スチレンブロック共重合体
の秩序−無秩序転移温度がスチレン量、分子量によって
変化することが報告されているが、秩序−無秩序転移温
度がブロック構造によって変化すること、特に特定のス
チレン量でかつ特定量の末端水添ポリブタジエンブロッ
クを持つブロック共重合体の秩序−無秩序転移温度が大
幅に低下する事に関する記載はない。また、本発明者ら
は、末端水添共役ジエンブロックの量は、ポリスチレン
鎖長を同じにして耐熱性を同等にした場合、0.1重量
%以上9.1重量%未満では秩序−無秩序転移温度を下
げ、流動性も向上するが、その範囲外では秩序−無秩序
転移温度が上がるか、流動性が低下することを発見し
た。以上のように本発明においては、特定ビニル芳香族
炭化水素化合物単量体単位含量で、かつ末端水添共役ジ
エンブロックの量は0.1重量%以上9.1重量%未満
であることが流動性、成形加工性、耐熱性の点から非常
に重要であるが、上記のようなある特定量の末端水添共
役ジエンブロックが水素添加ブロック共重合体の流動
性、耐熱性、成形加工性のバランスを格段に改良するこ
とに関しては今までいっさい報告がされていないのが現
状である。
【0009】また、ポリオレフィン系樹脂組成物は、一
般に耐薬品性、機械的特性に優れているため、機械部
品、自動車部品など広範に使用されている。最近、各種
製品の機能性の追求、経済性の追求から製品の大型化、
薄肉化が進み、耐衝撃性、脆化温度、剛性、表面硬度、
引っ張り破断伸び、に優れたポリオレフィン系樹脂組成
物が要望されており、特に引っ張り破断伸びは、例えば
自動車材料として用いた場合に衝撃破壊時に破片が飛び
散らないようにするため、または変形によって衝撃を吸
収するため、またはクリープ変形時に破断を起こさない
ため等の理由で要求度の高い物性の一つである。
【0010】一般にポリオレフィン系樹脂の耐衝撃性を
改良する方法としては、エラストマーを添加する方法が
用いられる。高分子論文集,Vol.50、No.2,
pp.81−86(Feb.1993)には、ポリプロ
ピレンとエラストマーのエチレンプロピレンゴムよりな
る組成物の各種物性が示されている。ここには、エラス
トマー添加量を増やすと、耐衝撃性、引っ張り破断伸び
が向上する事が示されており、また、アロイの流動性を
改善するためにポリプロピレンの分子量を低下させると
流動性は向上するが、耐衝撃性、引っ張り破断伸びは低
下する事が示されている。高分子論文集,Vol.5
0、No.1,pp.19−25(Jan.1993)
には、ポリプロピレンとエチレンプロピレンゴムよりな
る組成物において、エラストマー添加量を増やすと表面
硬度が低下してしまうことが示されている。
【0011】また、従来からポリオレフィン系樹脂の耐
衝撃性を改良する方法として水素添加ブロック共重合体
を添加する提案が数多くなされている。プラスチックス
エージ,Vol.42,117ページ,2月号(199
6年)には、ポリプロピレンと水素添加ブロック共重合
体よりなる組成物において、ポリプロピレンに対して水
素添加ブロック共重合体である水添スチレン系熱可塑性
エラストマーの添加量を多くすれば耐衝撃性は改良され
るが相反して剛性が低下する例がある。また剛性(曲げ
弾性率)はスチレン量の多いエラストマーを用いれば改
良されるが、相反して脆化温度が悪化する例も示されて
いる。
【0012】以上のように耐衝撃性、脆化温度、剛性、
表面硬度、引っ張り破断伸び、は相反する性質であり、
これら物性バランスを高度に向上させることは極めて困
難であった。
【0013】米国特許第4168286号にはスチレン
−水添共役ジエン−スチレン−水添ポリブタジエンブロ
ック共重合体、スチレン−水添ポリブタジエン−スチレ
ン−水添共役ジエンブロック共重合体の構造を持ち、水
添ポリブタジエンブロック中の1,2結合量が1〜10
モル%である水素添加ブロック共重合体がクレームされ
ている。しかしながら、実施されている末端水添ポリブ
タジエンブロック、末端水添共役ジエンブロックの量は
20重量%以上であり本発明の請求の範囲になく、末端
水添ポリブタジエンブロック、末端水添共役ジエンブロ
ックの量の効果に関する記載も示唆もない。
【0014】特開平2−259151にはスチレン−水
添ポリブタジエン−スチレン−水添ポリブタジエンブロ
ック共重合体からなる伸縮性不織布がクレームされてお
り、実施例には10重量%の末端水添ポリブタジエンブ
ロックを持つスチレン−水添ポリブタジエン−スチレン
−水添ポリブタジエンブロック共重合体の記載がある。
しかし、これには本発明の範囲である10重量%未満の
末端水添ポリブタジエンブロックを有するブロック共重
合体およびその効果に関する記載がない。
【0015】特開平4−96904号公報、特開平4−
96905号公報には、スチレンブタジエンブロック共
重合体の水添方法がクレームされており、末端に10重
量%の水添ポリブタジエンブロックを有する、スチレン
−水添ポリブタジエン−スチレン−水添ポリブタジエン
ブロック共重合体の製造が実施されている。
【0016】また特開平5−038996号公報には、
水素添加共役ジエンブロック共重合体、ゴム用軟化剤、
オレフィン系樹脂よりなるエアバックカバーの収納装置
がクレームされており、末端に10重量%の水添ポリブ
タジエンブロックを有する、スチレン−水添ポリブタジ
エン−スチレン−水添ポリブタジエンブロック共重合体
を用いたエアバック装置の収納カバー材料が例に記載さ
れている。しかしこれらには、いずれも10重量%未満
の末端水添ポリブタジエンブロックを有するブロック共
重合体の開示や効果に関する記載がない。
【0017】また、特開昭61−155446号公報に
は特定の数平均分子量、特定量のスチレン、末端に特定
量の水添ポリブタジエンブロックを持つ水素添加ブロッ
ク共重合体とポリオレフィンよりなる組成物がクレーム
されており、末端水添ポリブタジエンブロックの量が
1.3、2.5、3、5、6.7、10、20、40重
量%であるスチレン−水添ポリブタジエン−スチレン−
水添ポリブタジエンブロック共重合体、あるいは水添ポ
リブタジエン−スチレン−水添ポリブタジエン−スチレ
ン−水添ポリブタジエンブロック共重合体を用いた例が
実施例に記載されている。そして明細書中には末端水添
ポリブタジエンブロックの量が組成物の機械的強度、ゴ
ム弾性にどのように影響を与えるのかが記載されてい
る。また、この特許におけるスチレン量の範囲として5
〜50重量%がクレームされており、明細書の中に最も
好ましい範囲として10〜40重量%との記載がある。
しかし、この範囲が採用された理由は望ましい物性を得
るためとの記載があるものの、耐衝撃性、脆化温度、剛
性、表面硬度、引っ張り破断伸びのバランスとの関係に
関する記載も示唆もなく、エラストマーが多いエラスト
マー組成物のみの実施であり、樹脂の改質効果を示す樹
脂組成物について実施された例は書かれていない。ま
た、本発明の請求の範囲における必須要件の一つであ
る、スチレン量が12重量%以上25重量%未満の範囲
にある末端水添ポリブタジエンブロックを有する水素添
加ブロック共重合体を用いた例は記載されていない。
【0018】特許第2500391号公報には柔軟性、
加工性に優れ、かつ異方性の少ない組成物を得ることが
できるという効果のために、末端に水添ポリブタジエン
ブロックを有する水素添加ブロック共重合体、ポリオレ
フィン系樹脂、エチレンαオレフィン共重合体を用いた
エラストマー組成物がクレームされており、スチレン−
水添ポリブタジエン−スチレン−水添ポリブタジエンブ
ロック共重合体を用いた例が実施されている。しかし、
ここには末端水添ポリブタジエンブロックの量に関する
記載もなければ、末端水添ポリブタジエンブロックが組
成物の耐衝撃性、脆化温度、剛性、表面硬度、引っ張り
破断伸び、のバランスを格段に向上させることを示唆す
る記載もなく、しかも得られる組成物の耐衝撃性、脆化
温度、剛性、表面硬度、引っ張り破断伸び、のバランス
は満足のいくものではなかった。
【0019】特許第2529807号公報には低温衝撃
強度、流動加工性の改良を目的としてポリオレフィン系
樹脂に水素添加ブロック共重合体、場合によっては無機
充填剤を配合した組成物が開示されており、ポリスチレ
ン−水素化ポリブタジエン(ポリエチレンブチレン)−
ポリスチレン−水素化ポリブタジエンの構造を持つ水素
添加ブロック共重合体を用いた組成物が実施されてい
る。しかし、使用した水素添加ブロック共重合体のビニ
ル含量の記載はあるものの、その効果に関する記載はな
く、またMFR、分子量、スチレン量の記載はあるもの
の、引っ張り破断伸びとの関係に関する記載はない。ま
た、末端水素化ポリブタジエン鎖の量、その効果に関す
る記載も示唆もない。この方法では確かに流動加工性は
著しく改良されるが、引っ張り破断伸びの向上という面
では不満足であった。
【0020】特開平5−51494号公報には低温耐衝
撃性と外観特性、流動加工性を改良することを目的とし
て、ポリプロピレン系樹脂と分子量の異なる2種類の水
素添加ブロック共重合体よりなる組成物が開示されお
り、ポリスチレン−水素化ポリブタジエン(ポリエチレ
ンブチレン)−ポリスチレン−水素化ポリブタジエンと
それ以外の構造を持つ水素添加ブロック共重合体を併用
した例が実施されている。しかし、ここには使用した水
素添加ブロック共重合体における共役ジエン化合物のミ
クロ構造と低温衝撃強度、剛性、流動加工性に関する記
載はあるものの、引っ張り破断伸び、表面硬度、に関す
る記載はなく満足出来るレベルにはなかった。また、末
端水素化ポリブタジエン鎖の量、その効果に関する記載
も示唆もない。
【0021】特開平5−163388号公報には低温耐
衝撃性と剛性のバランス、流動加工性を改良することを
目的として、ポリプロピレン系樹脂と分子量の異なる2
種類の水素添加ブロック共重合体よりなり、高分子量成
分よりも低分子量成分の水素添加ブロック共重合体を多
く用いた組成物が開示されており、ポリスチレン−水素
化ポリブタジエン(ポリエチレンブチレン)−ポリスチ
レン−水素化ポリブタジエンの構造を持つ、分子量の異
なる水素添加ブロック共重合体を併用した例が実施され
ている。しかしながら、ここには、使用した水素添加ブ
ロック共重合体における共役ジエン化合物のミクロ構造
と低温衝撃強度、剛性、流動加工性に関する記載はある
ものの、引っ張り破断伸び、表面硬度に関する記載はな
く満足出来るレベルにはなく、末端水素化ポリブタジエ
ン鎖の量、その効果に関する記載も示唆もない。
【0022】特開平6−32947公報には実用的な低
温衝撃強度、耐熱変形性、剛性のバランス改良を目的と
してポリオレフィン系樹脂に、共役ジエン部のミクロ構
造の異なる水素添加ブロック共重合体を併用して配合し
た組成物が開示されており、ポリスチレン−水素化ポリ
ブタジエン(ポリエチレンブチレン)−ポリスチレン−
水素化ポリブタジエンの構造を持つ、共役ジエン部のミ
クロ構造の異なる水素添加ブロック共重合体を併用した
組成物が実施されている。しかし、これらには使用した
水素添加ブロック共重合体のビニル結合量と衝撃強度、
低温衝撃強度、耐熱変形性に関する記載はあるものの、
引っ張り破断伸び、表面硬度、に関する記載はなく、ま
た末端水素化ポリブタジエン鎖の量、その効果に関する
記載も示唆もなく、満足出来るレベルにはなかった。
【0023】特開平7−188481号公報には耐衝撃
性、剛性、耐熱変形性の改善を目的として高流動ポリプ
ロピレンとポリスチレン−水素化ポリイソプレン−ポリ
スチレン−水素化ポリイソプレンよりなる組成物が開示
されており、末端水素化ポリイソプレンの分子量を調節
(全体の9.17重量%以上23.1重量%以下)する
ことにより組成物が優れた物理的特性と外観特性を示す
との記載があり、11.7重量%と12.26重量%の
例が実施されている。このブロック共重合体の末端水添
ポリイソプレンブロックの量は9.17重量%以上で本
発明の範囲外であるばかりか、9.17重量%未満の場
合の効果に関する記載はない。さらに、ここには耐衝撃
性、脆化温度、剛性、表面硬度、引っ張り破断伸びのバ
ランスに関する記載はなく満足のいくものでもなかっ
た。また、共役ジエン化合物のうちイソプレンを用いた
例が実施されており、ブタジエンを用いた例よりも改善
効果が優れるとの記載はあるものの、例えばMFR、ミ
クロ構造と改善効果の関係に関しては記載も示唆もな
い。
【0024】特開平8−20684号公報には剛性、耐
熱変形性、耐衝撃性に優れ、さらに外観や成形加工性が
良好な組成物として、結晶性ポリプロピレンとメルトフ
ローレート(MFR)、モノビニル置換芳香族炭化水素
含量の異なる2種類の水素添加ブロック共重合体よりな
る組成物が開示されており、結晶性ポリプロピレンのM
FRが7g/10分未満であったり、一方の水素添加ブ
ロック共重合体のMFRが5g/10分未満ではフロー
マークが発生しすく外観が悪くなりやすいとの記載があ
る。しかしながら、引っ張り破断伸び、表面硬度、に関
する記載はなく満足出来るレベルにはなく、末端水素化
ポリブタジエン鎖の量、その効果に関する記載も示唆も
ない。
【0025】特開平8−20690号公報には衝撃強
度、射出成形加工性、剛性、耐衝撃性、脆化温度等の物
性バランス改良を目的としてポリプロピレン系樹脂にポ
リエチレン、オレフィン系エラストマー、水素添加ブロ
ック共重合体、無機充填剤を配合した組成物が開示され
ており、ポリスチレン−水素化ポリブタジエン(ポリエ
チレンブチレン)−ポリスチレン−水素化ポリブタジエ
ンの構造を持つ水素添加ブロック共重合体を用いた組成
物が実施されている。しかし、ここには使用した水素添
加ブロック共重合体のビニル含量の記載はあるもののそ
の効果に関する記載はなく、末端水素化ポリブタジエン
鎖の量、その効果に関する記載も示唆もない。この方法
では硬度、引っ張り破断伸びに関する改良効果が不十分
であり、なお一層の改善が要望されている。
【0026】以上のように耐衝撃性、脆化温度、剛性、
表面硬度、引っ張り破断伸び、の物性バランスに高度に
優れたポリオレフィン系樹脂組成物が未だ得られていな
のが現状であった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の状況に鑑み、耐熱性、流動性、成形加工性のバランス
に優れる熱可塑性エラストマーを提供すること、耐衝撃
性、脆化温度、剛性、表面硬度、引っ張り破断伸びのバ
ランスに優れる特定構造の水素添加ブロック共重合体を
含むポリオレフィン系樹脂組成物を提供することに目的
がある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意検討を
重ねた結果、上記課題を効果的に解決する水素添加ブロ
ック共重合体を発見し本発明を完成するに至った。即ち
本発明は、少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素化合
物単量体単位を主体とする重合体ブロックAと、少なく
とも2個の水素添加された共役ジエン化合物単量体単位
を主体とする重合体ブロックBから構成され、水素添加
される前の共役ジエン化合物単量体単位を主体とする重
合体ブロック中のオレフィン性不飽和二重結合のうち、
90%以上が水素添加された水素添加ブロック共重合体
において、末端にあるブロックのうち、少なくとも1個
が重合体ブロックBであり、かつ末端にある重合体ブロ
ックBは水素添加ブロック共重合体中で占める割合が、
0.1重量%以上9.1重量%未満であって、水素添加
ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物の結
合量が12重量%以上25重量%未満であることを特徴
とする水素添加ブロック共重合体である。
【0029】以下本発明を詳細に説明する。本発明は水
素添加ブロック共重合体において、末端の重合体ブロッ
クBの量が特定の範囲にあり、しかも、ビニル芳香族炭
化水素化合物含量が特定の範囲にある場合、水素添加ブ
ロック共重合体の秩序−無秩序転移温度が実用的な成形
加工温度以下になることを発見したことによる。例え
ば、同じ数平均分子量の場合、ビニル芳香族炭化水素化
合物含量が増えると秩序−無秩序転移温度は上がり、同
じビニル芳香族炭化水素化合物含量で数平均分子量が大
きくなる場合も秩序−無秩序転移温度は上がる。本発明
者らはこの秩序−無秩序転移温度が成形加工性と重要な
関係があることを発見した。秩序−無秩序転移温度と
は、室温付近ではゴム相と拘束相の二相に相分離してい
る水添ブロック共重合体の相分離状態が一相になる温度
の事をいう。本発明でいう成形加工性においては、単純
に流動性が改良されるということ以外に2つの意味があ
る。一相化状態(無秩序状態)で水素添加ブロック共重
合体をフィルム状に押し出し成形した場合、二相状態
(秩序状態)のものと比較してダイと巻き取りロールの
間で破断しにくく安定した生産ができるということが本
発明における成形加工性の第一の意味である。今まで
は、押し出し成形時にフィルムの破断などがおきた場合
は、使用する水素添加ブロック共重合体のビニル芳香族
炭化水素化合物含量を低下させたり、数平均分子量を小
さくしたりしていたが、この場合得られる成形体の耐熱
性が低下してしまう問題があった。また、成形温度をあ
げて対処する場合もあったが、この方法では添加剤やブ
ロック共重合体自信の熱分解温度などの問題があり限界
があった。さらに、同じ成形条件下で同じ溶融粘度を持
つブロック共重合体を用いても、上記のような成形加工
性に違いが見られる場合があったが、これも秩序−無秩
序転移温度の違いによることを本発明者らは発見した。
【0030】また、他樹脂と水素添加ブロック共重合体
を溶融混合し射出成形した場合に成型品表面にフローマ
ークが発生し成型品外観を悪化させる場合があったが、
これも秩序−無秩序転移温度がより低いブロック共重合
体を用いた場合は解決されることも本発明者らは発見し
た(成形加工性の第2の意味)。
【0031】以上のように水素添加ブロック共重合体の
秩序−無秩序転移温度と成形加工性は重要な関係があ
り、他の性質、例えば耐熱性、流動性を悪化させずに秩
序−無秩序転移温度を低下させる方法が必要となる。秩
序−無秩序転移温度を下げるためにはビニル芳香族炭化
水素化合物含量を減らしたり、数平均分子量を小さくす
れば良いが、この場合は水素添加ブロック共重合体の耐
熱性が低下する。しかし、本発明者らは、特定範囲のビ
ニル芳香族炭化水素化合物含量を満たす水素添加ブロッ
ク共重合体の末端ブロックを、水素添加された共役ジエ
ン単量体単位を主体とする重合体ブロックにし、しかも
その量をある特定範囲にすることによって耐熱性、流動
性を悪化させずに秩序−無秩序転移温度をポリマーの熱
安定性などを考慮した実用的な成形温度範囲に低下する
事に成功した。例えば、同じ数平均分子量、同じスチレ
ン含量のスチレン−水添ポリブタジエン−スチレンの構
造を持つ水素添加ブロック共重合体と本発明のスチレン
−水添ポリブタジエン−スチレン−水添ポリブタジエン
の構造を持つ水素添加ブロック共重合体の秩序−無秩序
転移温度を比較した場合、同じ数平均分子量、同じスチ
レン含量であるため耐熱性は同等であるが、それらの秩
序−無秩序転移温度は本発明のほうが低くなり成形加工
性に優れる。そして、末端水添ポリブタジエンブロック
をつけることにより、流動性、耐熱性、成形加工性に優
れるという効果は、本発明の末端水添ポリブタジエンブ
ロック量、及びスチレン量の範囲を満たす事によりはじ
めて発現する。
【0032】本明細書中で使われる「流動性」は水素添
加ブロック共重合体の溶融粘度が高い場合悪化し、低い
場合は向上する。流動性を判断する指標としては、JI
SK7210に準拠したメルトフローレート(MFR)
が用いられ、MFRが高い場合は流動性が良く、低い場
合は流動性が悪いと判断される。MFRが低い場合、溶
融押し出し時に吐出量が減り生産性が低下する場合があ
る。一般に水素添加ブロック共重合体の流動性を向上さ
せる手段としては、GPC法により求めたポリスチレン
換算の数平均分子量を低下させる、あるいは同じ数平均
分子量であればビニル芳香族化合物単量体単位含量を低
下させるなどがある。しかし、この場合は相反して水素
添加ブロック共重合体の「耐熱性」が低下する。
【0033】水素添加ブロック共重合体の「耐熱性」と
は、室温以上での軟化温度を測定することにより判断で
きる。軟化温度が低い場合には「耐熱性」が悪いと判断
され、軟化温度が高い場合には「耐熱性」が良いと判断
される。軟化温度は例えば動的粘弾性測定において、貯
蔵弾性率、損失弾性率、損失正接の温度依存性を50℃
以上150℃以下の範囲で測定することにより求めるこ
とができる。貯蔵弾性率の温度依存性を測定した場合、
その曲線の変曲点温度、損失弾性率、損失正接の場合は
その曲線のピーク温度を軟化温度とすることができる。
【0034】また、「成形加工性が悪化する」場合と
は、溶融粘度が低く成形が可能でも、例えばフィルム成
型時に溶融状態のフィルム状水素添加ブロック共重合体
が破断し安定した成形ができない場合や、水素添加ブロ
ック共重合体と他樹脂とを溶融混合し射出成形した成型
品にフローマークが発生する場合なども含まれる。
【0035】また、本発明の水素添加ブロック共重合体
はポリオレフィン系樹脂、1重量%以上99重量%以
下、水素添加ブロック共重合体、1重量%以上99重量
%以下の割合で混合しても良く本発明の成形加工性に優
れるという効果が発現されるが、さらに、(1)ポリオ
レフィン系樹脂 60重量%以上99重量%以下、
(2)本発明の水素添加ブロック共重合体 1重量%以
上40重量%以下よりなる樹脂組成物は耐衝撃性、引っ
張り破断伸び、脆化温度、表面硬度、剛性のバランスに
優れる複合材になる。この場合は水素添加ブロック共重
合体の量が1重量%未満になると耐衝撃性、引っ張り破
断伸び、脆化温度が悪化し、40重量%を越えると表面
硬度、剛性が悪化する。水素添加ブロック共重合体の量
の好ましい範囲としては2重量%以上20重量%未満で
ある。
【0036】即ち本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィ
ン系樹脂と水素添加ブロック共重合よりなる組成物にお
いて、水素添加ブロック共重合体のビニル芳香族化合物
単量体単位含量がある範囲にあり、さらにそのブロック
構造がある特定の構造を満たした場合に、耐衝撃性、引
っ張り破断伸び、脆化温度、表面硬度、剛性のバランス
に優れる組成物が得られることを発見した事による。我
々はポリプロピレンと水素添加ブロック共重合体の界面
接着性を改良すれば、脆化温度、引っ張り破断伸び等の
機械的物性が向上するとの推測に立ち検討を行った。水
素添加ブロック共重合体の分子量を上げれば、溶融混練
の過程でポリプロピレン分子鎖との絡み合いが増し界面
接着性は向上すると考えられる。このポリプロピレン分
子鎖との絡み合いに必要な水素添加ブロック共重合体の
分子量はポリプロピレン分子鎖が短くなれば、絡み合い
を強固にするためある程度大きい分子量が必要になると
思われる。つまり、ポリプロピレンが高分子量である場
合、水素添加ブロック共重合体の分子量は比較的小さく
ても良いが、近年、組成物成型品が大型化しており、ア
ロイの流動性をだすためにポリプロピレンを低分子量化
する場合、水素添加ブロック共重合体は高分子量化しな
ければならず、またこの場合は、通常の溶融混練下では
高分子量化した水素添加ブロック共重合体は分散不良を
招いてしまい、組成物成形体の機械的物性を悪化させて
しまう問題が発生している。我々は、ポリプロピレンの
MFRの広い範囲において、耐衝撃性、引っ張り破断伸
び、脆化温度、表面硬度、剛性を改善した組成物が得ら
れる水素添加ブロック共重合体の最適構造を詳細な検討
の結果発見した。
【0037】また、プロピレンブロック共重合体にあっ
ては、ホモプロピレンブロックを連続相としてエチレン
/α−オレフィンブロックが分散相を形成している。こ
の系においてはプロピレンブロック共重合体分散相とホ
モポリプロピレン界面に水素添加ブロック共重合体が存
在すると界面接着性が向上し、引っ張り破断伸び、脆化
温度が改良されると推測される。我々はある特定構造の
水素添加ブロック共重合体が、効率よくプロピレンブロ
ック共重合体分散相とホモポリプロピレン界面に局在化
し、しかも分散相とホモポリプロピレンの界面接着強度
を向上することが出来ることを発見した。
【0038】以下本発明を更に詳しく説明する。
【0039】本発明に使用される(1)ポリオレフィン
系樹脂とはエチレン、炭素数3〜12のα−オレフィ
ン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブ
チレン、4−メチル−1−ペンテン等から1種以上選ば
れる単量体を重合して得られる樹脂であればいずれでも
よいが、なかでも、エチレン、ブテン、メチルペンテ
ン、プロピレンの単独重合体、プロピレンブロック共重
合体、プロピレンランダム共重合体、またはこれらの混
合物があげられ、分子量、組成の異なる物を混ぜること
もできる。特に好ましいのはプロピレンブロック共重合
体である。プロピレンのブロック、ランダム共重合体の
コモノマーとしてはプロピレン以外のα−オレフィン
類、エチレンが用いられるが、なかでもエチレンが望ま
しく、これら共重合体中のプロピレン含量は55モル%
以上が望ましい。エチレンもしくはα−オレフィンをコ
モノマーに用いたプロピレンブロック共重合体にあって
は、ホモプロピレンブロックを連続相としてエチレン/
α−オレフィンブロックが分散相を形成しているが、こ
の分散相成分の含量はプロピレンブロック共重合体の5
〜30重量%が望ましい。この分散相中にはポリエチレ
ンが含まれていても良い。また、本発明におけるポリプ
ロピレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K72
10L条件に準拠)は0.1〜200g/10分の範囲
にあることが望ましく、30g/10分以上であること
が剛性の点で好ましい。ポリオレフィン系樹脂の重合方
法は従来公知の方法いずれでもよく、遷移重合、ラジカ
ル重合、イオン重合等があげられる。
【0040】本発明に使用される(2)水素添加ブロッ
ク共重合体は、少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素
化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックと、少な
くとも2個の水素添加された共役ジエン化合物単量体単
位を主体とする重合体ブロックBから構成される。ビニ
ル芳香族化合物単量体単位としては、例えばスチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−ターシ
ャルブチルスチレン等のアルキルスチレン、パラメトキ
シスチレン、ビニルナフタレン等のうちから1種、また
は2種以上が選ばれ、中でもスチレンが好ましい。上記
ブロック共重合体におけるビニル芳香族化合物単量体単
位含量は12重量%以上25重量%未満であり、脆化温
度、表面硬度、剛性の点から14重量%以上25重量%
未満であることが好ましい。12重量%未満であると表
面硬度、剛性が悪化し、25重量%以上であると脆化温
度が高くなる。
【0041】ビニル芳香族化合物単量体単位含量は核磁
気共鳴装置(NMR)、紫外分光光度計(UV)などに
より測定できる。本発明における「主体とする」という
言葉は例えば「ビニル芳香族化合物単量体単位を主体と
する」の場合、ビニル芳香族単量体の1種または2種以
上からなる場合、もしくはこれらとリビングアニオン重
合する他の単量体が共重合されている場合も含まれる。
これら共重合可能な他の単量体としては、共役ジエン化
合物単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート等のメタクリル酸エステル、シクロヘキサジエン、
カプロラクトン等をあげることができる。共重合の形態
としては、ランダム、交互、テーパー等いかなる形態で
も良く、複数個ある重合体ブロックAはそれぞれその組
成、分子量などが異なっても構わない。
【0042】共役ジエン化合物としては、例えばブタジ
エン、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエン、1,
3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジ
エンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中で
もブタジエン、イソプレン及びこれらの組合わせが好ま
しい。そして水素添加される前の重合体ブロックBは、
そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶことがで
き、例えば、ポリブタジエンブロックの場合において
は、1,2結合量は35モル%を越え90モル%未満で
あり、40モル%以上60モル%未満であることが好ま
しく、50モル%を越え60モル%未満であることがさ
らに好ましい。40モル%未満の場合引っ張り破断伸び
が劣り、60モル%以上の場合、脆化温度が高くなる。
ポリイソプレンブロックにおいては3、4結合量が0モ
ル%を越え40モル%未満であることが好ましく40モ
ル%以上の場合、脆化温度が高くなる。ミクロ構造は核
磁気共鳴装置(NMR)により測定できる。「共役ジエ
ン化合物単量体単位を主体とする」という言葉には、共
役ジエン化合物とリビングアニオン重合する他の単量体
が共重合されている場合も含まれる。これら共重合可能
な他の単量体としては、ビニル芳香族化合物単量体、メ
チルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル、シクロヘキサジエン、カプロラクトン
等をあげることができる。共重合の形態としては、ラン
ダム、交互、テーパー等いかなる形態でも良く、複数個
ある重合体ブロックBはそれぞれその組成、分子量など
が異なっても構わない。また、本明細書中で使用される
「主体とする」という言葉は該当単量体単位が重合体ブ
ロックにおいて、少なくとも50モル%を越え、好まし
くは70モル%以上を占めることを意味する。
【0043】本発明の水素添加ブロック共重合体は、水
素添加される前の重合体ブロックB中のオレフィン性不
飽和二重結合のうち90%以上が水素添加されたもので
ある。90%未満であるとポリオレフィン界面での接着
性が低下し、耐衝撃性、引っ張り破断伸びが低下し、
熱、光などにより劣化をおこし熱可塑性が低下する。ま
た、ブロックA中のビニル芳香族化合物のベンゼン環の
不飽和二重結合は、ビニル芳香族化合物全体において2
0%までは水素添加されていても良い。水素添加率は核
磁気共鳴装置(NMR)によって測定できる。
【0044】また、水素添加ブロック共重合体のJIS
K7210に準拠し温度230℃、荷重2.16kg
の条件で求めたメルトフローレート値(MFR)は1.
0g/10分以上15g/10分未満の範囲にあること
が好ましく、さらに好ましい範囲としては3.0g/1
0分以上10g/10分以下である。1.0g/10分
未満であると耐衝撃性が悪化し、15g/10分以上で
あると引っ張り破断伸びがでない。本発明において水素
添加ブロック共重合体の構造は、例えば線状、分岐状、
放射状、櫛形状などいかなる形態をとっても構わない
が、少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素化合物単量
体単位を主体とする重合体ブロックと、少なくとも2個
の水素添加された共役ジエン化合物単量体単位を主体と
する重合体ブロックBから構成されなければならない。
また、末端にあるブロックの少なくとも1個が重合体ブ
ロックBでなければならない。好ましい構造としてはA
−B−A−B、B−A−B−A−Bがあげられる。ま
た、各ブロックの境界がランダム共重合体である場合、
ランダム共重合体でありしかもその組成が徐々に変わっ
ていくテーパー構造も含まれる。
【0045】末端にある重合体ブロックBはそれぞれ水
素添加ブロック共重合体中で占める割合が、0.1重量
%以上9.1重量%未満であり、脆化温度、引っ張り破
断伸びの点から好ましくは0.3重量%以上7.5重量
%以下であり、更に好ましくは3重量%を越え5.0重
量%未満である。0.1重量%未満であると、引っ張り
破断伸びが悪化し、9.1重量%以上であると脆化温度
が悪化する。例えばA−B−A−Bの構造をとる場合、
末端にある重合体ブロックBが全体に占める割合は0.
1重量%以上9.1重量%未満の範囲にあり、例えばB
1−A−B2−A−B3(B1、B2、B3:水素添加
された共役ジエン化合物単量体単位を主体とする重合体
ブロック)の構造をとる場合、末端にある重合体ブロッ
クB1が全体に占める割合は0.1重量%以上9.1重
量%未満の範囲になければならなく、また末端にある重
合体ブロックB3も全体に占める割合は0.1重量%以
上9.1重量%未満の範囲になければならない。
【0046】本発明における水素添加ブロック共重合体
の秩序−無秩序転移温度は260℃以下であることが引
っ張り破断伸びの発現の点で望ましく、230℃以下で
あるとさらに望ましい。成形加工温度が水素添加ブロッ
ク共重合体の秩序−無秩序転移温度以上である場合、組
成物成形体の引っ張り破断伸びが向上する。これは相分
離が消失した状態で水素添加ブロック共重合体をポリオ
レフィン系樹脂と溶融混練した場合、溶融時に相分離状
態を保つものと比較して、水素添加ブロック共重合体の
分子鎖とポリオレフィン系樹脂の分子鎖が絡みやすく、
絡み合った状態で組成物温度が低下し相分離を起こした
ときに、ハードドメインのアンカー効果により、分散相
と連続相の界面接着力が向上するためであると我々は推
測している。また、プロピレンブロック共重合体を用い
る場合、効率よくプロピレンブロック共重合体分散相と
ホモポリプロピレン界面に水素添加ブロック共重合体が
存在し界面接着強度を向上させることで、さらに引っ張
り破断伸び等を向上することができ好ましいことも我々
は発見した。ポリオレフィン系樹脂組成物の成形加工温
度は添加剤、樹脂の劣化のことなどを考慮すると260
℃以下である事が望ましく、230℃以下であるとさら
に望ましいため、水素添加ブロック共重合体の秩序−無
秩序転移温度は260℃以下であることが得られる組成
物の成形体の引っ張り破断伸びを向上させるために望ま
しく、230℃以下であるとさらに望ましい。本発明の
組成物を水素添加ブロック共重合体の秩序−無秩序転移
温度以上の温度で成形加工した成形体は、自動車に用い
られるバンパーなどの外装材、インストルメントパネ
ル、エアバックカバーなどの内装材に好適に用いること
ができる。成形加工温度とは、組成物を溶融混練し作成
する温度、得られた組成物を成形する温度などをいう。
秩序−無秩序転移温度とは室温付近ではゴム相と拘束相
の二相に相分離している水素添加ブロック共重合体の相
分離状態が消失する温度をいい、小角X線散乱、レオロ
ジー測定により決定することができる。レオロジー測定
で秩序−無秩序転移温度を決定する場合、十分なせん断
速度範囲において種種の温度で動的な貯蔵弾性率
(G’)、損失弾性率(G”)を測定し、G’をG”に
対してプロットした直線の傾き、切片が同じになり始め
る温度より決定できる。または、十分低い周波数、たと
えば0.1Hz以下の周波数でG’の温度依存性を高温
側から測定し、高温側に現れる変曲点からも決定でき
る。本発明の水素添加ブロック共重合体のポリスチレン
換算の数平均分子量は35,000以上200,000
以下であることが好ましく、40,000以上150,
000未満であることが好ましい。数平均分子量が3
5,000未満であるとエラストマーとしての一般的な
機能を持たず、また組成物にしても所望の物性が得られ
ない、200,000を越えると秩序−無秩序転移温度
が高くなり成形加工性が悪化し、また、流動性が低下し
ブロック共重合体の取り扱いが難しくなる。数平均分子
量はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GP
C)法において、市販のGPC検量線作成用の標準ポリ
スチレンを用いることにより算出したポリスチレン換算
分子量である。
【0047】水素添加ブロック共重合体は例えば特公昭
36−19286号公報、特公昭43−14979号公
報、特公昭49−36957号公報などに記載された方
法で本発明の範囲になるように製造することができる。
これらは炭化水素溶剤中でアニオン重合開始剤として有
機リチウム化合物等を用い、ビニル化剤としてジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル化合物、ト
リエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエ
チレンジアミン等の第3級アミン、必要に応じカップリ
ング剤としてエポキシ化ダイズ油、四塩化ケイ素等の多
官能性化合物を用い、ビニル芳香族単量体とブタジエン
単量体をブロック共重合する方法であり、直鎖状、分岐
状、あるいは放射状の構造を有するブロック共重合体と
して得られる。そして、上記のブロック共重合体を公知
の方法、例えば、特公昭42−87045号公報に記載
の方法で水素添加することにより、本発明の水素添加ブ
ロック共重合体は得られる。
【0048】本発明の樹脂組成物は、その各成分の組成
比に応じて通常の高分子物質の混合に供される装置によ
って調整できる。それら混合装置としては、例えばバン
バリーミキサー、ラボプラストミル、単軸押出機、2軸
押出機、等の混練装置があげられ、押出機による溶融混
合法が生産性、良混練性の点から好ましい。
【0049】本発明で用いる水素添加ブロック共重合体
は、不飽和カルボン酸またはその誘導体との付加反応に
より変性させ、官能基を含有したものを1部、または全
部用いてもかまわない。また、組成、構造が異なる他の
水素添加ブロック共重合体、またはエチレンプロピレン
ゴム、エチレンブチレンゴム、エチレンオクテンゴム、
他のエチレンαオレフィン共重合体ゴム、エチレン−プ
ロピレン−非共役ジエン3元共重合体ゴムなどのオレフ
ィン系エラストマーと併用してもかまわない。本発明の
(1)ポリオレフィン系樹脂と(2)水素添加ブロック
共重合体よりなる樹脂組成物100重量部にたいして
(3)オレフィン系エラストマーを1重量部以上30重
量部以下混ぜることができる。
【0050】本発明の組成物は無機充填剤、安定剤、滑
剤、着色剤、シリコンオイル、難燃剤等を添加する事が
出来る。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、
タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、
けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブ
ラック等が挙げられる。本発明においては、(1)ポリ
オレフィン系樹脂と(2)水素添加ブロック共重合体よ
りなる組成物、あるいは(1)ポリオレフィン系樹脂と
(2)水素添加ブロック共重合体、(3)オレフィン系
エラストマーよりなる組成物100重量部に対して
(4)無機充填剤を5重量部以上50重量部以下含むこ
とが剛性の点から好ましい。安定剤としてはヒンダード
フェノール系酸化防止剤、りん系熱安定剤、ヒンダード
アミン系光安定剤、ベンゾトリアゾール系UV吸収剤等
従来公知の添加剤が挙げられる。滑剤としてはステアリ
ン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸エステル、ス
テアリン酸の金属塩等、アモルファスシリカ、タルク等
が挙げられる。
【0051】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの例のみによって何ら制限される
ものではない。
【0052】
【実施例】(水素添加ブロック共重合体及びその組成
物:実施例1〜4、比較例1〜5)分析、評価は以下の
方法で行った。
【0053】ブロック共重合体中のスチレンの定量:紫
外分光光度計を用い、水素添加ブロック共重合体のクロ
ロホルム溶液の254nmにおける吸光度を測定し、ス
チレン量と吸光度の関係をあらかじめ測定した検量線か
ら、水素添加ブロック共重合体中のスチレン量を求め
た。
【0054】末端重合体ブロックBの定量:水素添加さ
れる前の末端重合体ブロックBを、重合する前と重合が
完結した後にそれぞれ重合体をサンプリングし、重合体
中のスチレン量を紫外分光光度計により測定し、その変
化量から末端重合体ブロックBの水素添加ブロック共重
合体中に占める割合を求めた。
【0055】ポリスチレン換算分子量:ゲルパーミエイ
ションクロマトグラフィー(GPC)法において、市販
のGPC検量線作成用の標準ポリスチレンを用い算出し
た。
【0056】メルトフローレート(MFR) JIS K7210に準拠し、2.16Kg荷重、23
0℃の条件で測定した。
【0057】軟化温度:レオメトリックス社製RMS8
00メカニカルスペクトルメータを用い、周波数6.2
8rad/sec、25mmパラレルプレート、昇温速
度3℃/minの条件で測定を行い、50℃以上150
℃以下の範囲にある損失弾性率のピーク温度を求めた。
【0058】フィルム成形性:Tダイより吐出されると
きの水素添加ブロック共重合体の温度が260℃、また
は230℃になるように設定された25mm押し出し機
でブロック共重合体を溶融させ、Tダイより押し出し、
巻き取ることによってフィルム成形をした。各温度にお
いて巻き取り速度は一定で各重合体の吐出量が同じにな
るように、押し出し機のスクリュー回転数を調整した。
巻き取りができたものをフィルム成形性が○、Tダイと
巻き取りロールの間で破断してしまうものをフィルム成
形性が×とした。
【0059】成型品外観:水素添加ブロック共重合体と
ホモポリプロピレン(旭化成工業株式会社製:M160
0)を、水素添加ブロック共重合体/ホモポリプロピレ
ン=80/20(重量比)の割合で、2軸押し出し機を
用いて溶融混合しペレット化した。次に得られた組成物
のペレットを樹脂温が230℃になるように設定された
射出成形機に投入し、厚み2mm、幅10mm、長さ1
0mmの平板を下記の条件にて成形した。その成形体を
目視にてフローマークを観察し、フローマークがなく外
観が良好なものを○、不良なものを×とした。
【0060】射出速度:低速、金型温度:40℃ 秩序−無秩序転移温度の決定:レオメトリックス社製R
MS800メカニカルスペクトルメータを用い、25m
mパラレルプレート、0.1rad/sec〜100r
ad/secの条件で各温度においてG’、G”の測定
を行い、G’をG”にたいしてプロットした直線の傾き
が変化する温度とした。
【0061】水素添加触媒の調製:窒素置換した反応容
器に乾燥、精製したシクロヘキサン2リットルを仕込
み、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジ
(クロリド)40ミリモルを溶解した後、n−ブチルリ
チウム60ミリモルを含むシクロヘキサン溶液を添加し
て25℃で5分反応させ、直ちにn−ブタノール40ミ
リモルを添加撹拌して室温で保存した。この溶液を水添
触媒溶液aとする。
【0062】ジリチウム触媒の調製:Macromol
ecules,Vol.29,No.19,1996に
記載の方法で得た。なお、原料は市販品の中でも最高純
度のものを用いた。ジリチウム触媒は使用する前に水で
一部を失活させたものをGC−MSにより分析し、ジリ
チウム化率が100%であることを確認したものを用い
た。
【0063】実施例1 (第1段階の重合)窒素置換した100リットルのオー
トクレーブに乾燥、精製したシクロヘキサン28.6リ
ットル、テトラメチルエチレンジアミン5.72グラ
ム、33wt%スチレンを含むスチレンとシクロヘキサ
ンの混合液2.09キログラムを仕込み、70℃に昇温
した後、n−ブチルリチウム7.7グラムを含むシクロ
ヘキサン溶液を添加して重合を完結した。
【0064】(第2段階の重合)第1段階に続いてスチ
レンの重合終了後、33wt%1,3ブタジエンを含む
1,3ブタジエンとシクロヘキサンの混合液16.1キ
ログラムを添加し重合を完結した。
【0065】(第3段階の重合)第2段階の1,3ブタ
ジエンの重合終了後33wt%スチレンを含むスチレン
とシクロヘキサンの混合液2.09キログラムを添加し
重合を完結した。
【0066】この段階で得られたポリスチレン−ポリブ
タジエン−ポリスチレンブロック共重合体(SBS1)
をサンプリングし、スチレン量を測定したところ20.
6wt%であった。
【0067】(第4段階の重合)続いてオートクレーブ
に33wt%1,3ブタジエンを含む1,3ブタジエン
とシクロヘキサンの混合液927グラムを添加し重合を
行い完結した。
【0068】次にメタノール2.5グラムを添加し、ス
チレン量19.7wt%、ポリブタジエン部分の1,2
結合量が41.8モル%であるポリスチレン−ポリブタ
ジエン−ポリスチレン−ポリブタジエンブロック共重合
体(SBSB1)を得た。SBS1とSBSB1のGP
Cカーブを比較したところ、SBSB1は溶出時間が早
くなり高分子量化していた。図1にSBS1とSBSB
1のGPCカーブを示した。また、スチレン量の変化率
から末端ポリブタジエン鎖の割合を求めたところ4.3
7wt%であった。
【0069】(水素添加)次に、ポリマー濃度が12w
t%になるようにシクロヘキサンをオートクレーブに添
加し、水素置換して水素圧力0.7MPa(ゲージ圧
力)に昇圧し、温度を70℃に昇温した。次に水添触媒
溶液a中のチタン量がポリマー量に対して30ppmに
なるように水添触媒溶液aを添加するとともに水素圧力
が0.7MPa(ゲージ圧力)になるように水素を1時
間供給し続けた。最終的に水素添加率99.8%、ポリ
スチレン換算分子量11.5万、A−B−A−B型の水
素添加ブロック共重合体(SEBS1)が得られた。得
られた水素添加ブロック共重合体の構造、各種分析値、
成形加工性を表1、表2に示した。また、実施例1で得
られたブロック共重合体の損失弾性率温度依存性の測定
結果を図2に示した。
【0070】実施例2 第4段階の重合で33wt%1,3−ブタジエンを含む
1,3ブタジエンとシクロヘキサンの混合液1942グ
ラムを添加し重合を行い完結する以外は実施例1と同じ
条件で重合と水素添加を行い水素添加ブロック共重合体
(SEBS2)を得た。得られた水素添加ブロック共重
合体の構造、各種分析値、成形加工性を表1、表2に示
した。
【0071】実施例3 (第1段階の重合)窒素置換した100リットルのオー
トクレーブに乾燥、精製したシクロヘキサン48.6リ
ットル、テトラメチルエチレンジアミン5.72グラ
ム、33wt%スチレンを含む1,3ブタジエンとシク
ロヘキサンの混合液15.2キログラムを仕込み、70
℃に昇温した後、リチウムを0.120モル含むジリチ
ウム触媒を添加して重合を完結した。
【0072】(第2段階の重合)第1段階に続いて1,
3ブタジエンの重合終了後、33wt%スチレンを含む
スチレンとシクロヘキサンの混合液4.18キログラム
を添加し重合を完結した。この段階で得られたポリスチ
レン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体
をサンプリングし、スチレン量を測定したところ21.
4wt%であった。
【0073】(第3段階の重合)第2段階のスチレンの
重合終了後33wt%1,3ブタジエンを含む1,3ブ
タジエンとシクロヘキサンの混合液1.85キログラム
を添加し重合を完結した。
【0074】次にメタノール2.5グラムを添加し、ス
チレン量19.4wt%、ポリブタジエン部分の1,2
結合量が41.7モル%であるポリブタジエン−ポリス
チレン−ポリブタジエン−ポリスチレン−ポリブタジエ
ンブロック共重合体を得た。ジリチウムで重合したた
め、両末端にあるポリブタジエンブロックは同じ分子量
である。スチレン量の変化率から1個の末端ポリブタジ
エン鎖の割合を求めたところ4.67wt%であった。
【0075】(水素添加)次に、オートクレーブ内を水
素置換して水素圧力0.7MPa(ゲージ圧力)に昇圧
し、温度を70℃に昇温した。次に水添触媒溶液a中の
チタン量がポリマー量に対して100ppmになるよう
に水添触媒溶液aを添加するとともに水素圧力が0.7
MPa(ゲージ圧力)になるように水素を1時間供給し
続けた。最終的に水素添加率99.8%、ポリスチレン
換算分子量11.5万、B−A−B−A−B型の水素添
加ブロック共重合体(SEBS3)が得られた。得られ
た水素添加ブロック共重合体の構造、各種分析値、成形
加工性を表1、表2に示した。
【0076】実施例4 第1段階において、n−ブチルリチウムとテトラメチル
エチレンジアミンの量を調整する以外は実施例1と同じ
条件で重合と水素添加を行い水素添加ブロック共重合体
(SEBS4)を得た。得られた水素添加ブロック共重
合体の構造、各種分析値、成形加工性を表1、表3に示
した。また、各温度における損失弾性率(G”)にたい
する貯蔵弾性率(G’)のプロットを図3に示した。秩
序−無秩序転移温度(MST)は190℃<MST≦1
95℃の範囲にあった。
【0077】比較例1 第4段階の重合で33wt%1,3−ブタジエンを含む
1,3ブタジエンとシクロヘキサンの混合液3059グ
ラムを添加し重合を行い完結する以外は実施例1と同じ
条件で重合と水素添加を行い水素添加ブロック共重合体
(SEBS5)を得た。得られた水素添加ブロック共重
合体の構造、各種分析値、フィルム成形性を表1、表2
に示した。
【0078】比較例2 第1段階において、n−ブチルリチウムとテトラメチル
エチレンジアミンの量を調整する以外は比較例1と同じ
条件で重合と水素添加を行い水素添加ブロック共重合体
(SEBS6)を得た。得られた水素添加ブロック共重
合体の構造、各種分析値、成形加工性を表1、表2に示
した。
【0079】比較例3 第1段階において、n−ブチルリチウムとテトラメチル
エチレンジアミンの量を調整し、第1段階と第3段階で
添加する33wt%スチレンを含むスチレンとシクロヘ
キサンの混合液の量を4.14キログラムにし、第2段
階で添加する33wt%1,3ブタジエンを含む1,3
ブタジエンとシクロヘキサンの混合液の量を12.0キ
ログラムにする以外は実施例1と同じ条件で重合と水素
添加を行い水素添加ブロック共重合体(SEBS7)を
得た。得られた水素添加ブロック共重合体の構造、各種
分析値、成形加工性を表1、表2に示した。
【0080】比較例4 第4段階の重合を行わない以外は実施例1と同じ条件で
重合と水素添加を行い水素添加ブロック共重合体(SE
BS8)を得た。得られた水素添加ブロック共重合体の
構造、各種分析値、フィルム成形性を表1、表2に示し
た。
【0081】比較例5 第1段階において、n−ブチルリチウムとテトラメチル
エチレンジアミンの量を調整する以外は比較例4と同じ
条件で重合と水素添加を行い水素添加ブロック共重合体
(SEBS9)を得た。得られた水素添加ブロック共重
合体の構造、各種分析値、成形加工性を表1、表2に示
した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】本発明の水素添加ブロック共重合体、及び
その組成物が耐熱性、流動性、成形加工性に優れている
ことは表3により明らかである。
【0085】(水素添加ブロック共重合体とポリオレフ
ィン系樹脂よりなる樹脂組成物:実施例5〜10、比較
例6〜12)以下に物性測定の方法を示す。
【0086】MFR:JIS K7210 L条件 に
準拠した。
【0087】アイゾット衝撃強度:JIS K7110
に準拠し、ノッチ付きで測定した。
【0088】脆化温度:JIS K7216に準拠し
た。
【0089】曲げ弾性率:JIS K7203に準拠し
た。
【0090】曲げ速度2mm/min 表面硬度:JIS K7202 R−硬さに準拠した。
【0091】引っ張り試験:JIS K6758に準拠
した。
【0092】引っ張り速度20mm/min (I)各成分 (1)ポリオレフィン系樹脂 プロピレンブロック共重合体であるPP1(日本ポリオ
レフィン株式会社製MK755H MFR 63g/1
0分)、PP2(日本ポリオレフィン株式会社製MK7
11H MFR 43g/10分)、PP3(日本ポリ
オレフィン株式会社製MK711 MFR 33g/1
0分)を用いた。
【0093】(2)水素添加ブロック共重合体 n−ブチルリチウムを開始剤とし、シクロヘキサン溶媒
中で、テトラヒドロフランを1,2結合量調節剤とし
て、スチレンとブタジエンをアニオンブロック共重合す
ることにより、スチレン−ブタジエン系ブロック共重合
体を重合した。次に得られたスチレン−ブタジエン系ブ
ロック共重合体を、ビス(η5−シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジ(クロリド)とn−ブチルリチウムを
水素添加触媒として、水素圧5kg/cm2、温度50
℃で水素添加を行った。ポリマー構造は、モノマーの仕
込量、順序、分子量は触媒量、1,2結合量は1,2結
合量調節剤量、水素添加率は水素添加時間を変化させる
ことによりコントロールした。スチレン含有量は、紫外
分光光度計(UV)を、1,2結合量、水素添加率は核
磁気共鳴装置(NMR)を用いて測定した。秩序−無秩
序転移温度(TODT)は、レオメトリックス社製RM
S800メカニカルスペクトルメータを用い、25mm
パラレルプレート、0.1rad/sec〜100ra
d/secの条件で各温度においてG’、G”の測定を
行い、G’をG”にたいしてプロットした直線の傾きが
変化する温度とした。
【0094】また、sec−ブチルリチウムを開始剤と
し、シクロヘキサン溶媒中で、スチレンとイソプレンを
リビングアニオンブロック共重合することにより、スチ
レン−イソプレン系ブロック共重合体を重合した。次に
得られたスチレン−イソプレン系ブロック共重合体を、
ナフテン酸ニッケルとトリエチルアルミニウムを水素添
加触媒として、水素圧50kg/cm2、温度50℃で
水素添加を行った。ポリマー構造は、モノマーの仕込
量、順序、分子量は触媒量、水素添加率は水素添加時間
を変化させることによりコントロールした。スチレン含
有量は、紫外分光光度計(UV)を、水素添加率は核磁
気共鳴装置(NMR)を用いて測定した。秩序−無秩序
転移温度(TODT)は、レオメトリックス社製RMS
800メカニカルスペクトルメータを用い、25mmパ
ラレルプレート、0.1rad/sec〜100rad
/secの条件で各温度においてG’、G”の測定を行
い、G’をG”にたいしてプロットした直線の傾きが変
化する温度とした。
【0095】各サンプルの構造及び分析値を表3に示し
た。
【0096】
【表3】
【0097】(4)タルク 市販の日本タルク社製マイクロエースP−4を用いた。
【0098】(II)樹脂組成物の調整と物性測定 各(1)成分、(2)成分、(4)成分を表4、表5に
示した割合でドライブレンドし、得られた混合物を23
0℃に設定された同方向二軸押出機(スクリュー径30
mm)により溶融混練してペレット化した。次にこのペ
レットを230℃に設定された射出成型機を用いて射出
成形を行い、測定用の試験片を作成した。得られた試験
片の物性測定結果を表4、表5に示した。本発明の樹脂
組成物が優れていることは表4、表5により明らかであ
る。
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物及び成形体は耐衝撃
性、脆化温度、剛性、表面硬度、引っ張り破断伸び、の
バランスに高度に優れる。これらの効果により、インス
トルメントパネル、エアーバックカバー等の自動車内装
材料、バンパー等の自動車外装材料、チューブ、各種容
器、シート等として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたSBS1、SBSB1のG
PCカーブである。
【図2】実施例1で得られた水素添加ブロック共重合体
(SEBS1)の損失弾性率温度依存性の測定結果であ
る。
【図3】実施例4で得られた水素添加ブロック共重合体
(SEBS4)の各温度における損失弾性率に対する貯
蔵弾性率のプロットである。SEBS4の秩序無秩序転
移温度は190℃よりも高く195℃以下である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08J 5/00 CEQ C08J 5/00 CEQ (72)発明者 佐藤 孝志 神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号 旭化成工業株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2個のビニル芳香族炭化水素
    化合物単量体単位を主体とする重合体ブロックAと、少
    なくとも2個の水素添加された共役ジエン化合物単量体
    単位を主体とする重合体ブロックBから構成され、水素
    添加される前の共役ジエン化合物単量体単位を主体とす
    る重合体ブロック中のオレフィン性不飽和二重結合のう
    ち、90%以上が水素添加された水素添加ブロック共重
    合体において、末端にあるブロックのうち、少なくとも
    1個が重合体ブロックBであり、かつ末端にある重合体
    ブロックBは水素添加ブロック共重合体中で占める割合
    が、0.1重量%以上9.1重量%未満であって、水素
    添加ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素化合物
    の結合量が12重量%以上25重量%未満であることを
    特徴とする水素添加ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 水素添加ブロック共重合体中のビニル芳
    香族炭化水素化合物の結合量が14重量%以上25重量
    %未満であることを特徴とする請求項1に記載の水素添
    加ブロック共重合体。
  3. 【請求項3】 共役ジエン化合物単量体がブタジエンで
    あり、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とする
    重合体ブロックにおける1,2結合量が35モル%を越
    え90モル%未満である請求項1、2いずれかに記載の
    水素添加ブロック共重合体。
  4. 【請求項4】 共役ジエン化合物単量体がブタジエンで
    あり、水素添加前のブタジエン単量体単位を主体とする
    重合体ブロックにおける1,2結合量が40モル%以上
    60モル%未満である請求項1、2、3いずれかに記載
    の水素添加ブロック共重合体。
  5. 【請求項5】 ブロック構造がA−B−A−Bである請
    求項1、2、3、4いずれかに記載の水素添加ブロック
    共重合体。
  6. 【請求項6】 ブロック構造がB−A−B−A−Bであ
    る請求項1、2、3、4いずれかに記載の水素添加ブロ
    ック共重合体。
  7. 【請求項7】 水素添加ブロック共重合体において重合
    体ブロックA、Bの結合部分に共役ジエン化合物単量体
    とビニル芳香族炭化水素化合物単量体のランダム共重
    合、あるいはテーパー構造部分を有する請求項1、2、
    3、4、5、6いずれかに記載の水素添加ブロック共重
    合体。
  8. 【請求項8】 水素添加ブロック共重合体において水素
    添加ブロック共重合体の秩序−無秩序転移温度が260
    ℃以下である請求項1、2、3、4、5、6、7いずれ
    かに記載の水素添加ブロック共重合体。
  9. 【請求項9】 JIS K7210に準拠し温度230
    ℃、荷重2.16Kgの条件で求めたメルトフローレー
    ト値(MFR)が1.0g/10分以上15g/10分
    未満である請求項1、2、3、4、5、6、7、8いず
    れかに記載の水素添加ブロック共重合体。
  10. 【請求項10】(1)ポリオレフィン系樹脂 1重量%
    以上99重量%以下、 (2)請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9いず
    れかに記載の水素添加ブロック 共重合体1重量%以上
    99重量%以下よりなる組成物。
  11. 【請求項11】(1)ポリオレフィン系樹脂 60重量
    %以上99重量%以下、 (2)請求項9に記載の水素添加ブロック共重合体1重
    量%以上40重量%以下よりなる樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の樹脂組成物100
    重量部と(3)オレフィン系エラストマー1重量部以上
    30重量部以下よりなる樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項11、12に記載の樹脂組成物
    100重量部と(4)無機充填剤5重量部以上50重量
    部以下よりなる樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項10、11、12、13に記載
    の組成物を、使用している請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9いずれかに記載の水素添加ブロック共重
    合体の秩序−無秩序転移温度以上の温度で成形加工した
    成形体。
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