JP2016089585A - 屋内建築物用の段鼻構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屋内建築物用の踏板2aの段鼻部21の表面に厚みを小さくした段部21aを形成し、段部21aと前面部21bとに、2液性のウレタン樹脂から形成したウレタン樹脂製段鼻31を密着させ、ウレタン樹脂製段鼻31は、踏板2aの長手方向に凹状の窪み部32aと凸状の山形部32bとからなる断面波形の凹凸部32を、踏板2aとの境界線部33に段差のない状態で形成するとともに、ショアA硬度を55〜100とし、動摩擦係数を0.5〜0.7としたものである。
【選択図】図2
Description
例えば、段鼻部の上面に配置される凹凸状の滑り止め部を設けた踏込板と、その踏込板の前端から下方に延び段鼻部前端面に垂直に配置される前面カバー板とを有するカバー本体を形成し、前記踏込板の下面後部に突設した第1係合片と、前記前面カバー板の裏面下端に突設した第2係合片とにより、段鼻部の上面後部に形成された係合凹部と、段鼻部の下面前端とに前記カバー本体の弾性力に基づき挟持させることにより、前記カバー本体を段鼻部に取り付けるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
そして、特許文献2に記載された段鼻部材の踏板への取り付けは、前記微細突起部が溝部に嵌合したときに溝部の内面に係合して、垂下片を外れにくいものとするとともに、階段歩行中に段鼻部材がずれたり外れたりすることを防止するため、必要に応じて接着剤や両面テープを用いるようにしている。
さらに、床シート材を、その一端部を段鼻材の凹溝に差し込むとともに、段鼻材と床シート材を必要十分な強度を有する接着剤を選択して貼り付けるようにしており、接合剤として、階段下地の出隅と段鼻材の曲折部とはシーリング材、階段下地の蹴上げと段鼻材の垂直部とはテープ状の粘着剤をそれぞれ選択して床シート材の裏全面を階段下地に貼り付けることで、段鼻材と床シート材と階段下地とはより強固に接合されるようにしている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、段鼻カバーの段鼻部への取り付けを自身の弾性力により挟み込むだけであるから、第1係合片と係合凹部との境界部に隙間ができて、隙間に塵埃が入りやすく、清掃もやり難いという課題があった。
しかしながら、弾性片を踏板の溝部側面に圧接したとしても、溝部側面の全体を均一に圧接して隙間を完全に閉塞することはでき難いという課題があった。
特許文献3に記載された段鼻材の階段下地への取り付けは、接着剤を選択して貼り付けるようにしているが、段鼻材の後端に形成した凹溝と凹溝に差し込まれた床シート材の一端とに隙間ができ、隙間に塵埃が入りやすく、清掃もやり難いという課題があった。
本発明は、このような従来の構成が有していた課題を解決しようとするものであり、2液性のウレタン樹脂から形成したウレタン樹脂製段鼻は、断面波形の凹凸部を、踏板との境界線部に段差のない状態で形成するとともに、ショアA硬度を55〜100とし、動摩擦係数を0.5〜0.7とした、境界線部の清掃のし易い衝撃吸収性に優れた段鼻構造とすることを目的としている。
前記踏板の段鼻部の表面に厚みを小さくした段部を形成し、
前記段部と前面部とに、2液性のウレタン樹脂から形成したウレタン樹脂製段鼻を密着させ、
前記ウレタン樹脂製段鼻は、前記踏板の長手方向に凹状の窪み部と凸状の山形部とからなる断面波形の凹凸部を、前記踏板との境界線部に段差のない状態で形成するとともに、ショアA硬度を55〜100とし、動摩擦係数を0.5〜0.7としたものである。
図1及び図2は本発明の第一の実施の形態に係る図面、図3及び図4は本発明の第二の実施の形態に係る図面、図5及び図6は本発明の第三の実施の形態に係る図面、図7及び図8は本発明の第四の実施の形態に係る図面、図9及び図10は本発明の第五の実施の形態に係る図面、図11は本発明の実施の形態に係る段鼻構造を備えた踏板の使用例を説明する図面である。
まず、本発明の実施の形態に係る段鼻構造を備えた踏板の使用例を示す階段について、図11に基づいて説明する。
そして、階段1における踏板2a、回り踏板2b、踊り場踏板2c及びさらし踏板2dは、厚さ20mm〜35mmの木質の集成材により形成しており、それぞれの段鼻部21に本発明の実施の形態に係る段鼻構造を形成するのである。
屋内建築物用の段鼻構造3は、幼児用施設、老健施設、一般住宅などの屋内建築物に使用される階段1の踏板2aの段鼻部21に形成され、踏板2aの段鼻部21の表面に厚みを小さくした段部21aを形成するとともに、段部21aと前面部21bとに、2液性のウレタン樹脂から形成したウレタン樹脂製段鼻31を断面L字状に密着させて一体に成形している。
ここで、断面L字状のウレタン樹脂製段鼻31は、凹凸部32の最大厚み及び前面34の厚みを5mmとし、幼児用施設、老健施設などの特に安全性が要求される階段1の踏板2aでは、ショアA硬度を55〜80、より好ましくは55〜70とし、動摩擦係数を0.55〜0.7、より好ましくは0.6〜0.7とするのである。
また、ウレタン樹脂製段鼻31の凹凸部32を、踏板2aの表面22との境界線部33に段差のない状態で形成したのは、階段1の踏板2aで躓かないようにするとともに、塵埃が付きにくく、清掃を容易にするためであり、その態様には図2(a)〜(c)に示す3種がある。
図2(a)に示す境界線部33の態様が最も躓きにくく、図2(b)に示す境界線部33の態様が最も滑りにくく、図2(c)に示す境界線部33の態様が躓きにくさ及び滑りにくさについて図2(a)と図2(b)の態様の中間となっている。
また、踏板2aの段鼻部21の段部21aと前面部21bとに、2液性のウレタン樹脂から形成したウレタン樹脂製段鼻31を断面L字状に密着させて一体に成形することにより、境界線部33の密着強度が大きく、隙間が生じないため塵埃が付きにくく、かつ、清掃が容易であり、水拭きをしても水分が隙間に入って密着性が低下するおそれがないのである。
そして、ウレタン樹脂製段鼻31が成形できるように金型内に空所を形成し、クランプで上下金型を固定して、注入機から樹脂注入口に2液性ウレタン樹脂を注入し、排気口から金型内の空所の空気を排気し、注入した樹脂が硬化すると、ウレタン樹脂製段鼻31が踏板2aの段鼻部21に密着して一体成形されるのである。
次に、本発明の第二の実施の形態に係る段鼻構造を備えた踏板について、図3、図4及び図11に基づき説明する。
以下、第一の実施の形態と同様な構成については、説明を省略ないし簡略にして説明する。
例えば、階段1の幅が750mmで、踏板2aの側桁11との差込み支持部が各15mmで、踏板2aの全幅が780mmの場合、ウレタン樹脂製段鼻31は側桁11の両固定部23から内側に5mmの位置まで形成せずに、740mmに亘って形成するとともに、ウレタン樹脂製段鼻31の各端部の30mmを滑らかな傾斜35として、中央の680mmを通常の凹凸部32とするのである。
また、ウレタン樹脂製段鼻31と踏板2aとの段差のない境界線部33は、図2(a)又は図2(b)と同様でもよく、図2(a)と同様な場合、窪み部32aを滑らかな傾斜35とし、図2(b)の場合、山形部32bを滑らかな傾斜35とするのである。
そして、ウレタン樹脂製段鼻31は、踏板2aの側縁部における側桁11の固定部23から5mmにおいて、断面波形の凹凸部32を滑らかな傾斜で踏板2aの表面22に一体化したから、踏板2aの側縁部近傍に凹凸部32がなくなり、踏板2aの側縁部近傍の清掃を簡単に行うことができるのである。
また、この第二の実施の形態に係る段鼻構造3を備えた踏板2aは、例えば、図11の階段1における上方側に示すように、両端が側桁11となっている場合に使用するのである。
第三の実施の形態は、第二の実施の形態と、踏板の側縁部における側桁近傍のウレタン樹脂製段鼻の構成が一部相違している。
図5及び図6において、踏板2aの側縁部における側桁11近傍のウレタン樹脂製段鼻31は、側桁11の固定部23から内側に30mmの位置まで形成されるとともに、図6に示すように、断面波形の凹凸部32における凹状の窪み部32aを滑らかな傾斜35で踏板2aの表面22に一体化している。
この第三の実施の形態におけるウレタン樹脂製段鼻31と踏板2aとの段差のない境界線部33は、図2(c)と同様に、凹凸部32の凹凸の中間としている。
なお、図5に示すように、ウレタン樹脂製段鼻31の傾斜35の内方端部を、図3と同様に、平面視で円弧部36として、踏板2aの段部21aの切削加工を簡単にできるようにしている。
なお、この第三の実施の形態では、ウレタン樹脂製段鼻31を形成していない範囲として、踏板2aの側縁部近傍の30mmとしたが、踏板2aの側縁部における側桁11の固定部23から10mm以内〜100mm以内としてもよい。
また、この第三の実施の形態に係る段鼻構造3を備えた踏板2aは、例えば、図11の階段1における上方側に示すように、両端が側桁11となっている場合に使用するのである。
第四の実施の形態は、第一の実施の形態に、さらに、踏板の側縁部及び後縁部に保護部材を形成した構成が第一の実施の形態と相違している。
図7及び図8において、さらし踏板2dの側縁部24(図8参照)及び後縁部に表面4aと側縁4bと裏面4cとからなる断面コ字状の保護部材4を形成するとともに、保護部材4は前記ウレタン樹脂製段鼻31と同一のショアA硬度及び動摩擦係数のウレタン樹脂製であり、ウレタン樹脂製段鼻31と一体に形成したものである。
ウレタン樹脂製の保護部材4をウレタン樹脂製段鼻31と一体に形成するには、ウレタン樹脂製段鼻31を形成する金型内の空所と保護部材4を形成する空所とを連通させて形成するのである。
なお、この第四の実施の形態に係る段鼻構造3を備えたさらし踏板2dは、例えば、図11の下方側の半オープン型階段1に使用する場合、さらし踏板1dは一方が桁板13に他方が側桁11に固定されており、側桁11に固定されているさらし踏板2dの側縁部には保護部材を形成しなくてもよい。
第五の実施の形態は、第一の実施の形態に、さらに、踏板の側縁部に保護部材を形成した構成が第一の実施の形態と相違している。
図9及び図10において、踏板2aにおける側桁11への差込み支持部となる側縁部24(図10参照)に表面4aと側縁4bと裏面4cとからなる断面コ字状の保護部材4を形成するとともに、保護部材4は前記ウレタン樹脂製段鼻31と同一のショアA硬度及び動摩擦係数のウレタン樹脂製であり、ウレタン樹脂製段鼻31と一体に形成したものである。
この第五の実施の形態では、踏板2aにおける側桁11への差込み支持部となる側縁部24にウレタン樹脂製の保護部材4を形成しているから、側桁11と側縁部24とにがたつきが生じたとしてもがたつきを緩衝して歩行時の騒音を軽減することができるのである。
以上の第一〜第五の実施の形態では、踏板として木質の集成材としたが、木製無垢材、合成樹脂製材など、屋内建築物用の階段に用いられる各種踏板の材質でもよく、木質の集成材、木製無垢材、合成樹脂製材のウレタン樹脂製段鼻を除く踏み面に合成樹脂シートを貼り付けた踏板としてもよい。
2a 踏板
2d さらし踏板
21 段鼻部
21a 段部
21b 前面部
22 表面
23 固定部
24 側縁部
3 段鼻構造
31 ウレタン樹脂製段鼻
32 凹凸部
32a 窪み部
32b 山形部
33 境界線部
34 前面
35 傾斜
4 保護部材
4a 表面
4b 側縁
4c 裏面
Claims (5)
- 屋内建築物に使用される階段の踏板の段鼻部に形成された表面と前面とからなる断面L字状の段鼻構造において、
前記踏板の段鼻部の表面に厚みを小さくした段部を形成し、
前記段部と前面部とに、2液性のウレタン樹脂から形成したウレタン樹脂製段鼻を密着させ、
前記ウレタン樹脂製段鼻は、前記踏板の長手方向に凹状の窪み部と凸状の山形部とからなる断面波形の凹凸部を、前記踏板との境界線部に段差のない状態で形成するとともに、ショアA硬度を55〜100とし、動摩擦係数を0.5〜0.7としたことを特徴とする屋内建築物用の段鼻構造。 - 前記ウレタン樹脂製段鼻は、前記踏板の側縁部における側桁の固定部から100mm以内において、前記断面波形の凹凸部を滑らかな傾斜で前記踏板の表面に一体化したことを特徴とする請求項1に記載の屋内建築物用の段鼻構造。
- 前記ウレタン樹脂製段鼻は、前記踏板の側縁部における側桁の固定部から10mm以内〜100mm以内には形成せずに、前記凹状の窪み部を前記ウレタン樹脂製段鼻を形成していない前記踏板の表面よりも窪んだ形状とするとともに滑らかな傾斜で前記踏板の表面に一体化したことを特徴とする請求項1に記載の屋内建築物用の段鼻構造。
- 前記踏板の側縁部に表面と側縁と裏面とからなる断面コ字状の保護部材を形成するとともに、前記保護部材は前記ウレタン樹脂製段鼻と同一のショアA硬度及び動摩擦係数のウレタン樹脂製であり、前記ウレタン樹脂製段鼻と一体に形成したことを特徴とする請求項1に記載の屋内建築物用の段鼻構造。
- 前記ウレタン樹脂製段鼻は、ショアA硬度を55〜80とし、動摩擦係数を0.55〜0.7としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の屋内建築物用の段鼻構造。
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