JP5992690B2 - 階段構造 - Google Patents

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Description

本発明は、階段の蹴込板および該蹴込板を用いた階段構造に関する。
一般住宅における木製階段は、主として、踏板の裏面に形成された蹴込板嵌合溝に蹴込板の上端を嵌合することによって構築されている。
しかしながら、このような木製階段において、人が階段を昇降して荷重がかかると、蹴込板が踏板の蹴込板嵌合溝内でずれて木材同士が擦れ合うことによって踏鳴りが発生する。
この不具合を改善するために、以下のような従来技術が提案されている。
すなわち、特許文献1では、踏板の蹴込板嵌合溝と蹴込板との間、および桁板と蹴込板との間に、滑性のある樹脂フィルム・滑性塗料・蝋などで形成される摩擦低減層を介在させることにより、木材同士が直接的に擦れ合わないようにして軋み音(踏鳴り)の発生を防止しようとしている。
また、特許文献2では、蹴込板の上端部に傾斜面を設けると共に、踏板の蹴込板嵌合溝にも同一角度の傾斜面を設け、これら傾斜面同士で接着剤を用いて圧接させることにより、食い込むように強く嵌合させることができ、軋み音(踏鳴り)の発生を防止できるものとされている。
特開平10−306564号公報 特開2001−98729号公報
しかしながら、これら従来技術によっても、なお踏み鳴りを効果的に防止することができなかった。
すなわち、特許文献1記載の従来技術では、蹴込板嵌合溝と蹴込板との間に介在する摩擦低減層が、これらの相対的なずれによって徐々に磨耗してついには消失してしまう。そうすると、木材同士が擦れ合うこととなって踏鳴りが生じる。つまり、この従来技術によると、階段施工後の初期段階にあっては踏鳴りを防止できる効果が得られるが、この効果を長期に亘って持続させることができない。
また、特許文献2記載の従来技術では、傾斜面同士を圧接させた状態で蹴込板を踏板の蹴込板嵌合溝に嵌合させていくときに、蹴込板嵌合溝の傾斜面にあらかじめ塗布しておいた接着剤が捲れ上がって剥離しやすい。そうすると、接着剤が剥離した領域において木材同士が擦れ合うこととなって踏鳴りが生じる。また、この場合も、接着剤層が徐々に磨耗してついには消失してしまうおそれがあり、同様に踏鳴りを生じさせることになる。
本発明者は、階段の踏鳴りが生ずる原因を解明するべく様々な条件で実験を行ったところ、主として2つの要因があることを見出した。第一の原因は、蹴込板の上端木口における角部の頂点と踏板裏面の蹴込板嵌合溝の内面角部の頂点とが摺れ合うことによる。従来技術のように蹴込板の上端木口の角部が蹴込板嵌合溝の溝内角部に突き当たっている(頂点で接触している)状態であると、階段昇降による荷重が作用したときに、これら角部同士の間には、面で接触している他の部分よりも高い圧力が作用して強く接触することになって、踏鳴りが生じる。また、踏板が荷重を受けて凹状に撓むと、蹴込板嵌合溝より前方にある踏板部分が蹴込板から離れるように変形(上反り)し、蹴込板の角部の頂点が蹴込板嵌合溝の内面と摺れて踏鳴りが発生することが分かった。
踏鳴りが発生する第二の原因は、蹴込板の上端木口面と蹴込板嵌合溝の底面との間に隙間があり、その隙間が大きいと踏板が変形しやすくなって蹴込板と摺れることによる。また、この隙間が大きくなると、蹴込板の上端木口面と蹴込板嵌合溝の底面との接触面積が小さくなり、階段昇降による荷重が作用したときに高い圧力が作用して強く接触することになって、踏鳴りが発生しやすくなる。
本発明が解決しようとする課題は、前述の従来技術が抱える不利欠点を解消するべく、踏鳴りが発生する原因を解明した上でその解決手段を与え、歩行時の踏鳴りを防止し且つその効果を長期に亘って持続させることができる新規な階段の蹴込板および階段構造を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、階段の踏板の裏面に形成される断面正方形または長方形で前面、後面および底面を有してなる蹴込板嵌合溝に該蹴込板嵌合溝の幅より薄い厚さの蹴込板の上端部が嵌合されてなる階段構造であって、蹴込板の上端木口において長手方向に延長する角部のうち階段の前面側に位置する一方の角部が切除されて傾斜面状の面取部が形成され、蹴込板嵌合溝の前面と蹴込板の前面および蹴込板嵌合溝の底面と蹴込板の上端木口とが接合され、蹴込板に前記面取部が形成されていることにより蹴込板嵌合溝の前面と底面とがなす角部に隙間が形成され、且つ、蹴込板嵌合溝の後面と蹴込板の後面との間に蹴込板嵌合溝の幅と蹴込板の厚さとの寸法差に応じた隙間が形成されて蹴込板嵌合溝の後面と蹴込板の後面とは非接合とされることを特徴とする。
本発明によれば、蹴込板を踏板の蹴込板嵌合溝に嵌合させたときに、蹴込板の面取部が蹴込板嵌合溝とは非接触とされるので、蹴込板と蹴込板嵌合溝との擦れ合いによる踏鳴りが生じない。
また、蹴込板に面取部が形成されることで蹴込板の上端が先細形状とされているので、面取部が案内手段として働いて、蹴込板上端部を蹴込板嵌合溝に嵌合させやすく、施工が容易である。
また、蹴込板嵌合溝にあらかじめ接着剤を塗布した状態で蹴込板を踏板の蹴込板嵌合溝に嵌合させていくと、蹴込板前面の上端部が蹴込板嵌合溝の内面と擦れ合うことで、接着剤が掻き取られてしまうことがあるが、嵌合状態において蹴込板の面取部が蹴込板嵌合溝と非接触とされるため、この隙間に接着剤を収容することができる。したがって、接着剤を許容量より多く塗布した場合であっても、蹴込板嵌合溝からの接着剤のはみ出しを防止することができ、外観が損なわれない。
本発明が適用される階段構造の一例を示す斜視図である。 この階段に用いられる蹴込板について本発明の一実施形態を示す上部断面図(a)および面取部の拡大断面図(b)である。 図2の蹴込板を踏板の蹴込板嵌合溝に嵌合させて固定した状態を示す断面図である。 本発明の他実施形態による蹴込板の上部断面図である。 図4の蹴込板を踏板の蹴込板嵌合溝に嵌合させて固定した状態を示す断面図である。
図1は本発明が適用される階段構造の一例を示す斜視図であり、一対の側板1,1間に蹴込板2および踏板3が交互に掛け渡されて構成されている。階段構造には直線型、L字型、螺旋型など各種形状のものがあるが、本発明はいずれにも適用可能である。また、図1では階段構造の両側に壁面がない状態で示されているが、このように壁面とは独立して設けられる階段構造であっても良いし、側板1,1の両側または片側が壁面に接した状態で設けられる階段構造であっても良い。蹴込板2の寸法は、たとえば、長さ900mm×高さ225mm×厚さ9mmである。
図2は本発明の一実施形態による蹴込板2の上部形状を示すものであり、上端木口において長手方向に延長する角部のうち少なくとも一方の角部(施工状態において階段の前面側となる前面2aと上端木口面2bとがなす角部)が切除されて面取部5が形成されている。図2において破線で示されているのが切除部分である。この実施形態では、蹴込板2の角部を断面直角二等辺三角形に切除して、面取部5が前面2aに対して45度の傾斜角度θとなるように面取部5が形成されている。面取部5の形状は特に限定されないが、加工が容易であることを考慮すると、角部を断面三角形、特に断面直角二等辺三角形に切除して面取部5を形成することが好ましい。
この蹴込板2の上端部を、踏板3の裏面前方に長手方向(幅方向)に延長形成された蹴込板嵌合溝4に嵌合させ、接着剤(図示せず)および固定具6により固定した状態が、図3に示されている。この状態において、蹴込板嵌合溝4に嵌合された蹴込板2の上端部の前面2aが蹴込板嵌合溝4の前面4aに接合し、蹴込板2の上端木口面2bが蹴込板嵌合溝4の底面4bに接合しており、これらの角部において面取部5による隙間7が形成されている。したがって、蹴込板2と蹴込板嵌合溝4とが角部頂点同士で接触することがないため、前述の第一の原因を解消し、踏鳴りの発生を防止することができる。
蹴込板2の上端部は面取部5の形成によって先細形状とされているので、面取部5が案内手段として働いて、蹴込板2の上端部を蹴込板嵌合溝4に嵌合させやすく、施工が容易である。さらに、図示実施形態では、蹴込板嵌合溝4の幅より蹴込板2の厚さT(図2(a))を小さくして、蹴込板2の後面2cと蹴込板嵌合溝4の後面4cとの間に隙間8が形成されるようにしているので、蹴込板2に反りが生じた場合であっても容易に蹴込板嵌合溝4に嵌合させることができる。
蹴込板2に面取部5を形成するための切除幅W(図2(b))は、蹴込板2の厚さTの5%以上40%未満とすることが好ましい。蹴込板2の厚さTの5%が0.5mm未満となる場合(すなわちT<10mmの場合)は、W=0.5mmを最小値とする。W<0.05TまたはW<0.5mmであると、面取部5の存在を目視確認することができず、加工が困難になる。また、加工できたとしても、この程度の面取部5では隙間7も小さくなってしまい、蹴込板2の素材によっては吸湿膨張して踏板嵌合溝7(後述)と接触して、踏鳴りを防止できなくなるおそれがある。また、面取部5の形成による隙間7が大きくなりすぎると、踏板3が変形して、蹴込板上端木口面2bと溝底面4bとの間、また蹴込板前面2aと溝前面4aとの間で摺れてしまい、また、蹴込板嵌合溝4内における蹴込板上端木口面2bと溝底面4bとの間の接触面積が小さくなって、この状態で階段昇降による荷重がかかったときに単位面積当たりの荷重が大きくなって、いずれも踏鳴りを生じさせる原因となる(前述した第二の原因)ので、これを解消するために、切除幅Wを蹴込板2の厚さTの40%未満とする(W<0.4T)。
面取部5の表面の形状は特に限定されないが、この実施形態として図示されるように、平面とすることが好ましい。平面状の面取部5とすることにより、蹴込板嵌合溝4の前面4aと底面4bとがなす角部との距離を十分に取ることができるので、吸湿膨張を考慮しても接触することを回避することができ、踏鳴り防止効果を長期に亘って持続させることができると共に、加工も容易である。面取部5の表面が凸状であると、該角部との距離が近くなり、蹴込板2が大きく撓んだときなどに面取部5の表面が該角部に接触して踏鳴りを生じさせるおそれがある。面取部5の表面が凹状に形成される場合は、踏鳴り防止効果は大きく発揮されるが、加工に手間がかかる。
なお、面取部5の表面には、踏鳴り防止剤(滑性塗料、蝋など)を塗布しても良い。また、蹴込板2の少なくとも前面2aには化粧紙貼りなどの任意化粧が施される。
図4は本発明の他実施形態による蹴込板2の上部形状を示すものであり、上端木口に長手方向に延長する木口側凹溝9が上端木口に形成されていると共に、さらに、長手方向に沿って延長する後面側凹溝10が上端近くの後面2cに形成されている点において、実施例1の蹴込板2と異なっている。他の構成は実施例1の蹴込板2と同様であるので、同一または対応する要素に同一の符号を付し、これらについての説明は割愛する。木口側凹溝9および後面側凹溝10の断面形状は任意であり、図示の方形状のほか、U字形やV字形の断面形状であっても良い。木口側凹溝9は、その幅中心が、蹴込板2の上端木口において厚さ方向中心と一致するように形成されることが好ましい。
木口側凹溝9の幅は、蹴込板2の厚さに対して1/3〜2/3程度に形成されることが好ましい。木口側凹溝9の幅が蹴込板2の厚さの2/3を超えるような幅広のものであると、木口側凹溝9の両側に残される上端突出部2d,2dが相対的に薄くなり、蹴込板嵌合溝4の底面4bに対する接着面積が小さくなって接着強度を低下させてしまう。また、蹴込板2の上端部を蹴込板嵌合溝4の底面4bに向けて押し込んだときにその衝撃で薄い上端突出部2d,2dが破損する恐れがある。一方、木口側凹溝9の幅が蹴込板2の厚さの1/3に満たないような幅狭になると、上端木口に接着剤が塗布された蹴込板2を蹴込板嵌合溝4に嵌入させたときに、木口側凹溝9に接着剤が入り込みにくくなり、その多くが蹴込板嵌合溝4から溢れ出すことになって蹴込板上端部の前後面に流下してしまう恐れが生じ、また、木口側凹溝9への接着剤の入り込みが不十分になることから内部に空間が生じて強固な固定構造が得られなくなる。
木口側凹溝9の深さは、3mm以下であり、特に好ましくは0.5〜2mmである。木口側凹溝9が深すぎると、上端木口に塗布した接着剤のほとんどが木口側凹溝9の中に入り込んでしまい、蹴込板2を蹴込板嵌合溝4に嵌入させたときに接着剤が蹴込板嵌合溝4の前後内壁面4a,4cにまで行き渡らなくなるため、蹴込板2と踏板3との固定が不十分になり、歩行時に非接着面同士で擦れ合って踏み鳴りを発生させる恐れがある。一方、木口側凹溝9が浅すぎると、蹴込板2の上端木口面2bに接着剤を塗布したときに、接着剤が木口側凹溝9の入口の2点と接触しにくくなり、接着剤が塗布面から離れやすくなって一定量を均等に塗布することが困難になる。さらに、蹴込板嵌合溝4内に蹴込板2の上端部を嵌合した際に、接着剤が木口側凹溝9内に納まりきらず、木口側凹溝9から溢れ出してしまう恐れがある。
木口側凹溝9の大きさ(幅、深さ)については上記を参酌して決定する。一例として、厚さ9mmの蹴込板2の場合、開口幅3mmおよび深さ1mmである断面長方形状の木口側凹溝9が形成される。
図2の蹴込板2を用いて階段を施工する際の蹴込板固定作業について説明すると、まず、蹴込板2の木口側凹溝9に沿って接着剤を塗布する。接着剤は特に限定されないが、一般にウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤などが用いられる。接着剤の塗布量は、木口側凹溝9の大きさにもよるが、幅750〜1000mm、厚さ5〜15mmの蹴込板2に対して10〜35g/mとすると良い。本実施例では、長さ900mm×高さ225mm×厚さ9mmの蹴込板2に対して、その上端木口面2bに21.7g/mの接着剤塗布量を採用した。このように蹴込板2の上端木口面2bに対する接着剤6の塗布面と塗布量を調節することで、適正な接着剤塗布状態が得られ、接着剤の塗布量が多すぎることによって接着剤が蹴込板嵌合溝4から溢れ出すことや、接着剤の塗布量が少なすぎることによって固定強度が低下したり踏み鳴りを起こしたりする不都合を防止することができる。
次に、上端木口面2bに接着剤が塗布された蹴込板2の上端部を、踏板3の蹴込板嵌合溝4に嵌合させていく。そして、蹴込板2の上端木口面2bが蹴込板嵌合溝4の溝底面4bに突き当たった状態になると、蹴込板2の上端木口面2bに塗布されている接着剤が押し潰され、木口側凹溝9内に隙間なく入り込むと共に、蹴込板嵌合溝4の奥部で拡がって、蹴込板2の上端突出部2d,2dを含めた上端木口面2bと溝底面4bとの間に満遍なく行き渡るだけでなく、さらに蹴込板嵌合溝4の内部において蹴込板2の表裏両面側にも回り込んで蹴込板嵌合溝4の前面4aおよび後面4cとの間に入り込む。
この状態で、蹴込板2を蹴込板嵌合溝4の前面4aに押し付ける。これにより、蹴込板2の上端部の前面2aが蹴込板嵌合溝4の前面4aに対してこれらの間に介在する接着剤によって接着固定され、しかも蹴込板2の上端木口面2bと蹴込板嵌合溝4の底面4bとの間、および蹴込板2の上端部の後面2cと蹴込板嵌合溝4の後面4cとの間もそれぞれ介在する接着剤によって接着固定されるので、蹴込板2の上端部が3面で蹴込板嵌合溝4に対して接着固定され、きわめて強固な固定構造が得られる(図5)。さらに、蹴込板2と蹴込板嵌合溝4との間にはすべて接着剤が介在されることになり、これらが擦れ合うことがないので、歩行時の踏鳴りを防止する効果がより顕著に発揮される。万一過剰に塗布した分の接着剤が蹴込板嵌合溝4から溢れ出すことがあっても、後方の隙間8から蹴込板2の後面2cを伝って流れ落ちることとなり、この部分で接着剤が固化しても表面側からは隠れて見えないので、美観を損なうことがない。
後面側凹溝10は、蹴込板2の上端部が踏板3裏面の蹴込板嵌合溝4に嵌合・固定された状態において、その上端が踏板3の裏面と略面一またはそれより若干低くなる位置に形成される。このような位置に後面側凹溝10が形成されることにより、固定具6を打ち込む際に正しい角度に打ち込むことができる。固定具6が正しい角度に打ち込まれず、その先端が蹴込板嵌合溝4に入り込むようなことがあると、固定具6が踏板3を突き抜けてその先端が踏板3の表面側に突出したり、踏板3の表面に膨れを生じさせるなどの不都合を生じさせることがあるが、このような不都合を防止することができると共に、蹴込板嵌合溝4の入口の破損も防止することができる。さらに、蹴込板2の上端部を蹴込板嵌合溝4の最奥まで嵌合させ且つその表面側を蹴込板嵌合溝4の前面4aに押し付けたときに、後面側凹溝10が、蹴込板嵌合溝4内において蹴込板2の後方に形成される隙間8と実質的に連続するものとなるので、蹴込板嵌合溝4内における蹴込板2上端部の嵌合状態や、固定具6の打ち込み状態を、これらの連続空間から容易に目視確認することができる。したがって、蹴込板2上端部と蹴込板嵌合溝4とを密接させた状態で固定することができ、歩行時の踏鳴りも生じない強固で安定した固定構造が得られる。
さらに、前述したように、万一過剰に塗布した分の接着剤が蹴込板嵌合溝4から溢れ出して蹴込板2の後面2cを伝って流れ落ちたときであっても、該接着剤が後面側凹溝10に入り込むのでそれ以上の流下を防止すると共に、これが後面側凹溝10内で硬化することによって固定具6の頭部をしっかり保持固定する役割を果たすことになるので、より強固な固定構造を得ることができる。
後面側凹溝10の大きさは上述の作用効果が発揮できるものであれば特に限定的ではないが、一般に、溝幅については3〜10mm程度で形成されることが好ましく、また、その深さについては、深すぎると蹴込板2の強度を低下させるので一般に2mm以下、好ましくは固定具6の先端が引っ掛かってしっかりと保持される程度の深さとして0.5〜1mm程度とすると良い。一例として、本実施例では、開口幅3mm、深さ1mmの断面方形状の後面側凹溝10が、厚さ9mmの蹴込板2の上端から12mm(蹴込板嵌合溝4の深さと同一)を残す位置に形成されている。
なお、蹴込板2としてMDFを使用した場合は、MDFの硬質層を削って後面側凹溝10を形成すると良い。MDFは、木質繊維を密にして接着剤により固化させた板状体であり、表裏面に高密度の硬質層が形成される。硬質層は固定具6の先端が入りにくいため位置決めが困難となり、また、その表面で滑りやすくなる。MDFの硬質層を削って比較的軟質な層が溝底面に露出するように後面側凹溝10を形成すれば、固定具6の打ち込みが容易となり、滑りを生ずることなく所定の位置で打ち込みを行うことができる。また、固定具6の頭部は硬質層の部分で引っ掛かることになるので、しっかり保持され、後面側凹溝10の入口角部を破損させることもない。
実施例2による階段構造が図5に示されているが、蹴込板2に木口側凹溝9および後面側凹溝10が形成されている点を除いて、実施例1による階段構造(図3)と同様であるので、同一または対応する要素に同一の符号を付し、詳細な説明は割愛する。
1 側板
2 蹴込板
2a 前面
2b 上端木口面
2c 後面
2d 上端突出部
3 踏板
4 蹴込板嵌合溝
4a 前面
4b 底面
4c 後面
5 面取部
6 固定具
7 隙間
8 隙間
9 木口側凹部
10 後面側凹部

Claims (1)

  1. 階段の踏板の裏面に形成される断面正方形または長方形で前面、後面および底面を有してなる蹴込板嵌合溝に該蹴込板嵌合溝の幅より薄い厚さの蹴込板の上端部が嵌合されてなる階段構造であって、蹴込板の上端木口において長手方向に延長する角部のうち階段の前面側に位置する一方の角部が切除されて傾斜面状の面取部が形成され、蹴込板嵌合溝の前面と蹴込板の前面および蹴込板嵌合溝の底面と蹴込板の上端木口とが接合され、蹴込板に前記面取部が形成されていることにより蹴込板嵌合溝の前面と底面とがなす角部に隙間が形成され、且つ、蹴込板嵌合溝の後面と蹴込板の後面との間に蹴込板嵌合溝の幅と蹴込板の厚さとの寸法差に応じた隙間が形成されて蹴込板嵌合溝の後面と蹴込板の後面とは非接合とされることを特徴とする階段構造。
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