JP6250012B2 - 階段の施工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、階段の施工方法に関する。
側板と、踏板と、蹴込板とを有して構成される階段の施工は次の順序で行われるのが一般的であった。
1 側板を壁面に固定する。
2 階段の踏板を、側板に形成した踏板嵌合溝に嵌入させて、楔を打ち込んで側板に固定する。
3 蹴込板の上端木口に接着剤を塗布する。
4 蹴込板の左右端部を側板の蹴込板嵌合溝に嵌入させると共に、蹴込板上端を踏板裏面の蹴込板嵌合溝に嵌入させる。
5 蹴込板を、側板と踏板のそれぞれに木ネジなどの固定具で固定する。
しかしながら、このような施工による蹴込板と踏板の固定構造では、以下の問題点が指摘されていた。
すなわち、上記3の接着剤塗布工程において、特にウレタン系接着剤のように粘度の高い接着剤を使用した場合、接着剤が途中で接着面から離れてしまい、接着面に対し接着剤が塗布されている塗布面と塗布されていない非塗布面とが生じ、また、塗布面においても塗布量の多い箇所と塗布量の少ない箇所とが生じてしまうことがあった。
非塗布面や塗布量の少ない箇所では、上記4で蹴込板上端を踏板裏面の蹴込板嵌合溝に嵌入させても、蹴込板と踏板との間で固着されない箇所ができてしまい、この非固着箇所で蹴込板と踏板とが擦れ合って歩行時に踏み鳴りが起きる原因となっていた。
また、接着剤塗布量が多すぎると、上記4の工程で蹴込板A上端を踏板B裏面の蹴込板嵌合溝Cに嵌入させたときに、接着剤Dが該蹴込板嵌合溝から溢れ出てしまい、そのまま放置しておくと溢れ出した接着剤が固化して美観を損ねることがあった(図7参照)。このため、溢れ出た接着剤を拭き取って除去しなければならず、このための作業手間がかかっていた。接着剤の溢れ出しを防止するために接着剤の塗布量を少量にすると、蹴込板と踏板との間の固定強度が低下し、上記と同様に歩行時に踏み鳴りが生じてしまう。
また、別の問題点として、上記5の固定工程において木ネジなどの固定具Eを蹴込板Aの裏面側から踏板Bに向けて斜めに打ち込もうとしたときに、固定具Eの先端が蹴込板Aの裏面側を滑ってしまって、固定具Eが所定の位置と角度で蹴込板Aに入り込まないことがあった。この場合、固定具Eは、踏板Bの蹴込板嵌合溝Cと蹴込板Aの裏面との間に打ち込まれ、固定具Eの本来の打ち込み位置や角度がその分だけ上方にずれることになり、固定具Eが踏板Bを突き抜けてその先端が踏板Bの表面側に突出したり(図8参照)、踏板Bの表面に膨れを生じさせることがあった。さらに、固定具Eが蹴込板嵌合溝Cの入口や、蹴込板Aの上端部を破壊して、蹴込板Aと踏板Bとの固定が強固に行われなくなることがあった。
前者の問題点の改善策として、特許文献1では、蹴込板の上端部に先細形状となるように傾斜面を形成すると共に、踏板裏面の蹴込板嵌合溝の内面を該傾斜面に対応させた傾斜面とし、これら傾斜面同士を接合させた状態で蹴込板上端部を踏板裏面の蹴込板嵌合溝に嵌入させて、蹴込板の裏面側上端部と該蹴込板嵌合溝の後方の内壁面とを接着剤で固定するようにしている。これによれば、接着剤が溢れ出したとしても、蹴込板の裏面側に出るだけであって表面側からは見えないので、外観を損ねることがない。
また、後者の問題点の改善策として、特許文献2では、踏板裏面の蹴込板嵌合溝の後方に連続するように凹み部を形成して、該凹み部から踏板裏面までを傾斜面とすることにより、蹴込板の嵌合状態を該傾斜面を介して確認できると共に、釘打ちに際して釘の頭部が凹み部に納まるようにすることができるので、踏板が邪魔にならずに容易に釘打ち作業を行うことができるものとされている。
特許第3287823号公報 実願平4−60084号(実開平6−20703号)のCD−ROM
しかしながら、特許文献1記載の従来技術によると、蹴込板の裏面側上端部に溢れ出した接着剤は、外観を損ねることにはならないとしても、前記5の固定工程において木ネジなどの固定具を蹴込板の裏面側上端部から打ち込む際の打ち込み箇所が固化した接着剤によって分かりにくくなり、固定具先端の位置決めが特定できないという新たな問題点が生じる。
また、蹴込板の裏面側上端部と蹴込板嵌合溝の後方の内壁面との接合面で接着することのみで蹴込板が蹴込板嵌合溝内に固定されるので、固定強度が不十分になる恐れがあると共に、該接合面以外の部分、たとえば蹴込板の表面側上端部と蹴込板嵌合溝の前方の内壁面との間には接着剤が入り込むことができないため隙間が形成され、歩行時にこれらが擦れて踏み鳴りが発生することがあった。
一方、特許文献2記載の従来技術によると、踏板裏面の蹴込板嵌合溝の後方に連続して凹み部が形成されるので、蹴込板の裏面側上端部を支えることができず、固定強度および安定性が不十分となる。また、この凹み部は固定具の固定箇所を目視し得るように十分な大きさに形成されるので、踏板の強度を低下させる。さらに、前記5の固定工程において固定具を蹴込板の裏面側上端部から打ち込む際の打ち込み角度が定まらず、図8を参照して既述したように、固定具が踏板を突き抜けてその先端が踏板表面側に突出したり、踏板の表面に膨れを生じさせるなどの不具合を生じさせることがあった。特にこの従来技術では凹み部内から釘打ちを行うため、釘打ち深さが浅くなってしまい、打ち込み角度が少しでもずれるとこのような不具合が生じる可能性が大きい。
したがって、本発明が課題とするところは、このような従来技術の不利欠点を解消して、階段の蹴込板を踏板裏面の蹴込板嵌合溝に嵌合した状態で接着剤により固定する際に、接着剤が該蹴込板嵌合溝から溢れ出すことを防止しつつ、十分な固定強度および安定性を与え、歩行時の踏み鳴りも生じないような新規な階段の施工方法を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、階段の踏板の裏面に形成される蹴込板嵌合溝に蹴込板を固定する階段の施工方法であって、厚さ5〜15mmの蹴込板の上端木口に長手方向に延長し、幅中心が蹴込板の上端木口において厚さ方向中心と一致し、蹴込板の厚さに対して1/3〜2/3の幅を有し、深さを0.5〜2mmとして形成された木口側凹溝に沿って、塗布量10〜35g/mで木口側凹溝の両側の上端突出部の上面には表裏面付近に接着剤非塗布部が各々1〜2mm残されるように接着剤を塗布する接着塗布工程と、蹴込板の上端部を蹴込板嵌合溝に嵌合させて、蹴込板の上端木口を蹴込板嵌合溝の溝底面に突き当てた状態とすることにより、木口側凹溝に塗布した前記接着剤を木口側凹溝以外の上端木口にまで行き渡らせると共に、該接着剤が蹴込板嵌合溝の内部において蹴込板の表裏両面側に回り込んだ状態とする蹴込板嵌合工程と、この状態から蹴込板を蹴込板嵌合溝の前方内壁面に押し付ける前方押し付け工程とを有してなることを特徴とする。
請求項1に係る本発明によれば、蹴込板の上端木口に木口側凹溝が長手方向に延長して形成されているので、蹴込板の上端木口に接着剤を塗布する際に、この木口側凹溝に沿って接着剤を直線的に塗布することができるので、接着剤の塗布作業を容易に行うことができる。接着剤は一般にチューブに入っているものを押し出しながら塗布していくが、このとき、接着剤の粘度が高い場合であっても、木口側凹溝の入口の2点または底面を含めた3点で接着剤が塗布面と接することになるので、接着剤が途切れることがなく、接着剤をムラなく均一に塗布することができる。
また、木口側凹溝に沿って塗布された接着剤は、蹴込板上端部を蹴込板嵌合溝の奥部に突き当たるまで挿入したときに、木口側凹溝の存在によって表面積が大きくされた蹴込板上端木口と蹴込板嵌合溝の溝底面との間に介在して、これらを接合固定するので、固定強度を増大させることができる。
さらに、接着剤の塗布量が誤って多くなってしまっても、過剰分の接着剤が木口側凹溝に収容されるので、蹴込板嵌合溝から蹴込板上端部の表裏面への溢れ出しを防止することができる。木口側凹溝に収容された接着剤は該凹溝内で固化するので、接着剤固化後の状態において木口側凹溝が空間として残されることはなく、しかも蹴込板上端木口と蹴込板嵌合溝の溝底面との間の接着面積が該木口側凹部の分だけ大きくなるので、強固な固定状態が得られる。
また、本発明によれば、木口側凹溝に沿って塗布された接着剤の一部が蹴込板上端部の表裏面側に溢れ出して、蹴込板上端部の表裏面と蹴込板嵌合溝の前後内壁面との間に入り込んで、これらを接合固定する。したがって、蹴込板上端部は三面で強固に蹴込板嵌合溝内に接着固定され、歩行時にこれらの間に摩擦が生じて踏み鳴りを発生させるようなことがない。
また、本発明によれば、蹴込板の上端部を蹴込板嵌合溝に嵌合させて、蹴込板の上端木口を蹴込板嵌合溝の溝底面に突き当てた状態とすることにより、木口側凹溝に塗布された接着剤を木口側凹溝以外の上端木口にまで広げて、該接着剤により、蹴込板の少なくとも木口側凹溝および木口側凹溝以外の上端木口を蹴込板嵌合溝の溝底面に接着固定する。したがって、請求項1に係る本発明について既述したように、蹴込板を蹴込板嵌合溝に強固に固定することができる効果が得られる。
また、本発明によれば、蹴込板の木口側凹溝に塗布した接着剤をさらに蹴込板上端部の表裏面側にまで回り込ませて、該接着剤により、蹴込板の上端部表面を蹴込板嵌合溝の前方内壁面に接着固定し、蹴込板の上端部裏面を蹴込板嵌合溝の後方内壁面に接着固定する。したがって、請求項1に係る本発明について既述したように、蹴込板を蹴込板嵌合溝により強固に固定することができる効果が得られる。
本発明が適用される階段構造の一例を示す斜視図である。 この階段に用いられる蹴込板について本発明の一実施形態を示す上部断面図である。 図2の蹴込板を用いて階段を施工する際の蹴込板固定作業を示す説明図である。図中、(a)〜(d)は工程順を示し、(a−1)は斜視図、(a−2)および(b)〜(d)は断面図である。 本発明の他実施形態による蹴込板の上部断面図である。 図4の蹴込板を用いた蹴込板固定作業によって得られる蹴込板の固定構造を示す断面図である。 図4の蹴込板を用いた蹴込板固定作業によって得られる蹴込板の固定構造の他例を示す断面図である。 従来技術による階段の蹴込板の固定構造において接着剤が蹴込板の表面側に溢れ出た状態を示す断面図である。 他の従来技術による階段の蹴込板の固定構造において蹴込板を踏板に固定する際の固定具の打ち込み角度がずれて踏板の表面に突き抜けた状態を示す断面図である。
図1は本発明が適用される階段構造の一例を示す斜視図であり、一対の側板1,1間に蹴込板2および踏板3が交互に掛け渡されて構成されている。階段構造には直線型、L字型、螺旋型など各種形状のものがあるが、本発明はいずれにも適用可能である。
図2は本発明の一実施形態による蹴込板2の上端部形状を示すものであり、上端木口に、長手方向(施工状態において幅方向)に延長する木口側凹溝4が形成されている。木口側凹溝4の断面形状は任意であり、図示の方形状のほか、U字形やV字形の断面形状であっても良い。また、木口側凹溝4は、その幅中心が、蹴込板2の上端木口において厚さ方向中心と一致するように形成されることが好ましい。
木口側凹溝4の幅は、蹴込板2の厚さに対して1/3〜2/3程度に形成されることが好ましい。木口側凹溝4の幅が蹴込板2の厚さの2/3を超えるような幅広のものであると、木口側凹溝4の両側に残される上端突出部21,21が相対的に薄くなり、踏板3の裏面に形成される蹴込板嵌合溝5(後述)の溝底面51に対する接着面積が小さくなって接着強度を低下させてしまう。また、蹴込板2の上端部を蹴込板嵌合溝5の溝底面51に向けて押し込んだときにその衝撃で薄い上端突出部21,21が破損する恐れがある。一方、木口側凹溝4の幅が蹴込板2の厚さの1/3に満たないような幅狭になると、上端木口に接着剤が塗布された蹴込板2を蹴込板嵌合溝5に嵌入させたときに、木口側凹溝4に接着剤が入り込みにくくなり、その多くが蹴込板嵌合溝5から溢れ出して蹴込板上端部の表裏面22,23に沿って流れ落ちてしまう恐れが生じ、また、木口側凹溝4への接着剤の入り込みが不十分になることから内部に空間が生じて強固な固定構造が得られなくなる。
木口側凹溝4の深さは、3mm以下であり、特に好ましくは0.5〜2mmである。木口側凹溝4が深すぎると、上端木口に塗布した接着剤のほとんどが木口側凹溝4の中に入り込んでしまい、蹴込板2を蹴込板嵌合溝5に嵌入させたときに接着剤が蹴込板嵌合溝4の前後内壁面にまで行き渡らなくなるため、蹴込板2と踏板3との固定が不十分になり、歩行時に非接着面同士で擦れ合って踏み鳴りを発生させる恐れがある。一方、木口側凹溝4が浅すぎると、蹴込板2の上端木口21に接着剤を塗布したときに、接着剤が木口側凹溝4の入口の2点と接触しにくくなり、接着剤が塗布面から離れやすくなって一定量を均等に塗布することが困難になる。さらに、蹴込板嵌合溝5内に蹴込板2の上端部を嵌合した際に、接着剤が木口側凹溝4内に納まりきらず、木口側凹溝4から溢れ出してしまう恐れがある。
木口側凹溝4の大きさ(幅、深さ)については上記を参酌して決定する。一例として、厚さ9mmの蹴込板2の場合、開口幅3mmおよび深さ1mmである断面長方形状の木口側凹溝4が形成される。
図2の蹴込板2を用いて階段を施工する際の蹴込板固定作業について、図3を参照して説明する。
まず、図3(a−1)および図3(a−2)に示すように、蹴込板2の上端木口に形成される木口側凹溝4に沿って接着剤6を接着剤チューブ7から押し出しながら塗布していく。接着剤6は特に限定されないが、一般にウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤などが用いられる。
接着剤6は木口側凹溝4に沿って塗布されるが、このとき、木口側凹溝4の両側の上端突出部21,21の上面には表裏面付近に接着剤非塗布部が各々1〜2mm程度残されるように塗布すると良い。このようにすることにより、施工の際に蹴込板を多少傾けても接着剤6が蹴込板2の表裏面に液だれしてくることを防ぐと共に、接着剤6の適正塗布量の目安とすることができる。これを実現するため、たとえば、断面長方形状の木口側凹溝4が蹴込板2の厚さの1/3程度の幅で形成される場合には、接着剤6が蹴込板2の厚さ中心を幅中心として該厚さの2/3程度の幅で塗布されるように、接着剤チューブ7の先端をカットしたものを使用すると良い。より具体的な例として、既述したように厚さ9mmの蹴込板2の上端木口に開口幅3mmで断面長方形状の木口側凹溝4が形成されている場合には、塗布される接着剤6が直径6mm程度となるように、接着剤チューブ7の先端をカットしたものを使用すると良い。
また、接着剤6の塗布量は、木口側凹溝4の大きさにもよるが、幅750〜1000mm、厚さ5〜15mmの蹴込板2に対して10〜35g/mとすると良い。本実施例では、長さ(幅)900mm、厚さ9mmの蹴込板2の場合、その上端木口に21.7g/mの接着剤塗布量を採用した。このように蹴込板2の上端木口に対する接着剤6の塗布面と塗布量を調節することで、適正な接着剤塗布状態が得られ、接着剤6の塗布量が多すぎることによって接着剤6が蹴込板嵌合溝5から溢れ出すことや、接着剤6の塗布量が少なすぎることによって固定強度が低下したり踏み鳴りを起こしたりする不都合を防止することができる。
次に、図3(b)に示すように、上端木口に接着剤6が塗布された蹴込板2の上端部を、踏板3の裏面32に形成された蹴込板嵌合溝5に嵌合させていく。なお、図示のように、蹴込板嵌合溝5は、蹴込板2の厚さより若干大きい溝幅寸法を有するように形成される。
そして、図3(c)に示すように、蹴込板2の上端突出部21,21が蹴込板嵌合溝5の溝底面51に突き当たった状態になると、蹴込板2の上端突出部21,21の上面に塗布されている接着剤6が押し潰され、木口側凹溝4内に隙間なく入り込むと共に、蹴込板嵌合溝5の奥部で拡がって、蹴込板2の上端突出部21,21を含めた上端木口全面と溝底面51との間に行き渡るだけでなく、さらに蹴込板嵌合溝5の内部において蹴込板2の表裏両面22,23側にも回り込んで蹴込板嵌合溝5の前方内壁面52および後方内壁面53との間に入り込む。
この状態において、図3(d)に示すように、蹴込板2を蹴込板嵌合溝5の前方内壁面52に押し付ける。これにより、蹴込板2の表面22側上端部が蹴込板嵌合溝5の前方内壁面52に対してこれらの間に介在する接着剤6によって接着固定され、しかも蹴込板2の木口面(上端突出部21,21の上面)と蹴込板嵌合溝5の溝底面51との間、および蹴込板2の裏面23側上端部と蹴込板嵌合溝5の後方内壁面53との間もそれぞれ介在する接着剤6によって接着固定されるので、蹴込板2の上端部が3面で蹴込板嵌合溝5に対して接着固定され、きわめて強固な固定構造が得られる。さらに、蹴込板2と蹴込板嵌合溝5との間にはすべて接着剤6が介在されることになり、これらが擦れ合うことがないので、歩行時に踏み鳴りを起こすことがない。万一過剰に塗布した分の接着剤6が蹴込板嵌合溝5から溢れ出すことがあっても、比較的大きな隙間が形成される後方側から蹴込板2の裏面23側を伝って流れ落ちることとなり、この部分で接着剤が固化しても表面側からは隠れて見えないので、美観を損なうことはない。
図4(a)は本発明の他実施形態による蹴込板2Aの上端部形状を示すものであり、実施例1の蹴込板2と同様に、長手方向に延長する木口側凹溝4が上端木口に形成されていると共に、さらに、長手方向に延長する裏面側凹溝8が上端近くの裏面23に形成されている。木口側凹溝4の構成、形状、寸法などについては実施例1と同様であり、接着剤6の塗布および固化の際にこの木口側凹溝4が発揮する作用効果などについても実施例1と同様であるので、ここでは説明を省略する。
裏面側凹溝8は、蹴込板2Aの上端部が踏板裏面32の蹴込板嵌合溝5に嵌合・固定された状態においてその上端が踏板裏面22と略面一またはそれより若干低くなる位置に形成される。このような位置に裏面側凹溝8が形成されることにより、固定具9(図5)を打ち込む際に固定具9の先端が蹴込板嵌合溝5に入り込むことが防止され、固定具9が正しい角度に打ち込まれることになるので、従来技術による場合のように固定具9が踏板3を突き抜けてその先端が踏板表面31から突出したり、踏板表面31に膨れを生じさせるなどの不都合を生じさせることがなく、また、蹴込板嵌合溝5の入口の破損も防止することができる。
裏面側凹溝8の断面形状は固定具9の打ち込みを所定の位置と角度で行うことを可能にするものであれば特に限定されないが、好ましくは、図4(a)に示すような方形の断面形状や、蹴込板2Aの裏面23に対して略直角(上端木口21と略平行)である上辺と該上辺の奥端から裏面23に至る斜辺とを有する直角三角形の断面形状である(図4(b))。後者の場合、斜辺の傾斜角度は固定具9の所定の打ち込み角度と略同一となるように形成することが好ましい。また、その大きさは上述の作用効果が発揮できるものであれば特に限定的ではないが、一般に溝幅については3〜10mm程度で形成されることが好ましく、また、その深さについては、深すぎると蹴込板2Aの強度を低下させるので一般に2mm以下、好ましくは固定具9の先端が引っ掛かってしっかりと保持される程度の深さとして0.5〜1mm程度とすると良い。一例として、本実施例では、開口幅3mm、深さ1mmの断面方形状の裏面側凹溝8が、厚さ9mmの蹴込板2Aの上端から12mm(蹴込板嵌合溝5の深さと同一)を残す位置に形成されている。
なお、蹴込板2AとしてMDFを使用した場合は、蹴込板裏面23側の硬質層を削って裏面側凹溝8を形成すると良い。MDFは、木質繊維を密にして接着剤により固化させた板状体であり、表裏面に高密度の硬質層が形成される。すなわち、MDFの平均密度は0.7〜0.9g/cm程度であるが、表裏面に0.9〜1.1g/cm程度の密度を有する硬質層が形成され、中間層は0.55〜0.65g/cm程度の軟質層として形成される。高密度の硬質層は固定具9の先端が入りにくいため位置決めが困難となり、また、その表面で滑りやすくなることから、MDFの硬質層を削って比較的軟質な層が溝底面に露出するように裏面側凹溝8を形成することが好ましく、このようにすれば、固定具9の打ち込みが容易となり、滑りを生ずることなく所定の位置で打ち込みを行うことができる。また、固定具9の頭部は硬質層の部分で引っ掛かることになるので、しっかり保持され、裏面側凹溝8の入口角部を破損させることもない。一般に、表面(蹴込板裏面23)から1〜2mm程度の深さまで切り欠いて裏面側凹溝8を形成すれば、硬質層を貫通して、該裏面側凹溝8の溝底面に比較的軟質な層(0.7〜0.9g/cm程度の密度を有する層)が現れ、上記の作用効果を発揮することができる。
以下、図4の蹴込板2Aを用いて図1の階段を施工する際の蹴込板固定作業について説明するが、蹴込板2Aの上端木口に接着剤を塗布してから蹴込板2Aの上端部を蹴込板嵌合溝5の溝底面51に押し付けると共にその表面22を蹴込板嵌合溝5の前方内壁面52に押し付けて接着固定するまでの工程は、実施例1において図3を参照して既述したと同様であるので、説明を省略する。
このようにして接着固定した後、裏面側凹溝8から固定具9を斜め上方に向けて打ち込んで、蹴込板2Aを踏板3に対して固定する(図5)。前述のように、裏面側凹溝8が固定具9の打ち込み箇所として作業者に明示されるので、位置ずれを生ずることがない。また、固定具9が蹴込板2Aの裏面23に沿って滑ることもないので、所定の角度で打ち込むことができ、固定具9が踏板3を突き抜けてその先端が踏板表面31から突出したり、踏板表面31に膨れを生じさせるなどの不都合を生じない。したがって、固定具9の打ち込み作業を正確且つ容易に行うことができる。
このようにして得られる蹴込板2Aの固定構造においては、実施例1において既述したように、蹴込板2Aの上端部が蹴込板嵌合溝5に対して3面で接着固定されることに加えて、所定位置から所定角度で打ち込まれる固定具9によって蹴込板2Aが踏板3に対して固定されることになるので、きわめて強固な固定構造が得られ、歩行時の踏み鳴りも防止される。
なお、実施例1において既述したように、接着剤6は蹴込板嵌合溝5から溢れ出ないように塗布量を調節して蹴込板2Aの上端木口に塗布されるのが原則であり、したがって、裏面側凹部8が接着剤6で塞がれることがないので、上述したように固定具9の打ち込み作業を正確且つ容易に行うことができる効果が発揮される。一方、固定具9の打ち込みによって蹴込板2Aの上端木口21および表面22が蹴込板嵌合溝5の溝底面51および前方内壁面52にそれぞれ圧接したときに、接着剤6が蹴込板嵌合溝5の後方から溢れ出して蹴込板2Aの裏面23を伝って流れ落ちることも起こり得るが、この場合は、その接着剤6を裏面側凹溝8に入り込ませてそれ以上の流下を防止すると共に、裏面側凹溝8内で硬化した接着剤が固定具9の頭部をしっかり保持固定する役割を果たすことになるので、さらに強固で安定した固定構造が得られる(図6)。この場合も、固定具9を打ち込む時点では裏面側凹部8が接着剤6で塞がれていないので、固定具9の打ち込み作業を正確且つ容易に行うことができる効果が損なわれることはない。
1 側板
2,2A 蹴込板
21 上端突出部ないし上端木口
22 表面
23 裏面
3 踏板
31 表面
32 裏面
4 木口側凹溝
5 蹴込板嵌合溝
51 溝底面
52 前方内壁面
53 後方内壁面
6 接着剤
7 接着剤チューブ
8 裏面側凹溝
9 固定具

Claims (1)

  1. 階段の踏板の裏面に形成される蹴込板嵌合溝に蹴込板を固定する階段の施工方法であって、厚さ5〜15mmの蹴込板の上端木口に長手方向に延長し、幅中心が蹴込板の上端木口において厚さ方向中心と一致し、蹴込板の厚さに対して1/3〜2/3の幅を有し、深さを0.5〜2mmとして形成された木口側凹溝に沿って、塗布量10〜35g/mで木口側凹溝の両側の上端突出部の上面には表裏面付近に接着剤非塗布部が各々1〜2mm残されるように接着剤を塗布する接着塗布工程と、蹴込板の上端部を蹴込板嵌合溝に嵌合させて、蹴込板の上端木口を蹴込板嵌合溝の溝底面に突き当てた状態とすることにより、木口側凹溝に塗布した前記接着剤を木口側凹溝以外の上端木口にまで行き渡らせると共に、該接着剤が蹴込板嵌合溝の内部において蹴込板の表裏両面側に回り込んだ状態とする蹴込板嵌合工程と、この状態から蹴込板を蹴込板嵌合溝の前方内壁面に押し付ける前方押し付け工程とを有してなることを特徴とする、階段の施工方法。
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