JP4777062B2 - ピンニング工法 - Google Patents

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本発明は、建物外壁および内壁等のタイル仕上げの壁体に生じた「浮き」を補修するピンニング工法に関するものである。
従来、この種のピンニング工法として、壁体に穿孔した挿填穴に、平頭の頭部を有すると共に、ネック部にOリングを装着したアンカーピンを挿填するものが知られている(特許文献1参照)。このピンニング工法では、先ず、補助ビット付きのビットを装着した穿孔工具を用い、タイルを貫通し、コンクリート躯体を所定の深さまで挿填穴を穿孔すると同時に、タイルに座ぐり穴を形成する。そして、この挿填穴に接着剤を注入し、その後、挿填穴にアンカーピンを挿填する。このとき、Oリングは、座ぐり穴の内周面に密接して接着剤の流出を防ぎ、ピン頭部は、その表面とタイルの表面とが面一になるよう座ぐり穴に収容される。ピン頭部は、タイルの表面と同色に着色されており、補修箇所は目立ち難いものとなる。
特開2001−248314号公報
しかし、このような従来のピンニング工法では、寸法公差を考慮し、座ぐり穴の径がピン頭部の径より一回り大きく形成される。このため、座ぐり穴とピン頭部との間にリング状の僅かな間隙が生ずる。このリング状の間隙は光線の角度によりリング状の影となって視認され、例え、ピン頭部とタイルとを同色に着色しても、見栄えが悪くなる問題があった。
本発明は、タイル表面の補修箇所を目立たないように仕上げることができるピンニング工法を提供することを課題とする。
本発明のピンニング工法は、タイルを貫通し、躯体を所定の深さまで穿孔して挿填穴を形成する穿孔工程と、挿填穴の開口部に、アンカーピンのピン頭部が収容される座ぐり部を形成する座ぐり部形成工程と、タイルの表面と同色に着色されると共にアンカーピンの挿填時に溢れ出る量の接着剤を、挿填穴に注入する接着剤注入工程と、ピン頭部の表面がタイルの表面と同色に着色されたアンカーピンを、ピン頭部の表面とタイルの表面とが面一になるように挿填穴に挿填する挿填工程と、接着剤の硬化を待って、座ぐり部とピン頭部との間隙から溢れ出た接着剤を、タイルの表面に切削工具をガイドさせるようにして削ぎ取る余剰接着剤除去工程と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の他のピンニング工法は、タイルを貫通し、躯体を所定の深さまで穿孔して挿填穴を形成する穿孔工程と、挿填穴の開口部に、注入口付アンカーピンのピン頭部が収容され、且つ化粧キャップが装着される座ぐり穴を形成する座ぐり穴形成工程と、ピン頭部が座ぐり穴に没入するよう挿填穴に注入口付アンカーピンを挿填すると共に、注入口付アンカーピンのアンカリングを行う挿填工程と、タイルの表面と同色に着色された接着剤をピン頭部の注入口から挿填穴に注入すると共に、化粧キャップのキャッピング時に溢れ出る量の接着剤を座ぐり穴に注入する接着剤注入工程と、表面がタイルの表面と同色に着色された化粧キャップを、化粧キャップの表面とタイルの表面とが面一になるよう座ぐり穴に装着するキャッピング工程と、接着剤の硬化を待って、座ぐり穴と化粧キャップとの間隙から溢れ出た接着剤を、タイルの表面に切削工具をガイドさせるようにして削ぎ取る余剰接着剤除去工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、ピン頭部と座ぐり部との間隙、および化粧キャップと座ぐり穴と間隙から接着剤が溢れ出るため、これらの間隙は、タイルと同色の接着剤で満たされる。そして、この接着剤を、硬化後にタイルの表面をガイドとして切削工具で削ぎ取ることで、接着剤はタイルの表面と面一になると共に、タイルと同様の光沢となる。したがって、上記の間隙に影やスジが生ずることがなく、補修箇所を、極めて目立ち難いものとすることができる。なお、接着剤としては、硬化後に適度なやわらかさと耐候性とを有するものが好ましく、例えば、エポキシ系接着剤や無機接着剤等を用いることが好ましい。また、切削工具の切断刃は直刃が好ましく、例えば、替刃式カッターナイフの他、ノミやカンナ等を用いてもよい。
この場合、挿填工程では、座ぐり部を跨ぐヘラを用いて、ピン頭部の表面とタイルの表面とが面一になるようにアンカーピンを挿填することが、好ましい。
また、この場合、キャッピング工程では、座ぐり穴を跨ぐヘラを用いて、化粧キャップの表面とタイルの表面とが面一になるように化粧キャップを装着することが、好ましい。
この構成によれば、アンカーピンの挿填の最終段階で、ピン頭部の表面にヘラの先端を押し当てながらアンカーピンを挿填穴に押し込んでゆくと、ヘラの先端はタイルの表面に当接する。これにより、押し込んだピン頭部の表面はタイルの表面と面一になる。このため、ピン頭部の表面とタイルの表面とを精度良く且つ簡単に面一にすることができる。同様に、化粧キャップの表面にヘラの先端を押し当てながら化粧キャップを座ぐり穴に押し込んでゆくと、ヘラの先端はタイルの表面に当接する。これにより、押し込んだ化粧キャップの表面はタイルの表面と面一になる。このため、化粧キャップの表面とタイルの表面とを精度良く且つ簡単に面一にすることができる。
この場合、化粧キャップは、注入口に嵌合する嵌合軸部を有していることが、好ましい。
この構成によれば、化粧キャップが注入口に嵌合固定されるため、化粧キャップを強固に装着することができる。
この場合、余剰接着剤除去工程後、挿填穴を穿孔したタイルの表面全域にクリアー塗料を塗布する表面仕上げ工程を、更に備えたことが、好ましい。
この構成によれば、タイルの表面と接着剤の削ぎ取り面との光沢を均一にすることができる。これにより、例え、ピン頭部と座ぐり部との間および化粧キャップと座ぐり穴との間の間隙に充填した接着剤と、タイルの表面とにわずかな光沢の相違があったとしても、補修箇所をより目立ち難いものとすることができる。なお、クリアー塗料は、タイルの表面に合わせて、光沢、半光沢またはツヤ消し等のクリアー塗料を用いることができる。
以上のように、本発明によれば、座ぐり部とピン頭部との間隙、または座ぐり穴と化粧キャップとの間隙が、タイル表面と同色の接着剤で満たされ、且つタイルと面一に仕上げられるため、補修箇所を一見判別不可能な程度に仕上げることができる。
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係るピンニング工法について説明する。このピンニング工法は、「浮き」が生じた建物外壁および内壁等の壁体の要補修箇所に穿孔した挿填穴に、その開口部から接着剤を注入して「浮き」に行き渡らせ、その後、アンカーピンを挿填すると共に、溢れ出た接着剤を除去して壁体を補修するものである。以下、建物の外壁に施工する場合について説明する。
建物の外壁1は、図示左側から、下地となるコンクリート躯体2と、その表面に塗着させたモルタル3と、これに貼り付けた平滑なタイル4とで、構成されている。要補修箇所となる浮き部5は、コンクリート躯体2とモルタル3との間および/またはモルタル3とタイル4との間に生ずるが、以下、コンクリート躯体2とモルタル3との間に浮き部が生じているものとして説明を進める。
ピンニング工法に使用されるアンカーピン10は、図1に示すように、ステンレスなどで構成されたいわゆる全ねじピンであり、後述する座ぐり部16に収容される皿状のピン頭部11と、ピン頭部11と一体に形成された棒状のピン胴部12とを備えている。挿填穴15に挿填されたアンカーピン10は、そのピン頭部11が座ぐり部16の部分に位置し、ピン胴部12が挿填穴15の最奥部まで達するよう形成されている。
ピン胴部12には、引抜き強度を高めるべくその外周面に雄ねじが刻設されており、挿填穴15の径よりも幾分小径に形成されている。ピン頭部11は、その表面である上端面がタイル4の表面に合わせて、焼付け塗装などにより仕上げ処理されている。なお、ピン頭部11の表面は平坦であって、工具溝等は形成されていない。
このアンカーピン10を使用するピンニング工法は、外壁1を打鍵して挿填穴15の穿孔位置(浮き部5)を決定する打鍵工程と、その穿孔位置の外壁1に挿填穴15を穿孔する穿孔工程と、挿填穴15の開口部に座ぐり部16を形成する座ぐり部形成工程と、穿孔した挿填穴15に接着剤Sを注入する接着剤注入工程と、接着剤Sが注入された挿填穴15にアンカーピン10を挿填するピン挿填工程と、溢れ出た接着剤Sの余剰部分を削ぎ取る余剰接着剤除去工程と、穿孔したタイル4の表面全域にクリアー塗装を行う表面仕上げ工程と、を有している。
打鍵工程では、ハンマー等を用いて外壁1を打鍵し、その打鍵音に基づいて外壁1の要補修箇所、すなわちコンクリート躯体2とモルタル3との浮き部5を探査し、挿填穴15の穿孔位置を決定する。これに続いて、穿孔位置に適宜マーキングが行われる。
穿孔工程では、ダイヤモンドコアドリル等の穿孔工具21を使用して、マーキングした外壁1の各穿孔位置を穿孔する。すなわち、タイル4を貫通するようにしてコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔し、挿填穴15を形成する。この際、外壁1に対し穿孔は直角に行い、コンクリート躯体2への穿孔深さは30mm以上とする。また、挿填穴15は、アンカーピン10が遊嵌できるように一回り大きな径(1mm〜2mm太径)を形成する。その後、コンクリート躯体2の切粉等が挿填穴15内に残留しているため、切粉等をブロア等で噴気、または真空集塵機等で吸引、清掃し除去する。もっとも、湿式ドリルを用いれば、冷却剤と共に切粉が流出するため、この除去工程は、省略される。
座ぐり部形成工程では、電動ドリル22に装着した球形の研削ビット23を、挿填穴15の開口部に押し当て、挿填穴15をガイドとしながら深さ方向に研削し、半球状の座ぐり部16を形成する。このとき、ピン頭部11の寸法公差を考慮して、ピン頭部11が適宜収容できるようピン頭部11の径よりも僅かに大径となる研削ビット23を用いて研削する。なお、座ぐり部16を、円錐状の研削ビットを用いて研削してもよい。
接着剤注入工程では、ポンプ形式の接着剤注入器25を使用する。この接着剤注入器25は、注入器本体26とこれに装着される注入ノズル27とで構成されており、注入ノズル27の軸心には、進退自在に保持された注入針28を有している。また、この接着剤注入器25に導入される接着剤Sは、タイル4の表面と硬化後の接着剤Sとが同色となるように考慮して、接着剤注入器25への導入前に着色調整される。これにより、硬化後の接着剤Sは、タイル4の表面と同色とすることができる。なお、接着剤Sは、後述する余剰接着剤除去工程において、切削がし易いよう硬化状態でも適度なやわらかさを有し、また、耐候性を有するものが好ましい。このため、本実施形態ではエポキシ系接着剤を用いているが、これに限らず、無機接着剤を用いてもよい。
このように構成された接着剤注入器25および接着剤Sを使用して、挿填穴15内に注入ノズル27を挿入しポンピングにより接着剤Sを注入すると、注入針28が前進して挿填穴15の最深部に達する。この状態から、さらにポンピングを行うと、接着剤Sは挿填穴15の最深部から徐々に満たされてゆくと共に、コンクリート躯体2とモルタル3との間の浮き部5に注入されてゆく。このとき、挿填穴15に注入する接着剤Sの注入量は、後述するピン挿填工程において、アンカーピン10挿填時にタイル4の表面から溢れ出る量とする。より具体的には、アンカーピン10の容積は、注入ノズル27の挿入部容積と引き抜き時に注入ノズル27に付着した接着剤Sの容積とを合わせた容積よりも大きくなるよう構成されているため、挿填穴15を満たす量の接着剤Sを注入することで、タイル4表面から接着剤Sが溢れ出るようになっている。
ピン挿填工程では、初期挿填時において手作業で、接着剤Sが注入された挿填穴15の開口部から、アンカーピン10を挿填してゆく。アンカーピン10を挿填してゆくと、これに伴い、接着剤Sは、ピン胴部12となじむように隙間に流動し、さらにその一部は挿填穴15の開口部に向かって押し出されていく。接着剤Sが挿填穴15の開口部から溢れ出る直前で、今度はヘラ29を使用し、アンカーピン10のピン頭部11を押し込むようにしてこれを挿填する。つまり、ヘラ29の先端をピン頭部11の表面に突き当てて押し込んでゆくと、ヘラ29の先端はタイル4の表面に突き当たって規制される。ピン頭部11は、ピン頭部11の表面とタイル4の表面と面一の状態で座ぐり部16に収容される。またこのとき、余剰分の接着剤Sが、ピン頭部11と座ぐり部16との間隙から押し出されるようにして溢れ出る。これにより、ヘラ29を用いることで、精度良く且つ簡単にピン頭部11の表面とタイル4の表面とを面一にすることができ、且つピン頭部11と座ぐり部16との間隙にも接着剤Sが充填される。その後、接着剤Sが硬化するまで養生することで、アンカーピン10は、接着剤Sを介して、コンクリート躯体2に十分な引抜き強度を持ってアンカリングされる。
余剰接着剤除去工程では、切削工具として替刃式カッター30を使用し、溢れ出た硬化後の接着剤Sを削ぎ取る。すなわち、替刃式カッター30の刃線を、タイル4の表面にあてがって位置を規制しておいて、タイル4表面を滑らせるようにして接着剤Sの余剰分を削ぎ取るようにする。これにより、接着剤Sの溢れ出た部分のみをタイル4表面と面一に、且つ精度良く削ぎ取ることができ、補修部分のピン頭部11および接着剤Sは、タイル4表面と面一になる。なお、接着剤Sとしてエポキシ系接着剤を用いているため、削ぎ取り易く、ワンアクションでの切削が可能となり、カット筋が生ずることはない。なお、替刃式カッター30の切削刃は直刃が好ましく、例えば、ノミやカンナ等を用いてもよい。
表面仕上げ工程では、タイル4の表面と接着剤Sとの光沢の違いを統一するため、クリアー塗料31をタイル4の表面全域にハケ塗りする。ここで、タイル4表面と接着剤Sとは面一且つ平滑であるため、重ね塗りの必要はない。これにより、塗装後のタイル4の補修箇所は、全体が均一な光沢となり、目立ち難いものとなる。なお、クリアー塗料31には、光沢、半光沢およびツヤ消し等があり、タイル4の表面の仕上げ状態に合わせて選択するようにする。また、接着剤Sの光沢とタイル4表面の光沢とに差異がなければ、この工程を省いてもよい。
以上のように、本実施形態のピンニング工法によれば、ピン頭部11と座ぐり部16との間の間隙に、タイル4表面と同色の接着剤Sが満たされ、また、溢れ出た余剰部分を、タイル4表面をガイドとしながら替刃式カッター30で削ぎ取ることで、補修後のタイル4表面は、見栄えのよいものとすることができる。
次に、図6ないし8を参照して、第2実施形態に係るピンニング工法について説明する。第2実施形態のピンニング工法は、第1実施形態のアンカーピン10に代えて、注入口付アンカーピン40を用いている。
この注入口付アンカーピン40は、図5に示すように、後述する座ぐり穴52の開口部の径よりも小径に形成され、軸心に注入口45を有するフランジ状のピン頭部41と、ピン頭部41と一体に形成される筒状のアンカー本体42と、アンカー本体42の先端部を押し拡げるコーン43と、注入口45に嵌合する化粧キャップ44と、で構成されている。
アンカー本体42は、その軸心にピン頭部41の注入口45に連なる接着剤流路46を有すると共に、その先端部には内側に凸となる複数の環状凸部47が設けられ、その基端部にはコーン43を抜止め状態に保持する抜止め部48が設けられている。このため、コーン43がハンマー等により打ち込まれて前進すると、コーン43は環状凸部47に臨んでアンカー本体42の先端部を押し開く。また、アンカー本体42には、先端から基端部に延びる2本の割りスリット49が設けられ、接着剤注入時には、ここから接着剤Sが挿填穴15へ流出する。
化粧キャップ44は、円板状のキャップヘッド50と、注入口45に嵌合する嵌合軸部51とから構成されており、キャップヘッド50の表面は、焼付け塗装等により、タイル4の表面と同色に着色されている。
上記の注入口付アンカーピン40を使用するピンニング工法は、外壁1を打鍵して挿填穴15の穿孔位置(浮き部5)を決定する打鍵工程と、その穿孔位置の外壁1に挿填穴15を穿孔する穿孔工程と、挿填穴15の開口部に座ぐり穴52を形成する座ぐり穴形成工程と、穿孔した挿填穴に注入口付アンカーピン40を挿填し、これを挿填穴15にアンカリングするピン挿填工程と、挿填した注入口付アンカーピン40の注入口45から挿填穴15に接着剤Sを注入する接着剤注入工程と、注入口45を嵌合する化粧キャップ44をキャッピングするキャッピング工程と、溢れ出た接着剤Sの余剰部分を削ぎ取る余剰接着剤除去工程と、タイル4の全域にクリアー塗装を行う表面仕上げ工程と、を有している。なお、重複した記載を避けるため、第1実施形態と異なる工程についてのみ詳細に記載する。
この場合の穿孔工程では、補助ビット付きの研削ビット23を装着した穿孔工具21を使用し、挿填穴15と座ぐり穴52とを同時に穿孔する。
ピン挿填工程では、注入口付アンカーピン40を、そのピン頭部11が座ぐり穴52の内部に没入するよう挿填する。次に、専用のポンチを用いて、コーン43をハンマー等で打ち込んで、アンカー本体42の先端部を拡開させ、注入口付アンカーピン40を物理的にアンカリングする。
接着剤注入工程では、上記のポンプ形式の接着剤注入器25を使用して、タイル4の表面と同色となるよう着色調整した上記の接着剤Sを、注入口付アンカーピン40の注入口45を介して注入する。接着剤注入器25を注入口45に押し当てポンピングすると、接着剤Sは接着剤流路46を通り、2本の割りスリット49を介して挿填穴15に満たされる。また、注入ノズル27を引き抜くときに座ぐり穴52部分にも少量の接着剤Sを注入しておく。このとき、座ぐり穴52に注入する接着剤Sの注入量は、後述する化粧キャップ44のキャッピング時に、キャップヘッド50と座ぐり穴52の間隙から溢れ出る量とする。
キャッピング工程では、時間をおくことなく、接着剤注入工程の直後に行われ、化粧キャップ44の嵌合軸部51を注入口45に位置合わせし、化粧キャップ44を押し入れるようにする。このとき、座ぐり穴52の開口部から接着剤Sが溢れ出る直前で、今度はヘラ29を使用し、化粧キャップ44のキャップヘッド50を押し込むようにしてこれを装着する。このため、キャップヘッド50は、キャップヘッド50の表面とタイル4の表面と面一の状態で座ぐり穴52に収容される。またこのとき、余剰分の接着剤Sが、キャップヘッド50と座ぐり穴52との間隙から押し出されるようにして溢れ出て、キャップヘッド50と座ぐり穴52との間隙に接着剤Sが充填される。また、化粧キャップ44の嵌合軸部51は、注入口45に嵌合することで固定されるため、化粧キャップ44を強固に装着することができる。その後、接着剤Sが硬化するまで養生することで、注入口付アンカーピン40は、接着剤Sによって、コンクリート躯体2に十分な引抜き強度を持って化学的にアンカリングされる。
余剰接着剤除去工程では、替刃式カッター30の刃線をタイル4の表面にあてがって、タイル4の表面上を滑らせるようにして接着剤Sの余剰分を削ぎ取る。これにより、接着剤Sとタイル4表面とは面一となり、補修部分の化粧キャップ44および接着剤Sも面一となる。
以上の構成においても、化粧キャップ44のキャップヘッド50と座ぐり穴52との間の間隙に、タイル4表面と同色の接着剤Sが満たされ、また、溢れ出た余剰分を、タイル4表面をガイドとしながら替刃式カッター30で削ぎ取ることができるため、補修部分のタイル4表面は、見栄えのよいものとすることができる。
本実施形態に係るピンニング工法に用いられるアンカーピンの平面図である。 本実施形態に係るピンニング工法の序盤の工程を示した図である。 本実施形態に係るピンニング工法の中盤の工程を示した図である。 本実施形態に係るピンニング工法の終盤の工程を示した図である。 第2実施形態に係るピンニング工法に用いられる注入口付アンカーピンの部分裁断平面図である。 第2実施形態に係るピンニング工法の序盤の工程を示した図である。 第2実施形態に係るピンニング工法の中盤の工程を示した図である。 第2実施形態に係るピンニング工法の終盤の工程を示した図である。
符号の説明
1…外壁 2…コンクリート躯体 4…タイル 10…アンカーピン 11…ピン頭部 15…挿填穴 16…座ぐり部 29…ヘラ 30…替刃式カッター 31…クリアー塗料 40…注入口付アンカーピン 41…ピン頭部 44…化粧キャップ 45…注入口 46…接着剤流路 51…嵌合軸部 52…座ぐり穴 S…接着剤

Claims (6)

  1. タイルを貫通し、躯体を所定の深さまで穿孔して挿填穴を形成する穿孔工程と、
    前記挿填穴の開口部に、アンカーピンのピン頭部が収容される座ぐり部を形成する座ぐり部形成工程と、
    前記タイルの表面と同色に着色されると共に前記アンカーピンの挿填時に溢れ出る量の接着剤を、前記挿填穴に注入する接着剤注入工程と、
    前記ピン頭部の表面が前記タイルの表面と同色に着色された前記アンカーピンを、前記ピン頭部の表面と前記タイルの表面とが面一になるように前記挿填穴に挿填する挿填工程と、
    前記接着剤の硬化を待って、前記座ぐり部と前記ピン頭部との間隙から溢れ出た前記接着剤を、前記タイルの表面に切削工具をガイドさせるようにして削ぎ取る余剰接着剤除去工程と、
    を備えたことを特徴とするピンニング工法。
  2. 前記挿填工程では、前記座ぐり部を跨ぐヘラを用いて、前記ピン頭部の表面と前記タイルの表面とが面一になるように前記アンカーピンを挿填することを特徴とする請求項1に記載のピンニング工法。
  3. タイルを貫通し、躯体を所定の深さまで穿孔して挿填穴を形成する穿孔工程と、
    前記挿填穴の開口部に、注入口付アンカーピンのピン頭部が収容され、且つ化粧キャップが装着される座ぐり穴を形成する座ぐり穴形成工程と、
    前記ピン頭部が前記座ぐり穴に没入するよう前記挿填穴に前記注入口付アンカーピンを挿填すると共に、前記注入口付アンカーピンのアンカリングを行う挿填工程と、
    前記タイルの表面と同色に着色された接着剤を前記ピン頭部の注入口から前記挿填穴に注入すると共に、前記化粧キャップのキャッピング時に溢れ出る量の前記接着剤を前記座ぐり穴に注入する接着剤注入工程と、
    表面が前記タイルの表面と同色に着色された前記化粧キャップを、前記化粧キャップの表面と前記タイルの表面とが面一になるよう前記座ぐり穴に装着するキャッピング工程と、
    前記接着剤の硬化を待って、前記座ぐり穴と前記化粧キャップとの間隙から溢れ出た前記接着剤を、前記タイルの表面に切削工具をガイドさせるようにして削ぎ取る余剰接着剤除去工程と、
    を備えたことを特徴とするピンニング工法。
  4. 前記キャッピング工程では、前記座ぐり穴を跨ぐヘラを用いて、前記化粧キャップの表面と前記タイルの表面とが面一になるように前記化粧キャップを装着することを特徴とする請求項3に記載のピンニング工法。
  5. 前記化粧キャップは、前記注入口に嵌合する嵌合軸部を有していることを特徴とする請求項3または4に記載のピンニング工法。
  6. 前記余剰接着剤除去工程後、前記挿填穴を穿孔した前記タイルの表面全域にクリアー塗料を塗布する表面仕上げ工程を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のピンニング工法。
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