JP3636427B2 - 躯体補修方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、躯体補修方法に関し、特にコンクリートなどが使用された建築構造物のクラック部、ジョイント部、コールドジョイント部等の不連続部分からの漏水を抑制したり、コンクリート表面の防水又は耐水性を高める複合樹脂組成物を用いた止水防水保護工法などの躯体補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、セメントに、砂と砂利などの骨材と、水とを適当な割合で加えて練り混ぜたコンクリートを用いた建築構造物が広く建設されている。例えば、ビルディング、橋梁等の地表構造物や、トンネル、導水管、エレベーターピット等の地下埋設構造物がある。このような建築構造物は、型枠内に流し込まれた生コンクリート(打設工事)が水和反応等によって硬化することで形作られている。
【0003】
そして、このコンクリートの打設が、各部位毎に時間的に連続して行われることで、建築構造物全体が順次造られる。よって、打設された隣接する二つの部位のコンクリート同士が十分に接合していない、所謂、コールドジョイントが発生する場合がある。また、コンクリートは、セメントが水と反応する水和反応と、水酸化カルシウムが炭酸化することで固まる。よって、セメントの固化の際の収縮によるクラック(微小亀裂)が発生することもある。
【0004】
このようなクラックや、コールドジョイントが、鉄道(又は車道、歩道)トンネルや、送電ケーブル・通信ケーブル等が収納される洞道又は、上下水道管渠、エレべーターピットなどの地下埋設構造物のコンクリート壁面にあると、次の問題が生じている。地下埋設構造物周囲の土中にある地下水が、その壁面のクラック、コールドジョイントから構造物内に漏水し、構造物内の設備を腐食又は漏電させる等の様々な悪影響がある。
【0005】
よって、クラック、コールドジョイント等からの漏水を抑制することが強く求められている。このような漏水を抑制する工事、すなわち、止水工事は、初めに、クラック又はコールドジョイント部分のコンクリート壁面が所定の深さに溝掘り(穴堀り)される、所謂、ハツリ工事が行われる。そして、そのハツリ工事が行われた溝部分に、急結(急硬)セメント若しくは、ウレタン樹脂系又は弾性エポキシ樹脂系の防水材等が充填されて止水が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルミナを多く含む急結(急硬)セメントの硬化時間は、1分、3分、5分、10分と様々な物があるが、その接着力は、約3〜6kgf/cm2(重量キログラム毎平方センチメートル)と比較的弱い。つまり、接着力が弱いため、コンクリート壁面(躯体)との接着面積を大きくする必要から、ハツリ工事における溝が大きく掘られる傾向があった。例えば、漏水しているクラック部分を、従来では、幅約100mm、奥行き約50mm程度は掘らねばならなかった。
【0007】
このようなハツリ工事における溝が大きく深いと、溝近傍の躯体全体の強度が逆に弱くなるなど別の問題を引き起こす可能性がある。また、急結セメントの硬化時間が短時間であるため、硬化後の成型が難しく、仕上がり面に凹凸が生じる場合が多く、補修部分の美観が著しく悪くなる傾向があった。
【0008】
さらに、従来のエポキシ樹脂やウレタン樹脂を用いた防水材及び保護層材では、悪臭や毒性があり、作業施工上の安全性についても、配慮する必要があった。加えて、従来のウレタン樹脂系の防水材、保護層材では、材質の弾性率が大きいため、漏水の圧力が高いと、補修部分が膨らんだり、破損することがあった。また、弾性エポキシ樹脂系の保護材では、経年変化による硬質化が生じ、補修部分の接着面が剥離したり、破損したりすることがあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、以下の目的を達成する止水防水保護工法などの躯体補修方法を提供する。すなわち、補修部分のハツリ量を小さくして補修部分の躯体の脆弱化が防止され、しかも、補修面の成形を容易かつ補修面の経年変化による膨張、破損が極めて少なく、さらに、補修部分のコンクリートの中性化が防止されると共に、躯体に使用されている鉄製品の防錆効果が発揮される止水防水保護工法などの躯体補修方法を提供する。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法は、躯体の補修対象面を所定の深さに穴(溝)を堀り、この穴(溝)に止水材を充填した後、この止水材表出面と止水材周りの躯体表面とを複合樹脂組成物からなる保護材を補強布と共に積層塗布して被覆固化させた。
【0011】
また、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法に使用される上記止水材は、水性エポキシ樹脂と、該水性エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、水が加えられると硬化する水硬性材料と、水とを所定比率で混合したものである。また、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法に使用される上記複合樹脂組成物は、ガーネット効果を生ずる粉末の結晶骨材と、水が加えられると硬化する水硬性材料と、エポキシ系の合成樹脂と、このエポキシ樹脂を硬化させるエポキシ樹脂硬化材料と、粉末セラミックスとを所定比率で混合したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明では、止水材によって躯体の補修対象部分の止水が図れた後、保護材によって、補修部分の止水能力と躯体との補強が図られる。この保護材として、本発明では、複合樹脂組成物が使用されている。この複合樹脂組成物は、エポキシ樹脂の主剤と硬化剤と、複数の骨材とが混合攪拌されて作られている。この複合樹脂組成物に混ぜられる骨材は、主に粉末セラミックスと、アルカリ性結晶骨材としてのガーネットと、水硬性材料(セメント等)とが用いられている。
【0013】
また、本発明で用いる止水材は、急結(急硬)セメント等の水硬性材料と、特殊水性エポキシ樹脂の主剤と、硬化剤と、水とが次の割合で混合された物が用いられている。すなわち、急結セメント1.0kgに対し、特殊水性エポキシ樹脂の主剤が0.05kg、硬化剤が0.05kg、水が0.1kgの割合で混合されている。
【0014】
複合樹脂組成物に混ぜられるアルカリ性結晶骨材としては、例えばガーネット(ざくろ石、オルトケイ酸塩)の粉末が用いられる。その他に、Na3Al2Li3F12の粉末、鉄ガーネットの粉末、イットリウムアルミニウムガーネット、トルマリンの粉末が用いられてもよいし、これらのうちの1種以上の物質が併用されてもよい。このような骨材は、ざくろ石型構造というアルカリの結晶構造をもち、しかも、プラスまたはマイナスの永久電荷を有している。このアルカリ性結晶骨材によって複合樹脂組成物の硬度が高められている。特に、この永久電荷が帯電性を有したマイナスイオンまたはプラスイオンによって、硬化作用が向上される。なお、この粉末の骨材の平均粒径は25〜1200ミクロンとされている。
【0015】
複合樹脂組成物に混合される骨材としての粉末セラミックスとしては、例えばガラス(クリスタル)粉が用いられる。この粉末セラミックスには、他に粉末石英、粉末ケイ素、粉末アルミナ(Al2O3)、粉末WC、粉末TiC、粉末B4C、粉末SiC、粉末天然ダイヤモンド、粉末人工ダイヤモンド、粉末Si3N4、粉末強化ガラス、粉末結晶化ガラスが用いられてもよいし、これらうちの1種以上の物質が併用されても良い。
【0016】
この粉末セラミックスも、複合樹脂組成物に混ぜられる水硬性材料の骨材としての役目を果たすと共に、この水硬性材料に対して硬質機能または強度機能の働きがある。なお、本発明で用いられる粉末セラミックスの平均粒径は5〜400ミクロンとされている。
【0017】
複合樹脂組成物に混ぜられる水硬性材料としては、セメントが用いられる。例えばホワイトセメント、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、ポルトセメントに珪酸質を加えて混合したシリカセメント、アルミナを50%以上含んだアルミナセメント、フライアッシュセメント、スラグセメント、ポルトランドセメントに水滓が混合された高炉セメント、早強セメント、低熱セメント、混合セメントなどが用いられる。
【0018】
特に酸化物として下記組成を有する水硬性材料が好適であった。
二酸化珪素(SiO2) 10〜50重量部
酸化アルミニウム(Al2O3) 5〜30重量部
酸化第二鉄(Fe2O3) 0.001〜0.20重量部
酸化カルシウム(CaO) 25〜130重量部
酸化マグネシウム(MgO) 0.3〜2.5重量部
酸化ナトリウム(NaO) 0.04〜0.25重量部
【0019】
なお、このようなセメントには、一般に三酸化硫黄(SO3)が0.8〜3.5重量部程度含まれる。加えて、ポルトランドセメントは、石灰石に粘土や珪石などが加えられ、1450度の温度で焼成してクリンカーが作られ、このクリンカーに凝結遅延材としての少量の石膏が混ぜられて製造される。よって、セメントには、粉末石灰岩、粉末石膏、粉末乾燥粘土なども用いられている。
【0020】
上記のような組成のセメントに、粉末ガーネットと粉末ガラス(セラミックス)とを骨材として混合することにより、エポキシ樹脂とセメントとの同時硬化を図ることができた。単にエポキシ樹脂とセメントとを混合しただけでは、エポキシ樹脂とセメントとの同時硬化が図れず、保護材にクラックが発生した。
【0021】
これは、粉末骨材であるガーネットのアルカリ質がセメントとエポキシ樹脂との融和混合を図ると共に、エポキシ樹脂の硬化とセメントとの硬化を同時に行わせる働きによる。これは「ガーネット効果」によるものと思われる。したがって、本発明では、このようなガーネット効果を奏する材料であれば粉末骨材として如何なるものが用いられても良い。
【0022】
本発明の保護材に用いるエポキシ系樹脂としては、変成エポキシ樹脂が用いられる。例えばBPA(ビスフェノールA)型エポキシ樹脂、Fecd−Aエポキシ樹脂などがあるが、メルカブタン、脂肪族ポリアミン、変性脂肪族ポリアミド、ポリアミド、脂環式アミン、芳容族ポリアミン、ポリフェノール、フェノールノボラック、DPPノボラックなどの重合体、共重合体あるいは共重合可能な他のモノマーとの共重合体樹脂などが用いられる。
【0023】
特に、保護材に用いるエポキシ樹脂は、エポキシの水性化又はVOC(揮発性有機化合物)削減型のものが、より悪臭・毒性がなく、作業環境の安全性が高められるので好ましい。
【0024】
このエポキシ樹脂はフェノール系エポキシ樹脂を変成し、下記のように調合される。
【0025】
【0026】
上記タルクは、珪酸アルミニウムを含む含水珪酸マグネシウムを主成分とするもので、主剤及び硬化剤自体の滑性を高めると共に、増量剤の役目を果たす。アミン酸塩及びアミド酸塩は、エポキシ樹脂を硬化させる作用をもつ。したがって、上記のように主剤と硬化剤とに分けられ、使用時つまり塗布・充填等の施行直前に、この主剤と硬化剤とが混合される。なお、このアミン酸塩及びアミド酸塩は一方だけが混合されてもよく、これらの材料の代わりにエポキシ樹脂を硬化させる別の材料が用いられても良い。
【0027】
上記アミン酸塩及びアミド酸塩とのバランスによって、セメントの硬化の進行に対してエポキシ樹脂の硬化の進行が合わせられる。つまり、アミン酸塩及びアミド酸塩の配分比によって、エポキシ樹脂の硬化の速度が制御される。なお、この場合、エポキシ樹脂の硬化速度が制御される別の材料が混合されてもよい。
【0028】
これら主剤及び硬化剤の増量材はできるだけ湿気をさけ、乾燥している物が使用される。本発明の保護材に用いられるエポキシ樹脂は、上記組成からなる2つの主剤及び硬化剤とが、1:1の重量比率で1分間〜5分間、望ましくは3分間程度混合して攪拌されて作られる。つまり、主剤と硬化剤とが同じ量だけ混合される。
【0029】
本発明に用いられる上記組成のエポキシ樹脂の基本色は白色であるが、他の色調にする場合、上記主剤にのみに顔料が投入され着色される。このとき、硬化剤の混合を考慮して顔料の量が調整される。また、主剤と硬化剤との混合に際し、必要に応して、乳化剤、着色剤、消泡剤等の漆加剤等が加入含有されてもよい。
【0030】
本発明の複合樹脂組成物の各組成物の混合比率は、下記の通りである。
変成エポキシ樹脂 主剤:硬化剤=2:1〜1:2重量部
セメント(ホワイトセメント) 0.25〜1.0重量部
粉末ガーネット 0.25〜1.0重量部
ガラス(クリスタル)粉 1.0〜4.0重量部
【0031】
骨材はセメントに対して、重量比で0.4〜2.4配合するのが好適である。変成エポキシ樹脂は、セメント+ガーネットが1kgに対して、0.7kg〜4kg使用され、粉末セラミックスとしてのガラス(クリスタル)粉は、0.7kg〜4kg混合される。
【0032】
次に、下記の比率で混合された複合樹脂組成物の強度試験結果を示す。
(a)骨材等
ガーネット 24.0〜72.0重量部
セメント 26.0〜78.0重量部
ガラス(クリスタル)粉 100.0〜300.0重量部
【0033】
上記セメントの組成は以下の通り。
強熱減量 1.0〜2.8重量部
二酸化珪素 11.4〜34.3重量部
酸化アルミニウム 4.9〜14.9重量部
酸化第二鉄 0.05〜0.15重量部
酸化カルシウム 31.5〜94.5重量部
酸化マグネシウム 0.5〜1.4重量部
酸化ナトリウム 0.05〜0.15重量部
三酸化硫黄 0.8〜2.4重量部
【0034】
【0035】
【0036】
主剤と硬化剤とを1:1の重量比で混合した。つまり、主剤が100重量部+硬化剤が100重量部で、全体が200重量部である。上記組成分を混合した複合樹脂組成物の各種物性は下記の如くの結果である。
【0037】
上記(a)の骨材等が2〜4kgに対し、上記(b)の変成エポキシ樹脂1〜3kgが混合され、白色クリーム状になった複合樹脂組成物がコンクリート表面に厚さ0.2mm〜2.0mmにコテ塗りされた。そして、2週間、その複合樹脂組成物が硬化するまで自然放置(養生)された物に各試験が行われた。
【0038】
この複合樹脂組成物の塗膜は、コンクリート面に強固に接着しており、JlSR5201に準拠して圧縮、曲げ強度測定したところ、圧縮強度は584kgf/cm2、曲げ強度は265kgf/cm2であった。コンクリートへの接着強度は、28〜40kgf/cm2で、鉄への接着強度は、35〜40kgf/cm2であった。
【0039】
湿潤状態のコンクリート表面に厚さ0.2mm〜2.0mmでゴムベラで塗布して、2週間養生した場合、接着強度は約22kgf/cm2であった。つまり、コンクリート表面が湿潤した状態でも、本発明の複合樹脂組成物は十分な接着強度を示した。
【0040】
図1には、躯体1における補修対象部分である内壁のコンクリート壁面3の垂直断面が示されている。この躯体1は、上下水道管渠・電気、電話などの洞道・トンネル・エレべーターピットなどの地下埋設物であり、躯体1周りの地下水が躯体1内部へ漏水しているものとする。
【0041】
つまり、コンクリート壁面3に水平方向に続く亀裂、すなわちクラック7がある。そして、このクラック7から躯体1の外側にある地下水5が漏水している。このようなコンクリート壁面3に対して、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法が行われる。
【0042】
初めに、コンクリート壁面3表面に表れているクラック7に沿って、コンクリート壁面3が、ディスクサンダーのVカッタ等を用いてV字型にカットされる。このV字型に掘られたV字溝13は、溝幅9が約20〜30mm、奥行き11が約30〜40mmとされる。
【0043】
図2に、V字溝13が掘られたコンクリート壁面3の垂直断面が示されている。なお、このV字溝13の溝幅9と奥行き11の大きさは、クラック7の大小によって、より小さくされてもよいし、多少大きく掘られても良い。
【0044】
このようなV字溝13に、止水材15が空隙ができないように押し込まれて充填される。図3には、止水材15がV字溝13に充填されたコンクリート壁面3の垂直断面が示されている。止水材15は、急結セメント等の水硬性材料と、特殊水性エポキシ樹脂の主剤と、硬化剤と、水とが次の割合で混合された物が用いられている。すなわち、急結セメント1.0kgに対し、特殊水性エポキシ樹脂の主剤が0.05kg、硬化剤が0.05kg、水が0.1kgの割合で混合されている。
【0045】
V字溝13に充填された止水材15が硬化したら、コンクリート壁面3の表面が平滑になるように、余分な止水材15が削り取られる。つまり、V字溝13部分にのみ止水材15が充填されるよう、V字溝13周囲のコンクリート壁面3表面に残存する止水材15が確実に除去される。
【0046】
したがって、コンクリート壁面3が曲面、例えば凹面ならば、その凹面の曲面形状に合わせて止水材15表出面が凹面形状に形成される。逆に、コンクリート壁面3が凸面に湾曲していれば、止水材15の表出面が湾曲した凸面に加工される。つまり、コンクリート壁面3の表面の湾曲中心と湾曲率とに合わせて、止水材15表出面が加工され、補修部分と周りのコンクリート壁面3表面との一体感が図られる。なお、V字溝13がコンクリート壁面3に沿って長く伸びている場合などでは、止水材15の充填が複数回に分けて行われる。
【0047】
そして、止水材15の表出面及び、止水材15の周りのコンクリート壁面3の表面をワイヤーブラシ等で擦り、その表面を荒れた状態に(ケレン掛け)される。このケレン掛けに伴って、コンクリート壁面3及び止水材15の表出面の埃等の付着物が除去される。この後、上述された本発明の保護材が、その止水材15の表出面と、止水材15周りのコンクリート壁面3表面に、約1mmの厚さで下塗り層19を形成するように塗布される。図4には、下塗り層19が塗布されたコンクリート壁面3の垂直断面の様子が示されている。
【0048】
本発明の保護材は、上述されたように、エポキシ樹脂とタルクとの主剤と、アミン酸塩、アミド酸塩及びタルクからなる硬化剤と、粉末ガーネットと、ガラス粉と、セメントとが混合された複合樹脂組成物である。よって、施工時に、エポキシ樹脂の主剤と硬化剤とが1:1で混ぜられて所定時間(3分前後)攪拌された後、粉末ガーネット、ガラス粉及びセメントが混入されて十分に攪拌される。
【0049】
このようにして作られた複合樹脂組成物の保護材がコンクリート壁面3表面に塗布されて下塗り層19が形成される。下塗り層19が塗布された所定時間後、極めて細いガラス糸が編み上げられた補強布であるガラスクロス21が、その下塗り層19の上に張り付けられる。このとき、下塗り層19とガラスクロス21とが十分に密着するよう、ガラスクロス21が下塗り層19に強く圧着される。図5には、ガラスクロス21が下塗り層19上に張り付けられたコンクリート壁面3の垂直断面の様子が示されている。
【0050】
ガラスクロス21が張り付けられた後、再び、保護材が約2mmの厚みに塗布されて仕上げ層23が形成される。図6には、下塗り層19、ガラスクロス21及び仕上げ層23が塗布されたコンクリート壁面3の垂直断面の様子が示されている。そして、仕上げ層23表面がコテなどによって平滑に仕上げられて、止水のための補修工事が完了される。
【0051】
以上のように、本実施例では、コンクリート壁面3のクラック7部分がV字型にカットされた後、止水材が充填されて止水される。そして、その止水材の上から、複合樹脂組成物からなる保護材をガラスクロスと共に積層されて躯体が補強される。
【0052】
本発明の複合樹脂組成物に混合されるガーネットがもつマイナスイオン効果により躯体のコンクリートの中性化を抑制するため、コンクリートの劣化を防止することになる。しかも、このガーネットにより、複合樹脂組成物のセメントとエポキシ樹脂との融和混合が図られると共に、エポキシ樹脂の硬化とセメントの硬化が同時に行わせる働きがあるので、複合樹脂組成物からなる保護材の硬化後の強度をより高めることができる。
【0053】
また、止水材に使用される水性エポキシ樹脂を水希釈0〜100パーセントする事により、止水材に混合される急結セメントの硬化時間を調整でき、止水性・防水性を上げたまま、止水材の表面成形が可能であり、不陸調整や仕上がりの面をより綺麗に仕上げることができる。
【0054】
加えて、止水材の含水率を高めたり、滑性を高める添加剤(上記タルク等)を加えることで、止水剤の粘性を低くすれば、V字溝13の奥のクラック7内部へも封入することができ、より、止水の効果を高めることができる。つまり、本発明の止水材は、V字溝13内のみならず、クラック7の狭い隙間へも充填することができる。
【0055】
本発明は上記実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。保護材及び止水材に使用されるエポキシ樹脂としては、変成体でも非変成体でもよい。また、上記実施例の止水防水保護工法などの躯体補修方法において、下塗り層19の上に、ガラスクロス21が張り付けられたが、下塗り層19を省き、止水材15表出面及びコンクリート壁面3の表面にガラスクロス21が直接張り付けられた後、複合樹脂組成物の保護材がガラスクロス21全体に馴染むように塗布されて、保護材とガラスクロス21とが一体的にコンクリート壁面3表面に付着されても良い。
【0056】
さらに、ガラスクロス21(補強布)に代えて、炭素繊維、ナイロンやビニロンなどの合成繊維、麻、木綿、絹などの天然繊維又は、鉄、銅、合金等からなる金属細線を布状に織ったものが使用されても良い。また、本発明の止水材と保護材に使用されるエポキシ樹脂は、同一のものであってもよいし、別種のものであってもよい。
【0057】
さらにまた、ガラスクロス21が複数枚、補修対象部分のコンクリート壁面3の表面に張り付けられても良い。この場合、各ガラスクロス21が張り付けられるたびに複合樹脂組成物の保護材が塗布されてもよいし、2枚以上重ねられたガラスクロス21に保護材が、そのガラスクロス21に良く浸潤するように塗布されても良い。
【0058】
また、上記実施例では、V字溝13に充填された後、硬化された止水材15の表出面が平らに均されたが、止水材15がコンクリート壁面3よりやや盛り上がった状態で、下塗り層19若しくはガラスクロス21等が塗布及び付着されても良い。この場合、下塗り層19若しくはガラスクロス21等と止水材15の表出面及びコンクリート壁面3表面との間に、空気等の気泡が残存しないように、十分に保護材が塗布されると共に、ガラスクロス21が密着される必要がある。
【0059】
加えて、上記下塗り層19(保護材)及び仕上げ層23(保護材)は1層でもよいし、複数層でもよいし、上記ガラスクロス21(補強布)も1層でもよいし、複数層でもよく、この保護材と補強布とは交互に積層される。本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法は、躯体1のコンクリート壁面3の内側でもよいし外側でもよいし、さらには躯体1のコンクリート壁面3の角部、凸部、凹部など、どのような箇所でもよい。
【0060】
上記実施例では、コンクリート壁面3の漏水しているクラック7部分の止水防水について説明したが、漏水していないクラック部分のコンクリート壁面3、クラック7の無い部分、コンクリート壁面3が一部欠けている部分、内部の鉄筋が劣化している部分、その他補修が必要な部分の補修についても、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法は実施できる。
【0061】
なお、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法は、あらゆる形の洞道又はトンネル等の内壁、外壁の補修が可能である。例えば、洞道(トンネル)の径方向の断面が3角形、4角形や、5角形以上の多角形、円形、楕円形でも本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法を実施できる。上記V字溝13は溝以外に、穴部でもよいし、断面V字以外に、断面U字、断面コ字、あり溝などでもよい。
出願当初の特許請求の範囲は以下の通りであった。但し誤記は訂正した。
[1]躯体の補修対象面を所定の深さに穴を堀り、この穴に止水材を充填した後、この止水材表出面と止水材周りの躯体表面とを複合樹脂組成物からなる保護材を塗布して被覆固化させることを特徴とする躯体補修方法。
[2]上記保護材塗布に際し、所定枚数の補強布を上記補修対象面に付着させた後に、上記保護材を塗布するか、 又は補修対象面に上記保護材を塗布した後に所定枚数の補強布を付着させるか、 又は補修対象面に上記保護材と、所定枚数の補強布とを交互に塗布及び付着して積層させるか、 又は補修対象面に上記保護材を塗布した後、所定枚数の補強布を付着させ、さらに上記保護材を積層塗布することを特徴とする請求項1記載の躯体補修方法。
[3]補強布が、ガラス繊維、炭素繊維、合成繊維、天然繊維又は金属細線を布状に織った1枚の布であり、 上記止水材が、水性エポキシ樹脂と、該水性エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、水が加えられると硬化する水硬性材料と、水とを所定比率で混合したものであり、 上記保護材の複合樹脂組成物が、ガーネット効果を生ずる粉末の結晶骨材と、水が加えられると硬化する水硬性材料と、エポキシ系の合成樹脂と、このエポキシ樹脂を硬化させるエポキシ樹脂硬化材料と、粉末セラミックスとを所定比率で混合したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の躯体補修方法。
[4]上記保護材と補強布とが付着された補修対象面が、該補修対象面周りの躯体表面とほぼ同一平面又は、同一中心同一湾曲率の湾曲面に形成されると共に、 上記止水材は、躯体のクラックの狭い隙間へも充填され、 上記保護材は単数または複数であり、補強布も単数または複数であり、この保護材と補強布とは交互に積層され、 上記保護材の複合樹脂組成物を構成する、結晶骨材が、平均粒径が25〜1200ミクロンのガーネット、ざくろ石、オルトケイ酸塩、Na3Al2Li3F12の粉末、鉄ガーネットの粉末、イットリウムアルミニウムガーネット又はトルマリンの粉末であり、
上記保護材のエポキシ樹脂が、下記物質を下記重量比で混合された主剤であり、
エポキシ樹脂 200〜1000重量部
タルク 20〜340重量部
上記保護材のエポキシ樹脂硬化材料は、下記物質が下記重量比で混合されたものであり、
アミン酸塩 50〜320重量部
アミド酸塩 50〜280重量部
タルク 20〜320重量部
上記保護材の水硬性材料は、下記重量比率の各物質が含まれるセメントであり、
二酸化珪素 10〜50重量部
酸化アルミニウム 5〜30重量部
酸化第二鉄 0.01〜1.00重量部
酸化カルシウム 25〜130重量部
酸化マグネシウム 0.1〜2.2重量部
酸化ナトリウム 0.01〜1.00重量部
上記保護材の粉末セラミックスが、ガラス粉、粉末石英、粉末ケイ素、粉末アルミナ、粉末WC、粉末TiC、粉末B4C、粉末SiC、粉末天然ダイヤモンド、粉末人工ダイヤモンド、粉末Si3N4、粉末強化ガラス又は粉末結晶化ガラスであって、しかも平均粒径5〜400ミクロンのものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の躯体補修方法。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法で用いる止水材及び保護材は、従来の急結セメントに比べ接着カが非常に高く、かつ硬化時間を自由に調整できる。よって、補修対象部分の不陸調整や改修性に優れ、仕上がり面の成形が容易である。しかも、ハツリ工事におけるハツリ量を従来の約半分と、より少ないハツリ量で補修工事が可能であり、補修対象の躯体を脆弱化させる危険性がより少ない。さらに、補修に使用する複合樹脂組成物の変成エポキシ樹脂も、揮発性有機化合物削減型のものであるので、悪臭や毒性が極めて少なく、施工上の安全性をより高めることができる。
【0063】
加えて、揮発性有機化合物削減型のエポキシ樹脂を使用していることから、食品工場、シャワールーム、厨房、プール等の人体への影響を考慮せねばならない構造物の床や壁面の補修に使用できる。つまり、本発明の止水防水保護工法などの躯体補修方法は、上下水道管渠・電気、電話などの洞道・トンネル・エレべーターピットなどの地下構造物をはじめ、あらゆる建築・土木構造物の内側又は外側の止水防水保護工法に最適である。
【0064】
また、本発明の止水材及び保護材は、弾性率が極めて小さいので、水圧による膨れや、保護層(塗膜)の破損が起きることが極めて少ないと共に、経年により、硬くなり躯体接着面からの剥離、破損が極めて少ない。また、複合樹脂組成物に含まれるセメント、ガーネット等により、保護材がアルカリ性を示すので、経年のコンクリート中性化防止と、補修対象の鉄材の防錆効果を果たす。
【図面の簡単な説明】
【図1】 躯体1における補修対象部分である内壁のコンクリート壁面3の垂直断面を示す図である。
【図2】 V字溝13が掘られたコンクリート壁面3の垂直断面を示す図である。
【図3】 止水材15がV字溝13に充填されたコンクリート壁面3の垂直断面を示す図である。
【図4】 下塗り層19が塗布されたコンクリート壁面3の垂直断面を示す図である。
【図5】 ガラスクロス21が下塗り層19上に張り付けられたコンクリート壁面3の垂直断面を示す図である。
【図6】 下塗り層19、ガラスクロス21及び仕上げ層23が塗布されたコンクリート壁面3の垂直断面を示す図である。
【符号の説明】
1…躯体、3…コンクリート壁面、5…地下水、7…クラック、9…溝幅、11…奥行き、13…V字溝、15…止水材、17…保護材、19…下塗り層、21…ガラスクロス、23…仕上げ層。
Claims (3)
- 躯体の補修対象面を所定の深さに穴掘り、この穴に止水材を充填し、
この止水材表出面と止水材周りの躯体表面との上に補強布を付着し、
この補強布の上または当該補強布の付着前の止水材表出面と止水材周りの躯体表面との上に保護材を塗布する躯体補修方法であって、
上記補強布は、ガラス繊維、炭素繊維、合成繊維、天然繊維又は金属細線を布状に織ったものであり、
上記止水材は、水性エポキシ樹脂と、該水性エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤と、水が加えられると硬化する水硬性材料と、水とを所定比率で混合したものであり、
上記保護材は、ガーネット効果を生ずる粉末の結晶骨材と、水が加えられると硬化する水硬性材料と、エポキシ樹脂と、このエポキシ樹脂を硬化させるエポキシ樹脂硬化材料と、粉末セラミックスとを所定比率で混合したものであることを特徴とする躯体補修方法。 - 上記保護材と上記補強布とは、所定枚数の補強布と保護材とを交互に塗布及び付着して積層されることを特徴とする請求項1記載の躯体補修方法。
- 上記保護材と上記補強布とが付着された補修対象面が、該補修対象面周りの躯体表面とほぼ同一平面又は、同一中心同一湾曲率の湾曲面に形成されると共に、
上記止水材は、躯体のクラックの狭い隙間へも充填され、
上記保護材を構成する、上記結晶骨材が、平均粒径が25〜1200ミクロンのガーネット、ざくろ石、オルトケイ酸塩、Na3Al2Li3F12の粉末、鉄ガーネットの粉末、イットリウムアルミニウムガーネット又はトルマリンの粉末であり、
上記保護材のエポキシ樹脂が、下記物質を下記重量比で混合された主剤であり、
エポキシ樹脂 200〜1000重量部
タルク 20〜340重量部
上記保護材のエポキシ樹脂硬化材料は、下記物質が下記重量比で混合されたものであり、
アミン酸塩 50〜320重量部
アミド酸塩 50〜280重量部
タルク 20〜320重量部
上記保護材の水硬性材料は、下記重量比の下記各物質が含まれるセメントであり、
二酸化珪素 10〜50重量部
酸化アルミニウム 5〜30重量部
酸化第二鉄 0.01〜1.00重量部
酸化カルシウム 25〜130重量部
酸化マグネシウム 0.1〜2.2重量部
酸化ナトリウム 0.01〜1.00重量部
上記保護材の粉末セラミックスが、ガラス粉、粉末石英、粉末ケイ素、粉末アルミナ、粉末WC、粉末TiC、粉末B4C、粉末SiC、粉末天然ダイヤモンド、粉末人工ダイヤモンド、粉末Si3N4、粉末強化ガラス又は粉末結晶化ガラスであって、しかも平均粒径5〜400ミクロンのものであることを特徴とする請求項1または2記載の躯体補修方法。
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