JP2009114002A - 耐磨耗性材料及びそれを用いた補修工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート構造物の補修に使用される、耐磨耗性材料及びそれを用いた補修工法を提供するものである。
【解決手段】セメント100質量部と、最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm以上の骨材が10〜40質量%及び最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm未満の骨材60〜90質量%からなる平均粒子径が0.5mmを超え1.0mm以内の混合骨材100〜300質量部と、膨張材2〜10質量部と、ポリマーエマルジョン(固形分換算で)1〜10質量部とを含有する耐磨耗性材料であり、それを用いたコンクリート構造物の補修工法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、土木及び建築分野におけるコンクリート構造物の補修・補強工事で使用する耐磨耗性材料に関し、例えば、水路や港湾構造物等の水流によって侵食を受ける構造物の補修・補強に適用されるものである。
コンクリート構造物は、塩害、中性化、凍結融解、及び化学的腐食等の作用により劣化が進行し、表面にひび割れや浮き等が発生する恐れがある。その対策として、劣化した部分を打音検査等で確認し、電動ピック、エアピック、ウォータージェット等により取り除き、新たに補修部材で充填し補修する工事が行われている。
水利構造物の場合は、水流や流れてくる土砂等による磨耗で劣化したり、コンクリート中からカルシウム分が溶脱することで、表面から数cm領域で強度が低下することで欠損したりするケースが多い。そのため、表面が粗になることで通水能力の低下やひび割れによる水路からの漏水等の問題が発生している。
このような問題を解決するための補修工法としては、従来、パネルの貼付け工法、ウレタン樹脂等の吹付け工法、セメント系材料による断面修復工法等がある。
パネルの貼付け工法は、既存の躯体に鉄板、FRPパネル、セメント系材料のパネル等をボルト等で固定する工法であり、パネルの粗度係数が小さく、ボルトでの固定であるためはく落等の心配はないが、通水断面積を減少させることや施工が難しいこと等の短所がある(特許文献1、2)。
ウレタン樹脂等の吹付け工法は、粗度係数が小さいこと、パネルに比べ厚みが薄いので通水断面積の減少量が少ないことなどの利点があるが、脆弱化した部分等があった場合、樹脂と躯体との付着が不十分となり剥がれやすいといった課題がある(特許文献3)。
セメント系材料による断面修復工法は、通常、ポリマーセメントモルタルが使用されており、経済性や作業性の点で優れているが、通常のポリマーセメントモルタルは中性化、塩害、凍害等の劣化要因に対しては優れた抵抗性を示すものの、磨耗に対する抵抗性はそれほど高くないのが現状である。セメント系材料による水路の補修工法としては、例えば、水硬性材料と特定の重量比のポリマーディスパージョンとメタクリル酸塩からなる硬化性組成物及び該組成物を水路内面に塗布する工法が提案されているが、短時間に作業が完了するがコテ仕上げを行うことが難しい(特許文献4)。
さらに、特定の粒径を有するガラス屑を利用して、セメントやフライアッシュと共に一定の配合割合で配合されたモルタル組成物及びそれを用いた水路の補修方法、水路構造が提案されている。これは、耐衝撃性や耐磨耗性はある程度優れた性能を示すが、乾燥による収縮によるひび割れ発生やそれによる遮水性能の低下については充分ではない(特許文献5)。
また、コンクリートを補修するにあたり、エポキシ樹脂接着剤を塗布し、特定ポリマーセメントモルタルで補修することで一体性に優れ、耐磨耗、遮水性、粗度係数に優れたコンクリート水路の補修工法が提案されているが、耐磨耗性や厚塗り性に課題がある(特許文献6)。
特開平05−9917号公報 特開2007−146604号公報 特開2005−139255号公報 特許第3022708号公報 特開2001−213653号公報 特開2007−197301号公報
本発明は、特定の材料を使用することにより、耐磨耗性に優れた材料及びそれを用いた補修工法を提供するものである。
すなわち、本発明は、(1)セメント100質量部と、最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm以上の骨材が10〜40質量%及び最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm未満の骨材60〜90質量%からなる平均粒子径が0.5mmを超え1.0mm以内の混合骨材100〜300質量部と、膨張材2〜10質量部と、ポリマーエマルジョン(固形分換算で)1〜10質量部とを含有する耐磨耗性材料、(2)セメント100質量部に対して、収縮低減剤を0.5〜10質量部含有する(1)の耐磨耗性材料、(3)セメント、膨張材、混合骨材の合計100質量部に対して、繊維径50μm以下で繊維長12mm以下の繊維を0.02〜0.8質量部含有する(1)又は(2)の耐磨耗性材料、(4)セメント100質量部に対して、ロジン誘導体を0.05〜5質量部含有する(1)〜(3)のいずれかの耐磨耗性材料、(5)コンクリート構造物を補修するにあたり、エポキシ樹脂系接着剤又は水性エマルジョン系接着剤を塗布した後に、(1)〜(4)のいずれかの耐磨耗材料に水を加え練り混ぜて得られるモルタルを塗布するコンクリート構造物の補修工法、(6)モルタルを塗布した後に、物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを塗布しコテ仕上げを行う(5)のコンクリート構造物の補修工法、(7)モルタルを塗布し、モルタルの凝結始発時間以降に、物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを塗布する(5)のコンクリート構造物の補修工法、(8)(1)〜(4)のいずれかの耐磨耗性材料に水を加え練り混ぜて得られる硬化体のJIS K 7204に準じて測定した磨耗減量が4.0g未満であるモルタル、である。
本発明の耐磨耗性材料及び補修工法を用いることで、水流や土砂等による磨耗を著しく低減し、表面強度の低下も起こらない優れた耐磨耗性のコンクリート構造物の補修を実現できるため、通水能力を長年にわたって維持することができるなどの効果を奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するセメントとは、特に限定されるものではなく、JIS R 5210に規定されている各種ポルトランドセメント、JIS R 5211、 JIS R 5212、及びJIS R 5213に規定された各種混合セメント、JISに規定された以上の混和材混入率で製造した高炉セメント、フライアッシュセメント及びシリカセメント、石灰石粉末等を混合したフィラーセメント、アルミナセメントから選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
本発明で使用する最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満(ふるい目105μm下)の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm以上の骨材(以下、骨材Aと記述する)とは、一般に市販されているものが使用でき、骨材の種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、銅スラグ骨材,フェロニッケルスラグ骨材,フェロクロムスラグ骨材、ガーネット、アルミナ骨材等が挙げられる。なかでも、骨材中のMgO含有量が20〜50質量%及び/又はCr含有量が1〜8質量%であるフェロクロムスラグ骨材が安価で品質が安定している点で好ましい。
骨材Aの最大粒子径は、1.2mm以下であり、0.8mm以下がより好ましい。1.2mmを超えると、表面のコテ仕上げ性が低下する場合がある。
骨材Aの密度は、3.0g/cm以上であり、3.2以上がより好ましい。3.0g/cm未満では、充分な耐磨耗性を付与できない場合がある。
本発明で使用する最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満(ふるい目105μm下)の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm未満の骨材(以下、骨材Bと記述する)とは、一般に市販されているものが使用でき、骨材の種類としては、特に限定されるものではないが、天然に産出する骨材や人工骨材であり、例えば、石灰石骨材、シリカ質(珪石)骨材、フライアッシュバルーンや黒曜石や廃ガラスを焼成発泡させて製造した軽量骨材等が挙げられる。
骨材Bの最大粒子径は、1.2mm以下であり、0.8mm以下がより好ましい。1.2mmを超えると、表面のコテ仕上げ性が低下する場合がある。
骨材Bの密度は、3.0g/cm未満であり、2.8g/cm以下がより好ましい。3.0g/cm未満の骨材を併用することで、モルタル密度の過剰な増大を押さえ作業性の低下を防止することができる。
骨材A又はBでは、0.105mm未満の骨材粒子を平均粒子径0.5〜0.8mmとなる範囲内で2〜20質量%含有することが望ましく、骨材Aと骨材Bを混合したときは全骨材の5質量%以上あればよい。微粒子の骨材は、コテ仕上げ時にペースト層を表面に形成することで平滑な仕上げが可能となるが、その層は耐磨耗性が低下する。しかし、適度な微粒子骨材が存在すると、その骨材分もペースト層に取り込まれるので平滑性に優れかつ硬度が高い層を形成させることが可能となる。2質量%未満ではペースト層に充分な微粒子骨材が取り込まれないので耐磨耗性が低下する場合がある。
骨材Aと骨材Bの混合割合は、混合骨材100質量部中、骨材Aが10〜40質量部、骨材Bが60〜90質量部が好ましい。混合骨材100質量部中、骨材Aが10質量部未満では充分な耐磨耗性が得られない場合がある。
混合骨材の平均粒子径は、0.5mmを超え1.0mm以内が好ましい。0.5mm以下では厚塗り性が低下し、1.0mmを超えるとコテ仕上げ性が低下する場合がある。
混合骨材の使用量は、セメント100質量部に対して、100〜300質量部が好ましい。100質量部未満では、モルタルの収縮量が大きくなる場合があり、300質量部を超えると適度な流動性が確保できなくなる場合がある。
本発明で使用する膨張材とは、硬化収縮量の低減やケミカルブレストレスを与えるもので、特に限定されるものではなく、カルシウムサルホアルミネート系や石灰系等の膨張材が使用可能である。
膨張材の使用量は、セメント100質量部に対して2〜10質量部が好ましく、4〜8質量部がより好ましい。2質量部未満ではモルタルの収縮量抑制に効果が小さく、10質量部を超えても効果が向上しない。
本発明で使用するポリマーエマルジョンとは、曲げ強度や付着強度の改善や耐久性を付与するもので、特に限定されるもではないが、通常、セメント混和用に用いられているポリマーエマルジョンであれば使用可能である。また、粉末状及び液体状何れも使用可能である。
ポリマーエマルジョンの種類としては、例えば、JIS A 6203で規定されているセメント混和用のポリマー(ポリマーディスパージョン)が使用でき、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及び天然ゴム等のゴムラテックス、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニルビニルバーサテート系共重合体、及びスチレン・アクリル酸エステル共重合体やアクリロニトリル・アクリル酸エステルに代表されるアクリル酸エステル系共重合体、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂に代表される液状ポリマー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。
ポリマーエマルジョンの使用量は、セメント100質量部に対して、1〜10質量部が好ましく、2〜8質量部がより好ましい。1質量部未満では曲げ強度や付着強度の改善や耐久性を付与する効果が小さく、10質量部を超えると凝結の遅れや強度発現性の低下が起きる場合がある。
本発明で使用する収縮低減剤とは、モルタルの乾燥収縮を抑制するものであり、特に限定されるものではなく、市販されているものが使用可能である。例えば、アルコール系、低級アルコールアルキレンオキシド誘導体系、グリコール系、グリコールエーテル・アミノアルコール誘導体系、ポリエーテル系等の界面活性作用を有する化合物を使用することができる。
収縮低減剤の使用量は、セメント100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜7質量部がより好ましい。0.5質量部未満では、改善効果が小さく、10質量部を超えても効果の向上が期待できなく、コスト高となる。
本発明で使用するロジン誘導体とは、セメントに混和することで一次エフロの防止、カルシウムイオンの溶脱抑制に効果を示すものである。ロジンは松に多量に含まれる成分であり、その製法によりトールロジン、ガムロジン、ウッドロジンに分類される。ロジンの種類としては、ピマール酸、パラストリン酸、イソピマル酸、アビエン酸、デヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸等の樹脂酸、これら樹脂酸が持つカルボキシル基の反応性を利用した各種誘導体(例えば、ロジン酸の重合体、水添及び/又は多価アルコール類とのエステル化物)、アルカリ金属水酸化物でケン化したケン化物、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
ロジン誘導体の使用量は、セメント100質量部に対して、0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。0.05質量部未満では、改善効果が小さく,5質量部を超えると強度発現性が低下する場合がある。
本発明で使用する繊維とは、主にモルタルの初期ひび割れを防止する性能を付与するものであり、特に限定されるものではなく、市販されている高分子繊維や無機繊維が使用可能である。繊維の種類としては、ビニロン繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、セルロース繊維、ロックウール、アルミナ繊維、玄武岩繊維、鋼繊維等が挙げられる。これらの中で、モルタル中での分散性に優れ、耐久性が高いビニロン繊維に代表される高分子繊維の使用が好ましい。
繊維の形状は、繊維径が50μm以下で繊維長が12mm以下のものが分散性と初期ひび割れの防止効果が大きい点で好ましい。
繊維の使用量は、セメント、膨張材、混合骨材の合計100質量部に対して、0.02〜0.8質量部が好ましく、0.05〜0.5質量部がより好ましい。0.05質量部未満では、初期ひび割れ防止効果が小さく、0.8質量部を超えると適度な流動性が得られない場合がある。
本発明では、性能に悪影響を与えない範囲で、流動化剤、空気連行剤、防錆剤、粘土鉱物、ポゾラン物質、潜在水硬性物質、防錆剤、増粘剤、急硬剤、急結剤、消泡剤、抗菌剤等の各種セメント混和材を添加することができる。
本発明では、セメント、骨材、各種混和材を施工する現場で混合し水を加えて練り混ぜてもよく、予め工場でプレミックスしたものに現場で水を加え練り混ぜてモルタルを製造してもよい。
モルタルを製造するときの水の量は、セメントと100質量部に対して、30〜50質量部が好ましく、35〜45質量部がより好ましい。30質量部未満では、適度な流動性を確保することが難しい場合があり、50質量部を超えると充分な強度が得られない場合がある。
水を加え練り混ぜて得られるモルタルの施工方法としては、特に限定されるものではないが、コテ塗りや吹付ける方法で施工できる。
本発明の水を加え練り混ぜて得られるモルタル硬化体は、磨耗減量として4.0g未満である。磨耗減量とは、JIS K 7204に準じて下記条件でテーパー式磨耗試験を行ったときの試験前と試験後の質量減少量である。
磨耗輪:H−22、荷重:1000g、回転数:1000回/rpm
本発明の耐磨耗性材料は、きわめて磨耗量が少ないものであり、磨耗しても弱点となりやすいペースト部分の硬度を高めることで表面粗度を小さく保つことができるので、長期間通水能力を維持できる水路を提供できる。また、高いひび割れ抵抗性、中性化抵抗性、凍結融解抵抗性、塩化物イオン抵抗性、防水性に優れた性能を合わせもつものである。
本発明の耐磨耗性材料を用いた補修は、通常、エポキシ樹脂系接着剤又は水性エマルジョン系接着剤を補修するコンクリート面に塗布した後、水を加え練り混ぜて得られたモルタルをその上に塗布する方法である。
エポキシ樹脂系接着剤又は水性エマルジョン系接着剤を塗布する前のコンクリート面の処理は、通常、汚れや付着物などがある場合が殆どであるので洗浄する必要がある。汚れが軽微な場合は、水圧が30MPa以下の洗浄機を用いればよく、汚れ等がひどく、表層部が劣化し脆弱化しているような場合は30MPaを超える洗浄又はウォータージェットによる表層部コンクリートの除去を行った方がよい。
エポキシ樹脂系接着剤や水性エマルジョン系接着剤は、コンクリート躯体と耐磨性モルタルの付着性を向上させることを目的に使用するものであり、充分な一体性を確保することが可能である。
本発明で使用するエポキシ樹脂系接着剤としては、従来公知のものが使用でき、通常コンクリート打ち継ぎ用などとして市販されているものが使用可能である。例えば、ビフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等とエピクロルヒドリンを反応させて得られるビスフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等やこれらを水添化あるいは臭素化したエポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、ポリブタジエンあるいはNBRを含有するゴム変性エポキシ樹脂等を単独又は混合して使用可能である。
また、エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公知のものが使用可能である。例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、N−アミノエチルピペラジン、メタキシリレンジアミン、メタフェニルレンジアミン、ジアミノジフェニルスルフォン、イソフォロンジアミン、ジアミノジフェニルメタンの単体及びこれらの変性物等を単独又は混合して用いることが可能である。
さらに、フェノールノボラック、ポリメルカプタン化合物、ポリサルファイド、ケチミン化合物、オキサゾリジン化合物、第3アミン化合物、有機酸ヒドラジッド、ポリアミノアミド、アミンイミド、カルボン酸エステル、三フッ化ホウ素−アミン錯体、イミダゾール化合物、酸無水物類、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、トリアリススルホニウム塩、また、これらエポキシ樹脂に各種無機粉体(顔料成分、炭酸カルシウム、微粉シリカ、タルク、マイカ、ケイ酸アルミニウム、砂等)等を混合して用いることが可能である。
これらエポキシ樹脂系接着剤の有効打継ぎ時間(エポキシ樹脂を塗布してモルタルを塗布するまでの最大の時間)は、気温によっても変化するが、タック(べた付き)が残っている状態が好ましく、塗布直後〜24時間が好ましい。24時間を超えると(タックが無い)モルタルとの付着を確保することが難しい場合がある。
塗布量は、特に限定するものではないが、100〜2000g/mであれば良い。多すぎるとコスト高となり、少なすぎると充分な付着力を確保できない場合がある。
本発明で使用する水性エマルジョン系接着剤とは、エポキシ樹脂と同様にモルタルの接着性を向上するものであり、一般に市販されているものであれば使用可能である。例えば、アクリル酸エステル系エマルジョン、EVA系エマルジョン等が挙げられる。
水性エマルジョン系接着剤の塗布量は、50〜500g/mであれば良い。多すぎるとコスト高となり、少なすぎると充分な付着力を確保できない場合がある。
これらエポキシ樹脂系接着剤や水性エマルジョン系接着剤の塗布方法は、例えば、刷毛、ローラー、吹付け(噴霧)等で行うことができる。また、粘性の高いエポキシ樹脂系接着剤は塗布面の凹凸が激しく均一に塗布できないような場合は、ゴムベラ等を使用して均すことも可能である。
次に、エポキシ樹脂系接着剤や水性エマルジョン系接着剤を塗布した後の耐磨耗性モルタルの施工方法について示す。
本発明の耐磨耗性材料(セメント、骨材、各種混和材)は、一般的なミキサーで練り混ぜ可能である。例えば、ペール缶等に材料と水を加えて練り混ぜるハンドミキサーによる混合、材料や水をパン型容器に投入し練り混ぜるパン型ミキサー、さらに、練り効率の高い自転羽を有するパン型ミキサー(ダマカットミキサー)、二軸強制練りミキサー、ホバートミキサー等による混合が可能である。
練り混ぜたモルタルは、そのままコテを用いて塗布することや、吹付けによって塗布することも可能である。
吹付けで施工する場合は、通常、断面修復工事等で使用するスクイズポンプやスネークポンプを用いて練り混ぜたモルタルを圧送し、ノズル出口手前で圧縮空気を合流させることでモルタルを吹き飛ばし施工面に塗布する。塗布した後、コテを用いて仕上げを行えばよい。1回で施工できる最大厚みは、最初からコテ塗りで行う場合や吹付けで行う場合ともに、およそ30mmである。30mmを超えるとダレやはく落が生じる場合がある。
また、構造物として外力による変状等が懸念される場合は、耐磨耗性モルタルを塗布する前に、鉄筋を配置したり、FRPグリット、格子状の連続繊維シート等を配置してから施工することも可能である。
本発明では、耐磨耗性モルタルを塗布した後に、物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを塗布することが可能である。物質遮蔽効果のある水性エマルジョンの施工方法は、モルタルを塗布しモルタル表面に刷毛や噴霧器で塗布しコテ仕上げを行う方法や、モルタルを塗布しコテ仕上げを行い、モルタルの凝結始発時間以降に塗布する方法で実施することが可能である。ここで、凝結始発時間は、JIS A 1147に準じて測定した時間である。
物質遮蔽効果のある水性エマルジョンとは、水,水蒸気、炭酸ガス、酸素、塩化物イオン等の物質遮蔽性の高い皮膜をモルタル表層部に形成する水性エマルジョンである。例えば、比較的高分子セグメントの運動性が小さいアクリル酸エステル系共重合体エマルジョンが好ましい。
また、水性エマルジョンにモンモリロナイト、ヘクトライト、合成マイカ等の膨潤性ケイ酸塩類を含有する有機−無機複合エマルジョンを用いることがより好ましい。
物質遮蔽効果のある水性エマルジョンの塗布量は、特に限定されないが、50〜500g/mが好ましい。少なすぎると物質遮蔽効果が小さく、多すぎるとコスト高となる。
物質遮蔽効果のある水性エマルジョンをコテ仕上げ時に使用することで、平滑な表面にすることが可能となり、合わせて、養生効果も付与できる。
「実施例1」
セメント100質量部に対して、膨張材を6質量部、ポリマーエマルジョンを5質量部、混合骨材中の最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm以上の骨材と最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm未満の骨材の割合を、表1に示すように変えた混合骨材を180質量部配合して耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して、40質量部となるように加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度、磨耗減量、コテ仕上げ性を評価した。結果を表1に示す。
(使用材料)
セメント:普通ポルトランドセメント、電気化学工業社製
膨張材:カルシウムサルホアルミネート系、電気化学工業社製、商品名「CSA#20」
ポリマーエマルジョン:アクリル酸エステル−スチレン系共重合体、粉末状、ELOTEX社製、商品名「BN0107」
骨材A:混合骨材中の最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm以上の骨材(市販、フェロクロムスラグ骨材6号、0.105mm未満の骨材量8.5質量%,密度3.52g/cm
骨材B(1):最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm未満の骨材(新潟県糸魚川産石灰砂の乾燥品、0.105mm未満の骨材量4.3質量%、密度2.66g/cm
骨材B(2):最大粒子径が2.5mm以下で密度が3.0g/cm未満の骨材(新潟県糸魚川産石灰砂、乾燥品、0.105mm未満の骨材量2.6質量%、密度2.67g/cm
骨材B(3):最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm未満の骨材(市販品、珪砂4号の0.105mm未満の珪石粉末を5質量%混合したもの、乾燥品、密度2.55g/cm
骨材B(4):最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm未満の骨材(新潟県糸魚川産石灰砂の乾燥品、0.105mm未満の骨材量1.7質量%、密度2.66g/cm
(試験方法)
圧縮強度:JIS R 5201に準じて測定
磨耗減量:JIS K 7204に準じて下記条件でテーパー式磨耗試験を行ったときの試験前と試験後の質量減少量、磨耗輪:H−22、荷重:1000g、回転数:1000回/rpm
コテ仕上げ性:コテ仕上げを行って翌日に表面を目視観察し、骨材が表面に浮き出ている状態であれば×、滑らかな状態であれば○とした。
Figure 2009114002
表1より、磨耗減量は骨材密度が高い骨材の割合が増加するほど小さくなり、平均粒子径が大きいと滑らかな仕上がりを確保できなくなる。また、0.105mm未満の微粉骨材の割合が2質量%を下回ると磨耗減量が増加することがわかる。本発明の骨材の混合割合、平均粒子径の範囲内であれば磨耗減量を4.0g未満とすることができる。
「実施例2」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材を6質量部、ポリマーエマルジョンを5質量部、質量比で骨材A30:骨材B(1)70の混合骨材の使用量を表2に示すように変えて耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して、40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度、磨耗減量を測定し、さらに、硬化収縮を測定した。結果を表2に示す。
(試験方法)
硬化収縮:JHS−416に準じて硬化収縮率を測定
Figure 2009114002
表2より、混合骨材を使用することにより、磨耗減量、硬化収縮が少なくなることが分かる。
「実施例3」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材を6質量部、ポリマーエマルジョンを5質量部、最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm以上の骨材A(フェロクロムスラグ骨材6号)と最大粒子径が1.2mm以下で密度が3.0g/cm未満の骨材B(新潟県糸魚川産石灰砂の乾燥品)を質量比30:70で混合した混合骨材を180質量部配合して耐磨耗性材料を調製した。その際、骨材Aと骨材Bの粒子径0.105mm未満のそれぞれの骨材の量、さらに、全骨材中の0.105mm未満の骨材の量を表3に示すように調製したものを用いた。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して、40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度、磨耗減量を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2009114002
表3より、0.105mm未満の骨材を特定量使用することにより、磨耗減量が少なくなることが分かる。
「実施例4」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材の使用量を表4に示すように変え、ポリマーエマルジョンを5質量部、質量比で骨材A30:骨材B(1)70の混合骨材を180質量部配合して耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して、40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度、磨耗減量を測定し、さらに、実施例2と同様に、硬化収縮を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2009114002
表4より、膨張材を使用することにより、硬化収縮が少なくなることが分かる。
「実施例5」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材6質量部、ポリマーエマルジョンの使用量を表5に示すように変え、質量比で骨材A30:骨材B(1)70の混合骨材を180質量部配合して耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度、磨耗減量を測定し、さらに、凍結融解抵抗性、中性化抵抗性を測定した。結果を表5に示す。
(試験方法)
凍結融解抵抗性:JIS A 1171に準じて測定した。表中に示す数値は相対動弾性係数である。
中性化抵抗性:JIS A 1171に準じて測定した。表中に示す数値はフェノールフタレイン法で測定したときの中性化深さである。
Figure 2009114002
表5より、ポリマーを使用することにより、磨耗減量が少なくなり、凍結融解性、中性化抵抗性に優れることが分かる。
「実施例6」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材6質量部、ポリマーエマルジョン5質量部、さらに、収縮低減剤の使用量を表6に示すように変え、質量比で骨材A30:骨材B(1)70の混合骨材を180質量部配合して耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度、磨耗減量を測定し、実施例2と同様に、硬化収縮を測定した。結果を表6に示す。
(使用材料)
収縮低減剤:低級アルコールアルキレンオキシド誘導体系、電気化学工業社製、商品名「エスケーガード」
Figure 2009114002
表6より、収縮低減剤を使用することにより、硬化収縮が少なくなることが分かる。
「実施例7」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材6質量部、ポリマーエマルジョン5質量部、さらに、ロジン誘導体の使用量を表7に示すように変え、質量比で骨材A30:骨材B70(1)の混合骨材を180質量部配合して耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して、40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、実施例1と同様に、圧縮強度、磨耗減量を測定し、さらに、カルシウムの溶脱率を測定した。結果を表7に示す。
(使用材料)
ロジン誘導体:ELOTEX社製、商品名「ERA100」
(試験方法)
カルシウム溶脱率:4×4×16cmの試験体を作製し1年間水流20L/minで流れている水槽に浸漬させた。試験体を取り出し、表層3mm部分のカルシウム含有量を測定した。カルシウム溶脱率は、浸漬前の表層3mm部分のカルシウム含有量から浸漬後の表層3mm部分のカルシウム含有量の差を浸漬前の表層3mm部分のカルシウム含有量で割った百分率で示した。
Figure 2009114002
表7より、ロジン誘導体を使用することにより、磨耗減量、カルシウム溶脱率が少なくなることが分かる。
「実施例8」
実施例1と同様に、セメント100質量部に対して、膨張材6質量部、ポリマーエマルジョン5質量部、質量比で骨材A30:骨材B(1)70の混合骨材を180質量部、さらに、セメント、膨張材、混合骨材の合計100質量部に対して、繊維の使用量を表8に示すように変えて配合し耐磨耗性材料を調製した。この耐磨耗性材料に、水をセメント100質量部に対して、40質量部加え練り混ぜて耐磨耗性モルタルとし、実施例1と同様に、所定の型枠に詰めて試験体を作製し、圧縮強度,磨耗減量を測定し、さらに、初期ひび割れ抵抗性を測定した。結果を表8に示す。
(使用材料)
繊維A:ビニロン繊維、繊維長8mm、繊維径40μm、クラレ社製、商品名「RSC−15」
繊維B:アラミド繊維、繊維長9mm、繊維径12μm、帝人テクノプロダクツ社製、商品名「T−320」
(試験方法)
初期ひび割れ抵抗性:縦30cm×横30cm×厚み6cmのコンクリート製歩道板に厚み10mmで繊維を添加した耐磨耗性モルタルを塗布し、温度5℃、湿度50%、風速3〜5m/sの条件で養生し、1日後のひび割れ発生状況を確認した。ひび割れが全くない場合を○、全ひび割れ長さが10cm以下を△、全ひび割れ長さが10cmを超える場合を×とした。
Figure 2009114002
表8より、繊維を使用することにより、初期ひび割れ抵抗性が良好になることが分かる。
「実施例9」
横30cm×縦60cm×厚み6cmのコンクリート製板をサンドブラストし、エポキシ樹脂系接着剤を400g/m塗布した場合と水性エマルジョン系接着剤を200g/m塗布した場合について、実験No.1-3、6-3、7-3、8-3の耐磨耗性モルタルを厚み10mmでコテ塗り及び吹付けにより塗布したときの付着強度を測定した。結果を表9に示す。
コテ塗りの場合は、ペール缶でハンドミキサーを用いて練り混ぜた。吹付けの場合は、ダマカットミキサーで練り混ぜ、一般的な吹付け材料の断面修復工事で使用するスクイズポンプで30m圧送し、ノズル出口手前で圧縮空気を合流させ吹付けて施工した。
(使用材料)
エポキシ樹脂系接着剤:主剤(ビスフェノールA型エポキシ樹脂):硬化剤(変性脂環式ポリアミン系)=2:1、電気化学工業社製、商品名「アクアハード主剤およびアクアハード硬化剤」
水性エマルジョン系接着剤:エチレン−酢酸ビニル系エマルジョン、固形分15%、電気化学工業社製、商品名「RIS211E」の3倍希釈液
(試験方法)
付着強度:材齢3日後に縦4cm×横4cmのサイズにコンクリートカッターで切れ目を入れ、建研式付着力試験器で引き抜くことで測定した。測定材齢は28日。
Figure 2009114002
表9より、本発明の耐磨耗性材料を使用した耐磨耗性モルタルは、エポキシ樹脂系接着剤や水性エマルジョン系接着剤を使用することにより、良好な付着強度が得られることが分かる。
「実施例10」
横30cm×縦60cm×厚み6cmのコンクリート製板をサンドブラストし、エポキシ樹脂系接着剤を400g/m塗布し、実験No.1-3、8-3の耐磨耗性モルタルを厚み10mmでコテ塗りにより塗布し、さらに、モルタルの上に物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを200g/m塗布し仕上げを行ったときの表面の長さ変化を測定した。結果を表10に示す。
(使用材料)
物質遮蔽効果のある水性エマルジョンA:アクリル酸エステル−スチレン共重合体系エマルジョン、固形分25%、ニチゴー・モビニール社製、商品名「LDM6481」の2倍希釈液
物質遮蔽効果のある水性エマルジョンB:合成マイカを含有するアクリル酸エステルースチレン共重合体系エマルジョン、固形分38%、電気化学工業社製、商品名「RISフルコート」
(試験方法)
仕上げ直後にコンタクトチップを固定し8時間後に基長し、コンタクトゲージを用いることで表面の長さ変化を測定した。環境条件は温度20℃、湿度50%、風速3〜5m/s。測定材齢28日。
Figure 2009114002
表10より、本発明の耐磨耗性材料を使用した耐磨耗性モルタルは、水性エマルジョンを使用することにより、長さ変化が小さくなることが分かる。
「実施例11」
実施例10と同様に、物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを耐磨耗性モルタルに1日後に塗布した。基長は塗布した時点とした。それ以外は実施例10と同様に行った。結果を表11に示す。
Figure 2009114002
表11より、本発明の耐磨耗性材料を使用した耐磨耗性モルタルは、水性エマルジョンを1日後に塗布することにより、長さ変化が小さくなることが分かる。
「実施例12」
実施例10と同様に、4×4×16cmに成型した実験No.1-3、8-3の耐磨耗性モルタルに、打込み後翌日に物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを塗布して、28日間、温度20℃、湿度50%で気中養生した。その後、実施例5と同様に、中性化深さ、凍結融解抵抗性を測定し、さらに、塩化物イオン浸透深さを測定した。結果を表12に示す。
(試験方法)
塩化物イオン浸透深さ:JIS A 1171に準じて行った。
Figure 2009114002
表12より、本発明の耐磨耗性材料を使用した耐磨耗性モルタルは、水性エマルジョンを塗布することにより、中性化深さ、塩化物イオン浸透深さ、凍結融解抵抗性が向上することが分かる。
本発明の耐磨耗性材料及び補修工法を用いることで、水流や土砂等による磨耗を著しく低減し、表面強度の低下も起こらない優れた耐磨耗性のコンクリート構造物の補修を実現できるため、通水能力を長年にわたって維持することができるなどの効果を奏するので、主に、コンクリート構造物の分野で広範に利用できる。

Claims (8)

  1. セメント100質量部と、最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm以上の骨材が10〜40質量%及び最大粒子径が1.2mm以下で粒子径0.105mm未満の骨材が2〜20質量%の密度が3.0g/cm未満の骨材60〜90質量%からなる平均粒子径が0.5mmを超え1.0mm以内の混合骨材100〜300質量部と、膨張材2〜10質量部と、ポリマーエマルジョン(固形分換算で)1〜10質量部とを含有する耐磨耗性材料。
  2. セメント100質量部に対して、収縮低減剤を0.5〜10質量部含有する請求項1記載の耐磨耗性材料。
  3. セメント、膨張材、混合骨材の合計100質量部に対して、繊維径50μm以下で繊維長12mm以下の繊維を0.02〜0.8質量部含有する請求項1又は2記載の耐磨耗性材料。
  4. セメント100質量部に対して、ロジン誘導体を0.05〜5質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の耐磨耗性材料。
  5. コンクリート構造物を補修するにあたり、エポキシ樹脂系接着剤又は水性エマルジョン系接着剤を塗布した後に、請求項1〜4記載のいずれか1項記載の耐磨耗材料に水を加え練り混ぜて得られるモルタルを塗布するコンクリート構造物の補修工法。
  6. モルタルを塗布した後に、物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを塗布しコテ仕上げを行う請求項5記載のコンクリート構造物の補修工法。
  7. モルタルを塗布し、モルタルの凝結始発時間以降に、物質遮蔽効果のある水性エマルジョンを塗布する請求項5記載のコンクリート構造物の補修工法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載の耐磨耗性材料に水を加え練り混ぜて得られる硬化体のJIS K 7204に準じて測定した磨耗減量が4.0g未満であるモルタル。
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