JP2002121901A - ひび割れを生じているコンクリート構造物の補強・補修方法、およびそのための浸透型接着性組成物 - Google Patents

ひび割れを生じているコンクリート構造物の補強・補修方法、およびそのための浸透型接着性組成物

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JP2002121901A JP2000315678A JP2000315678A JP2002121901A JP 2002121901 A JP2002121901 A JP 2002121901A JP 2000315678 A JP2000315678 A JP 2000315678A JP 2000315678 A JP2000315678 A JP 2000315678A JP 2002121901 A JP2002121901 A JP 2002121901A
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Katsuhito Aono
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Minoru Mizoe
実 溝江
Koichiro Shimomo
孝一郎 紫桃
Shoji Nojima
昭二 野島
Yukihiko Oigawa
幸彦 大井川
Hitoki Kanefuji
▲ひと▼記 金藤
Tatsuya Kujirai
辰弥 鯨井
H Hiporito Feruvinia
フェルヴィニア・エイチ・ヒポリト
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発見が困難な微細クラックから、幅が 0.5mm
程度のひび割れを有するコンクリート構造物にあって
も、単にその構造物のコンクリート表面に塗布するだけ
で、微細ひび割れ内部に接着性組成物を浸透、硬化させ
ることができ、それにより確実かつ容易に補強および充
填補修を行うことのできるコンクリート構造物の補強・
補修方法、およびそのための浸透型の接着性組成物を提
供することを目的とする。 【解決手段】 エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA
液とその硬化剤(B) を主成分とするB液とからなる2液
型のエポキシ樹脂組成物(AB)を用いる。この樹脂組成物
(AB)は、(イ)クリア系の組成物であること、(ロ)2
液配合後の組成物の粘度が100〜2000 mPa・s/20
℃の範囲内にあること、(ハ)5rpm における粘度と5
0rpm における粘度の比率η5 /η50が 1.1〜 2.0の範
囲内にあること、(ニ) 0.2mmの間隔をあけて突き合わ
せ対向させた試験片に対する間隙への下面からの浸透深
さが15mm以上であること、の要件を全て満足してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発見が困難な微細
クラックから、幅が 0.5mm程度のひび割れ部を有するコ
ンクリート構造物を補修ないし補強する方法、およびそ
のための浸透型の接着性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート床板、コンクリート橋脚、
コンクリート梁、コンクリート外壁、コンクリート架
台、コンクリート堰堤、コンクリート砂防ダム、トンネ
ル、ビルなどのコンクリート構造物のコンクリート表面
は、建造後の経年変化によりひび割れ等が生じて劣化を
免れない。そしてひび割れ等の劣化が、コンクリート強
度を低下させたり剥落を生じさせたりすることになる。
ひび割れ発生により、内部鉄筋を腐食させ、構造物破壊
の危険が高まる。
【0003】ひび割れが発生したコンクリート構造物に
ついては、そのひび割れ部にグラウトを注入する注入工
法により補修がなされる。これらのひび割れ注入工法に
おいて使用可能な注入材は、ひび割れ幅が 0.2〜 5.0mm
のひび部分に対して、充分に注入がなされることが要求
される。
【0004】ここでひび割れ注入材としては、エポキシ
樹脂系、ポリエステル樹脂系、ポリウレタン樹脂系など
の樹脂系のものが用いられており、またこれら樹脂系注
入材のほかに、ポリマーセメントスラリー系や超微粒子
無機系などの無機系の注入材も用いられている。
【0005】上記のうちエポキシ樹脂系注入材は、接着
性、耐久性、耐水性、耐アルカリ性、寸法安定性などの
性質がすぐれているため、最も多く使用されている。こ
のエポキシ樹脂系注入材は、エポキシ樹脂主剤とその硬
化剤とからなる2液型のものであり、主剤または硬化剤
の少なくとも一方に充填材を配合することもある。
【0006】そしてひび割れ注入工法にあっては、壁面
や天井面に発生したひび割れに合わせて、低圧注入器具
にエポキシ樹脂系注入材を入れたものを多数準備し、ひ
び割れに合わせてセットし、ゴム、バネ、空気圧などに
より注入が行われる。セットする注入材入り低圧注入器
具の数は、対象面のひび割れ状況によって異なるが、そ
れほど広くない面積に対しても数十本とか百本以上とい
うようにかなりの本数になる。注入時間は、たとえば半
日とか1日である。ある一定面積を修復するとき、通常
は、足場組みに1日、セットに1日、取り外しおよび表
面の仕上げ化粧に1日を要するので、作業には少なくと
も3日を要することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のひび割れ注入工
法は、現在では広く採用されている方法であるが、上記
のように作業に少なくとも3日を要し、セット工程に要
する人員および費用、低圧注入器具の取り外し工程に要
する人員および費用はかなり大きなものとなる。
【0008】加えて、上記のひび割れ注入工法は、ひび
割れ幅が 0.2mm程度から 5.0mm程度までのひび部分に対
して注入を行うものであり、ひび割れ幅が 0.2mm程度あ
るいはそれより狭い微細ひび割れについては、それが余
りに多いので対処できない上、たとえ微細ひび割れに対
して注入工法を適用しようとしても、その微細ひび割れ
の内部に注入材が入りこめないという限界がある。
【0009】結局、微細ひび割れについては、上記従来
のひび割れ注入工法にあっては、これを無視して修復作
業を行わざるをえないのである。
【0010】しかしながら、ひび割れ幅が 0.2mm程度か
それ未満の微細ひび割れにあっても、依然としてそこか
ら水や空気が入り込み、鉄筋を腐食させる危険が高まる
ことに変わりはない。しかるに、従来は、このような微
細ひび割れに対処する有効な方法自体が見い出されてい
ないのが現状である。
【0011】本発明は、このような背景下において、発
見が困難な微細クラックから、幅が0.5mm程度のひび割
れを有するコンクリート構造物にあっても、単にその構
造物の壁面や天井面に塗布するだけで、微細ひび割れ内
部に接着性組成物を充填、硬化させることができ、それ
により確実かつ容易に補強ないし補修を行うことのでき
るコンクリート構造物の補強・補修方法を提供するこ
と、およびそのための浸透型の接着性組成物を提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のひび割れ部を生
じているコンクリート構造物の補強・補修方法は、接着
性組成物(2) を用いて微細ひび割れを生じているコンク
リート構造物(1) の補強・補修を行う方法であって、コ
ンクリート構造物(1) の表面に接着性組成物(2) を塗布
する操作を1回ないし必要回数繰り返すことにより、コ
ンクリート構造物(1) の微細ひび割れ部にその接着性組
成物(2) を充填、硬化させて、コンクリート構造物(1)
の補強ないし補修を行うものであること、前記接着性組
成物(2) として、エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とする
A液とその硬化剤(B) を主成分とするB液とからなる2
液型のエポキシ樹脂組成物(AB)を用いること、および、
そのエポキシ樹脂組成物(AB)は、(イ)実質的に充填剤
を含まないクリア系の組成物であること、(ロ)2液混
合後の組成物の粘度が、B型粘度計による測定で、10
0〜2000 mPa・s/20℃の範囲内にあること、(ハ)
2液混合後の組成物の5rpm における粘度と50rpm に
おける粘度との比率η5 /η50が、B型粘度計による測
定で、 1.1〜 2.0の範囲内にあること、(ニ)40mm×
40mmの断面で長さ160mmのセメントモルタルブロッ
クの中央部付近に曲げ荷重を加え2片に破断した後、そ
の2片の破断面を 0.2mmの間隔をあけて突き合わせ対向
させた状態で固定することにより試験片を作製し、その
試験片をそれぞれ水平姿勢、垂直姿勢に維持し、温度2
0℃の条件下において、水平姿勢の試験片にあってはそ
の下面側から、垂直姿勢の試験片にあってはその片面側
から、2液混合後の組成物をロールコーターを用いて2
50g/m2の厚みに塗布して浸透性試験を行ったとき、上
記の突き合わせ対向させた 0.2mmの間隙に対する浸透深
さが、水平姿勢の試験片については15mm以上であり、
垂直姿勢の試験片については25mm以上であること、の
要件を全て満足するものであることを特徴とするもので
ある。
【0013】本発明の浸透型接着性組成物は、コンクリ
ート構造物(1) の表面に接着性組成物(2) を塗布する操
作を1回ないし必要回数繰り返すことにより、コンクリ
ート構造物(1) の微細ひび割れ部にその接着性組成物
(2) を充填、硬化させて、コンクリート構造物(1) の補
強・補修を行うためのものであって、前記接着性組成物
(2) が、エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA液とそ
の硬化剤(B) を主成分とするB液とからなる2液型のエ
ポキシ樹脂組成物(AB)からなること、および、そのエポ
キシ樹脂組成物(AB)は、(イ)実質的に充填剤を含まな
いクリア系の組成物であること、(ロ)2液混合後の組
成物の粘度が、B型粘度計による測定で、100〜20
00 mPa・s/20℃の範囲内にあること、(ハ)2液混合
後の組成物の5rpm における粘度と50rpm における粘
度との比率η5 /η50が、B型粘度計による測定で、
1.1〜 2.0の範囲内にあること、(ニ)40mm×40mm
の断面で長さ160mmのセメントモルタルブロックの中
央部付近に曲げ荷重を加え2片に破断した後、その2片
の破断面を 0.2mmの間隔をあけて突き合わせ対向させた
状態で固定することにより試験片を作製し、その試験片
をそれぞれ水平姿勢、垂直姿勢に維持し、温度20℃の
条件下において、水平姿勢の試験片にあってはその下面
側から、垂直姿勢の試験片にあってはその片面側から、
2液混合後の組成物をロールコーターを用いて250g/
m2の厚みに塗布して浸透性試験を行ったとき、上記の突
き合わせ対向させた 0.2mmの間隙に対する浸透深さが、
水平姿勢の試験片については15mm以上であり、垂直姿
勢の試験片については25mm以上であること、の要件を
全て満足するものであることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0015】〈浸透型接着性組成物〉本発明において
は、浸透型接着性組成物として、エポキシ樹脂主剤(A)
を主成分とするA液とその硬化剤(B) を主成分とするB
液とからなり、次の要件を全て満足する2液型のエポキ
シ樹脂組成物(AB)を用いる。
【0016】まず要件(イ)として、そのエポキシ樹脂
組成物(AB)は、実質的に充填剤を含まないクリア系の組
成物であることが必要である。充填剤を含むものは、浸
透性が悪くなるので、本発明の目的には適していない。
ただし、浸透性に悪影響を与えない程度の名目的な量の
充填剤を含有していても、本発明から外れることにはな
らない。
【0017】また要件(ロ)として、2液混合後の組成
物の粘度が、B型粘度計による測定で、100〜200
0 mPa・s/20℃の範囲内にあることが必要である。粘度
が100mPa/20℃未満では、微細ひび割れ部を充填する
ことが難しくなり、また垂れが著しいので、壁面や天井
面に対して塗布するときの作業性が悪くなる。一方、粘
度が2000mPa/20℃を越えるときには、微細ひび割れ
部に対し浸透性が不足するようになり、補強・補修を図
ることが難しくなる。
【0018】次に、要件(ハ)として、2液混合後の組
成物の5rpm における粘度と50rpm における粘度との
比率η5 /η50が、B型粘度計による測定で、 1.1〜
2.0の範囲内であることが必要である。この比率はチク
ソトロピック性の指標ということができる。この比率η
5 /η50が 1.1未満であるときは、ひび割れ幅が比較的
広いときに、浸透した組成物の保持性が低下して、その
ような微細ひび割れ部を充填しにくくなる。一方、この
比率η5 /η50が 2.0を越えるときは、微細ひび割れ部
への浸透性が不足することになる。
【0019】さらに、要件(ニ)として、40mm×40
mmの断面で長さ160mmのセメントモルタルブロックの
中央部付近に曲げ荷重を加え2片に破断した後、その2
片の破断面を 0.2mmの間隔をあけて突き合わせ対向させ
た状態で固定することにより試験片となし、その試験片
をそれぞれ水平姿勢、垂直姿勢に維持し、温度20℃の
条件下において、水平姿勢の試験片にあってはその下面
側から、垂直姿勢の試験片にあってはその片面側から、
2液混合後の組成物をロールコーターを用いて250g/
m2の厚みに塗布して浸透性試験を行ったとき、上記の突
き合わせ対向させた 0.2mmの間隙に対する浸透深さが、
水平姿勢の試験片については15mm以上(好ましくは2
0mm以上、殊に25mm以上)であり、垂直姿勢の試験片
については25mm以上(好ましくは30mm以上、殊に3
5mm以上)であることが必要である。浸透深さが上記の
下限を下回るときは、微細ひび割れ部を充分には充填す
ることができず、所期の補強・補修効果が得られがた
い。なおこの浸透深さは、上記の要件(ロ)、(ハ)に
よっても影響を受けるが、さらに組成物の表面張力と相
関関係がある。浸透深さの上限については限定はない
が、水平姿勢の試験片については35mm程度が限界であ
ることが多い(垂直姿勢の試験片については通常は試験
片の厚みである40mm全体に浸透するのが通常であ
る)。
【0020】図1は、この浸透性試験の操作法を示した
説明図である。まずのブロックを準備し、これをの
ように2片に破断し、ついでのように2片の破断面の
一辺に厚さ 0.2mmのスペーサーを設置し、 0.2mmの間隙
をあけて突き合わせ対向させた状態でクランプにて固定
し、のように3面をテープにてシールする。次に、
-1のように試験片を水平姿勢にして未シールの底面(天
井面)から組成物を塗布するか、-2のように試験片を
垂直姿勢にして未シールの側の片面(鉛直面)から組成
物を塗布する。
【0021】上記要件を満足する2液型のエポキシ樹脂
組成物(AB)のうち、エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とす
るA液は、ビスフェノール型のエポキシ樹脂主剤と、反
応性希釈剤と、チクソトロピック性付与剤と、表面張力
低下剤との組成物からなることが好ましい。
【0022】そしてA液は、より具体的には、少なくと
も一部がビスフェノールA型エポキシ樹脂であるビスフ
ェノール型のエポキシ樹脂主剤と、モノまたはジグリシ
ジルエーテル系の反応性希釈剤と、無機または有機系の
チクソトロピック性付与剤と、表面張力低下剤との組成
物からなることが好ましい。
【0023】少なくとも一部がビスフェノールA型エポ
キシ樹脂であるビスフェノール型のエポキシ樹脂主剤の
うち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、主剤成分で
ある。この場合、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、
ビスフェノールF型エポキシ樹脂と併用することが好ま
しい。ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂の結晶化を防止すると共に、低温
下における粘度を低く保つ準主剤成分であるということ
ができる。
【0024】ここでエポキシ樹脂主剤(A) としては、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂のほか、ビスフェノールAD型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノール・ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ
樹脂)、グリシジルアミン系樹脂を用いることもでき
る。ただし、それらを単独で用いるよりも、先に述べた
ビスフェノールA型エポキシ樹脂またはこれとビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂と共に、併用した方が好まし
い。そのほか、場合によっては、環状脂肪族エポキシ樹
脂、グリシジルエステル系樹脂、複素環式エポキシ樹
脂、含ブロムエポキシ樹脂なども、先に述べたビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂またはこれとビスフェノールF
型エポキシ樹脂と、併用の形で用いることができる。
【0025】反応性希釈剤は、先に述べたように、モノ
またはジグリシジルエーテル系の反応性希釈剤であるこ
とが望ましい。モノまたはジグリシジルエーテルとして
は、エチレングリコールモノまたはジグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールモノまたはジグリシジルエ
ーテル、ネオペンチルグリコールモノまたはジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノまたはジグ
リシジルエーテル、炭素数が8以上、さらには10以上
の長鎖のアルキルグリコールのモノまたはジグリシジル
エーテルなどがあげられる。
【0026】反応性希釈剤としては、そのほか、グリセ
リンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン
ポリグリシジルエーテル、オレフィンオキサイド、オク
チレンオキサイド、ブチルグリシジルエーテル、スチレ
ンオキサイド、フェニルグリシジルエーテル、p−ブチ
ルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジル
エーテル、3−(ペンタデシル)フェニルグリシジルエ
ーテル、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル
エーテル、シクロヘキセンビニルモノオキサイド、ジペ
ンテンモノオキサイド、α−ピネンオキサイド、tert−
カルボン酸のグリシジルエステル等のモノエポキシ化合
物をはじめとする低粘度のモノまたはポリエポキシ化合
物などがあげられる。そのほか、フルフリルアルコール
のような反応性の基を有するアルコール系の反応性希釈
剤も使用可能である。
【0027】チクソトロピック性付与剤としては、無機
系、有機化した無機系、または有機系のものが用いられ
る。このうち無機系のチクソトロピック性付与剤の例
は、ケイ酸系(微粒子無水ケイ酸ないしヒュームドシリ
カ)、含水ケイ素マグネシウム系(セピオライト、クリ
ソスタイル等)、ケイ酸アルミニウム系(モンモリロナ
イト系ベントナイト、ゼオライト等)などである。有機
化した無機系のチクソトロピック性付与剤の例は、層間
に有機分子を吸着させた有機ベントナイトである。有機
系のチクソトロピック性付与剤の例は、ポリヒドロキシ
カルボン酸またはそのアミド、ポリアクリル酸ソーダ、
ジベンザルソルビット、ある種の界面活性剤などであ
る。
【0028】表面張力低下剤としては、たとえば、ポリ
ヒドロキシカルボン酸アミド、シリコーン変性ポリアク
リレート、ポリシロキサン、アクリル添加物などがあげ
られる。上述のチクソトロピック性付与剤の中にも表面
張力低下作用を有するものがあるので、そのチクソトロ
ピック性付与剤を表面張力低下剤として兼用することも
できる。
【0029】2液型のエポキシ樹脂組成物(AB)のうち、
エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA液の各成分の配
合割合は、エポキシ樹脂主剤および反応性希釈剤の合計
量を100重量%とするとき、たとえば、 ・ビスフェノール型のエポキシ樹脂主剤の割合は60〜
90重量%、好ましくは65〜85重量%(ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹
脂とを併用するときは、その重量比はたとえば50:5
0〜75:25)、 ・反応性希釈剤の割合は40〜10重量%とすることが
多い。また、エポキシ樹脂主剤および反応性希釈剤の合
計量を100重量部とするとき、 ・チクソトロピック性付与剤の割合は 0.1〜3重量%、 ・表面張力低下剤の割合は 0.1〜3重量% とすることが多い。
【0030】このような配合割合においてバランスのと
れた性質が得られるからである。ただし、上記の
(イ)、(ロ)、(ハ)および(ニ)の要件を満足する
ことが必要である。
【0031】上記要件を満足する2液型のエポキシ樹脂
組成物(AB)のうち、硬化剤(B) を主成分とするB液とし
ては、 ・脂肪族第一アミン(脂肪族ジアミン、脂肪族ポリアミ
ン、芳香環含有脂肪族ポリアミン、脂環ポリアミン、環
状ポリアミン等)、芳香族第一アミン、第三アミン硬化
剤、含リンまたは含ハロゲンアミン硬化剤、変性ポリア
ミンアダクトなどのアミン系硬化剤、 ・ポリアミノアミド系硬化剤、 ・脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、
ハロゲン系酸無水物などの酸または酸無水物系硬化剤 などの硬化剤が用いられる。
【0032】好ましい硬化剤(B) は、低粘度で長いポッ
トライフを与える変性脂肪族ポリアミン系硬化剤、また
は湿潤面に対する接着性を与える変性脂環式アミン系硬
化剤であり、特に好ましい硬化剤(B) は、これらを併用
した組成物、あるいはその組成物にさらに低温硬化性を
与える第3級アミン系硬化剤を少量併用した組成物から
なるものである。このときの割合は、変性脂肪族ポリア
ミン系硬化剤、変性脂環式アミン系硬化剤、第3級アミ
ン系硬化剤の合計量を100重量%とするとき、変性ポ
リアミン系硬化剤が35〜70重量%、変性脂環式アミ
ン系硬化剤が30〜65重量%、第3級アミン系硬化剤
が0〜10重量%とすることが好ましい。
【0033】硬化剤(B) を主成分とするB液にも、先に
述べた反応性希釈剤、チクソトロピック性付与剤、表面
張力低下剤などを配合しておくこともできる。
【0034】エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA液
およびその硬化剤(B) を主成分とするB液の少なくとも
一方(殊に双方)には、カップリング剤を配合しておく
ことが好ましい。カップリング剤としては、チタネート
系カップリング剤、シラン系カップリング剤、アルミニ
ウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング
剤、クロム系カップリング剤、有機リン酸系カップリン
グ剤などがあげられる。カップリング剤を使用するとき
は、その配合量は、エポキシ樹脂主剤(A) または硬化剤
(B) に対し、たとえば 0.1〜5重量%とすることが多
い。
【0035】また、A液およびB液の少なくとも一方に
は、本発明の趣旨を損なわない範囲において、可塑剤、
有機溶剤、軟化剤をはじめとする粘度低下ないし相溶性
向上のための添加剤を含有させることができる。そのほ
かにも、エポキシ樹脂接着剤に用いられる種々の添加剤
を含有させることもできる。
【0036】A液とB液との割合は、使用するエポキシ
樹脂主剤(A) および硬化剤(B) との関係で異なるが、エ
ポキシ当量/活性水素当量の比に基く必要量に、実験的
に定めた最適量を参考にして決めればよく、一般にはエ
ポキシ樹脂主剤(A) 100重量部に対し10〜100重
量部、殊に20〜80重量部とすることが多い。
【0037】〈コンクリート構造物の補強・補修方法〉
上述の浸透型接着性組成物を用いて、微細ひび割れ部を
生じているコンクリート構造物(1) の補強・補修方法が
実施される。コンクリート構造物(1) としては、コンク
リート床板、コンクリート橋脚、コンクリート梁、コン
クリート外壁、コンクリート架台、コンクリート堰堤、
コンクリート砂防ダム、トンネル、ビルなどが例示でき
る。これらのコンクリート構造物の壁、天井等、外面に
適用でき、加えて湿潤面に対しても有効であるところ
が、本発明の特長点でもある。
【0038】このときには、エポキシ樹脂主剤(A) を主
成分とするA液と硬化剤(B) を主成分とするB液とを用
いて、使用の直前に両者を混合するか、二頭ガン等を用
いて使用と同時に両者を混合し、ついでロールコート方
式やハケによりコンクリート構造物(1) に塗布する操作
を1回ないし必要回数繰り返すだけでよい。これによ
り、コンクリート構造物(1) の微細ひび割れ部にエポキ
シ樹脂組成物(AB)が浸透して充填されるので、あとは放
置しておくだけでよい。浸透したエポキシ樹脂組成物(A
B)は半日とか1,2日、長くても数日で自然硬化し、コ
ンクリート構造物(1) の強固な補強・補修が達成され
る。仕上げは必ずしも必要ではないが、美観の点からモ
ルタル仕上げや樹脂塗装仕上げなどの仕上げ処理をする
こともできる。
【0039】施工場所の気温が低いときには、接着性組
成物を少量ずつ何回かに分けて塗布することにより、液
だれを防止することができる。
【0040】塗布面に、ビニロン繊維糸製のネット、ビ
ニロン繊維糸−炭素繊維糸製のネット、ガラス繊維糸製
のネットなどを貼着することも好ましい。特にビニロン
繊維糸が正三角形の格子を形成した3軸織物の格子点を
固定したネットを貼着すると、コンクリート構造物(1)
の剥落防止にとって特に有効である。
【0041】なお、本発明の方法によっては大きなひび
割れ部については充填が不充分となるので、そのような
大きなひび割れ部については、従来と同様の注入材の注
入工法を実施し、ついで本発明の微細ひび割れ部の補強
・補修方法を実施すればよい。
【0042】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「部」とあるのは重量部である。
【0043】《粘度、チクソトロピック性、表面張力の
影響》 〈粘度条件についての検討〉次の処方で、エポキシ樹脂
主剤(A) を主成分とするA液と硬化剤(B) を主成分とす
るB液とを調製した。
【0044】(配合原料の準備)A液用、B液用の成分
として次のものを準備した。 −A液用− A1: 液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂との重量比で50:28の混
合物 A2: アルキルグリシジルエーテル(反応性希釈剤) A3: アルキルグリコールジグリシジルエーテル(反応
性希釈剤) −B液用− B1: 変性脂肪族ポリアミン
【0045】(配合処方、特性)上記の原料を用いて表
1の配合処方の接着性組成物を調製し、B型粘度計によ
り20℃における粘度(mPa・s/20℃) を測定した。
【0046】これとは別に、300mm×300mm×60
mmの大きさのコンクリート平版試験体に曲げ荷重を加え
て微細な未貫通ひび割れを発生させ、そのコンクリート
試験体をひび割れ部を下面にして水平にセットし、表1
の接着性組成物をロールコーターを用いて下面に250
g/m2の厚みに塗布してから、 0.1〜0.25mmの未貫通ひび
割れ部への浸透深さを測定した。結果を表1に併せて示
す。表1における塗布の容易さの評価は、好ましいもの
の順に◎、○、□、△の4段階で判定した。
【0047】
【表1】 配合処方 A1 100 80 80 75 75 80 65 (部) A2 − 20 − − 25 10 − A3 − − 20 25 − 10 35 1 40 43 38 45 37 41 36 粘度(mPa・s/20℃) 2000 1000 700 350 640 480 200 塗布の容易さ △ □ ○ ◎ ○ ◎ ◎ 浸透深さ(mm) 2- 3 5-10 7-12 8-15 7-15 7-15 6-10
【0048】表1から、上記の処方の下においては、塗
布の容易さおよび微細ひび割れ部への浸透性から見たと
きの最適の粘度範囲は350〜700 mPa・s/20℃であ
り、この範囲より粘度が低くなるにつれて、あるいはこ
の範囲より粘度が高くなるにつれて、相対的にバランス
が悪くなっていく傾向があることがわかる。
【0049】〈チクソトロピック性についての検討〉 (配合処方、特性)上述の原料のほかにチクソトロピッ
ク性付与剤として A4: セピオライト Mg8Si12O30(OH)4(OH2)4・8H2Oを主
たる成分とする無機系チクソトロピック性付与剤の混合
物を用いて、表2の配合処方の接着性組成物を調製し、
上述の条件にて、2液配合後の組成物のB型粘度計によ
る5rpm における粘度(mPa・s/20℃) と50rpm におけ
る粘度(mPa・s/20℃) との比率η5 /η50を測定すると
共に、塗布の容易さ、ダレの程度、 0.1〜0.25mmの未貫
通ひび割れ部への浸透深さを評価または測定した。結果
を表2に示す。表中、塗布の容易さ、ダレの有無の評価
は、好ましいものの順に◎、○、□、△の4段階で判定
した。
【0050】
【表2】 配合処方 A1 80 80 80 80 80 80 80 80 (部) A2 10 10 10 10 10 10 10 10 A3 10 10 10 10 10 10 10 10 A4 − 0.2 0.5 0.8 1.0 1.2 1.5 2.0 1 40 41 41 41 41 41 41 41 η6 /η60 1.00 1.10 1.30 1.55 1.73 1.80 2.00 2.30 塗布の容易さ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ □ ダレの程度 △ □ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ 浸透深さ(mm) 7-15 7-15 7-15 6-15 6-15 6-15 6-13 4-10
【0051】表2と表1との対比から、上記の処方の下
においては、塗布の容易さ、ダレの抑制、および微細ひ
び割れ部への浸透性から見たときの最適のチクソトロピ
ック性付与剤の配合量は 0.2〜 1.5部(η5 /η50で1.
10〜2.00)であり、この範囲よりチクソトロピック性が
小さくなるにつれて、あるいはこの範囲よりチクソトロ
ピック性が大きくなるにつれて、相対的にバランスが悪
くなっていく傾向があることがわかる。
【0052】〈表面張力についての検討〉 (配合処方、特性)上述の原料のほかに表面張力低下剤
として A5: シリコーン変性ポリアクリレートを用いて、表3
の配合処方の接着性組成物を調製し、上述の条件にて、
η5 /η 50を測定すると共に、塗布の容易さ、湿潤コン
クリート面への濡れ性、 0.1〜0.25mmの未貫通ひび割れ
部への浸透深さを評価または測定した。結果を表3に示
す。表中、塗布の容易さ、湿潤コンクリート面への濡れ
性の評価は、好ましいものの順に◎、○、□、△の4段
階で判定した。
【0053】
【表3】 配合処方 A1 80 80 80 80 80 80 80 80 (部) A2 10 10 10 10 10 10 10 10 A3 10 10 10 10 10 10 10 10 A4 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 1.2 A5 − 0.2 0.5 0.8 1.0 1.2 1.5 2.0 1 41 41 41 41 41 41 41 41 η6 /η60 1.80 1.80 1.80 1.82 1.80 1.80 1.72 1.72 塗布の容易さ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 湿潤面への濡れ性 □ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ 浸透深さ(mm) 6-15 6-15 8-20 10-25 11-25 10-25 11-25 6-18
【0054】表3と表1,2との対比から、上記の処方
の下においては、塗布の容易さ、湿潤コンクリート面へ
の濡れ性、および微細ひび割れ部への浸透性から、最適
の表面張力低下剤の配合量は 0.2〜 1.5部であり、この
範囲より表面張力低下剤の配合量が小さくなるにつれ
て、あるいはこの範囲より表面張力低下剤の配合量が大
きくなるにつれて、相対的にバランスが悪くなっていく
傾向があることがわかる。
【0055】《第1の実施例》 〈浸透型接着性組成物の調製〉次の処方で、エポキシ樹
脂主剤(A) を主成分とするA液と硬化剤(B) を主成分と
するB液とを調製した。
【0056】 (A液処方) ・ビスフェノールA型エポキシ樹脂 50部 ・ビスフェノールF型エポキシ樹脂 28部 ・アルキルグリシジルエーテル(反応性希釈剤) 9部 ・アルキルグリコールジグリシジルエーテル(反応性希釈剤) 10部 ・無機系チクソトロピック性付与剤(先に述べたもの) 1部 ・シリコーン変性ポリアクリレート(表面張力低下剤) 1部 ・カップリング剤 1部
【0057】 (B液処方) ・変性ポリアミドアミン 40部 ・変性イソフォロンジアミン 30部 ・変性ポリオキシプロピレンアミン 20部 ・ジメチルアミノメチルフェノール 1部 ・メタキシリレンジアミン変性アミン 9部
【0058】上記のエポキシ樹脂主剤(A) からなるA液
と上記の硬化剤(B) からなるB液とを、重量比で10
0:40(体積比で2:1)の割合で使用直前に混合し
て組成物を調製し、以下の試験に供した。
【0059】(エポキシ樹脂組成物(AB))上記のエポキ
シ樹脂組成物(AB)は、(イ)実質的に充填剤を含まない
クリア系の組成物であること、(ロ)2液混合後の組成
物の粘度は、B型粘度計による測定で、100〜200
0 mPa・s/20℃の範囲内であること、(ハ)2液混合後
の組成物の5rpm における粘度と50rpm における粘度
との比率η5 /η50は、B型回転粘度計による測定で、
1.1〜 2.0の範囲内にあること、(ニ)図1に示した浸
透性試験における水平姿勢における底面(天井面)から
の組成物の浸透深さは15mm以上であり、垂直姿勢にお
ける片面(鉛直面)からの組成物の浸透深さは25mm以
上であることの条件を全て満たしている。
【0060】(組成物の粘度)混合後の時間と粘度との
関係を表4に示す。
【0061】
【表4】 時間 粘度(mPa・s) (min) 5℃ 10℃ 15℃ 20℃ 25℃ 0 1720 1110 480 448 360 15 1680 1000 584 392 344 30 1660 1000 584 392 344 45 1700 1020 584 448 344 60 1880 1120 584 600 424 75 1980 1160 648 952 608 90 2100 1360 748 1700 1120 120 2240 1640 1660 − − 150 2900 2040 − − − 180 3480 − − − −
【0062】気温と可使時間との関係を下記に示す。3
00g混合後の液にべたつきを生じる前の状態を可使時
間とした。 可使時間 5℃: 120分、10℃: 115分、15℃:75分、20℃:60
分、25℃:30分
【0063】この組成物をコンクリート試験体に250
g/m2塗布し、各気温ごとの指触乾燥時間と初期硬化時間
を測定した。 指触乾燥時間 5℃:20hr、10℃:15hr、15℃:10hr、20℃: 8hr、25
℃: 7hr 初期硬化時間 5℃:28hr、10℃:20hr、15℃:16hr、20℃:12hr、25
℃:10hr
【0064】上記組成物で圧縮、曲げ、引張、引張剪断
強度の試験体を作製し、各材令ごとに試験体の強度を測
定し、平均値を求めた。結果を表5に示す。
【0065】
【表5】 試験項目 圧縮強度 曲げ強度 引張強度 引張剪断強度 試験方法 JIS K7205 JIS K7203 JIS K7113 JIS K6850 単位 N/mm2 N/mm2 N/mm2 N/mm2 1日×20℃ 1.0 0.2 1.0 7.0 2日×20℃ 6.0 1.0 3.0 18.0 3日×20℃ 27.0 4.0 7.0 19.0 5日×20℃ 34.0 10.0 11.0 19.0 6日×20℃ 39.0 18.0 16.0 19.0 14日×20℃ 44.0 42.0 30.0 20.0 21日×20℃ 54.0 45.0 33.0 21.0 28日×20℃ 77.0 63.0 43.0 22.0 35日×20℃ 77.0 63.0 43.0 22.0
【0066】〈浸透試験および破壊試験/第1〉上記の
A液とB液とを混合した接着性組成物を用いて、以下の
浸透試験および破壊試験を行った。
【0067】(浸透試験1) 300mm×300mm×60mmの大きさのコンクリー
ト試験体をハンマーで打ち、図2(イ)のような 0.1〜
0.5mmの貫通ひび割れを発生させた。 ついで、このコンクリート試験体を図2(ロ)のよ
うにセットし、その下面に、上記のA液とB液とを10
0:40の重量比で混合した接着性組成物を、ロールコ
ーターを用いて、250g/m2の厚みに塗布した。 これを20℃に7日間放置して硬化養生した。 コンクリート試験体のひび割れ接着部分から、ダイ
アモンドカッターにて外径45mmのコアを採取した。 コア切断面より、ひび割れへの接着性組成物の浸透
状況を観察した。
【0068】(浸透試験2) 300mm×300mm×60mmの大きさのコンクリー
ト試験体に曲げ荷重を加え、図3(イ)のような 0.1〜
0.5mmの貫通ひび割れを発生させた。 ついで、このコンクリート試験体を図3(ロ)のよ
うにセットし、B液をその下面に、上記のA液とB液と
を100:30の重量比で混合して接着力を低減させた
接着性組成物(B液を25%低減)を、ロールコーター
を用いて、250g/m2の厚みに塗布した。 これを20℃に1日間放置して硬化養生した。 コンクリート試験体に曲げ荷重を加え、供試体を破
壊した。 破断面より、ひび割れへの接着性組成物の浸透状況
を観察した。
【0069】(浸透試験3) 300mm×300mm×60mmの大きさのコンクリー
ト試験体に、図4(イ)のような曲げ荷重を加え、図4
(ロ)のような 0.1〜 0.5mmの未貫通ひび割れを発生さ
せた。 ついで、このコンクリート試験体を図4(ハ)のよ
うに水平(天井面を想定)および鉛直(壁面を想定)に
セットし、上記のA液とB液とを100:40の重量比
で混合した接着性組成物にさらに紫外線発光剤を混合し
たものを、ロールコーターを用いて、各々250g/m2
厚みに塗布した。 硬化養生後の供試体に曲げ荷重を加えて破壊した。 浸透接着部(コンクリート試験体のひび割れ接着部
分)から、ダイアモンドカッターにて外径45mmのコア
を各2個採取した。 コア切断面に紫外線ランプを照射し、微小クラック
を含むひび割れへの接着性組成物の浸透状況を観察し
た。
【0070】(浸透試験4) 300mm×300mm×60mmの大きさのコンクリー
ト試験体に、図4(イ)のような曲げ荷重を加え、図4
(ロ)のような 0.1〜 0.5mmの未貫通ひび割れを発生さ
せた。 ついで、このコンクリート試験体を図4(ハ)のよ
うに水平(天井面を想定)および鉛直(壁面を想定)に
セットし、上記のA液とB液とを100:40の重量比
で混合した接着性組成物を、ロールコーターを用いて、
各々250g/m2の厚みに塗布した。 これを20℃に8時間放置して硬化養生した。 供試体に曲げ荷重を加え、破壊した。 破断面より、ひび割れへの接着性組成物の浸透状況
を観察した。
【0071】(破壊試験1) 300mm×300mm×60mmの大きさのコンクリー
ト試験体に曲げ荷重を加え、図5(イ)のような 0.1〜
0.5mmの未貫通ひび割れを発生させた。 ついで、このコンクリート試験体を図5(ロ)のよ
うに水平(天井面を想定)および鉛直(壁面を想定)に
セットし、上記のA液とB液とを100:40の重量比
で混合した接着性組成物を、ロールコーターを用いて、
各々250g/m2の厚みに塗布した。 これを20℃に7日間放置して硬化養生した。 コンクリート試験体に図5(ハ)のような荷重を加
え、破壊荷重の測定と破壊状況を観察した。
【0072】(浸透試験の試験結果)上記の浸透試験1
〜4の結果を下記および図6〜9に示す。
【0073】(1) 浸透試験1 接着性組成物は、図6のように、ひび割れに対し、塗布
面より約20〜30mmまで浸透した。(図6参照)
【0074】(2) 浸透試験2 接着性組成物は、図7のように、塗布面より約20mmま
では全体に浸透し、部分的には上端まで浸透した。浸透
率は全断面の約60%であった。(図7参照)
【0075】(3) 浸透試験3 ・天井面塗布供試体 接着性組成物は、図8のように、天井面塗布においては
塗布面より20〜25mmまで浸透した。また充填部の先
端部分では0.04〜0.08mmの微小クラックにも浸透するこ
とが確認できた。(図8(イ)、(ロ)参照) ・鉛直面塗布供試体 接着性組成物は、図8のように、鉛直面塗布においては
塗布面から反塗布面まで、微小クラックを含むひび割れ
部のほぼ全体に浸透することが確認できた。(図8
(ハ)参照)
【0076】(4) 浸透試験4 ・天井面塗布供試体 接着性組成物は、図9のように、天井面塗布においては
塗布面より20〜25mmまで浸透することが確認でき
た。(図9(イ)参照) ・鉛直面塗布供試体 接着性組成物は、図9のように、鉛直面塗布においては
塗布面から反塗布面までのひび割れ部のほぼ全体に浸透
することが確認できた。(図9(ロ)参照)
【0077】(破壊試験の試験結果)上記の破壊試験1
の結果を下記の表6に示す。いずれの供試体にあって
も、その破壊は別の位置による破壊であった。
【0078】
【表6】 浸透接着後の ひび割れ発生 破壊状況 供試体 破壊荷重(kg) 時の荷重(kg) 天井面塗布 供試体 平均 1457 1662 (1回目) 1541 1675 浸透接着部外で破壊 (2回目) 1415 1722 浸透接着部外で破壊 (3回目) 1372 1570 浸透接着部外で破壊 (4回目) 1489 1752 浸透接着部外で破壊 (5回目) 1469 1597 浸透接着部外で破壊 鉛直面塗布 供試体 平均 1570 1704 (1回目) 1618 1856 浸透接着部外で破壊 (2回目) 1547 1748 浸透接着部外で破壊 (3回目) 1706 1640 浸透接着部外で破壊 (4回目) 1493 1678 浸透接着部外で破壊 (5回目) 1485 1597 浸透接着部外で破壊
【0079】(解析)上記の試験結果から次のことがわ
かる。 1.本発明の接着性組成物は、天井面塗布においては、
塗布面より20mmまではひび割れの全体に浸透し、先端
部分では0.01mmの微小クラックまで浸透充填される。 2.鉛直面塗布においては、塗布面から反塗布面までほ
ぼ全体に浸透し、 0.1mm以下の微小クラックまで浸透充
填される。 3.浸透接着後の曲げ破壊試験においては、天井面塗布
供試体および鉛直面塗布供試体とも、約90%の値が得
られる。また破壊部位はいずれも、浸透接着部ではな
く、新たなひび割れによる破壊である。
【0080】〈浸透試験および破壊試験/第2〉 (コンクリート斫り面/浸透および破壊試験)300mm
×300mm×60mmの大きさのコンクリート試験体8枚
をチッピングハンマーにて目粗した後、曲げ荷重を加え
て 0.1〜 0.5mmのひび割れを設け、図10(イ)〜
(ニ)のように設置してから、上述の接着性組成物(紫
外線発光剤を混合したもの)を塗布した。施工温度は1
1℃、材料粘度は800 mPa・s 、塗布量は250g/m2
(3回塗り)とした。
【0081】これを20℃で7日間硬化養生の上、ダイ
アモンドコアカッターで試料を採取後、紫外線ランプを
用いて浸透状況を観察した。残りの4枚に曲げ荷重を加
え、破壊強度の測定と破壊状況を観察した。
【0082】浸透性の観察結果を図11(イ)〜(ニ)
に示す。破壊試験の結果は次の表7の如くであった。
【0083】
【表7】 試験体 破壊荷重(kg) 変位(mm) 破壊状況 天井面塗布 1490 3.3 新たなひび割れによる破壊 鉛直面塗布 1900 3.6 新たなひび割れによる破壊 傾斜面塗布 1870 2.1 新たなひび割れによる破壊
【0084】〈性能試験/第3〉 (低温下における塗布試験)300mm×300mm×60
mmの大きさのコンクリート試験体の表面を平滑および目
粗し、曲げ荷重を加えて 0.1〜 0.5mmのひび割れを設
け、5℃の恒温室内に傾斜45°に設置後、上述の接着
性組成物(紫外線発光剤を混合したもの)の塗布を、塗
布方法(塗布回数、塗布量)、液温調整、粘度調整した
塗布試験を行い、液だれの有無と浸透状況を観察した。
【0085】(1)平滑面塗布試験 ・塗布実施温度:5℃ ・接着性組成物の温度と粘度 5℃(粘度1600 mPa・s ) 10℃(粘度1200 mPa・s ) 25℃(粘度 450 mPa・s ) ・刷毛仕様 ローラー刷毛(直径40mm×幅100mm、毛長11mm、
材質ウール) ・塗布時間 塗布面積 0.09m2/10min
【0086】(1-1) 液温5℃で40gを2回に分けて塗
布 刷毛に接着性組成物を毛先が埋没する程度(100g)
含ませ、30g(333g/m2)をコンクリート試験体に
塗布し、5分後に10g(111g/m2)を塗布した。そ
の結果、塗布量40gに対し液だれが12g生じた。浸
透深さは約10mmであった。
【0087】(1-2) 液温5℃で22.5gを5回に分けて塗
布 刷毛に接着性組成物を毛先が埋没しない程度(80g)
含ませ、4回に分けて18g(200g/m2)をコンクリ
ート試験体に塗布し、5分後に 4.5g(50g/m2)を塗
布した。その結果、液だれはなく、浸透深さは約20〜
30mmであった。
【0088】(1-3) 液温10℃で22.5gを4回に分けて
塗布 刷毛に接着性組成物を毛先が埋没しない程度(80g)
含ませ、3回に分けて20g(222g/m2)をコンクリ
ート試験体に塗布し、5分後に 2.5g(83g/m2)を塗
布した。その結果、液だれはなく、浸透深さは約25〜
40mmであった。
【0089】(1-4) 液温20℃で22.5gを4回に分けて
塗布 刷毛に接着性組成物を毛先が埋没しない程度(80g)
含ませ、3回に分けて20g(222g/m2)をコンクリ
ート試験体に塗布し、5分後に 2.5g(83g/m2)を塗
布した。その結果、液だれはなく、浸透深さは約25〜
40mmであった。
【0090】(2)斫り面塗布試験 ・塗布実施温度:5℃ ・接着性組成物の温度と粘度 5℃(粘度1600 mPa・s ) 10℃(粘度1200 mPa・s ) 25℃(粘度 450 mPa・s ) ・刷毛仕様 アングルローラー刷毛(直径40mm×幅100mm、毛長
13mm、材質アクリル・ポリエステル混紡) ・塗布時間 塗布面積 0.09m2/10min
【0091】(2-1) 液温5℃で36gを3回に分けて塗
布 刷毛に接着性組成物を110g含ませ、2回に分けて2
0g(222g/m2)をコンクリート試験体に塗布し、5
分後に10g(111g/m2)を塗布した。その結果、塗
布量36gに対し液だれが14g生じた。浸透深さは約
20mmであった。
【0092】(2-2) 液温5℃で25gを7回に分けて塗
布 刷毛に接着性組成物を20〜40g含ませ、5回に分け
て20g(222g/m2)をコンクリート試験体に塗布
し、5分後に2回に分けて5g(55g/m2)を塗布した
後、3分後に 7.5gを刷毛に含ませることにより除去し
た。その結果、液だれはなく、浸透深さは約20〜30
mmであった。
【0093】(2-3) 液温10℃で22.5gを8回に分けて
塗布 刷毛に接着性組成物を30〜60g含ませ、6回に分け
て18g(200g/m2)をコンクリート試験体に塗布
し、5分後に2回に分けて 4.5g(50g/m2)を塗布し
た後、3分後に5gを刷毛に含ませることにより除去し
た。その結果、液だれはなく、浸透深さは約20〜40
mmであった。
【0094】(2-4) 液温20℃で22.5gを6回に分けて
塗布 刷毛に接着性組成物を30〜60g含ませ、6回に分け
て18g(200g/m2)をコンクリート試験体に塗布
し、5分後に 4.5g(50g/m2)を塗布した後、3分後
に7gを刷毛に含ませることにより除去した。その結
果、液だれはなく、浸透深さは約25〜40mmであっ
た。
【0095】(解析)本発明の接着性組成物は、5℃の
低温下においては、傾斜面などに塗布するときに過剰に
塗布すると余剰液が垂れ落ちることがある。このような
垂れ落ちは、(a) 1回の塗布量を少なくし、塗布回数を
7〜8回にして、200g/m2を目安に塗布する方法、
(b) 接着性組成物を20℃前後に加温して塗布回数を7
〜8回にして、200g/m2を目安に塗布する方法、(c)
低粘度品を用いる方法、などにより対処することができ
る。
【0096】
【発明の効果】本発明において用いる接着性組成物(2)
は、エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA液とその硬
化剤(B) を主成分とするB液とからなる2液型のエポキ
シ樹脂組成物(AB)である。そのエポキシ樹脂組成物(AB)
は、(イ)実質的に充填剤を含まないクリア系の組成物
であり、(ロ)2液混合後の組成物の粘度は100〜2
000 mPa・s/20℃の範囲内にあり、(ハ)2液混合後
の組成物のチクソトロピック性を示す指標η5 /η50
1.1〜2.0の範囲内にあり、(ニ)図1に示した浸透性
試験における水平姿勢における底面(天井面)からの組
成物の浸透深さは15mm以上であり、垂直姿勢における
片面(鉛直面)からの組成物の浸透深さは25mm以上で
ある。
【0097】このような工夫を講じてあるため、本発明
の組成物を用いてコンクリート面に塗布すると、壁面、
天井面、傾斜面であっても、微細なひび割れに組成物が
浸透してひび割れを充填すると共に、硬化する。このと
きの接着力は極めて強力であるので、破壊試験を行って
も、破壊部位は浸透接着部ではなく、新たなひび割れに
よる破壊となる。従って、コンクリート構造物(1) の微
細ひび割れ面に対する所期の補強・補修目的が確実に達
成できる。
【0098】しかも、本発明の組成物を用いれば、単に
塗布するだけでよいので、上向き姿勢で接着作業を行っ
てもそれほど苦にならず、施工性が良好であるという利
点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項で規定する浸透性試験の操作法を示した
説明図である。
【図2】浸透試験1の説明図である。
【図3】浸透試験2の説明図である。
【図4】浸透試験3の説明図である。
【図5】浸透試験4の説明図である。
【図6】破壊試験1の説明図である。
【図7】浸透試験2の結果を示した概略図である。
【図8】浸透試験3の結果を示した概略図である。
【図9】浸透試験4の結果を示した概略図である。
【図10】コンクリート斫り面の浸透試験における組成
物の塗布態様を示した説明図である。
【図11】浸透性の観察結果を示した概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 163/02 C09J 163/02 (72)発明者 溝江 実 東京都千代田区霞が関3丁目3番2号 日 本道路公団内 (72)発明者 紫桃 孝一郎 東京都千代田区霞が関3丁目3番2号 日 本道路公団内 (72)発明者 野島 昭二 東京都千代田区霞が関3丁目3番2号 日 本道路公団内 (72)発明者 大井川 幸彦 神奈川県横浜市神奈川区星野町1番地 ア ルファ工業株式会社内 (72)発明者 金藤 ▲ひと▼記 神奈川県横浜市神奈川区星野町1番地 ア ルファ工業株式会社内 (72)発明者 鯨井 辰弥 神奈川県横浜市神奈川区星野町1番地 ア ルファ工業株式会社内 (72)発明者 フェルヴィニア・エイチ・ヒポリト 神奈川県横浜市神奈川区星野町1番地 ア ルファ工業株式会社内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB14 4J038 DB061 DB071 DB121 DL032 HA456 HA466 JA35 JA39 JA69 JB04 JB05 JB14 JC38 KA02 KA03 KA06 KA08 LA06 MA10 MA15 NA03 NA11 NA12 PA18 PB05 PC04 4J040 EC001 EC041 EC061 EC091 EC141 HA316 HB22 HB26 HB44 HC03 HC05 HC08 HC10 HD21 JA03 JA13 KA16 KA25 LA06 MA06 NA12 PA28 PA40

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接着性組成物(2) を用いて微細ひび割れを
    生じているコンクリート構造物(1)の補強・補修を行う
    方法であって、 コンクリート構造物(1) の表面に接着性組成物(2) を塗
    布する操作を1回ないし必要回数繰り返すことにより、
    コンクリート構造物(1) の微細ひび割れ部にその接着性
    組成物(2) を充填、硬化させて、コンクリート構造物
    (1) の補強ないし補修を行うものであること、 前記接着性組成物(2) として、エポキシ樹脂主剤(A) を
    主成分とするA液とその硬化剤(B) を主成分とするB液
    とからなる2液型のエポキシ樹脂組成物(AB)を用いるこ
    と、および、 そのエポキシ樹脂組成物(AB)は、(イ)実質的に充填剤
    を含まないクリア系の組成物であること、(ロ)2液混
    合後の組成物の粘度が、B型粘度計による測定で、10
    0〜2000 mPa・s/20℃の範囲内にあること、(ハ)
    2液混合後の組成物の5rpm における粘度と50rpm に
    おける粘度との比率η5 /η50が、B型粘度計による測
    定で、 1.1〜 2.0の範囲内にあること、(ニ)40mm×
    40mmの断面で長さ160mmのセメントモルタルブロッ
    クの中央部付近に曲げ荷重を加え2片に破断した後、そ
    の2片の破断面を 0.2mmの間隔をあけて突き合わせ対向
    させた状態で固定することにより試験片を作製し、その
    試験片をそれぞれ水平姿勢、垂直姿勢に維持し、温度2
    0℃の条件下において、水平姿勢の試験片にあってはそ
    の下面側から、垂直姿勢の試験片にあってはその片面側
    から、2液混合後の組成物をロールコーターを用いて2
    50g/m2の厚みに塗布して浸透性試験を行ったとき、上
    記の突き合わせ対向させた 0.2mmの間隙に対する浸透深
    さが、水平姿勢の試験片については15mm以上であり、
    垂直姿勢の試験片については25mm以上であること、の
    要件を全て満足するものであることを特徴とするひび割
    れ部を生じているコンクリート構造物の補強・補修方
    法。
  2. 【請求項2】コンクリート構造物(1) の表面に接着性組
    成物(2) を塗布する操作を1回ないし必要回数繰り返す
    ことにより、コンクリート構造物(1) の微細ひび割れ部
    にその接着性組成物(2) を充填、硬化させて、コンクリ
    ート構造物(1) の補強・補修を行うためのものであっ
    て、 前記接着性組成物(2) が、エポキシ樹脂主剤(A) を主成
    分とするA液とその硬化剤(B) を主成分とするB液とか
    らなる2液型のエポキシ樹脂組成物(AB)からなること、
    および、 そのエポキシ樹脂組成物(AB)は、(イ)実質的に充填剤
    を含まないクリア系の組成物であること、(ロ)2液混
    合後の組成物の粘度が、B型粘度計による測定で、10
    0〜2000 mPa・s/20℃の範囲内にあること、(ハ)
    2液混合後の組成物の5rpm における粘度と50rpm に
    おける粘度との比率η5 /η50が、B型粘度計による測
    定で、 1.1〜 2.0の範囲内にあること、(ニ)40mm×
    40mmの断面で長さ160mmのセメントモルタルブロッ
    クの中央部付近に曲げ荷重を加え2片に破断した後、そ
    の2片の破断面を 0.2mmの間隔をあけて突き合わせ対向
    させた状態で固定することにより試験片を作製し、その
    試験片をそれぞれ水平姿勢、垂直姿勢に維持し、温度2
    0℃の条件下において、水平姿勢の試験片にあってはそ
    の下面側から、垂直姿勢の試験片にあってはその片面側
    から、2液混合後の組成物をロールコーターを用いて2
    50g/m2の厚みに塗布して浸透性試験を行ったとき、上
    記の突き合わせ対向させた 0.2mmの間隙に対する浸透深
    さが、水平姿勢の試験片については15mm以上であり、
    垂直姿勢の試験片については25mm以上であること、の
    要件を全て満足するものであることを特徴とする浸透型
    接着剤組成物。
  3. 【請求項3】エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA液
    が、ビスフェノール型のエポキシ樹脂主剤と、反応性希
    釈剤と、チクソトロピック性付与剤と、表面張力低下剤
    との組成物からなることを特徴とする請求項2記載の浸
    透型接着性組成物。
  4. 【請求項4】エポキシ樹脂主剤(A) を主成分とするA液
    が、少なくとも一部がビスフェノールA型エポキシ樹脂
    であるビスフェノール型のエポキシ樹脂主剤と、モノま
    たはジグリシジルエーテル系の反応性希釈剤と、無機ま
    たは有機系のチクソトロピック性付与剤と、表面張力低
    下剤との組成物からなることを特徴とする請求項3記載
    の浸透型接着性組成物。
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