JP4667327B2 - コンクリートの剥落防止工法 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道、道路等の橋梁の床版コンクリートの劣化により、コンクリート片が剥落するのを防止する工法に関する。
鉄道、道路等の橋梁などにはコンクリートが広く使用されている。しかし、当該コンクリートの劣化によりコンクリート片が剥落する事故が生じる。そこで、日本道路公団により、コンクリート片の剥落を防ぐために予防、保全的に考えだされたのが、コンクリートの剥落防止工法である。このコンクリート剥落防止工法の考え方は、以下の要求性能に基いている。(1)剥落等の落下しようとするコンクリート片を剥落させない性能(剥落防止性能)、(2)既設構造物に発生しているひび割れ注入が困難なひび割れに浸透し、かつひび割れを接着する性能(ひび割れ含浸性能)及び(3)構造物の予定供用期間中に、鋼材腐食を助長させる劣化因子の進入を防止した上で、上記(1)及び(2)の性能を維持する性能。さらに、剥落防止性能については、剥落させない性能に加えて、コンクリートの劣化発生が確認できることが要求される。
このような要求性能に合わせて、現在行なわれている剥落防止工法は、(1)表面の脆弱層を除去(ケレン、研磨、サンドブラスト、ウォータージェット等)し、(2)エポキシ樹脂、硬化型アクリル樹脂などのひび割れ含浸接着材を塗布し、(3)その上に、エポキシ樹脂系接着材、アクリル樹脂系接着材、ウレタン樹脂系接着材、ポリマーセメントモルタル等を用いて繊維メッシュシートの貼付けをし、(4)さらにその上に必要により保護塗装をする工法である(特許文献1〜5)。
特開2002−121901号公報 特開2003−307034号公報 特開2004−238757号公報 特開2005−15329号公報 特開2005−213899号公報
繊維メッシュシートの貼付け接着材としてはポリマーセメントモルタルを用いるのが良いが、ポリマーセメントモルタルを用いた場合、ひび割れ含浸接着材の硬化面との付着性が悪いという問題がある。含浸接着材が硬化する前に塗布することも考えられるが、フレッシュはポリマーセメントモルタルの方に含浸接着材が染み込んでしまい、モルタルが硬化不良をおこしかねない。また、エポキシ樹脂の硬化面にさらに接着プライマーを塗布してその上にポリマーセメントモルタルを塗布する方法も行なわれているが、この方法では工程数が増えるとともにコストメリットも低い。
また、繊維メッシュシートとしてはビニロン製繊維が広く使用されているが、ビニロン製繊維は−数十℃という極低温では伸び性能が劇的に低下することが知られている。最近では、ビニロン製繊維に代わり、ポリプロピレン製繊維が極低温下でも十分な伸び性能を示すことから使用されているが、ポリマーセメントモルタルとは親和性が低く、付着性が悪いという欠点があった。
従って、本発明の目的は、繊維メッシュシートの貼付け接着材としてポリマーセメントモルタルを用いたコンクリートの剥落防止工法において、ひび割れ含浸接着材との付着性が良く、繊維メッシュシートとの付着性も良好で、簡便な工法により優れた剥落防止効果が得られるコンクリートの剥落防止工法を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく、種々検討した結果、繊維メッシュシートの貼付け接着用ポリマーセメントモルタルとして、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来の構成単位及び(B)エポキシ基を官能基として有するモノマー由来の構成単位を有するエポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含有するポリマーセメントモルタルを使用することにより、ひび割れ含浸接着材との付着性が良く、繊維メッシュシートとの付着性も良好で、優れた剥落防止効果を有するコンクリートの剥落防止工法が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、躯体コンクリートにエポキシ系ひび割れ含浸接着材を塗布、含浸せしめ、その硬化後ポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込むコンクリートの剥落防止工法であって、当該ポリマーセメントモルタルが(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来の構成単位及び(B)エポキシ基を官能基として有するモノマー由来の構成単位を有するエポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含有するポリマーセメントモルタルであることを特徴とするコンクリートの剥落防止工法を提供するものである。
本発明工法によれば、ポリマーセメントモルタルとひび割れ含浸接着材との付着性が良好で、かつ繊維メッシュシートとの付着性も良く、コンクリートの剥落防止効果が優れる。また、接着プライマーを使用することなくポリマーセメントモルタルとひび割れ含浸接着材との高い付着性が得られるため、工法も簡便かつ安価となる。
本発明のコンクリートの剥落防止工法は、躯体コンクリートにエポキシ系ひび割れ含浸接着材を塗布、含浸せしめ、その硬化後ポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込むことにより行なわれ、当該ポリマーセメントモルタルとして、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来の構成単位及び(B)エポキシ基を官能基として有するモノマー由来の構成単位を有するエポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含有するポリマーセメントモルタルを使用することを特徴とする。
本発明工法の対象となる躯体コンクリートとしては、鉄道、道路等の橋梁、建物等のコンクリート構造物であって、表面のコンクリート片が剥落するおそれのあるコンクリートであれば特に制限されないが、特に建物の表面、鉄道、道路等の橋梁が好ましい。
本発明工法では、まず躯体コンクリートにエポキシ系ひび割れ含浸接着材を塗布、含浸させる。この際、ひび割れ含浸接着材を塗布する前に、コンクリート表面の脆弱層の除去操作を行なうのが、繊維メッシュシートの付着性、ひび割れ含浸接着材の含浸性の点から特に好ましい。ここで脆弱層の除去手段としては、サンダーやグラインダー、ワイヤブラシなどによる研磨、ケレン、サンドブラスト、又はウォータージェット等が挙げられる。
ひび割れ含浸接着材としては、エポキシ系ひび割れ含浸接着材を用いるのが、含浸性及びひび割れの接着補強性の点から好ましい。エポキシ系ひび割れ含浸接着材としては、エポキシ樹脂を主成分とするひび割れ含浸接着材であればよく、1液型でも、硬化剤と組み合せた2液型でもよい。エポキシ樹脂としては、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂やこれらの誘導体(例えば、水添化物や臭素化物など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、含窒素エポキシ樹脂(例えば、メタキシレンジアミンやヒダントイン等のアミンのエポキシ化物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンやトリグリシジルパラアミノフェノール等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂など)、ゴム変性エポキシ樹脂(例えば、ゴム成分としてポリブタジエン等の合成ゴムや天然ゴムを含有するエポキシ樹脂など)、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長鎖脂肪族型エポキシ樹脂などが挙げられる。
エポキシ系ひび割れ含浸接着材には、上記エポキシ樹脂以外に、反応性希釈剤、チクソトロピック性付与剤、表面張力低下剤等を含有していてもよい。ここで、反応性希釈剤としてはモノ又はジグリシジルエーテル系の反応性希釈剤が挙げられる。チクソトロピック性付与剤としては、ケイ酸系、含水ケイ素マグネシウム系、ケイ酸アルミニウム系、ポリヒドロキシカルボン酸、ポリヒドロキシカルボン酸アミド、ポリアクリル酸Na等が挙げられる。
エポキシ系ひび割れ含浸接着材の粘度(20℃)は、躯体コンクリートへの含浸性、ひび割れ充填性の点から100〜2000mPa・s、さらに100〜1000mPa・s、特に100〜700mPa・sが好ましい。
2液型の場合の硬化剤としては、脂肪族第一アミン(脂肪族ジアミン、脂肪族ポリアミン、芳香環含有脂肪族ポリアミン、脂環ポリアミン、環状ポリアミン等)、芳香族第一アミン、第三アミン硬化剤、含リン又は含ハロゲンアミン硬化剤、変性ポリアミンアダクトなどのアミン系硬化剤;ポリアミノアミド系硬化剤;脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、ハロゲン系酸無水物などの酸又は酸無水物系硬化剤などが用いられる。
ひび割れ含浸接着材のコンクリート表面への塗布は、例えばウールローラー塗り、刷毛塗り等により行なわれる。その塗布量は、コンクリート表面の状態、ひび割れ含浸接着材の種類等により異なるが、100〜400g/m2、特に120〜300g/m2が好ましい。
本発明工法によれば、繊維メッシュシートの付着性が良いので、コンクリート表面にひび割れ含浸接着材を塗布、含浸させ、当該接着材が硬化後、ポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込めばよいが、ひび割れ含浸接着材を塗布、含浸させた後、接着プライマーを塗布し、次いでポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込んでもよい。接着プライマーとしては、エポキシ樹脂を含有するプライマーが好ましく、エポキシ樹脂以外にカップリング剤などの改質剤、溶剤などの粘度調整剤、増量剤、顔料、安定化剤等を含有してもよい。接着プライマーに含まれるエポキシ樹脂としては、前記接着材に用いられるものと同様のものが用いられる。接着プライマーは、ひび割れに含浸する必要がないので、接着材に比べて粘度が高くともよく、特に粘度300〜7000mPa・s、さらに400〜5000mPa・sのものが好ましい。
接着プライマーの塗布は、ウールローラー塗り、刷毛塗り等により行なうのが好ましい。接着プライマーの塗布量は、100〜400g/m2、特に120〜250g/m2が好ましい。接着プライマーは、前記接着材硬化後7日後までに、特に3日後までに塗布するのが好ましい。また、接着プライマーを塗布した場合には、前記ポリマーセメントモルタルを用いての繊維メッシュシートの貼り込みは、接着プライマーが完全に硬化する前、すなわち、タックが消失するまでに行なわねばならない。
本発明工法においては、前記接着材が硬化後、接着プライマーを用いた場合は、接着プライマーが完全に硬化する前に、前記ポリマーセメントモルタルを用いて繊維メッシュシートを貼り込む。本発明工法に用いるポリマーセメントモルタルに含まれるエポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来の構成単位及び(B)エポキシ基を官能基として有するモノマー由来の構成単位を有する。
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸C1−C22アルキルエステルが挙げられる。より具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独でも2種以上を混合して用いることもできる。
(B)エポキシ基を官能基として有するモノマーとしては、エポキシ基を官能基として有するビニル基含有モノマー、エポキシ基を官能基として有するシランモノマーが挙げられる。エポキシ基を官能基として有するビニル基含有モノマーとしては、エポキシ基を有する(メタ)アクリレート、エポキシ基を有するアリル系モノマー等が挙げられ、より具体的にはグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、(3,4−エポキシクロロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、3−エポキシクロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、エポキシ基を官能基として有するシランモノマーとしては、エポキシシランモノマー、例えばγ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来の構成単位及び(B)エポキシ基を官能基として有するモノマー由来の官能基には、これらのモノマーが重合した場合の構成単位及びこれらのモノマーから得られるオリゴマーが重合した構成単位が含まれる。
また、エポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体には、前記(A)及び(B)の構成単位以外に、(C)シランモノマー由来の構成単位、(D)(A)〜(C)と共重合可能な他のモノマー由来の構成単位を含んでいてもよい。
(C)シランモノマーとしては、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
(D)(A)〜(C)と共重合可能なモノマーとしては、カルボン酸、リン酸、ホスホン酸、硫酸又はスルホン酸の残基を有するエチレン性不飽和モノ又はオリゴ酸の他、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、スチレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等が挙げられる。ここで、上記エチレン性不飽和のモノ又はオリゴ酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、あるいはリン酸、ホスホン酸、硫酸又はスルホン酸残基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体中の(A)の構成単位の含有量は60〜99.8重量%、さらに75〜99.4重量%、特に87〜99重量%が好ましい。また(B)の構成単位の含有量は0.1〜30重量%、さらに0.3〜20重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。また、(C)の構成単位の含有量は0〜10重量%、さらに0.1〜10重量%、さらに0.3〜5重量%、特に0.5〜3重量%が好ましい。さらに、(D)の構成単位の含有量は、0〜50重量%、さらに0〜40重量%、特に0〜30重量%が好ましい。
当該エポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、液体ポリマーエマルションとしてセメントモルタルに配合するのが好ましい。ここで液体ポリマーエマルション中には、多価アルコール又はそのエーテル、架橋剤等を配合することができる。多価アルコール又はそのエーテルとしては、グリコール、グリセリン又はそのエーテルが挙げられ、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。架橋剤としては、イソシアネート系又はエポキシ系架橋剤が挙げられ、具体的にはトリレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ポリヒドロキシアルカンポリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等が挙げられる。当該液体エマルション中の前記共重合体の固形分濃度は特に限定されることはないが、そのエマルションとしての安定性から20〜60重量%、さらに20〜55重量%で保存されるのが好ましい。多価アルコール又はそのエーテルの含有量は前記共重合体(固形分)100重量部に対し1〜50重量部、さらに3〜40重量部、特に5〜30重量部が好ましい。また架橋剤は、前記共重合体(固形分)100重量部に対し、1〜20重量部、さらに3〜15重量部が好ましい。
また、前記液体ポリマーエマルションとセメントモルタル組成物との配合比は、固形分として100:3〜100:15、さらに100:4〜100:10、特に100:4〜100:7が好ましい。
またセメントモルタルに用いられるセメントとしては、普通、早強、中庸熱、低熱、耐硫酸塩等の各種ポルトランドセメント;エコセメント(普通型);アルミナセメント;高炉スラグ、フライアッシュ等との混合セメント、又はこれらの混合物が挙げられる。骨材としては、砂、スラグ骨材、各種軽量骨材等が挙げられる。またセメントモルタルには、増粘剤、保水剤、繊維、減水剤、収縮低減剤、粉末樹脂、消泡剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、膨張材等を配合することができる。
繊維メッシュシートとしては、ビニロン製繊維、ビニロン製繊維−炭素製繊維、ガラス製繊維、ポリエステル製繊維、ポリアミド製繊維、カーボン製繊維、ポリオレフィン製繊維等が挙げられるが、ビニロン製繊維及びポリプロピレン製繊維が好ましく、特にポリプロピレン製繊維が好ましい。
前記ポリマーセメントモルタルを用いて繊維メッシュシートを貼り込むには、前記接着材層又は接着プライマー層の上にポリマーセメントモルタルを塗付け、その上に繊維メッシュシートを貼付け、さらにその上にポリマーセメントモルタルを塗付けることにより行なわれる。これらの3層のコンクリート表層からの合計厚みは1.5〜15mm、さらに2〜6mmとするのが好ましい。なお、繊維メッシュシートを貼り込む前に、前記接着材層表面は、サンダーやグラインダー、ワイヤブラシ等により研磨しておくのが、接着性の点からより好ましい。
さらにまた、繊維メッシュシート貼付けポリマーセメントモルタル層の表面には、アクリルウレタン系トップコート、アクリルシリコン系トップコート、フッ素系トップコート、アクリル系トップコート、ウレタン系トップコート、ポリウレア系トップコート等の仕上げ層を施してもよい。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
(1)試験方法とその判定
(1−1)押し抜き試験は、日本道路公団規格JHS−424:20.4「はく落防止の押抜き試験方法」に従った。
以下のデータを合格ラインとした。
2次ピーク時の押抜き応力 ≧ 1.5kN
2次ピーク時の垂直変位量 ≧ 10mm
(1−2)付着試験は、日本道路公団規格JHS426:2004「ひび割れ含浸材料の試験方法」に準じ、以下のようにして行なった。
(i)コンクリート歩道板(300×300×60mm)上に剥落防止工を施工。
(ii)試験材齢まで養生。
(iii)試験前に剥落防止工施工面に、40×40mmの方形に、コンクリート歩道板表面に達するまでダイヤモンドカッターにて切込みを入れる。
(iv)同サイズの鋼製アタッチメントをエポキシ接着材にて貼付け、硬化後、建研式接着力試験器で施工面に対し垂直方向に引張り、付着力を測定する。
付着強度 ≧ 1.5 N/mm2を合格ラインとした。
(2)試験に用いた材料
エポキシ樹脂系含浸接着材:
アトミクス社ライフテックス#750W
エポキシ樹脂系接着プライマー:
アルファ工業社アルファテック340
ポリマーエマルション:
イーテック社KT−9537D(ポリアルキル(メタ)アクリレートとエポキシ変性(メタ)アクリレート含有)
ニチゴー・モビニール社LDM6880(ポリアルキル(メタ)アクリレートとエポキシ変性シラン含有)
旭化成ケミカルズ社A−1500(スチレンアクリル)
ニチゴー・モビニール社LDM7000(オールアクリル)
太平洋マテリアル社CX−B(SBR)
セメント:
太平洋セメント社普通ポルトランドセメント
珪砂:
JIS標準砂をJIS Z 8801に規定する呼び寸法300μmのふるいを通過した珪砂
増粘剤:
信越化学社SB−4000PV(メチルセルロース)
繊維メッシュシート:
宇部日東化成社SIMTEX SCM1810(ポリプロピレン製繊維)
(3)試験用セメントモルタル粉体配合:
普通ポルトランドセメント 40重量部
珪砂 60重量部
増粘剤 0.05重量部
(4)施工の仕様:
(i)基板を80番紙やすりをセットしたグラインダーで研磨して表面の脆弱層を落とし、水洗する。
(ii)含浸接着材を2液混練後直ちに塗布する。塗布後24時間そのまま養生する(硬化させる)。
(iii)研磨する場合は、表面の光沢がなくなるまで80番紙やすりをセットしたグラインダーで研磨し、水洗する。
(iv)接着プライマー使用の場合は2液混合後直ちに塗布する。塗布後タックが発生(指で触ると接着材が取れはしないがべたつく状態)するまで待ち、タックが消失するまでにモルタルを塗りつける。
(v)モルタルは始めに約1mm厚に金コテで塗りつける。
(vi)モルタル塗付け直後に繊維メッシュシートを貼付け、コテで軽く伏せ込む。
(vii)さらにモルタルを塗付け、計3mm厚に仕上げる。
(viii)そのまま20℃相対湿度60%で材齢28日まで養生する。
Figure 0004667327
表1に示すように、ポリマーセメントモルタルとして、エポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を配合したポリマーセメントモルタルを用いた場合には、押抜き試験による押抜き応力及び垂直変位量に優れ、かつ付着性に優れた繊維シート層が形成され、コンクリートの剥落防止効果が優れていることがわかる。
一方、ポリマーセメントモルタルのポリマーとして、スチレンアクリル樹脂、アクリル樹脂、SBR等を用いた場合(比較例1〜3)には、押抜き試験及び付着性も十分でなかった。
実施例5
実施例1において、含浸接着材の上層に接着プライマー層を設けた以外は実施例1と同様に施工した。その結果、押抜き試験における2次ピーク応力が2.4kN、2次ピーク時垂直変位量30mm、付着強度2.3N/mm2と優れた結果が得られた。

Claims (6)

  1. 躯体コンクリートにエポキシ系ひび割れ含浸接着材を塗布、含浸せしめ、その硬化後ポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込むコンクリートの剥落防止工法であって、当該ポリマーセメントモルタルが(A)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー由来の構成単位及び(B)エポキシ基を官能基として有するモノマー由来の構成単位を有するエポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を含有するポリマーセメントモルタルであることを特徴とするコンクリートの剥落防止工法。
  2. エポキシ基を官能基として有するモノマーが、エポキシ基を官能基として有するビニル基含有モノマー及び/又はエポキシ基を官能基として有するシランモノマーである請求項1記載のコンクリートの剥落防止工法。
  3. エポキシ変性(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が、さらにシランモノマー由来の構成単位を有する共重合体である請求項1又は2記載のコンクリートの剥落防止工法。
  4. エポキシ系ひび割れ含浸接着材を塗布、含浸させた後、接着プライマーを塗布し、次いでポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込む請求項1〜3のいずれか1項記載のコンクリートの剥落防止工法。
  5. エポキシ系ひび割れ含浸接着材の硬化面の表層を研磨してからポリマーセメントモルタルで繊維メッシュシートを貼り込む請求項1〜3のいずれか1項記載のコンクリートの剥落防止工法。
  6. 繊維メッシュシートがポリプロピレン製繊維を含むものである請求項1〜5のいずれか1項記載のコンクリートの剥落防止工法。
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