JP2003307034A - コンクリート片の剥落防止方法 - Google Patents

コンクリート片の剥落防止方法

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JP2003307034A JP2002115870A JP2002115870A JP2003307034A JP 2003307034 A JP2003307034 A JP 2003307034A JP 2002115870 A JP2002115870 A JP 2002115870A JP 2002115870 A JP2002115870 A JP 2002115870A JP 2003307034 A JP2003307034 A JP 2003307034A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ樹脂組成物として1液型のものを用
いて、優れた作業性でコンクリート片の剥落防止を行う
コンクリート片の剥落防止方法を提供する。 【解決手段】 コンクリート片の剥落防止方法は、コン
クリート表面に剥落防止用シート(D)を接着させてコ
ンクリート片の剥落を防止する方法であって、エポキシ
樹脂(X1)と、下記式(1)で表される基を有するケチ
ミン系化合物(X2)とを含有している1液型エポキシ樹
脂組成物(X)を含有する処理剤が用いられていること
を特徴とする。 【化1】 (式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、
炭化水素基を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1液型エポキシ樹
脂組成物を用いて、剥落防止用シートをコンクリート構
造物に接着させてコンクリート片の剥落を防止する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンクリートは、橋桁や柱などの
コンクリート構造物の主要構造として広く利用されてい
る。しかしながら、コンクリートは、中性化によるひび
割れ、地震、地盤沈下や過荷重などによるひび割れ、崩
壊、一部欠落などの欠陥が生じる場合がある。そのた
め、例えば、首都高速道路公団では、平成元年1月に、
コンクリート床版水切り部補修施工基準(案)を作成
し、ガラスクロスをエポキシ樹脂組成物(2液型のエポ
キシ樹脂組成物)でコンクリート構造物表面に接着させ
るという保護工法による補修を行っている。また、日本
道路公団では、平成12年6月に、「コンクリート片は
く落防止対策マニュアル」を作成し、エポキシ樹脂組成
物(2液型のエポキシ樹脂組成物)による繊維シート接
着、はく落対策用防水または鋼板設置を実施している。
なお、日本道路公団の前記マニュアルでは、ガラスクロ
スは、コンクリートのアルカリ性により劣化するため、
接着する繊維シートは、ビニロン製のメッシュ状のもの
(メッシュ状ビニロン製シート)が条件をクリアすると
記載されている。このような首都高速道路公団や日本道
路公団でのマニュアルでは、いずれも、コンクリート構
造物表面に繊維シート(ガラスクロスや、メッシュ状ビ
ニロン製シートなど)を接着するという点、および、こ
れらの繊維シートの接着により、コンクリート片のはく
落を防止させるという点で共通している。
【0003】なお、これまでは、特開平4−67546
号公報や特開昭60−5750号公報に記載されている
ように、エポキシ樹脂と、樹脂モルタル、モルタルなど
とで施工されており、エポキシ樹脂組成物のみにより接
着させるということは提案されていなかった。
【0004】しかしながら、これらの工法(コンクリー
ト片のはく落を防止するための工法)で使用されている
エポキシ樹脂組成物としては、従来、2液型エポキシ系
樹脂組成物が主に用いられている。このような2液型エ
ポキシ系樹脂組成物を用いた場合、計量や混合などの作
業が必要となり、作業性に劣り、その煩雑さから計量ミ
スや混合不良などの諸問題も抱えていた。このような混
合不良や配合ミスにより、硬化物の物性が低下し、本来
のエポキシ樹脂組成物による接着効果が発揮されなくな
る。さらには、2液型エポキシ系樹脂組成物は、2種の
もの(エポキシ樹脂および硬化剤など)を混合すること
により、化学反応が始まるので、使用できる時間が制限
されるという欠点もあった。
【0005】従って、エポキシ樹脂組成物が用いられて
いる各種処理剤(例えば、プライマー、不陸調整材、繊
維シート含浸材など)として、配合ぶれや混合不良など
の人為的なミスが防止でき、しかも、可使時間が長いも
のが求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、剥落防止用シートを用いてコンクリート構造物にお
けるコンクリート片の剥落を防止する際に用いられるエ
ポキシ樹脂組成物として、1液型エポキシ樹脂組成物を
用いて、優れた作業性でコンクリート片の剥落防止を行
うことができるコンクリート片の剥落防止方法を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、1液型エポキシ樹
脂組成物が用いられていても、従来の2液型エポキシ樹
脂組成物を用いた場合と同等又はそれ以上のコンクリー
ト片の剥落防止効果を、有効に且つ安定して発揮するこ
とができるコンクリート片の剥落防止方法を提供するこ
とにある。本発明のさらに他の目的は、1液型エポキシ
樹脂組成物が用いられていても、貯蔵安定性が優れ、し
かもその可使時間が長く且つ配合ぶれや混合不良などの
人為的なミスが防止されていることにより、優れた作業
性及び再現性でコンクリート片の剥落防止を行うことが
できるコンクリート片の剥落防止方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、剥落防止用シートを
用いてコンクリート片の剥落防止を行う際に、1液型エ
ポキシ樹脂組成物を含有するプライマーをコンクリート
表面に塗布し硬化させてプライマー層を形成し、さら
に、該プライマー層上に、1液型エポキシ樹脂組成物を
含有する不陸調整材を塗布し硬化させて不陸調整材層を
形成し、さらに続いて、該不陸調整材層上に、1液型エ
ポキシ樹脂組成物を含有する含浸材を塗布して剥落防止
用シートを貼り付けて、剥落防止用シートに含浸材を含
浸させ、さらにこの剥落防止用シートに含浸材を含浸さ
せる工程を必要回数繰り返すと、全工程でエポキシ樹脂
組成物としては1液型エポキシ樹脂組成物のみを用いて
おり、このように1液型エポキシ樹脂組成物を用いるこ
とにより、従来の2液型エポキシ樹脂組成物のように、
主剤(エポキシ樹脂成分;ポリマー成分)と、硬化剤と
の混合を行う必要がなく、優れた作業性で剥落の防止を
行うことができ、しかも、混合不良や配合ぶれによる硬
化物の物性の低下が防止され、有効に且つ安定して剥落
防止効果を発揮することができることを見出した。本発
明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0008】すなわち、本発明は、コンクリート表面に
剥落防止用シート(D)を接着させてコンクリート片の
剥落を防止する方法であって、エポキシ樹脂(X1)と、
下記式(1)で表される基を有するケチミン系化合物
(X2)とを含有している1液型エポキシ樹脂組成物
(X)を含有する処理剤が用いられていることを特徴と
するコンクリート片の剥落防止方法である。
【化5】 (式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、
炭化水素基を示す。)
【0009】前記1液型エポキシ樹脂組成物(X)を含
有する処理剤としては、少なくとも、剥落防止用シート
(D)に含浸される含浸材(C)であることが好まし
く、特に、プライマー(A)および不陸調整材(B)の
うち少なくともいずれか1つの処理剤と、剥落防止用シ
ート(D)に含浸される含浸材(C)とであることが好
適である。
【0010】前記1液型エポキシ樹脂組成物(X)にお
けるケチミン系化合物(X2)としては、下記式(2)で
表されるケチミン系化合物を用いることができる。
【化6】 (式(2)において、R3は1価若しくは多価の炭化水
素基を示す。nは1以上の整数である。R1、R2は前記
に同じ。)
【0011】また、1液型エポキシ樹脂組成物(X)に
おけるケチミン系化合物(X2)が、下記式(3)で表さ
れるケチミン系化合物が好ましい。
【化7】 (式(3)において、R1a、R2aは、同一又は異なっ
て、炭素数2以上のアルキル基を示す。R3、nは前記
に同じ。)
【0012】本発明では、1液型エポキシ樹脂組成物
(X)におけるケチミン系化合物(X2)としては、下記
式(4)で表されるケチミン系化合物が最適である。
【化8】 (式(4)において、R3、nは前記に同じ。)
【0013】本発明において、「1液型エポキシ樹脂組
成物」等の「1液型」とは、エポキシ系接着剤の分野で
一般的にいわれている「1液型エポキシ系接着剤や2液
型エポキシ系接着剤」における「1液型」のことを意味
している。具体的には、1液型エポキシ樹脂組成物と
は、例えば、エポキシ樹脂と硬化剤とが1つの容器に入
れられた状態(例えば、混合している状態)で、実質的
に販売可能なものを意味し、室温で長期間貯蔵(又は保
管)されても、ゲル化や硬化がほとんど又は全く生じ
ず、実質的に初期状態(初期の分散状態)を長期間保持
することができるものを意味している。従って、1液型
エポキシ樹脂組成物は、使用する際に、エポキシ樹脂成
分(ポリマー成分)を、他の成分(硬化剤など)と混合
する必要がなく、そのまま所定部位に塗布することによ
り、用いることができる。なお、貯蔵に係る長期間とし
ては、例えば、6月以上、1年以上、1年6月以上など
適宜選択可能であるが、少なくとも6月以上であること
が好ましい。
【0014】一方、2液型エポキシ樹脂組成物とは、ポ
リマー成分と、硬化剤又は助剤等の他の成分とが、それ
ぞれ異なる容器に入れられている状態で販売され、使用
する際に、これらのポリマー成分と、該ポリマー成分と
異なる容器に入れられた硬化剤又は助剤等の他の成分と
を混合し、この混合物を所定の部位に塗布して、使用さ
れるものを意味している。従って、2液型エポキシ樹脂
組成物は、使用する際に2液を混合して1液としている
だけであって、1液にすると硬化又はゲル化が生じるた
め、実質的な貯蔵安定性がなく、1液型としては実質的
に販売は不可能なものである。
【0015】
【発明の実施の形態】[エポキシ樹脂(X1)]エポキシ
樹脂(X1)としては、特に制限されず、公知乃至慣用の
エポキシ樹脂を用いることができる。本発明では、エポ
キシ樹脂(X1)は、ケチミン系化合物の加水分解により
生成するアミンと反応し得るエポキシ基を有しているこ
とが重要である。エポキシ樹脂(X1)は単独で又は2種
以上組み合わせて使用することができる。
【0016】具体的には、エポキシ樹脂(X1)として
は、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポ
キシ樹脂やこれらの誘導体(例えば、水添化物や臭素化
物など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型エポキシ樹脂など)、グリシジルエステル型エポキシ
樹脂の他、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ
樹脂、含窒素エポキシ樹脂(例えば、メタキシレンジア
ミンやヒダントイン等のアミンのエポキシ化物、テトラ
グリシジルジアミノジフェニルメタンやトリグリシジル
パラアミノフェノール等のグリシジルアミン型エポキシ
樹脂など)、ゴム変性エポキシ樹脂(例えば、ゴム成分
としてポリブタジエン等の合成ゴムや天然ゴムを含有す
るエポキシ樹脂など)、環状脂肪族型エポキシ樹脂、長
鎖脂肪族型エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0017】[ケチミン系化合物(X2)]ケチミン系化
合物(X2)は、下記式(1)で表される基を有してい
る。
【化9】 (式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、
炭化水素基を示す。)
【0018】式(1)において、R1、R2の炭化水素基
としては、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香
族炭化水素基などが挙げられる。
【0019】R1、R2の脂肪族炭化水素基としては、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、s−ブチ
ル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチ
ルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、ヘキシル
基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4
−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,
3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、ヘ
プチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル
基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル
基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル
基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等の炭素数1〜2
0程度のアルキル基などが挙げられる。アルキル基とし
ては、炭素数が2以上(例えば、2〜6)のアルキル基
が好ましく、さらに好ましくは炭素数が2〜4のアルキ
ル基が挙げられる。本発明では、R1、R2のアルキル基
としては、特に炭素数が2又は3のアルキル基が好適で
あり、なかでも炭素数が2のアルキル基が最適である。
【0020】また、脂環式炭化水素基としては、例え
ば、シクロヘキシル基などの環を構成する炭素数が5〜
10程度のシクロアルキル基の他、多環式炭化水素環
(例えば、ノルボルナンにおける炭化水素環等の橋かけ
環など)を有する基などが挙げられる。
【0021】芳香族炭化水素基としては、例えば、フェ
ニル基やナフチル基などのアリール基などが挙げられ
る。なお、芳香族炭化水素基における芳香族性環として
は、ベンゼン環や縮合炭素環(例えば、ナフタレン環等
の2〜10個の4〜7員炭素環が縮合した縮合炭素環な
ど)が挙げられる。
【0022】なお、R1、R2の炭化水素基は、置換基
(例えば、炭化水素基など)を有していてもよい。な
お、このような置換基としては、エポキシ樹脂(X1)と
の反応性を有しておらず、また、ケチミン系化合物(X
2)の加水分解性や、ケチミン系化合物(X2)の加水分
解により生成したアミンとエポキシ樹脂(X1)との反応
性を損なわないものであることが重要である。
【0023】R1、R2としては、それぞれ、脂肪族炭化
水素基(特に、アルキル基)が好ましい。R1、R2は、
同一であっても異なっていてもよいが、同一であること
が好ましい。
【0024】ケチミン系化合物(X2)は、分子中に、前
記式(1)で表される基を少なくとも1つ有していれば
よい。従って、ケチミン系化合物(X2)としては、例え
ば、下記式(2)で表されるケチミン系化合物を用いる
ことができる。
【化10】 (式(2)において、R3は1価若しくは多価の炭化水
素基を示す。nは1以上の整数である。R1、R2は前記
に同じ。)
【0025】式(2)において、R3の1価の炭化水素
基としては、前記R1、R2の炭化水素基と同様の炭化水
素基(例えば、アルキル基などの脂肪族炭化水素基、シ
クロアルキル基などの脂環式炭化水素基、アリール基な
どの芳香族炭化水素基など)を用いることができる。
【0026】また、R3の多価の炭化水素基としては、
多価の脂肪族炭化水素基、多価の脂環式炭化水素基、多
価の芳香族炭化水素基の他、これらの多価の炭化水素基
が組み合わされた多価の基(「多価の複合炭化水素基」
と称する場合がある)などが挙げられる。多価の脂肪族
炭化水素基としては、アルキレン基などの2価の脂肪族
炭化水素基を用いることができる。アルキレン基として
は、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン
基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチ
レン基等の直鎖状のアルキレン基の他、分岐鎖又は置換
基を有するアルキレン基(例えば、プロピレン基など)
などが挙げられる。
【0027】多価の脂環式炭化水素基としては、単環式
炭化水素環を有する多価の脂環式炭化水素基であっても
よく、多環式炭化水素環を有する多価の脂環式炭化水素
基であってもよい。多価の脂環式炭化水素基としては、
2価の脂環式炭化水素基を好適に用いることができる。
なお、前記単環式炭化水素環としては、例えば、シクロ
ペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シ
クロオクタン環などの環を構成する炭素数が5〜10程
度のシクロアルキレン環が挙げられる。また、多環式炭
化水素環としては、例えば、橋かけ環などが挙げられ
る。該橋かけ環としては、例えば、二環式炭化水素環
(例えば、ピナン、ピネン、ボルナン、ノルボルナン、
ノルボルネン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシ
クロ[4.3.2]ウンデカンなどにおける炭化水素環
など)、三環式炭化水素環(例えば、アダマンタン、エ
キソトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、エンド
トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンなどにおける
炭化水素環など)、四環式炭化水素環(例えば、テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカンなどに
おける炭化水素環など)などが例示できる。このような
橋かけ環としては、環を構成する炭素数が6〜16程度
(特に炭素数6〜14程度)の二環式ないし四環式炭化
水素環(例えば、ピナン、ボルナン、ノルボルナン、ノ
ルボルネン、アダマンタンなどにおける炭化水素環な
ど)を好適に用いることができる。
【0028】具体的には、シクロヘキサン環を有する2
価の脂環式炭化水素基としては、例えば、1,2−シク
ロヘキシレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,4
−シクロヘキシレン基などのシクロアルキレン基が挙げ
られる。また、ノルボルナンにおける二環式炭化水素環
を有する2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、ノ
ルボルナン−2,3−ジイル、ノルボルナン−2,5−
ジイル、ノルボルナン−2,6−ジイルなどのノルボル
ナン−ジイル基などが挙げられる。
【0029】多価の芳香族炭化水素基としては、アリレ
ン基などの2価の芳香族炭化水素基を用いることができ
る。アリレン基としては、例えば、フェニレン基(例え
ば、1,2−フェニレン基、1,3−フェニレン基、
1,4−フェニレン基など)などのベンゼン環を有する
2価の芳香族炭化水素基や、ナフチレン基などのナフタ
レン環を有する2価の芳香族炭化水素基などが挙げられ
る。なお、多価の芳香族炭化水素基における芳香族性環
としては、ベンゼン環やナフタレン環の他、アズレン、
インダセン、アントラセン、フェナントレン、トリフェ
ニレン、ピレンなどの2〜10個の4〜7員炭素環が縮
合した縮合炭素環なども挙げられる。
【0030】さらにまた、これらの多価の炭化水素基が
組み合わされた多価の基(多価の複合炭化水素基)とし
ては、例えば、2価の脂肪族炭化水素基(アルキレン基
など)、単環式炭化水素環又は多環式炭化水素環を有す
る2価の脂環式炭化水素基(シクロアルキレン基やノル
ボルナン−ジイル基など)、ベンゼン環又は縮合炭素環
を有する2価の芳香族炭化水素基(フェニレン基やナフ
チレン基など)が適宜組み合わされた2価の基(2価の
複合炭化水素基)を好適に用いることができる。2価の
複合炭化水素基としては、例えば、アルキレン−フェニ
レン基、アルキレン−フェニレン−アルキレン基などの
脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とが組み合わされ
た2価の複合炭化水素基;アルキレン−シクロアルキレ
ン基、アルキレン−シクロアルキレン−アルキレン基、
アルキレン−ノルボルナン−ジイル基、アルキレン−ノ
ルボルナン−ジイル−アルキレン基などの脂肪族炭化水
素基と脂環式炭化水素基とが組み合わされた2価の複合
炭化水素基などが挙げられる。これらの多価の複合炭化
水素基が組み合わされた基において、アルキレン部位、
フェニレン部位、シクロアルキレン部位、ノルボルナン
−ジイル部位としては、前記例示のアルキレン基、フェ
ニレン基、シクロアルキレン基、ノルボルナン−ジイル
基などを用いることができる。従って、アルキレン部位
としては、例えば、メチレン、エチレン、トリメチレ
ン、プロピレン、テトラメチレンなどが挙げられる。フ
ェニレン部位としては、例えば、1,2−フェニレン、
1,3−フェニレン、1,4−フェニレンなどが挙げら
れる。シクロアルキレン部位としては、例えば、1,2
−シクロヘキシレン、1,3−シクロヘキシレン、1,
4−シクロヘキシレンなどが挙げられる。ノルボルナン
−ジイル部位としては、例えば、ノルボルナン−2,3
−ジイル、ノルボルナン−2,5−ジイル、ノルボルナ
ン−2,6−ジイル等のノルボルナン−ジイルなどが挙
げられる。
【0031】具体的には、多価の複合炭化水素基として
は、例えば、メチレン−1,3−フェニレン−メチレン
(m−キシリレン)基、メチレン−1,3−シクロヘキ
シレン−メチレン基、メチレン−ノルボルナン−2,5
−ジイル−メチレン基、メチレン−ノルボルナン−2,
6−ジイル−メチレン基や、これらの基においてメチレ
ン部位が他のアルキレン部位(例えば、エチレン部位、
トリメチレン部位、プロピレン部位など)となっている
基などが挙げられる。
【0032】なお、R3の炭化水素基は、置換基(例え
ば、炭化水素基など)を有していてもよく、該置換基と
しては、エポキシ樹脂(X1)との反応性を有しておら
ず、また、ケチミン系化合物(X2)の加水分解性や、ケ
チミン系化合物(X2)の加水分解により生成したアミン
とエポキシ樹脂(X1)との反応性を損なわないものであ
ることが重要である。
【0033】また、前記式(2)において、nは1以上
の整数である。nとしては、1以上の整数であれば特に
制限されないが、例えば、1〜10(好ましくは1〜
4、さらに好ましくは1〜3)の整数から選択すること
ができる。なお、nとしては、1又は2である場合が多
い。
【0034】このようなケチミン系化合物(X2)として
は、下記式(3)で表されるケチミン系化合物を好適に
用いることができる。
【化11】 (式(3)において、R1a、R2aは、同一又は異なっ
て、炭素数2以上のアルキル基を示す。R3、nは前記
に同じ。)
【0035】R1a、R2aの炭素数2以上のアルキル基と
しては、前記R1、R2のアルキル基として例示したアル
キル基の中から炭素数が2以上のアルキル基を適宜選択
して用いることができる。R1a、R2aのアルキル基とし
ては、前記R1、R2のアルキル基の項で例示したよう
に、炭素数が2のアルキル基が最適である。すなわち、
ケチミン系化合物(X2)としては、下記式(4)で表さ
れるケチミン系化合物が特に好ましい。
【化12】 (式(4)において、R3、nは前記に同じ。)
【0036】このように、ケチミン系化合物(X2)が前
記式(3)又は(4)で表されるケチミン系化合物であ
ると[すなわち、前記式(1)におけるR1およびR
2が、炭素数が2以上のアルキル基(例えば、エチル基
やプロピル基など)であると]、ケチミン系化合物(X
2)の加水分解速度が速くなる場合がある。そのため、
該加水分解により、アミンの生成速度が速まり、その結
果、該アミンとエポキシ樹脂(X1)との反応による架橋
構造の形成速度も速まり、優れた速硬化性、すなわち優
れた初期密着性(初期接着性または初期付着性など)を
発揮させることができる。しかも、R1およびR2が、炭
素数が2以上のアルキル基であると、R1及びR2のうち
いずれか一方がメチル基である場合よりも、ケチミン系
化合物(X2)の加水分解速度が速い場合があり、従来の
ように、R1及びR2のうちいずれか一方がメチル基であ
る必要性は全くない。なお、ケチミン系化合物(X2)の
加水分解は、特に前記式(3)又は(4)で表されるケ
チミン系化合物の加水分解は、空気中の湿気によって容
易に生じる。
【0037】本発明では、ケチミン系化合物(X2)とし
ては、前記式(3)や(4)で示されるケチミン系化合
物のなかでも、R3が1価の炭化水素基で且つnが1で
あるケチミン系化合物や、R3が2価の炭化水素基(例
えば、2価の炭化水素基が組み合わされた2価の炭化水
素基など)で且つnが2であるケチミン系化合物が好ま
しく、特にR3が2価の炭化水素基で且つnが2である
ケチミン系化合物が最適である。
【0038】本発明では、ケチミン系化合物(X2)は単
独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0039】なお、ケチミン系化合物(X2)は、例え
ば、カルボニル化合物(ケトン)とアミンとを反応させ
ることにより調製することができる。具体的には、前記
式(2)で表されるケチミン系化合物(X2)は、下記式
(5)で表されるカルボニル化合物と、下記式(6)で
表される第1級アミン系化合物とを反応させることによ
り得ることができる。
【化13】 (式(5)において、R1、R2は前記に同じ。)
【化14】 (式(6)において、R3、nは前記に同じ。)
【0040】より具体的には、ケチミン系化合物(X2)
は、前記式(5)で表されるカルボニル化合物と、前記
式(6)で表される第1級アミン系化合物とを無溶剤
下、または非極性溶剤(例えば、ヘキサン、シクロヘキ
サン、トルエン、ベンゼンなど)の存在下で混合し、そ
の後、加熱環流し、必要に応じて生成する水を共沸によ
り除去することにより調製することができる。なお、カ
ルボニル化合物や第1級アミン系化合物は、それぞれ、
単独で又は2種以上組み合わせて使用されていてもよ
い。なお、反応速度を速くするため、必要に応じて、酸
触媒などの触媒を用いてもよい。
【0041】なお、前記式(5)で表されるカルボニル
化合物としては、例えば、ジメチルケトン、メチルエチ
ルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピル
ケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、メチルt−ブチルケトン、メチルs−ブチルケト
ン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルイ
ソプロピルケトン、エチルブチルケトン、エチルイソブ
チルケトン、エチルt−ブチルケトン、エチルs−ブチ
ルケトン、エチルペンチルケトン、エチルヘキシルケト
ン、エチルヘプチルケトン、エチルオクチルケトン、エ
チル2−エチルヘキシルケトン、ジプロピルケトン、プ
ロピルイソプロピルケトン、プロピルブチルケトン、プ
ロピルイソブチルケトン、プロピルt−ブチルケトン、
プロピルs−ブチルケトン、プロピルペンチルケトン、
プロピルヘキシルケトン、プロピルヘプチルケトン、プ
ロピルオクチルケトン、プロピル2−エチルヘキシルケ
トン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソ
ブチルケトン、ジt−ブチルケトン、ジs−ブチルケト
ン、ジペンチルケトン、ジヘキシルケトンなどのケトン
(例えば、C1-20アルキル−C1-20アルキルケトン)な
どが挙げられる。
【0042】また、前記式(6)で表される第1級アミ
ン系化合物には、1価のアミン(モノアミン)や多価の
アミン(ポリアミン)などが含まれる。モノアミンに
は、脂肪族モノアミン、脂環式モノアミン、芳香族モノ
アミンなどが含まれる。具体的には、脂肪族モノアミン
としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソ
ブチルアミン、t−ブチルアミン、s−ブチルアミン、
n−ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミ
ン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニ
ルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシル
アミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペン
タデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルア
ミン、オクタデシルアミン等のモノC1-20アルキルアミ
ンの他、ジC1-20アルキルアミン(2つのアルキル基は
同一であっても異なっていてもよい)、トリC1-20アル
キルアミン(3つのアルキル基は部分的に又は全体的に
同一であっても異なっていてもよい)などが挙げられ
る。脂環式モノアミンとしては、例えば、シクロヘキシ
ルアミンなどのシクロアルキルアミン、ノルボルナン−
2−アミンなどの橋かけ環を有するアミンなどが挙げら
れる。芳香族モノアミンとしては、例えば、アニリンな
どが挙げられる。また、脂肪族モノアミンとして、ポリ
オキシアルキレン骨格を有するモノアミンや、アミノシ
ランカップリング剤(例えば、3−アミノプロピルトリ
アルコキシシランなど)を用いることもできる。この場
合、ケチミン系化合物(X2)としては、前記式(2)に
おけるR3が、ポリオキシアルキレン骨格を有する1価
の基[例えば、「H−(R4 m1−O)m2−」(R4はアル
キレン基を示す。m1は1以上の整数である。また、m2
は1以上の整数である。)など]や、アルコキシシラン
基を有するアルキル基などであるケチミン化合物に相当
する。
【0043】また、ポリアミンには、脂肪族ポリアミ
ン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族
ポリアミンなどが含まれる。脂肪族ポリアミンとして
は、例えば、エチレンジアミン、1,3−トリメチレン
ジアミン、1,4−テトラメチレンジアミン、1,3−
ペンタメチレンジアミン、1,5−ペンタメチレンジア
ミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロ
ピレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、2,3−
ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、2−メ
チル−1,5−ペンタメチレンジアミン、3−メチル−
1,5−ペンタメチレンジアミン、2,4,4−トリメ
チル−1,6−ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−
トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジアミン等の脂肪
族ジアミンの他、ジエチレントリアミン、トリエチレン
テトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレ
ンヘキサミンなどが挙げられる。また、脂肪族ポリアミ
ンとして、ポリオキシアルキレン骨格を有するジアミン
などのポリオキシアルキレン骨格を有するポリアミンを
用いることもできる。この場合、ケチミン系化合物(X
2)としては、前記式(2)におけるR3が、多価のポリ
オキシアルキレン基[例えば、「−(R4 m1−O)
m2−」(R4はアルキレン基を示す。m1は1以上の整数
である。また、m2は1以上の整数である。)など]で
あるケチミン化合物に相当する。
【0044】脂環式ポリアミンとしては、例えば、1,
3−シクロペンタンジアミン、1,4−シクロヘキサン
ジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1−アミ
ノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、1−アミノ−1−メチル−4−アミノメチル
シクロヘキサン、1−アミノ−1−メチル−3−アミノ
メチルシクロヘキサン、4,4´−メチレンビス(シク
ロヘキシルアミン)、4,4´−メチレンビス(3−メ
チル−シクロヘキシルアミン)、メチル−2,3−シク
ロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサン
ジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4
−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジ
アミン、ノルボルナンジアミン{例えば、2,5−ビス
(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、
2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]
ヘプタンなど}等の脂環式ジアミンなどが挙げられる。
【0045】芳香族ポリアミンとしては、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−トリレ
ンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ナフチレン−
1,4−ジアミン、ナフチレン−1,5−ジアミン、
4,4´−ジフェニルジアミン、4,4´−ジフェニル
メタンジアミン、2,4´−ジフェニルメタンジアミ
ン、4,4´−ジフェニルエ−テルジアミン、2−ニト
ロジフェニル−4,4´−ジアミン、2,2´−ジフェ
ニルプロパン−4,4´−ジアミン、3,3´−ジメチ
ルジフェニルメタン−4,4´−ジアミン、4,4´−
ジフェニルプロパンジアミン、3,3´−ジメトキシジ
フェニル−4,4´−ジアミン等の芳香族ジアミンなど
が挙げられる。
【0046】芳香脂肪族ポリアミンとしては、例えば、
1,3−キシリレンジアミン、1,4−キシリレンジア
ミン、α,α,α´,α´−テトラメチル−1,3−キ
シリレンジアミン、α,α,α´,α´−テトラメチル
−1,4−キシリレンジアミン、ω,ω´−ジアミノ−
1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−アミノ
−1−メチルエチル)ベンゼン、1,4−ビス(1−ア
ミノ−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス
(α,α−ジメチルアミノメチル)ベンゼン等の芳香脂
肪族ジアミンなどが挙げられる。
【0047】従って、前記式(2)で表されるケチミン
系化合物(X2)におけるR3は、アミンの残基に相当す
る。
【0048】なお、ケチミン系化合物(X2)は互変異性
を有している場合がある。そのため、本発明では、ケチ
ミン系化合物(X2)には、該ケチミン系化合物(X2)の
互変異構造を有する化合物に相当するエナミン形の化合
物も含まれる場合がある。
【0049】[1液型エポキシ樹脂組成物(X)]1液
型エポキシ樹脂組成物(X)は、エポキシ樹脂(X1)
と、前記式(1)で表される基を有するケチミン系化合
物(X2)とを含有している。ケチミン系化合物(X2)自
体はエポキシ樹脂(X1)に対する反応性を有していない
ので、湿気が遮断されている容器中では、1液型エポキ
シ樹脂組成物(X)は安定的に存在しており、硬化反応
が生じない。しかし、1液型エポキシ樹脂組成物(X)
が一旦容器から取り出されると、空気中の湿気によっ
て、ケチミン系化合物(X2)の加水分解が生じてアミン
が生成し、該アミンがエポキシ樹脂(X1)と反応して架
橋構造が形成されて硬化が進行し、優れた機械的強度及
び接着性が発現される。しかも、ケチミン系化合物(X
2)として適宜選択することにより、空気中の湿気によ
って容易に加水分解を進行させてアミンを生成させて、
このアミンをエポキシ樹脂(X1)と反応させることがで
きるので、接着性を極めて迅速に発現させ、しかも優れ
た機械的強度を発現させることも可能である。このよう
に、本発明における1液型エポキシ樹脂組成物(X)
は、実質的に1液型のエポキシ樹脂組成物であり、貯蔵
安定性が優れ、接着剤やコーティング剤等として利用す
る際には、優れた初期密着性(初期接着性や初期付着性
など)を発揮させることができ、実用的に極めて優れた
貯蔵安定性および硬化特性を有している。
【0050】エポキシ樹脂(X1)と、ケチミン系化合物
(X2)との配合割合としては、エポキシ樹脂(X1)のエ
ポキシ基の当量と、ケチミン系化合物(X2)の加水分解
により生成するアミンの活性水素の当量とに応じて適宜
選択することができる。具体的には、エポキシ樹脂(X
1)と、ケチミン系化合物(X2)との配合割合として
は、ケチミン系化合物(X2)の加水分解により生成する
アミンの活性水素の当量が、エポキシ樹脂(X1)のエポ
キシ基の当量に対して0.5〜2.0倍となるような割
合であることが好ましい。この配合割合よりもケチミン
系化合物(X2)の割合が少ない場合には、エポキシ樹脂
(X1)が過剰となり、エポキシ樹脂組成物の硬化物にお
いて満足する程度の架橋反応が進まず、実質的な機械的
強度が得られなくなる場合がある。一方、ケチミン系化
合物(X2)の割合が前記例示の配合割合よりも多い場合
には、加水分解により生成するアミンが過剰となり、前
記ケチミン系化合物(X2)の割合が少ない場合と同様
に、実質的な機械的強度が得られなくなる場合がある。
このように、実質的な機械的強度が得られる架橋構造を
形成するためには、エポキシ樹脂(X1)と、ケチミン系
化合物(X2)との配合割合は前記例示の配合割合である
ことが好ましく、特に、ケチミン系化合物(X2)の加水
分解により生成するアミンの活性水素の当量が、エポキ
シ樹脂(X1)のエポキシ基の当量に対して0.8〜1.
2倍となるような割合であると、理想的な架橋構造を形
成することができ、接着剤組成物又はコーティング剤組
成物として優れた機械的強度を発揮させることができる
ようになる。
【0051】本発明では、1液型エポキシ樹脂組成物
(X)は、処理剤[例えば、プライマー(A)、不陸調
整材(B)や含浸材(C)など]の種類に応じて、改質
剤(例えば、エポキシシランやビニルシランなどのカッ
プリング剤など)や、添加剤[例えば、充填剤(炭酸カ
ルシウム、カオリン、クレー、タルク、シリカや珪砂な
ど)、可塑剤、顔料(酸化チタン、カーボンブラックな
ど)、染料、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、
帯電防止剤、難燃剤、接着付与剤、分散剤、揺変剤(又
はチクソトロピー付与剤)(例えば、ヒュームドシリ
カ、アマイドワックス、植物油誘導体、ヒィブリル化繊
維など)、反応性希釈剤、増量剤など]の他、他の潜在
性硬化剤(例えば、他のケチミン系化合物、アルジミン
系化合物、オキサゾリジン系化合物など)や粘度調整剤
(例えば、ケトン類、芳香族炭化水素類等の溶剤など)
などが含まれていてもよい。また、これらの配合割合
は、公知乃至慣用の割合の中から適宜選択することがで
きる。なお、これらの改質剤や添加剤などによる水分の
影響を可能な限り除去することが、1液型エポキシ樹脂
組成物(X)の貯蔵安定性に好結果を与えるため好まし
い。
【0052】1液型エポキシ樹脂組成物(X)の製造方
法は特に制限されない。例えば、エポキシ樹脂(X1)
と、ケチミン系化合物(X2)と、必要に応じて他の成分
(添加剤など)とを、好ましくは窒素雰囲気下及び/又
は減圧下で、混合ミキサー等の攪拌機を用いて充分に混
練して製造することができる。具体的には、攪拌機、コ
ンデンサー、加熱装置、減圧脱水装置、窒素気流装置を
備えた密閉式加工釜を用いて、該釜中にエポキシ樹脂
(X1)を仕込み、窒素環流下で、各種処理剤[プライマ
ー(A)、不陸調整材(B)や含浸材(C)など]の種
類に応じて所望により改質剤や添加剤などを加えた後、
最終的にケチミン系化合物(X2)を配合し、均一状態と
なるように混合して、1液型エポキシ樹脂組成物(X)
を得ることができる。そして、窒素置換を施した容器
に、前記1液型エポキシ樹脂組成物(X)を収納するこ
とにより、製品(市販品)としての1液型エポキシ樹脂
組成物(X)を含有する各種処理剤[プライマー
(A)、不陸調整材(B)や繊維シート含浸材(C)な
ど]が製造される。
【0053】なお、改質剤や添加剤などに水分が含まれ
ている場合には、貯蔵中に硬化が生じて貯蔵安定性が低
下する場合があるので、改質剤や添加剤の水分を脱水除
去していることが好ましく、該水分の脱水処理は、改質
剤や添加剤を配合する前に行っていてもよく、エポキシ
樹脂(X1)に改質剤や添加剤を配合した後に行ってもよ
い。このような水分の脱水処理方法としては、例えば、
加熱及び/又は減圧による脱水処理方法などが挙げられ
る。
【0054】[コンクリート片の剥落防止方法]1液型
エポキシ樹脂組成物(X)は、前述のように、1液型の
エポキシ樹脂組成物(1液型エポキシ樹脂組成物)であ
るにもかかわらず、容器中ではエポキシ樹脂の硬化が生
じず、貯蔵安定性が優れ、しかも、容器外では速硬化性
を発揮することができ、優れた接着性及び機械的強度を
発揮させることが可能である。そのため、コンクリート
構造物の表面に剥落防止用シート(D)を接着させてコ
ンクリート片の剥落防止を行う際に用いられる処理剤
[プライマー(A)、不陸調整材(B)、含浸材(C)
など]中のエポキシ樹脂組成物として、前記1液型エポ
キシ樹脂組成物(X)を用いると、優れた作業性でコン
クリート片の剥落防止を行うことができ、しかも、その
剥落防止効果を有効に且つ安定して発揮させることがで
きる。
【0055】特に、前記1液型エポキシ樹脂組成物を用
いることにより、配合ぶれや混合不良などの人為的なミ
スが効果的に防止されているので、再現性が優れてい
る。さらに、前記1液型エポキシ樹脂組成物は、その可
使時間が長く、各処理剤の塗布作業中又は作業前におけ
る増粘が効果的に防止されているので、この点からも、
可使時間が長いことにより、塗布する際の作業性が優れ
ており、しかも、増粘による接着性の低下が防止され、
剥落防止効果の再現性が優れている。従って、前記1液
型エポキシ樹脂組成物を用いることにより、優れた作業
性及び再現性でコンクリート片の剥落防止を行うことが
できる。
【0056】本発明のコンクリート片の剥落防止方法で
は、1液型エポキシ樹脂組成物(X)は、プライマー
(A)、不陸調整材(B)、含浸材(C)などの各処理
剤のうち、少なくともいずれか1つの処理剤中に含有さ
れていることが重要である。1液型エポキシ樹脂組成物
(X)を含有する処理剤としては、少なくとも、剥落防
止用シート(D)に含浸される含浸材(C)であること
が好ましく、さらには、プライマー(A)および不陸調
整材(B)のうち少なくともいずれか1つの処理剤と、
剥落防止用シート(D)に含浸される含浸材(C)とで
あることが好適である。特に本発明では、エポキシ樹脂
組成物を含有しているすべての処理剤[プライマー
(A)、不陸調整材(B)、含浸材(C)など]中に、
1液型エポキシ樹脂組成物(X)が含有されていること
が最適である。なお、1液型エポキシ樹脂組成物(X)
中のエポキシ樹脂(X1)やケチミン系化合物(X2)は、
各種処理剤[プライマー(A)、不陸調整材(B)、含
浸材(C)など]のうちのいずれか2つの処理剤間若し
くはすべての処理剤間で同一であってもよく、またはす
べての処理剤間で異なっていてもよい。従って、1液型
エポキシ樹脂組成物(X)中のエポキシ樹脂(X1)やケ
チミン系化合物(X2)は、処理剤[プライマー(A)、
不陸調整材(B)、含浸材(C)など]の種類に応じて
適宜選択することができる。
【0057】プライマー(A)、不陸調整材(B)や含
浸材(C)等の各種処理剤における1液型エポキシ樹脂
組成物(X)において、エポキシ樹脂(X1)やケチミン
系化合物(X2)以外の成分は、公知乃至慣用の成分を用
いることができる。エポキシ樹脂(X1)やケチミン系化
合物(X2)以外の成分としては、例えば、プライマー
(A)の場合は、一般的に、改質剤(カップリング剤な
ど)、粘度調整剤(溶剤など)、増量剤、顔料、安定化
剤(イソシアネート化合物、カルボン酸ビニルエステル
など)などが用いられている。
【0058】また、不陸調整材(B)の場合は、エポキ
シ樹脂(X1)やケチミン系化合物(X2)以外の成分とし
ては、一般的に、充填剤(炭酸カルシウム、珪砂な
ど)、揺変剤、改質剤(カップリング剤など)、顔料、
安定化剤(イソシアネート化合物、カルボン酸ビニルエ
ステルなど)などが用いられている。
【0059】さらにまた、含浸材(C)の場合は、エポ
キシ樹脂(X1)やケチミン系化合物(X2)以外の成分と
しては、一般的に、改質剤(カップリング剤など)、充
填剤、揺変剤、安定化剤(イソシアネート化合物、カル
ボン酸ビニルエステルなど)などが用いられている。
【0060】なお、エポキシ樹脂(X1)やケチミン系化
合物(X2)以外の成分の配合割合は、特に制限されず、
処理剤[プライマー(A)、不陸調整材(B)、含浸材
(C)など]の種類に応じて、公知乃至慣用の割合の中
から適宜選択することができる。
【0061】また、本発明では、プライマー(A)、不
陸調整材(B)、含浸材(C)などの各処理剤には、接
着性や付着性を損なわない範囲で、例えば、変性シリコ
ーン、シリル基末端ウレタンポリマー、シリル基を有し
且つ主鎖がポリオキシアルキレン骨格を有しているポリ
マーなどが添加されていてもよい。
【0062】本発明のコンクリート片の剥落防止として
は、前記1液型エポキシ樹脂組成物(X)を含有する処
理剤[例えば、プライマー(A)、不陸調整材(B)、
含浸材(C)]を用いて、コンクリート表面に剥落防止
用シート(D)を接着させる方法であれば特に制限され
ない。特に、プライマー(A)、不陸調整材(B)、含
浸材(C)等の処理剤におけるエポキシ樹脂組成物とし
て、すべて1液型エポキシ樹脂組成物を用いると、作業
性を大きく改善することができる。
【0063】なお、本発明のコンクリート片の剥落防止
法では、処理剤としては、剥落防止用シート(D)に含
浸される含浸材(C)が少なくとも用いられていること
が重要であり、好ましくは、プライマー(A)および不
陸調整材(B)のうち少なくともいずれか1つの処理剤
と、含浸材(C)とが用いられている。従って、例え
ば、プライマー(A)および含浸材(C)が用いられて
いてもよく、また不陸調整材(B)および含浸材(C)
が用いられていてもよく、さらにまたプライマー
(A)、不陸調整材(B)および含浸材(C)が用いら
れていてもよい。
【0064】具体的には、例えば、プライマー(A)、
不陸調整材(B)および含浸材(C)を用いてコンクリ
ート片の剥落防止を行う場合は、次にようにして行うこ
とが好ましい。まず、必要に応じて、コンクリート表面
から高水圧等によりゴミを除去するとともに、コンクリ
ート表面のレイタンス層をサンダーやコンクリート鉋等
を用いて取り除く。その後、コンクリート表面に、前記
1液型エポキシ樹脂組成物(X)を含有するプライマー
(A)を塗布し、該プライマー(A)層を硬化させる。
前記プライマー(A)層が指触乾燥した後、前記1液型
エポキシ樹脂組成物(X)を含有する不陸調整材(B)
を、プライマー(A)層上に表面が平滑になるように塗
布して、該不陸調整材(B)層を硬化させる。前記不陸
調整材(B)層が硬化した後、前記1液型エポキシ樹脂
組成物(X)を含有する含浸材(C)を不陸調整材
(B)層上に塗布し、次いで、剥落防止用シート(D)
を1枚貼り付け、必要に応じてローラー等により押さえ
て気泡を抜き、さらに剥落防止用シート(D)上から同
様の含浸材(C)を塗布し、必要に応じてさらにゴムへ
ら等により剥落防止用シート(D)を充分にしごき、含
浸材(C)を剥落防止用シート(D)に含浸させるとと
もに脱泡を行うことにより、コンクリート表面への剥落
防止用シート(D)の接着を行うことができる。
【0065】なお、プライマー(A)、不陸調整材
(B)や含浸材(C)を塗布する方法としては、特に制
限されず、公知乃至慣用の塗布方法(例えば、ローラー
やコテ、スプレー等による塗布方法)を採用することが
できる。
【0066】本発明では、剥落防止効果を高めるため
に、剥落防止用シート(D)を複数積層してもよい。複
数の剥落防止用シート(D)を積層する際には、剥落防
止用シート(D)に含浸させた含浸材(C)が硬化した
後、該剥落防止用シート(D)及び含浸材(C)からな
る層上に、含浸材(C)を塗布し、剥落防止用シート
(D)を1枚貼り付け、必要に応じてローラー等により
押さえて気泡を抜き、さらに剥落防止用シート(D)上
から同様の含浸材(C)を塗布し、必要に応じてさらに
ゴムへら等により剥落防止用シート(D)を充分にしご
き、含浸材(C)を剥落防止用シート(D)に含浸させ
るとともに脱泡を行う操作を必要回数繰り返すことによ
り、複数の剥落防止用シート(D)の積層を行うことが
できる。
【0067】このような剥落防止用シート(D)として
は、特に制限されず、目的とする剥落防止効果の程度な
どに応じて種々の剥落防止用シート(D)を適宜選択し
て用いることができる。剥落防止用シート(D)として
は、例えば、織り布状シート(繊維シートなど)、不織
布状シート、ネット状又はメッシュ状シート(「ネット
状シート」と称する場合がある)などの種々の形状のシ
ート(面状体)を用いることができる。なお、織り布状
シートにおいて、空隙率が大きい織り布状シートは、ネ
ット状シートに相当する。
【0068】ネット状シートは、非組布状のネット状シ
ートであってもよいが、剥落防止効果を高めるため、組
布状のネット状シートであることが好ましい。ネット状
シートにおいて、格子目の形状としては、三角形、四角
形、六角形など種々の形状が挙げられる。このような格
子目は、規則的に形成されていてもよく、不規則的に形
成されていてもよい。また、格子目の大きさ(又は空隙
率)は、特に制限されず、目的とする剥落防止効果の程
度などに応じて適宜選択することができる。例えば、格
子目が正三角形の場合、その目合(格子目の正三角形の
一辺の長さ)としては、3〜300mm(好ましくは5
〜50mm)程度の範囲から選択することができ、ま
た、格子目が他の形状の場合は、前記正三角形の場合に
準じた目合とすることができる。
【0069】織り布状シート、不織布状シート、ネット
状シートなどの種々の形状のシートにおいて、その空隙
率としては、例えば、10〜90%(好ましくは50〜
80%)程度であってもよい。
【0070】剥落防止用シート(D)としては、連続シ
ートが好ましい。連続シートであると、コンクリート片
の剥落防止効果をより一層高めることができる。
【0071】また、剥落防止用シート(D)の素材とし
ては、炭素繊維、プラスチック繊維[例えば、アラミド
繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維シート(特に、
ハイインパクトタイプのポリエチレンによる繊維シー
ト)、ポリイミド繊維シート(東洋紡績社製の商品名
「ザイロン」など)等]、ガラス繊維などの種々の繊維
を用いることができる。剥落防止用シート(D)は、単
一の種類の繊維のみからなっていてもよく、複数の種類
の繊維からなっていてもよい。
【0072】従って、剥落防止用シート(D)として
は、例えば、素材としてビニロン繊維が用いられている
場合は、織り布状ビニロン繊維製シート、不織布状ビニ
ロン繊維製シート、ネット状ビニロン繊維製シート(又
はメッシュ状ビニロン繊維製シート)などが挙げられ
る。なお、剥落防止用シート(D)において、例えば、
ネット状ビニロン繊維製シート等としては、少なくと
も、その素材である繊維のうち主とする繊維がビニロン
繊維等であることを意味している。従って、例えば、ネ
ット状ビニロン繊維製シートには、ビニロン繊維のみか
らなるネット状シート、繊維の主成分としてのビニロン
繊維および他の繊維からなるネット状シートが含まれ
る。
【0073】本発明は、コンクリート構造物からのコン
クリート片の剥落を防止することを目的としており、剥
落防止用シート(D)の剛性や強度としては、特に制限
されず、剥落防止用シート(D)をコンクリート構造物
表面に接着させた際に、コンクリート構造物から剥落し
たコンクリート片の剥落を防止することができるだけの
剛性や強度を有していればよい。具体的には、剥落防止
用シート(D)の破断強度としては、100N/mm2
以上〜2000N/mm2未満(好ましくは200N/
mm2以上〜1500N/mm2未満)であってもよい。
剥落防止用シート(D)の破断強度は、JIS K 7
073(引張強度)に準拠して測定することができ、こ
の際、剥落防止用シート(D)に含浸材(C)を含浸さ
せて測定してもよく、また、剥落防止用シート(D)に
含浸材(C)を含浸させずに剥落防止用シート(D)を
単独で用いて測定してもよい。すなわち、含浸材(C)
を含浸している剥落防止用シート(D)の破断強度、お
よび剥落防止用シート(D)単独の破断強度のうち少な
くともいずれか一方の破断強度(JIS K 7073
に準じる)が、100N/mm2以上〜2000N/m
2未満を満たせばよい。
【0074】従って、剥落防止用シート(D)として
は、剛性や強度などに制限されないので、コスト等の観
点から、ネット状の形状を有するものが好ましく、ま
た、ビニロン繊維などの安価な繊維を素材とするものが
好ましい。具体的には、剥落防止用シート(D)として
は、ネット状ビニロン繊維製シートが好適である。
【0075】なお、コンクリート表面に必要枚数の剥落
防止用シート(D)を積層して接着させた後、該剥落防
止用シート(D)層上に、必要に応じて、塗装によるコ
ート層や、モルタルやセメント等による保護層を形成し
てもよい。
【0076】このようにして、コンクリート表面に、剥
落防止用シートによる層を形成して、コンクリート構造
物から剥がれたコンクリート片の剥落を防止することが
できる。なお、このようなコンクリート構造物として
は、橋梁や建築物の梁や柱の他、トンネル、港湾施設、
煙突、サイロ、水槽、煙害被害コンクリート構造物、桟
橋、河川構造物などのコンクリートを用いて構造された
物が挙げられる。
【0077】なお、本発明のコンクリート片の剥落防止
方法では、コンクリート片の剥落防止効果とともに、コ
ンクリートの中性化や塩害による劣化を予備的に補修す
る効果も発揮することができる。
【0078】
【発明の効果】本発明のコンクリート片の剥落防止方法
によれば、剥落防止用シートを用いてコンクリート構造
物におけるコンクリート片の剥落を防止する際に用いら
れるエポキシ樹脂組成物として、1液型エポキシ樹脂組
成物を用いられているので、優れた作業性でコンクリー
ト片の剥落防止を行うことができる。しかも、1液型エ
ポキシ樹脂組成物が用いられていても、従来の2液型エ
ポキシ樹脂組成物を用いた場合と同等又はそれ以上のコ
ンクリート片の剥落防止効果を、有効に且つ安定して発
揮することができる。さらには、1液型エポキシ樹脂組
成物が用いられていても、貯蔵安定性が優れ、しかもそ
の可使時間が長く且つ配合ぶれや混合不良などの人為的
なミスが防止されていることにより、優れた作業性及び
再現性でコンクリート片の剥落防止を行うことができ
る。
【0079】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、以下、特に断りのない限り、「部」
は「質量部」を、「%」は「質量%」を示す。
【0080】(ケチミン系化合物の調製例1)アミンと
しての1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
(商品名「1,3−BAC」三菱ガス化学社製):14
2部と、カルボニル化合物としてのジエチルケトン:2
58部(ジエチルケトン/1,3−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン(モル比)=3/1)と、トルエ
ン:200部とをフラスコに入れ、生成する水を共沸に
より除きながら、トルエンとジエチルケトンとが環流す
る温度(120〜150℃)で20時間環流して反応を
行った。その後、過剰のジエチルケトンとトルエンとを
蒸留により取り除き、ケチミン系化合物(「ケチミン系
化合物A」と称する場合がある)を得た。
【0081】(ケチミン系化合物の調製例2)カルボニ
ル化合物としてジプロピルケトン:342部を用いたこ
と以外は、前記ケチミン系化合物の調製例1と同様にし
て、ケチミン系化合物(「ケチミン系化合物B」と称す
る場合がある)を調製した。
【0082】(ケチミン系化合物の調製例3)カルボニ
ル化合物としてメチルエチルケトン:154部を用いた
こと以外は、前記ケチミン系化合物の調製例1と同様に
して、ケチミン系化合物(「ケチミン系化合物C」と称
する場合がある)を調製した。
【0083】(プライマーの調製例1)エポキシ樹脂と
して商品名「エピコート828(油化シェルエポキシ社
製)」:100部と、ケチミン系化合物A:50部と、
エポキシシランカップリング剤(商品名「KBM40
3」信越化学工業社製):40部とを減圧下で攪拌し
て、プライマーとしての1液型エポキシ樹脂組成物
(「プライマーA」と称する場合がある)を調製した。
【0084】(プライマーの調製例2)ケチミン系化合
物としてケチミン系化合物B:55部を用いたこと以外
は、前記プライマーの調製例1と同様にして、プライマ
ーとしての1液型エポキシ樹脂組成物(「プライマー
B」と称する場合がある)を調製した。
【0085】(プライマーの調製例3)ケチミン系化合
物としてケチミン系化合物C:45部を用いたこと以外
は、前記プライマーの調製例1と同様にして、プライマ
ーとしての1液型エポキシ樹脂組成物(「プライマー
C」と称する場合がある)を調製した。
【0086】(不陸調整材の調製例1)エポキシ樹脂と
して商品名「エピコート828(油化シェルエポキシ社
製)」:100部、重質炭酸カルシウム(商品名「NS
100」日東粉化社製):40部、表面処理炭酸カルシ
ウム(商品名「MS700」丸尾カルシウム社製):8
0部、および7号珪砂:160部を、100℃および1
5トール(torr)で2時間、減圧・加熱し、均一に
なるまで攪拌混合する。その後、室温まで冷却し、ケチ
ミン系化合物A:50部、およびエポキシシランカップ
リング剤(商品名「KBM403」信越化学工業社
製):40部を加え、さらに減圧下で攪拌して、不陸調
整材としての1液型エポキシ樹脂組成物(「不陸調整材
A」と称する場合がある)を調製した。
【0087】(不陸調整材の調製例2)ケチミン系化合
物としてケチミン系化合物B:55部を用いたこと以外
は、前記不陸調整材の調製例1と同様にして、不陸調整
材としての1液型エポキシ樹脂組成物(「不陸調整材
B」と称する場合がある)を調製した。
【0088】(不陸調整材の調製例3)ケチミン系化合
物としてケチミン系化合物C:45部を用いたこと以外
は、前記不陸調整材の調製例1と同様にして、不陸調整
材としての1液型エポキシ樹脂組成物(「不陸調整材
C」と称する場合がある)を調製した。
【0089】(含浸材の調製例1)エポキシ樹脂として
商品名「エピコート828(油化シェルエポキシ社
製)」:100部と、揺変剤(商品名「アエロジルRY
200S」日本アエロジル社製):10部、ケチミン系
化合物A:50部と、エポキシシランカップリング剤
(商品名「KBM403」信越化学工業社製):40部
とを減圧下で攪拌して、含浸材としての1液型エポキシ
樹脂組成物(「含浸材A」と称する場合がある)を調製
した。
【0090】(含浸材の調製例2)ケチミン系化合物と
してケチミン系化合物B:55部を用いたこと以外は、
前記含浸材の調製例1と同様にして、含浸材としての1
液型エポキシ樹脂組成物(「含浸材B」と称する場合が
ある)を調製した。
【0091】(含浸材の調製例3)ケチミン系化合物と
してケチミン系化合物C:45部を用いたこと以外は、
前記含浸材の調製例1と同様にして、含浸材としての1
液型エポキシ樹脂組成物(「含浸材C」と称する場合が
ある)を調製した。
【0092】なお、前記プライマーの調製例1〜プライ
マーの調製例3で得られたプライマーA〜プライマー
C、前記不陸調整材の調製例1〜不陸調整材の調製例3
で得られた不陸調整材A〜不陸調整材C、前記含浸材の
調製例1〜含浸材の調製例3で得られた含浸材A〜含浸
材Cは、それぞれ、カートリッジに密封充填し30日間
保管した。
【0093】(実施例1)室温(約23℃)且つ65%
RHの環境下で24時間放置したコンクリート板(表面
の寸法:30cm×30cm)の表面をディスクサンダ
ーで研磨した後、前記プライマーAを開封してすぐに1
50g/m2塗布し、23℃且つ65%RHの環境下で
8時間硬化させた。硬化後、前記プライマーA層上に、
前記不陸調整材Aを開封してすぐに1000g/m2
布し、同様に23℃且つ65%RHの環境下で16時間
硬化させた。その後、前記不陸調整材A層上に、含浸材
Aを開封してすぐに500g/m2塗布し、引き続き、
該含浸材Aの塗布面の全面に、ビニロン繊維系のネット
状シート(表面の寸法:30cm×30cm)を被着さ
せローラーで押さえ、その上に、さらに前記含浸材Aを
300g/m2塗布して、ゴムへらにて、ネット状ビニ
ロン繊維製シートを押さえ込んで、含浸材Aをネット状
ビニロン繊維製シートに含浸させた。そして、23℃且
つ65%RHの環境下で7日間養生し、ネット状ビニロ
ン繊維製シートをコンクリート板に接着させて、剥落防
止用シート被着コンクリート板を作製した。
【0094】(実施例2)プライマーとしてプライマー
Bを用い、不陸調整材として不陸調整材Bを用い、含浸
材として含浸材Bを用いたこと以外は、実施例1と同様
にして、剥落防止用シート被着コンクリート板を作製し
た。
【0095】(実施例3)プライマーとしてプライマー
Cを用い、不陸調整材として不陸調整材Cを用い、含浸
材として含浸材Cを用いたこと以外は、実施例1と同様
にして、剥落防止用シート被着コンクリート板を作製し
た。
【0096】(実施例4)含浸材Aを、開封した後90
分室温で放置してから塗布すること以外は実施例1と同
様にして、剥落防止用シート被着コンクリート板を作製
した。
【0097】(比較例1)プライマーとして、2液型エ
ポキシ樹脂系接着剤からなるプライマー(商品名「E8
10LS」コニシ社製)を用い、不陸調整材として2液
型エポキシ樹脂系接着剤からなる不陸調整材(商品名
「E395S」コニシ社製)を用い、含浸材として2液
型エポキシ樹脂系接着剤からなる含浸材(商品名「E2
510S」コニシ社製)を用いたこと以外は、実施例1
と同様にして、剥落防止用シート被着コンクリート板を
作製した。なお、前記プライマー(商品名「E810L
S」コニシ社製)、前記不陸調整材(商品名「E395
S」コニシ社製)、前記含浸材(商品名「E2510
S」コニシ社製)は、2液型エポキシ樹脂系接着剤であ
るので、主剤と硬化剤とを正規の配合量で評取し、均一
になるまで混合してから用いた。
【0098】(比較例2)比較例1で用いた2液型エポ
キシ樹脂系接着剤からなる含浸材(商品名「E2510
S」コニシ社製)の主剤と硬化剤とを、主剤/硬化剤
(重量比)=1/1[正規の配合割合は、主剤/硬化剤
(重量比)=2/1である]の割合で評取し、均一にな
るまで混合した後、塗布したこと以外は、比較例1と同
様にして、剥落防止用シート被着コンクリート板を作製
した。
【0099】(比較例3)比較例1で用いた2液型エポ
キシ樹脂系接着剤からなる含浸材(商品名「E2510
S」コニシ社製;可使時間60分)の主剤と硬化剤と
を、正規の配合割合で評取し、均一になるまで混合した
後、90分間放置してから塗布すること以外は、比較例
1と同様にして、剥落防止用シート被着コンクリート板
を作製した。なお、可使時間に関しては、建設省総合技
術開発プロジェクトの「コンクリートの耐久性向上技術
の開発」(発行日:平成元年5月)の補修材料規格試験
方法(案)に記載されている可使時間の測定方法に準じ
て測定した。
【0100】(評価)実施例1〜4および比較例1〜3
において得られた剥落防止用シート被着コンクリート板
を、下記の接着強度測定方法により、剥落防止用シート
の接着強度を測定した。
【0101】また、実施例1〜4に係るプライマー、不
陸調整材および含浸材において用いられている1液型エ
ポキシ樹脂組成物の安定性を、下記の安定性試験方法に
より評価した。
【0102】さらにまた、実施例1〜4および比較例1
〜3において、プライマーの塗布、不陸調整材の塗布、
および繊維シートの接着の各工程での作業性を、下記の
作業性評価方法により評価した。
【0103】(接着強度測定方法)建設省建築研究所式
接着力試験方法に準じて下記のようにして行った。剥落
防止用シート被着コンクリート板に、寸法4cm×4c
mで、ダイヤモンドカッターにてコンクリート板まで切
り込み、そこに引っ張り試験用のアタッチメント(寸
法:4cm×4cm)を接着剤にて固着させ、試験体を
作製した。そして、該試験体を建築研究所式接着力試験
器にセットし、23℃且つ65%RHの環境下、表面に
対して垂直方向へ引っ張り、破断するときの最大引張荷
重を読みとり、同時に破断状況を確認した。そして、最
大引張荷重(読みとり値)を面積(4cm×4cm)で
除して得られた値を接着強度とした。試験体数nを3と
し、その平均値を求めた。測定結果は、表1の「接着
性」の欄に示した。なお、表1には、接着強度と破断状
況とが示されている。
【0104】(安定性試験方法)実施例1〜4に係るプ
ライマー、不陸調整材および含浸材についての各粘度を
それぞれ調製直後に測定し、さらに、それぞれをカート
リッジに充填密封して、23℃且つ65%RHの環境下
で60日間放置した後に、それぞれの粘度を測定した。
放置前後での粘度の値を比較して、下記の評価基準によ
り、実施例1〜4に係るプライマー、不陸調整材および
含浸材に関する1液型エポキシ樹脂組成物の安定性(貯
蔵安定性)をそれぞれ評価した。評価結果は、表1の
「安定性」の欄に示した。なお、粘度測定は、23℃且
つ65%RHの環境下で、BH型粘度計(10r/mi
n)の条件で行った。 (評価基準) ○:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が2未
満である。 △:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が2以
上3未満である。 ×:[(放置後の粘度)/(調製直後の粘度)]が3以
上である。
【0105】(作業性評価方法)プライマーの塗布、不
陸調整材の塗布、および繊維シートの接着の各工程にお
いて、主剤と硬化剤との計量および混合が必要か不要か
で評価した。評価結果は、表1の「作業性」の欄に示し
た。
【0106】
【表1】
【0107】表1より、実施例1〜4に係る剥落防止用
シート被着コンクリート板は、接着強度が強く、破断状
況は材料破壊(コンクリート内部の破壊)となってい
る。従って、実施例1〜4に係る1液型エポキシ樹脂組
成物からなる処理剤(プライマー、不陸調整材、含浸
材)を用いることにより、剥離したコンクリート片の剥
落を有効に防止することができるといえる。
【0108】また、実施例1〜4に係る剥落防止用シー
ト被着コンクリート板は、比較例1と比較して、同程度
の強度と破断状況を示している。従って、実施例1〜4
に係る1液型エポキシ樹脂組成物からなる処理剤(プラ
イマー、不陸調整材、含浸材)は、従来の2液型エポキ
シ樹脂系接着剤からなる処理剤と同等の性能を有してい
ることが確認された。
【0109】さらにまた、比較例2に係る剥落防止用シ
ート被着コンクリート板では、配合ぶれにより、架橋密
度が低くなり、十分な剥落防止効果を発現させることが
できない。このことから、実施例1〜4で示されるよう
に、各処理剤(プライマー、不陸調整材、含浸材)のエ
ポキシ樹脂組成物として1液型のエポキシ樹脂組成物を
用いることにより、人為的なミスを防止して、優れた再
現性で補強を行うことができることは明らかである。
【0110】特に、比較例3では、2液型エポキシ樹脂
系接着剤の主剤と硬化剤とを混合してから特定の時間が
経過しているために、エポキシ樹脂系接着剤が増粘し、
そのため、不陸調整材層への密着性が悪く、含浸材及び
剥落防止用シートによる層の接着強度が低く、また、含
浸材及び剥落防止用シートによる層を平滑にすることが
困難であるとともに美観性が悪い。これに対して、実施
例4では、比較例3と同程度の時間放置されていても、
開封直後と同程度の粘度が保持されており、含浸材の塗
布性や剥落防止用シートへの含浸性が優れ、安定した剥
落防止効果を発揮させることが可能であることは明らか
である。
【0111】しかも、実施例1〜4に係るプライマー、
不陸調整材及び含浸材は、安定性は良好であり、長期間
保存しても、粘度変化がほとんど又は全く生じていな
い。
【0112】このように、実施例1〜4に係るコンクリ
ート片の剥落防止方法では、用いられるプライマー、不
陸調整材や含浸材における主剤と硬化剤とを計量したり
混合したりする必要がなく、しかも、これらのプライマ
ー、不陸調整材や含浸材は安定性も良好であるので、コ
ンクリート片の剥落防止を優れた作業性で且つ良好な再
現性で行うことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63:00 C08L 63:00 (72)発明者 松浦 信輝 大阪府大阪市鶴見区鶴見4−7−9 コニ シ株式会社大阪研究所内 Fターム(参考) 2E176 AA01 BB29 4F072 AA07 AB04 AB09 AB30 AD24 AE01 AF28 AH04 AH25 AJ22 AK05 AL17 4J004 AA13 AA17 AA18 CC02 FA08 FA10 4J036 AA01 DA10 DC28 FB01 JA13 KA01 4J040 EC061 EC071 FA132 HA196 HA356 HC16 HD35 JA12 JB04 KA16 KA25 KA29 KA35 KA42 LA05 LA06 MA05 MA06 MA10 MB03 NA12 PA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート表面に剥落防止用シート
    (D)を接着させてコンクリート片の剥落を防止する方
    法であって、エポキシ樹脂(X1)と、下記式(1)で表
    される基を有するケチミン系化合物(X2)とを含有して
    いる1液型エポキシ樹脂組成物(X)を含有する処理剤
    が用いられていることを特徴とするコンクリート片の剥
    落防止方法。 【化1】 (式(1)において、R1、R2は、同一又は異なって、
    炭化水素基を示す。)
  2. 【請求項2】 1液型エポキシ樹脂組成物(X)を含有
    する処理剤が、少なくとも、剥落防止用シート(D)に
    含浸される含浸材(C)である請求項1記載のコンクリ
    ート片の剥落防止方法。
  3. 【請求項3】 1液型エポキシ樹脂組成物(X)を含有
    する処理剤が、プライマー(A)および不陸調整材
    (B)のうち少なくともいずれか1つの処理剤と、剥落
    防止用シート(D)に含浸される含浸材(C)とである
    請求項1又は2記載のコンクリート片の剥落防止方法。
  4. 【請求項4】 1液型エポキシ樹脂組成物(X)におけ
    るケチミン系化合物(X2)が、下記式(2)で表される
    ケチミン系化合物である請求項1〜3の何れかの項に記
    載のコンクリート片の剥落防止方法。 【化2】 (式(2)において、R3は1価若しくは多価の炭化水
    素基を示す。nは1以上の整数である。R1、R2は前記
    に同じ。)
  5. 【請求項5】 1液型エポキシ樹脂組成物(X)におけ
    るケチミン系化合物(X2)が、下記式(3)で表される
    ケチミン系化合物である請求項1〜4の何れかの項に記
    載のコンクリート片の剥落防止方法。 【化3】 (式(3)において、R1a、R2aは、同一又は異なっ
    て、炭素数2以上のアルキル基を示す。R3、nは前記
    に同じ。)
  6. 【請求項6】 1液型エポキシ樹脂組成物(X)におけ
    るケチミン系化合物(X2)が、下記式(4)で表される
    ケチミン系化合物である請求項1〜5の何れかの項に記
    載のコンクリート片の剥落防止方法。 【化4】 (式(4)において、R3、nは前記に同じ。)
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