JP6821486B2 - コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン - Google Patents

コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物のコンクリート表層が劣化により剥離して落下することを防止することを目的としてコンクリート構造物の表面に塗付して形成する、コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンに関する。
従来、コンクリート構造物には、コンクリートの中性化や、地盤沈下などでコンクリート構造物に変形応力が加わることを原因とするひび割れが発生することがあり、当該ひび割れ及び中性化が進行するとコンクリート表層が剥離して落下し、落下個所によっては人や交通手段等に甚大な損害が発生する場合がある。このため、コンクリート表層の落下を防止するため、コンクリート表面を樹脂等によって被覆する対策が行われ、土木学会では、該コンクリート構造物のコンクリート表面を被覆する表面被覆材の性能について、「コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法(JSCE−K 533 2013)」として、最大荷重を耐荷力としてその性能を確認することを提案している。
一方、コンクリート表面を表面被覆材にて覆った後も、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状態を適時に確認するため、透明な被覆材によってコンクリート表面を被覆する樹脂組成物(特許文献1)や、コーティング剤(特許文献2)が提案されている。
特許文献1に係る樹脂組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と揺変性付与剤(B)とを含有する、コンクリート片及びタイルの剥落防止用一成分型ポリウレタン樹脂組成物であり、特許文献2に係るコーティング剤は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、平均粒子径が30μm以下であるゼオライト微粉末(C)、微粉末シリカ(D)、アルコキシシラン(E)を含有する有色不透明のウレタン系コーティング剤であって、その塗膜が外気に触れることにより、無色透明の塗膜となることを特徴とする建築用コーティング剤である。
特開2011−252292号公報 特開2013−2068号公報
しかしながら、特許文献1に係るコンクリート片及びタイルの剥落防止用一成分型ポリウレタン樹脂組成物は空気中の水分によって硬化する一成分型であるため、硬化スピードは空気中の水分量によって変化し、特に空気中の水分量が少ないときに該樹脂組成物を積層する場合やトップコートを塗付する場合には、下層の塗膜が十分に硬化するまでに時間を要することとなり、上層は該下層の塗膜が十分に硬化したのを待って塗付しなければならず、結果として工期が1日超必要となる場合があり、仮に十分な工期が確保されていても(例えば2日間)、該工期内に施工を完了させるためには、下層の塗付厚みは内部の硬化が十分に進むように比較的薄くしか塗付することが出来ず、結果として全体の塗膜として十分な強度(剥落防止性能)を確保することが難しいという課題がある。また特許文献2に係る建築用コーティング剤は、ポリオール化合物(A)とポリイソシアネート化合物(B)の反応によって形成され有色不透明のウレタン系コーティング材であるため、塗膜強度は比較的弱く、コンクリート片剥落防止を目的として使用するためには織物を積層する必要があるという課題がある。
本発明の課題は、コンクリート表面を表面被覆材にて覆った後も、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状態を適時に確認することが可能で、施工時の空気中の水分(湿度)量の影響を受けることが無く、また塗膜強度が比較的高い材料を使用することにより、織物を積層する必要がないため確実に一日で形成することが出来、さらには織物を積層しなくても十分なコンクリート片剥落防止性能を有し、加えて、工期が2日あれば、より高いコンクリート片剥落防止性能を付与することが可能な、コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供することにある。
請求項1記載の発明は、コンクリート構造物の表面に塗付して形成されたコンクリート片剥落防止構造であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して形成された透明プライマー層と、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとSiO含有率が90%以上の硅砂と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含み且つ硅砂は平均粒子径D50(累積重量50%)が100〜500μmである透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成された透明補強層とから成り、透明補強層中の硅砂の含有率が10〜40重量%であることを特徴とするコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項2記載の発明は、レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項3記載の発明は、前記透明補強層は0.3kg/m以上1.5kg/m以下で塗付して形成された層であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項4記載の発明は、コンクリート構造物の表面に塗付してコンクリート片剥落防止構造を形成するコンクリート片剥落防止工法であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとSiO含有率が90%以上の硅砂と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含み且つ硅砂は平均粒子径D50(累積重量50%)が100〜500μmである透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を積層し、透明補強層中の硅砂の含有率が10〜40重量%であることを特徴とするコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項5記載の発明は、レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項6記載の発明は、請求項4記載の透明補強層は0.3kg/m以上1.5kg/m以下で塗付して形成されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項7記載の発明は、光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項8記載の発明は、光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項9記載の発明は、脂環式ポリアミンは式I:

(式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R及びRは同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載又は請求項7に記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項10記載の発明は、脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項3または請求項4乃至請求項6のいずれかに記載又は請求項8に記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載又は請求項7に記載のコンクリート片剥落防止構造に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミンを提供する。
なお、言い換えれば、該脂環式ポリアミンは、前記式Iで表される1種以上のポリアミンを主成分とする、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載又は請求項7に記載のコンクリート片剥落防止構造のポリウレア樹脂塗材に使用する脂環式ポリアミンである。
請求項12記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載又は請求項8に記載のコンクリート片剥落防止工法に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミンを提供する。
なお、言い換えれば、該脂環式ポリアミンは、前記式Iで表される1種以上のポリアミンを主成分とする、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載又は請求項8に記載のコンクリート片剥落防止工法のポリウレア樹脂塗材に使用する脂環式ポリアミンである。
本発明の請求項1乃至請求項3、請求項7、請求項9記載のコンクリート片剥落防止構造は、コンクリートの表面に塗付して形成されたプライマー層と、この上に塗付して形成された補強層が透明であるため、コンクリートの表面に本発明であるコンクリート片剥落防止構造を形成しても、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状況を適時に目視にて確認することが出来る効果がある。また透明補強層は無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンの反応により硬化するため、空気中の水分量の影響を受けることがほとんど無く、このため本発明のコンクリート片剥落防止構造を形成するための施工に要する工期が延びることが無いという効果がある。特に請求項3に記載のコンクリート片剥落防止構造は、またプライマー層及び透明補強層の二層のみで形成され、特に透明補強層の塗付量は0.3kg/m以上1.5kg/m以下で塗付して形成された層である、確実に一日で施工が完了し短工期にコンクリート片剥落防止構造を形成することができる効果がある。また透明補強層はポリウレア樹脂から成るため塗膜強度が十分にあり、織物を積層しなくても十分な剥落防止性能を有する効果がある。
また、透明補強層には平均粒子径D50(累積重量50%)が100〜500μmの硅砂が10〜40重量%含まれ、また該硅砂の表面水分と無黄変イソシアネートプレポリマーが反応して極微量の炭酸ガスが発生して該硅砂の表面に存在することの効果と推定されるが、下地コンクリート中に水分が含まれていても、該水分は硅砂表面の微細な泡を通り道として塗膜外に排出され、結果として透明補強層が膨れることがないという効果がある。このため、長期に亘って下地コンクリート表面の状態を透明補強層及びプライマー層を透して目視で観察することができ、コンクリート表面の劣化状況を逐一チェックすることが可能であるという効果がある。
また、透明補強層には硅砂と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤を含んでいるため、塗付する際の透明なポリウレア樹脂塗材には揺変性が付与され水平裏面へ塗付してもダレが生じにくいという効果がある。
また、透明補強層は光安定剤と紫外線吸収剤を含んでいるため、透明補強層及び透明プライマー層は紫外線等の劣化を受けにくく、長期にわたって黄変や強度低下が生じにくいという効果があり、長期間にわたって確実にコンクリート片の剥落を防止し、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状況を目視で確認することができる効果がある。
また、透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートと脂環式ポリアミンの反応により成膜し、本発明で使用する脂環式ポリアミンは超速硬化である脂肪族アミンと比較して反応が遅く、夏場の高温下であっても鏝等で施工できるという効果がある。また一般的に可使時間を確保するために使用され硬化反応が遅い芳香族アミンと比較して、硬化塗膜は黄変することが少ないという効果がある。
また、本発明の請求項4乃至請求項6、請求項8、請求項10記載のコンクリート片剥落防止工法は、請求項1乃至請求項3、請求項7、請求項9記載のコンクリート片剥落防止構造が有する効果と同様の効果を有し、透明プライマー層上の透明補強層を形成する塗材は、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンから成るポリウレア樹脂塗材であるため、夏場の高温下であっても鏝やローラ刷毛等で塗付可能な可使時間を有するという効果がある。
また、特に本発明の請求項7記載のコンクリート片剥落防止構造は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンクリート片剥落防止構造の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることより、長期にわたって透明補強層の黄変と強度低下を防止する効果がある。
また、特に本発明の請求項8記載のコンクリート片剥落防止工法は、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のコンクリート片剥落防止工法の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることより、長期にわたって透明補強層の黄変と強度低下を防止する効果がある。
また、本発明の請求項11記載の脂環式ポリアミンは、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載又は請求項7に記載のコンクリート片剥落防止構造に使用するものであるため、脂肪族アミンを使用した場合と比較して鏝等で塗付する際の可使時間を確保することが出来る効果があり、芳香族アミンと比較して硬化塗膜が黄変することが少ないという効果がある。
また、本発明の請求項12記載の脂環式ポリアミンは、請求項4乃至請求項6のいずれかに記載又は請求項8に記載のコンクリート片剥落防止工法に使用するものであるため、脂肪族アミンを使用した場合と比較して鏝等で塗付する際の可使時間を確保することが出来る効果があり、芳香族アミンと比較して硬化塗膜が黄変することが少ないという効果がある。
以下本発明について詳細に説明する。
次に、請求項1乃至請求項3、請求項7、請求項9記載のコンクリート片剥落防止構造及び請求項4乃至請求項6、請求項8、請求項10記載のコンクリート片剥落防止工法に使用されるシリコンアクリル樹脂プライマー、ポリウレア樹脂塗材について詳しく説明する。
<シリコンアクリル樹脂プライマー>
本願発明に使用される透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーの、アミノ基含有アクリル樹脂としては、主鎖または側鎖の一部がアミン変性されたアクリル樹脂を使用することが好ましい。アミン変性されたアクリル樹脂の酸価は1.0〜10.0mgKOH/gであり、アミン価は10〜50mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が10mg未満では、上層にくるポリウレア樹脂塗材との付着性が不十分となり、アミン価が50mg超では硬化剤となるエポキシシランの配合量が増えてコスト高となる。なお、酸価とは、ポリマー(固形分)1g中のカルボキシル基とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数の実測値を意味し、また、アミン価とは、ポリマー(固形分)1g中のアミノ基とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数の実測値を意味する。
上記したアミノ基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は、10℃以上50℃未満であることが好ましい。ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、JIS K 7121−1987に準拠して測定された値を意味する。このような市販樹脂としては、DIC株式会社のACRYDIC A−9521(酸価=3mgKOH/g以下、アミン価=20mgKOH/g、Tg=15℃)がある。ガラス転移温度が10℃未満では耐熱性が不十分となって透明補強層や下地コンクリートの温度が夏季に高温になると接着性が低下し、50℃超では下地コンクリートとの密着性が低下する。
また本願発明に使用される透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーの、アミノ基含有アクリル樹脂に併用して用いられるエポキシシランは、硬化剤として機能するものである。このようなエポキシシラン硬化剤のエポキシ当量は、固形分換算で210〜740g/eqの範囲であることが好ましい。なお、エポキシ当量とは、官能基(エポキシ基)1個あたりのエポキシシランの分子量の理論値である。エポキシ当量が210未満では硬化反応が早くなって施工性が低下し、740超では耐熱性が不十分となって透明補強層や下地コンクリートの温度が夏季に高温になると接着性が低下する。このような市販のエポキシシランとしては、DIC株式会社のACRYDIC A−9585(エポキシ当量560g/eq)、A−9585−BA(A−9585の溶剤のみを変更した製品)、FZ−521(エポキシ当量590g/eq)、FZ−523(エポキシ当量680−740g/eq)等がある。
アミノ基含有アクリル樹脂に対するエポキシシランの配合割合は、次のようにして決定する。まず、アミノ基含有アクリル樹脂1gに含まれるアミノ基の数を、上記アミン価(mg)と酸価(mg)の合計数(mg)をKOHの分子量(mg)で除して求め、次にエポキシシラン1gに含まれるエポキシ基の数を、該1gをエポキシ当量で除して求め、アミノ基数とエポキシ基数の比が1:1となるようにそれぞれのおおよその配合部数を決定する。その上で、下地コンクリートに対する付着性及び本シリコンアクリル樹脂プライマーと後述の透明補強層との付着性を実験的に確認した上で最適なエポキシシランの配合重量部数を決定する。本発明では求められたエポキシシランの配合重量部数の50%〜100%がアミノ基含有アクリル樹脂100重量部に対する配合部数として好ましい。
シリコンアクリル樹脂プライマーの下地コンクリートへの塗付量は0.05kg/m〜0.15kg/mが好ましく、0.05kg/m未満では付着力が不十分であり、0.15kg/m超では乾燥性が低下する。
<ポリウレア樹脂塗材>
本願発明に使用される透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含み、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーにはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。
脂環式ポリアミンは、イソホロンジアミン等の少なくとも一つのアミノ基がシクロヘキサン環等に直接結合しているポリアミンであり、第1級アミノ基を含まない第2級アミノ基のみを有するアミンが使用される。重量平均分子量(理論値)は300〜1000が好ましい。300未満では可使時間が短くなって施工性が不良となり、1000超では反応速度が低下し、指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンを使用することによって初めて、ポリウレア樹脂塗材を鏝等で塗付することが可能な可使時間を十分に確保することができ、さらには無黄変イソシアネートプレポリマーと組み合わせて使用することにより、硬化塗膜が紫外線で黄変することが無い。
脂環式ポリアミンは前記式Iで表され、X、R、R、mが上記のとおりの1種以上のポリアミンである。この脂環式ポリアミンはポリアスパラギン酸エステルまたはポリアスパルテートであり、mは2が好ましい。Xが炭素数6〜30の2価の炭化水素基、たとえば4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))、3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))、1−アミノー3,3,5−トリメチルー5−アミノメチルシクロヘキサン、ヘキサヒドロ−(少なくとも2,4−ジアミノトルエンまたは2,6−ジアミノトルエンのいずれかを含む)、異性C−モノメチルジアミノジシクロヘキシルメタン及び3(4)−アミノメチルー1−メチルシクロヘキシルアミンから1級アミノ基を除去することにより得られる基を表すポリアスパラギン酸エステルを好適に使用することができる。特にはXが4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))または3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))から1級アミノ基を除くことにより得ることができる2価の炭化水素基を表す式Iの化合物がより好ましい。
式Iで表される脂環式ポリアミンはR及びRがメチル、エチル、n−ブチルまたは2−エチルヘキシルが好ましく、式X−(−NH)mで表される1級ポリアミンを式ROOC−CH=CH−COORで表されるマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと反応させることにより製造される。
4,4’メチレンビスシクロヘキシルアミン1モルをマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンは、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は548(理論値)、粘度2000mPa・s/23℃である。また、4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)1モルとマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとしては、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は578(理論値)、粘度;2000mPa・s/23℃である。
NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーには、上記のようにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。特には、ポリカプラクトン変性ポリオールと1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応によって得られる無黄変イソシアネートプレポリマーが適していて、該プレポリマーとしてデュラネートTSE−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:12.0%、粘度1650mPa・s/25℃、NCO当量:350、固形分100%)がある。NCO重量%が10重量%未満では塗膜強度が不十分となり十分な剥落防止性能を有さず、30重量%超では可使時間が短くなり施工性が低下する。
無黄変イソシアネートプレポリマーのNCO基と脂環式アミンの活性水素基の当量比(NCO基数/活性水素基数)は0.8〜1.3が好ましい。0.8未満では主剤と硬化剤を混合後の粘度上昇が著しく可使時間が短くなって施工性が低下する。1.3超では硬化時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。
無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンは、既に形成された透明プライマー層の上に該ポリウレア樹脂塗材を塗付する直前に十分に混合して使用する。
ポリウレア樹脂塗材の塗付量は0.3kg/m〜1.5kg/mが好ましく、0.3kg/m未満では、コンクリート片剥落防止性能が不十分となり、1.5kg/m超では塗付作業性が低下する。
本願発明に係るポリウレア樹脂塗材に含まれる硅砂は、粒子径が50〜900μmであって、その平均粒子径D50(累積重量50%)は100〜500μmであることが好ましい。硅砂は透明補強層の配合されるため、SiOの含有率は90%以上が好ましい。硅砂の配合量はポリウレア樹脂塗材全体100重量部に対して10重量部以上40重量部以下が好ましく、10重量部未満では下地コンクリートの不陸を調整することが出来ず、40重量部超ではポリウレア樹脂塗材の透明性が低下する。これらを満たす市販の硅砂には瑞浪産硅砂6号(平均粒子径(累積重量50%):340μm、SiO含有率:91%、瑞浪シリカ協業組合製)がある。
透明補強層は、硅砂により補強されるとともに、同時に配合する親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤により透明補強層に揺変性が付与されるが、これらの組み合わせにより透明性を保持しながら、タレ止め性とローラ刷毛による塗付作業性を良好に保つことが可能となる。
親水性微粉シリカは、非結晶性の微粉末の親水性ヒュームドシリカであり、BET法による比表面積は150−500m/gのものを使用することが出来る。比表面積が150m/g未満のものでは十分な揺変性が付与されず、500m/g超では透明補強層をローラ刷毛で塗付する際の作業性が低下する。また親水性微粉シリカのシラノール基密度は2SiOH/nm以上であることが望ましい。これらを満足する親水性微粉シリカとしては、HDK−N20(商品名、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、比表面積(BET法)170〜230g/m、シラノール基密度:2SiOH/nm)がある。
またレオロジーコントロール剤は、親水性微粉シリカの粒子表面のシラノール基と水素結合を形成し、該水素結合によりシリカ粒子と3次元構造を形成するフリーのOH基を有したチキソトロピック性促進剤であり、特にはポリヒドロキシカルボン酸アミドを好適に使用することが出来る。市販のレオロジーコントロール剤としては、BYK−405(商品名、株式会社ビックケミー社製、ポリヒドキシカルボン酸アミド含有量51%)がある。
本願発明に係るポリウレア樹脂塗材は、さらに光安定剤と紫外線吸収剤を含むことにより、長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができる。市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。
また透明補強層は、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンとSiO含有率が90%超の硅砂と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成される。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
<実施例1及び実施例2>
透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーのアミノ基含有アクリル樹脂としてACRYDIC A−9521を、エポキシシランとしてACRYDIC A−9585を使用して表1に示す配合にて均一に混合してシリコンアクリル樹脂プライマーとした。
透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材として、脂環式ポリアミンAとして、4,4’−メチレンビスシクロヘキサンアミン・マレイン酸ジエチル付加物 (重量平均分子量(Mw):548(理論値)、粘度:2000mPa・s/23℃)を、脂環式ポリアミンBとして、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物(重量平均分子量(Mw):578(理論値)、粘度;2000mP・s/23℃)を、SiO含有率が90%以上の硅砂として、瑞浪産硅砂6号を、親水性微粉シリカにHDK−N20(商品名、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、比表面積(BET法)170〜230g/m、シラノール基密度:2SiOH/nm)を、レオロジーコントロール剤にBYK−405(商品名、株式会社ビックケミー社製、ポリヒドキシカルボン酸アミド含有量51%)を使用し、光安定剤にTINUBIN292を、紫外線吸収剤にTINUVIN400を、その他に消泡剤としてアクリル系消泡剤を、硅砂との濡れ性を上げるため湿潤剤としてアミノシランを使用して、表1に示す配合にて混合して主剤とし、無黄変イソシアネートプレポリマーにデュラネートTSE−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:12.0%、粘度1650mPa・s/25℃、NCO当量:350、固形分100%)を使用して硬化剤として、主剤と硬化剤を5:3(重量部)にて均一に混合することでポリウレア樹脂塗材とした。
実施例1についてはシリコンアクリル樹脂プライマーの塗付量を0.1kg/m、ポリウレア樹脂塗材の塗付量を1.0kg/mとし、実施例2については、シリコンアクリル樹脂プライマーの塗付量を0.1kg/m、ポリウレア樹脂塗材の塗付量を1.0kg/mの2回塗りとし1回目が硬化乾燥したのち2回目を塗付した。
<比較例>
比較例はシリコンアクリル樹脂プライマーは実施例1と同一とし、ポリウレア樹脂塗材は表1の配合より硅砂を除いたものとした。
<評価方法>
<透明性>
JISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)上に、0.2mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm幅のラインを市販油性マジックを使って作成して乾燥させる。実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて、シリコンアクリル樹脂プライマー0.1kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材を実施例1及び比較例については1.0kg/mを塗付し、乾燥させて透明補強層を形成する。実施例2についてはポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗布して硬化乾燥させたのち、さらにポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗付して透明補強層を形成する。その後、それぞれ23℃、RH50%条件下にて7日間養生後、目視にてコンクリート表面の0.2mmのラインが明確に視認できるものを○と評価し、視認できないものを×と評価した。
<押し抜き性>
JIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±3mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れる。表面を、サンディング処理し、この処理面に、実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて、シリコンアクリル樹脂プライマー0.1kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材を実施例1及び比較例については1.0kg/mを塗付し、乾燥させて透明補強層を形成する。実施例2についてはポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗布して硬化乾燥させたのち、さらにポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗付して透明補強層を形成する。その後、それぞれ23℃、RH50%条件下にて7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得る。その後、該試験体をJSCE−K 533 2013(コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法)に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(kN)とした。押し抜き最大荷重が0.3kN以上を○と評価した。
<付着性>
23℃下でJISK5600−1−4 試験用標準試験板 に規定するセメントモルタル板 70×70×20mm の表面をサンディング処理し、該処理面に、実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて、シリコンアクリル樹脂プライマー0.1kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材を実施例1及び比較例については1.0kg/mを塗付し、乾燥させて透明補強層を形成する。実施例2についてはポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗布して硬化乾燥させたのち、さらにポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗付して透明補強層を形成する。その後23℃、RH50%条件下にて、7日間養生し、透明補強層の表面に40×40mmの鋼製冶具を市販2液型速硬化エポキシ樹脂接着剤で貼り付けて該冶具に沿ってモルタル板まで達するまで切込を入れる。その後、該冶具を貼り付け面に対して垂直に引張り、付着強度(N/mm)を測定した。破壊状態は下地モルタル100%凝集破壊を○と、それ以外を×と評価した。また付着強度については1.0N/mm以上を○と評価した。
<湿潤面付着性>
23℃下でJISK5600−1−4 試験用標準試験板 に規定するセメントモルタル板 70×70×20mm の表面をサンディング処理して水中に浸漬し24時間以上水中養生する。養生後水中から取り出した後、表面の余剰水をウェスで拭き取り、ただちに、サンディング処理面に実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて、シリコンアクリル樹脂プライマー0.1kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材を実施例1及び比較例については1.0kg/mを塗付し、乾燥させて透明補強層を形成する。実施例2についてはポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗布して硬化乾燥させたのち、さらにポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗付して透明補強層を形成する。その後、砂を敷き詰めた水槽の該砂の上に試験体を水平に載置し、試験体の上面から5mm下まで水槽内に水道水を注水する。23℃28日間その状態で放置後、水槽内から試験体を取り出し、23℃RH50%下に24時間静置し、透明補強層の表面に40×40mmの鋼製冶具を市販2液型速硬化エポキシ樹脂接着剤で貼り付けて該冶具に沿ってモルタル板まで達するまで切込を入れる。その後、該冶具を貼り付け面に対して垂直に引張り、付着強度(N/mm)を測定した。破壊状態は下地モルタル100%凝集破壊を○と、それ以外を×と評価した。また40×40mmの鋼製冶具を貼り付ける前に、透明プライマー層と透明補強層から成る塗膜の状態を目視で観察し、膨れがあるものを×、膨れが無く健全であるものを○と評価した。また付着強度については1.0N/mm以上を○と評価した。
<促進耐候性>
23℃下でJISK5600−1−4 試験用標準試験板 に規定するセメントモルタル板 70×150×20mm の表面をサンディング処理し、該処理面に、実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて、シリコンアクリル樹脂プライマー0.1kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材を実施例1及び比較例については1.0kg/mを塗付し、乾燥させて透明補強層を形成する。実施例2についてはポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗布して硬化乾燥させたのち、さらにポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗付して透明補強層を形成する。その後23℃、RH50%条件下にて、7日間養生し、JISK5600 7−7 キセノンランプ法に準拠し、BST温度55±2℃、BPT温度50±2℃、濡れ時間18分、乾燥時間102分で連続運転し、500時間経過後の色差(ΔE)及び60度鏡面光沢度保持率(%)を測定した。色差(ΔE)については10以内を○と評価し、60度鏡面光沢度保持率は70%以上を良好と評価した
<施工性>
23℃及び5℃下にてそれぞれJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)の表面をサンディング処理し、この処理面に、実施例1、実施例2及び比較例それぞれについて、シリコンアクリル樹脂プライマー0.1kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材を実施例1及び比較例については1.0kg/mを塗付し、乾燥させて透明補強層を形成する。実施例2についてはポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗布して硬化乾燥させたのち、さらにポリウレア樹脂塗材を1.5kg/m塗付して透明補強層を形成する。各温度にてポリウレア樹脂塗材の塗付が完了するまでに5時間以内については○と評価し、5時間超については×と評価した。
<評価結果>
評価結果を表2に示す。



Claims (12)

  1. コンクリート構造物の表面に塗付して形成されたコンクリート片剥落防止構造であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して形成された透明プライマー層と、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとSiO含有率が90%以上の硅砂と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含み且つ硅砂は平均粒子径D50(累積重量50%)が100〜500μmである透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成された透明補強層とから成り、透明補強層中の硅砂の含有率が10〜40重量%であることを特徴とするコンクリート片剥落防止構造。
  2. レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片剥落防止構造。
  3. 前記透明補強層は0.3kg/m以上1.5kg/m以下で塗付して形成された層であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のコンクリート片剥落防止構造。
  4. コンクリート構造物の表面に塗付してコンクリート片剥落防止構造を形成するコンクリート片剥落防止工法であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が10〜30重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとSiO含有率が90%以上の硅砂と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含み且つ硅砂は平均粒子径D50(累積重量50%)が100〜500μmである透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を積層し、透明補強層中の硅砂の含有率が10〜40重量%であることを特徴とするコンクリート片剥落防止工法。
  5. レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項記載のコンクリート片剥落防止工法。
  6. 請求項4記載の透明補強層は0.3kg/m以上1.5kg/m以下で塗付して形成されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のコンクリート片剥落防止工法。
  7. 光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のコンクリート片剥落防止構造。
  8. 光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載のコンクリート片剥落防止工法。
  9. 脂環式ポリアミンは式I:
    (式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R及びRは同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載又は請求項7に記載のコンクリート片剥落防止構造。
  10. 脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載又は請求項8に記載のコンクリート片剥落防止工法。
  11. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載又は請求項7に記載のコンクリート片剥落防止構造に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミン。
  12. 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載又は請求項8に記載のコンクリート片剥落防止工法に使用する脂環式ポリアミンであって、前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする脂環式ポリアミン。
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