JP6320223B2 - コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン - Google Patents

コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミン Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート構造物のコンクリート表層が劣化により剥離して落下することを防止する、コンクリート構造物の表面に塗付して形成する、コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンに関する。
従来、コンクリート構造物には、コンクリートの中性化や、地盤沈下などでコンクリート構造物に変形応力が加わることを原因とするひび割れが発生することがあり、当該ひび割れ及び中性化が進行するとコンクリート表層が剥離して落下し、落下個所によっては人や交通手段等に甚大な損害が発生する場合がある。このため、コンクリート表層の落下を防止するため、コンクリート表面を樹脂等によって被覆する対策が行われ、土木学会では、該コンクリート構造物のコンクリート表面を被覆する表面被覆材の性能について、「コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法(JSCE−K 533 2013)」として、最大荷重を耐荷力としてその性能を確認することを提案している。
一方、コンクリート表面を表面被覆材にて覆った後も、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状態を適時に確認するため、透明な被覆材によってコンクリート表面を被覆する樹脂組成物(特許文献1)や、コーティング剤(特許文献2)が提案されている。
特許文献1に係る樹脂組成物は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(A)と揺変性付与剤(B)とを含有する、コンクリート片及びタイルの剥落防止用一成分型ポリウレタン樹脂組成物であり、特許文献2に係るコーティング剤は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、平均粒子径が30μm以下であるゼオライト微粉末(C)、微粉末シリカ(D)、アルコキシシラン(E)を含有する有色不透明のウレタン系コーティング剤であって、その塗膜が外気に触れることにより、無色透明の塗膜となることを特徴とする建築用コーティング剤である。
特開2011−252292号公報 特開2013−2068号公報
しかしながら、特許文献1に係るコンクリート片及びタイルの剥落防止用一成分型ポリウレタン樹脂組成物は空気中の水分によって硬化する一成分型であるため、該樹脂組成物を積層する場合やトップコートを塗付する場合には、下層の塗膜が十分に硬化するまで待って上層を塗付する必要があるため工期が延長される場合があり、また特許文献2に係る建築用コーティング剤は、ポリオール化合物(A)とポリイソシアネート化合物(B)の反応によって形成される塗膜であるため、塗膜強度を十分に強くすることが難しく、高い剥落防止性能を付与することが難しいという課題がある。
本発明の課題は、コンクリート表面を表面被覆材にて覆った後も、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状態を適時に確認することが可能で、また工期が施工時の空気中の水分(湿度)量や、施工仕様に係る被覆層の積層数が増えることによって延長することが無く、塗膜強度を高強度として高い剥落防止性能を発揮するコンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法及びこれらに使用する脂環式ポリアミンを提供することにある。
請求項1記載の発明は、コンクリート構造物の表面に塗付して形成するコンクリート片剥落防止構造であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンと透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成すると共にガラス繊維製クロスを該透明補強層内に積層し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とするコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項2記載の発明は、レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項3記載の発明は、コンクリート構造物の表面に塗付してコンクリート片剥落防止構造を形成するコンクリート片剥落防止工法であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンと透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成すると共にガラス繊維製クロスを該透明補強層内に積層し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とするコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項4記載の発明は、レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項3記載の外壁タイル剥落防止工法を提供する。
請求項5記載の発明は、光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項6記載の発明は、光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項3または請求項4記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
請求項7記載の発明は、脂環式ポリアミンは式I:
Figure 0006320223

(式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R及びRは同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項5に記載のコンクリート片剥落防止構造を提供する。
請求項8記載の発明は、脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項3または請求項4または請求項6記載のコンクリート片剥落防止工法を提供する。
本発明の請求項1、請求項2、請求項5または請求項7記載のコンクリート片剥落防止構造は、コンクリートの表面に塗付して形成するプライマー層、この上に塗付して形成する補強層及びさらにこれに塗付して形成する保護層はすべて透明であるため、コンクリートの表面に本発明であるコンクリート片剥落防止構造を形成しても、コンクリート表層の劣化の程度やクラックの発生状況を適時に目視にて確認することが出来る効果がある。また透明補強層は無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンの反応により硬化するため、空気中の水分量の影響を受けることがほとんど無く、本発明のコンクリート片剥落防止構造を形成するための施工に要する工期が延長することが無い効果がある。また塗膜強度も十分に強くすることが可能で、高い剥落防止性能を有する効果がある。
特には、透明補強層はガラス繊維製クロスが積層され、また透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤を含んでいるため、コンクリートの表面が南側壁面にあり日射により透明補強層の温度が上昇しても強度低下が少なく、確実にコンクリート片の落下を防止する効果がある。また本発明に係る透明補強層に含まれる透明補強繊維は好ましくは繊維長が0.5〜10mmと長めであることより、塗付する際の透明なポリウレア樹脂塗材には揺変性が付与され立面へ塗付してもダレが生じにくいという効果がある。
また、透明補強層及び透明保護層は光安定剤と紫外線吸収剤を含んでいるため、当該透明保護層及びその下層の透明補強層及び透明プライマー層は紫外線等の劣化を受けにくく、長期にわたって黄変や強度低下が生じにくいという効果があり、長期間にわたって確実にコンクリート片剥落を防止する効果がある。
また、透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートと脂環式ポリアミンの反応により成膜し、本発明で使用する脂環式ポリアミンは超速硬化である脂肪族アミンと比較して反応が遅く、また無黄変イソシアネートはNCO重量%は5〜10重量%と低いため、夏場の高温下であっても鏝等で施工できるという効果がある。また一般的に可使時間を確保するために使用され硬化反応が遅い芳香族アミンと比較して、硬化塗膜は黄変することが少ないという効果がある。
また、本発明の請求項3、請求項4、請求項6または請求項8記載のコンクリート片剥落防止工法は、請求項1、請求項2、請求項5または請求項7記載のコンクリート片剥落防止構造が有する効果のほか、透明プライマー層上の透明補強層を形成する塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンから成るポリウレア樹脂塗材であるため、夏場の高温下であっても鏝やローラ刷毛等で塗付可能な可使時間を有するという効果がある。
また、特に本発明の請求項5載のコンクリート片剥落防止構造は、請求項1または請求項2記載のコンクリート片剥落防止構造の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることより、長期にわたって透明補強層及び透明保護層の黄変と強度低下を防止する効果がある。
また、特に本発明の請求項6記載のコンクリート片剥落防止工法は、請求項3または請求項4記載のコンクリート片剥落防止工法の光安定剤がヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることより、長期にわたって透明補強層及び透明保護層の黄変と強度低下を防止する効果がある。
以下本発明について詳細に説明する。
次に、請求項1、請求項3、請求項5または請求項7記載のコンクリート片剥落防止構造及び請求項2、請求項4、請求項6または請求項8記載のコンクリート片剥落防止工法に使用されるシリコンアクリル樹脂プライマー、ポリウレア樹脂塗材及びアクリルシリコン樹脂塗材等について詳しく説明する。
シリコンアクリル樹脂プライマー
本願発明に使用される透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーの、アミノ基含有アクリル樹脂としては、主鎖または側鎖の一部がアミン変性されたアクリル樹脂を使用することが好ましい。アミン変性されたアクリル樹脂の酸価は1.0〜10.0mgKOH/gであり、アミン価は10〜50mgKOH/gであることが好ましい。アミン価が10mg未満では、上層にくるポリウレア樹脂塗材との付着性が不十分となり、アミン価が50mg超では硬化剤となるエポキシシランの配合量が増えてコスト高となる。なお、酸価とは、ポリマー(固形分)1g中のカルボキシル基とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数の実測値を意味し、また、アミン価とは、ポリマー(固形分)1g中のアミノ基とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数の実測値を意味する。
上記したアミノ基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は、10℃以上50℃未満であることが好ましい。ここでいうガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、JIS K 7121−1987に準拠して測定された値を意味する。このような市販樹脂としては、DIC株式会社のACRYDIC A−9521(酸価=3mgKOH/g以下、アミン価=20mgKOH/g、Tg=15℃)がある。ガラス転移温度が10℃未満では耐熱性が不十分となって透明補強層や下地タイルの温度が夏季に高温になると接着性が低下し、50℃超ではタイルとの密着性が低下する。
また本願発明に使用される透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーの、アミノ基含有アクリル樹脂に併用して用いられるエポキシシランは、樹脂硬化剤として機能するものである。このようなエポキシシラン硬化剤のエポキシ当量は、固形分換算で210〜740g/eqの範囲であることが好ましい。なお、エポキシ当量とは、官能基(エポキシ基)1個あたりのエポキシシランの分子量の理論値である。エポキシ当量が210未満では硬化反応が早くなって施工性が低下し、740超では耐熱性が不十分となって透明補強層や下地タイルの温度が夏季に高温になると接着性が低下する。このような市販のエポキシシランとしては、DIC株式会社のACRYDIC A−9585(エポキシ当量560g/eq)、A−9585−BA(A−9585の溶剤のみを変更した製品)、FZ−521(エポキシ当量590g/eq)、FZ−523(エポキシ当量680−740g/eq)等がある。
アミノ基含有アクリル樹脂に対するエポキシシランの配合割合は、次のようにして決定する。まず、アミノ基含有アクリル樹脂1gに含まれるアミノ基の数を、上記アミン価(mg)と酸価(mg)の合計数(mg)をKOHの分子量(mg)で除して求め、次にエポキシシラン1gに含まれるエポキシ基の数を、該1gをエポキシ当量で除して求め、アミノ基数とエポキシ基数の比が1:1となるようにそれぞれのおおよその配合部数を決定する。その上で、下地とするタイルやアンカーピンに対する付着性及び本シリコンアクリル樹脂プライマーと後述の透明補強層との付着性を実験的に確認した上で最適なエポキシシランの配合重量部数を決定する。本発明では求められたエポキシシランの配合重量部数の50%〜100%がアミノ基含有アクリル樹脂100重量部に対する配合部数として好ましい。
ポリウレア樹脂塗材
本願発明に使用される透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと補強繊維と光安定剤と紫外線吸収剤を含み、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーにはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。
脂環式ポリアミンは、イソホロンジアミン等の少なくとも一つのアミノ基がシクロヘキサン環等に直接結合しているポリアミンであり、第1級アミノ基を含まない第2級アミノ基のみを有するアミンが使用される。重量平均分子量(理論値)は300〜1000が好ましい。300未満では可使時間が短くなって施工性が不良となり、1000超では反応速度が低下し、指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンを使用することによって初めて、ポリウレア樹脂塗材を鏝等で塗付することが可能な可使時間を十分に確保することができ、さらには無黄変イソシアネートプレポリマーと組み合わせて使用することにより、硬化塗膜が紫外線で黄変することが無い。
脂環式ポリアミンは前記式Iで表され、X、R、R、mが上記のとおりの1種以上のポリアミンである。この脂環式ポリアミンはポリアスパラギン酸エステルまたはポリアスパルテートであり、mは2が好ましい。Xが炭素数6〜30の2価の炭化水素基、たとえば4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))、3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))、1−アミノー3,3,5−トリメチルー5−アミノメチルシクロヘキサン、ヘキサヒドロ−(少なくとも2,4−ジアミノトルエンまたは2,6−ジアミノトルエンのいずれかを含む)、異性C−モノメチルジアミノジシクロヘキシルメタン及び3(4)−アミノメチルー1−メチルシクロヘキシルアミンから1級アミノ基を除去することにより得られる基を表すポリアスパラギン酸エステルを好適に使用することができる。特にはXが4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(シクロヘキシルアミン))または3,3’−ジメチルー4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン))から1級アミノ基を除くことにより得ることができる2価の炭化水素基を表す式Iの化合物がより好ましい。
式Iで表される脂環式ポリアミンはR及びRがメチル、エチル、n−ブチルまたは2−エチルヘキシルが好ましく、式X−(−NH)mで表される1級ポリアミンを式ROOC−CH=CH−COORで表されるマレイン酸エステルまたはフマル酸エステルと反応させることにより製造される。
4,4’メチレンビスシクロヘキシルアミン1モルをマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンは、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルアミン・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は548(理論値)、粘度2000mPa・s/23℃である。また、4,4’メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)1モルとマレイン酸ジエチル2モルとを反応させて得られる、第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンとしては、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物として市場に供給され、その重量平均分子量(Mw)は578(理論値)、粘度;2000mPa・s/23℃である。
NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーには、上記のようにヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族2官能イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート(IPDA)等の脂環式2官能イソシアネートや、4,4´―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)や4,4´―メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水素化MDI)等を多価アルコールでプレポリマー化したものを使用することができる。特には、ポリカプラクトン変性ポリオールと1、6−ヘキサメチレンジイソシアネートとの反応によって得られる無黄変イソシアネートプレポリマーが適していて、該プレポリマーとしてデュラネートE402−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:8.5%、数平均分子量1580、粘度6000mPa・s/25℃、数平均官能基数3.2、固形分100%)がある。NCO重量%が5重量%未満では塗膜強度が不十分となり、10重量%超では本材料を夏場に使用するときの可使時間が短くなる。
無黄変イソシアネートプレポリマーのNCO基と脂環式アミンの活性水素基の当量比(NCO基/活性水素基)は0.8〜1.2が好ましい。0.8未満では主剤と硬化剤を混合後の粘度上昇が速くなり可使時間が短くなる。1.2超では指触乾燥までの時間および塗膜強度の立ち上がりが遅延する。
無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンは、既に形成された透明プライマー層の上に該ポリウレア樹脂塗材を塗付する直前に十分に混合して使用する。
本願発明に係るポリウレア樹脂塗材に含まれる透明補強短繊維は、平均繊維長0.5〜10mm、平均繊維径10〜50μmのナイロン製の繊維を使用することができ、無黄変イソシアネートプレポリマー及び脂環式ポリアミンの合計100重量部に対して0.5重量部以上5重量部以下を配合することにより、透明補強層の透明性を保持しながら該透明補強層の強度を向上させることができる。0.5重量部未満では透明補強層の強度向上が不十分であり、5重量部超では透明補強層の透明性が低下する場合がある。市販の透明補強短繊維としては、アラミン タフバインダー(商品名、平均繊維長3mm、平均繊維径28μm、東レ・アムテック株式会社製)がある。
透明補強層は、透明補強短繊維により補強されるとともに、同時に配合する親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤により透明補強層に揺変性が付与されるが、これらの組み合わせにより透明性を保持しながら、タレ止め性とローラ刷毛による塗付作業性を良好に保つことが可能となる。
親水性微粉シリカは、非結晶性の微粉末の親水性ヒュームドシリカであり、BET法による比表面積は150−500m/gのものを使用することが出来る。比表面積が150m/g未満のものでは十分な揺変性が付与されず、500m/g超では透明補強層をローラ刷毛で塗付する際の作業性が低下する。また親水性微粉シリカのシラノール基密度は2SiOH/nm以上であることが望ましい。これらを満足する親水性微粉シリカとしては、HDK−N20(商品名、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、比表面積(BET法)170〜230g/m、シラノール基密度:2SiOH/nm)がある。
またレオロジーコントロール剤は、親水性微粉シリカの粒子表面のシラノール基と水素結合を形成し、該水素結合によりシリ化粒子と3次元構造を形成するフリーのOH基を有したチキソトロピック性促進剤であり、特にはポリヒドロキシカルボン酸アミドを好適に使用することが出来る。市販のレオロジーコントロール剤としては、BYK−405(商品名、株式会社ビックケミー社製、ポリヒドキシカルボン酸アミド含有量51%)がある。
本願発明に係るポリウレア樹脂塗材は、さらに光安定剤と紫外線吸収剤を含むことにより、長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができる。市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。
また透明補強層は、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと脂環式ポリアミンと透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して形成されると共に、ガラス繊維製クロスが該透明補強層内に積層される。
ガラス繊維製クロスは、ガラス繊維製の連続繊維シート(ガラスクロス)であって、ガラスヤーンを用いて製造した織物であり、織り方は平織が好ましく、厚さは0.1mm以上0.3mm以下が好ましい。0.1mm未満のガラス繊維製クロスではコンクリート片の剥落を防止するための十分な強度が得られず、0.3mm超ではガラス繊維製クロスにポリウレア樹脂塗材が含浸しにくくなり透明性が低下する。またガラス繊維製クロスはガラス表面がシラン処理されていることが好ましく、該処理によりポリウレア樹脂のガラス繊維製クロスとの濡れ性が向上し一体化する効果がある。このようなガラス繊維製クロスの市販品としては、WL230 104BS(厚さ:0.25mm、質量:230g/m、シラン処理、商品名、日東紡績株式会社製)がある。
アクリルシリコン樹脂塗材
本願発明に係る透明保護層を形成する際に使用されるアクリルシリコン樹脂塗材は、アルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーを主剤とし、硬化剤にスズ系の硬化触媒を使用することができ、既に形成された透明補強層の上に該アクリルシリコン樹脂塗材を塗付する直前に主剤と硬化剤を均一に混合してローラ刷毛等により塗付する。主剤のアルコキシシリル基は硬化剤のスズ系の硬化触媒により架橋されて安定なシロキサン結合を形成し、優れた耐久性を発現する。
アルコキシシリル基の含有量は、2重量%〜30重量%が好ましい。2重量%未満では耐候性が低下し、30重量%超では粘度増加により作業性が低下する。市販のアルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーとしては、カネカゼムラックYC4383(商品名、シロキサン架橋形反応性ポリマー、粘度4000mP・s/23℃、アルコキシリル基含有量;15重量%、株式会社カネカ製)がある。市販のスズ系の硬化触媒としては、BT405Z(商品名、化学名;有機錫化合物、有効錫成分;1.3%、株式会社カネカ製)がある。
本願発明のアクリルシリコン樹脂塗材は、光安定剤及び紫外線吸収剤が含まれ、長期間紫外線に曝されても透明補強層の強度の低下が生じない。光安定剤にはヒンダードアミン系光安定剤を使用することができ、市販のヒンダードアミン系光安定剤としては、TINUVIN292(商品名、化学名;ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート)、チバ・ジャパン株式会社製)があり、紫外線吸収剤にはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を使用することができ、市販のヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、TINUVIN400(商品名、化学名;2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニルとオキシランとの反応生成物、チバ・ジャパン株式会社製)が、市販のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、TINUVIN928(商品名、化学名;2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、チバ・ジャパン株式会社製)がある。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
実施例
透明プライマー層を形成するシリコンアクリル樹脂プライマーのアミノ基含有アクリル樹脂としてACRYDIC A−9521を、エポキシシランとしてACRYDIC A−9585を使用して表1に示す配合にて主剤と硬化剤とした。主剤と硬化剤の重量配合比は13:1であり、主剤と硬化剤を均一に混合してシリコンアクリル樹脂プライマーとした。
透明補強層を形成するポリウレア樹脂塗材として、無黄変イソシアネートプレポリマーにデュラネートE402−100(商品名、旭化成ケミカルズ株式会社製、NCO重量%:8.5%、数平均分子量:1580、粘度:6000mPa・s/25℃、数平均官能基数:3.2、固形分:100%)を主剤とし、脂環式ポリアミンAとして、4,4’−メチレンビスシクロヘキサンアミン・マレイン酸ジエチル付加物 (重量平均分子量(Mw):548(理論値)、粘度:2000mPa・s/23℃)を、脂環式ポリアミンBとして、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)・マレイン酸ジエチル付加物(重量平均分子量(Mw):578(理論値)、粘度;2000mP・s/23℃)を、透明補強短繊維として、ナイロン繊維であるアラミン タフバインダー(商品名、平均繊維長3mm、平均繊維径28μm、東レ・アムテック株式会社製)を、親水性微粉シリカにHDK−N20(商品名、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製、比表面積(BET法)170〜230g/m、シラノール基密度:2SiOH/nm)を、レオロジーコントロール剤にBYK−405(商品名、株式会社ビックケミー社製、ポリヒドキシカルボン酸アミド含有量51%)を使用し、光安定剤にTINUBIN292を、紫外線吸収剤にTINUVIN400を、その他に消泡剤としてアクリル系消泡剤を、透明補強短繊維との濡れ性を上げるため湿潤剤としてアミノシランを表1に示す所定重量部配合して硬化剤とした。該アミノシランの配合により透明補強層が日射により高温度になっても塗膜強度がさらに保持される効果もある。主剤と硬化剤の重量配合比は4:3であり、これらの主剤と硬化剤とで実施例のポリウレア樹脂塗材を得た。
また、透明補強層内に積層状態で配設するガラス繊維製クロスには、ガラスクロス WL230 104BS(厚さ:0.25mm、質量:230g/m、シラン処理、商品名、日東紡績株式会社製)を使用した。
また、透明保護層を形成するアクリルシリコン樹脂塗材として、アルコキシシリル基を有するアクリルシリコンオリゴマーに、カネカゼムラックYC4383を使用し、光安定剤にTINUBIN292を、紫外線吸収剤にTINUVIN928を、その他に石油系希釈剤としてターペンシンナー#50を、消泡剤としてシリコン系消泡剤を表1に示す所定重量部を配合して主剤とした。また硬化触媒BT405Zを硬化剤とした。主剤と硬化剤の重量配合比は19:1であり、これらの主剤と硬化剤とで実施例のアクリルシリコン樹脂塗材を得た。
比較例1または比較例2
比較例1は実施例のガラス繊維製クロスに代えてビニロン3軸組布 KTV 7226Y 100R(商品名、厚さ0.37mm、質量84g/m、一辺の長さ:10mm、日東紡績株式会社製)を使用した以外、実施例と同じとし、比較例2は実施例のガラス繊維製クロスに代えて、ポリプロピレン繊維製モノフィラメントの3軸組布 シムテックスメッシュ SCM1810A(商品名、質量65g/m、一辺の長さ:10mm、宇部エクシモ株式会社製)を使用した以外、実施例と同じとした。
Figure 0006320223
評価方法
透明性
JISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)上に、0.2mm、0.5mm、1.0mm、2.0mm幅のラインを市販油性マジックを使って作成して乾燥させる。実施例及び比較例1、比較例2共に、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付し、直ちに実施例ではガラスクロスを、比較例1ではビニロン3軸組布を、比較例2ではシムテックスメッシュを伏せ込んで積層状態とし、さらにポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。さらに該透明補強層の上にアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。透明保護層が硬化乾燥後に目視にてコンクリート表面の0.2mmのラインが明確に視認できるものを○と評価し、視認できないものを×と評価した。
押し抜き最大荷重
JIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±3mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れる。表面を、サンディング処理し、この処理面に、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付し、直ちに、実施例ではガラスクロスを、比較例1ではビニロン3軸組布を、比較例2ではシムテックスメッシュを伏せ込んで積層状態とし、さらにポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。さらに該透明補強層の上にアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。23℃、RH50%条件下にて7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得る。その後、該試験体をJSCE−K 533 2013(コンクリート片のはく落防止に適用する表面被覆材の押し抜き試験方法)に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(kN)とした。
付着性
23℃下でJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)の表面をサンディング処理し、該処理面に、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付し、直ちに、実施例ではガラスクロスを、比較例1ではビニロン3軸組布を、比較例2ではシムテックスメッシュを伏せ込んで積層状態とし、さらにポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。さらに該透明補強層の上にアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。その後23℃、RH50%条件下にて、7日間養生し、建研式接着力試験器により、40×40mm部分の積層状態のコンクリート片剥落防止構造とコンクリート平板との付着強度(MPa)を測定した。破壊状態は下地コンクリート100%凝集破壊を○と、それ以外を×と評価した。
耐紫外線性
23℃、RH50%条件下にて、実施例、比較例1及び比較例2の透明プライマー層と透明補強層と透明保護層が積層されている150mm×150mmのシート状の試験体を作製する。該シート状の試験体は、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付し、直ちに、実施例ではガラスクロスを、比較例1ではビニロン3軸組布を、比較例2ではシムテックスメッシュを伏せ込んで積層状態とし、さらにポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。さらに該透明補強層の上にアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させることにより作製した。透明保護層を形成後23℃RH50%にて7日間養生する。その後、スーパーUVテスター(型式:SUV−W151、岩崎電気製、照射条件:水冷式メタルハライドランプ使用、温度63℃、湿度50%、照度100mW/cm)にて500時間連続照射し、試験体の変化を目視にて観察した。変色、ひび割れ等の変化がないものを○、変化があるものを×と評価した。
曲げ強度
JIS R 5201 10.4に規定のモルタル板(100mm×600mm×30mm)を長手方向の中心部に載荷して2分割する。その破断面をつき合わせて固定し表面をサンディング処理し、その処理面に対し、シリコンアクリル樹脂プライマー0.08kg/mを塗付して乾燥させて透明プライマー層を形成後、ポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付し、さらにポリウレア樹脂塗材0.5kg/mを塗付して乾燥させて透明補強層を形成する。さらに該透明補強層の上にアクリルシリコン樹脂塗材を0.08kg/mで塗付して乾燥させ透明保護層を形成させる。その後23℃RH50%条件下で7日間養生し、載荷速度を5mm/分で、4点曲げ方式にて曲げ試験を行い曲げ強度(N)を測定した。上側の荷重スパンは50mm、下側の荷重スパンは150mmとした。本試験体は、透明プライマー層と、ガラスクロスが積層されていない透明補強層と、透明保護層と、から成るが、測定結果は実施例の列に記載した。
評価結果
評価結果を表2に示す。
Figure 0006320223

Claims (8)

  1. コンクリート構造物の表面に塗付して形成するコンクリート片剥落防止構造であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンと透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成すると共にガラス繊維製クロスを該透明補強層内に積層し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成したことを特徴とするコンクリート片剥落防止構造。
  2. レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のコンクリート片剥落防止構造。
  3. コンクリート構造物の表面に塗付してコンクリート片剥落防止構造を形成するコンクリート片剥落防止工法であって、コンクリートの表面に、アミノ基含有アクリル樹脂とエポキシシランを含むシリコンアクリル樹脂プライマーを塗付して透明プライマー層を形成し、該透明プライマー層の上に、NCO重量%が5〜10重量%の無黄変イソシアネートプレポリマーと第2級アミノ基のみを有する脂環式ポリアミンと透明補強短繊維と親水性微粉シリカとレオロジーコントロール剤と光安定剤と紫外線吸収剤を含む透明なポリウレア樹脂塗材を塗付して透明補強層を形成すると共にガラス繊維製クロスを該透明補強層内に積層し、該透明補強層の上に、光安定剤と紫外線吸収剤を含むアクリルシリコン樹脂塗材を塗付して透明保護層を形成することを特徴とするコンクリート片剥落防止工法。
  4. レオロジーコントロール剤はポリヒドロキシカルボン酸アミドであることを特徴とする請求項3記載の外壁タイル剥落防止工法。
  5. 光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンクリート片剥落防止構造。
  6. 光安定剤はヒンダードアミン系光安定剤であり、紫外線吸収剤はヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項3または請求項4記載のコンクリート片剥落防止工法。
  7. 脂環式ポリアミンは式I:
    Figure 0006320223

    (式中Xはイソシアネート基に対して不活性であり、脂環式炭化水素に結合したm個の第1級アミノ基を含む数平均分子量88〜400の有機ポリアミンから第1級アミノ基を除去することにより得られるm価基であり、R1及びR2は同一または異なっていて、炭素原子数1〜18の有機基であり、mは少なくとも2の整数である)で表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項1または請求項2または請求項5に記載のコンクリート片剥落防止構造。
  8. 脂環式ポリアミンは前記式Iで表される1種以上のポリアミンであることを特徴とする請求項3または請求項4または請求項6記載のコンクリート片剥落防止工法。
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