JP5680821B2 - コンクリート片はく落防止樹脂組成物及びその施工方法 - Google Patents

コンクリート片はく落防止樹脂組成物及びその施工方法 Download PDF

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Description

本発明はコンクリート構造物において、コンクリートの劣化により当該構造物表面のコンクリート片が剥離して落下することを防止するコンクリート片はく落防止樹脂組成物及びその施工方法に関する。
従来、コンクリート構造物には、コンクリートの中性化や、地盤沈下などでコンクリート構造物に変形応力が加わることを原因とするひび割れが発生することがあり、当該ひび割れが進行するとコンクリートの一部欠落やコンクリート構造物自体の破壊等が生じる恐れがある。このため、東日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社、西日本高速道路株式会社、首都高速道路公団、国土交通省等の指針にそって、コンクリート片はく落防止対策が実施されている。(株)高速道路総合技術研究所発行の構造物施工管理要領(平成19年8月)では、はく落防止の押抜き試験方法によって、そのはく落防止性能は、変位10mm以上であって且つ1.5kN以上を保持することが規定されている。これを満たすために従来はエポキシ樹脂を塗布する工法やポリウレア樹脂を塗布する工法、又はポリウレタン樹脂を塗布する工法などが実施されている。
しかし、上記はく落防止性能を得るために、エポキシ樹脂を塗布する工法では、十分な強靭性を有しないというエポキシ樹脂特有の性質のため、ガラス繊維やビニロン繊維等の繊維シートによる補強が必要で、このためこれらの繊維シートを積層する工程が必須となり、最終的にエポキシ樹脂を塗布する工程と繊維シートを積層する工程とによって施工工程数が増加し、施工に多大な時間を要するという課題があった(特許文献1)。
また、ポリウレア樹脂を塗布する工法では、ポリウレア樹脂の強靭性という特性によってエポキシ樹脂を塗布する工法に必要な繊維シートが不要ではあるが、汎用的に使用されるポリウレア樹脂がイソシアネートとアミンを混合させると数秒〜数十秒で硬化するという超速硬化性のため、ローラー刷毛、鏝やヘラ等を使用した手作業による塗布が不可能であるという課題がある。このため、イソシアネートとアミンを衝突混合させて吹き付けにて塗布する工法が行われているが、吹き付け時にはどうしてもポリウレア樹脂が施工部位以外に飛散するため、施工を行なわない部位の入念な養生が必要で、これに要する時間が必要となって、結局は養生を含めた施工時間が多大となるという課題があった(特許文献2)。
また、ポリウレタン樹脂を塗布する工法では、これに使用されるポリウレタン樹脂は柔軟であっても塗膜強度が低く強靭さにかけるという特性のため、上記エポキシ樹脂を塗布する工法のように繊維シートによって強靭性を付与することに代えて、コンクリート片がはく落する際に、塗布されたポリウレタン樹脂塗膜に加わる力を周囲に分散させるためのいわゆる変位層を設けることにより上記はく落防止性能を満たす工夫が行なわれている。しかしこの変位層を設けることは施工工程数の増加という課題となり、さらにはポリウレタン樹脂の硬化が比較的遅いことから、塗布したポリウレタン樹脂の変色を防止するために、その上層に上塗材を塗布する際には、当該上塗材を施工するまでのポリウレタン樹脂の養生に多大の時間を必要とする課題があった(特許文献3)。
特開2007−146588公報 特開2007−16402公報 特開2006−342662公報
本発明の課題は、上記はく落防止性能を満たしながら、繊維シートによる補強を不要とすることで施工に要する時間を大幅に削減し、また応力を分散させるための変位層を不要とし、さらには鏝やヘラ等を使用して手作業で施工が可能とすることで、吹き付け施工の際の施工を行なわない部位の入念な養生を不要とし、加えて指触乾燥時間が十分に速いポリウレア樹脂を使用することで、上層に上塗材を施工するまでの養生時間が極めて短時間となるコンクリート片はく落防止樹脂組成物及びその施工方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題について鋭意検討し、請求項1記載の発明は、コンクリート構造物の表層に塗布する希釈材を含まないコンクリート片はく落防止樹脂組成物であって、芳香環直結のアミノ基を2つ含有する芳香族アミンのみから成るアミン樹脂と、NCO%が5%以上20%以下の末端イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂とを混合して成り、アミン樹脂とイソシアネート樹脂の混合後の粘度が、均一に混合された直後の粘度の2倍となるまでの時間が23℃にて5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間未満/23℃であり、引張強度が7.8MPa以上16.2MPa以下であり、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法の押し抜き最大荷重が1.5kN以上となることを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物であり、芳香族アミンから成るアミン樹脂とNCO%が5%以上20%以下の末端イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂とを混合することで、鏝やヘラを使用して手作業で塗布することができる可使時間が確保されると共に、塗膜の硬化が早く、上塗材を塗布するまでの養生時間が短時間である。また手作業で下地コンクリートに塗布することができるため、塗布を要しない部位の養生は簡易でよい。さらには硬化後の塗膜は強靭であり、繊維シートによる補強や、変位層を設けることなく、(株)高速道路総合技術研究所発行の構造物施工管理要領(平成19年8月)による、はく落防止性能を満たすことができるコンクリート片はく落防止樹脂組成物となる。

請求項2記載の発明は、コンクリート構造物の表層に塗布する希釈材を含まないコンクリート片はく落防止樹脂組成物であって、芳香環直結のアミノ基を2つ含有する芳香族アミンのみから成るアミン樹脂と、NCO%が5%以上20%以下の末端イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂と、微粉末シリカ、クレー、タルクもしくは水酸化アルミニウムのいずれか一つ又はこれらより選択された複数の充填材とを混合して成り、アミン樹脂とイソシアネート樹脂の混合後の粘度が、均一に混合された直後の粘度の2倍となるまでの時間が23℃にて5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間未満/23℃であり、引張強度が7.8MPa以上16.2MPa以下であり、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法の押し抜き最大荷重が1.5kN以上となることを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物であり、芳香族アミンから成るアミン樹脂とNCO%が5%以上20%以下の末端イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂と、微粉末シリカ、クレー、タルク若しくは水酸化アルミニウムのいずれか一つ又はこれらより選択された複数の充填剤とを混合することで、鏝やヘラを使用して手作業で塗布することが可能な可使時間が確保されると共に、塗膜の硬化が早く、上塗材を塗布するまでの養生時間が短時間である。また手作業で下地コンクリートに塗布することができるため、塗布を要しない部位の養生は簡易でよい。さらには硬化後の塗膜は強靭であり、繊維シートによる補強や、変位層を設けることなく、(株)高速道路総合技術研究所発行の構造物施工管理要領(平成19年8月)による、はく落防止性能を満たすことができるコンクリート片はく落防止樹脂組成物となる。
請求項記載の発明は,コンクリート構造物の表層に請求項1又は請求項2記載のコンクリート片はく落防止樹脂組成物を鏝又はヘラにて手作業で塗布することを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物の施工方法であり,塗布を必要としない部位の養生は簡易となるコンクリート片は暗く防止樹脂組成物の施工方法が提供できる。

本発明のコンクリート片はく落防止樹脂組成物は,鏝やヘラを使用して手作業で塗布することが出来る可使時間が確保されると共に,塗膜の硬化が早く,上塗材を塗布するまでの養生時間が短時間であるという効果がある。また手作業で下地コンクリートに塗布することができるため,塗布を要しない部位の養生は簡易でよいという効果がある。さらには硬化後の塗膜は強靭であり,繊維シートによる補強や,変位層を設けることなく,(株)高速道路総合技術研究所発行の構造物施工管理要領(平成19年8月)による,はく落防止性能を満たすことができる効果がある。
本発明に用いるアミン樹脂の芳香族アミンは、アミノ基が芳香環に直結した構造のアミンであって、代表例として下記特許文献4又は特許文献5に示したようなもの等が挙げられる。
特開平6−271640公報 特開昭63−202612公報
また、当該アミンには用途に応じて、充填材、添加剤等を配合することが出来る。樹脂物性向上、作業性調整等のための充填材として、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、水酸化アルミニウム、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、カーボンブラック、微粉末チタン、硅砂、微粉末シリカ、繊維状物質が挙げられ、その中でも微粉末シリカは揺変性付与に有効であり、タルク、クレー、水酸化アルミニウムは樹脂物性向上に有効である。本発明で使用することができる微粉末シリカはヒュームドシリカであり、比表面積が50m2/g以上の微粉末が良い。本発明に使用する場合、未処理品より、表面処理されたシリカが効率よく揺変性が発現するが、配合量を増やすことにより、揺変性はより発現する。市販品として、アエロジル50、アエロジル200、アエロジル380等の親水性未処理シリカ、表面処理を施されたアエロジルR974、アエロジルRX200、アエロジルRY200(いずれも日本アエロジル(株)、商品名)等が挙げられる。これらの微粉末シリカは1〜10%(重量%)配合することができ、1%以下では必要とする揺変性が得られず、コンクリート片はく落防止樹脂組成物をコンクリート表面に塗布した際にダレが生じるおそれがある。10%以上では高粘度となって塗布作業性に支障があり、より好ましくは3〜8%である。微粉末シリカ以外の充填材は1〜70%配合(重量%)することができ、1%以下ではコンクリート片はく落防止樹脂組成物の硬化後の塗膜強度を補強する効果が十分に得られず、70%以上では高粘度となって塗布作業性に支障があり、より好ましくは20〜60%である。その他、一般に用いられている消泡剤、接着助剤、老化防止剤、安定剤等の添加剤を必要に応じて使用することが出来る。




本発明に用いるイソシアネート樹脂のイソシアネートプレポリマーは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート及びこれら2,4−、2,6−の混合トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキシレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート等及びカルボジイミド変性の4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(液状化MDI)等とポリオールを反応させて得られるものであり、ここで使用されるポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン、ε―カプロラクトンの単独開環重合、またはこれら環状化合物の2種類以上の混合物による開環共重合により得られる、ポリエーテル、ポリエステル及びポリエーテルエステルグリコール等や、脂肪族グリコールとジカルボン酸の反応により得られるポリエチレンアジペート、ポリプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート等のポリエステルグリコール、さらに不飽和結合基を有するポリブタジエン等のポリアルキレングリコール、あるいはビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4−ジヒドロキシジフェニルハイドロキノン等の芳香族ジヒドロキシ化合物にアルキル化合物を付加した、芳香族/脂肪族グリコール、そして1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂肪族ヒドロキシ化合物を、ホスゲンあるいは、アルキレンカーボネートと反応させることにより得られるポリカーボネートグリコール等が挙げられる。
上記芳香族アミンから成るアミン樹脂と上記イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂の混合は、上記芳香族アミンとイソシアネートプレポリマーを反応活性基数の比率で1.0:1.0〜1.0:3.0の範囲とすることが好ましい。反応活性基数の比率が1.0:1.0未満である場合や1.0:3.0超となる場合は、塗膜の強度が大きく低下し、指触乾燥時間が長時間となる。ここで反応活性基数とは、芳香族アミン又はイソシアネートプレポリマーの1分子当たりの反応活性基の数であり、芳香族アミンではアミノ基数、イソシアネートプレポリマーではイソシアネート基数を言う。
本発明のコンクリート片はく落防止樹脂組成物をコンクリート表面に塗布するにあたっては、従来のエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂又はポリウレア樹脂を塗布する工法と同様に先ず、下地コンクリートに含浸し補強効果を有するエポキシ樹脂等から成るプライマーを塗布することが好ましい。エポキシ樹脂の種類としてはプライマーとして一般的に使用されるものが使用可能であり、ウレタン変性部位、アクリル変性部位等を含んでいても良い。また、溶剤もしくは水あるいはその双方が組み合わされて配合されていても良く、所定の接着性能を付与することを目的として先ず最初に無溶剤系エポキシ樹脂プライマーを塗布し、その次に溶剤系エポキシ樹脂プライマーを塗布する等、重ね塗りをしてもよい。当該プライマー層の上層に本発明であるコンクリート片はく落防止樹脂組成物を塗布し、必要に応じてその上層に上塗材を施工することが可能である。もちろん所定のはく落防止性能を得られる場合は上記プライマーを塗布する必要はない。本発明のコンクリートはく落防止樹脂組成物の上層には、上塗材としてはアクリル系、ウレタン系、シリコーン系、フッ素系塗料等を塗布することができる。
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
イソシアネート樹脂
ポリエーテルジオールP−2000(商品名 (株)ADEKA製 2官能 平均分子量2000)を100部とミリオネートMT(商品名 日本ポリウレタン工業(株)製 ピュアMDI)を93部の割合で混合し、80℃で3時間反応させることによりNCO%が14%の末端イソシアネートプレポリマーを合成し、これを共通のイソシアネート樹脂とした。本発明においてイソシアネート樹脂のNCO%は5%以上20%以下が好ましく、5%未満の場合はアミン樹脂との混合後、経時的に粘度の増加が大きくなって作業性が低下するとともに、塗膜中のウレア結合量が少ないことに起因する塗膜の強度低下、耐水性低下、その他硬化性の低下を生じる。NCO%が20%超の場合は、塗膜中のウレア結合量が過剰となって塗膜が剛直になり、強靭性が不足する。またイソシアネートプレポリマーを有しないピュアMDIのみをイソシアネート樹脂として使用すると冬季における低温下で結晶化して施工現場にて使用することが困難となる。
実施例1
前記イソシアネート樹脂100部と1分子中に芳香環直結のアミノ基を2つ含有するアミン樹脂であるSL−100A(商品名 イハラケミカル工業(株)製 理論分子量1238)100部を混合し、本発明に係るコンクリート片はく落防止樹脂組成物の実施例1とした。
実施例2
実施例1のSL−100A 100部を1分子中に芳香環直結のアミノ基を2つ含有するエラスマー650P(商品名 イハラケミカル工業(株)製 理論分子量888)70部に代替し、実施例2とした。
実施例3
実施例1のSL−100A100部を1分子中に芳香環直結のアミノ基を2つ含有するエラスマー250P(商品名 イハラケミカル工業(株)製 理論分子量488)40部に代替し、実施例3とした。
実施例4
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材として微粉末シリカであるアエロジルRY200(商品名 日本アエロジル(株)製 ジメチルシリコーンオイル表面処理 BET法による比表面積100±20m/g)を5部追加混合し、実施例4とした。
実施例5
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材としてクレーであるTOYOCLAY TC−600(東洋化成(株)、商品名、クレー、平均粒径D50:2.1μm)を50部追加混合し、実施例5とした。
実施例6
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材としてタルクであるタルクSW(日本タルク(株)、タルク、平均粒径D50:12μm)を50部追加混合し、実施例6とした。
実施例7
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物に充填材として水酸化アルミニウムであるハイジライトH−32(昭和電工(株)、商品名、水酸化アルミニウム、平均粒径D50:8μm)を50部追加混合し、実施例7とした。
実施例8
実施例4のコンクリート片はく落防止樹脂組成物にさらに充填材としてクレーであるTOYOCLAY TC−600(東洋化成(株)、商品名、クレー、平均粒径D50:2.1μm)を50部追加混合し、実施例8とした。
比較例1
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物をポリウレタン樹脂JDU−310S(商品名 アイカ工業(株)製、無溶剤系ポリウレタン樹脂、粘度15Pa・s/25℃、配合比;主剤:硬化剤=12:5)とし、比較例1とした。
比較例2
実施例1のコンクリート片はく落防止樹脂組成物をエポキシ樹脂パテL−790S(商品名 アイカ工業(株)製、無溶剤系エポキシ樹脂、粘度68Pa・s/25℃、配合比;主剤:硬化剤=1:1)とし、比較例2とした。
比較例3
実施例1のアミン樹脂のSL−100A100部のうち2部を脂肪族ポリアミンであるジェファーミンD2000(商品名 PTIジャパン(株)製 活性水素当量520)に代替し、比較例3とした。
比較例4
実施例1のアミン樹脂のSL−100A100部のうち5部を脂肪族ポリアミンであるジェファーミンD2000(商品名 PTIジャパン(株)製 活性水素当量520)に代替し、比較例4とした。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0005680821
評価方法は下記の通りである。
初期粘度
23℃、RH50%条件下にて、実施例についてはコンクリート片はく落防止樹脂組成物のアミン樹脂とイソシアネート樹脂及び充填材を1分間混合し、比較例については各々の樹脂組成物を調製し、それぞれ均一であることを確認した後、直ちにB型粘度計により粘度を測定し、初期粘度(Pa・s)とした。
2倍粘度到達時間
初期粘度を測定後、継続して粘度を測定し、初期粘度の2倍の粘度となった時間を2倍粘度到達時間(分)とした。鏝又はヘラを使用した手作業では500Pa・s程度まで塗布することが可能であるとともに、塗料の技術分野では2倍粘度到達時間を一般的に可使時間とみなすことが多いため、本発明においても当該2倍粘度到達時間を可使時間とした。
指触乾燥時間
23℃、RH50%条件下にて、実施例についてはコンクリート片はく落防止樹脂組成物のアミン樹脂とイソシアネート樹脂及び充填材を1分間混合し、比較例については各々の樹脂組成物を調製し、それぞれ均一であることを確認した後、直ちに1.5kg/mで塗り広げ、指触によりタックが完全になくなる時間を指触乾燥時間(時間)とした。
押し抜き最大荷重
JIS A5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±0.5mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れた。表面を、サンディング処理し、この処理面に対しクリートコートEXプライマー(商品名 アイカ工業(株)製 無溶剤系エポキシ樹脂プライマー 粘度3600mPa・s/25℃)を0.25kg/m塗布後、1日養生し、さらにPS−318JR(商品名 アイカ工業(株)製 溶剤系エポキシ樹脂プライマー 粘度11.5mPa・s/25℃)を0.15kg/m塗布した。3時間養生した後、23℃、RH50%条件下にて実施例及び比較例の各々の樹脂組成物を1.5kg/mの割合で金鏝にて手作業で塗布し7日間養生して、押し抜き最大荷重測定用試験体を得た。その後、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(KN)とした。
引張強度
23℃、RH50%条件下にて、実施例についてはコンクリート片はく落防止樹脂組成物のアミン樹脂とイソシアネート樹脂及び充填材を1分間混合し、比較例については各々の樹脂組成物を調製し、それぞれ均一であることを確認した後、直ちにシート状に塗り広げ7日間養生後JIS K 6251加硫ゴムの引張試験方法規定の2号ダンベル片形状に成型した。その後、同試験方法に従い引張速度500mm/分で引っ張り、破断時の強度を引張強度(MPa)とした。
総合評価
総合評価は2倍到達粘度が5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間以内、押し抜き最大荷重が1.5kN以上の全てを満たすものを○、そうでないものを×とした。

Claims (3)

  1. コンクリート構造物の表層に塗布する希釈材を含まないコンクリート片はく落防止樹脂組成物であって、芳香環直結のアミノ基を2つ含有する芳香族アミンのみから成るアミン樹脂と、NCO%が5%以上20%以下の末端イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂とを混合して成り、アミン樹脂とイソシアネート樹脂の混合後の粘度が、均一に混合された直後の粘度の2倍となるまでの時間が23℃にて5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間未満/23℃であり、引張強度が7.8MPa以上16.2MPa以下であり、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法の押し抜き最大荷重が1.5kN以上となることを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物。
  2. コンクリート構造物の表層に塗布する希釈材を含まないコンクリート片はく落防止樹脂組成物であって、芳香環直結のアミノ基を2つ含有する芳香族アミンのみから成るアミン樹脂と、NCO%が5%以上20%以下の末端イソシアネートプレポリマーから成るイソシアネート樹脂と、微粉末シリカ、クレー、タルクもしくは水酸化アルミニウムのいずれか一つ又はこれらより選択された複数の充填材とを混合して成り、アミン樹脂とイソシアネート樹脂の混合後の粘度が、均一に混合された直後の粘度の2倍となるまでの時間が23℃にて5分以上30分未満であり、指触乾燥時間が5時間未満/23℃であり、引張強度が7.8MPa以上16.2MPa以下であり、JHS 424−2004 はく落防止の押し抜き試験方法の押し抜き最大荷重が1.5kN以上となることを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物。
  3. コンクリート構造物の表層に請求項1又は請求項2記載のコンクリート片はく落防止樹脂組成物を鏝又はヘラにて手作業で塗布することを特徴とするコンクリート片はく落防止樹脂組成物の施工方法。

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