JP6496646B2 - トンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法 - Google Patents

トンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法 Download PDF

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Description

本発明は、トンネル覆工コンクリートが中性化等による劣化により剥離して落下することを防止するために、トンネル覆工コンクリートの表面に塗付して形成するトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法に関する。
従来、コンクリート構造物には、コンクリートの中性化や、地盤沈下などでコンクリート構造物に変形応力が加わることを原因とするひび割れが発生することがあり、当該ひび割れ及び中性化が進行するとコンクリート表層が剥離して落下し、落下個所によっては人や交通手段等に甚大な損害が発生する場合がある。このため、コンクリート表層の落下を防止するため、コンクリート表面を樹脂等によって被覆する対策が行われている。この対策に使用される具体的な工法として、エポキシ樹脂を使用し施工後の耐用環境温度が−30℃〜50℃においても十分な性能を発揮する剥落防止工法が提案されている(特許文献1)。
この剥落防止工法は、エポキシ樹脂系接着剤を塗布する工程、補強オレフィン系繊維シートを貼り着ける工程を含む剥落防止工法であって、補強オレフィン系繊維シートがポリエチレン繊維或いは線状複合材繊維を目合い10〜20mmとした3軸メッシュ状シートであり、エポキシ樹脂系接着剤が25℃における粘度が10〜200Pa・sで、TI値が2.0〜7.0であるエポキシ樹脂組成物であり、表面処理がされた補強オレフィン系繊維シートの表面濡れ張力が25mN/m以上、45mN/m以下であることを特徴としている。
特許第4919654号公報
しかしながら、特許文献1に示される剥落防止工法は、補強繊維シートにポリエチレン繊維或いは線状複合材繊維を使用しているため、該補強繊維シートは一般的に燃えやすく、またこれを接着する接着剤には有機材料であるエポキシ樹脂系接着剤が使用されているため、自己消火性や非延焼性、さらには燃焼時の発生ガスの安全性等の防耐火性が、剥落防止性能の他に求められるトンネル覆工コンクリート片の剥落防止には、そのままでは適用することが難しいという課題がある。
本発明の課題は、通常のコンクリート片剥落防止性能の他に、自己消火性及び非延焼性、さらには燃焼時の発生ガスの安全性を有し、トンネル覆工コンクリート片の剥落防止に最適な、トンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、トンネル覆工コンクリート片の剥落防止構造であって、コンクリート表面に有機材料成分量が1〜30重量%のエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルを0.5〜1.5kg/m塗布して硬化させて成る下地調整層と、該下地調整層の上にエポキシ樹脂と硬化剤と水酸化アルミニウムを含むエポキシ樹脂組成物から成り有機材料成分量が40〜60重量%の補強層用接着剤を0.5〜1.5kg/m塗付して質量が100g/m以下の補強用メッシュシートを貼り付け、補強層用接着剤が硬化して成る補強層と、該補強層の上に有機材料成分量が50重量%以下の水性シリコーン樹脂塗料を0.08〜0.15kg/mで塗付して硬化させて成る上塗り層とから成り、全体として有機材料成分量が25〜50重量%であることを特徴とするトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造を提供する。
なお、請求項1記載の発明は、下地調整層の厚みは0.2mmから0.5mm程度であり、補強層は補強用メッシュシートとエポキシ樹脂と硬化剤を混合させた有機材料成分との複合層であり、上塗り層は0.1mm以下であり、また、本願発明のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造は複合層にて以下で示す所定の性能を満たすものであるため、各層の特性を測定し例えば数値にて示すことは実際的ではない。
また、請求項2記載の発明は、トンネル覆工コンクリート片の剥落防止工法であって、コンクリート表面に有機材料成分量が1〜30重量%のエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルを0.5〜1.5kg/m塗布し硬化後、エポキシ樹脂と硬化剤と水酸化アルミニウムを含むエポキシ樹脂組成物から成り有機材料成分量が40〜60重量%の補強層用接着剤を0.5〜1.5kg/m塗付して質量が100g/m以下の補強用メッシュシートを貼り付け、補強層用接着剤が硬化後、有機材料成分量が50重量%以下の水性シリコーン樹脂塗料を0.08〜0.15kg/m塗付して硬化させ、全体として有機材料成分量が25〜50重量%であることを特徴とするトンネル覆工コンクリート片剥落防止工法を提供する。
本発明のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法は、コンクリートに対する良好な接着性と十分なコンクリート片剥落防止性能を有すると共に、トンネル内で火災が生じた場合であっても自己消火性を有しているため延焼性がなく、さらには例え燃焼させたとしてもその発生ガスは安全性を有する、という効果がある。
以下、本発明に係るトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びこの剥落防止工法について詳しく説明する。
[エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタル]
本発明に使用されるエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルは、エポキシ樹脂と水系硬化剤と骨材及びセメントとから成り、該エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルをコンクリート表面に0.5〜1.5kg/m塗布して硬化させて下地調整層を形成する。該エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルの有機材料成分量は1〜30重量%であり、有機材料成分が1重量%未満では、下地調整層の上に塗付して硬化させて形成する補強層との接着が不十分と成り、有機材料成分量が30重量%超では、下地調整層と以下に説明する補強層及び上塗り層とで構成される塗膜全体の延焼性、自己消火性及び発生ガスの安全性が不十分となる。また、塗布量が0.5kg/m未満ではコンクリート表面の孔を埋めることが困難となり、1.5kg/m超では有機材料成分が増加し、自己消火性及び発生ガスの安全性が不十分と成る。
エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに使用するエポキシ樹脂は、液状で常温硬化するものであればよく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂およびそれらの変性物などを単独あるいは併せて用いてもよく、また、反応性又は非反応性希釈剤を用いて液状化又は低粘度化してもよい。また好ましくはエポキシ樹脂が水に乳化せず不溶なものが良く本願ではこれを非乳化型と称している。最も多く配合するエポキシ樹脂の軟化点は、35℃以下が好ましく、このような液状エポキシ樹脂としては、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂が汎用性、コスト等で適当である。
エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに使用するエポキシ樹脂のエポキシ当量は200〜250が好ましく、エポキシ当量が200未満では可使時間が短くなるため塗布作業性が不十分となり、エポキシ当量が250超では下地コンクリート及び補強層との接着性が不十分となる。なおこれらのエポキシ樹脂組成物の市販品例としてダイナミックレジンJDE−962A(アイカ工業(株)製エポキシ樹脂、商品名、エポキシ当量221、固形分100%、粘度0.5±0.2Pa・s/25℃、有機材料成分量:100重量%)がある。
エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに使用する水系硬化剤は、前記エポキシ樹脂と混合し、また水分を良好に分散させることができるものであればよく、下記脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン等を選択し、単独或いは組み合わせて使用する。該水系硬化剤の活性水素当量は600〜800が好ましい。活性水素当量が600未満では硬化反応が速くなるため施工時の可使時間が短くなって施工が困難となり、800超では硬化速度が不十分と成る場合がある。
脂肪族ポリアミンは、アミノ基及びイミノ基を分子中に少なくとも2個以上有する脂肪族化合物であり、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、イミノビスヘキシルアミン等がある。
脂環式ポリアミンは、アミノ基及びイミノ基を分子中に少なくとも2個以上有する脂環式化合物であり、キシリレンジアミン、3,9ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等がある。
この他、ポリエーテル等の親水性主鎖をエポキシ樹脂に導入し、過剰のアミンを反応させた自己乳化型硬化剤、脂肪族ポリアミンのエチレンオキサイド付加物、エポキシ樹脂付加物、ポリエチレンポリアミン変性物等の変性脂肪族ポリアミンや脂環式ポリアミンのモノグリシジルエーテル付加物、エポキシ樹脂付加物、アクリルニトリル付加物、フェノールホルマリン変性物(マンニッヒ変成物)、脂肪酸グリシジルエーテル付加物の変性脂環式ポリアミンやポリエチレンポリアミンへの脂肪酸、ポリエチレンポリアミンへのダイマー酸、キシリレンジアミン−ダイマー酸等の縮合反応生成物であるポリアミドアミン並びにこれらの変性物等が挙げられる。前記自己乳化型硬化剤の市販品例としてダイナミックレジンJDE−962B(アイカ工業(株)製エポキシ樹脂硬化剤、商品名、活性水素当量699、固形分27%水溶液、粘度50±20mPa・s/25℃、有機材料成分量:27重量%)がある。
エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに使用するセメントは、水硬性セメントであれば特に限定されることはなく、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントや高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメントや、アルミン酸石灰質セメント、ケイ酸アルミン酸石灰質セメント、リン酸セメント等を使用することが出来る。
前記水系硬化剤に含まれる水と、本エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに使用するセメントとの水セメント比(セメント100重量部に対する水の重量部)は25〜50重量%が好ましく25重量%未満では塗布作業性が不十分になると共に下地コンクリートとの接着が不十分となり、50重量%超ではエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルの硬化後の強度が不十分となって下地コンクリートとの接着性が不十分となり、結果としてコンクリート片の剥落防止性能が不十分となる。
エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに使用する骨材は、通常水硬性材料と混合して使用できるものであれば良く、塗布作業性と仕上がり性を良好とするにはJISG5901の48号〜150号のけい砂であることが好ましい。配合量は、前記セメントと水の重量比である水セメント比、及びエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルの有機材料成分量%にて配合量が確定される。骨材としては粒径等が同じであれば、成分が異なっても等しい効果を得ることができるが、コスト、入手性から、けい砂が最適となる。JISG5901の150号より細かいと粘度が高くなり、鏝作業性が低下し、48号より大きいと強度、収縮による割れ、骨材の凹凸により表面仕上り性が劣る結果となる。市販品としては東北珪砂6、7号(北日本産業(株)、商品名)等がある。
[補強層用接着剤]
本発明に使用される補強層用接着剤は、エポキシ樹脂と硬化剤と水酸化アルミニウムを含み有機材料成分量が40〜60重量%であって、上記下地調整層の上に0.8〜1.5kg/m塗付して以下に示す質量が100g/m以下の補強用メッシュシートを貼り付けて硬化させることにより補強層を形成する。塗付量が0.8kg/m未満では補強用メッシュシートを被覆することが困難となって剥落防止性能が不十分となり、1.5kg/m超では有機材料成分が増加し、自己消火性及び発生ガスの安全性が不十分と成る。また有機材料成分量が40重量%未満では剥落防止性能が不十分となり、60重量%超では有機材料成分が増加し、自己消火性及び発生ガスの安全性が不十分と成る。
該補強層用接着剤に使用するエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などが上げられる。この中でビスフェノールA型エポキシ樹脂の平均分子量が370〜400が好適に使用することができ、反応性又は非反応性希釈剤及び以下に示す水酸化アルミニウムを配合して使用することが出来る。該エポキシ樹脂のエポキシ当量は200〜300が好ましく、エポキシ当量が200未満では可使時間が短くなるため塗布作業性が不十分となり、エポキシ当量が300超では下地コンクリート及び補強層との接着性が不十分となり十分なコンクリート片剥落防止性性能が得られない。水酸化アルミニウムを含むエポキシ樹脂の市販品としては、JDB−895E SB(商品名、アイカ工業株式会社製、エポキシ当量:237、有機材料成分量:78重量%、水酸化アルミニウム含有量:19重量%)がある。
補強用接着剤に使用する硬化剤は、末端にアミノ基を有する化合物として、例えば、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類及びこれらの変性アミン類、3級アミン塩類、ポリアミド樹脂類、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、ケチミン類や三フッ化ホウ素錯化合物類、また、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレン酸などの無水カルボン酸類、フェノール類、カルボン酸類などが挙げられ、これらは単独もしくは併用で使用できる。硬化剤には充填材及び下記水酸化アルミニウムを配合して使用することができ、水酸化アルミニウム及び充填材を含む硬化剤の市販品としては、JDB−895E SB(商品名、アイカ工業株式会社製、活性水素当量:220、有機材料成分量:30重量%、水酸化アルミニウム含有量:40重量%)がある。
また、硬化剤には以下に示す水酸化アルミニウムを配合して使用することができ、硬化剤としての活性水素当量は150〜300が好ましく、活性水素当量が150未満では硬化反応が速くなるため施工時の可使時間が短くなって施工が困難となり、300超ではエホ゜キシ樹脂ポリマーセメントモルタル及び水性シリコーン樹脂塗料との接着性が不十分と成る。
[水酸化アルミニウム]
補強層用接着剤に使用する水酸化アルミニウムは、化学式Al(OH)又はAl・3HOで示される粉体であり、補強層に自己消火性を付与する。水酸化アルミニウムの付着水分としては0.01重量%以上のものが好ましく、0.01重量%未満では十分な自己消火性を得ることが難しい。市販品としてはハイジライトH−100−ME(商品名、昭和電工株式会社製、平均粒径D50:73μm、比表面積:0.2m/g、付着水分:0.02重量%、かさ密度:1.3g/cm)がある。水酸化アルミニウムの補強層用接着剤100重量部中の含有量は10〜40重量%が好ましく、10重量%未満では自己消火性及び発生ガスの安全性が不十分と成り、40重量部超では剥落防止性能が不十分となる。
[補強用メッシュシート]
本発明の補強層の形成に使用する補強用メッシュシートは、質量が100g/m以下、厚さが0.3mm以上であることが好ましい。質量が100g/m超では貼り付け時の作業性及び仕上がり性が不十分と成り、厚さが0.3mm未満では十分な剥落防止性能が得られない。市販の補強用メッシュシートとしては、KTV7226Y 100R(厚さ:0.37mm、質量:84g/m、ビニロン製、日東紡績株式会社製)がある。
[水性シリコーン樹脂塗料]
本発明に使用する水性シリコーン樹脂塗料は、オルガノポリシロキサン系樹脂エマルジョンを主剤とし、グリシジル基含有シリコーンオリゴマーを硬化剤とするものを使用することが出来る。該主剤と硬化剤は所定の配合比で混合した際の有機材料成分が40〜60重量%であり、上記補強層の上に0.08〜0.15kg/mで塗付して硬化させて上塗り層を形成する。市販の水性シリコーン樹脂塗料としては、ジョリシールJDB−85M(商品名、アイカ工業株式会社製、主剤と硬化剤の重量配合比:15:1、有機材料成分量:50重量%)がある。
本発明に係るトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造及びトンネル覆工コンクリート片剥落防止工法によって形成される塗膜は、塗膜全体としての有機材料成分が25〜50重量%であり、有機材料成分が25重量%未満では、コンクリート片剥落防止性能が不十分と成り、50重量%超では、十分な延焼性、自己消火性及び発生ガスの安全性が得られない。
以下、実施例及び比較例にて具体的に説明する。
[実施例1乃至実施例3]
エポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルのエポキシ樹脂としてダイナミックレジンJDE−962Aを、水系硬化剤としてダイナミックレジンJDE−962Bを、骨材としてJISG5901 100号のけい砂を、セメントとして普通ポルトランドセメントを使用し、エポキシ樹脂:水系硬化剤:骨材:セメント=1:3:3.84:4.16(重量比)で均一に混合して表1に示す塗布量にて評価項目に記載の下地に塗付して硬化させ下地調整層を形成する。該エポキシ樹脂ポリマーセメントが硬化後、補強層用接着剤のエポキシ樹脂としてJDB−895E SAを、同硬化剤としてJDB−895E SBを使用してエポキシ樹脂:硬化剤=5:4(重量比)で均一に混合して補強層用接着剤とした上で、表1に示す塗布量にてエポキシ樹脂ポリマーセメントの硬化により形成された下地調整層の上にまず塗付し、次に補強用メッシュシートとしてKTV7226Y 100Rを貼り付け、さらに同補強層用接着剤を表1に示す塗布量にて該補強用メッシュシート上に塗付する。次に該補強層用接着剤が硬化後、その上に水性シリコーン樹脂塗料として、ジョリシールJDB−85Mを表1に示す塗布量にて塗付して硬化させて上塗り層を形成して実施例1乃至実施例3のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造とした。
[比較例1]
比較例1としては上記水性シリコーン樹脂塗料に代えて溶剤型ポリウレタン樹脂塗料JDB−95U(主剤A:アクリルポリオール樹脂含有、有機材料成分:75重量%、硬化剤B:ポリイソシアネート、有機材料成分:25重量%、主剤A:主剤B=4:1(重量比))を使用し、表1に示す塗布量にて塗付して硬化させて上塗り層を形成し、他は実施例1と同じにして比較例1のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造とした。
[比較例2]
比較例2としてはエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルに代えて、無溶剤エポキシ樹脂プライマー JDB−EXE(商品名、アイカ工業株式会社製、主剤:エポキシ樹脂(エポキシ当量:202、有機材料成分:97重量%、粘度:16.5Pa・s/25℃)、硬化剤:変性ポリアミン(活性水素当量;61、有機材料成分:85重量%、粘度:25mPa・s/25℃)、主剤:硬化剤=3:1(重量比))を使用し、表1に示す塗布量にて評価項目に記載の下地に塗付して硬化させ下地調整層を形成する。該下地調整層の上に、実施例1の補強層用接着剤に代えて、水酸化アルミニウムを含まないエポキシ樹脂接着剤JDB−790S(商品名、アイカ工業株式会社製、主剤:エポキシ樹脂(エポキシ当量:196、有機材料成分:97重量%、粘度:50Pa・s/20℃)、硬化剤:変性ポリアミン(活性水素当量;194、有機材料成分:29重量%、ちょう度:250/20℃)、主剤:硬化剤=1:1(重量比))を使用し、表1に示す塗布量にてまず塗布し、次ぎに補強用メッシュシートとしてKTV7226Y 100Rを貼り付け、さらに同エポキシ樹脂接着剤を表1に示す塗布量にて該補強用メッシュシート上に塗付する。次に該エポキシ樹脂接着剤が硬化後、その上に水性シリコーン樹脂塗料として、ジョリシールJDB−85Mを表1に示す塗布量にて塗付して硬化させて上塗り層を形成して比較例2のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造とした。
[比較例3]
比較例3としては、表記比較例2の水性シリコーン樹脂塗料に代えて溶剤型アクリルウレタン樹脂塗料JDB−95U(主剤A:アクリルポリオール樹脂含有、有機材料成分:75重量%、硬化剤B:ポリイソシアネート、有機材料成分:25重量%、主剤A:主剤B=4:1(重量比))を使用し、表1に示す塗布量にて塗付して硬化させて上塗り層を形成し、他は比較例2と同じにして比較例3のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造とした。
Figure 0006496646
[評価方法]
[押し抜き荷重]
JIS A 5372(プレキャスト鉄筋コンクリート製品)付属書5に規定する上ぶた式U形側溝(ふた)の1種呼び名300(400×600×60mm)(以下、「U形ふた」という。)のコンクリート中央部裏面を、φ100mmの形状かつ55mm±3mmの深さで、コンクリート用コアカッターにより切り込みを入れる。表面を、サンディング処理し、この処理面に実施例1乃び比較例1乃至比較例3のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造を形成し、NEXCO試験方法734−2011(トンネル関係試験方法)に準じて試験を行ない、最大荷重を押し抜き最大荷重(kN)とした。
[コンクリート付着性]
23℃下でJISA5371の300mm×300mm×厚さ60mmの乾燥したコンクリート平板(ケット水分計HI−520コンクリートレンジにて5%以下)の表面をサンディング処理し、該処理面に、実施例1及び比較例1乃至比較例3のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造を形成する。その後23℃、RH50%条件下にて、7日間養生し、建研式接着力試験器により、40×40mm部分の積層状態のコンクリート片剥落防止構造とコンクリート平板との付着強度(N/mm)を測定した。
[自己消火性及び延焼性]
600mm×900mm×12mmの不燃材料(繊維混入ケイ酸カルシウム板)の上に、実施例2、実施例3及び比較例1乃至比較例3のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造を形成する。試験体を45度角度に固定し、メッケルバーナーの位置を試験体の下部から300mmの中心部、バーナー火口から試験体までの距離を65mmに成るように調整する。火炎温度は試験開始から30秒以内に1200℃以上を有するものとし、試験時間は10分とした。バーナーの炎を取り去ってから炎が消えるまでの時間及び燃え広がった範囲を計測した。判定基準としては、消炎時間が30秒以下が自己消火性有りとし、延焼範囲の上端方向は600mm以下が延焼性無しとする。
[発生ガスの安全性]
600mm×900mm×12mmの不燃材料(繊維混入ケイ酸カルシウム板)の上に、実施例2、実施例3及び比較例1乃至比較例3のトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造を形成する。該試験体を建築基準法にある「避難上有害な煙又はガスを発生しないこと」が確認できる試験方法(一般財団法人建築試験センターが定めた「防耐火性能試験・評価業務方法書」に基づくガス害性試験)に従い試験した。判定基準はマウスの平均行動停止時間が6.8分以上であるときに発生ガスの安全性有りとする。
[評価結果]
評価結果を表2に示す。
Figure 0006496646

Claims (2)

  1. トンネル覆工コンクリート片の剥落防止構造であって、コンクリート表面に有機材料成分量が1〜30重量%のエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルを0.5〜1.5kg/m塗布して硬化させて成る下地調整層と、該下地調整層の上にエポキシ樹脂と硬化剤と水酸化アルミニウムを含むエポキシ樹脂組成物から成り有機材料成分量が40〜60重量%の補強層用接着剤を0.5〜1.5kg/m塗付して質量が100g/m以下の補強用メッシュシートを貼り付け、補強層用接着剤が硬化して成る補強層と、該補強層の上に有機材料成分量が50重量%以下の水性シリコーン樹脂塗料を0.08〜0.15kg/mで塗付して硬化させて成る上塗り層とから成り、全体として有機材料成分量が25〜50重量%であることを特徴とするトンネル覆工コンクリート片剥落防止構造。
  2. トンネル覆工コンクリート片の剥落防止工法であって、コンクリート表面に有機材料成分量が1〜30重量%のエポキシ樹脂ポリマーセメントモルタルを0.5〜1.5kg/m塗布し硬化後、エポキシ樹脂と硬化剤と水酸化アルミニウムを含むエポキシ樹脂組成物から成り有機材料成分量が40〜60重量%の補強層用接着剤を0.5〜1.5kg/m塗付して質量が100g/m以下の補強用メッシュシートを貼り付け、補強層用接着剤が硬化後、有機材料成分量が50重量%以下の水性シリコーン樹脂塗料を0.08〜0.15kg/m塗付して硬化させ、全体として有機材料成分量が25〜50重量%であることを特徴とするトンネル覆工コンクリート片剥落防止工法。


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